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III 身体状況検査及び血液検査について

1.身体状況検査及び血液検査の結果

 身体状況検査では身長と体重を測定し、その結果より、BMI(Body Mass Index)を求めた。

 ※BMI:(体重 kg)/(身長 m)2

(1)性・年齢階級別 BMIの分布(割合)
 日本肥満学会が2000年に設定した肥満症の診断基準によれば、BMI18.5未満が低体重、25以上が肥満の判定であり、今回はこの診断基準を参考とした。
 なお、詳細な診断基準は(表3)に示した。

・BMIが25以上の者の割合は、男性は28.2%、女性では23.6%。

図 性・年齢階級別 BMIの分布(割合)(男性)

図 性・年齢階級別 BMIの分布(割合)(女性)

(表3)肥満症の診断基準(2000年 日本肥満学会)
  BMI
低体重 18.5>  
普通体重 18.5≦ 〜<25
────────────
肥満(1度) 25≦ 〜<30
肥満(2度) 30≦ 〜<35
肥満(3度) 35≦ 〜<40
肥満(4度) 40≦

(2)性・年齢階級別 総コレステロール値の分布(割合)及び前回の調査との比較
 日本動脈硬化学会が1997年に作成した「高脂血症診療ガイドライン」によれば、総コレステロール値200〜219mg/dlが境界域、220mg/dl以上が高コレステロール血症の診断基準であり、今回はこの診断基準を参考とした。
 なお、詳細な診断基準は(表4)に示した。

総コレステロール値の分布(割合)

・総コレステロール値が220mg/dl以上の者の割合は、男性は25.7%、女性では34.1%。

・女性においては、その割合が50歳代で44.4%、60歳代で45.1%であった。

図 総コレステロール値の分布(割合)(男性)

図 総コレステロール値の分布(割合)(女性)

前回の調査との比較

・男性において、総コレステロール値が220mg/dl以上の者の割合は、前回の調査で26.8%、今回の調査では25.7%。

・女性において、総コレステロール値が220mg/dl以上の者の割合は、前回の調査で34.7%、今回の調査では34.1%。

・年齢階級別では、男性は30歳代、40歳代において今回の調査の方が、この割合が高く、女性では30歳代以外の全ての年齢階級において、今回の調査の方がこの割合が低かった。

図 前回の調査との比較(男性)

図 前回の調査との比較(女性)

(表4)高コレステロール血症の診断基準(1997年 日本動脈硬化学会)
  総コレステロール値(mg/dl)
適正域 200>
境界域 200〜219
高コレステロール血症 220≦

(3)性・年齢階級別 血糖値の分布(割合)
 日本糖尿病学会が1999年に作成した「糖尿病治療ガイド」によれば、随時血糖値200mg/dl以上(表5(1))、あるいは早朝空腹時血糖126mg/dl以上(表5(2))等が糖尿病型の判定であり、今回の調査においては、原則食後3時間以上経過後に採血を実施したため、(1)の判定基準を参考とした。
 なお、詳細な判定基準は(表5)に示した。

・血糖値が200mg/dl以上の者の割合は、男性は3.0%、女性では1.8%。

・年齢階級別では、男女共に70歳以上でその割合が高く、男性は5.3%、女性では3.8%。

図 性・年齢階級別 血糖値の分布(割合)(男性)

図 性・年齢階級別 血糖値の分布(割合)(女性)

(表5) 糖尿病型の判定基準(1999年 日本糖尿病学会)
(1)〜(3)のいずれかに該当する場合には糖尿病型と判定する。
(1)随時血糖値200mg/dl以上が確認された場合
(2)早朝空腹時血糖126mg/dl以上が確認された場合
(3)75g糖負荷試験で2時間値200mg/dl以上が確認された場合

2.血液検査の受診状況

(1)過去1年間に血液検査を受けたことがある者の割合

(1)性・年齢階級別 過去1年間に血液検査を受けたことがある者の割合

・過去1年間に血液検査を受けたことがある者は、男性は79.0%、女性では73.3%。

・年齢階級別では、男女共にその割合は30歳代で最も低く、男性は66.1%、女性では53.8%。

図 性・年齢階級別 過去1年間に血液検査を受けたことがある者の割合

(2)総コレステロール値220mg/dl以上の者における、性・年齢階級別 過去1年間に血液検査を受けたことがある者の割合

・総コレステロール値220mg/dl以上の者において、過去1年間に血液検査を受けたことがある者の割合は、男性は77.6%、女性では76.9%。

・年齢階級別では、男女共に30歳代でその割合が最も低く、男性は66.7%、女性では52.8%。

図 総コレステロール値220mg/dl以上の者における、性・年齢階級別 過去1年間に血液検査を受けたことがある者の割合

(2)性・年齢階級別 血液検査を受けた場所(複数回答)

・過去1年間に血液検査を受けた場所は、男性は30歳代から50歳代までは職場検診の比率が大きく、60歳以上では医療機関の比率が最も大きかった。

・女性は30歳代で職場検診と医療機関の比率が等しく、40歳代では職場検診の比率が最も大きく、その他の年齢階級別では医療機関の比率が最も大きかった。

図 性・年齢階級別 血液検査を受けた場所(男性)

図 性・年齢階級別 血液検査を受けた場所(女性)

3.血液検査結果の認知度

(1)総コレステロール値の検査結果の認知度

(1)性・年齢階級別 総コレステロール値の検査結果の認知度

・過去1年間に血液検査を受けたことがある者において、総コレステロール値の検査結果を知らない(忘れた)者の割合は,男性は36.5%,女性では33.4%。

・年齢階級別では、男女共に30歳代及び70歳以上でその割合が高かった。

図 性・年齢階級別 総コレステロール値の検査結果の認知度(男性)

図 性・年齢階級別 総コレステロール値の検査結果の認知度(女性)

(2)総コレステロール値220mg/dl以上の者における、性・年齢階級別 総コレステロール値の検査結果の認知度

・総コレステロール値が220mg/dl以上の者であり、かつ、過去1年間に血液検査を受けたことがある者において、総コレステロール値の検査結果を知らない(忘れた)者の割合は、男性は34.3%、女性では27.1%。

・年齢階級別では、30歳代でその割合が最も高く、男性は47.8%、女性では55.2%。

図 総コレステロール値220mg/dl以上の者における、性・年齢階級別 総コレステロール値の検査結果の認知度(男性)

図 総コレステロール値220mg/dl以上の者における、性・年齢階級別 総コレステロール値の検査結果の認知度(女性)

(2)性・年齢階級別 血糖値の検査結果の認知度

・過去1年間に血液検査を受けたことがある者において、血糖値の検査結果を知らない(忘れた)者の割合は、男性は37.4%、女性では39.1%。

図 性・年齢階級別 血糖値の検査結果の認知度(男性)

図 性・年齢階級別 血糖値の検査結果の認知度(女性)

4.血液検査を受けた場所と検査結果の認知度との関係

・過去1年間に血液検査を受けたことがある者において、総コレステロール値及び血糖値の検査結果を知らない(忘れた)者の割合が最も少なかった場所は、人間ドックであった。

(1)総コレステロール値について

図 総コレステロール値について


(2)血糖値について

図 血糖値について



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