III  意欲の変化

 独身者の結婚意欲の変化

(1)  年齢階級別にみた変化

   独身者の結婚意欲は、「結婚したい」へと変化している。
 第1回の独身者について、第1回の結婚意欲別にこの3年間の結婚の状況と第4回の結婚意欲の状況をみると、第1回で「どちらともいえない」と考えていた者は、男7.0%、女9.4%が結婚し、男41.3%、女40.1%が「結婚したい」と考えるようになっている。また、「結婚したくない」と考えていた者の男5.1%、女6.5%が結婚し、男23.0%、女23.1%が「結婚したい」と考えるようになっている。(図13)

図13 第1回及び第4回の結婚意欲

図13 第1回及び第4回の結婚意欲
1) 集計対象は、第1回から第4回まで回答を得られている者である。
2) 「結婚したい」には「絶対したい」「なるべくしたい」と回答した者を、「結婚したくない」には「あまりしたくない」「絶対したくない」と回答した者を合算している。


   年齢階級が低い方が、結婚意欲が「結婚したい」へと変化しているものの割合が高くなる傾向がある。
 年齢階級別にみると、「どちらともいえない」から「結婚したい」へと変化している者の割合は、第1回の年齢が20〜24歳の階級で男50.6%、女55.4%と他の年齢階級に比べて最も高く、30〜34歳では男37.1%、女26.9%となっており、年齢階級が低いほど「結婚したい」へ変化する割合は高くなっている。
 また、「結婚したくない」から「結婚したい」へと変化している者の割合についても、20〜24歳で男26.1%、女36.5%、30〜34歳では、男14.4%、女9.6%と、年齢階級が低い方が「結婚したい」へ変化する割合は高くなる傾向がある。(表15)

表15 年齢階級別にみたこの3年間の結婚の状況と結婚意欲の変化
(単位:%)
 
総数 結婚した 結婚していない・第4回結婚意欲 総数 結婚した 結婚していない・第4回結婚意欲
総数 結婚したい どちらともいえない 結婚したくない 総数 結婚したい どちらともいえない 結婚したくない
第1回の結婚意欲 結婚したい 総数 (100.0) 100.0 16.2 83.8 68.4 13.1 2.4 (100.0) 100.0 20.0 80.0 70.4 7.9 1.7
      [100.0] [81.6] [15.6] [2.9]       [100.0] [88.0] [9.9] [2.1]
20〜24歳(23〜27) (39.0) 100.0 12.8 87.2 71.4 13.3 2.5 (49.1) 100.0 14.6 85.4 75.8 7.4 2.2
      [100.0] [81.9] [15.3] [2.8]       [100.0] [88.8] [8.6] [2.6]
25〜29歳(28〜32) (37.3) 100.0 18.3 81.7 65.7 13.8 2.2 (34.7) 100.0 26.9 73.1 64.3 7.8 1.0
      [100.0] [80.4] [16.9] [2.7]       [100.0] [88.0] [10.6] [1.4]
30〜34歳(33〜37) (23.7) 100.0 18.5 81.5 67.5 11.5 2.5 (16.1) 100.0 21.5 78.5 66.8 10.1 1.6
      [100.0] [82.8] [14.1] [3.1]       [100.0] [85.1] [12.9] [2.0]
どちらともいえない 総数 (100.0) 100.0 7.0 93.0 41.3 42.6 9.1 (100.0) 100.0 9.4 90.6 40.1 40.8 9.7
      [100.0] [44.4] [45.9] [9.8]       [100.0] [44.2] [45.1] [10.7]
20〜24歳(23〜27) (40.7) 100.0 5.5 94.5 47.8 38.4 8.3 (39.0) 100.0 7.2 92.8 51.5 33.9 7.4
      [100.0] [50.6] [40.6] [8.8]       [100.0] [55.4] [36.6] [8.0]
25〜29歳(28〜32) (34.5) 100.0 8.9 91.1 38.4 43.1 9.6 (33.9) 100.0 11.6 88.4 39.5 39.5 9.3
      [100.0] [42.1] [47.3] [10.6]       [100.0] [44.7] [44.7] [10.5]
30〜34歳(33〜37) (24.8) 100.0 7.1 92.9 34.5 48.9 9.5 (27.1) 100.0 9.7 90.3 24.3 52.4 13.6
      [100.0] [37.1] [52.7] [10.2]       [100.0] [26.9] [58.1] [15.1]
結婚したくない 総数 (100.0) 100.0 5.1 94.9 23.0 28.5 43.4 (100.0) 100.0 6.5 93.5 23.1 31.0 39.4
      [100.0] [24.2] [30.1] [45.7]       [100.0] [24.7] [33.2] [42.2]
20〜24歳(23〜27) (44.3) 100.0 5.8 94.2 24.6 32.5 37.2 (42.3) 100.0 5.0 95.0 34.7 28.7 31.7
      [100.0] [26.1] [34.4] [39.4]       [100.0] [36.5] [30.2] [33.3]
25〜29歳(28〜32) (32.3) 100.0 5.0 95.0 27.3 23.7 43.9 (29.8) 100.0 9.2 90.8 19.7 27.5 43.7
      [100.0] [28.8] [25.0] [46.2]       [100.0] [21.7] [30.2] [48.1]
30〜34歳(33〜37) (23.4) 100.0 4.0 96.0 13.9 27.7 54.5 (27.9) 100.0 6.0 94.0 9.0 38.3 46.6
      [100.0] [14.4] [28.9] [56.7]       [100.0] [9.6] [40.8] [49.6]

1) 集計対象は、第1回独身で第4回まで回答を得られている者である。ただし、第1回の結婚意欲が不詳の者を除く。また、「結婚していない」は、第4回の結婚意欲が不詳の者を除く。
2) 「結婚したい」は、「絶対したい」「なるべくしたい」と回答した者を、「結婚したくない」は、「あまりしたくない」「絶対したくない」と回答した者を合算している。
3) 年齢は、第1回の年齢である。( )内は第4回の年齢である。
4) [ ]内は、第4回に結婚していない者を総数とした、第4回の結婚意欲の状況である。


(2)  親との同居状況との関係

   男女とも、第1回から第4回にかけて親と同居から非同居へ変化している者は、「結婚したい」と考えている者の割合が高い。
 第1回からの独身者について、第1回から第4回間の親との同居の有無の変化別に、第4回の結婚意欲をみると、「同居から非同居へ」の場合、「結婚したい」と考えている者の割合は、男68.8%、女73.5%と、他の親との同居の有無の変化の場合に比べて最も高く、女は「結婚したくない」と考えている者の割合が5.9%と、他の場合に比べて特に低くなっている。また、親との同居の有無の変化が「変化なし(同居していない)」の場合、「結婚したくない」と考えている者の割合は、男12.6%、女15.3%と、他の場合に比べて高くなっている。(表16、図14)

表16 親との同居の有無の変化別にみた第4回の結婚意欲
(単位:%)
  第4回の結婚意欲
総数 結婚したい どちらとも
いえない
結婚したくない 不詳
第1回から第4回間の
親との同居の有無の変化
(100.0) 100.0 63.1 25.8 8.6 2.5
 同居から非同居へ (4.2) 100.0 68.8 22.6 7.7 1.0
 非同居から同居へ (11.6) 100.0 58.0 30.3 9.1 2.6
 変化なし(同居している) (64.1) 100.0 65.6 25.3 7.8 1.3
 変化なし(同居していない) (10.5) 100.0 64.2 22.2 12.6 1.0
(100.0) 100.0 69.4 20.4 8.4 1.8
 同居から非同居へ (4.9) 100.0 73.5 18.3 5.9 2.3
 非同居から同居へ (9.1) 100.0 68.2 19.9 10.0 2.0
 変化なし(同居している) (72.3) 100.0 71.7 19.8 7.5 1.0
 変化なし(同居していない) (8.7) 100.0 58.3 25.1 15.3 1.3

1) 集計対象は、第1回独身で第4回まで回答を得られている者で、結婚していない者である。
2) 「結婚したい」は、「絶対したい」「なるべくしたい」と回答した者を、「結婚したくない」は、「あまりしたくない」「絶対したくない」と回答した者を合算している。
3) 「男」「女」には、第1回から第4回間の親との同居の有無の変化不詳を含む。


図14 親との同居の有無の変化別にみた結婚意欲

図14 親との同居の有無の変化別にみた結婚意欲
1) 集計対象は、第1回独身で第4回まで回答を得られている者で、結婚をしていない者である。
2) 「結婚したい」は「絶対したい」「なるべくしたい」と回答した者を、「結婚したくない」は「あまりしたくない」「絶対したくない」と回答した者を合算している。


(3)  就業状況の変化との関係

   男女とも非正規から正規への転職をした者に「結婚したい」と考えている者の割合が高く、無職継続の場合に低い。
 第1回からの独身者について、第1回から第4回間の就業状況の変化別に、第4回の結婚意欲をみると、「同一就業継続」のうち就業形態が「正規」の場合、「結婚したい」と考えている者の割合は、男69.1%、女73.3%となっている。また、「転職」のうち「非正規から正規へ」の場合は、男74.7%、女76.6%と、さらに高くなっている。また、「無職継続」の場合、「結婚したい」と考えている者の割合は、男女とも45.4%と、他の就業状況の変化の場合に比べて、最も低くなっている。(表17、図15)

表17 就業状況の変化と第4回の結婚意欲
(単位:%)
  第4回の結婚意欲
総数 結婚したい どちらともいえない 結婚したくない 不詳
第1回から第4回間の
就業状況の変化
(100.0) 100.0 63.1 25.8 8.6 2.5
 同一就業継続 (53.0) 100.0 66.0 24.7 7.5 1.8
  (再掲)正規 (40.1) 100.0 69.1 23.5 6.3 1.2
  (再掲)非正規 (5.9) 100.0 49.5 32.9 15.6 2.1
 転職 (19.5) 100.0 64.8 23.7 8.6 2.9
  (再掲)正規から非正規へ (1.8) 100.0 62.8 23.3 11.6 2.3
  (再掲)非正規から正規へ (5.6) 100.0 74.7 18.8 6.1 0.4
 新規就業 (11.5) 100.0 63.1 27.7 6.9 2.3
 離職 (5.1) 100.0 59.4 21.9 13.9 4.8
 無職継続 (7.3) 100.0 45.4 37.3 13.4 3.9
(100.0) 100.0 69.4 20.4 8.4 1.8
 同一就業継続 (48.5) 100.0 70.5 19.8 8.2 1.5
  (再掲)正規 (34.7) 100.0 73.3 18.8 6.5 1.4
  (再掲)非正規 (11.2) 100.0 62.7 22.5 13.1 1.8
 転職 (27.2) 100.0 73.0 18.6 6.8 1.7
  (再掲)正規から非正規へ (4.3) 100.0 74.9 18.8 5.2 1.0
  (再掲)非正規から正規へ (7.1) 100.0 76.6 16.5 5.4 1.6
 新規就業 (12.4) 100.0 68.4 21.4 8.0 2.2
 離職 (5.3) 100.0 70.0 21.5 6.8 1.7
 無職継続 (4.9) 100.0 45.4 30.6 22.2 1.9

1) 集計対象は、第1回独身で第4回まで回答を得られている者で、結婚していない者である。
2) 「結婚した」は、「絶対したい」「なるべくしたい」と回答した者を、「結婚したくない」は、「あまりしたくない」「絶対したくない」と回答した者を合算している。
3) 「男」「女」には、第1回から第4回間の就業状況の変化不詳を含む。


図15 就業状況の変化と結婚意欲の変化

図15 就業状況の変化と結婚意欲の変化
1) 集計対象は、第1回独身で第4回まで回答を得られている者で、結婚をしていない者である。
2) 「結婚したい」は「絶対したい」「なるべくしたい」と回答した者を、「結婚したくない」は「あまりしたくない」と回答した者を合算している。


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