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(2) 結婚期間が妊娠期間より短い出生の傾向

 近年の出生状況をみると、第1子出生までの父母の結婚期間は6か月がピークとなっている。そこで、嫡出第1子の結婚期間が妊娠期間より短い出生について考察してみる。
 ここでは、結婚期間が妊娠期間より短い出生について、以下の《仮定》に基づいて算出した。

《仮定》 結婚期間が妊娠期間より短い出生の考え方

この報告書では、
 1) 妊娠週数の数え方から、月経周期が28日周期の場合で、排卵時点で既に妊娠2週目にあたること
 2) 婚姻の届出や同居の開始がハネムーン後になるケースもあること
を考慮して、
「結婚週数<妊娠週数−3週」(=「妊娠週数≧結婚週数+4週」)
で出生した場合を結婚期間が妊娠期間より短い出生と考えることとした。

ただし、結婚期間は、人口動態統計出生票より
「生まれた年月−同居を始めた年月」
で算出しており、月単位でしか把握できないため、結婚期間(月数)に対応する実際の結婚週数には幅がある。
(例:結婚期間が1か月の場合、実際の結婚週数は、最短で0週、最長で8週、平均で4週となる。〈下図参照〉)
出生した年月−同居を始めた年月の図
注: 平均的な結婚週数+4週以上
で算出している。
結婚期間が妊娠期間より短い出生数の試算においては、結婚期間に対する平均的な結婚週数に基づき算出した。(具体的には、下表の区分について算出)
ただし、上記のように実際の結婚週数には幅があることから、試算結果についてもその上下に一定の幅があることに留意する必要がある。

結婚期間が妊娠期間より短い出生に計上するケース(仮定)

結婚期間 妊娠週数
1月   8週以上
2月  12週
3月  17週
4月  21週
5月  25週
6月  30週
7月  34週
8月  39週
9月  43週

イメージ図

結婚期間が妊娠期間より短い出生のイメージ図


注: 出生届における「同居を始めた年月」は、結婚式を挙げたとき、または、同居を始めたときのうち早い方を記入することとなっている。


 前述の仮定に基づき試算した結婚期間が妊娠期間より短い出生数をみると、昭和55年から平成12年にかけて年々増加している傾向がうかがえる。また、嫡出第1子出生数に占める割合も年々増加しており、平成12年で4分の1程度となっている。
 これは、結婚式を挙げたとき、または、同居を始めたときにはすでに妊娠していた可能性のある出生が増加しているということである。(表9,図16)
 結婚期間が妊娠期間より短い出生の嫡出第1子出生数に占める割合を母の年齢階級別にみると、昭和55年には「15〜19歳」で5割、「20〜24歳」で2割、25歳以降では1割に満たない割合であったが、平成12年には「15〜19歳」で8割、「20〜24歳」で6割、「25〜29歳」で2割、30歳以降で1割となっており、年齢層が若くなるほど多くなっている。(表10,図17)

表9 結婚期間が妊娠期間より短い出生数及び嫡出第1子に占める出生構成割合 −昭和55〜平成12年−

  嫡出
第1子出生数
(千人)
結婚期間が妊娠期間より短い出生
出生数 (千人) 嫡出第1子に
占める割合(%)
昭和55年 660 83 12.6
60   593 103 17.3
平成2   522 109 21.0
7   557 125 22.5
8   563 125 22.2
9   559 126 22.6
10   571 136 23.9
11   565 141 25.0
12   569 150 26.3

注:嫡出第1子出生数は、結婚期間不詳を除いた数値である。


図16 結婚期間が妊娠期間より短い出生の嫡出第1子に占める出生構成割合 −昭和55〜平成12年−

結婚期間が妊娠期間より短い出生の嫡出第1子に占める出生構成割合 −昭和55〜平成12年−の図

注:点線は結婚期間を月単位でしか把握できないことにより想定される幅である。


表10 母の年齢階級別にみた結婚期間が妊娠期間より短い出生数及び
嫡出第1子に占める出生構成割合 -昭和55〜平成12年-

  結婚期間が妊娠期間より短い出生数 (千人) 嫡出第1子に占める割合(%)
総数 15-19歳 20-24 25-29 30-34 35歳- 総数 15-19歳 20-24 25-29 30-34 35歳-
昭和55年 83 6 45 26 5 1 12.6 47.4 20.1 7.8 7.1 6.6
60   103 9 56 30 6 2 17.3 61.5 31.2 9.8 8.3 8.8
平成2   109 10 57 33 8 2 21.0 67.0 41.5 12.4 9.3 9.4
7   125 10 65 38 10 3 22.5 73.9 47.0 14.2 9.2 10.0
8   125 9 63 40 10 3 22.2 74.6 47.3 14.5 8.9 9.6
9   126 10 62 41 11 3 22.6 77.0 48.7 15.0 9.1 9.2
10   136 11 65 45 12 3 23.9 78.3 52.3 16.6 9.3 9.7
11   141 11 65 48 14 3 25.0 79.8 55.1 17.9 10.2 10.1
12   150 12 67 52 15 4 26.3 81.7 58.3 19.6 10.9 10.3

注:構成割合は、結婚期間不詳を除いた嫡出第1子出生数に対する数値である。



図17 母の年齢階級別にみた結婚期間が妊娠期間より短い出生の
嫡出第1子に占める出生構成割合 −昭和55〜平成12年−

母の年齢階級別にみた結婚期間が妊娠期間より短い出生の嫡出第1子に占める出生構成割合 −昭和55〜平成12年−の図



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