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人口動態調査
調査の概要
調査の目的
- 我が国の人口動態事象を把握し、人口及び厚生労働行政施策の基礎資料を得ることを目的とする。
調査の沿革
- 人口動態調査は、明治31年(1898年)「戸籍法」が制定され登録制度が法体系的にも整備されたのを機会に、同32年(1899年)から人口動態調査票は1件につき1枚の個別票を作成し、中央集計をする近代的な人口動態統計制度が確立した。その後、昭和22年(1947年)6月に「統計法」に基づき「指定統計第5号」として指定され、その事務の所管は同年9月1日に総理庁から厚生省に移管された。さらに、平成21(2009年)年4月からは、新「統計法」(平成19年法律第53号)に基づく基幹統計調査となった。
調査の根拠法令
- 人口動態調査令
- 人口動態調査令施行細則
- 死産の届出に関する規程
- 死産届書、死産証書及び死胎検案書に関する省令
- 戸籍法
- 戸籍法施行規則 等
調査の対象及び客体
- 「戸籍法」及び「死産の届出に関する規程」により届け出られた出生、死亡、婚姻、離婚及び死産の全数を対象としている。集計客体については、利用上の注意を参照の事。
抽出方法
- 全数調査
調査事項
- 人口動態調査票は、出生票、死亡票、死産票、婚姻票、離婚票の5種であり、その概要は次のとおりである。
- (1)出生票:出生の年月日、場所、体重、父母の氏名及び年齢等出生届に基づく事項
- (2)死亡票:死亡者の生年月日、住所、死亡の年月日等死亡届に基づく事項
- (3)死産票:死産の年月日、場所、父母の年齢等死産届に基づく事項
- (4)婚姻票:夫妻の生年月、夫の住所、初婚・再婚の別等婚姻届に基づく事項
- (5)離婚票:夫妻の生年月、住所、離婚の種類等離婚届に基づく事項
調査の時期
- 調査の期間は調査該当年の1月1日から同年12月31日まで
調査の方法
- (1)
- ア市区町村長は、出生、死亡、婚姻、離婚又は死産の届出を受けたときは、その届書に基づいてすみやかに人口動態調査票を作成し、これを遅滞なく保健所の管轄区域によって当該保健所長に送付する。
- イ保健所長は、毎月、市区町村長から送付された人口動態調査票のうち、前月中の出生、死亡及び死産であってその月の14日までに届出があったものに係る分(前々月以前の出生、死亡及び死産であって前月の15日からその月の14日までに届出があったものに係る分を含む。) 並びに前月中に届出があった婚姻及び離婚に係る分をとりまとめ、その月の25日までに都道府県知事に送付する。ただし、保健所を設置する市又は特別区の保健所にあっては、市長又は区長を経由する。
- ウ保健所長は、市区町村長から送付を受けた出生票に基づいて出生小票(出生票の写し)を、死亡票に基づいて死亡小票(死亡票の写し)を作成する。
- エ都道府県知事は、保健所長から人口動態調査票の送付を受けたときは、送付を受けた日の属する月の翌月5日までに厚生労働大臣に送付する。
- オ市区町村長、保健所長及び都道府県知事は、上記ア、イ又はエにおける送付をする場合は、電子情報処理組織を使用して行わなければならない。ただし、これらによる送付ができない場合は、書面又は電子媒体による送付に代えて行うことができる。
- カ人口動態調査票の送付を電子媒体で行う場合は、当該電子媒体のラベル領域に次の事項を記載し送付する。
- (1)人口動態調査である旨
- (2)人口動態調査票の種別
- (3)送付年月日
- (4)都道府県名、保健所名又は市区町村名
- キ市区町村長、保健所長及び都道府県知事は、上記ア、イ又はエにおいて電子情報処理組織を使用して人口動態調査票を送付する場合は、あらかじめ、当該市区町村名、保健所名又は都道府県名その他必要な事項について厚生労働大臣に届出を行い、送付者コード(ID、パスワード)の付与を受ける。 なお、市区町村長、保健所長及び都道府県知事は、届出た事項に変更が生じる場合若しくは送付者コード(ID、パスワード)の使用を廃止する場合は、遅滞なくその旨を厚生労働大臣に届出を行う。
- (2)報告の系統
- (3)集計は、厚生労働省政策統括官(統計・情報システム管理、労使関係担当)において行う。
回答率及び回収率について
- 回答率について
市区町村に提出された届出をそのまま転記することで調査票が作成されているため、全ての調査項目に回答している。 - 回収率について
人口動態調査は、回答者に調査票を送付し、回答が記入された調査票を回収するものではなく、市区町村が届出を受理した場合に調査票が作成されるため、回収率という概念は存在しない。
調査の結果
用語の解説
自然増減
- 出生数から死亡数を減じたものをいう。
乳児死亡
- 生後1年未満の死亡をいう。
新生児死亡
- 生後4週未満の死亡をいう。
早期新生児死亡
- 生後1週未満の死亡をいう。
妊娠期間
- 出生、死産及び周産期死亡の妊娠期間は満週数による(1978年(昭和53年)までは、数えによる妊娠月数)。
早期
- 妊娠満37週未満(259日未満)
正期
- 妊娠満37週から満42週未満(259日から293日)
過期
- 妊娠満42週以上(294日以上)
死産
- 妊娠満12週(妊娠第4月)以後の死児の出産をいい、死児とは、出産後において心臓膊動、随意筋の運動及び呼吸のいずれも認めないものをいう。
自然死産と人工死産
- 人工死産とは、胎児の母体内生存が確実であるときに、人工的処置(胎児又は付属物に対する措置及び陣痛促進剤の使用)を加えたことにより死産に至った場合をいい、それ以外はすべて自然死産とする。
なお、人工的処置を加えた場合でも、次のものは自然死産とする。
(1)胎児を出生させることを目的とした場合
(2)母体内の胎児が生死不明か、又は死亡している場合
周産期死亡
- 妊娠満22週(154日)以後の死産に早期新生児死亡を加えたものをいう。
妊産婦死亡
- 妊娠中又は妊娠終了後満42日未満(1978年(昭和53年)までは「産後90日以内」とし、1979年(昭和54年)から1994年(平成6 年)までは「分娩後42日以内」としている。)の女性の死亡で、妊娠の期間及び部位には関係しないが、妊娠もしくはその管理に関連した又はそれらによって悪化したすべての原因によるものをいう。ただし、不慮又は偶発の原因によるものを除く。
その範囲は、直接産科的死亡、間接産科的死亡及び原因不明の産科的死亡(1995年(平成7年)以降は、死因基本分類コード(以下省略)O95)が該当する。
後発妊産婦死亡
- 妊娠終了後満42日以降1 年未満における直接又は間接産科的原因による女性の死亡をいう。1995年(平成7 年)適用の「ICD−10」から新たに定義されたもの。
その範囲は、直接産科的死亡、間接産科的死亡及びあらゆる産科的死亡(1995年(平成7 年)から2016年(平成28年)まではO96、2017年(平成29年)以降はO96.9)が該当する。
直接産科的死亡1)
- 妊娠時(妊娠、分娩及び産じょく<褥>)における産科的合併症が原因で死亡したものをいう。
妊産婦死亡
- 1978年(昭和53年)以前は基本分類表「XI 妊娠、分娩および産褥の合併症」(内容的に直接産科的死亡に該当)、1979年(昭和54年)から1994年(平成6 年)までは630〜646及び650〜676、1995年(平成7 年)以降はO00〜O92が該当する。
後発妊産婦死亡
- 2017年(平成29年)以降は「ICD−10(2013年版)準拠」にて細分されたO96.0が該当する。
間接産科的死亡1)
- 妊娠前から存在した疾患又は妊娠中に発症した疾患による死亡であって、直接産科的原因によるものではないが、妊娠の生理的作用によって悪化したものである。
妊産婦死亡
- 1979年(昭和54年)から1994年(平成6 年)までは647〜648、1995年(平成7 年)以降はO98〜O99及び第XV章(Oコード)以外の間接産科的死亡が該当する。
後発妊産婦死亡
- 1995年(平成7 年)から2016年(平成28年)は第XV章(Oコード)以外の間接産科的死亡、2017年(平成29年)以降は「ICD−10(2013年版)準拠」にて細分されたO96.1が追加された。
第XV章(Oコード)以外の間接産科的死亡
- 1995年(平成7 年)から2016年(平成28年)までは、産科的破傷風(A34)及び妊娠、分娩及び産じょく<褥>に合併するヒト免疫不全ウイルス[HIV]病(B20〜B24)が該当する。
2017年(平成29年)から「ICD−10(2013年版)準拠」により、妊娠、分娩及び産じょく<褥>に合併するヒト免疫不全ウイルス[HIV]病(B20〜B24)がO98.7へ符号変更され、下垂体の分娩後え<壊>死(E23.0)、産じょく<褥>に関連する精神及び行動の障害(F53)、産じょく<褥>期骨軟化症(M83.0)、傷病及び死亡の外因(V01〜Y89)が追加された。
注: 1 )1979年(昭和54年)以降の「ICD− 9 」から新たに定義されたもの。
施設の種類
病院
- 医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であって、20人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいう。
診療所
- 医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であって、患者を入院させるための施設を有しないもの又は19人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。
介護医療院
- 要介護者であって、主として長期にわたり療養が必要である者に対し、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活の世話を行うことを目的とした施設を有するものをいう。介護保険法(平成9 年法律第123号。平成12年4 月1 日施行)による都道府県知事の許可を受けたものである。
(参考) 地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律(平成30年4 月1 日施行)に伴い新設された。
介護老人保健施設
- 要介護者に対し、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とした施設で、介護保険法による都道府県知事の許可を受けたものをいう。
(参考)介護保険法施行前は老人保健法(昭和57年法律第80号)による老人保健施設である。
助産所
- 助産師が公衆又は特定多数人のためその業務(病院又は診療所において行うものを除く)を行う場所をいう。
老人ホーム
- 養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム及び有料老人ホームをいう。
自宅
- 自宅の他、グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅を含む。
世帯の主な仕事
農家世帯
- 最多所得者が農業だけ又は農業とその他の仕事を持っている世帯
自営業者世帯
- 最多所得者が自由業・商工業・サービス業等を個人で経営している世帯
常用勤労者世帯(I)
- 最多所得者が企業・個人商店等(官公庁は除く)の常用勤労者世帯で勤め先の従事者数が1人から99人までの世帯(日々または1年未満の契約の雇用者はその他の世帯)
常用勤労者世帯(II)
- 最多所得者が常用勤労者世帯(I)にあてはまらない常用勤労者世帯及び会社団体の役員の世帯(日々または1年未満の契約の雇用者はその他の世帯)
その他の世帯
- 最多所得者が上記にあてはまらないその他の仕事をしている世帯
無職の世帯
- 仕事をしている者のいない世帯(年金・利子等の収入で生活している世帯を含む)
離婚の種類
協議離婚
- 戸籍法上の届出によって成立するが、これが有効に成立するためには、夫婦間に離婚についての意思の合致がなければならない。離婚意志の合致のない離婚は無効である。
裁判離婚
- 裁判所が関与して成立する離婚であって、調停離婚、審判離婚、和解離婚、認諾離婚及び判決離婚の5種があり、調停が成立したとき、和解が成立したとき、請求の認諾をしたとき、又は審判若しくは判決が確定したときに離婚の効果が生ずる。
調停離婚
- 当事者の申立て又は家庭裁判所の調停に付する処置により調停が開始される。調停において当事者間に離婚の合意が成立し、これを調書に記載したときは、調停が成立したものとし、その記載は、確定判決と同一の効力を有する。
審判離婚
- 調停が成立しない場合に、家庭裁判所は、調停に代わる審判をすることができる。当事者から適法な異議の申立てがあったときは、審判はその効力を失うが、異議がなければ、審判は確定判決と同一の効力を有する。
和解離婚
- 離婚訴訟上において和解ができる。和解が成立し、それが調書に記載されたときは、その記載は、確定判決と同一の効力を有する。
認諾離婚
- 離婚訴訟上において請求の認諾ができる。請求の認諾があり、それが調書に記載されたときは、その記載は、確定判決と同一の効力を有する。
判決離婚
- 調停が成立せず、審判も確定しない場合に、法定の離婚原因があるときは、当事者の訴えの提起により離婚の判決がなされる。
利用上の注意
- (1) 公表している人口動態統計の資料は次のとおりである。
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人口動態統計速報
数値:調査票を作成した数
集計客体:日本における日本人及び外国人、並びに外国における日本人(いずれも前年以前発生のものを含む)
公表:毎月
(調査月の約2か月後)
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人口動態統計月報
数値:概数
集計客体:日本における日本人
(前年以前発生のものを除く)公表:毎月
(調査月の約5か月後)
:毎年(年間合計)
(調査年の翌年6月上旬)
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人口動態統計年報
数値:確定数
(概数に修正を加えたもの)集計客体:日本における日本人(日本における外国人、外国における日本人及び前年以前発生のものは別掲)
公表:毎年
(調査年の翌年9月)刊行物:報告書(刊行は調査年の翌々年3月)
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- 厚生労働省ホームページ及び政府統計の総合窓口(e-Stat)に掲載する。
- (2) 表章記号の規約
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計数のない場合 - 統計項目のありえない場合 ・ 計数不明又は計数を表章することが不適当な場合 … 比率が微小(0.05未満)の場合 0.0,0.0000 減少数(率)の場合 △ - なお、掲載の数値は四捨五入してあるので、内訳の合計が「総数」に合わない場合がある。
利活用事例
他統計での数値利用例
- 人口推計(総務省)
- 将来推計人口(厚生労働省)
- 生命表(厚生労働省)
国際比較用の数値提供例
- WHO 出生・死亡・死産・婚姻・離婚にかかる件数(性別/年齢別等)
- OECD 乳児・新生児・周産期死亡率、低体重児の割合等