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3 賃金・退職金制度の改定と労働組合の対応に関する事項

(1) 賃金・退職金制度の改定の実施状況

 過去3年間に所属する事業所において、賃金・退職金制度の改定が「実施された」労働組合の割合は56.0%、「実施されていない」労働組合の割合は44.0%となっている。
 産業別にみると、金融・保険業、不動産業(73.1%)、運輸・通信業(62.2%)、卸売・小売業,飲食店(60.3%)等で賃金・退職金制度の改定が「実施された」労働組合の割合が高くなっている(第8表)。
 また、賃金・退職金制度の改定が「実施された」労働組合について、改定の内容をみると、賃金制度については「職務・職能・業績給の新設、拡大」が53.0%、退職金制度については「退職金算定方法の見直し」が26.5%とそれぞれ高い割合となっている(第8図)。

第8表 過去3年間における賃金・退職金制度の改定の有無別労働組合の割合

(%)
産業 賃金・退職金
制度の改定が
「実施された」
賃金・退職金
制度の改定が
「実施されていない」
100.0 56.0 44.0
     
鉱業 100.0 35.3 64.7
建設業 100.0 58.4 41.6
製造業 100.0 49.6 50.4
電気・ガス・熱供給・水道業 100.0 56.5 43.5
運輸・通信業 100.0 62.2 37.8
卸売・小売業,飲食店 100.0 60.3 39.7
金融・保険業、不動産業 100.0 73.1 26.9
サービス業 100.0 44.2 55.8


第8図 賃金・退職金制度改定の内容別労働組合の割合(M.A.)

第8図 賃金・退職金制度改定の内容別労働組合の割合(M.A.)


(2) 賃金・退職金制度の改定に当たっての労働組合の関与の状況

 賃金・退職金制度の改定が実施された労働組合について、改定に当たって「関与した」労働組合の割合は94.0%、「関与しなかった」労働組合の割合は6.0%となっている(第9表)。
 また、「関与した」労働組合について、どのように関与したかをみると、「労使協議機関で協議した」労働組合の割合が80.9%、「団体交渉を行った」労働組合の割合は46.5%となっている。「労使協議機関で協議した」を内容別にみると、「協議事項として」が80.0%、「同意事項として」が30.2%、「説明報告事項として」が15.3%、「意見聴取事項として」が12.7%となっている(第10表)。

第9表 賃金・退職金制度の改定に当たっての関与の有無別労働組合の割合

(%)
産業 賃金・退職金
制度の改定が
「実施された」
関与した 関与しな
かった
100.0 94.0 6.0
     
鉱業 100.0* 100.0*
建設業 100.0 94.0 6.0
製造業 100.0 93.9 6.1
電気・ガス・熱供給・水道業 100.0 98.8 1.2
運輸・通信業 100.0 93.7 6.3
卸売・小売業,飲食店 100.0 95.4 4.6
金融・保険業、不動産業 100.0 93.5 6.5
サービス業 100.0 91.3 8.7


第10表 関与の内容別労働組合の割合

M.A.(%)
産業 改定に当たり
「関与した」
労使協議機関で
協議した
  団体
交渉を
行った
その他
同意
事項
として
協議
事項
として
意見聴
取事項
として
説明報
告事項
として
100.0 80.9 (100.0) (30.2) (80.0) (12.7) (15.3) 46.5 4.3
           
鉱業 100.0* 66.7* (100.0)* (100.0)* (75.0)* (50.0)* (50.0)* 66.7* 16.7*
建設業 100.0 90.6 (100.0) (45.0) (64.5) (10.7) (20.3) 44.1 1.1
製造業 100.0 86.1 (100.0) (32.9) (85.9) (14.9) (19.3) 38.6 2.3
電気・ガス・熱供給・水道業 100.0 78.4 (100.0) (3.0) (93.2) (7.3) (7.3) 55.7 2.5
運輸・通信業 100.0 73.7 (100.0) (27.3) (81.6) (6.9) (9.4) 73.9 1.3
卸売・小売業,飲食店 100.0 88.7 (100.0) (34.2) (68.5) (15.4) (17.5) 33.0 5.1
金融・保険業、不動産業 100.0 73.5 (100.0) (29.5) (77.6) (13.2) (8.6) 35.8 12.0
サービス業 100.0 69.2 (100.0) (14.9) (81.7) (10.5) (15.5) 59.3 6.9


(3) 賃金・退職金制度の改定に当たり労働組合が重視した事項

 賃金・退職金制度の改定に「関与した」労働組合について、改定に当たり労働組合が最も重視した事項をみると、「評価制度の透明性、公正・公平さの確保」とする労働組合の割合が60.1%で最も高く、「格差拡大による不平等感が高まらないための配慮」が15.0%、「定年延長、再雇用制度等の雇用への配慮」が7.4%、「中高年層の生活面への配慮」が7.3%の順となっている(第9図)。
 また、産業別にみると、鉱業を除き、「評価制度の透明性、公正・公平さの確保」とする労働組合の割合が最も高くなっている(第11表)。

第9図 賃金・退職金制度の改定に当たり最も重視した事項別労働組合の割合

第9図 賃金・退職金制度の改定に当たり最も重視した事項別労働組合の割合

第11表 賃金・退職金制度の改定に当たり最も重視した事項別労働組合の割合

(%)
産業 賃金・退
職金制度
の改定が
実施され
関与した   関与しな
かった
評価制
度の透
明性、
公正・
公平さ
の確保
中高年
層の生
活面へ
の配慮
格差拡
大によ
る不平
等感が
高まら
ないた
めの配
定年延
長、再雇
用制度等
の雇用へ
の配慮
その他 不明
100.0 94.0 (100.0) (60.1) ( 7.3) (15.0) ( 7.4) (10.1) ( 0.0) ( 6.0)
            
鉱業 100.0* 100.0* (100.0)* (33.3)* ( − ) (16.7)* (50.0)* ( − ) ( − ) ( − )
建設業 100.0 94.0 (100.0) (62.4) ( 7.1) (10.8) ( 8.0) (11.7) ( − ) ( 6.0)
製造業 100.0 93.9 (100.0) (57.4) ( 9.0) (21.3) ( 6.4) ( 5.8) ( 0.1) ( 6.1)
電気・ガス・熱供給・水道業 100.0 98.8 (100.0) (56.0) ( 1.6) ( 7.3) (10.1) (25.1) ( − ) ( 1.2)
運輸・通信業 100.0 93.7 (100.0) (51.3) ( 8.6) (12.0) (14.5) (13.6) ( − ) ( 6.3)
卸売・小売業,飲食店 100.0 95.4 (100.0) (67.0) ( 9.4) (12.0) ( 5.3) ( 6.3) ( − ) ( 4.6)
金融・保険業、不動産業 100.0 93.5 (100.0) (78.6) ( 2.1) ( 6.0) ( − ) (13.3) ( − ) ( 6.5)
サービス業 100.0 91.3 (100.0) (45.8) ( 5.6) (22.7) (10.5) (15.3) ( − ) ( 8.7)



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