2009年６月の鉱工業生産（季節調整済前月比、速報、以下同じ）は、2.4％増と４か月連続で上昇した（第２図(PDF:119KB)）。

業種別にみると、2009年６月は電子部品・デバイス工業、鉄鋼業、化学工業（除．医薬品）等が上昇し、金属製品工業、プラスチック製品工業、石油・石炭製品工業等が低下した。

出荷は前月比3.5％増と上昇した。在庫は前月比1.0％減と低下した。

今後の動向については、製造工業生産予測調査によると、製造工業生産は７月1.6％増の後、８月は3.3％増となっている。

先行きについては、輸出の持ち直しや在庫調整の一巡などから、当面、持ち直しが続くことが期待される。

二人以上の世帯の実質消費支出（季節調整済前月比、速報、以下同じ）は、５月2.2％増の後、６月0.3％減となった。うち勤労者世帯では、５月2.6％増の後、６月2.6％減となった。勤労者世帯の平均消費性向（季節調整値）は５月72.8％の後、６月76.4％となった（第３図(PDF:120KB)）。

消費者態度指数の推移をみると、2009年４〜６月期（季節調整済前期差）は9.2ポイント上昇し、37.6となった。なお、６月（原数値前年同月差）は5.0ポイント上昇し、37.6となった。

６月の小売業販売額（季節調整済前月比、速報、以下同じ）は、0.3％減、大型小売店販売額は0.1％増となった。また、乗用車（軽を含む）の新車登録台数（原数値前年同月比）は、６月12.2％減の後、７月3.82％減となった。

先行きについては、消費者マインドが持ち直している中で、経済対策の効果が引き続き見込まれるものの、雇用・所得環境の悪化による影響などを注視する必要がある。

財務省「法人企業統計季報」によると、全産業の設備投資は、2008年10〜12月期季節調整済前期比7.4％減の後、2009年１〜３月期同8.6％減(うち製造業同9.4％減、非製造業同8.0％減）となっており、全産業、製造業、非製造業で減少している。

今後の動向については、日本銀行「全国企業短期経済観測調査」（6月調査）をみると、全規模の2009年度の設備投資計画（前年度比）は、全産業で17.1％減、製造業は28.0％減、非製造業は11.2％減となっている（第４表(PDF:89KB)）。また、機械受注（船舶・電力を除く民需）は、季節調整済前月比で2009年５月は3.0％減の後、６月は9.7％増となっている。国土交通省「建築着工統計」による非居住用建築物（民間）の工事予定額をみると、2009年５月は季節調整済前月比21.5％減の後、６月は同34.1％増となっている。

先行きについては、企業収益が極めて大幅に減少し、世界景気の下振れ懸念など先行き不透明感が高いなかで、企業の設備投資計画においても大幅な減少が見込まれており、一層の減少が懸念される。

新設住宅着工総戸数をみると、2009年５月は季節調整済前月比2.7％減、６月は同1.2％減の6.2万戸（年率74.9万戸）と３か月連続で減少した（第５図(PDF:124KB)）。

新設住宅着工床面積は、2009年５月は季節調整済前月比1.1％減の後、６月は同0.5％増となった。

先行きについては、経済対策の効果が期待されるものの、雇用・所得環境の悪化などから、当面、減少傾向が続くと見込まれる。

公共機関からの建設工事受注額は、前年同月比で、2009年４月は21.8％増の後、５月は27.5％増となった。また、公共工事請負金額（「公共工事前払金保証統計」）をみると、2009年５月は前年同月比2.5％増の後、６月は12.7％増となっている。

先行きについては、関連予算の執行により、強めの動きとなることが見込まれる。

通関輸出（数量ベース、季節調整済前期比）は、月別で2009年５月は5.5％増の後 、 ６月は6.0％増となっており、四半期別では、2009年１〜 ３月期26.6％減の後、2009年４〜６月期10.8％増となった（第６図(PDF:158KB)）。

地域別には、アジア向けの輸出は増加している。アメリカ向け、ＥＵ向けは、ともに持ち直しの動きがみられる。先行きについては、世界的な在庫調整の進展やアジアを中心として景気持ち直しの動きが広がっていることなどから、当面、持ち直しが続くとみられる。

輸入は、持ち直しの動きがみられる。

通関輸入（数量ベース、季節調整済前期比）は、月別で2009年５月は0.8％減の後、2009年６月は1.4％増となっており、四半期別では、2009年１〜３月期13.4％減の後、2009年４〜６月期1.5％減となった（第６図(PDF:158KB)）。

地域別には、アジアからの輸入は、増加している。アメリカからの輸入は、緩やかに減少している。ＥＵからの輸入は、下げ止まりつつある。

６月の国内企業物価（速報）は、前月比0.3％下落（前年同月比6.6％下落）となり、輸出物価は同1.2％上昇（同12.8％下落）、輸入物価は同2.5％上昇（同32.2％下落）となった。

６月の消費者物価は、総合が前年同月比1.8％下落（前月比0.2％下落）となり、生鮮食品を除く総合は同1.7%下落（同0.2％下落）となった（第７図PDF:124KB)）。

先行きについては、消費者物価（コアコア）は、当面、緩やかな下落傾向で推移すると見込まれる。

就業者数（季節調整値）は、５月に前月差44万人減となった後、６月は同28万人減と減少し、6,233万人（原数値は6,300万人、前年同月差151万人減）となった。男女別には、男性が3,616万人（前月差25万人減）、女性が2,616万人（同３万人減）となった（第11表(PDF:101KB)）。

６月の雇用者数（季節調整値）は、７ヶ月連続で前月差で減少した。

雇用者数（季節調整値）は、５月に前月差29万人減となった後、６月は同9万人減と減少し、5,413万人（原数値は5,455万人、前年同月差110万人減）となった（第13図(PDF:88KB)）。男女別には、男性が3,126万人（前月差12万人減）、女性が2,287万人（同３万人増）となった。雇用形態別（原数値）にみると、常雇が4,674万人（前年同月差97万人減）、臨時雇・日雇が736万人（同７万人減）となった。

６月の常用雇用指数（事業所規模５人以上、季節調整済値、速報）は、前月と同水準であった。また、一般とパートの別にみると、一般労働者は前月比0.2％減、パートタイム労働者は同0.5％増となった。

完全失業率（季節調整値）は、５月に前月差0.2ポイント上昇の5.2％となった後、６月は前月差0.2ポイント上昇の5.4％（原数値は5.2％、前年同月差1.3ポイント上昇）となった。男女別には、男性が5.7％（前月差0.2ポイント上昇）、女性が5.0％（同0.1ポイント上昇）となった。

６月の完全失業者数（季節調整値）は、５ヶ月連続で前月差で増加した。

完全失業者数（季節調整値）は、５月に前月差９万人 増となった後、６月は前月差13万人増の356万人（原数値は348万人、前年同月差83万人増）となった。男女別には、男性が217万人（前月差７万人増）、女性が138万人（同４万人増）となった。

なお、求職理由別（原数値）にみると、 ６月は非自発的理由による離職失業者は161万人（前年差78万人増）、自発的理由による離職失業者は97万人（同４万人減）、学卒未就職者は13万人（同１万人増）、その他の理由による失業者は74万人（同９万人増）となった（第11表(PDF:101KB)）。

労働力人口（季節調整値）は、５月に前月差38万人減となった後、６月は同19万人減の6,585万人（原数値は6,648万人、前年同月差68万人減）となった。

６月の非労働力人口（季節調整値）は、５ヶ月連続で前月差で増加した。

非労働力人口（季節調整値）は、５月に前月差35万人増となった後、６月は同16万人増の4,461万人（原数値は4,399万人、前年同月差69万人増）となった。男女別には、男性が1,508万人（前月差18万人増）、女性が2,953万人（前月と同水準）となった。

労働力人口比率（原数値）は、６月は60.2％（前年同月差0.6ポイント低下）となった。男女別には、男性が72.2％（同0.9ポイント低下）、女性が48.9％（同0.3ポイント低下）となった（第11表(PDF:101KB)）。

就業率（15歳以上人口に占める就業者の割合、原数値）は、６月は57.0％（前年同月差1.4ポイント低下）となった。

有効求職者数（季節調整値）は、前月比1.7％増と14ヶ月連続で増加した。

６月の有効求人倍率(季節調整値)は、0.43倍と前月より0.01ポイント低下した。

新規求人数（季節調整値）は、前月比4.2％増と６ヶ月ぶりに増加した。

新規求職者数（季節調整値）は、前月比2.7％増と４ヶ月ぶりに増加した。

６月の新規求人倍率（季節調整値）は、0.76倍と前月より0.01ポイント上昇した（第12表(PDF:102KB)）。

正社員の有効求人倍率は、0.24倍（前年同月差0.29ポイント低下）となった。

<新規求人（季節調整値）を一般（除パート）とパートの別でみると、６月は一般は前月比4.3％増と２ヶ月ぶりに増加し、パートについては同4.0％増と３ヶ月ぶりに増加した。新規求職者数（季節調整値）は、一般は前月比1.7％増と４ヶ月ぶりに増加し、パートについては同5.6％増と３ヶ月ぶりに増加した。/p>

また、６月の新規求人（原数値）は、製造業は前年同月差48.3％減、情報通信業は同45.2％減、学術研究,専門・技術サービス業は同28.7％減、卸売業,小売は同27.4％減、その他サービス業は同25.5％減、建設業は同22.2％減、宿泊業,飲食サービス業は同18.3％減、運輸業,郵便業は同15.8％減、生活関連サービス業，娯楽業は同14.5％減、医療,福祉は同6.2％減、教育,学習支援業は同4.9％減とすべての主要産業で減少した。

日本銀行「全国企業短期経済観測調査」（６月調査）によると、雇用人員判断D.I.（「過剰」-「不足」）は、全産業では23％ポイント（３月調査より３％ポイント上昇）となり、３四半期連続で過剰超過となった（第14図(PDF:125KB)）。

厚生労働省「労働経済動向調査」によると、2009年１〜３月期に雇用調整を実施した事業所割合は47％となり2008年10〜12月期から12％ポイント上昇した（第15図(PDF:165KB)）。また、2009年４〜６月期に実施予定の事業所割合は45％、2009年７〜９月期に実施予定の事業所割合は37％となっている。

内訳をみると、所定内労働時間は141.2時間で前年同月比1.1％減（一般労働者同0.6％減、パートタイム労働者同1.7％減）、所定外労働時間は8.7時間で同18.5％減（一般労働者同18.1％減、パートタイム労働者同13.9％減）となった。なお、月間出勤日数は19.7日で前年同月差0.2日減となった。

６月の製造業の所定外労働時間は9.4時間で、前年同月比40.7％減となった。規模別にみると、500人以上規模で前年同月比44.0％減、100〜499人規模で同39.6％減、30〜99人規模で同39.0％減、５〜29人規模で同43.6％減となった（第17図(PDF:143KB)）。