(1) | 一般経済の概況 景気は、設備投資と輸出に支えられ、着実に回復している。
先行きについては、世界経済が回復する中で、日本の景気回復が続くと見込まれる。一方、為替レートなどの動向には留意する必要がある。 |
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(2) | 労働経済の概況 労働経済面をみると、完全失業率が高水準で推移するなど(第1図)、依然として厳しいものの、持ち直しの動きがみられる。
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(1) | 鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産は、増加している。 12月の鉱工業生産(季節調整済前月比、確報、以下同じ)は、0.8%減と4か月ぶりに減少となったが(第2図)、3か月移動平均でみると増加している。情報化関連生産財や資本財を中心として増加の動きに広がりがみられる。業種別にみると、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業等が増加した。出荷は1.9%増と2か月ぶりに増加し、在庫は1.5%減と2か月ぶりに減少した。 今後の動向については、製造工業生産予測調査によると、製造工業生産は1月 3.6%増の後、2月は4.5%減となっている。 |
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(2) | 最終需要の動向をみると、
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(3) | 国内企業物価は、素材価格の上昇によりこのところわずかながら上昇している。消費者物価は、横ばいとなっている。 1月の国内企業物価は、前月比0.1%上昇(前年同月比横ばい)となり、輸出物価は同0.4%上昇(同4.7%下落)、輸入物価は同0.8%上昇(同2.6%下落)となった。 12月の消費者物価は、総合が前年同月比0.4%下落(前月比0.1%上昇)、生鮮食品を除く総合が同横ばい(同0.1%上昇)となった(第7図)。 |
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(4) | 企業収益は、改善が続いている。また、企業の業況判断は、改善がみられる。倒産件数は、これまで減少が続いてきたが、このところ横ばいとなっている。 財務省「法人企業統計季報」によると、全産業の経常利益は、季節調整値で4〜6月5.0%増の後、7〜9月2.6%増(製造業1.9%増、非製造業3.1%増)となった。 また、日本銀行「企業短期経済観測調査」(12月調査)によれば、企業の15年度の経常利益計画(前年同期比)は、15年度通期では全規模10.0%の増益、製造業16.9%の増益、非製造業5.8%の増益、上期では全規模13.5%の増益、製造業29.6%の増益、非製造業4.6%の増益の後、下期では全規模7.4%の増益、製造業8.3%の増益、非製造業6.8%の増益が見込まれている(第8表)。 企業の業況判断D.I.(「良い」−「悪い」)について日本銀行「企業短期経済観測調査」(12月調査)をみると、全規模で-15ポイント(6ポイント改善)、製造業-5ポイント(10ポイント改善)、非製造業-23ポイント(4ポイント改善)となっており、製造業・非製造業ともに改善がみられる。また、内閣府「法人企業動向調査」により、企業の業界景気の判断(前期比「上昇」−「下降」)をみると、10〜12月期の全産業は前期から8ポイント改善し、2ポイントとなった(第9表)。 倒産件数(東京商工リサーチ調べ)は、1月1,181件(前年同月比18.2%減)となっている。セーフティーネット保証の適用件数が増えていること等を背景に、1月としては5年振りの低い水準となった。 |
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(5) | 平成15年10〜12月期の実質国内総生産(GDP)成長率は、季節調整済前期比1.7%増(年率7.0%増)となった。内外需別にみると、国内需要の寄与度は1.3%、財貨・サービスの純輸出の寄与度は0.4%となった。また、名目GDPの成長率は季節調整済前期比0.7%増となった(第10図)。 |
(1) (1) | 就業者数は、12月は2か月ぶりに前月比で増加した。就業者数(季節調整値)は、11月前月差19万人減の後、12月は同41万人増と増加し、6322万人(原数値は6307万人、前年同月差16万人増)となった。男女別には、12月は、男性が3717万人(前月差10万人増)、女性が2606万人(同31万人増)となった。 雇用者数は、12月は2か月連続で前月比で増加した。雇用者数(季節調整値)は、11月前月差20万人増の後、12月は同35万人増と増加し、5362万人(原数値は5385万人、前年同月差37万人増)となった。男女別には、11月は、男性が3162万人(前月差1万人増)、女性が2200万人(同34万人増)となった(第11表)。雇用形態別(原数値)には、12月は、常雇が4612万人(前年同月差34万人増)、臨時雇が647万人(同13万人増)、日雇が127万人(同8万人減)となっている。 「毎月勤労統計調査」(確報)により、12月の常用雇用指数(事業所規模5人以上、季節調整済指数)をみると、前月比0.1%減となった。また、一般、パート別にみると、一般労働者は前月比0.2%減、パートタイム労働者は同0.7%増となった。 |
(2) | 12月の完全失業率(季節調整値)は前月より0.3%ポイント低下し4.9%となった。男女別には、男性が5.0%(前月より0.4%ポイントの低下)、女性が4.7%(前月より0.3%ポイントの低下)となった。 12月の完全失業者数(季節調整値)は、前月差22万人減の322万人(原数値は300万人、前年同月差31万人減)となり、引き続き高水準で推移している。男女別には、男性が195万人(前月差14万人減)、女性が128万人(同8万人減)となった。 求職理由別(原数値)にみると、12月は、非自発的理由による離職者は120万人(前年同月差32万人減)、自発的理由による離職者は96万人(同9万人減)、その他の理由による失業者は67万人(同9万人増)となった(第11表)。 |
(3) | 12月の労働力人口(季節調整値)は、前月差19万人増の6645万人(原数値は6607万人、前年同月差15万人減)となった。非労働力人口(季節調整値)は、前月差35万人減の4306万人(原数値は4346万人、前年同月差46万人増)となった。男女別には、男性が1391万人(前月差4万人減)、女性が2916万人(同30万人減)となった。 労働力率(原数値)は、12月は、60.2%(前年同月より0.4%ポイント低下)となった。男女別には、男性が73.6%(同0.5%ポイント低下)、女性が47.7%(同0.2%ポイント低下)となった(第11表)。 |
(2) | 有効求人(季節調整値)は、12月は前月比4.3%増と4か月連続して増加し、有効求職者数(季節調整値)は同1.2%減と6か月連続の減少となった。有効求人倍率(季節調整値)は、上昇しており、12月は0.78倍(前月差0.04ポイントの上昇)となった。 新規求人(季節調整値)は、増加傾向となっている。新規求人(季節調整値)は12月は前月比10.5%増と2か月ぶりに増加した。新規求職者数(季節調整値)は前月比13.3%増と2か月ぶりに増加した。新規求人倍率(季節調整値)は、12月は1.22倍と前月より0.03ポイント低下した(第12表)。 新規求人(季節調整値)を一般(除パート)、パートの別でみると12月は、一般は前月比9.6%増と増加し、パートは前月比10.6%増と2か月ぶりに増加した。新規求職(季節調整値)は、一般は前月比12.5%増と2か月ぶりに増加し、パートは同20.6%増と2か月ぶりに増加した。 常用新規求職者数(除パート、原数値)のうち事業主都合離職者は、12月は前年同月比14.0%減と15か月連続で減少した。 |
(3) | 産業別にみると、12月の就業者数(原数値)は、建設業は前年同月差17万人減、製造業は同6万人減、サービス業は同21万人減と引き続き減少し、運輸業は同6万人増、医療,福祉は同41万人増、教育,学習支援業が同15万人増と引き続き増加し、卸売・小売業は同2万人増、飲食店,宿泊業は同11万人増となっている。 12月の新規求人(原数値)は、建設業は前年同月比11.9%増、製造業は同22.2%増、運輸・通信業は同16.7%増、卸売・小売業,飲食店は同10.9%増、サービス業は同30.0%増と増加している。 |
(4) | 雇用に先行して動くと考えられる指標についてみると、製造業の所定外労働時間(季節調整値)は、増加傾向となっている。所定外労働時間(事業所規模5人以上、季節調整済指数)は、製造業では、11月(確報値)前月比0.9%増の後、12月(確報値)前月比0.5%増となり、調査産業計では、11月前月比0.6%減の後、12月は同0.8%増となった。 日本銀行「全国企業短期経済観測調査」(12月調査)によると、雇用人員判断D.I.(「過剰」-「不足」)は、全産業では9%ポイント(9月調査から3%ポイント低下)となり、低下傾向にある(第13図)。 厚生労働省「労働経済動向調査」によると、7〜9月期に雇用調整を実施した事業所割合は19%となり4〜6月期より3%ポイント低下した(第14図)。また、10〜12月期に実施予定の事業所割合は18%、平成16年1〜3月期に実施予定の事業所割合は17%と低下が見込まれている。 内閣府「景気ウォッチャー調査」による1月の2〜3か月先の景気の先行き判断DI・雇用関連は59.4で前月を3.3ポイント上回り、3か月ぶりの上昇となった。 |
(1) | 12月の現金給与総額(産業計、確報、以下同じ)は621,143円で、前年同月比
1.5%減となった。就業形態別にみると、一般労働者は前年同月比0.8%減、パートタイム労働者は0.6%増となった。 内訳をみると、所定内給与は前年同月比0.4%減(一般労働者同0.2%増、パートタイム労働者同1.0%増)となったほか、所定外給与は同3.1%増、特別給与は同2.6%減となり、実質賃金は同1.0%減となった(第15図)。 |
(2) | 12月の総実労働時間(産業計、確報、以下同じ)は153.0時間で、前年同月比
0.1%減となった。就業形態別にみると、一般労働者は前年同月比横ばい、パートタイム労働者は同1.1%増となった。 内訳をみると、所定内労働時間は142.3時間で前年同月比0.5%減(一般労働者同0.4%減、パートタイム労働者同1.1%増)、所定外労働時間は10.7時間で同5.0%増となった。なお、月間出勤日数は19.8日で前年同月差は0.1日減となった。 12月の製造業の所定外労働時間(確報)は16.3時間で、前年同月比7.9%増となった。規模別にみると、500人以上規模で前年同月比11.7%増、100〜499人規模で9.2%増、30〜99人規模で同9.2%増、5〜29人規模で同1.9%増となった(第16図)。 |
(注) | 日本標準産業分類の改訂に伴い、総務省統計局「労働力調査」に係る表記は、平成15年1月結果の公表以降、新産業分類で表記し、平成14年以前の対前年同月増減については、改訂による影響のない又は小さい産業について表章している。 なお、2月月例労働経済報告に掲載されている資料出所において「労働力調査」以外の資料出所においては、旧産業分類に基づいて表記されている。 |