厚生労働省

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厚生労働省

厚生労働省発表

平成21年3月

厚生労働省大臣官房統計情報部

担当:雇用統計課労働経済第一係

電話:03(5253)1111 内線 7622

03(3595)3145(夜間直通)

労働経済動向調査(平成21年2月)結果の概況

I 調査の概要

この調査は、生産、販売活動及びそれに伴う雇用、労働時間などの現状と今後の短期的見通しなどを把握するため、年4回実施(通信調査方式)しているもので、本概況は平成21年2月に実施した調査の結果である。調査対象は、日本標準産業分類(平成19年11月改定)の建設業、製造業、情報通信業、運輸業,郵便業、卸売業,小売業、金融業,保険業、不動産業,物品賃貸業、学術研究,専門・技術サービス業、宿泊業,飲食サービス業、生活関連サービス業,娯楽業、医療,福祉、サービス業(他に分類されないもの)に属する事業所規模30人以上の全国の民営事業所5,835事業所である。(回答事業所数3,001、回答率51.4%)

※ 今回調査から調査産業計に医療,福祉を含んでおります。

○結果のポイントは以下のとおりです。

・生産・売上額等の実績見込は、製造業、サービス業で「前期と比べて減少した」が「増加した」を引き続き上回り、その幅が拡大した

・正社員等労働者及びパートタイム労働者は不足超過から過剰超過に転じた

・雇用調整の実績は35%、実施方法では残業規制が21%とともに前期より上昇した

・平成21年新規学卒者の採用内定状況では、「採用内定あり」の事業所は各学歴で前年を下回った

1 生産・売上額等、所定外労働時間、雇用

(1)生産・売上額等の21年1〜3月期の実績見込は、製造業、サービス業で「前期と比べて減少した」が「増加した」を引き続き上回り、その幅が拡大した。(P2表1、P8第1図)

(2)所定外労働時間の21年1〜3月期の実績見込は、製造業、サービス業で「前期と比べて減少した」が「増加した」を引き続き上回り、その幅が拡大した。(P2表2、P9第2図)

(3)正社員等雇用の21年1〜3月期の実績見込は、製造業、サービス業で「前期と比べて減少した」が「増加した」を上回っている。(P2表3、P10第3図)

2 労働者の過不足状況、雇用調整、中途採用

(1)正社員等労働者及びパートタイム労働者は不足超過から過剰超過に転じた。(P3表5、表6、P12第5図)

(2)雇用調整の20年10〜12月期の実績は、35%と前期(16%)より19ポイント上昇している。雇用調整の実施方法では、残業規制が21%と前期(8%)より13ポイント上昇している。(P4表7、表8、P12第6図)

(3)中途採用の実績は昨年より減少している。(P5表9、P13第7図)

3 平成21年新規学卒者の採用内定状況

平成21新規学卒者の「採用内定あり」の事業所割合は前年と比べると、各学歴で前年を下回っている。(P5表10、P13第8図)

4 正社員以外の労働者からの正社員への登用状況

過去1年間に正社員以外の労働者から正社員への登用を実施した事業所割合は全体の40%。

また、登用実績があった事業所における今後の方針では、「登用していきたい」とする事業所割合が 47%となっている。(P6表11、表12)

II 結果の概要

1 生産・売上額等、所定外労働時間、雇用
(1) 生産・売上額等《製造業とサービス業の実績見込でマイナス幅拡大》

生産・売上額等判断D.I.(20年10〜12月期実績)は、製造業ではマイナス51ポイント、卸売業,小売業でマイナス33ポイント、サービス業でマイナス35ポイントとなった。先行きは、21年1〜3月期実績見込では、製造業ではマイナス57ポイント、卸売業,小売業でマイナス18ポイント、サービス業でマイナス44ポイントとなっている。21年4〜6月期見込は製造業でマイナス29ポイント、卸売業,小売業でマイナス26ポイント、サービス業でマイナス42ポイントとなっている。(表1、第1図

生産・売上額等判断D.I.(季節調整値)

(2) 所定外労働時間《製造業とサービス業の実績見込でマイナス幅拡大》

所定外労働時間判断D.I.(20年10〜12月期実績)は、製造業ではマイナス42ポイント、卸売業,小売業でマイナス15ポイント、サービス業でマイナス20ポイントとなった。先行きは、21年1〜3月期実績見込では、製造業ではマイナス53ポイント、卸売業,小売業でマイナス10ポイント、サービス業でマイナス31ポイントとなっている。 21年4〜6月期見込は製造業でマイナス32ポイント、卸売業,小売業でマイナス15ポイント、サービス業でマイナス29ポイントとなっている。(表2、第2図

所定外労働時間判断D.I.(季節調整値)

(3) 正社員等雇用《製造業とサービス業の実績見込でマイナス》

正社員等雇用判断D.I.(20年10〜12月期実績)は、製造業ではマイナス2ポイント、卸売業,小売業でマイナス3ポイント、サービス業で0ポイントとなった。先行きは、21年1〜3月期実績見込では、製造業ではマイナス6ポイント、卸売業,小売業で1ポイント、サービス業でマイナス8ポイントとなっている。21年4〜6月期見込は製造業でマイナス5ポイント、卸売業,小売業でマイナス2ポイント、サービス業でマイナス11ポイントとなっている。(表3、第3図

正社員等雇用判断D.I.(季節調整値)

(4) パートタイム雇用《製造業とサービス業の実績見込でマイナス幅拡大》

パートタイム雇用判断D.I.(20年10〜12月期実績)は、製造業ではマイナス6ポイント、卸売業,小売業でマイナス9ポイント、サービス業でマイナス9ポイントとなった。先行きは、21年1〜3月期実績見込では、製造業ではマイナス16ポイント、卸売業,小売業で0ポイント、サービス業でマイナス17ポイントとなっている。 21年4〜6月期見込は製造業でマイナス13ポイント、卸売業,小売業でマイナス11ポイント、サービス業でマイナス20ポイントとなっている。(表4、第4図

パートタイム雇用判断D.I.(季節調整値)

付属統計表 第1表

2 労働者の過不足状況
(1) 正社員等労働者《不足超過から過剰超過に転じた》

21年2月1日現在の正社員等労働者過不足判断D.I.により、雇用過不足感の動向をみると、調査産業計でマイナス11ポイントとなり、過剰超過となった(表5、第5図)。

正社員等労働者の過不足状況判断

(2) パートタイム労働者《不足超過から過剰超過に転じた》

21年2月1日現在のパートタイム労働者過不足判断D.I.により、雇用過不足感の動向をみると、調査産業計でマイナス1ポイントとなり、過剰超過となった(表6、第5図)。

パートタイム労働者の過不足状況判断

付属統計表 第2-1表第2-2表第3表第6図

3 雇用調整等
(1) 実施割合

雇用調整を実施した事業所の割合(20年10〜12月期実績)は、調査産業計で35%と前期(16%)と比べると19ポイント上昇している(表7、第6図)。

雇用調整の時期別実施事業所割合

(2) 実施方法

雇用調整等の実施方法は、調査産業計では残業規制(21%)の割合が高く、前期(8%)と比べると13ポイント上昇している。次いで配置転換、中途採用の削減・停止の順となっている。

また、その他の調整方法をみると、調査産業計では派遣労働者の削減(12%)の割合が高く、前期(5%)と比べると7ポイント上昇している。(表8)

雇用調整等の方法別実施事業所割合

付属統計表 第4表

4 中途採用《減少している》

「中途採用あり」とした事業所(20年10〜12月期実績)は、調査産業計で57%と前年同期(19年10〜12月期実績)と比べると減少している(表9、第7図)。

中途採用の時期別実施事業所割合

付属統計表 第5表

(以下は今回調査の特別項目となります。)

5 平成21年新規学卒者の採用内定状況

平成21年新規学卒者の「採用内定あり」の事業所の割合を前年と比べると、調査産業計では各学歴で前年を下回っている(表10、第8図)。

平成21年新規学卒者の採用内定ありの事業所割合

6 正社員以外の労働者からの正社員への登用の状況

過去1年間に正社員以外の労働者から正社員への登用を実施した事業所の割合は、調査産業計では「登用実績あり」が40%、「登用実績なし」が57%となっている。

「登用実績あり」を産業別にみると、宿泊業,飲食サービス業、医療,福祉で割合が高くなっている。

また、登用実績ありのうち、登用にあたっての年齢の上限の有無をみると、調査産業計では「登用にあたって年齢上限はなかった」(80%)の割合が高くなっている。(表11)

さらに登用実績があった事業所における今後の方針では、調査産業計では「登用していきたい」(47%)の割合が高くなっている(表12)。

正社員以外の労働者から正社員への登用の有無、年齢上限別事業所割合

正社員以外の労働者から正社員への登用の今後の方針別事業所割合

付属統計表 第6表第7表第8表

主な用語の説明

1 労働者

正社員等・・・・・・・・・・・・・・・雇用期間を定めないで雇用されている者または1年以上の期間の雇用契約を結んで雇用されている者をいい、パートタイムは除く。

なお、下記の派遣労働者は含まない。

(注)平成20年2月調査から太字部分の追加により定義を変更し、併せて名称を「常用」から「正社員等」に変更した。

臨時・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1か月以上1年未満の期間を定めて雇用されている者及び期間を限って季節的に働いている者をいい、1か月未満の雇用契約の者及びパートタイムは除く。

(注)平成20年2月調査から太字部分の追加により定義を変更した。

パートタイム・・・・・・・・・・・・・1日の所定労働時間又は1週間の所定労働日数が当該事業所の正社員のそれより短い者をいう。

(注)平成20年2月調査から太字部分を「一般労働者」から「正社員」に変更した。

派遣労働者・・・・・・・・・・・・・・労働者派遣法に基づいて他社(派遣元事業所)から当該事業所に派遣されている者をいう。

2 「生産・売上額等判断D.I.」、「所定外労働時間判断D.I.」及び「雇用判断D.I.」とは、前期と比べて増加と回答した事業所の割合から減少と回答した事業所の割合を差し引いた値である。

3 「労働者過不足判断D.I.」とは、不足と回答した事業所の割合から過剰と回答した事業所の割合を差し引いた値である。

利用上の注意

1 日本標準産業分類の改定(平成19年11月)にともない、平成21年2月調査から新産業分類に基づき表章している。さらに平成21年2月調査より「医療,福祉」を追加しているため、平成20年11月調査以前との比較は注意を要する。

(1)「建設業」、「金融業,保険業」については、それぞれ旧産業の「建設業」、「金融・保険業」と分類内容の変更がなかったため、旧分類と接続している。

(2)「製造業」の「消費関連業種」、「素材関連業種」、「機械関連業種」の区分については、それぞれ旧産業の「製造業」の区分と分類内容の変更があったため、旧分類と接続しない。

(3)「情報通信業」、「運輸業,郵便業」、「卸売業,小売業」、「宿泊業,飲食サービス業」については、それぞれ旧産業の「情報通信業」、「運輸業」、「卸売・小売業」、「飲食店,宿泊業」と分類内容の変更があったため、旧分類と接続しない。

(4)「不動産業,物品賃貸業」、「学術研究,専門・技術サービス業」、「生活関連サービス業,娯楽業」、「サービス業」については、それぞれ旧産業の「不動産業」、「サービス業」の一部を分離・統合した産業であり、分類内容の変更があったため、旧分類と接続しない。
平成20年11月調査以前の旧産業分類集計による「調査産業計」の数値については、旧産業の「不動産業」、「サービス業」の数値が含まれている。

2 この調査で「サービス業」とは、「サービス業(他に分類されないもの)」を指している。

3 表11、表12、付属統計表の第7表、第8表は、該当集計項目に回答していない事業所も含む回答事業所すべてについて集計した結果であり、その他の表やグラフは、該当集計項目に回答していない事業所を除いて集計したものである。

4 上記判断D.I.の季節調整は、センサス局法X-12-ARIMAのなかのX-11デフォルトによる。
また、季節調整値は毎年5月調査時に過去に遡って改定していたが、日本標準産業分類の改定に伴い、今回平成21年2月調査時に、平成16年2月調査〜平成20年11月調査までを新産業分類で再集計した結果をもとに改訂した。

5 統計表中の「0」は単位未満の割合を示し、「−」は調査客体がないものを示す。

6 この調査では、それぞれの回答をした事業所の割合を集計して表章しているが、労働者が多い事業所ほど調査対象として選ばれやすくなっている(確率比例抽出)ため、実質的に、事業所の割合というよりもこうした回答をした事業所で働く労働者の割合に近い。

7 用語の「正社員等」及び「臨時」の変更により平成20年2月調査から集計対象が一部異なっているため、第3図、第5図、付属統計表の第1表の平成19年11月調査以前との比較に当たっては注意を要する。

8 調査の結果は、厚生労働省のホームページに掲載されている。
アドレス(https://www.mhlw.go.jp/toukei/index.html
「統計調査結果」→「最近公表の統計資料」→「月報で公表・提供しているもの」→「労働経済動向調査(平成21年2月)結果の概況」


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