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調査結果

労働移動の状況
 平成12年1年間に労働移動を行った常用労働者は、入職者が約608万人(前年約583万人)、離職者が約661万人(同約623万人)で、延べ労働移動者は約1,269万人(同約1,206万人)、延べ労働移動率は30.6%(同29.1%)となった。入職率は14.7%(同14.0%)、離職率は16.0%(同15.0%)で、前年と比べると入職率・離職率とも上昇した。
 入職超過率をみると、-1.3ポイント(同-1.0ポイント)で、引き続き離職超過となり離職超過幅は拡大した第1図第1表)。

(1) 男女別入職・離職状況
 入職・離職率を男女別にみると、男は入職率が12.1%(前年11.7%)、離職率が13.2%(同12.4%)、女は入職率が18.7%(同17.7%)、離職率が20.2%(同19.1%)となった。
 前年と比べると男は入職率が0.4ポイント、離職率が0.8ポイントそれぞれ上昇し、女は入職率が1.0ポイント、離職率が1.1ポイントそれぞれ上昇した。
入職超過率をみると、男は-1.1ポイント、女は-1.5ポイントで、男女とも離職超過となった第2図第1表)。

(2) 就業形態別入職・離職状況
 入職・離職率を就業形態別にみると、一般労働者は入職率が11.8%(前年11.1%)、離職率が13.5%(同12.7%)となり、パートタイム労働者は入職率が28.1%(同27.9%)、離職率が27.6%(同25.9%)となった。前年と比べると一般労働者は入職率が0.7ポイント、離職率が0.8ポイントそれぞれ上昇し、パートタイム労働者は入職率が0.2ポイント、離職率が1.7ポイントそれぞれ上昇した。
入職超過率をみると、一般労働者は-1.7ポイントで離職超過、パートタイム労働者は0.5ポイントで入職超過となった第3図第1表)。

(3) パートタイム労働者の割合
 パートタイム労働者の入職者に占める割合は33.8%(前年34.6%)、離職者に占める割合は30.6%(同30.0%)となった。前年と比べると入職者に占める割合が低下し、離職者に占める 割合が上昇した。
 これを男女別にみると、男は入職者に占める割合が19.2%(同19.0%)、離職者に占める割合が17.1%(同16.5%)、女は入職者に占める割合が48.4%(同50.6%)、離職者に占める割合が44.2%(同43.7%)となった第4図第2表)。

(4) 産業別入職・離職状況
 入職・離職状況を産業別にみると、入職者は卸売・小売業,飲食店が約194万人と最も多く、次いでサービス業が約181万人、製造業が約102万人、建設業が約55万人などとなった。
 離職者は卸売・小売業,飲食店が約208万人と最も多く、次いでサービス業が約185万人、製造業が約124万人、建設業が約65万人などとなった。
 これらの産業について入職・離職率をみると、入職率は卸売・小売業,飲食店が18.2%(前年16.0%)と最も高く、次いでサービス業が16.8%(同16.5%)、建設業が14.1%(同14.2%)、製造業が10.0%(同10.3%)となった。離職率は卸売・小売業,飲食店が19.5%(同16.6%)と最も高く、次いでサービス業が17.1%(同16.7%)、建設業が16.6%(同15.0%)、製造業が12.2%(同12.7%)となった。前年と比べると、入職率は卸売・小売業,飲食店、サービス業が上昇し、製造業、建設業が低下した。離職率は卸売・小売業,飲食店、建設業、サービス業が上昇し、製造業が低下した。
 入職超過率をみると、建設業が-2.5ポイント、製造業が-2.2ポイント、卸売・小売業,飲食店が-1.3ポイント、サービス業が-0.3ポイントといずれも離職超過となった第5図第3表)。

(5) 企業規模別入職・離職状況
 入職・離職率を企業規模別にみると、入職率は「100〜299人」が16.9%、「5〜29人」が15.8%、「30〜99人」が15.3%、「300〜999人」が12.8%、「1,000人以上」が12.6%、離職率は「5〜29人」が17.8%、「100〜299人」及び「30〜99人」がいずれも16.9%、「1,000人以上」が14.5%、「300〜999人」が13.5%となり、入職率、離職率とも概ね規模が小さくなるほど高い。
入職超過率をみると、「5〜29人」が-2.0ポイント、「1,000人以上」-1.9ポイント、「30〜99人」が-1.6ポイント、「300〜999人」が-0.7ポイント、「100〜299人」が横ばいとなり、ほとんどの規模で離職超過となった第4表)。

入職者の状況
(1) 職歴別入職者の状況
 入職者を職歴別にみると、転職入職者が約368万人、未就業入職者が約240万人(新規学卒者が約98万人、一般未就業者が約142万人)となり、入職者に占める転職入職者の割合が6割を超えた。転職入職率は8.9%(前年8.4%)、未就業入職率は5.8%(同5.7%)で、前年と比べると転職入職率が0.5ポイント、未就業入職率が0.1ポイントそれぞれ上昇した。
就業形態別にみると、一般労働者は転職入職率が7.8%(同7.1%)、未就業入職率が4.0%(同4.1%)となり、パートタイム労働者は転職入職率が14.1%(同14.6%)、未就業入職率が14.0%(同13.3%)となった。前年と比べると一般労働者は転職入職率が0.7ポイント上昇し、 未就業入職率が0.1ポイント低下、パートタイム労働者は転職入職率が0.5ポイント低下し、未就業入職率が0.7ポイント上昇した第6図第7図第1表第5表)。

(2) 地域間移動の状況
 入職者約608万人のうち地域(全国10ブロック)間を移動して入職した者は、約48万人となった。全入職者に占める割合は7.9%(前年8.5%)で、前年と比べると0.6ポイント低下した。
 流出入比率をみると、近畿、東北などでは流出率が流入率を上回り、四国、東海、北海道、北陸などでは流入率が流出率を上回った第6表)。

(3) 転職入職者の状況
年齢階級別状況
 年齢階級別に転職入職率をみると、「20〜24歳」が14.9%と最も高く、次いで「19歳以下」が12.2%、「25〜29歳」が12.1%と30歳未満の各層で高く、一方「65歳以上」、「55〜59歳」、「50〜54歳」の各層では4〜5%台と低い。前年と比べると30歳未満の各層で1.0ポイント以上、上昇した。
 男女別にみると、男は「19歳以下」が14.4%と最も高く、次いで「20〜24歳」が14.1%、「60〜64歳」が11.6%、「25〜29歳」が10.3%となり、女は「20〜24歳」の15.7%が最も高く、次いで「25〜29歳」が14.7%、「35〜39歳」及び「30〜34歳」が11.8%となった第7表)。
就業形態間移動状況
 転職入職者の就業形態間移動状況を前年と比べると、パートタイム労働者から一般労働者への移動割合が1.7ポイント、一般労働者から一般労働者への移動割合が0.9ポイントそれぞれ上昇し、パートタイム労働者からパートタイム労働者への移動割合が2.1ポイント、一般労働者からパートタイム労働者への移動割合が0.7ポイントそれぞれ低下した第8表)。
産業間移動状況
 第3次産業への転職入職者の割合が71.6%(前年69.7%)、第2次産業への転職
入職者の割合が28.4%(同30.3%)となり、前年と比べると第3次産業への転職入職者の割合が1.9ポイント上昇した。
 産業間での移動割合をみると、第3次産業から第3次産業への転職入職者は59.4%(同56.7%)、第2次産業から第3次産業への転職入職者は11.5%(同12.1%)、第2次産業から第2次産業への転職入職者は16.7%(同20.4%)、第3次産業から第2次産業への転職入職者は11.1%(同9.5%)となった第9‐1表第9‐2表)。
離職期間別状況
 転職入職者の離職期間別構成比をみると、「15日未満」が25.7%と最も高く、次いで「1ヵ月〜3ヵ月未満」が24.8%、「6ヵ月〜1年未満」が20.5%となった。前年と比べると「15日未満」と「1ヵ月〜3ヵ月未満」の区分で上昇した第10表)。
賃金変動別状況
 転職入職者の賃金変動別構成比をみると、賃金が前の勤め先と比べ「1割以上の増加」であった者が19.7%、「1割未満の増加」であった者が13.5%、「変わらない」者が35.9%、「1割未満の減少」であった者が9.3%、「1割以上の減少」であった者が21.6%となった。
前年と比べると「増加」であった者の割合は33.2%(前年30.1%)で、3.1ポイント上昇、「変わらない」者の割合(同36.7%)は0.8ポイント低下、「減少」であった者の割合は30.9%(同33.2%)で、2.3ポイント低下した。
 増加度合い(D.I.)を年齢階級別にみると、概ね年齢が高くなるにつれ割合が低下している第11表)。

離職者の状況
(1) 年齢階級別状況
 離職率を年齢階級別にみると、「19歳以下」が42.1%と最も高く、次いで「60〜64歳」が35.1%、「20〜24歳」が27.0%、「65歳以上」が24.8%と、若年層及び高年齢層で高くなった。前年と比べると、50歳代で低下、「60〜64歳」で同水準だったほかは、上昇した。
 男女別にみると、男は「19歳以下」が46.5%と最も高く、次いで「60〜64歳」が38.2%、「65歳以上」が26.2%となり、女は「19歳以下」が38.1%と最も高く、次いで「60〜64歳」及び「20〜24歳」が30.1%となった第12表)。

(2) 勤続期間別状況
 離職者の勤続期間別構成比をみると、勤続「1年未満」が36.2%(「6カ月未満」20.2%)と最も高く、次いで「2〜5年未満」が19.8%、「10年以上」が16.5%、「1〜2年未満」が15.0%、「5〜10年未満」が12.3%となった。前年と比べると勤続5年以上の各区分では低下し、勤続5年未満の各区分では上昇した。
 職業別にみると「管理的職業従事者」では勤続「10年以上」が56.2%と最も高く、「専門・技術的職業従事者」では「1年未満」及び「2〜5年未満」がいずれも24.5%と高く、 「事務従事者」では「2〜5年未満」が25.6%と最も高い。それ以外の職業では、勤続「1年未満」が最も高く、特に「サービス職業従事者」では50.9%と5割を超えた第13表)。

(3) 離職理由別状況
 離職者の離職理由別構成比をみると、「個人的理由」が67.0%(前年65.8%)で最も高く、次いで「契約期間の満了」が10.5%(同10.7%)、「経営上の都合」が9.3%(同11.1%)となり、前年と比べると、「個人的理由」の割合が1.2ポイント上昇し、「経営上の都合」の割合が1.8ポイント、「契約期間の満了」の割合が0.2ポイントそれぞれ低下した。
 これらを就業形態別にみると、一般労働者は「個人的理由」が62.6%(同61.7%)、「契約  期間の満了」及び「経営上の都合」がいずれも11.2%(同それぞれ10.6%、13.5%)となり、パートタイム労働者は「個人的理由」が77.0%(同75.5%)、「契約期間の満了」が8.9%(同11.1%)、「経営上の都合」が5.0%(同5.3%)となった。前年と比べると、一般労働者は「個人的理由」の割合が0.9ポイント、「契約期間の満了」の割合が0.6ポイントそれぞれ上昇し、「経営上の都合」の割合が2.3ポイント低下、パートタイム労働者は「個人的理由」の割合 が1.5ポイント上昇し、「契約期間の満了」の割合が2.2ポイント、「経営上の都合」の割合が0.3ポイントそれぞれ低下した第14表第8図第15表)。

上半期・下半期別移動状況
 入職・離職率を上半期・下半期別にみると、入職率は上半期が8.7%(前年8.5%)、下半期が5.8%(同5.5%)、離職率は上半期が8.6%(同8.3%)、下半期が7.3%(同6.7%)となり、前年同期と比べると上半期・下半期の入職・離職率いずれも上昇した第9図第16表)。

 就業形態別にみると、入職率は一般労働者が上半期7.3%(同7.1%)、下半期4.4%(同4.0%)、パートタイム労働者が上半期15.4%(同15.2%)、下半期13.0%(同13.0%)となり、離職率は一般労働者が上半期7.2%(同7.0%)、下半期6.1%(同5.7%)、パートタイム労働者が上半期15.1%(同14.5%)、下半期12.8%(同11.7%)となった。前年同期と比べるとパートタイム労働者の入職率が下半期で同水準だったほかは上昇した(第16表)。



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