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平成23年雇用動向調査の概況:結果の概要

結果の概要

1 入職と離職の推移

(1)平成23年の常用労働者の動き

 平成23年1年間の入職者数は、630万人(年初の常用労働者数に対する割合14.2%)、離職者数は、641万人(同14.4%)となっている。この結果、常用労働者数は、事業所の新設や閉鎖等の影響を除き、11万人(同0.2%)の減少となっている。
 これを就業形態別にみると、一般労働者は、入職者372万人(年初の常用労働者のうち一般労働者の人数に対する割合 11.0%)、離職者394万人(同11.7%)で差引22万人(同0.7%)の減少となっている。パートタイム労働者は、入職者257万人(年初の常用労働者のうちパートタイム労働者の人数に対する割合 24.1%)、離職者247万人(同23.1%)で差引10万人(同0.9%)の増加となっている。(図1、付属統計表1−1、付属統計表1−2)

図1 平成23 年の常用労働者の動き

図1 平成23 年の常用労働者の動き

(2)入職率と離職率の推移

 入職率(年初の常用労働者数に対する入職者数の割合)は14.2%、離職率(年初の常用労働者数に対する離職者数の割合)は14.4%となっている。
 前年と比べると、入職率、離職率ともに0.1ポイント低下した。
 延べ労働移動率(入職率+離職率)は28.6%と比較可能な平成16年以降で最低の水準となっている。(図2、付属統計表1−2)

図2 入職率・離職率の推移

図2 入職率・離職率の推移

(3)職歴別入職率の推移

 入職者を職歴別にみると、転職入職者は392万人(前年402万人)、未就業入職者は238万人(同229万人)で、転職入職率は8.8%(同9.1%)、未就業入職率は5.3%(同5.2%)となっている。
 前年と比べると、転職入職率は0.3ポイント低下し、未就業入職率は0.1ポイント上昇した。転職入職率は比較可能な平成16年以降で最低の水準となっている。
 性別にみると、男は転職入職者が202万人、未就業入職者が99万人、女は転職入職者が190万人、未就業入職者が139万人で、男の転職入職率は8.0%(同8.1%)、未就業入職率は3.9%(同4.0%)、女の転職入職率は9.9%(同10.4%)、未就業入職率は7.2%(同6.7%)となっている。
 就業形態別にみると、一般労働者の転職入職者は250万人、未就業入職者は122万人で、転職入職率は7.4%(同7.4%)、未就業入職率は3.6%(同3.5%)、パートタイム労働者の転職入職者は142万人、未就業入職者は116万人で、転職入職率は13.3%(同14.0%)、未就業入職率は10.8%(同10.3%)となっている。(図3、付属統計表1−1、付属統計表1−2)

図3 職歴別入職率の推移

図3 職歴別入職率の推移

(4)離職理由別離職率の推移

 離職者の離職理由別離職率をみると、結婚、出産・育児、介護、その他の個人的理由を含む「個人的理由」が9.8%、「契約期間の満了」が2.2%、経営上の都合、出向、出向元への復帰を含む「事業所側の理由」が1.2%、「定年」が0.8%、「本人の責」が0.3%となっている。
 前年と比べると、「個人的理由」が0.1ポイント、「事業所側の理由」が0.2ポイントそれぞれ低下した。(図4)

図4 離職理由別離職率の推移

図4 離職理由別離職率の推移

2 産業別の入職と離職

 産業別に労働移動者をみると、入職者は卸売業,小売業が107万人と最も多く、次いで宿泊業,飲食サービス業が102万人、医療,福祉が97万人の順となっている。
 離職者は卸売業,小売業が109万人と最も多く、次いで宿泊業,飲食サービス業が104万人、医療,福祉が86万人の順となっている。
 入職率をみると、宿泊業,飲食サービス業が27.2%と最も高く、次いでサービス業(他に分類されないもの)が24.0%となっている。
 離職率をみると、宿泊業,飲食サービス業が27.8%と最も高く、次いで生活関連サービス業,娯楽業が22.8%となっている。
 入職超過率をみると、医療,福祉が2.1ポイント、サービス業(他に分類されないもの)が1.9ポイントと高く、生活関連サービス業,娯楽業が-3.6ポイント、情報通信業が-2.3ポイントと離職超過となっている。(図5、付属統計表2)

図5 産業別入職率・離職率

図5 産業別入職率・離職率

3 年齢階級別の入職と離職

(1)年齢階級別入職率・離職率

 年齢階級別に入職率と離職率をみると、男女ともに19歳以下が最も高く、20〜24歳から55〜59歳までは年齢階級が上がるとともに低下傾向にある。
 男女ともに20〜24歳以下では入職超過率が高く、60〜64歳以降で離職超過幅が大きい。
 男は25〜29歳から45〜49歳までの各年齢階級で入職率と離職率はほぼ同率となっており、50〜54歳以降の各年齢階級で離職超過となっている。女は25〜29歳と45〜49歳以降で離職超過となっており、30〜34歳では同率、35〜39歳と40〜44歳で入職超過となっている。(図6−1、図6−2)

注 : 年齢階級別に表している入職率、離職率の図表について、分母となる常用労働者数は
    6月末日現在の常用労働者数である。(図6−1、図6−2、表1、表2、図8)

年齢階級別入(離)職率 = 年齢階級別入(離)職者数 × 100 (%)
6月末日現在の常用労働者数

図6−1 年齢階級別入職率・離職率(男)

図6−1 年齢階級別入職率・離職率(男)

図6−2 年齢階級別入職率・離職率(女)

図6−2 年齢階級別入職率・離職率(女)

(2)入職者に占めるパートタイム労働者の割合

 年齢階級ごとの入職者に占めるパートタイム労働者の割合をみると、男女とも19歳以下は約6割と高くなっており、20〜24歳で大きく低下している。女は、20〜24歳以降年齢階級が上がるとともに概ね高くなり、65歳以上で8割を超えている。
 男は25〜29歳から50〜54歳まで1〜2割程度と低く、55〜59歳以降高くなっている。(図7)

図7 入職者に占めるパートタイム労働者の割合

図7 入職者に占めるパートタイム労働者の割合

(3)結婚、出産・育児の理由による離職率(女)

 女について結婚の理由による離職率を年齢階級別にみると、25〜29歳で最も高くなっている。これを就業形態別にみると、一般労働者の方が概ね高くなっている。
 女について出産・育児の理由による離職率をみると、25〜29歳と30〜34歳で最も高くなっている。これを就業形態別にみると、パートタイム労働者は、25〜29歳で最も高くなっており、一般労働者との差が最も大きくなっている。(表1)

表1 結婚、出産・育児の理由による離職率

表1 結婚、出産・育児の理由による離職率

(4)介護の理由による離職率(女) 

 女について介護の理由による離職率をみると、55〜59歳で最も高くなっている。これを就業形態別にみると、25〜29歳以降の各年齢階級でパートタイム労働者の方が高くなっている。(表2)

表2 介護の理由による離職率

表2 介護の理由による離職率

4 転職入職者の状況

(1) 年齢階級別転職入職率

 年齢階級別に転職入職率をみると、男は20〜24歳が最も高く50〜54歳にかけて年齢階級が上がるとともに低下し、55〜59歳及び60〜64歳で上昇している。
 女は20〜24歳で最も高く、55〜59歳にかけて年齢階級が上がるとともに低下している。女は19歳以下から50〜54歳までの各年齢階級で男より高くなっている。
 女を就業形態別にみると、各年齢階級でパートタイム労働者の方が高くなっている。(図8)

図8 年齢階級別転職入職率

図8 年齢階級別転職入職率

(2)転職入職者の就業形態間の移動

 転職入職者の就業形態間の移動状況をみると、「一般労働者から一般労働者へ移動」した割合は54.4%、「パートタイム労働者から一般労働者へ移動」した割合は9.1%、「一般労働者からパートタイム労働者へ移動」した割合は10.5%、「パートタイム労働者からパートタイム労働者へ移動」した割合は22.2%となった(表3)。

表3 転職入職者の就業形態間移動状況

表3 転職入職者の就業形態間移動状況

(3)転職入職者が前職を辞めた理由

 転職入職者が前職を辞めた理由をみると、男は、「その他の理由」以外で「定年・契約期間の満了」が17.5%と最も多く、次いで「会社都合」が10.3%となっている。女は、「その他の理由」以外で「定年・契約期間の満了」が15.3%と最も多く、次いで「労働条件が悪い」が12.8%となっている。
 これを年齢階級別にみると、男は、「定年・契約期間の満了」は60〜64歳が67.7%、65歳以上が61.2%と特に多くなっており、「会社都合」は45〜49歳が21.4%と最も多く、次いで50〜54歳が18.1%となっている。女は、「定年・契約期間の満了」は60〜64歳が47.0%、65歳以上が49.4%で特に多くなっており、「労働条件が悪い」は19歳以下が20.5%と最も多く、次いで30〜34歳が16.1%となっている。(表4)

表4 転職入職者が前職を辞めた理由

表4 転職入職者が前職を辞めた理由

(4)転職入職者の賃金変動状況

 転職入職者の賃金変動状況をみると、前職の賃金に比べ「増加」した割合は28.5%、「減少」した割合は32.0%、「変わらない」の割合は38.1%となっている。「増加」のうち、「1割以上の増加」の割合は17.9%、「減少」のうち「1割以上の減少」の割合は23.1%となっている。
 これを年齢階級別にみると、30〜34歳以下及び40〜44歳では賃金が「増加」した割合が「減少」した割合を上回っている。
 前年と比べると、「増加」した割合は0.9ポイント、「減少」した割合は0.3ポイントそれぞれ低下した。(表5)

表5 転職入職者の賃金変動状況

表5 転職入職者の賃金変動状況

5 四半期別退職者数【新規調査項目】

 平成23年における離職者のうち、出向者・出向復帰者を除いた退職者数は629万人となっている。
 これを四半期別にみると、1〜3月が195万人、4〜6月が159万人、7〜9月が141万人、10〜12月が134万人となっていて、1〜3月が最も多い。(表6)

表6 産業別退職者数

表6 産業別退職者数

6 付属統計表

付属統計表1−1 常用労働者の移動状況

付属統計表1−1 常用労働者の移動状況

付属統計表1−2 常用労働者の移動状況(率)

付属統計表1−2 常用労働者の移動状況(率)

付属統計表2 産業別入職・離職状況

付属統計表2 産業別入職・離職状況

付属統計表3 性、離職理由別離職者の状況

付属統計表3 性、離職理由別離職者の状況

付属統計表4 転職入職者の賃金変動状況(就業形態別)

付属統計表4 転職入職者の賃金変動状況(就業形態別)

[参考]雇用創出・消失指標の試算

1 試算の概要

 「公的統計の整備に関する基本的な計画」(平成21年3月13日閣議決定)において、「事業所の開設及び廃止による雇用増減への影響を把握するため、諸外国で整備されている雇用創出及び消失指標を我が国においても整備する」こととされており、今般、雇用創出率、雇用消失率の試算を行った。
 雇用創出率(雇用消失率)は、それぞれ、1年間で創出(消失)された雇用者数を、前年末の雇用者数に対する割合で表したものであり、1年間で創出(消失)された雇用者数は、

  • 前年末から本年末にかけて雇用を増やした(減らした)事業所の雇用増(減)分の総数
  • 同じ間に新設された(廃止した)事業所の本年末の雇用の総数

の合計である。雇用の創出(消失)を、既存の事業所における雇用の増(減)、すなわち前年末から本年末にかけて存続した事業所における雇用増(減)と、事業所の新設(廃止)に伴って創出された(消失した)雇用とに分けて、雇用動向調査結果と雇用保険の適用事業所の新設、廃止に関する記録を用いて試算した。

 1年間の雇用の増減を図示すると、次のようになる。

雇用創出・消失指標の試算

2 主な用語の定義

「雇用創出率」
 前年末雇用者数に対する1年間で創出された雇用者数の割合をいう。

雇用創出率 = 1年間で創出された雇用(A*−A)+P × 100(%)
前年末雇用者数 A+B+C+Q

「雇用消失率」
 前年末雇用者数に対する1年間で消失した雇用者数の割合をいう。

雇用消失率 = 1年間で消失した雇用(C−C*)+Q × 100(%)
前年末雇用者数 A+B+C+Q

「新設雇用創出率」
 前年末雇用者数に対する1年間で新設に伴って創出された雇用者数の割合をいう。

新設雇用創出率 = 新設に伴って創出された雇用 P × 100(%)
前年末雇用者数 A+B+C+Q

「廃止雇用消失率」
 前年末雇用者数に対する1年間で廃止に伴って消失した雇用者数の割合をいう。

廃止雇用消失率 = 廃止に伴って消失した雇用 Q × 100(%)
前年末雇用者数 A+B+C+Q

「雇用純増率」
 雇用純増率 = 雇用創出率−雇用消失率

「雇用再分配率」
 雇用再分配率 = 雇用創出率+雇用消失率

3 利用上の注意

  1. (1) この指標の計算には雇用動向調査の調査票を用いていることから、得られた雇用創出率、雇用消失率は、雇用動向調査の調査産業で事業所規模5人以上の事業所における常用労働者に係る数値である。
  2. (2) 雇用創出率(雇用消失率)は1年間で創出された(消失した)雇用者数を用いて算定している。従って、その間に、例えば、退職した人がおり、その欠員補充として採用した人がいた場合、ここでいう1年間で創出された(消失した)雇用者数には含まれない。
     一方、雇用動向調査の入職者数(離職者数)は、企業間の労働移動をみたものであり、上述のような欠員補充としての採用や離職も含まれている。
  3. (3) (2)の創出された(消失した)雇用者数は、事業所単位で算定している。従って、同一企業内の事業所間移動によるものは、ここでいう創出された(消失した)雇用者数に含まれている。
     一方、雇用動向調査の入職者数(離職者数)は、同一企業内の事業所間移動によるものは含まれていない。
  4. (4) 雇用創出率及び雇用消失率は表章単位未満の位で四捨五入してある。このため、雇用純増率及び雇用再分配率の数値は、表章上の雇用創出率及び雇用消失率を用いて算出した数値とは必ずしも一致しない。

雇用創出・消失の状況

1 企業規模別雇用創出・消失の状況
 平成23年の雇用創出率、雇用消失率を企業規模別にみると、いずれも5〜29人が最も高く、それぞれ6.7%、6.4%となっている(表1)。

表1 雇用創出・消失状況(企業規模別)

表1 雇用創出・消失状況(企業規模別)

2 産業別雇用創出・消失の状況
 平成23年の雇用創出率、雇用消失率を産業別にみると、雇用創出率は宿泊業,飲食サービス業が8.1%と最も高く、次いで不動産,物品賃貸業が7.9%となっている。
 雇用消失率は、情報通信業が9.2%と最も高く、次いで宿泊業,飲食サービス業が8.9%となっている。(表2)

表2 雇用創出・消失状況(産業別)

表2 雇用創出・消失状況(産業別)

〈付属統計表〉

付属統計表1 雇用創出・消失状況(平成21年)

付属統計表1 雇用創出・消失状況(平成21年)

付属統計表2 雇用創出・消失状況(平成22年)

付属統計表2 雇用創出・消失状況(平成22年)

付属統計表3 雇用創出・消失状況(平成23年)

付属統計表3 雇用創出・消失状況(平成23年)

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