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[V]結果の概要

1 労働移動の状況
   平成14年上半期(1〜6月)に労働移動を行った常用労働者は、入職者が約363万人(前年同期約379万人)、離職者が約384万人(同約379万人)で、延べ労働移動者は約747万人(同約758万人)、延べ労働移動率は18.1%(同18.3%)となった。入職率は8.8%(同9.2%)、離職率は9.3%(同9.1%)で、前年同期と比べると入職率は低下し、離職率は上昇した。
 入職超過率をみると、-0.5ポイント(同0.1ポイント)となり、上半期としては調査開始以来初めて離職超過となった(図1第1表)。

(1)男女別入職・離職状況
   入職・離職率を男女別にみると、男は入職率が7.2%(前年同期7.6%)、離職率が7.8%(同7.5%)、女は入職率が11.3%(同11.6%)、離職率が11.7%(同11.7%)となった。
前年同期と比べると男は入職率が0.4ポイント低下、離職率が0.3ポイント上昇、女は入職率が0.3ポイント低下、離職率は横ばいとなった。
 入職超過率をみると、男は-0.6ポイント、女は-0.4ポイントで、男女とも離職超過となった(図2第1表)。

(2)就業形態別入職・離職状況
   入職・離職率を就業形態別にみると、一般労働者は入職率が7.2%(前年同期7.4%)、離職率が8.0%(同7.5%)となり、パートタイム労働者は入職率が15.5%(同17.3%)、離職率が14.9%(同16.7%)となった。前年同期と比べると一般労働者は入職率が0.2ポイント低下し、離職率が0.5ポイント上昇、パートタイム労働者は入職率、離職率いずれも1.8ポイント低下した。
 入職超過率をみると、一般労働者は-0.8ポイントで離職超過、パートタイム労働者は0.6ポイントで入職超過となった(図3第1表)。

(3)入職者・離職者に占めるパートタイム労働者の割合
   パートタイム労働者の入職者に占める割合は34.0%(前年同期34.2%)、離職者に占める割合は30.9%(同33.1%)となった。
 これを男女別にみると、男は入職者に占める割合が19.6%(同19.7%)、離職者に占める割合が16.5%(同18.4%)、女は入職者に占める割合が47.8%(同49.1%)、離職者に占める割合が45.4%(同47.9%)となった(第1図第2表)。

(4)産業別入職・離職状況
   入職・離職状況を産業別にみると、入職者はサービス業が約121万人と最も多く、次いで卸売・小売業,飲食店が約115万人、製造業が約52万人、建設業が約35万人などとなった。
離職者は卸売・小売業,飲食店、サービス業がいずれも約110万人と最も多く、次いで製造業が約71万人、建設業が約44万人などとなった。
 これらの産業について入職・離職率をみると、入職率は卸売・小売業,飲食店が11.0%(前年同期10.7%)と最も高く、次いでサービス業が10.7%(同11.6%)、建設業が8.7%(同8.1%)、製造業が5.4%(同6.3%)となった。離職率は建設業が11.0%(同8.1%)と最も高く、次いで卸売・小売業,飲食店が10.4%(同10.9%)、サービス業が9.7%(同10.0%)、製造業が7.3%(同7.1%)となった。前年同期と比べると、入職率は建設業、卸売・小売業,飲食店が上昇し、製造業、サービス業が低下した。離職率は建設業、製造業が上昇し、卸売・小売業,飲食店、サービス業が低下した。
 入職超過率をみると、サービス業は1.0ポイント、卸売・小売業,飲食店は0.6ポイントで入職超過となり、建設業は-2.3ポイント、製造業は-1.9ポイントで離職超過となった(図4第3−1表第2図)。

(5)企業規模別入職・離職状況
   入職・離職率を企業規模別にみると、入職率は「5〜29人」が9.8%、「100〜299人」が8.9%、「30〜99人」が8.6%、「300〜999人」が8.0%、「1,000人以上」が7.9%、離職率は「5〜29人」が9.9%、「100〜299人」が9.7%、「30〜99人」が9.0%、「1,000人以上」が8.8%、「300〜999人」が8.7%となった。
 入職超過率をみると、「1,000人以上」、「300〜999人」が前年同期に続き離職超過となり、加えて「100〜299人」、「30〜99人」、「5〜29人」が入職超過から離職超過に転じたため、すべての規模で離職超過となった(第4表)。


2 入職者の状況
(1)職歴別入職者の状況
   入職者を職歴別にみると、転職入職者が約199万人、未就業入職者が約164万人(新規学卒者が約79万人、一般未就業者が約85万人)で、転職入職率は4.8%(前年同期5.1%)、未就業入職率は4.0%(同4.0%)となり、前年同期と比べると転職入職率は0.3ポイント低下し、未就業入職率は横ばいとなった。
 就業形態別にみると、一般労働者は転職入職率が4.1%(同4.3%)、未就業入職率が3.1%(同3.1%)となり、パートタイム労働者は転職入職率が7.9%(同8.8%)、未就業入職率が7.6%(同8.5%)となった(第3図第1表第5表)。

(2)産業・企業規模別新規学卒入職者の状況
   新規学卒入職者について産業別構成比をみると、サービス業が34.3%、卸売・小売業,飲食店 が31.2%、製造業が19.2%などとなった。
 これを学歴別にみると、高校卒では、卸売・小売業,飲食店の割合が、専修学校卒、高専・短大卒、大学卒では、サービス業の割合がそれぞれ最も高い(第6表)。
 企業規模別構成比をみると、「1,000人以上」が23.9%と最も高く、次いで「5〜29人」が19.5%、「300〜999人」が18.7%、「30〜99人」が18.4%、「100〜299人」が15.4%となった。
 これを学歴別にみると、高校卒、高専・短大卒では「5〜29人」の割合が、専修学校卒では「30〜99人」の割合が、大学卒では「1,000人以上」の割合がそれぞれ最も高い(第7表)。

(3)転職入職者の状況
  イ 就業形態間移動状況
   転職入職者の就業形態間移動状況を前年同期と比べると、パートタイム労働者から一般労働者への移動割合が1.7ポイント、パートタイム労働者からパートタイム労働者への移動割合が1.5ポイント、一般労働者からパートタイム労働者への移動割合が1.3ポイントそれぞれ上昇し、一般労働者から一般労働者への移動割合が4.0ポイント低下した(第8表)。

ロ 賃金変動別状況
   転職入職者の賃金変動別構成比をみると、賃金が前のつとめ先に比べ「増加」であった者の割合は28.9%(前年同期30.4%)、「減少」であった者の割合は32.1%(同30.9%)となった。前年同期と比べると、「増加」であった者の割合は1.5ポイント低下し、「減少」であった者の割合は1.2ポイント上昇した(第9表)。

ハ 離職期間別状況
   転職入職者の離職期間別構成比をみると、「15日未満」が30.8%で最も高く、次いで「1ヵ月〜3ヵ月未満」が22.1%、「6ヵ月〜1年未満」が18.5%、「3ヵ月〜6ヵ月未満」が16.4%、「15日〜1ヵ月未満」が12.0%となった。前年同期と比べると、15日未満と3ヵ月以上の各区分で上昇した(図6-1第10-1表)。

 なお、転職入職者に、今回新たに調査した入職前1〜2年間に就業経験のある者を加えた結果でみると、離職期間1年未満が89.1%となり、1年以上2年未満が10.9%(うち「1年〜1年6ヵ月未満」が5.8%、「1年6ヵ月〜2年未満」が5.0%)となった(図6-2第10-2表)。


3 離職者の状況
(1)年齢階級別離職者の状況
   離職率を年齢階級別にみると、「19歳以下」が19.3%で最も高く、次いで「60〜64歳」が19.2%、「65歳以上」が16.2%、「20〜24歳」が15.3%と、若年層及び高年齢層で高い。前年同期と比べると、40代、50代層で約1.0%、65歳以上の層で3.0%上昇した(第11表)。

(2)離職理由別離職者の状況
   離職者の離職理由別構成比をみると、「個人的理由」が63.8%(前年同期68.0%)で最も高く、次いで「経営上の都合」が14.4%(同11.1%)、「契約期間の満了」が10.6%(同9.6%)となり、前年同期と比べると「経営上の都合」、「契約期間の満了」の割合がそれぞれ上昇、「個人的理由」の割合が低下した。
 これらを男女別にみると、男は「個人的理由」が54.9%(同60.6%)、「経営上の都合」が20.1%(同14.8%)、「契約期間の満了」が10.9%(同9.3%)となり、女は「個人的理由」が72.7%(同75.4%)、「契約期間の満了」が10.1%(同10.0%)、「経営上の都合」が8.7%(同7.3%)となった。前年同期と比べると、男は「経営上の都合」が5.3ポイント、「契約期 間の満了」が1.6ポイントそれぞれ上昇し、「個人的理由」が5.7ポイント低下、女は「経営上の都合」が1.4ポイント、「契約期間の満了」が0.1ポイントそれぞれ上昇し、「個人的理由」が2.7ポイント低下した。
 また就業形態別にみると、一般労働者は「個人的理由」が59.3%(同62.4%)、「経営上の都合」が17.9%(同13.6%)、「契約期間の満了」が9.3%(同9.7%)となり、パートタイム労働者は「個人的理由」が73.7%(同79.2%)、「契約期間の満了」が13.3%(同9.6%)、「経営上の都合」が6.7%(同6.0%)となった。前年同期と比べると、一般労働者は「経営上の都合」が4.3ポイント上昇、「個人的理由」が3.1ポイント、「契約期間の満了」が0.4ポイントそれぞれ低下し、パートタイム労働者は「契約期間の満了」が3.7ポイント、「経営上の都合」が0.7ポイントそれぞれ上昇し、「個人的理由」が5.5ポイント低下した(図7第12表)。


4 未充足求人の状況
   平成14年6月末日現在の未充足求人数は約34万人(前年約37万人)で、欠員率(在籍常用労働者に対する未充足求人の割合)は0.8%(同0.9%)となり、前年と比べると0.1ポイント低下した。うちパートタイム労働者の未充足求人数は約12万人(同約11万人)で、欠員率は1.5%(同1.4%)となり、前年と比べると0.1ポイント上昇した(図8第13表)。

(1)産業別未充足求人の状況
   未充足求人数を産業別にみると、卸売・小売業,飲食店が約12万人、サービス業が約10万人、建設業が約5万人、製造業が約4万人などとなった。
 欠員率を主な産業別についてみると、建設業が1.4%、卸売・小売業,飲食店が1.1%、サービス業が0.8%、製造業が0.5%となった。前年と比べると、建設業が0.4ポイント、卸売・小売業,飲食店が0.2ポイントそれぞれ上昇し、製造業、サービス業がいずれも0.1ポイント低下した。うちパートタイム労働者の欠員率は、サービス業、卸売・小売業,飲食店がいずれも1.7%、製造業が1.2%、建設業が0.1%となった(第13表)。

(2)職業別未充足求人の状況
   未充足求人数を職業別にみると、「生産工程・労務作業者」が約9万人、「専門的・技術的職業従事者」、「サービス職業従事者」が約7万人、「販売従事者」が約6万人などとなった。
 欠員率をみると、「サービス職業従事者」が1.7%、「専門的・技術的職業従事者」が1.0%、「生産工程・労務作業者」、「販売従事者」がいずれも0.9%などとなった(第14表)。


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