厚生労働省医薬食品局
食品安全部監視安全課
輸入食品安全対策室
（内線 2474,2497,2498）
平成22年度
輸入食品監視指導計画監視結果
中間報告
平成22年12月
厚生労働省医薬食品局食品安全部
平成２２年度輸入食品監視指導計画監視結果（中間報告）
１．はじめに
我が国に輸入される食品等（以下「輸入食品等」という。）の安全性を確保するために国が行う監視指導については、食品衛生法（昭和22年法律第233号。以下「法」という。）第23条第1項の規定により、食品衛生に関する監視指導の実施に関する指針（平成15年厚生労働省告示第301号）に基づき、パブリックコメントの募集及びリスクコミュニケーションを実施し、平成2２年度輸入食品監視指導計画（以下「計画」という。）を策定し、同条第3項の規定により官庁報告として官報に公表した上で、計画に基づいて行っているところです。
今般、平成2２年4月から9月の間に計画に基づいて実施した輸入食品等に係る監視指導の実施状況の概要について取りまとめたので公表します。
参考：「輸入食品の安全を守るために」
https://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/tp0130-1.html
２．平成22年度輸入食品監視指導計画の概要
(1) 輸入食品監視指導計画とは
輸入食品等について国が行う監視指導の実施に関する計画（法第23条第1項）をいう。
【目的】国が、輸入時の検査や輸入者の監視指導等を重点的、効果的かつ効率的に実施することを推進し、輸入食品等の一層の安全性確保を図る。
(2) 輸入食品等の監視指導の基本的な考え方
食品安全基本法（平成15年法律第48号）第4条（食品の安全性確保は、国の内外における食品供給行程の各段階において適切な措置を講じることにより行わなければならない）の観点から、輸出国、輸入時、国内流通時の3段階での衛生対策確保を図るべく計画を策定し、監視指導を実施する。
(3) 重点的に監視指導を実施すべき項目
○ 輸入届出時における法違反の有無の確認
○ モニタリング検査※1（平成22年度計画：160食品群、約8万5千件）
○ 検査命令※2（平成22年9月30日現在：全輸出国の16品目及び33カ国・1地域の131品目）
○ 包括的輸入禁止規定※3
○ 海外情報等に基づく緊急対応
(4) 輸出国における衛生対策の推進
○ 輸出国政府に対する衛生管理対策の確立の要請
○ 現地調査や二国間協議を通じた、農薬等の管理・監視体制の強化、輸出前検査の推進
(5) 輸入者に対する自主的な衛生管理の実施に関する指導
○ 輸入前指導（いわゆる輸入相談）
○ 初回輸入時及び定期的自主検査の指導
○ 記録の保存に係る指導
○ 輸入者等への食品衛生に関する知識の普及啓発
※1：食品の種類毎に輸入量、違反率等を勘案した統計学的な考え方に基づく計画的な検査
※2：違反の蓋然性が高いものについて輸入の都度、検査を命令し、検査に合格しなければ輸入・流通が認められない検査
※3：危害の発生防止の観点から必要と認められる場合、検査を要せずに販売、輸入を禁止できる規定
３．平成22年度輸入食品監視指導計画監視結果（中間報告）
平成２2年４月から９月の間の届出・検査・違反状況（表１）をみると、届出件数は1,011,512件【903,873件】であり、届出重量は速報値で12,013千トン【11,791千トン】であった。
これに対し、128,344件（検査命令62,498件、モニタリング検査28,103件、自主検査37,743件）【108,390件（検査命令54,221件、モニタリング検査24,200件、自主検査29,969件）】について検査を実施し、このうち736件【660件】を食品衛生法違反として、積み戻し又は廃棄等の措置を講じた。
違反事例を条文別（表２）にみると、食品の微生物規格、残留農薬の基準、添加物の使用基準等の規格基準に係る法第１１条違反の39４件が最も多く、次いでアフラトキシン等の有害・有毒物質の付着等に係る法第６条違反の229件、添加物等の販売等の制限に係る法第１０条違反の６９件、器具又は容器包装の規格に係る法第１８条違反の６２件、おもちゃの規格に係る法第６２条に基づき準用される法第１８条違反の９件となっている。
平成２２年度のモニタリング検査実施状況（表３）をみると、延べ85,018件の計画に対し、延べ50,684件（実施率：約60％）を実施し、このうち延べ113件を食品衛生法違反として、回収等の措置を講じるとともに、違反の可能性を判断するためモニタリング検査を強化する措置（表４）を講じた。さらに、モニタリング検査強化等の結果、食品衛生法違反の可能性が高いと見込まれる輸入食品等については、輸入の都度、輸入者に対し検査を受けるべきことを命じることとする検査命令へ移行させ監視体制を強化した（表５）。
平成22年9月30日現在で、全輸出国対象の16品目及び33カ国・1地域の131品目を検査命令の対象としており、実績（表6）をみると、延べ119,490件の検査命令を実施し、このうち延べ148件を食品衛生法違反として、積み戻し又は廃棄等の措置を講じた。
海外での違反食品の回収等の情報に基づき、平成22年度においては、アルゼンチン産ワインのナタマイシン汚染、フランス産ミネラルウォーターのカビ汚染の問題について、輸入時の監視体制の強化等（表７）を行った。
【 】カッコ内は昨年度同期の数値
| 届出件数 | 輸入重量 | 検査件数※1 | 割合※2 | 違反件数 | 割合※2 |
件 1,011,512 |
千トン 12,013 |
件 128,344（62,498）※3 |
％ 12.7 |
件 736 |
％ 0.07 |
| （前年度実績） 903,873 |
11,791 | 108,390 | 12.0 | 660 | 0.07 |
※1 モニタリング検査、検査命令、指導検査等の合計から重複を除いた数値
※2 届出件数に対する割合
※3 検査命令に係る数値
| 違反条文 | 違反件数 | 構成比 | 主な違反内容 |
第6条 （販売を禁止される食品及び添加物） |
件 229 |
％ 30 |
とうもろこし、ハトムギ、落花生、アーモンド、ごま等のアフラトキシンの付着、キャッサバ等のシアン化合物の含有、食肉製品のリステリア菌による汚染、二枚貝の下痢性貝毒の検出、有毒魚の混入、米・小麦・カカオ豆等の輸送中の事故による腐敗・変敗・カビの発生 |
第9条 （病肉等の販売等の制限） |
0 | 0 | |
第10条 （添加物等の販売等の制限） |
69 | 9 | ＴＢＨＱ、サイクラミン酸、パテントブルーV、キノリンイエロー、アゾルビン等の指定外添加物を使用した加工食品 |
第11条 （食品又は添加物の基準及び規格） |
394 | 52 | 野菜及び乾燥野菜の成分規格違反（農薬の残留基準違反）、水産物及びその加工品の成分規格違反（抗菌性物質の含有、農薬等の残留基準違反）、冷凍食品の成分規格違反（一般生菌数、大腸菌、大腸菌群）、添加物の使用基準違反（ソルビン酸、安息香酸等）、添加物の過量残存（二酸化硫黄等） |
第18条 （器具又は容器包装の基準及び規格） |
62 | 8 | 器具・容器包装の規格基準違反 原材料の材質別規格違反 |
第62条に基づき準用 の準用規定） |
9 | 1 | おもちゃ又はその原材料の規格違反 |
| 総計 | 763（延数）※1 736（実数）※2 |
||
※1 検査項目別の延べ件数
※2 検査対象となった届出の件数
| 食品群 | 検査項目※1 | 年度計画件数※2 | 実施件数 | 違反件数 |
| 畜産食品 牛肉、豚肉、鶏肉、馬肉、その他食鳥肉等 |
抗菌生物質等 | 2,243 | 1,129 | 4 |
| 残留農薬 | 1,884 | 1,068 | 0 | |
| 成分規格 | 716 | 348 | 0 | |
| 放射線 | 29 | 0 | 0 | |
| 畜産加工食品 ナチュラルチーズ、食肉製品、アイスクリーム、冷凍食品（肉類）等 |
抗菌生物質等 | 2,362 | 1,170 | 1 |
| 残留農薬 | 923 | 678 | 1 | |
| 添加物 | 1,911 | 1,111 | 0 | |
| 成分規格 | 2,298 | 1,062 | 7 | |
| 放射線 | 5 | 0 | 0 | |
| 水産食品 二枚貝、魚類、甲殻類（エビ、カニ）等 |
抗菌生物質等 | 2,896 | 1,370 | 1 |
| 残留農薬 | 1,967 | 1,330 | 7 | |
| 添加物 | 207 | 171 | 0 | |
| 成分規格 | 1,439 | 678 | 0 | |
| 放射線 | 29 | 0 | 0 | |
| 水産加工食品 魚類加工品（切り身、乾燥、すり身等）､冷凍食品（水産動物類、魚類）、魚介類卵加工品等 |
抗菌生物質等 | 3,969 | 2,451 | 1 |
| 残留農薬 | 2,888 | 2,376 | 1 | |
| 添加物 | 1,960 | 1,687 | 0 | |
| 成分規格 | 3,556 | 3,426 | 20 | |
| 放射線 | 5 | 0 | 0 | |
| 農産食品 野菜、果実、麦類、とうもろこし、豆類、 落花生、ナッツ類、種実類等 |
抗菌生物質等 | 884 | 979 | 0 |
| 残留農薬 | 15,482 | 8,493 | 31 | |
| 添加物 | 1,016 | 590 | 2 | |
| 成分規格 | 1,181 | 823 | 0 | |
| カビ毒 | 2,959 | 1,981 | 3 | |
| 遺伝子組換え食品 | 751 | 464 | 0 | |
| 放射線 | 29 | 0 | 0 | |
| 農産加工食品 冷凍食品（野菜加工品）、野菜加工品､果実加工品、香辛料、即席めん類等 |
抗菌生物質等 | 119 | 91 | 0 |
| 残留農薬 | 8,001 | 4,412 | 8 | |
| 添加物 | 3,804 | 2,646 | 3 | |
| 成分規格 | 2,746 | 1,694 | 9 | |
| カビ毒 | 1,937 | 824 | 1 | |
| 遺伝子組換え食品 | 119 | 40 | 0 | |
| 放射線照射 | 446 | 0 | 0 | |
| その他の食料品 健康食品、スープ類、調味料、菓子類、食用油脂、冷凍食品等 |
残留農薬 | 147 | 345 | 0 |
| 添加物 | 3,047 | 1,749 | 6 | |
| 成分規格 | 897 | 375 | 2 | |
| カビ毒 | 717 | 385 | 0 | |
| 飲料 ミネラルウォーター類、清涼飲料水、アルコール飲料等 |
残留農薬 | 358 | 263 | 0 |
| 添加物 | 776 | 576 | 2 | |
| 成分規格 | 956 | 499 | 1 | |
| カビ毒 | 118 | 61 | 0 | |
| 添加物 器具及び容器包装、おもちゃ |
成分規格等 | 2,241 | 933 | 2 |
| 検査強化食品分 | SRM除去確認、 抗生物質等、 放射線照射、 添加物 |
5,000 | 2,406 | 0 |
| 総計 (延数） | 85,018 | 50,684 年度計画に対す る実施率約60% |
113 | |
※1：検査項目の例
- 抗菌生物質等：抗生物質、合成抗菌剤、ホルモン剤、飼料添加物等
- 残留農薬：有機リン系、有機塩素系、カーバメイト系、ピレスロイド系等
- 添加物：ソルビン酸、安息香酸、二酸化硫黄、着色料、ポリソルベート、サイクラミン酸、ＴＢＨＱ、防ばい剤等
- 成分規格等：成分規格で定められている項目（細菌数、大腸菌群、腸炎ビブリオ等）、病原微生物（腸管出血性大腸菌Ｏ１５７、リステリア菌等）、貝毒（下痢性貝毒、麻痺性貝毒）、割り箸の防ばい剤等
- カビ毒：アフラトキシン、デオキシニバレノール、パツリン等
- 遺伝子組換え食品：安全性未審査遺伝子組換え食品等
※2：抗菌生物質、農薬等の検査項目別の延検査件数の概算を示したもの
| 対象国・地域 | 対象食品 | 検査項目 |
| 中国 | タウナギ、フナ | エンロフロキサシン |
| 黒スズメバチの巣 | オキシテトラサイクリン | |
| しじみ | クロルテトラサイクリン、フラゾリドン | |
| 養殖フグ （(1)DALIAN FUGU AQUATIC PRODUCT CO., LTD. (2)QINHUANGDAO XINHAI FOODSTUFFS CO., LTD. (3)DALIAN PUCHENGAQUATIC CO., LTD.から輸出されたものに限る。） |
フラゾリドン | |
| 鶏肉 | スルファキノキサリン | |
| がざみ | トリフルラリン | |
| ねぎ（わけぎを含む） | フルシラゾール | |
| ケツギョ | マラカイトグリーン | |
| キャベツ、しゅんぎく、セロリ、パクチョイ | クロルピリホス | |
| 未成熟えんどう | クロルピリホス、シペルメトリン、ジメトモルフ、イソプロチオラン、フルシラゾール | |
| サイシン | フェンバレレート | |
| えだまめ、しいたけ | フェンプロパトリン | |
| コーヒー豆 | γ-BHC | |
| そば（粉を含む。）、白きくらげ | メタミドホス | |
| ゆでだこ | 腸炎ビブリオ菌※3 | |
| 生食用ウニ | 腸炎ビブリオ最確数※3 | |
| タイ | シカクマメ、ミズオジギソウ | ＥＰＮ |
| バジルシード | アフラトキシン | |
| PAK PED、キンツァイ、ナンキョウ | クロルピリホス | |
| アカシア | イソプロチオラン、クロルピリホス | |
| オオバコエンドロ | ジフェノコナゾール | |
| ケール、未成熟えんどう | シペルメトリン | |
| コラード | シペルメトリン、フェンバレレート | |
| ねぎ（わけぎを含む。） | トリアゾホス | |
| Puk-Prew、シソクサ、ツボクサ、ディル、ペパーミント | パラチオンメチル | |
| コリアンダー | パラチオンメチル、フェノブカルブ | |
| 大葉 | フェニトロチオン | |
| ヒメボウキ | フェノブカルブ | |
| 台湾 | ローヤルゼリー（乾燥したものを含む。） | クロラムフェニコール |
| スッポン | クロルテトラサイクリン | |
| やいとはた | マラカイトグリーン | |
| DAY LILY（ユリ科キスゲ属）、オオヒラタケ、セロリ、タロイモ、ニラ | クロルピリホス | |
| ウーロン茶 | ブロモプロピレート | |
| 米国 | 鶏肉 | ラサロシド |
| レモン（ブランド名：アメリカンゴールドに限る。） | オルトフェニルフェノール | |
| とうもろこし（爆裂種に限る。） | ピリミホスメチル | |
| アーティチョーク | フェンバレレート | |
| ほうれんそう | ペルメトリン | |
| アーモンド加工品（アーモンドを主要原料とするものに限る。） | アフラトキシン | |
| 豚肉調整品 （製造者名：Stampede Meat Inc. 製造者住所：4551 S. Racine Chicago, IL 60609.でテンダライズされたものに限る。） |
腸管出血性大腸菌（O157） | |
| 韓国 | セリ、ニラ | クロルピリホス |
| ワケギ（学名Allium wakegi） | クロルピリホス、プロシミドン | |
| 青とうがらし | ジフェノコナゾール | |
| レタス | ジメトモルフ | |
| カキチシャ | プロシミドン | |
| 生食用アカガイ、生食用ウニ | 腸炎ビブリオ最確数※3 | |
| フランス | 鶏肉(処理場番号：7103A CEEの処理場で処理されたものに限る。） | スルファキノキサリン |
| うさぎ肉 | スルファジメトキシン | |
| キクイモ | クロルプロファム | |
| レンズ豆 | デルタメトリン及びトラロメトリン | |
| ベトナム | 養殖鰻 | フラゾリドン |
| なまず | トリフルラリン | |
| ごまの種子及びその加工品（ごまの種子を主要原料とするものに限る。） | アフラトキシン | |
| もろこし（こうりゃん等）及びその加工品（もろこし（こうりゃん等）を主要原料とするものに限る。） | アフラトキシン | |
| オーストラリア | そば（粉を含む。） | クロルピリホス |
| 菜種 （(1)GRAINCORP OPERATIONS LTD. (2)GLOBAL GRAIN AUSTRALIA PTY LTD. (3)KANGAROO ISLAND CANOLA COMPANから輸出されたものに限る。） |
フェニトロチオン | |
| とうもろこし（甘味種を除く。） | アフラトキシン | |
| 牛肉（CONSOLIDATED MEAT GROUP PTY LTD（Est.7）で処理等されたものに限る） | 腸管出血性大腸菌（O157） | |
| イタリア | 非加熱食肉製品（CASALE S.P.A(I550L)、 RENZINI S.P.A. (645L)、 SALUMIFICIO MAISON BERTOLIN S.R.L. (1615L)で製造されたものに限る。） |
リステリア菌 |
| ブラジル | とうもろこし（粉を含む。甘味種を除く。） | アフラトキシン |
| 鶏肉（KAEFER AGRO INDUSTRIUL LTDA.(SIF:1672)で処理されたものに限る。） | エンロフロキサシン | |
| スペイン | 西洋トコブシ | 麻痺性貝毒 |
| 野いちご | エトプロホス | |
| フィリピン | バナナ(農場番号：39に限る。） | ビテルタノール |
| 生食用ウニ | 腸炎ビブリオ最確数※4 | |
| ガーナ | カカオ豆 | チアメトキサム |
| ラオス | オオバコエンドロ | クロルピリホス |
| ミャンマー | ひよこ豆 | アフラトキシン |
| 南アフリカ | りんごジュース（原料果汁がりんごに由来するものに限る。）及び原料用りんご果汁 | パツリン |
| イラン | 殻無しピスタチオナッツ | ピリミホスメチル |
| アラブ首長国連邦 | ひよこ豆 | アフラトキシン |
| ベルギー | セルリアック | クロルピリホス |
| エクアドル | バナナ(ブランド名：エナーノ・農場番号：883
及びブランド名：チキータ・農場番号：10-230に限る。） |
ビテルタノール |
| メキシコ | マンゴー | シペルメトリン |
| カンボジア | バジルシード | アフラトキシン |
| オーストリア | 西洋わさび | ジメトモルフ |
| ギリシャ | ピスタチオナッツ加工品（ピスタチオナッツを主要原料とするものに限る。） | アフラトキシン |
| インドネシア | ターメリック及びその加工品（ターメリックを主要原料とするものに限る。） | アフラトキシン |
| グアテマラ | コーヒー豆 | 2,4-D |
| ペルー | カイグア | クロルピリホス |
| ニュージーランド | 西洋ねぎ（リーキ） | アラクロール |
| パラグアイ | 小粒落花生 | シペルメトリン |
※1 違反発見後にモニタリング検査強化とし、全届出件数の30％を対象に検査を実施した。また、輸入実績又は検査実績に基づき検査命令を解除した品目についても同様の取扱いとした。ただし、検査強化後60件以上の検査を実施して同様の法違反事例がない場合、通常の監視体制とした。
※2 表5に含まれる品目を除く。
※3 夏期の検査強化として全届出件数（100％）を対象に検査を実施（平成22年6月〜10月）
※4 夏期の検査強化として全届出件数の30％を対象に検査を実施（平成22年6月〜10月）
| 対象国・地域 | 対象食品 | 検査項目 |
| 中国 | アスパラガス | アメトリン |
| はも | トリフルラリン | |
| タイ | オオバコエンドロ | クロルピリホス、シペルメトリン、ブプロフェジン |
| ミズオジギソウ | トリアゾホス | |
| インド | マンゴー | クロルピリホス |
| ブラジル | 牛肉（内臓含む） | イベルメクチン |
| ベトナム | 未成熟えんどう（さや用種及びスナップエンドウと称されるものに限る。） | アセフェート |
| 台湾 | 養殖鰻 | フェニトロチオン |
| 対象国・地域 | 主な対象食品 | 主な検査項目 | 検査件数※ | 違反件数 |
| 全輸出国 (16品目) |
落花生、ナッツ類、チリペッパー等 | アフラトキシン | 4,936 | 31 |
| シアン含有豆類、キャッサバ | シアン化合物 | 313 | 0 | |
| すじこ | 亜硝酸根 | 419 | 3 | |
| フグ | 魚種鑑別 | 1 | 0 | |
| 中国 (35品目) |
鶏肉、豚肉、さば、えび、鰻等 | ニトロフラン類、テトラサイクリン系抗生物質、クレンブテロール、マラカイトグリーン等 | 41,324 | 18 |
| 野菜、果実、豆類、魚類（大粒落花生、緑茶、ねぎ、まつたけ、レイシ、どじょう等） | アセトクロール、トリアゾホス、テブフェノジド、クロルピリホス、エンドスルファン等 | 20,280 | 13 | |
| 二枚貝 | 麻痺性貝毒、下痢性貝毒 | 3,587 | 1 | |
| 鰻加工品 | 生菌数、大腸菌群 | 1,106 | 0 | |
| 加工食品等 | サイクラミン酸 | 1,005 | 0 | |
| 乳及び乳製品並びにこれらを原料とする加工食品 | メラミン | 5,832 | 0 | |
| ハスの種子 | アフラトキシン | 2 | 0 | |
| 韓国 (14品目) |
あげまきがい、しじみ等 | エンドスルファン等 | 108 | 2 |
| 野菜（ミニトマト、赤とうがらし） | フルキンコナゾール、EPN、エトプロホス | 141 | 1 | |
| 二枚貝 | 麻痺性貝毒、下痢性貝毒 | 360 | 1 | |
| 生食用タイラギガイ | 腸炎ビブリオ | 2 | 0 | |
| タイ (11品目) |
養殖えび | オキソリニック酸 | 721 | 0 |
| 野菜、果実（オオバコエンドロ、コブミカンの葉、おくら、マンゴー、バナナ等） | EPN、クロルピリホス、シペルメトリン、プロフェノフォス等 | 806 | 5 | |
| イタリア (7品目) |
非加熱食肉製品 | リステリア菌 | 320 | 3 |
| 葉タマネギ | クロルピリホス | 19 | 2 | |
| アーモンド等 | アフラトキシン | 59 | 0 | |
| インド (7品目) |
ケツメイシ、ターメリック | アフラトキシン | 151 | 4 |
| 野菜、果実（クミンの種子、マンゴー等） | プロフェノフォス、クロルピリホス等 | 49 | 1 | |
| 養殖エビ | フラゾリドン | 16 | 0 | |
| 台湾 (6品目) |
養殖鰻 | フェニトロチオン、ニトロフラン類等 | 4,752 | 0 |
| 野菜、果実（にんじん、マンゴー） | メタミドホス、シペルメトリン等 | 118 | 0 | |
| 加工食品等 | サイクラミン酸等 | 40 | 0 | |
| 米国 (6品目) |
とうもろこし | アフラトキシン | 1,372 | 2 |
| パセリ | クロルピリホス | 100 | 0 | |
| ベトナム (6品目) |
えび、いか | クロラムフェニコール、ニトロフラン類等 | 15,460 | 17 |
| 未成熟えんどう、ほうれんそう | アセフェート、インドキサカルブ | 52 | 2 | |
| 加工食品等 | サイクラミン酸 | 47 | 0 | |
| エクアドル (6品目) |
カカオ豆 | 2,4-D、シペルメトリン、ジウロン | 174 | 14 |
| ガーナ (1品目) |
カカオ豆 | フェンバレレート、エンドスルファン等 | 972 | 7 |
| ベネズエラ (1品目) |
カカオ豆 | 2,4-D | 113 | 6 |
| カカオ豆 | アフラトキシン | 113 | 0 | |
| その他(23カ国、総31品目) | 14,620 | 15 | ||
| 総 計 | 119,490 | 148 | ||
※ 検査件数は検査項目別の延べ数
| 強化月 | 対象国 | 対象食品及び内容 | 経緯及び対応状況 |
| ４月 | アルゼンチン | ワイン （ナタマイシン汚染のおそれ） |
韓国国内における製品回収情報に基づき、当該製造者が製造した製品が輸入届出された場合は、初回輸入時に自主検査を指導する措置を講じるとともに、国内の流通状況の調査等を行った。 |
| ５月 | フランス | ミネラルウォーター （カビ汚染のおそれ） |
フランス国内における製品回収情報に基づき、当該製品が輸入届出された場合は、積み戻し等を行う措置を講じた。 |
| 用語 | 説明 |
| 亜硝酸根 | 亜硝酸塩（添加物（発色剤））の含有量 |
| アセトクロール | 農薬（アニリド系除草剤） |
| アセフェート | 農薬（有機リン系殺虫剤） |
| アゾルビン | 指定外添加物 |
| アフラトキシン | カビ毒（アスペルギルス属等の真菌により産生される） |
| アメトリン | 農薬（トリアジン系除草剤） |
| アラクロール | 農薬（酸アミド系除草剤） |
| 安息香酸 | 添加物（保存料） |
| イソプロチオラン | 農薬（殺菌剤） |
| 遺伝子組換え | 細菌などの遺伝子の一部を切り取って、その構成要素の並び方を変えてもとの生物の遺伝子に戻したり、別の種類の生物の遺伝子に組み入れたりする技術 |
| イベルメクチン | 動物用医薬品（牛、豚及び馬の内部寄生虫及び外部寄生虫の駆除） |
| イミダクロプリド | 農薬（クロロニコチル系殺虫剤） |
| インドキサカルブ | 農薬（オキサジアジン系殺虫剤） |
| エトプロホス | 農薬（有機リン系殺虫剤） |
| エンドスルファン | 農薬（有機塩素系殺虫剤） |
| エンロフロキサシン | 動物用医薬品（ニューキノロン系合成抗菌剤） |
| オキシテトラサイクリン | 動物用医薬品（テトラサイクリン系抗生物質） |
| オキソリニック酸 | 動物用医薬品（キノロン系合成抗菌剤） |
| オルトフェニルフェノール | 食品添加物（防ばい剤） |
| キノリンイエロー | 指定外添加物 |
| クレンブテロール | 動物用医薬品（子宮弛緩薬） |
| クロラムフェニコール | 動物用医薬品（クロラムフェニコール系抗生物質） |
| クロルテトラサイクリン | 動物用医薬品（テトラサイクリン系抗生物質） |
| クロルピリホス | 農薬（有機リン系殺虫剤） |
| クロルプロファム | 農薬（除草剤） |
| 下痢性貝毒 | 貝毒（主に有害プランクトンの産生した毒を二枚貝が蓄積し、毒化することにより引き起こされる中毒） |
| サイクラミン酸 | 指定外添加物 |
| シアン化合物 | 有害有毒物質（一部豆類などの植物に含まれるシアン配糖体などのシアン関連化合物） |
| ジウロン | 農薬（除草剤） |
| ジフェノコナゾール | 農薬（トリアゾール系殺菌剤） |
| シペルメトリン | 農薬（ピレスロイド系殺虫剤） |
| ジメトモルフ | 農薬（殺菌剤） |
| スルファキノキサリン | 動物用医薬品（合成抗菌剤） |
| スルファジメトキシン | 動物用医薬品（合成抗菌剤） |
| ソルビン酸 | 添加物（保存料） |
| チアメトキサム | 農薬（ネオニコチノイド系殺虫剤） |
| 腸炎ビブリオ | 病原微生物（海（河口部、沿岸部など）に生息する菌で、主に魚介類を汚染し、腹痛、水様下痢、発熱、嘔吐を引き起こす） |
| 腸管出血性大腸菌 | 病原微生物（動物の腸管内に常在する菌で、糞尿を介して食品、飲料水を汚染し、初期感冒様症状のあと、激しい腹痛と大量の新鮮血を伴う血便を引き起こす） |
| デオキシニバレノール | カビ毒（フザリウム属の赤カビによって産生） |
| テトラサイクリン | 動物用医薬品（テトラサイクリン系抗生物質） |
| テブフェノジド | 農薬（ベンゾイルヒドラジド系殺虫剤） |
| デルタメトリン | 農薬（ピレスロイド系殺虫剤） |
| トラロメトリン | 農薬（ピレスロイド系殺虫剤） |
| トリアゾホス | 農薬（有機リン系殺虫剤） |
| トリフルラリン | 農薬（ジニトロアニリン系除草剤） |
| ナタマイシン | 添加物（食品製造用） |
| 二酸化硫黄 | 添加物（酸化防止剤） |
| ニトロフラン類 | 動物用医薬品であるニトロフラン系合成抗菌剤の総称 |
| パツリン | カビ毒（ペニシリウム属やアスペルギルス属等の真菌によって産生） |
| パテントブルーＶ | 指定外添加物 |
| パラチオンメチル | 農薬（殺虫剤） |
| ビテルタノール | 農薬（殺菌剤） |
| ピリミホスメチル | 農薬（有機リン系殺虫剤） |
| フェニトロチオン | 農薬（殺虫剤） |
| フェノブカルブ | 農薬（殺虫剤） |
| フェンバレレート | 農薬（ピレスロイド系殺虫剤） |
| フェンプロパトリン | 農薬（ピレスロイド系殺虫剤） |
| ブプロフェジン | 農薬（殺菌剤） |
| フラゾリドン | 動物用医薬品（ニトロフラン系合成抗菌剤）、代謝物はＡＯＺ |
| フルキンコナゾール | 農薬（トリアゾール系殺菌剤） |
| フルシラゾール | 農薬（ヘテロサイクリック系殺菌剤） |
| プロシミドン | 農薬（殺菌剤） |
| プロフェノホス | 農薬（有機リン系殺虫剤） |
| ブロモプロピレート | 農薬（ダニ駆除剤） |
| ペルメトリン | 農薬（殺虫剤） |
| ポリソルベート | 添加物（乳化剤） |
| 麻痺性貝毒 | 貝毒（主に有害プランクトンの産生した毒を二枚貝が蓄積し、毒化することにより引き起こされる麻痺性中毒） |
| マラカイトグリーン | 動物用医薬品（トリフェニルメタン系合成抗菌剤） |
| メタミドホス | 農薬（有機リン系殺虫剤） |
| メラミン | メラミン樹脂の主原料となる化学物質 |
| ラサロシド | 動物用医薬品（ポリエーテル系抗生物質） |
| リステリア菌 | 病原微生物（自然環境中に広く常在する菌で、主に乳製品、食肉加工品を汚染し、倦怠感、発熱を伴うインフルエンザ様症状を引き起こす） |
| ２，４−Ｄ | 農薬（フェノキシ酸系除草剤） |
| ＥＰＮ | 農薬（有機リン系殺虫剤） |
| ＳＲＭ | ＢＳＥ（牛海綿状脳症）の原因と考えられている異常プリオンたん白質が蓄積する牛体内の部位（頭部（舌、頬肉を除く。）、せき髄、せき柱、回腸（盲腸との接続部分から２メートルまでの部位）） |
| ＴＢＨＱ | 指定外添加物 |
| γ-BHC | 農薬（有機塩素系殺虫剤） |
