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第7章 主要な情報源

第7章
  主要な情報源

WHOとニコチン・たばこ研究学会(SRNT)のデータベース
(http://www.treatobacco.net

 Treatobacco.netは、世界中でたばこ依存症治療に取り組む人々にとって重要な情報源である。このサイトでは、たばこ依存症治療についての科学的根拠に基づく情報を、(1)効能、(2)安全性、(3)人口動態と健康への影響、(4)健康経済学、(5)政策という5つのテーマに分けて示している。主な研究成果や解釈、その裏づけとなる参考文献について、40名を超える世界中の専門家が点検と見直しを行っており、新たな研究に取り入れられるよう、実証例を定期的に更新している。参考スライドやその他の情報も、このサイトからダウンロードできる。Treatobacco.netは官民協力プロジェクトで、ニコチン・たばこ研究学会(SRNT)とWHOヨーロッパ地域事務所とが共同で運営している。Treatobacco.netは現在9ヶ国語に翻訳されており、世界中でたばこ依存症治療に関心のある人々にとって、まさしく国際的な情報源となっている。

連携プロジェクト(http://www.who.dk/tobaccofree

 WHOヨーロッパ連携プロジェクトは、たばこ依存症である喫煙者のたばこによる死亡率や罹患率の低下を目的に掲げて、まず3ヶ年計画として1999年に始まった。このプロジェクトには、国際レベル、ヨーロッパ地域レベル、国レベルの行政機関や非政府組織、専門機関や科学研究機関の代表者、科学専門家、製薬業界など、官民の様々な関係者が参加し、これらのメンバーが一丸となって、たばこ依存症治療をより利用しやすくするという共通の目標に向かって協力していくこととなった。

 このプロジェクトは、喫煙の有害な影響を減らすための対応策として、たばこ依存症治療を公衆衛生やたばこ規制についての協議の議題とすることを目的としている。プロジェクトには、ターゲットとする5ヶ国、チェコ共和国(2001年に参加)、フランス、ドイツ、ポーランド、英国のそれぞれについて、ヨーロッパ地域レベルと国レベルの両面の活動が含まれている。


 このプロジェクトに関連して、WHOヨーロッパ事務所はニコチン・たばこ研究学会(SRNT)と提携し、インターネットによる治療データベース「Treatobacco.net」を立ち上げた。WHOヨーロッパ地域事務所はまた、米国疾病管理予防センターとも提携し、放映用のビデオ2本を作成した。1本は禁煙がなぜ健康によいかを喫煙者に伝えるビデオ、もう1本は禁煙の方法を教えるビデオである。

 ヨーロッパ・連携プロジェクトは2001年12月に終了したが、プロジェクトの対象となった国では、この連携プロジェクトの枠組みを通じて、国レベルの活動を継続しているところが多い。たとえば、ドイツや英国では国どうしの提携関係を樹立し、またオランダなどでは独自の官民連携を開始している。さらにチェコ共和国、イタリア、スペイン、およびWHO西太平洋地域の一部の国々など、多くの国で同様の連携を構築することが検討されている。

コクラン共同計画(http://www.cochrane.org/)

 医療従事者、消費者、研究者、政策立案者らは皆、処理できないほどの膨大な情報に圧倒されているというのが現状である。英国の疫学者アーチー・コクランは、医療の効果について人々があまりにも無知であることに関心を抱き、人々が医療についてより十分な情報に基づいた判断がしたくても、現在利用可能な科学的証拠についての信頼のおける情報を手軽に利用できないでいることに気がついた。コクランは1987年、他界する1年前に、妊娠中や出産時の医療についての無作為化比較試験(RCT)の系統的なレビューは、「無作為化試験史上、また医療を評価するうえで真に画期的な出来事」であると述べ、他の専門分野でもこの方法を用いるよう推奨した。

 医療関連の無作為化比較試験を集めて、随時体系的にレビューしようというコクランの呼びかけに応じて、コクラン共同計画が策定された。妊娠中や出産時の比較試験のレビュー作成保持に用いた方法をより広範囲に用いるべきだというコクランの推奨は、英国の研究開発プログラムによって取り上げられ、その後、国民保健サービスを支える柱となった。「コクランセンター」が設置され、英国その他の国々の多くの機関との協力のもとに、医療のあらゆる分野における無作為化比較試験をもれなく収集し、系統的なレビューを行うこととなった。

 コクラン共同計画の重要な制作物であるコクランレビューは、オンラインで利用できる「コクランデータベース・オブ・システマティックレビュー」の一部として発表されている。コクランレビューの作成保持は国際共同計画レビューグループが担当しており、2001年の初めに、現在のレビューグループによって医療の重要分野がすべて網羅された。研究者、医療従事者、消費者などからなるこのレビューグループは、特定の病気や類似疾患の予防、治療、リハビリについて、信頼度の高い最新の科学的証拠を作成しようとする人々から構成されており、特定の医療分野について体系的なレビューの作成とメンテナンスを行っている。グループどうしの調整は編集部が行っている。編集部はレビューを編集し、項目ごとにまとめて、コクランライブラリに納めている。


 コクランたばこ依存レビューグループは、以下のような項目についての体系的レビューを行い、随時更新を行っている。これらの摘要はコクランウェブサイトで閲覧することができる。

禁煙のための鍼療法
禁煙のための抗うつ薬
禁煙のための抗不安薬
禁煙のための嫌煙療法
禁煙のためのクロニジン
成人の喫煙を減らすための地域的介入
青少年の喫煙を防止するための地域的介入
禁煙率向上のための配偶者による支援の強化
禁煙のための介入実施
禁煙のためのグループ行動療法プログラム
禁煙のための催眠療法
禁煙のための個別行動カウンセリング
公共の場での喫煙に対する予防的介入
未成年へのたばこ販売に対する予防的介入
次世代のための禁煙介入
入院患者への禁煙介入
禁煙のためのロベリン
青少年の喫煙防止のためのマスコミによる介入
禁煙のためのメカミラミン(ニコチン拮抗薬)
禁煙のためのニコチン置換療法
禁煙のための看護的介入
禁煙のためのオピオイド拮抗薬
禁煙のための医師のアドバイス
喫煙防止のための学校用プログラム
禁煙のための自助的介入
禁煙のための酢酸銀
禁煙のための電話カウンセリング
禁煙のための医療従事者トレーニング

 コクランのウェブサイトでは、以下のような、たばこ依存レビューグループが現在作成中のレビューの紹介、目的、資料、方法を示した手順の一覧表も見ることができる。

地域の薬局スタッフによる禁煙介入
環境たばこ煙による児童の受動喫煙の被害を減らすための、家族や保護者の喫煙規制プログラム
広告が青少年の喫煙行動に与える影響
禁煙のための再発防止介入
青少年のための禁煙介入
職場の禁煙介入


コクランたばこ依存レビューグループの連絡先を以下に示す。

Mrs Lindsay Stead and Ms Kate Hey, Coordinators
ICRF General Practice Research Group
Department of Public Health and Primary Health Care
Institute of Health Sciences
Old Road, Headington
Oxford OX3 7LF
United Kingdom
Phone:+44 1865 226997
Fax:+44 1865 227137
E-mail:lindsay.stead@public-health.oxford.ac.uk resp.
E-mail:kate.hey@dphpc.ox.ac.uk
Web address:http://www.dphpc.ox.ac.uk/cochrane_tobacco


Reference

Harrington P. The WHO European Partnership Project (WHOPP) to Reduce Tobacco Dependence. Presentation at the occasion of the WHO meeting on Global Policiy for Smoking Cessation hosted by the Ministry of Health of the Russuian Federation, Moscow, 14-15 June 2002.

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