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たばこ対策をめぐる最近の動向について

たばこ対策をめぐる
最近の動向について



厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室
たばこ対策専門官 山本 英紀


H18年度たばこ・アルコール対策担当者講習会



喫煙率の状況

我が国の喫煙率

我が国の喫煙率のグラフ
出典: 平成14年までは国民栄養調査。平成15年以降は国民健康・栄養調査
国民栄養調査と国民健康・栄養調査では、喫煙の定義及び調査方法が異なるため、その単純比較は困難である。

諸外国の喫煙率
(%)
国名 男性 女性
日本 43.3 10.2
ドイツ 39.0 31.0
フランス 38.6 30.3
オランダ 37.0 29.0
イタリア 32.4 17.3
イギリス 27.0 26.0
カナダ 27.0 23.0
米国 25.7 21.5
オーストラリア 21.1 18.0
スウェーデン 19.0 19.0
出典: WHO Tobacco ATLAS(2002)
 (日本の数値は国民栄養調査)



「健康日本21」におけるたばこ対策の取組について

「健康日本21」におけるたばこ対策の取組についての図



健康日本21

健康日本21中間評価(たばこ分野)

目標項目(指標の目安) 対象 ベースライン値 中間実績値 目標値
4.1 喫煙が及ぼす健康影響についての十分な知識の普及
(知っている人の割合)
肺がん 84.5% 87.5%* 100%
喘息 59.9% 63.4%* 100%
気管支炎 65.5% 65.6%* 100%
心臓病 40.5% 45.8%* 100%
脳卒中 35.1% 43.6%* 100%
胃潰瘍 34.1% 33.5%* 100%
妊娠に関連した異常 79.6% 83.2%* 100%
歯周病 27.3% 35.9%* 100%
4.2 未成年者の喫煙をなくす
(喫煙している人の割合)
男性(中学1年) 7.5% 3.2% 0%
男性(高校3年) 36.9% 21.7% 0%
女性(中学1年) 3.8% 2.4% 0%
女性(高校3年) 15.6% 9.7% 0%
4.3 公共の場及び職場における分煙の徹底及び効果の高い分煙に関する知識の普及
(分煙を実施している割合)
公共の場)      
 都道府県 89.4% 100% 100%
 政令市等 95.9% 100% 100%
 市町村 50.7% 89.7% 100%
 保健所 95.5% 100% 100%
職場) 40.3% 55.9% 100%
効果の高い分煙に関する知識の普及(知っている人の割合) 男性 77.4% 100%
女性 79.0% 100%
4.4 禁煙支援プログラムの普及 禁煙支援プログラムが提供されている市町村の割合 32.9% 39.7% 100%
* 策定時のベースライン値を把握した調査と中間実績値を把握した調査とが異なっている数値



4.2 未成年者の喫煙をなくす
喫煙している人の割合のグラフ



4.3 公共の場及び職場における分煙の徹底
分煙を実施している割合のグラフ



4.3 公共の場及び職場における分煙の徹底
分煙を実施している割合のグラフ



4.4 禁煙プログラムの普及
禁煙支援プログラムが提供されている市町村の割合のグラフ



健康日本21中間評価作業チームにおける喫煙率の目標値検討状況

健康日本21中間評価作業チームにおける喫煙率の目標値検討状況の図



<提案1> 「やめたい人」が全員やめた場合の喫煙率

<提案1> 「やめたい人」が全員やめた場合の喫煙率の図



<提案2> 「やめたい人」の一部がやめた場合の喫煙率

<提案2> 「やめたい人」の一部がやめた場合の喫煙率の図



<提案3> 「成人の喫煙率」を半減させた場合の喫煙率

<提案3> 「成人の喫煙率」を半減させた場合の喫煙率の図



たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約

条約の目的
 たばこの消費及び受動喫煙が健康、社会、環境及び経済に及ぼす破壊的な影響から現在及び将来の世代を保護する。

条約の概要
条約の実施について、定期的な報告を締約国会議に提出する。
第2回締約会議以降報告(第21条 報告及び情報の交換)
たばこの規制のための仕組み又は中央連絡先を確立または強化する。
たばこ対策関係省庁連絡会議の設置(第5条 一般的義務)

個別事項
たばこの需要を減少させるための価格及び課税に関する措置(第6条)
 様々な人々、特に年少者のたばこの消費を減少させる上で効果的かつ重要な手段であることを認識し、課税政策及び価格政策を実施。

たばこの煙にさらされることからの保護(第8条)
 屋内の職場、公共交通機関、屋内の公共の場所等におけるたばこ煙からの保護についての措置をとる。

たばこ製品の含有物に関する規制(第9条)
 締約国会議は、たばこの含有物及び排出物の規制に関しガイドラインを提示し、各国は効果的な規制措置を講じる。

たばこ製品の包装及びラベル(第11条)
 健康警告表示(権限のある国家当局により承認)のサイズ(理想的には50%以上、最低30%)、ローテーションを義務付け。

教育、情報の伝達、訓練及び啓発(第12条)
 喫煙の健康に与える悪影響についての普及・啓発、教育、禁煙指導の実施。

たばこの広告、販売促進及び後援(第13条)
 憲法に抵触しない範囲内でたばこに関する広告に関して全面禁止又は適切な制限措置をとる。

未成年者への及び未成年者による販売(第16条)
 未成年者がアクセスできないよう、自動販売機について適切な措置をとる。


第1回締約国会議(概要)

1. 日程・参加国等
2006年2月6日〜17日までジュネーブの国際会議場にて開催。
締約国110カ国(含むEC。なお会議開催中に3カ国増加)が参加。その他、米を含む非締約国が49カ国、国連機関、国際機関、NGO等がオブザーバーとして参加。

2. 主な決定事項

(1) 手続規則
(イ) 締約国会議開催頻度
 ・ 第3回まで毎年、その後隔年。
(ロ) 会合の種類
 ・ オブザーバーの発言・参加を認める公開会合。
 ・ 要すれば締約国のみによる限定参加会合も開催。
(ハ) 票決方式
 ・ 予算・財政事項はコンセンサス
 ・ その他もコンセンサス形成に努めるが、不可能な場合には実質的事項については3/4以上、手続的事項については過半数。
 ・ 議題が実質的事項か手続的事項かは議長が判断し、異議が唱えられた場合には即刻票決に付し、過半数で採択。
(ニ) オブザーバー
 ・ 非締約国、地域経済統合体、政府間組織及び締約国会議の承認を受けたNGOが、投票権はないが発言権を有するオブザーバーとして規定。

(2) 条約事務局の設置及び機能
(イ) 条約事務局
 ・ WHO本部内に設置。
(ロ) 条約事務局の説明責任
 ・ 条約事務局は、締約国会議に対し、条約実施上の事項、技術的事項につき報告し、WHO事務局長に対し、技術的事項及び行政事項につき報告。
 ・ WHO部局(特にタバコ・フリー・イニシアティブ部)との作業の重複を避け、透明性を確保し、費用対効果を高めるべくWHOとの協力関係を構築。

(3) 2006−2007年予算案
801万ドルを承認。これには、第2回締約国会議開催費用、各国報告書提出のための技術的支援、取りまとめ、たばこ規制関連ガイドライン作成が含まれる。
 → 日本はその22%の約176万ドルを負担。
第2回締約国会議にて予算の中間レビューを実施。

3. 第2回締約国会議に向けて

(1) 既存及び潜在的な援助の提供及び制度の検討
既存の援助枠組みについては、条約事務局がデータを蓄積し途上国の要請に基づいて適切な援助枠組みについて助言を行う。
各国の提出する報告書にたばこ規制関連の援助の実施実績及び要請実績を含む。
先進国、国際機関等に対し、途上国の要請に基づき、資源を振り向ける(channel resources)ことを求める。

(2) 報告制度
初回報告は、条約上の義務的実施事項と任意的実施事項を分けて報告。
2回目以降の報告については別途検討する。
報告頻度は各国における条約発効後2年、5年、8年に報告を提出。
2回目以降の統計データについては、変更があった事項につき報告。
(参照:第1回報告事項の主なもの)
 (イ)義務的実施事項: 統計データ(喫煙率、製造・輸出入量等)、価格・課税措置、受動喫煙規制措置、未成年者喫煙防止措置等
 (ロ)任意事項: 含有物規制、たばこ会社による広告・販売促進・後援の規制等

(3) たばこ規制関連ガイドライン作成
第8条(たばこの煙にさらされることからの保護)及び第9条(たばこ製品の含有物に関する規制)に関し優先的に作成
既存の成果も踏まえ、関心国が中心となりガイドライン作成に向け作業を行う。そのガイドライン案を第2回締約国会議に提出。

(4) 議定書
国境を越える広告規制措置」及び「不法取引」に関する2議定書策定に向け作業。
WHO各地域事務局が、締約国と調整の上、それぞれの議題について最大4名の専門家の推薦を行い、議定書の枠組を提案。検討状況につき第2回締約国会議で報告。

(5) 経済的に実行可能な代替活動に対する支援に関する研究
関心国による代替活動に関する研究グループの設立が合意され、第2回締約国会議に報告書が提出される予定。

4. 第2回締約国会議
2007年6月30日から7月5日までバンコクにて開催。

平成18年3月たばこ対策関係省庁連絡会議事務局



公共交通機関の受動喫煙防止対策取組み状況について

鉄軌道駅、鉄軌道車両

 ○ 公営地下鉄
地下鉄については、駅構内、車両ともに全面禁煙を実施。
 ○ 民鉄
【駅構内】
平成15年5月1日より関東民鉄10社で、駅構内全面禁煙を実施。
名鉄では、平成17年1月より駅構内全面禁煙を実施。
関西民鉄各社では、ホーム上での分煙措置を実施。うち近鉄と阪急では、朝夕の混雑時に禁煙タイムの設定。
【車両】
普通車両については全社禁煙。特急列車においては分煙措置。
 ○ JR
【駅構内】
駅構内の喫煙所の移設・集約及び喫煙室の整備を実施。
首都圏エリアにおいて禁煙タイム(6:30-9:30)の設定。
【車両】
普通車両については全面禁煙を実施。
特急列車については、全面禁煙(JR北海道(2006年3月禁煙)、JR東日本(2007年春予定)、全席禁煙(JR四国(2008年3月予定)、JR九州(2007年3月予定))
又は喫煙車両の削減(JR東海・JR西日本)を実施。

バス車両、バスターミナル

 ○ 乗合バス
法令により原則禁煙。
 ○ 貸切バス
実態上原則禁煙。
旅行会社等によるチャーターの場合は原則禁煙。
特定の団体との貸切契約の場合は、喫煙は契約者の団体の判断による。
 ○ バスターミナル
平成15年5月1日より、一般バスターミナル事業者19社について、バスターミナル、ロビー及び待合室の全面禁煙、又は分煙化を実施。

タクシー

 ○ 法人タクシー
2004年3月末時点で、全国の法人事業者の禁煙タクシー車両数が2,400台を突破。
2005年3月末では、3,512台まで進捗。
ただし、全法人タクシー車両数に占める割合としては依然として2%程度。
 以上全国乗用自動車連合会調べ
東京の国際タクシーでは、平成16年12月1日より20台を禁煙タクシーに。
三重近鉄タクシーにおいては、完全予約制の禁煙タクシーの運行を開始。
 ○ 個人タクシー
2004年3月末時点において1,377台。
2005年3月末までに1,852台。
全車両数の4%程度まで進捗。
  ※  以上全国個人タクシー協会調べ

航空機、航空旅客ターミナル

 ○ 航空機
既に機内禁煙を実施。
 ○ 航空旅客ターミナル
羽田空港等主要空港において建物内に喫煙室を設置し、分煙を実施。

旅客船、ターミナル

 ○ 旅客船
主要航路及び長距離フェリーにおいては、分煙措置を行っているところ。
 ○ 旅客船ターミナル
主な旅客船ターミナルにおいては、建物内に喫煙室の設置等を行い分煙を実施。

たばこ関係省庁連絡会議:国土交通省報告



平成18年度診療報酬改定における
ニコチン依存症管理料の新設について

 ニコチン依存症について、疾病であるとの位置付けが確立されたことを踏まえ、ニコチン依存症と診断された患者のうち禁煙の希望がある者に対する一定期間の禁煙指導について、新たに診療報酬上の評価を行う。(4月1日より)
 ニコチン依存症の管理に伴う場合、禁煙補助剤(ニコチンパッチ)を診療報酬の対象とする。(6月1日より)

ニコチン依存症管理料
 ○ 「禁煙治療のための標準手順書」に沿って外来で禁煙治療
 ○ 12週間にわたり計5回
 ○ 対象患者
スクリーニングテストでニコチン依存症と診断
1日の喫煙本数に喫煙年数を乗じた数が200以上
直ちに禁煙することを希望し、文書により同意している者

ニコチン依存症管理料に
関する施設基準
 ○ 禁煙治療の経験を有する医師が1名以上勤務していること
 ○ 禁煙治療に係る専任の看護師又は准看護師を1名以上配置していること
 ○ 呼気一酸化炭素濃度測定器を備えていること
 ○ 医療機関の敷地内が禁煙であること

日本循環器学会、日本肺癌学会及び日本癌学会により作成



「禁煙支援マニュアル」の策定について

(1) 背景
 平成15年の調査によると、現在習慣的に喫煙している人の割合は、男性で46.8%、女性で11.3%となっており、このうち「たばこをやめたい」又は「本数を減らしたい」と回答している人が、全体で男女とも約7割にも及んでいる。

(2) マニュアル策定の目的
 禁煙、節煙を希望する者に対する禁煙支援については、厚生労働科学研究において、その手法の研究や参考となるデータ収集等を行ってきていたが、先般、これまでの成果を基に、効果的な禁煙支援を推進するための「禁煙支援マニュアル」を平成18年5月に策定。

(3) 禁煙マニュアルの内容等
(1) 保健医療の専門職だけでなく、職場の衛生管理者や地域の保健事業担当者の方々も対象とし、「喫煙と健康」に関する健康教育を行うための必要な基礎知識や、実施方法、留意事項等を解説。
(2) 附属のCD−ROM教材により、音声や動画を組み合わせ、具体的にわかりやすく学習できるよう工夫。
(3) 平成18年4月から、禁煙治療に対する保険適用が開始され、たばこをやめるための支援体制が整ってきている状況にあることから、各地方自治体や多くの職場等で本書が活用され、受動喫煙も含めたたばこによる健康被害の減少に役立てられることを期待。

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