ドクニンジン
一般名 | ドクニンジン | ||||||||
分類 | セリ目Apiales、セリ科Apiaceae、ドクニンジン属Conium | ||||||||
学名 | Conium maculatum L. | ||||||||
英名 | hemlock, poison-hemlock | ||||||||
生育地 | ヨーロッパ原産。中国、北アフリカ、北アメリカに帰化し、日本では全国的に拡大しつつある。北海道では、札幌市近郊の土砂捨場、または隣接する牧草地への進入が見られる。 | ||||||||
形態 |
草丈80〜180 cmになる二年草。根は円錐形で肥厚する。茎は中空で太く、上部は分枝して広がる。葉は2〜3回羽状復葉。小葉は卵状皮針形、長さ1〜3 cm、さらに深裂する。茎、葉柄に紫紅色の斑点があり、植物全体に光沢がある。
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毒性成分 |
コニインconiine、g-コニセインg-coniceineなどのアルカロイド |
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中毒症状 | 全草、果実に有毒成分を含み、食べると悪心、嘔吐、流涎、昏睡を起こす。 | ||||||||
発病時期 | 30〜40分 | ||||||||
発生事例 | (症例) 札幌市内において、山菜のシャク(山ニンジン) Anthriscus sylvestris (L.) Hoffm.と間違えて、ドクニンジンの若芽を茹でてお浸しにして食し、中毒した。 |
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患者数(過去5年間) |
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中毒対策 | ドクニンジンの分布が広がっていくと、山菜のシャクの生育地と競合する可能性が生じる。 | ||||||||
その他の参考になる情報 | 古代ギリシャでは、このエキスを罪人処刑(毒殺)に用いていた。哲学者ソクラテスが、この毒によって最期を遂げたことは有名。 北アフリカ原産の同属のドクパセリC. chaerophylloides (Thunb.) Sond.も含めてドクニンジンと総称することもある。 |
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間違えやすい植物 | 山菜として食用になるシャク(コシャク)に似ているため誤食の可能性もあるが、植物全体に不快な臭気があり、紫紅色の斑点で識別できる。 |
作成:吉田尚利(北海道医療大学北方系生態観察園)