最近の調剤医療費（電算処理分）の動向
平成20年4〜7月
１．概要
（１） 平成20年4〜7月の処方せん1枚当たり調剤医療費（電算処理分に限る。以下同様。）は7,357円であり、伸び率（対前年同期比。以下同様。）は2．8％となっている。大きな制度改正や診療報酬改定の影響を受けていない平成19年度の伸び率と比較してみると、その差分は、▲3．0％ポイントとなっている。＜表1＞
（２）処方せん1枚当たり調剤医療費の内訳をみると、技術料が1,966円で26．7％、薬剤料が5,380円で73．1％を占めている。
伸び率は、技術料が2．8％、薬剤料が2．7％となっており、平成19年度の伸び率と比較すると、その差分は、技術料が1．6％ポイント、薬剤料が▲4．8％ポイントとなっている。＜表2−1＞
（３）処方せん1枚当たり調剤医療費を年齢階級別にみると、年齢とともに高くなっており、75歳以上では、9,211円と、0歳以上5歳未満の2,898円の約3倍となっている。
伸び率について、平成19年度の伸び率と比較してみると、55歳以上で3．0％ポイント前後下回っている。＜表3＞
（４）薬剤料の約85％を占める内服薬の処方せん1枚当たり薬剤料4,558円を、処方せん1枚当たり薬剤延種類数、投薬日数、（1種類数）1日当たり薬剤料の3要素に分解すると、各々、2.80種類、18．8日、87円となっている。
また、内服薬の処方せん1枚当たり薬剤料の伸び率2．7％を処方せん1枚当たり薬剤延種類数の伸び率、投薬日数の伸び率、1日当たり薬剤料の伸び率に分解すると、各々、0．7％、4．9％、▲2．8％となっている。
伸び率について、平成19年度の伸び率と比較すると、その差分は、種類数が▲0．4％ポイント、投薬日数が1．4％ポイント、1日当たり薬剤料が▲5．7％ポイントとなっている。＜表5〜8＞
（５）内服薬の処方せん1枚当たり薬剤料を薬効大分類別にみると、循環器官用薬が1,345円と最も高く、次いで中枢神経系用薬が579円となっている。＜表10−1＞
伸び率について、平成19年度の伸び率と比較してみると、血圧降下剤（薬効中分類）が▲9．4％ポイントで、マイナス幅が最も大きくなっている。＜表10−2＞
（６）内服薬の後発品割合を薬効大分類別にみると、ビタミン剤が最も高く44．5％、次いで呼吸器官用薬が14．2％となっている。＜表14＞
（参考１）
○ 後発医薬品の割合（平成20年7月）
薬剤料ベース：6．2％（対前年同期差＋0．7％ポイント）
数量ベース：17．9％（対前年同期差＋2．0％ポイント）
後発医薬品調剤率注）：41．9％（対前年同期差＋2．9％ポイント）
注）全処方せん枚数のうち後発医薬品を調剤した処方せん枚数の割合
○ 後発医薬品調剤率が30％以上の保険薬局の割合（平成20年7月）80．0％
（参考２）平成20年度診療報酬改定における改定率
調剤本体部分：＋0．17％（調剤医療費ベース）
薬価改定：▲5．2％（薬価ベース）
２．利用上の留意点
（１） 分析対象レセプトの特徴
○ 審査支払機関（社会保険診療報酬支払基金及び国民健康保険団体連合会）において、レセプト電算処理システムで処理された調剤報酬明細書のデータを分析対象としている。
○平成20年7月現在の電算処理割合は、処方せん枚数ベース、医療費ベースともに約87％である。
○ 処方せん1枚当たり調剤医療費について、審査支払機関で処理された調剤報酬明細書の全数を集計対象とした数字と、電算処理分のみを集計対象とした数字を比較した場合、その差は0．1％で非常に小さい。
（２）表章期間
○ 平成16年10月調剤分からデータの収集を開始しているが、伸び率（対前年同期比）の分析を主眼としていることから、統計表上の表章期間は平成17年10月以降とした。