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(参考(3) 介護保険制度における要介護認定の仕組み)

 要介護認定とは

介護保険制度では、寝たきりや痴呆等で常時介護を必要とする状態(要介護状態)になった場合や、家事や身支度等の日常生活に支援が必要になった状態(要支援状態)になった場合に、介護サービスを受けることができる。
この要介護状態や要支援状態にあるかどうか、要介護状態にあるとすればどの程度かの判定を行うのが要介護認定であり、保険者である市町村に設置される介護認定審査会で判定される。
要介護認定は介護サービスの給付額に結びつくことから、その基準については全国一律に客観的に定める。


 要介護認定の流れ

介護認定審査会は、保健・医療・福祉の学識経験者より構成され、高齢者の心身の状況調査及び主治医意見書に基づくコンピュータ判定の結果(一次判定)と主治医の意見書等に基づき審査判定を行う。

要介護認定の流れの図


 要介護認定基準について

 要介護認定は、「介護の手間」を表す「ものさし」としての時間である「要介護認定等基準時間」を下記基準にあてはめ、さらに痴呆性高齢者の指標を加味して実施するもので、「要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令(平成11年4月30日厚生省令第58号)」として定められている。

要介護認定等基準時間の分類
直接生活介助 入浴、排せつ、食事等の介護
間接生活介助 洗濯、掃除等の家事援助等
問題行動関連行為 徘徊に対する探索、不潔な行為に対する後始末等
機能訓練関連行為 歩行訓練、日常生活訓練等の機能訓練
医療関連行為 輸液の管理、じょくそうの処置等の診療の補助

要介護認定等基準時間の分類
要支援 上記5分野の要介護認定等基準時間が 25分以上 32分未満
またはこれに相当する状態
要介護1 上記5分野の要介護認定等基準時間が 32分以上 50分未満
またはこれに相当する状態
要介護2 上記5分野の要介護認定等基準時間が 50分以上 70分未満
またはこれに相当する状態
要介護3 上記5分野の要介護認定等基準時間が 70分以上 90分未満
またはこれに相当する状態
要介護4 上記5分野の要介護認定等基準時間が 90分以上110分未満
またはこれに相当する状態
要介護5 上記5分野の要介護認定等基準時間が110分以上
またはこれに相当する状態


<参考>

 平成14年度の老人保健健康増進等事業において、平成11年度からの要介護認定に関する研究や要介護認定結果の傾向を踏まえ、以下のような成果が報告されている。

 要支援状態又は要介護状態については、おおむね次のような状態像が考えられる。
自立
(非該当)
歩行や起き上がりなどの日常生活上の基本的動作を自分で行うことが可能であり、かつ、薬の内服、電話の利用などの手段的日常生活動作を行う能力もある状態
要支援状態 日常生活上の基本的動作については、ほぼ自分で行うことが可能であるが、日常生活動作の介助や現在の状態の防止により要介護状態となることの予防に資するよう手段的日常生活動作について何らかの支援を要する状態
要介護状態 日常生活上の基本的動作についても、自分で行うことが困難であり、何らかの介護を要する状態

 要介護状態については、おおむね次のような状態像が考えられる。
要介護1 要支援状態から、手段的日常生活動作を行う能力がさらに低下し、部分的な介護が必要となる状態
要介護2 要介護1の状態に加え、日常生活動作についても部分的な介護が必要となる状態
要介護3 要介護2の状態と比較して、日常生活動作及び手段的日常生活動作の両方の観点からも著しく低下し、ほぼ全面的な介護が必要となる状態
要介護4 要介護3の状態に加え、さらに動作能力が低下し、介護なしには日常生活を営むことが困難となる状態
要介護5 要介護4の状態よりさらに動作能力が低下しており、介護なしには日常生活を営むことがほぼ不可能な状態

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