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組換えDNA技術応用食品及び添加物の製造基準に関する告示(平成12年5月1日厚生省告示第234号)


厚生省告示第二百三十四号
 食品、添加物等の規格基準(昭和三十四年十二月厚生省告示第三百七十号)の規定に基づき、組換えDNA技術応用食品及び添加物の製造基準を次のように定める。

   平成十二年五月一日

最終改正 平成24年3月1日 厚生労働省告示第六十八号

厚生大臣 丹羽 雄哉

組換えDNA技術応用食品及び添加物の製造基準

(適用)

第一条 組換えDNA技術によって得られた微生物を利用して製造する食品及び添加物に関し、食品、添加物等の規格基準(昭和三十四年十二月厚生省告示第三百七十号)第1B第六款及び第2E第三款に規定する製造の基準については、この告示の定めるところによる。

(定義)

第二条 この告示で「組換えDNA技術」とは、組換えDNA技術応用食品及び添加物の安全性審査の手続(平成十二年五月厚生省告示第二百三十三号)第二条に規定する技術をいう。

2 この告示で「宿主」とは、組換えDNA技術において、DNAが移入される生細胞をいう。

3 この告示で「ベクター」とは、目的とする遺伝子を宿主に移入し、増殖させ、又は発現させるため当該遺伝子を運搬するDNAをいう。

4 この告示で「挿入DNA」とは、ベクターに挿入される異種のDNAをいう。

5 この告示で「組換え体」とは、組換えDNAを含む宿主をいう。

6 この告示で「作業区域」とは、組換え体を直接取り扱って製造作業を行う区域をいう。

(製造基準)

第三条 組換えDNA技術によって得られた微生物を利用して食品又は添加物を製造する場合は、別表の基準に適合したものでなければならない。

(製造所の基準適合確認)

第四条 厚生労働大臣は、組換えDNA技術によって得られた微生物を利用して食品又は添加物を製造しようとする者から申請があったときは、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、製造所ごとに、当該製造所が前条に規定する基準に適合する旨の確認を行う。

2 前項の確認を受けようとする者は、別記様式一による申請書に製造所が別表の基準を満たしていることを示す資料を添付して申請しなければならない。

3 国外の製造所であって、前条に規定する基準と同等又はそれ以上の水準の管理がなされている場合は、当該基準に適合しているものとみなす。

(報告)

第五条 製造業者は、組換え体に係る製造実施状況を、製造所ごとに、製造開始時及び終了時並びに毎年度末に、別記様式二により、厚生労働大臣に報告しなければならない。

(変更及び製造廃止の届出)

第六条 第四条第一項に規定する確認を受けた製造業者は、次の各号に掲げる行為を行う場合には、あらかじめ、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
一 第四条第一項に規定する確認を受けた事項の変更を行うとき。
二 当該製造所における製造を廃止するとき。

(確認の失効)

第七条 第四条第一項に規定する確認を受けた者が、次の各号に掲げる行為を行った場合には、第四条第一項に規定する確認は失効するものとする。
一 第四条第一項に規定する確認を受けた事項の変更(軽微な変更を除く。)を行ったとき。
二 当該製造所における製造を廃止したとき。

別表

一 施設、設備及び装置の基準

1 作業区域を有しており、他の区域と区分されていること。

2 次に掲げる設備を有すること。

(1) 組換え体の生物学的性状及び製品の管理規格の試験検査をすることができる設備

(2) 組換え体を他のものと区別して保管することができる設備

(3) 組換え体が意図せず製品に混入しないように製品を製造することができる設備

(4) 培地等を衛生的に調製することができる設備

(5) 製造又は試験検査に使用する器具機械、容器等を洗浄し、かつ、滅菌することができる設備

(6) 製造に由来する不純物であって、かつ、安全でないものが生じないようにすること又は製品に含まれないようにすることができる設備

3 組換え体を利用して食品又は添加物を製造するための培養及び発酵をすることができる装置を有すること。

4 その他必要と認められる設備及び装置を有すること。

二 設備及び装置の管理の基準

1 製造作業終了後、使用した設備及び装置を十分に洗浄し、かつ、滅菌すること。

2 設備又は装置の漏出防止機能に係る部分の改造又は交換時は、その都度、当該設備又は装置の密閉度及び性能の検査を行うこと。

3 培養装置、除菌装置等は、設置直後及び定期的に、密閉度及び性能の検査を行うこと。

4 除菌装置は、交換時、定期検査時及び製造品目の変更時に、あらかじめ有効性を確認した方法で滅菌すること。

三 組換え体の取扱いの基準

1 保管

 組換え体を含む材料は、組換え体を含む旨を明示すること。

2 生物学的性状の試験検査

 マスターセルバンク(全ての製造用細胞シードの元になる種株を一定の培養条件下で最低限の継代数を経て増殖させ、分注したものをいう。以下同じ。)の作製時及び保存中に、次の項目について試験検査(マスターセルバンクに他の生物が混入していないことの確認を含む。)を行い、その安定性を確認すること。

(1) 組換えDNA技術により付与された組換え体の性質の保持に関する項目

(2) 組換え体の保持しているベクター及び挿入DNAの基本的構造の維持に関する項目

(3) 組換え体の同一性及び均一性の確認に関する項目

3 製品の取扱い

(1) 製品の安全性評価に基づき、製品の管理規格を設定すること。

(2) 製造ごとに試験検査を行い、製品の管理規格に適合していることを確認すること。

(3) 製品の試験検査により、管理規格に適合していない製品が発見された場合には、直ちに製造を中止し、必要な措置を講ずること。

四 職員及び組織の基準

1 製造所の設置者又は製造所の長

 製造所の設置者又は製造所の長は、次の任務を果たすこと。

(1) 製造所ごとに製造管理者及び製造衛生責任者を任命すること。

(2) 製品の衛生確保のための製造安全委員会を設置し、その委員を任命し、製造安全委員会に、調査審議を求めること。 

(3) 組換えDNA技術に関する情報を収集するとともに、組換え体又は製品の安全性評価に影響を及ぼす知見を発見した場合に、速やかに厚生労働大臣に報告すること。

(4) 製造管理者が業務を遂行するに当たって支障を生じることがないよう配慮すること。

2 製造管理者

 製造管理者は、この別表の基準を熟知し、次の任務を果たすこと。

(1) 製造計画を立案するとともに、その実施に際し、組換え体の取扱い等に関する製造作業マニュアルを作成し、製造衛生責任者との緊密な連絡の下に、この別表の基準等を十分に遵守し、製造作業全体の適切な監督管理に当たること。

(2) 製造従事者に対し、製造作業に従事する前に、この別表の基準及び製造作業マニュアルを熟知させるとともに、次の事項に関する教育訓練を行うこと。

イ 組換え体の起源、性質、製法等、組換え体の安全性に関する知識

ロ 設備及び装置に関する知識及び技術

ハ 製造過程の衛生的管理に関する知識

(3) 次の事項を記録し、その記録を、当該食品又は添加物の製造終了の日から五年間保存すること。

イ 設備及び装置の定期点検記録及び製造記録

ロ 組換え体の名称及び組換え体を含む保管物の明細目録

ハ 保管開始年月日、保管場所、保管責任者、保管条件等の組換え体の保管及び継代の状況

ニ 組換え体の生物学的性状及びその試験検査の年月日

ホ 製品の試験検査の記録

へ 製造従事者への教育訓練の記録

ト 製造安全委員会の審議記録(製造作業マニュアルがこの別表の基準に適合していることを確認する根拠となった資料を含む。)

(4) 作業区域及び組換え体の保管設備の目につきやすい所に組換え体の取扱いに関する必要な事項を掲示すること。

(5) 製造従事者以外の者の作業区域への立入りを作業内容に応じて制限し、製造従事者以外の者が立ち入るときに、製造従事者の指示に従わせること。

(6) 製造安全委員会と十分連絡を取り合うとともに、必要な事項を製造安全委員会に報告すること。

(7) その他製品の衛生確保に必要な事項を実施すること。

3 製造衛生責任者

(1) 組換えDNA技術に関し、製造管理者を補佐する立場として、製造段階及び製品の衛生確保に必要な知識及び技術に高度に習熟した者であること。

(2) この別表の基準を熟知し、次の任務を果たすこと。

イ 製造がこの別表の基準等に従って適正に遂行されていることを確認すること。

ロ 製造管理者に対し助言及び報告を行うこと。

ハ その他製品の衛生確保に必要な事項を実施すること。

4 製造従事者

(1) 製造管理者の行う教育訓練をあらかじめ受けた者であること。

(2) 製造作業を行うに当たって製品の衛生確保の必要性を十分に自覚し、製造作業マニュアルに従って作業すること。

5 製造安全委員会

(1) 高度に専門的な知識及び技術並びに広い視野に立った判断が要求されることを十分に考慮し、適切な分野の者により構成されること。

(2) 製造業者の求めに応じて次の事項について調査審議を行い、製造業者に報告すること。

イ 製造作業マニュアルの製造基準に対する適合性

ロ 製造従事者に対する教育訓練の状況

ハ その他製品の衛生確保に関し必要な事項

(3) 必要に応じて製造管理者又は製造衛生責任者から報告を求めること。

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