(施設の周囲) |
1 |
施設の周囲は、1日1回以上清掃し、常に清潔を保ち、ねずみ、衛生害虫等の発生源が発見された場合は、直ちに、その撤去、埋去履土、焼却、殺虫剤の散布等必要な措置を講じること。 また、周囲の排水溝は、定期的に清掃、補修等を行い、排水に常に支障がないように保つこと。 |
(施設一般) |
2 |
施設設備は、特に定める場合を除き、1日1回以上清掃し、必要に応じて補修及び消毒を行い、清潔で衛生上支障のないように保つこと。 また、その記録を作成し、これを3年以上保存すること。 なお、清掃に当たっては、特に、次のことに留意して行うこと。
(1) | 床板、タイル等の床面には、著しい破損及び汚れがないこと。 |
(2) | カーペットその他の敷物には著しい変色、汚れ及びカビの発生がないこと。 |
(3) |
内壁面及び天井面には、著しい破損、変色及び汚れがないこと。 | |
3 |
温度計、湿度計、圧力計、流量計等の計器類は、定期的にその正確度を点検し、その記録を作成し、これを3年以上保存すること。 |
4 |
施設におけるねずみ、衛生害虫等の生息状況については、次の表により点検し、必要に応じて寝具、食品等が薬剤等により汚染を受けないようにして適当な防除措置を講じること また、その記録を作成し、これを3年以上保存すること。 点検の対象及び標準的回数
対象場所 |
対象動物 |
標準的点検回数 |
施設床下 |
ハエ、カ |
1ヵ月に1回以上(ただし、冬期を除く。) |
ねずみ |
6ヵ月に1回以上 |
配膳室、食品等の売場、食堂、宴会場又はホールその他飲食に使用する場所 |
ねずみ 、 ゴキブリ |
1ヵ月に1回以上 |
玄関、玄関帳場又はフロント、ロビー、客室、娯楽室 |
ねずみ、ゴキブリ |
6ヵ月に1回以上 |
客室、脱衣場 |
ダニ |
1年に1回以上が望ましいこと。 |
便所、洗面所、浴室、洗濯室 |
ねずみ、ゴキブリ、チョウバエ |
1ヵ月に1回以上 |
寝具等の保管室(食品を除く。)、機械室 |
ねずみ、ゴキブリ |
3ヵ月に1回以上 |
廃棄物集積場、廃棄物処理場 |
ハエ |
1ヵ月に1回以上 |
ねずみ、ゴキブリ |
1日に1回以上(ただし、冬期を除く。) |
し尿及び廃水処理施設 |
ねずみ、ゴキブリ |
1ヵ月に1回以上 |
ハエ、カ、チョウバエ |
1日に1回以上(ただ し冬期を除く。) |
その他事務室等の場所 |
ねずみ、ゴキブリ |
6ヵ月に1回以上 |
カーペットを敷いている場合 |
ダニ |
1年に1回以上が望ましいこと。 |
|
5 |
施設においては、排水施設の場合は、常に排水に支障が生じないように保ち、また、客室の床が木造の場合は、床下の通風を常に良好な状態に保つなど防湿に関する適当な措置を講じること。 |
(宿泊) |
6 | 客室に水差し、コップ等飲食用の器具を備える場合は、清潔で衛生的なものを置き、衛生的なものである旨を表示することが望ましいこと。 |
7 |
1客室に宿泊させる宿泊者の数は、次に定める床面積の割合により計算した数を超えないようにすること。
(1) | 洋室については、おおむね4.5平方メートル以上につき1人。 なお、6.5平方メートル以上につき1人とすることが望ましいこと。 |
(2) | 和室については、おおむね3.3平方メートル以上につき1人。 なお、5平方メートル以上につき1人とすることが望ましいこと。 |
(3) | 簡易宿所営業については、寝台のないところの場合は、2.5平方メートル以上(3.3平方メートル以上が望ましいこと。)につき1人、寝台を有する場合は、3.0平方メートル以上につき1人、階層式寝台を有する場合は、おおむね4.5平方メートル以上につき1人(寝台2層で1人とみなす。)とすること。 |
(4) | 下宿営業については、前記(1)及び(2)に準じること。 |
(5) | ホテル営業、旅館営業の施設については、団体宿泊者、家族旅行者等を宿泊させる場合において特別の事情があり、公衆衛生の保持に支障がないと認めるときは、1客室に宿泊させる宿泊者の数を前記(1)及び(2)に定める数を超えてその和室の場合2.5平方メートル以上につき1人、洋室の場合は3.0平方メートル以上につき1人の割合で計算した数まで増加することができるものであること。 | |
(浴室の管理) |
8 |
浴室は、次に掲げるところにより措置すること。
(1) | 浴室は、湯気抜きを常に適切に行い、入浴設備は、常に使用できるよう毎日保守点検すること。 |
(2) | 浴槽水は、常に満杯状態に保ち、かつ、十分にろ過した湯水又は原湯を供給することにより溢水させ、清浄に保つこと。 また、上り用湯及び上り用水は清浄で十分な量を供給すること。 |
(3) | 浴槽水は適温に保つこと。 |
(4) | 洗いおけ、腰掛等入浴者が直接接触する器具並びに浴室内は、湯垢を除くなど適切に清掃し、必要に応じて補修し、常に清潔で衛生的に保つこと。 |
(5) | 設備は、次表により清掃及び消毒し、清潔で衛生的に保つこと。 なお、消毒には材質等に応じ、適切な消毒剤を用いることとし、河川及び湖沼に排水する場合には、環境保全のための必要な処理を行うこと。 |
場所 | 清掃及び消毒 |
浴槽 |
毎日完全に換水して浴槽を清掃すること。ただし、これにより難い場合にあっても、1週間に1回以上完全に換水して浴槽を清掃 |
ろ過器及び循環配管 |
1週間に1回以上、ろ過器を十分に逆洗浄して汚れを排出するとともに、ろ過器及び循環配管について、適切な消毒方法で生物膜を除去(注)※1※2 |
集毛器 |
毎日清掃 |
貯湯槽 | 生物膜の状況を監視し、必要に応じて清掃及び消毒(注)※3 |
調整箱(洗い場の湯栓、シャワーへ湯を送る箱) |
適宜清掃及び消毒 |
浴室内の排水口 |
適宜清掃し、汚水を適切に排水する |
その他の設備 | 必要に応じて清掃及び消毒 |
(注) |
※1 |
消毒方法は、循環配管及び浴槽の材質、腐食状況、生物膜の状況等を考慮して適切な方法を選択すること。消毒方法の留意点は、「循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアル」等を参考にすること。 |
※2 |
上記措置に加えて、年に1回程度は循環配管内の生物膜の状況を点検し、必要があれば生物膜を除去することが望ましい。 |
※3 |
作業従事者はエアロゾルを吸引しないようにマスク等を着用すること。また、貯湯槽の底部は汚れが堆積しやすく低温になりやすいので、適宜貯湯槽の底部の滞留水を排水すること。 |
|
(6) | 水道法(昭和32年法律第177号)第3条第9項に規定する給水装置により供給される水(以下「水道水」という。)以外の水を使用した原水、原湯、上り用水及び上り用湯並びに浴槽水は、「公衆浴場における水質基準等に関する指針」に適合するよう水質を管理すること。 |
(7) | 浴槽水の消毒に当たっては、塩素系薬剤を使用し、浴槽水中の遊離残留塩素濃度を頻繁に測定して、通常0.2ないしは0.4mg/L程度を保ち、かつ、遊離残留塩素濃度は最大1.0mg/Lを超えないよう努めること。また、当該測定結果は検査の日から3年間保管すること。 ただし、原水若しくは原湯の性質その他の条件により塩素系薬剤が使用できない場合、原水若しくは原湯のpHが高く塩素系薬剤の効果が減弱する場合、又はオゾン殺菌等他の消毒方法を使用する場合であって、併せて適切な衛生措置を行う場合には、この限りではない。
(注) |
※1 | 温泉水等を使用し、塩素系薬剤を使用する場合には、温泉水等に含まれる成分と塩素系薬剤との相互作用の有無などについて、事前に十分な調査を行うこと。 |
※2 | 塩素系薬剤が使用できない場合とは、低pHの泉質のため有毒な塩素ガスを発生する場合、有機質を多く含む泉質のため消毒剤の投入が困難な場合、又は循環配管を使用しない浴槽で、浴槽の容量に比して原湯若しくは原水の流量が多く遊離残留塩素の維持が困難な場合などを指す。この場合、浴槽水を毎日完全に換水し、浴槽、ろ過器及び循環配管を十分清掃・消毒を行うこと等により、生物膜の生成を防止すること。 |
※3 | 高pHの泉質に塩素系薬剤だけを用いて消毒をする場合には、レジオネラ属菌の検査により殺菌効果を検証し、遊離残留塩素濃度を維持して接触時間を長くするか、必要に応じて遊離残留塩素濃度をやや高く設定すること(例えば0.5~1.0mg/Lなど)で十分な消毒に配慮をすること。 |
※4 | オゾン殺菌、紫外線殺菌、銀イオン殺菌、光触媒などの消毒方法を採用する 場合には、塩素消毒を併用する等適切な衛生措置を行うこと。オゾン殺菌等他 の消毒方法を用いる場合にはまた、レジオネラ属菌の検査を行い、あらかじめ 検証しておくこと。 |
※5 | オゾン殺菌による場合は、高濃度のオゾンが人体に有害であるため、活性炭 などによる廃オゾンの処理を行い、浴槽水中にオゾンを含んだ気泡が存在しな いようにすること。 |
※6 | 紫外線殺菌による場合は、透過率、浴槽水の温度、照射比等を考慮して、十 分な照射量であること。また、紫外線はランプのガラス管が汚れると効力が落 ちるため、常時ガラス面の清浄を保つよう管理すること。 | | (8) | 循環式浴槽の浴槽水を塩素系薬剤によって消毒する場合は、当該薬剤はろ過器の直前に投入すること。 |
(9) | 消毒装置の維持管理を適切に行うこと。
(注) | ※1 | 薬液タンクの薬剤の量を確認し、補給を怠らないようにすること。 |
※2 | 注入弁のノズルが詰まっていたり、空気をかんだりして送液が停止していないか等、送液ポンプが正常に作動し薬液の注入が行われていることを毎日確認すること。 |
※3 | 注入弁は定期的に清掃を行い、目詰まりを起こさないようにすること。 | |
(10) | 回収槽の水を浴用に供しないこと。ただし、これにより難い場合にあっては、回収槽の壁面の清掃及び消毒を頻繁に行うとともに、レジオネラ属菌が繁殖しないように、別途、回収槽の水を塩素系薬剤等で消毒すること。 |
(11) | 浴槽に気泡発生装置等を設置している場合は、連日使用している浴槽水を使用しないこと。 |
(12) | 打たせ湯及びシャワーには、循環している浴槽水を使用しないこと。 |
(13) | その他、「循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアル」等を参考にして、適切に管理すること。 |
(14) | 上り用湯及び上り用水等の飲用適・不適の旨の表示等の掲示物については、常によく見えるよう適切に措置すること。 |
(15) | 共同浴室にあっては、おおむね10歳以上の男女を混浴させないこと。 また、共同浴室等においては、使用済みのカミソリを放置させないこと。 |
(16) | サウナ室又はサウナ設備にあっては、室内の温度及び湿度について定められた数値の範囲を適切に保つため定期的に測定し、その記録を作成し、これを3年以上保存すること。 |
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(入浴用給湯・給水設備) |
9 | 入浴用給湯・給水設備は、次に掲げるところにより措置すること。
(1) |
入浴用給湯・給水設備は、1年に1回以上保守点検し、必要に応じて被覆その他の補修等を行うこと。 また、小規模受水槽については、簡易専用水道に準じて管理状況について保健所等の検査を受けることが望ましいこと。 |
(2) | 貯湯槽の温度を、通常の使用状態において湯の補給口、底部等に至るまで60℃以上に保ち、かつ、最大使用時においても55℃以上に保つようにすること。ただし、これにより難い場合には、レジオネラ属菌が繁殖しないように貯湯槽内の湯水の消毒を行うこと。 | |
(露天風呂の管理) |
10 | 露天風呂を設ける場合は、次に掲げるところにより措置すること。
(1) | 浴槽に付帯する通路等は毎日清掃し、1月に1回以上消毒及びねずみ、衛生害虫等の点検を行うとともに、必要に応じて防除措置を講じ、清潔で衛生的に保つこと。 |
(2) | 浴槽及び浴槽に付帯する通路等は十分に照度があること。 |
(3) | その他、8(浴室の管理)の(2)、(4)~(13)に準じて適切に管理すること。 |
|
(脱衣場の管理) |
11 | 脱衣場の衣類かご(箱)、足ふき、体重計等人が直接接触する器具は、清掃を適切に行うとともに、定期的に消毒し、清潔で衛生的に保つこと。 また、カーペットその他これに類する敷き物は、洗濯を適切に行う等衛生上支障がないように措置されているものを除いて敷かないことが望ましいこと。 |
(洗面所の管理) |
12 | 洗面所は、洗面用として飲用に適する湯又は水を十分に供給し、適切に清掃し、常に清潔に保つこと。 また、洗面設備には、石ケンを常に使用できるよう備えること。タオル、くし、ヘアブラシを備える場合は、客1人毎に消毒するなど衛生的なものを置き、くし及びヘアブラシの置き場所は、消毒済のものと使用後のものに区分し、その旨を周辺の適切なところに表示することが望ましいこと。カミソリを備える場合は、新しいものとすること。 |
(便所の管理) |
13 | 便所は、臭気の防除に努め、便器の汚れを十分に除去するなど1日1回以上清掃し、必要に応じて消毒し、常に清潔で衛生的に保つこと。 また、座便式の便器において人に直接接触する便座の部分は、1日1回以上消毒し、客室に付設されたものについては、消毒後、その旨を表示することが望ましいこと。 |
14 | 手洗い設備は、消毒液又は石ケンを備えるなど手洗いに常に支障が生じないように措置すること。 |
(寝具の保管室の管理) |
15 | 寝具を収納する押し入れその他保管室にあっては、適切に清掃し、常に清潔に保つこと。 |
(配膳室、食堂等の管理) |
16 | 配膳室、食堂、宴会場又はホールその他飲食に使用する場所にあっては、常に悪臭等の汚染空気を施設の外に適切に排出すること。 |
17 | 配膳室、配膳用のリフト及びコンテナにあっては、食品残さいが飛散して残存しないよう1日1回以上適切に清掃し、必要に応じて消毒を行い、常に清潔で衛生的に保つこと。 また、冷凍庫及び冷蔵庫にあっては、必要に応じて適切に消毒し、衛生上支障がないように保つこと。 |
(洗濯室の管理) |
18 | 洗濯室にあっては、「クリーニング所における衛生管理要領」(昭和57年3月31日環指 第48号)に準じて適切に措置すること。 |
(プールの管理) |
19 | プールは、「遊泳用プールの衛生基準について」(平成13年7月24日健発第774号)に基づき適切に措置すること。 |
(飲用水供給設備の管理) |
20 | 水道法の適用を受けない飲用水及び水道事業の用に供する水道から供給を受ける水のみを水源とする受水槽(以下、「小規模受水槽」)から供給を受ける飲用水について、次の表による水質検査を「水質基準に関する省令(平成4年厚生省令第69号)」の基準に従い行い、その結果を検査の日から3年間保管するとともに、基準を超える汚染が判明した場合は、保健所に通報し、その指示に従うこと。また、これら飲用水の消毒は、遊離残留塩素が0.1mg/L以上になるように管理すること。 ただし、「温泉法」(昭和23年法律第125号)第12条に基づき、都道府県知事が飲用の許可を与えている温泉については、適用しない。
(水道法の適用を受けない飲用水)
検査対象 |
検査回数 |
色、濁り、臭い、味 |
1日に1回以上 |
水質基準に関する省令(平成4年厚生省令第69号)の表の上欄に掲げる事項のうち、一般細菌、大腸菌群、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素、塩素イオン、有機物等(過マンガン酸カリウム消費量)、pH値、味、臭気、色度及び濁度並びにトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン等に代表される有機溶剤のうち周辺の水質検査結果等から判断して必要となる事項 | 1年に1回以上 |
(注) | 飲用水に異常を認めたときは、臨時に水道法第4条に係る検査項目のうち、必要な検査を行うこと。 |
(小規模受水槽) 検査対象 | 検査回数 |
色、濁り、臭い、味 | 1日に1回以上 |
(注) | 飲用水に異常を認めたときは、臨時に水道法第4条に係る検査項目のうち、必要な検査を行うこと。 |
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