食品汚染物質対策

妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項
魚介類の有益性と水銀
魚介類(鯨類を含む。)は、良質なたんぱく質やEPA、DHA等の高度不飽和脂肪酸をその他の食品に比べて一般に多く含む等、健康的な食生活にとって不可欠で優れた栄養特性を有している。反面、自然界の食物連鎖を通じて、特定の地域等にかかわりなく、微量の水銀を含有しているが、その含有量は一般に低いので健康に害を及ぼすものではない。しかし、一部の魚介類では、食物連鎖を通じて、他の魚介類と比較して水銀濃度が高いものも見受けられる。
「妊婦への魚介類摂食と水銀に関する注意事項」やQ&Aを公表
妊婦が注意すべき魚介類の種類と摂取量の目安やバランスのよい食生活を通じた魚食のメリットとの両立の重要性等を示した注意事項Q&Aを公表する(平成17年11月)とともに、パンフレットを作成(平成18年5月)。(水銀に関する国際評価機関における再評価結果、内閣府食品安全委員会における健康影響評価結果を踏まえ平成15年6月に公表した注意事項を見直したもの。

米等に含まれるカドミウムに係る規格基準改正の検討
米等に含まれるカドミウムとその有害性
カドミウムは鉱物中や土壌中など天然に存在する重金属。お米等の作物に含まれるカドミウムは栽培している間に土壌に含まれているカドミウムが吸収され蓄積したもの。食品中カドミウムの一部が体内に吸収・蓄積することから、カドミウム含量の高い食品を長年にわたり摂取すると、腎機能障害を引き起こす可能性がある。
カドミウムの規格基準の改正
我が国の基準は玄米についてカドミウム含有量1.0ppm未満(精白米については0.9ppm未満)
国際的にはコーデックス委員会において精米0.4ppmの基準値等を決定
食品安全委員会の食品健康影響評価結果を受けて、食品中のカドミウム基準について議論を行う予定

食品中ダイオキシン類に関する調査
ダイオキシン類及び耐容一日摂取量
ダイオキシン類とは、主に廃棄物の焼却等で発生する化学物質で、強い毒性を示す難分解物質であるとともに、環境中の生物や人体の脂肪組織に蓄積することが知られている。ダイオキシン類対策特別措置法で、ダイオキシン類の耐容一日摂取量は4pgTEQ/kgbw/dayとされている。
食品中のダイオキシン類調査
人体への食品中のダイオキシン類による健康影響は、食品全体から摂取するダイオキシン類の総量(一日平均摂取量)を把握し、耐容一日摂取量と比較することで評価している。平成16年度の調査で一日摂取量は約1.41±0.66pgTEQ/kgbw/day(0.48〜2.93pgTEQ/kgbw/day)と推計され、この摂取量は耐容一日摂取量より低く、バランスのとれた食生活が重要であると示唆された。

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