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医療安全対策ネットワーク整備事業(ヒヤリ・ハット事例収集等事業)・第3回集計結果の概要について



医療安全対策ネットワーク整備事業
(ヒヤリ・ハット事例収集等事業)・第3回集計結果の概要について

1.報告対象期間

1) 「全般コード化情報」として報告する情報は、平成14年2月1日から平成14年3月31日までの2カ月間に発生したヒヤリ・ハット事例に基づくものとした。
2) 「重要事例情報」「医薬品・医療用具・諸物品等情報」として報告する情報は、当該ヒヤリ・ハット事例が発生した時期にかかわらず報告可能とした。

2.報告期間

 平成14年3月26日より平成14年5月28日まで

3.参加登録施設及び報告施設数(5月27日現在)

参加登録施設 : 269施設
報告施設数 : 99施設

4.情報別報告数

 情報別の報告数は以下のとおりであった。

  報告数
全般コード化情報 4820事例
重要事例情報 831事例
医薬品・医療用具・諸物品等情報 189事例

5.集計・分析結果の概要

1)全般コード化情報

(1)  2月、3月とも2,000件以上のヒヤリ・ハット事例が報告され、また、1施設あたり・1ヶ月あたりの事例報告数は増加している。(前回=5928事例/3ヶ月/113施設=17.5 → 今回=4820事例/2ヶ月/99施設=24.3)
 これは報告システムの定着が図られ、報告の意識が強化された結果と思われ る。
(2)  各職種とも確認不足による事例が多かった。医師では連携の悪さが原因とするものが多く、看護師及び薬剤師では勤務状況や心理的条件によるものが多かった。
(3)  事例の要因を「確認不十分」としている事例が6割以上もある一方で、「システム」の要因としている事例は5%程度と少なく、未だ根本的な要因の分析にまで至っていない事例が多いことを示唆する結果であった。
(4)  なお、単純集計結果、クロス集計結果ともに前回結果と同様な頻度分布を示しており、ヒヤリ・ハット事例の発生傾向に顕著な変化は無いと思われる。

2)医薬品・医療用具・諸物品等情報

(1)  今回、報告のあったヒヤリ・ハット事例のうち、医薬品、医療用具、諸物品等情報は189件(うち4例は重複)であった。
 分析対象事例185例のうち、医薬品関連情報が148件、医療用具関連情報が32件及び諸物品等関連情報が5件であり、前回(平成13年11月19日〜平成14年3月26日報告分)と比べて、全分析事例数を含めて、ほぼ同様の傾向を示した。
(2)  医薬品関連情報の要因としては、「薬剤名が似ていた」が最も多く、要因が記載されていた148件のうち20.9%を占め、「複数の規格が存在した」及び「管理が悪かった」がそれぞれ12.8%及び10.8%でそれに続き、前回と同様の傾向であった。
(3)  医療用具関連情報の要因としては、前回同様、「管理が不十分だった」が最も多く、全32件のうち18.8%を占めたが、その比率は前回の30.6%よりも減少した。
(4)  諸物品等関連情報の要因としては、全て「無記入」であり、前回、諸物品等関連情報全体の42.9%を占め最も多かった「管理が不十分だった」は、今回報告がなかった。
(5)  報告のあった事例のなかには、販売名、業者名の記載されていない事例があり、また、事例の内容からみて、ヒヤリ・ハット事例の要因等の記載が明らかに不適切な報告もあった。
 今後は、要因分析、事例の評価又は対策案等について、作業部会の下に設置した医薬品・医療用具・諸物品等情報検討班において検討したうえで、医療関係者及び患者・国民等にとって分かり易く、かつ有効利用に資する情報として加工・提供し、広く周知を図る予定。

3)重要事例情報

(1)  報告件数は前回からさらに増加し、2ヶ月間の報告期間で収集された件数は831件で、うち614件が有効な報告であった。
(2)  改善策として有効な対策が検討されている事例が前回以上に多く見られた。
(3)  報告数が比較的多かった事例として、手技・処置区分別に見ると以下のような事例が挙げられる。チューブ・カテーテル類、転倒・転落、与薬に関する事例が依然として多く、全事例のほぼ半数を占めている。また、手技・処置区分に横断的に、手書きの指示の誤読、伝達不十分、記載の誤りといった「医療従事者間の連絡・伝達ミス」に関する事例が依然として多い(56件9.1%)。

チューブ・カテーテル類に関する事例 93件(15.1%)
転倒・転落に関する事例 89件(14.5%)
与薬(点滴・注射)に関する事例 67件(10.9%)
与薬(内服・外用)に関する事例 51件( 8.3%)
調剤に関する事例 30件( 4.9%)
処方に関する事例 27件( 4.4%)

(4)  インシデント発生要因については、「忙しかったため」「疲れていたため」と指摘する事例が依然として見受けられたが、この改善策として「確認の徹底、集中力の持続、教育」だけでなく「声を出して作業、他者への声掛け・申し送り、メモを取る」など業務遂行上の工夫をあげる事例もあった。
(5)  これらについては、いずれも多くの医療機関で共通の問題であり、有効な改善策を公開・共有することで同様の事故を防止することに貢献できると考えられる。


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