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都道府県労働局における法令遵守の徹底に係る取組の実施状況等の評価について(平成22年度)

 厚生労働省大臣官房地方課は、平成22年度に係る都道府県労働局における法令遵守の徹底に係る取組の実施状況等について、次のとおり評価を行ったところです。
 また、当該評価結果については、外部の有識者が参画する地方支分部局法令遵守委員会の意見を頂き、その結果とともに、平成23年6月6日付けで都道府県労働局長あて通知したところです。

厚生労働省大臣官房地方課

 平成23年1月6日付け地方課長通達「平成22年度における内部点検の実施方法について」の記の2に基づき、各労働局における法令遵守の徹底に係る取組の実施状況等について、下記のとおり総括的に評価する。

1 法令遵守の徹底について(定期的な内部点検を踏まえた評価)

 定期的な内部点検として、平成22年度「法令遵守チェックリスト」(以下「チェックリスト」という。)を用いて、各労働局の実施状況について点検と検証が実施され、各労働局長より報告されたところである。
 その報告をみると、都道府県労働局法令遵守要綱(平成20年12月19日制定)に基づき、法令遵守の徹底について各労働局とも総じてその取組が適正に実施されているものと評価される。
 しかしながら、項目ごとに詳細にみると、以下のように、一部の労働局において問題のある点が認められた。

○ 適正な会計経理事務等の徹底

・ 会計組織における適正な管理体制の確立
  本省で作成した会計事務取扱マニュアルについて有効に活用されておらず、管理者の理解も不十分の局が散見された。
・ 公共調達の適正化
  一般競争入札等への移行を予定していた契約について、一部の契約が競争性のある契約方法による調達が実施されていない。また、競争性のある契約方法に移行できないものについて、移行困難な事由等をホームページに公表していない。
・ 物品の購入等に係る会計事務手続等の適正化
  物品管理簿等への記載が不十分で適正な物品管理が行われていない。
・ 勤務時間管理及び超過勤務手当の支給の適正化
  超過勤務が特に多い職員や業務量の偏りの状況を分析し、業務処理体制等に必要な措置を講じていない。

○ 職員管理の徹底

・ 職員団体との交渉が行われた場合、その交渉内容の議事概要をホームページで公開していない。

○ 法令遵守に係るチェック体制の強化

・ 内部監査の徹底
  内部監査の実施状況をホームページに公表していない。
・ 都道府県労働局法令遵守委員会の効果的な運営
  都道府県労働局における法令遵守委員会の開催回数が年2回以上開催されていない。

○ 内部通報制度の活用
   本省地方課への内部通報制度について、非常勤職員を含む新規採用職員の採用時の周知が図られていない。

2 会計経理の適正化の状況について(会計事務監査指導に基づく評価)

 平成22年度一般会計監査指導は、33労働局において実施されたところ、是正等を要するものとして指摘された件数は平成21年度に比し減少しているものの、以下のような事務処理を行っている労働局が存在することから、引き続き、適正な会計経理事務について徹底が必要である。

  • ○ 出納官吏等の任命に当たって、所掌事務の範囲を明らかにした書面を交付していない。
  • ○ 予算執行機関の補助者について、設置基準に規定がされていない又は任命していない。また、任命されていない若しくは設置基準に定めていない者が事務を行っている。さらに、設置基準と命免簿等に記載されている事務の範囲が相違している。
  • ○ 出勤簿、旅行命令簿、超過勤務命令簿等の突合の結果、不整合等が生じている。
  • ○ 支出手続等において、検査調書が作成されていない。
  • ○ 随意契約に係る事務処理において、見積合わせを実施していない。
  • ○ 物品管理に関して、物品管理簿等に記載されている台数と現有台数が一致していない。また、物品管理簿の記載が適切に行われていない。

3 中央監察結果の概要に基づく評価について 

 平成22年度都道府県労働局の管理事務及び企画調整事務に係る中央監察は、26労働局において実施されたところ、綱紀の保持、健全な労働環境の整備等、非常勤職員の適正な採用及び配置、また、法令遵守の取組など各労働局における管理事務は、各労働局とも総じて適正に行われていると評価される。
 しかしながら、一部の労働局において、以下のように、事務処理に問題が認められた。

  • ○ 超過勤務縮減対策について、各職員の超過勤務の状況を各部署から局総務課に報告させるのみで、その内容を組織的に分析し、その縮減のための具体的な方策等を検討していない。
  • ○ 法令遵守委員会は、少なくとも年に2回以上開催するものとされているが、過去2年間は第4四半期に一度開催しているのみであった。また、法令遵守委員会の2回目の委員会は、委員の委嘱依頼の確認に止まるなど実質的な内容が無いものとなっている。
  • ○ 会計指導について、[1]書類の不整合等重要事項を口頭による指示に止めているもの、[2]文書指示まで特段の理由なく4ヶ月の期間を要したものがあった。
  • ○ 局総務課に対する内部監査については、局との継続的な取引関係にある業者の協力を得て、その関係帳簿等の確認を行うことによる実行性のある監査を行う必要があるが、これが実施されていない。
  • ○ 年2回開催されるとされている内部監査が、過去2年間において年1回ずつしか実施されていない。

4 本省における評価について

 上記1から3を踏まえ、本省においては、各労働局における法令遵守の徹底に係る取組の実施状況等について、次のように総括的に評価するとともに、改善措置を講ずるよう指示することとする。

  1. (1)総括的な評価について
    各労働局において、不正経理が行われている事実は確認されていないなど、法令遵守の徹底に係る取組は、各労働局とも総じて適正に実施されていると総括的に評価できるが、会計経理事務手続に一部不適正な事務処理を行う労働局が存在していることから、引き続き、法令遵守の徹底に向けた取組が必要である。 なお、問題点がみられる労働局においては、次の改善措置を始め、所要の対策を講ずることとする。
  2. (2)具体的な改善措置について
    • [1] 本省で作成した会計事務取扱マニュアルについて、管理者及び会計経理事務担当者に研修の場を活用するなど周知徹底を図り、基本的な内容を十分に理解させること。【会計組織における適正な管理体制の確立】
    • [2] 随意契約見直し計画において、随意契約とせざるを得ない案件以外は、全て競争性のある契約方法により調達すること、競争性のある契約方法に移行できないものについては、移行困難な事由、移行予定年限をホームページで公表すること、公共調達審査会及び公共調達監視委員会の審議結果等をホームページに公表すること、電子入札システムによる入札を実施すること。【公共調達の適正化】
    • [3] 物品管理官等に対して、物品管理簿への正確な記載を徹底するよう指導すること。【物品の購入等に係る会計事務手続等の適正化】
    • [4] 勤務時間管理員に対して、出勤簿はその都度押印し、超過勤務命令簿への記載はその都度行うよう指導すること、適正な勤務時間管理及び業務調整等による業務処理体制の確保等について、超過勤務に係る問題点の把握・分析の上、必要な措置を講ずること、また、超過勤務手当に係る年間予算の執行計画を作成すること。【勤務時間管理及び超過勤務手当の支給の適正化】
    • [5] 内部監査の実施においては、労働局と継続的な取引関係にある業者の関係帳簿等の確認を行うなど、効果的で実効性のある内部監査を実施すること、また、内部監査の結果等は、局長をはじめ管理者に速やかに報告するとともに、各部署に対する改善指示を監査実施後速やかに通知すること。なお、法令遵守委員会の開催においては効果的な開催回数の確保を図ること。【法令遵守に係るチェック体制の強化】
    • [6] 平成20年4月1日付け事務連絡「厚生労働省における内部の職員等からの法令違反行為に関する通報制度の周知について」に基づき、新規採用者や非常勤職員を含む全ての職員へ周知の徹底を図ること。【内部通報制度の活用等】
    • [7] 会計事務監査指導や中央監察において、是正等を要するものとして指摘された事案は、その後の会計事務監査指導等で同様の指摘を受けることのないよう徹底を図ること。

 以上の改善措置の取組状況を確認するため、問題が特に認められた局について、地方支分部局法令遵守室員が今年度内に実地にて検分することとする。

地方支分部局法令遵守委員会における委員の指摘(平成22年度)

 平成22年度に係る各労働局における法令遵守の徹底に係る取組の実施状況等については、本省地方課において、総括的に評価を行ったところである。
 当該評価結果については、平成23年5月24日に外部の有識者が参画する「第16回地方支分部局法令遵守委員会」を開催し、委員会委員より、「法令遵守の徹底について総じてその取組が適正に実施されている」という評価をいただいたものの、下記のような幾つかの改善点や今後の取り組みへのアドバイスをいただいたところである。

  • ○ 会計事務マニュアルを有効に活用すること
  • ○ 人事異動等により、法令遵守の取組を継続的に適正に実施することに難しい面はあるが、繰り返し、繰り返しの取組により注意喚起を行うこと
  • ○ 内部点検において、多くの指摘事項がある局が存在するが、本省において、実地に検分を行い、改善状況をフォローアップすることが重要であること

(厚生労働省大臣官房地方課 03-5253-1111(内線7253))

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