厚生労働省

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平成20年9月26日(金)

厚生労働省医薬食品局審査管理課

化学物質安全対策室

山本(内線2421)、田中(内線2423)


化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に基づく

第3条第1項第4号の確認(中間物の製造確認)の取消処分について

※ 環境省及び経済産業省と同時発表

明成化学工業株式会社は、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(以下「化審法」という。)第3条第1項第4号の規定に基づく確認(中間物の製造確認)を受ける前に確認対象となるべき新規化学物質2物質を製造し、その後中間物の確認を受けていたことが判明しました。

このため、環境省、厚生労働省及び経済産業省は、本日付けで化審法第3条第3項の規定に基づき当該確認を取り消すとともに、同社に対し法令遵守の徹底及び再発防止に向けた対応について指導を行いました。

1.事実関係

明成化学工業株式会社は、医薬品の中間体として製造される新規化学物質3−(4−メチルフェニル)プロペン酸に関し、化審法第3条第1項第4号の規定に基づく確認(以下「中間物の製造確認」という。)を受けていました。しかしながら、当該確認の申出は適切に行われておらず、当該確認を受ける前である平成16年11月11日から27日にかけて同物質を製造していたことが判明しました。また、同じく中間物の製造確認を受けていた新規化学物質であるメチル=2−ヒドロキシ−2,2−ジフェニルアセテートについても、当該確認の申出を適切に行わず、当該確認を受ける前である平成17年1月18日から8月8日にかけて製造していたことが判明しました。

この事実は、厚生労働省、経済産業省及び環境省(以下「3省」という。)が明成化学工業株式会社に対し、平成17年度及び平成18年度の中間物に係る製造状況を平成20年4月18日に立入検査した際に同社の申出により発覚したものです。

なお、上記2物質の一連の製造については、全量が他の物質(医薬品等)に変化する用途(中間物)であるため、環境中への放出可能性が極めて低く、環境を経由した人及び動植物への影響が生ずるおそれは無いものと考えられます。

2.本件に係る3省の対応

明成化学工業株式会社は、これらの新規化学物質2物質を中間物の製造確認を受ける前に製造し、その後当該確認を受けており、これは、化審法第3条第3項第1号(不正の手段により確認を受けた場合の確認の取消事由)に該当します。このため、3省は、明成化学工業株式会社に対し、平成20年9月11日、行政手続法に基づく聴聞を行い、その結果を踏まえて本日付けで、化審法第3条第3項の規定に基づき当該2物質に係る中間物の製造確認を取り消しました。さらに、3省は明成化学工業株式会社に対し、法令遵守の徹底及び再発防止のための化学物質管理体制の整備等を行うよう指導しました。

 

(参考)今回の違反事案に係る化審法関係規定の概要

○ 新規化学物質に係る製造等の届出

・ 新規化学物質を製造又は輸入しようとする者は、事前に国に届け出なければならない。ただし、試薬としての製造・輸入や、環境汚染の可能性が低いことについて一定の条件を満たす場合(中間物等)などいくつか例外(届出不要)あり。【第3条第1項】

・ 届出があった場合、国において当該化学物質に係る審査を行う。

○ 中間物等の製造確認

・ 新規化学物質が、全量が他の化学物質に変化する化学物質(中間物)等であり、その予定されている取扱いの方法等からみてその新規化学物質による環境の汚染を生じるおそれがないものである旨の確認を3大臣から受けた場合、第3条第1項の届出を行うことなく製造・輸入が可能。【第3条第1項第4号】

・ 3大臣は、中間物の製造確認を受けた者が、不正の手段によりその確認を受けた場合には、当該確認を取り消さなければならない。【第3条第3項第1号】


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