照会先厚生労働省 保険局 国民健康保険課課長補佐 土佐 和男 TEL 5253-1111(代) 内線3262 TEL 3595-2575[夜間直通] |
平成18年度 国民健康保険(市町村)の財政状況について
= 速報 =
1 一般被保険者分、退職被保険者等分及び介護保険分を合わせた収支状況については、収入合計は12兆972億円、支出合計は11兆9,601億円であり、収支差引額は1,371億円となっている。
収入支出から基金繰入(取崩)金、(前年度からの)繰越金、基金積立金及び前年度繰上充用(欠損補填)金等を除いた精算後単年度収支差引額(国庫支出金精算額等を考慮した単年度収支差引額)は、823億円の赤字となっている。
さらに、一般会計繰入金(法定外)のうち赤字補填を目的とするものを収入から除くと3,236億円の赤字となる。
なお、基金積立金等(平成18年度末の基金保有額と次年度への繰越金から当該年度の赤字額等を除いたもの)は、3,978億円となっている。
2 一般被保険者分の収支状況については、収入合計は8兆3,075億円、支出合計は8兆1,676億円であり、収支差引額は1,399億円となっている。
精算後単年度収支差引額は、204億円の赤字となっている。
また、赤字補填を目的とする一般会計繰入金(法定外)を収入から除くと2,617億円の赤字となる。
3 保険料(税)収入については、対前年度2.9%(1,048億円)増加している。これは、1人当たり保険料(税)調定額の増加と保険料(税)の収納率が上昇したことによるものと考えられる。
また、国庫支出金は対前年度5.3%(1,875億円)減少し、替わって都道府県支出金が19.0%(1,362億円)増加している。これは、平成17年度の三位一体の改革により国庫支出金の一部が都道府県に移譲されており、18年度は定率国庫負担金の保険給付費等に対する割合が36%から34%に2%引き下げられ、替わって都道府県調整交付金の保険給付費等に対する割合が5%から7%に2%引き上げられたことや、老人保健拠出金が減ったことによるものと考えられる。
一方、支出については、保険給付費が対前年度4.5%(3,339億円)増加しているが、老人保健拠出金については対前年度6.3%(1,506億円)減と引き続き減少している。
4 単年度収支差引額でみた場合の赤字保険者数は、全体の52.1%(948保険者)で、対前年度11.6%減少となっており、赤字額も363億円減少し、赤字保険者全体で831億円となっている。
なお、18年度の保険者数は1,818保険者となり、市町村合併に伴い前年度より17減少となった。
5 保険料(税)の収納状況は、収納率が全国平均で90.39%と2年連続して上昇し、対前年度比では0.24%増と昭和47年度以来34年振りの大きな上昇となった。保険者規模別では、町村部が平成2年度以降下がり続けていたが17年振りに上昇に転じ、昭和63年度から保険者規模別の統計を取り始めて以来、初めてすべての規模の区分で上昇することとなった。
このように全国平均が大きく上昇した背景には、政令指定都市と特別区の収納率の向上が大きく影響している。これらの大都市の保険料(税)調定額は全国の4分の1の規模を占めており、上昇率0.66%増は全国平均の上昇率0.24%増の3分の2に寄与したことになり、全国的に収納率が上昇する中、さらに全国平均を引き上げることとなった。
6 収納率の上昇要因は、平成17年2月の「収納対策緊急プラン」策定の収納努力の喚起を契機に、収納率向上に向けて取り組んだことが大きいと考えられる。
具体的取組みとしては、収納職員の増員や応援体制の実施、徴収嘱託員の採用や増員等徴収体制の強化、滞納処分の積極的な実施等がある。
また、都道府県による支援としては、徴収専門員の派遣や市町村職員に対する収納事務研修の実施等が行われており、都道府県の積極的な支援も大きいと考える。
なお、大都市の中には、被保険者間の一層の公平化を図るために保険料算定方式を住民税方式から旧ただし書方式へ移行したために収納率が大きく上昇した保険者もあった。
7 被保険者数は、4,738万人と対前年度比0.7%、31万人減少となっており、平成5年度以来、13年振りの減少となった。これは、退職被保険者等が大幅に増加しているにも拘わらず、景気回復等により若人の減少幅が大きかったことによるものと考えられる。
8 平成20年4月からは医療制度改革関連法が施行されることとなるため、今後、収入については、保険料収納率が高い後期高齢者が国民健康保険から移行することを踏まえた収納対策の実施、支出については、特定健診・保健指導の積極的な実施など、保険者としての一層の努力が求められる。
(1) 国民健康保険の収支状況(市町村) =速報値=
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(2) 単年度収支差引額黒字・赤字保険者の状況(市町村)
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(3) 保険料(税)収納状況〔保険者規模別保険料(税)収納率〕(市町村)
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(4) 保険料(税)収納率の増減別保険者数(市町村)
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(5) 収納率別の保険者数(市町村)
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(参考1)
保険者数、世帯数及び被保険者数の推移(市町村)
保険料(税)収納額及び1人当たり調定額の推移(一般被保険者分)
課税標準額の推移(一般被保険者分)
1人当たり医療費の伸び率の推移(対前年度比)
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(参考2)
保険料(税)収納率(現年度分)の推移(市町村国保)
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(参考3)
保険料(税)収納率(市町村国保)
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(参考4)
政令指定都市及び特別区(東京23区)の保険料(税)収納率(市町村国保)
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(参考5)
滞納世帯数等の推移(速報値)
(出所) 厚生労働省保険局国民健康保険課調べ |
(参考6)
都道府県別滞納世帯数等(平成19年6月1日現在)
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