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令和4年歯科疾患実態調査

調査の概要

調査の目的

 この調査は、わが国の歯科保健状況を把握し、8020 運動(歯科保健推進事業等)の種々の対策の効果についての検討等、今後の歯科保健医療対策を推進するための次期の目標設定に必要な基礎資料を得ることを目的とする。

調査の対象

 国民生活基礎調査の調査区に設定された単位区から、300 単位区を無作為に抽出し、当該単位区内の満1 歳以上の世帯員を報告者とする。(300 単位区内の満1歳以上の世帯員総数は約15,000 人)。
なお、国民生活基礎調査の報告が得られなかった世帯員については、報告を求めない。

調査の時期

 令和4年の11 月又は12 月中の各保健所が定める任意の1日

主な調査事項

  1. 1.歯や口の状態
  2. 2.歯をみがく頻度
  3. 3.歯や口の清掃状況
  4. 4.過去1年間における歯科検診受診の有無
  5. 5.過去1年間におけるフッ化物応用の有無
  6. 6.矯正治療の経験の有無
  7. 7.歯・補綴の状況
  8. 8.歯肉の状況

調査の実施及び診査基準

調査の実施

調査票記入要領の定めるところにより、次の事項を調査票に記入した。

  1. 1.被調査者本人が記入する事項
  2. 2.調査員が被調査者に質問して記入する事項
  3. 3.調査員が被調査者の口腔内診査を実施して、その結果を記入する事項

調査の実施にあたっては次の点に留意した。

  • 1.診査に用いる器具等は清潔に取り扱い、特に繰り返し使用する器具は消毒を行う。
  • 2.診査にあたっては、一時的な混雑で性急に診査がされることのないよう注意する。
  • 3.幼児期・学齢期においては、永久歯と乳歯を同時に診査するため、注意深く診査する。
  • 4.歯に付着物が存在し診査が困難と考えられる時は、歯の清掃をするなどしたうえで診査する。また、義歯装着者については、義歯を外してから残根の有無を確認するなど、十分に注意して診査する。
  • 5.インプラントは、視診のみで判別が困難な場合があるので、問診を併せて行うなど、十分に注意して診査する。
  • 6.30 歳以上では、根面う蝕がないか、十分に注意して診査する。
  • 7.密閉空間、密集場所、密集場面という3つの「密」が同時に重なるような場所を生じさせない。
  • 8.マスク着用を含む咳エチケットや手洗い、アルコール消毒等の感染症対策を十分に講じる。
  • 9.時間毎に人数を区切って実施することや導線の工夫により人の接触を最小限にする。
  • 10.報告者に対して、発熱や咳などの症状がないことを確認する。

なお、調査年次による調査項目の差異については、表1 [16KB]  調査項目の推移 に示した。

診査基準

診査は、次に掲げる基準に従った。

  • 1.現在歯
    1. (1)現在歯は、ア. 健全歯、イ. 未処置歯、ウ. 処置歯の3種に分類する。現在歯とは、歯の全部または一部が口腔に現れているものをいう。
    2. (2) 過剰歯は含めないこととし、癒合歯は1歯として取り扱い、その場合の歯種名は上位歯種名をもってこれにあてる。(例:乳中切歯と乳側切歯の癒合歯は、乳中切歯とする。)
    3. (3)現在歯の診査は、視診を原則とするが、充分な照明が得られない等の診査環境の場合には、レジン充等の確認などに際し、必要があれば歯科用探針(※)を用いること。
      (※)歯科用探針は、口腔内診査の際の補助的器具として使用し、探針の刃先は鋭利なものでなく、また探針は歯面に対して水平的に動かし、垂直的な圧力を加えて歯面を傷つけることがないように、注意を払って口腔内診査を行うこととする。
    1.    ア 健全歯
      • ・ 健全歯とは、う蝕あるいは歯科的処置の認められないもの(以下に記す未処置歯及び処置歯の項に該当しないもの)をいう。
      • ・ 咬耗、摩耗、斑状歯、外傷、酸蝕症、発育不全、形態異常、エナメル質形成不全、着色、歯周炎等の歯であっても、それにう蝕のないものは健全歯とする。
      • ・ 歯質の変化がなく、単に小窩裂溝が黒褐色に着色しているもの、平滑面で表面的に淡褐色の着色を認めるが歯質は透明で滑沢なもの、エナメル質形成不全と考えられるものなどは、すべて健全歯とする。
      • ・ 健全歯のうち、脱灰、再石灰化等に関連し白濁、白斑、着色部が認められる歯は、白濁・白斑・着色歯とする。
      • ・ 白濁・白斑・着色歯にはテトラサイクリン、ニコチン、金属、外来性色素等による着色等は含まないものとする
    2.    イ 未処置歯
      • ・ 未処置歯は、乳歯、永久歯とも、う蝕(C)とする。
      • ・ ただし、30 歳以上の者は、歯冠部のう蝕と根面部のう蝕をそれぞれ次のとおり分類する。
         (ア) 歯冠部のう蝕(C)
          明らかなう窩、脱灰・浸蝕されたエナメル質、軟化底、軟化壁が探知できる小窩裂溝、平滑面の病変。
         (イ) 根面部のう蝕(
          根面部の病変部に軟化あるいはざらついた感じがあるもの。
      • ・ フッ化ジアンミン銀(サホライド)は、塗布されているが他の処置は行われていない歯は未処置歯とする。
      • ・ 残根(歯冠部が喪失し、歯根のみが残っている状態)であって、根面板等の処置が施されていない歯は、未処置歯とする。
      • ・ なお、視診のうえ確認する場合にはWHO プローブを用いる。
    3.    ウ 処置歯
      • ・ 処置歯とは、歯に充、クラウン等を施しているものをいう。
      • ・ 歯周炎の固定装置、矯正装置、矯正後の保定装置、保隙装置及び骨折治療に用いる整復固定装置(三内式線副子等)の各装置が装着されているのみで、他の処置が行われていない場合は、処置歯に含まない。
      • ・ 治療が完了していない歯、二次う蝕や他の歯面で未処置う蝕が認められた処置歯は、未処置歯とする。
      • ・ 予防塞(フィッシャー・シーラント)の施してある歯については、可能な限り問診して、う蝕のない歯に塞を施したものは健全歯とし、明らかにう蝕のあった歯に塞したものは処置歯とする。
      • ・ 根面板等を施してある歯は、処置歯とする。
  •  なお、調査年次によるう蝕の診断基準の差異については、表2 [20KB] う蝕の診断基準の比較に示した。

  • 2. 喪失歯
    1. (1)抜去または脱落により喪失した永久歯をいう。ただし、智歯は含めない。
    2. (2)乳歯は診査対象としない。
    3. (3)インプラントは喪失歯とする。
    4. (4)先天性欠如または何らかの理由で歯を喪失したことが明らかであっても、喪失から時間が経って、スペースが狭くなっている場合については喪失歯に含まない。
  • 3.歯・補綴の状況
      1. (1)永久歯の欠損部における補綴物装着の有無を診査する。補綴物は、架工義歯、部分床義歯、全部床義歯、インプラントに分類する。
      2. (2)一部破損している、あるいは欠損部の状況と一致していないものは装着していないものとする。なお、乳歯の義歯・保隙装置は補綴物に含まない。
      3. (3)残根の上に装着された義歯がある場合は、歯の状況と補綴の状況をそれぞれ実態に合わせる。
      4. (4)インプラントの場合、インプラントが埋入されている部位(不明確な場合は近い部位)とする。多数歯の欠損部位に対して、インプラントが複数本埋入されている場合には、インプラントが埋入されている部位以外の補綴物はその形態に合わせる。
    1. 4.歯肉の状況
    2. (1)永久歯列(下記の6分画)についての各歯の歯肉の状況(歯周ポケット、歯肉出血)(20 歳未満の場合、第2大臼歯を除外)をWHO のCPI(Community Periodontal Index、地域歯周疾患指数)により、WHO プローブ(図1)を用いて、上顎、下顎とも・唇側面(近・遠心・中央)及び舌側面(近・遠心・中央)の6点について診査する。


    3. (2)同顎、同側の第1、第2大臼歯については、両歯のうちより高いコードを記入する。
    4. (3)5〜14 歳未満の者については、プロービングを行い歯肉出血の有無について確認するが、歯周ポケットの深さが4mm 以上の場合は、歯周ポケットの深さの測定を行わないものとする。
    5. (4)対象歯の欠損により診査が不能な場合は、反対側同名歯を診査する。両側とも欠損している場合、あるいは臼歯部で2歯とも対象歯が欠損している場合には、検査対象外とする。
    6. (5)プロービングは、WHO プローブ先端の球を歯の表面に沿って滑らせる程度の軽い力(20g)で操作し、遠心の接触点直下から、やさしく上下に動かしながら近心接触点直下まで移動させる。

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