(1) 地域生活支援事業等について

 ア  地域生活支援事業については平成18年10月から施行されるが、本事業は、市町村及び都道府県が実施主体として、地域で生活する障害者等が障害福祉サービスやその他のサービスを利用しつつ、その有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な事業を実施することとされている。
 本事業は地方分権の観点から各自治体が自主的にとり組むこととし、地域の特性や利用者の状況に応じた柔軟な事業形態により、効率的・効果的な実施が可能となっているので、積極的な実施をお願いする。
 なお、別添1に「地域生活支援事業実施要綱(案)」として事業内容や実施方法等として考えられるものを挙げているので参照されたい。

 イ  地域生活支援事業に位置づけられる既存事業の平成18年4月から9月までの実施については、地域生活支援事業と継続的に実施する観点から、別添2に示すように「障害者地域生活推進事業」として統合することとしたのでご了知願いたい。
 なお、本事業に関する実施要綱案等については別途お示しすることとしている。



地域生活支援事業について

位置付け
(1)  本事業は、障害者自立支援法によって法定化された事業である。
(2)  本事業は、国の予算の範囲内で1/2以内を補助するものであり、18年度予算においては、満年度ベースで400億円であるが、施行が10月であるため半年分200億円となっている。
(3)  法律上、市町村及び都道府県が実施することとされており、相談支援など市町村等が必ず実施しなければならない事業が定められている。

目的
 障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、地域の特性や利用者の状況に応じた柔軟な事業形態による事業を効率的・効果的に実施し、もって障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする。

基本的考え方
(1)  市町村及び都道府県が行う事業であり、それぞれ法律上必ず実施しなければならない事業を定めているが、これに限らず市町村及び都道府県の判断により自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な事業を実施することができる。
(2)  障害者自立支援法に規定する、個別給付(介護給付、訓練等給付、自立支援医療、補装具)と組み合わせて効果的に本事業を実施することができる。
(3)  地域の特性や利用者の状況に応じて柔軟に実施することにより、効率的・効果的な事業の実施が要請されている。







地域の特性:  地理的条件や社会資源の状況
柔軟な形態:
 (1) 委託契約、広域連合等の活用
 (2) 突発的なニーズに臨機応変に対応が可能
 (3) 個別給付では対応できない複数の利用者への対応が可能
(4)  障害者自立支援法による保健福祉サービスに関するPR、普及啓発等も本事業で実施して差し支えない。

事業内容
(1) 市町村地域生活支援事業:市町村が実施主体となっている事業
 ○ 法律上、相談支援事業、コミュニケーション支援事業、日常生活用具の給付等、移動支援事業、地域活動支援センター等事業が実施しなければならない事業として定められているので、適切に実施する。
 ○  その他、市町村の判断により自立した日常生活又は社会生活を営むために必要な事業を実施することができる。
 ○  なお、事業の実施を他の市町村と連携を図り、広域的に実施することや、第三者に事業の全部又は一部を委託することができる。
 また、地域の実情を勘案し、都道府県が実施することができる。

(2) 都道府県地域生活支援事業:都道府県が実施主体となっている事業
 ○  法律上、発達障害者に対する支援等特に専門性の高い相談支援事業やその他市町村間の連携により広域的な対応が必要な事業が実施しなければならない事業として定められているので、適切に実施する。
 ○  上記の他に、都道府県の判断により障害福祉サービス又は相談支援の質の向上のためサービス提供者等の養成研修事業や、その他必要な事業を実施することができる。

 ※  なお、別添1「地域生活支援事業実施要綱(案)」として、事業内容や実施方法等について参考として考えられるものを挙げているので参照されたい。

費用負担
(1) 実施主体と負担割合

 市町村  国1/2 都道府県1/4 市町村1/4
 都道府県  国1/2 都道府県1/2

 大都市特例の適用なし。
 ただし、発達障害者支援センターは、大都市特例を適用。

留意事項:  本事業の中には、一般的な相談支援事業や地域活動支援センターの基礎的事業(従来の小規模作業所の単独補助事業とされている部分)など、すでに地方自治体の一般財源で実施されていたものがあるが、その部分については補助対象とはならない。
(2) 利用料
 地域生活支援事業については、地方自治法の規定に基づき、実施主体の判断で利用料を求めることができる。(利用料に関する事項については、条例で定めることが必要)

国庫補助の配分について
(1)  基本的な考え方
(1)  統合補助金とし、個別事業の所要額に基づく配分は行わない。

(2)  事業の実施水準を全国的に平準化する観点から、事業水準が全国並に達しない市町村等の底上げを図ること、
 また、現在の実施水準の低下を招かないことに配慮する。

(3)  以上の観点から、次の組み合わせで配分額を決定する。




 ・ 現在の事業実施水準を反映した基準による配分(事業実績割分)
 ・ 人口に基づく全国一律の基準による配分(人口割分)
(2)  配分の枠組み(案)
(1)
 市町村が実施する事業と都道府県が実施する事業の配分比率を以下のとおりとする。

市町村:都道府県=9:1

(2)  事業実績割分と人口割分の配分比率を以下のとおりとする。
 なお、19年度以降、人口割分に対する配分比率を高めることとする。

市町村  
事業実績割分:人口割分=8:2
都道府県
人口割分のみで配分

(3)  個々の市町村等への具体的な配分については、別途、必須事業(相談支援、コミュニケーション支援、日常生活用具、移動支援、地域活動支援センター)に係る事業評価の指標の実績を調査したうえで、以下の考え方により決定する。

実施しなければならない事業 事業評価の指標(例)
相談支援
コミュニケーション支援
日常生活用具
移動支援
地域活動支援センター
居宅系サービス利用者数
利用対象者数
支給件数
利用者数
利用者数

 なお、以上は検討案であり、具体的な配分の手法については、引き続き検討を行っている。

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