3. 「健康食品」対策について

(1) 「健康食品」に係る新制度について
 見直しの概要
 「提言」で示された方向性を踏まえ、「健康食品」について国民に対する適切な情報提供が行われる環境整備を図る観点から、保健機能食品(特定保健用食品及び栄養機能食品)における表示内容の充実及び適正化等をはじめとする見直しを行った((2)イを除き、平成17年2月1日施行)。
(1)  特定保健用食品における表示内容の充実
 従来の特定保健用食品の表示許可に必要な科学的根拠に満たない食品についても、特定保健用食品の表示を条件付きで許可する(条件付き特定保健用食品)。
 従来の特定保健用食品の許可が蓄積され、表示に係る十分な科学的根拠があると認められるものについては、審議会の審査を省略し迅速な許可を受けることができることとする(特定保健用食品(規格基準型))。
 従来は特定保健用食品として疾病名に言及した表示を許可していなかったが、科学的根拠が医学的、栄養学的に確立されていれば、疾病リスク低減に係る表示を認める(疾病リスク低減表示)。

(2)  保健機能食品における表示の適正化
 過度に「健康食品」に期待し、偏重して摂取する傾向があるとの指摘があることを受け、「食生活指針」で示している「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。」との表示を保健機能食品において義務づける。
 自己認証による表示制度である栄養機能食品において、消費者を誤認させる表示を防ぐため、機能表示をする栄養成分名の表示の義務づけ及び当該栄養成分以外の成分の機能表示等を禁止する(平成17年5月1日施行)。

(3)  安全性に関する事業者の自主管理の促進
 錠剤、カプセル状等の濃縮された形状の食品について、
 GMP(適正製造規範)の考え方に沿って製品の均質化を図るため、厚生労働省において、錠剤、カプセル状等食品の適正な製造に係る基本的考え方を示す。
 原材料に天然に微量に含まれる毒性物質が濃縮された場合の過剰摂取による健康被害を防ぐため、厚生労働省において、「錠剤、カプセル状等食品の原材料の安全性に関する自主点検ガイドライン」を示す。

(4)  「健康食品」の適切な利用のための普及啓発等
 独立行政法人国立健康・栄養研究所の「健康食品の安全性・有効性のデータベース」等を活用し、科学的な情報提供を更に進める。
 「健康食品」の利用について正しく情報提供できるアドバイザリースタッフを育成・活用する。
 平成15年の健康増進法改正により、食品として販売に供するものについて行う健康の保持増進効果に関する虚偽誇大広告を禁止しているが、その監視を強化する。

(2) 健康保持増進効果等に関する虚偽誇大広告の禁止について
 食品として販売に供する物に関して行う健康保持増進効果等に関する虚偽誇大広告等については、平成15年の法改正で設けられた健康増進法第32条の2の規定に基づき禁止しているところである。様々な媒体において多種多様な表示が氾濫する中、その監視指導に当たっては、厚生労働省本省、地方厚生局及び地方公共団体において連携を取りつつ効率的に行う必要がある。
 厚生労働省においては、主としてインターネット広告に対する体系的な監視及び書籍の体裁をとりながら実質的に広告として機能する出版物(いわゆるバイブル本)について本省が、それ以外の媒体について地方厚生局が監視指導を行っているが、地方公共団体においてもインターネットや書籍等の媒体を問わず、幅広な監視指導を引き続きよろしくお願いする。

(3) 「健康食品」の表示に係る監視指導について
 「健康食品」の表示については、従前から行っている事業者からの照会への対応に加え、販売現場等における監視指導も不可欠であることから、健康増進法主管課室における体制の強化や、関係法主管部局との連携強化など、監視指導体制の充実に特段の配慮をお願いしたい。その際、表示が複数の法令による規制を受けること、様々な広告媒体により行われている点に御留意の上、監視指導の実施をお願いする。

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