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食品の安全に関するリスクコミュニケーションの取組について
リスクコミュニケーション(健康リスクに関する情報及び意見の相互交換)については、リスク分析手法の重要な一要素として、食品安全基本法にその実施に関する規定が盛り込まれたほか、個別の食品の安全性確保に係る施策(リスク管理措置)について定める食品衛生法等においても、より具体的な形で、国民や住民からの意見聴取の規定(いわゆるリスクコミュニケーション規定)が盛り込まれたところである。
これらの規定を受け、厚生労働省(地方厚生局を含む。)においては、内閣府食品安全委員会や農林水産省と連携を図りつつ、リスクコミュニケーションに関する取組みを進めている。
本年度は、昨年度取りまとめられた「食の安全に関するリスクコミュニケーションの在り方に関する研究会」の検討結果を踏まえ、年度当初に事業運営計画を策定し、輸入食品の安全対策、残留農薬等のポジティブリスト制度の導入などについて意見交換会を計画的に開催するとともに、米国・カナダ産牛肉の輸入再開(牛海綿状脳症(BSE)対策)に関する説明会等を行ってきたところである。
この他、ホームページ掲載内容の改善、リスクコミュニケーション担当者の養成研修、関係団体・消費者団体との連携の推進などに取り組んでいる。
今後とも、消費者等関係者との意見交換会を積極的に開催していくとともに、引き続き研究会における検討を進め、意見交換会の在り方や情報発信の手法について、より良いものを目指して改善を行っていく予定である。
意見交換会の開催に当たり、開催地域の地方公共団体との連携など御協力いただいたことに御礼申し上げるとともに、今後とも御協力をお願いしたい。
併せて、地方公共団体においても、地域住民とのリスクコミュニケーションの取組みが独自に行われていると承知している。リスクコミュニケーションは、消費者等関係者の施策への参画を促すとともに、食品の安全についての理解を深め、信頼や安心の醸成につながる重要な取組みであることから、食品安全基本法や食品衛生法の趣旨を踏まえ、地域レベルでの消費者等関係者相互のリスクコミュニケーションについて、なお一層の推進に努めていただきたい。
(参考) |
意見交換会の開催実績(平成15年7月〜平成17年12月) |
開催回数: |
155ヶ所 |
参加者数: |
延べ約25,700人 |
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