7. 血液製剤の安全対策の推進等

(1) 血液製剤の安全対策の推進

現状等

 ○  これまで、日本赤十字社におけるB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、HIVに対する核酸増幅検査(NAT)の導入、供血者からの遡及調査の徹底等の対応を講じてきたところであるが、平成15年12月にHIV混入血がNAT検査をすり抜け、輸血を受けた者が感染した事例等が判明したこと等を踏まえ、平成16年7月に開催された血液事業部会において「輸血医療の安全性確保のための総合対策」が取りまとめられ、安全対策に係る以下の5本の柱に沿って対策が示された。
 (1)  健康な献血者の確保
 (2)  検査目的献血の防止
 (3)  血液製剤に係る検査・製造体制の充実
 (4)  医療現場における適正使用等の推進
 (5)  輸血後感染症対策の推進

 ○  ウエストナイル熱等の輸入感染症対策として、国外からの帰国者の採血禁止期間等を設定しているが、これを平成16年10月に改正した。

 ○  輸血によるvCJDの防止のため、平成12年から献血時の欧州渡航歴に関する問診の強化を実施している。
 平成17年6月からは、同年2月に報告された国内初のvCJD患者が1990年に英国に滞在していた期間に感染した可能性が最も高いとの報告を受け、リスクの高い1980〜1996年に英国に1日以上滞在していた者への献血制限を当分の間の暫定措置として実施している(既述)。

今後の取組

 ○  引き続き、「輸血医療の安全性確保のための総合対策」を中心とした血液事業に関する安全性確保対策の一層の推進を図ることとしている。

都道府県への要請

 ○  引き続き、エイズ等の検査を目的とする献血の危険性の周知徹底、関係部局の連携強化及び匿名で行うエイズ検査に係る保健所等の活用について広く住民へ呼びかけるとともに、上記総合対策を中心とした取組みとして平成17年度中に実施予定の献血での検査結果の活用の推進などについて協力をお願いしたい。


(2) 血液製剤の適正使用の推進

現状等

 ○  安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律第3条第3項では、血液製剤の適正使用の推進を、法の基本理念として掲げている。また、同法第9条に基づく「血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針」第七の二において、国及び都道府県等は、適正使用のため医療機関に対し、様々な機会を通じて、院内における輸血療法委員会、責任医師の任命及び輸血部門の設置を働きかけることとしている。

 ○  平成16年12月には病床規模別、機能別平均的使用量を提示し、各都道府県へ通知しており、医療機関等がこの通知を積極的に活用することが望まれる。

 ○  平成17年6月には、先進的取組を行っている都道府県等の実態を調査し、各医療機関での輸血療法委員会で推奨される議題、効果的な院内体制等を提示し、各都道府県に通知したところである。

 ○  平成11年度に策定した「血液製剤の使用指針」及び「輸血療法の実施に関する指針」を平成17年9月に改定したところであり、その活用を含め適正使用のより一層の推進を図ることとしている。

都道府県への要請

 ○  血液製剤の適正使用に関する医療機関への働き掛けとして、上記の各種通知が医療機関に徹底されるよう協力をお願いしたい。

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