ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 健康・医療 > 医薬品・医療機器 > 医薬品等安全性関連情報 > テリスロマイシン(販売名ケテック錠)の市販後安全対策について

テリスロマイシン(販売名ケテック錠)の市販後安全対策について

薬食安発第0415001号
平成17年4月15日
 アベンティスファーマ株式会社
   代表取締役社長 殿
厚生労働省医薬食品局安全対策課長


テリスロマイシン(販売名ケテック錠)の市販後安全対策について


 テリスロマイシン(ケテック錠)の意識消失に関しては、平成17年1月14日付薬食安発第0114001号「「使用上の注意」の改訂について」により、日本製薬団体連合会安全性委員会宛に通知すると共に、医薬関係者に対し適正使用情報の提供を徹底するよう指示したところである。
 今般、医療機関に提供されていた意識消失に関する情報について、担当医師から患者に対して説明は行われなかったものの、薬剤師からは説明が行われていた事例において、自動車運転中に意識を消失する副作用(別紙参照)が報告されたことから、本剤に関する更なる情報提供の徹底を図るため、下記の安全対策を講じること。
 なお、別添のとおり、社団法人日本医師会、社団法人日本歯科医師会、社団法人日本薬剤師会及び社団法人日本病院薬剤師会に対して通知したことを申し添える。


 本剤服用後の自動車運転中に、突然、意識を消失した事例が報告されていることを明記した患者用の説明資料を作成し、提供すること。
 また、以下の点について医薬関係者に依頼すること。
(1)患者に対し、
(1)本剤服用後の自動車運転中に、突然、意識を消失した事例が報告されていることを説明すること。
(2)本剤の有効性と安全性について十分説明した上で、本剤服用中は自動車の運転等危険を伴う機械操作をしないことを確認すること。
(2)どうしても自動車の運転等をしなければならない場合には、処方薬の変更等を考慮すること。

 本剤の意識消失に関する発生機序を解明するための調査・研究を行うこと。
以上



(別紙)

副作用症例


患者 1日投与量
投与期間
副作用 転帰
性・

年齢
使用理由
(合併症)
既往歴
経過及び処置


70代
副鼻腔炎
(高血圧)
(糖尿病)
脳梗塞
600mg

3日間
意識消失
投与開始日 インフルエンザAを発症したため来院。
CRP軽度上昇(4.6)、WBC 8100であり、感染併発のため、本剤(1日1回夕600mg)、セラペプターゼ、ロキソプロフェンナトリウムを5日分処方した。同日服薬開始。
投与3日目 運転中に意識消失を発現。
前駆症状として耳鳴り(後ろから両側にかけて3〜5秒くらい)が発現したため、ブレーキに足をかけたところまでは覚えているが、その後意識が戻るまでのことは何も覚えていない。
同僚が後ろから運転しており、患者の車がウインカーも出さずに路肩に寄って停車したことを不審に思い、車を降りて患者のところへ行く。
患者は同僚にみられていることに気づいて意識が戻る。(意識消失の時間は15秒ぐらいであったと考えられる。)
人身事故も物損事故も起こしていない。(路肩によって止まっただけである。)
本剤は同日で投与中止。
中止1日後 患者来院。意識消失についての報告があった。
熱はなく、鼻炎は多少残るも、鼻の調子は非常によかった。
当日は原疾患回復のため採血等の検査はせず、意識消失に関しても後遺症等があったわけではなかったため、心電図や脳波、脳CT等の検査もしていない。
中止18日後 患者再来院。
後遺症はなかった。

意識消失やてんかん、低血糖などの既往はなし。
合併症の糖尿病に関しては食事療法のみで、抗糖尿病薬やインスリンの投与はしていない。
回復
併用薬: テオフィリン、塩酸ツロブテロール、アスピリン、カルボシステイン、セラペプターゼ、ロキソプロフェンナトリウム、ニルバジピン


別添:略

平成17年4月15日
照会先:厚生労働省医薬食品局安全対策課
担当:鬼山、井上(内2753)

ホーム > 政策について > 分野別の政策一覧 > 健康・医療 > 医薬品・医療機器 > 医薬品等安全性関連情報 > テリスロマイシン(販売名ケテック錠)の市販後安全対策について

ページの先頭へ戻る