戻る

2.食品に関する基準の策定について

(1)食品添加物の指定及び規格基準の改正について
 厚生労働大臣が定めている食品添加物は、平成15年6月にビオチン及びヒドロキシプロピルメチルセルロースの新規指定を行い、現在、計342品目である。また、平成16年1月にはL−アスコルビン酸2−グルコシド、ステアリン酸ナトリウム及びリン酸三マグネシウムの新規指定についての告示を予定しているところである。
 使用基準等の改正については、平成15年10月にコウジ酸の基準設定及びメチルヘスペリジンの成分規格を改正した。平成16年1月には、使用基準の改正により(1)アセスルファムカリウムは栄養機能食品(錠剤に限る。)への、(2)酸化マグネシウム及び炭酸マグネシウムは栄養強化の目的としての、(3)亜硫酸塩類については干しぶどう及び乾燥じゃがいもへの使用を可能とするため、所要の省令改正を行うこととしている。
 一方、食品安全委員会に対し、(1)平成15年10月に亜酸化窒素、ポリソルベート20、同60、同65、同80、ナイシン、ナタマイシンの新規指定、亜塩素酸ナトリウムの使用基準改正、(2)平成15年11月に5種類の香料(アセトアルデヒド、イソブタノール、2-エチル-3,(5or6)-ジメチルピラジン、2,3,5,6-テトラメチルピラジン及びプロパノール)の新規指定、(3)平成15年12月に香料(イソプロパノール)の新規指定並びにグルコン酸亜鉛及びグルコン酸銅の使用基準改正に係る食品健康影響評価を依頼しているところである。
 今後、食品安全委員会の意見を聴いた後に、薬事・食品衛生審議会において添加物としての指定の可否、使用基準及び成分規格の設定について検討する予定である。

(2)国際的に安全性が確認され、かつ、汎用されている添加物の指定について
 平成14年7月、諸外国で食塩に固結防止の目的で食品添加物として使用されるフェロシアン化物(当時、未指定添加物)が含まれた食品に対する食品衛生上の対応を検討する中で、添加物の規制に関し、国際的に安全性評価が確立して広く使用されているものについては、国際的な整合性を図る方向で、我が国の現行指定制度のあり方についても見直しを行ったところである。
 具体的には、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)で一定の範囲内で安全性が確認されており、かつ、米国及びEU諸国等で使用が広く認められていて、国際的に必要性が高いと考えられる添加物については、企業からの要請がなくとも、指定に向け、個別品目毎に安全性及び必要性を検討していくとの方針が、平成14年7月26日開催の薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会において了承された。その後、在京大使館や食品関係団体からの情報提供も含め、調査を行った結果、この選定基準を満たす46品目を対象に、指定に向けた具体的な検討作業を行うことにつき、平成14年12月19日開催の薬事・食品衛生審議会毒性・添加物合同部会に中間報告を行い、了承された。これら対象品目のうち、ポリソルベート20、同60、同65、同80、ナイシン、ナタマイシン及び亜酸化窒素等については、既に食品安全委員会の専門調査会において審議が開始されているが、今後も引き続き安全性評価に必要なデータの補充等を行い、食品安全委員会へ食品健康影響評価を依頼する予定である。

(3)既存添加物の安全性確認について
 長い食経験等があり、安全性上問題があるとの情報もないこと等から平成7年の食品衛生法改正時以降、特例的に使用が認められている既存添加物については、速やかに安全性の見直しを行うことが求められている。また、平成15年5月の同法改正において、安全性に問題があると判明した、又は既に使用実態のないことが判明した既存添加物については、既存添加物名簿からその名称を消除し、使用を禁止することができることとされた。これら既存添加物の安全性確認については、継続的に実施してきたところであるが、これまで以上に迅速かつ計画的に進めていくこととしているので、関係者の御協力をお願いする。
 なお、平成15年10月2日食安発第1002001号「消除予定添加物名簿の作成に係る既存添加物の販売等調査について(お願い)」をもって御協力いただいた販売等調査の結果を踏まえ、本年2月に、既に使用実態がないと考えられる品目について、消除予定添加物名簿の公示を予定している。その後、WTO通報等の手続きを行うとともに、並行して、6か月間、訂正の申出を受け付けた後、必要な手続きを経て、平成17年2月を目途に所要の告示改正を行う予定である。

(4)食品添加物の一日摂取量調査について
 食品添加物の安全性確保対策の一環として、従来から市販食品の分析による食品添加物一日摂取量実態調査(国民健康・栄養調査(健康局において実施)を基礎とするマーケット・バスケット調査方式)を実施してきたところであり、食品添加物の摂取量は、安全性の観点から問題ないことが報告されている。平成15年度においても当該調査を実施しているところであるが、平成16年度においても実施することとしているので、引き続き関係者の御協力をお願いする。

(5)食品添加物公定書策定について
 食品衛生法第13条の規定に基づき作成することとされている食品添加物公定書については、食品添加物に関する製造・品質管理技術の進歩及び試験法の発達等に対応するため、従来から、おおむね5年ごとに、その改正を行っており、平成11年度にまとめた第7版が最も新しいものである。
 平成15年8月より第8版食品添加物公定書作成検討会を発足し、平成16年度中の公定書の改正に向け現在作業を進めているところである。

(6)農薬等の残留基準の設定について(ポジティブリスト制の施行準備等)
(1) 食品中の残留農薬については、平成16年1月現在、229農薬について残留基準を設定している。また、平成15年10月28日付で薬事・食品衛生審議会長から厚生労働大臣あてに答申のあったエチクロゼート等15農薬に係る基準設定及び改正については、現在、告示作業に着手しているところである。
 残留農薬基準の設定については、平成10年8月7日の食品衛生調査会(当時)から厚生大臣(当時)あて提示された「残留農薬基準設定における暴露評価の精密化に関する意見具申」の中で、日本型推定一日摂取量方式(EDI方式)の採用、残留農薬基準の定期的な見直し等が提言されており、これらの手法により基準値の設定を行っているところである。
(2) 食品中に残留する動物用医薬品及び飼料添加物については、平成14年12月20日付でゲンタマイシン等4品目、平成15年11月26日付でサラフロキサシン等3品目についての残留基準値を設定し、これまでに29品目について残留基準値を設定したところである。また、平成15年9月17日に答申を受けたカルバドックスの残留基準の変更について告示改正の作業中である。
(3) これらの食品に残留する農薬等については、平成15年5月に可決・成立した改正食品衛生法に基づき、基準未設定の農薬、動物用医薬品及び飼料添加物(以下「農薬等」という。)が残留する食品の流通を原則禁止する、いわゆるポジティブリスト制を法律公布後3年以内(平成18年5月まで)に導入することとしている。
 このポジティブリスト制の導入に際し、基準未設定の農薬等について国際基準等を参考に暫定基準を設定することとしており、平成15年10月28日に農薬等647品目について暫定基準案(第1次案)を示し、平成16年1月27日まで広く意見を募集しているところである。これに併せ、平成15年度から地方公共団体関係者の御協力をいただき、残留農薬等の分析法の開発を実施しているところであり、引き続き御協力をお願いする。

(7)農薬の一日摂取量調査等について
 国民が日常の食事を介してどの程度の農薬を摂取しているかを把握するために、従来から残留農薬の一日摂取量調査(国民健康・栄養調査を基礎とするマーケットバスケット調査方式)を実施しているところである。この調査は、実際の食生活における農薬の摂取量を把握するものであり、食品の安全性を確保する上で重要と考えており、平成16年度においては、主に暫定基準を設定する農薬を対象に品目を増やして、広く調査を実施することとしており、関係者の一層の御協力をお願いする。
 また、厚生労働省では地方公共団体において実施されている残留農薬検査結果について、検疫所の検査結果等と合わせて取りまとめ、毎年度公表しているので、今後とも引き続き検査結果の集計資料の提供について御協力をお願いする。

(8)乳及び乳製品の規格基準の整備について
 平成14年12月20日に脱脂粉乳の製造基準の設定等に係る乳等省令の一部を改正し、平成15年6月25日に種類別分類の見直しを含め乳等省令及び食品、添加物等の規格基準の一部を改正したところであり、改正内容により施行日が異なるため、関係営業者等への周知方よろしくお願いする。

改正年月改正内容施行日
平成14年12月
脱脂粉乳等の製造基準の設定
平成16年4月1日
乳の殺菌基準の改正
平成16年1月1日
平成15年6月
脱脂粉乳の総合衛生管理製造過程承認品目への追加
平成16年4月1日
種類別分類の改正
平成16年7月1日

(9)水銀を含有する魚介類等の摂食に関する注意事項について
 近年、国際的にメチル水銀による影響、特にハイリスクグループ(妊婦)に対する継続的な調査に対し評価が行われ、暫定的耐容週間摂取量(PTWI)を見直すとともに、妊婦等に対し食事指導が行われている。
 我が国においても、平成14年度に各都道府県等において実施された魚介類等に含まれる水銀の量に関する調査結果等を踏まえ、平成15年6月に薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品・毒性合同部会において検討がなされ、妊娠している方や妊娠している可能性のある方を対象に「水銀を含有する魚介類等の摂食に関する注意事項」が取りまとめられ、さらに注意事項を正確に御理解いただくために、Q&Aを作成し、各都道府県等に通知するとともに、ホームページ上に掲載したところである。
 他方、国際的には、JECFAにおいて、平成15年6月に従来のPTWI3.3μg/kg/週が1.6μg/kg/週に変更されており、また、魚介類等の水銀濃度や摂取状況等の把握を行っていることから、これらがまとまった段階で、消費者に対し、適切な情報提供を行うこととしている。

(10)米等に含まれるカドミウムに係る規格基準の改正の検討について
 食品中のカドミウムに係る規格基準については、昭和45年7月に、食品衛生調査会及びカドミウム研究者からなる「微量重金属調査研究会」が設置され、米に含まれるカドミウムについて安全性を検討した結果、玄米についてカドミウム含有量1.0ppm未満(精白米については0.9ppm未満)が定められた。
 平成12年のJECFAの勧告を受け、我が国において厚生科学研究費補助金等により疫学調査研究を実施し、平成13年度厚生労働科学研究報告の提出を受けて、平成14年7月に薬事・食品衛生審議会食品規格・毒性合同部会(以下「合同部会」という。)を開催した。審議の結果、現時点で緊急に規格基準を改正する必要はないとされ、疫学調査研究の最終的な報告を待って、本格的な審議を開始することとされた。
 平成14年11月末にJECFAへ疫学調査研究及び農作物等の実態調査結果を提出し、平成14年12月に当該結果を合同部会へ報告した。また、平成14年度厚生労働科学研究報告を受け、平成15年5月及び6月に薬事・食品衛生審議会毒性部会が開催され、「カドミウムの毒性評価に当たっての検討事項」が取りまとめられた。
 平成15年7月1日には食品安全委員会が発足したことから、同委員会へ「食品からのカドミウム摂取の現状に係る安全性確保について」の評価依頼を行い、現在、同委員会において食品健康影響評価が行われているところである。今後、食品安全委員会の食品健康影響評価を受けて、食品のカドミウム基準について議論を行う予定である。
 一方、国際的にはFAO/WHO合同食品規格委員会(コーデックス委員会)の食品添加物・汚染物質部会(CCFAC)において、食品中のカドミウム最大基準値原案(精米については0.2ppm)が提案され、現在検討が行われている。平成15年6月のJECFAにおいてカドミウムのリスク評価が行われ、暫定的週間耐容摂取量(7μg/kgb.w./week)が維持されたことから、今後、この評価結果に基づき、本年3月のCCFACにおいて食品中のカドミウムの基準値に関して議論が行われる予定である。
 なお、我が国としては、平成15年12月に、我が国の暴露状況からみて安全を確保できる範囲として、精米0.4ppm、小麦0.3ppm等の修正意見をコーデックス委員会に提出したところである。

(11)小麦のデオキシニバレノールに係る暫定的な基準値の設定について
 デオキシニバレノール(DON)は、主にフザリウム属真菌が産生するかび毒である。平成13年度厚生科学特別調査研究により、我が国の麦類におけるDONの汚染実態調査を実施したところ、比較的高濃度のDONが検出される場合があることが明らかとなった。この報告を受けて、平成14年5月、薬事・食品衛生審議会食品規格・毒性合同部会において審議が行われた結果、DONの摂取による健康リスクを低減し、健康危害を未然に防止する観点から食品衛生法第7条に基づく規格基準の設定に向けた検討が必要であるとされ、規格基準の設定までの間、小麦に含有するDONについて行政上の指導指針となる暫定的な基準値を設定すべきとの結論が得られ、都道府県等へ暫定的な基準値(小麦で1.1ppm以下)について通知した。
 また、平成14年度厚生労働科学特別研究の報告を受けて、平成15年6月に薬事・食品衛生審議会食品規格部会において審議が行われた結果、本研究により提案された分析法の妥当性について確認され、さらに基準値設定のためには、家庭用小麦粉、乳児用食品に関する実態把握、小麦の経年的なフォローアップが必要とされた。この審議結果に基づき、平成15年7月にデオキシニバレノール分析法の改正について通知した。今後、家庭用小麦粉、乳児用食品等の実態調査結果を踏まえて規格基準の設定に向けた検討を行う予定である。

(12)りんごジュースのパツリンに係る規格基準の設定について
 パツリンは、ペニシリウム属やアスペルギルス属等の真菌が産生するかび毒である。平成14年度に農林水産省等が実施した、市販りんごジュース(100%果汁)及び原料濃縮果汁におけるパツリンの汚染実態調査の結果、一部に比較的高濃度のパツリンが検出される場合があることが判明した。この報告を受けて、平成14年12月、薬事・食品衛生審議会食品規格・毒性合同部会において審議が行われた結果、パツリンの摂取による健康リスクを低減し、健康危害を未然に防止する観点から、食品衛生法第7条に基づく規格基準として、りんごジュース及び原料用りんご果汁に含まれるパツリンを50ppb以下にするとの結論が得られた。この内容については、薬事・食品衛生審議会の答申及び食品安全委員会の食品健康影響評価を経て、平成15年11月26日付けで告示を改正し、同日付け食安発第1126001号にて通知したところであり、本年6月1日に施行することとしているので、関係者への周知方よろしくお願いする。

(13)ミネラルウォーター類の規格基準の改正の検討について
 ミネラルウォーター類の規格基準については、昭和61年に独立した製造基準が設定され、その後、平成6年に原水基準についても独立して設定された。平成6年の改正は、飛躍的なミネラルウォーター類の消費の増加とそれに伴う輸入量の増加を受け、コーデックス委員会のヨーロッパ地域規格であったナチュラルミネラルウォーター規格を参考とし、当時の日本人の食生活を踏まえ原水基準の設定が行われた。
 平成6年以降、ミネラルウォーター類の消費量はなおも増大しており、現在は平成6年当時と比較するとほぼ2倍になっている(一人当たり年間約10リットル)。また、コーデックス委員会においては、平成9年にナチュラルミネラルウォーター規格が設定され、平成13年にはボトルド/パッケージドウォーターの規格が定められた。
 こうした諸状況の変化を受けて、ミネラルウォーター類の規格基準の検討のための資料を得ること及び泉源の実態を把握することを目的として、平成13年度からミネラルウォーター類の泉源調査を実施し、調査結果を平成14年9月下旬に都道府県等へ通知した。また、平成14年10月及び11月に薬事・食品衛生審議会食品規格部会を開催し、本調査結果を報告するとともに、規格基準の改正について検討を行った。
 その結果、水道法の水質基準が改正に向け検討中であり、また、WHO飲料水ガイドラインについても同様に改訂に向けた検討が行われていることから、これらの検討が終了した段階で、同部会において審議することとされた。
 平成15年5月に水道法の水質基準の改正が行われ、またWHO飲料水ガイドラインの検討も概ね終了したことから、ミネラルウォーター類の規格基準改正に向けた審議を行うべく、平成15年7月1日に食品安全委員会に対して、「清涼飲料水(ミネラルウォーター類他)の規格基準の改正について」の評価依頼を行った。今後、食品安全委員会の健康影響評価結果を受けて、ミネラルウォーター類の規格基準について検討を行う予定である。

(14)低酸性食品の規格基準の設定について
 平成9年7月、輸入オイスターソースが原因とされるボツリヌスA型菌による食中毒事例が発生した。また、平成10年には、イタリア産オリーブ塩水漬けが原因食品と推定されるボツリヌスA型菌による食中毒事例が発生し、さらに、平成11年には、ハヤシライス(ルー)が原因食品と疑われるボツリヌスA型菌による食中毒事例が発生した。これらの原因食品は、(1)気密性のある容器包装に充填した後、十分な加熱殺菌をせず、常温で流通(オイスターソース、オリーブ)、(2)冷蔵保存が必要であったが、それが家庭で遵守されていなかった(ハヤシライス)ことにより、ボツリヌス菌の増殖を可能としたことがその原因と考えられる。
 現在、容器包装に入れ密封した後、加圧加熱殺菌する食品(容器包装詰加圧加熱殺菌食品)については規格基準が定められており、そこでは、食品中で発育しうる微生物を死滅させるのに十分な効力を有する方法で殺菌することとされている。しかしながら、密封性のある容器包装に入れられ常温で流通している食品であり、pH及び水分活性からボツリヌス菌の増殖が可能な条件を満たすものにあっても、現行の食品衛生法に照らせば、規格基準が定められていない食品(容器包装詰低酸性食品)が存在する。こうした状況を踏まえて、平成14年度から厚生労働科学研究により、「容器包装詰低酸性食品のボツリヌス食中毒に対するリスク評価」が実施されており、平成15年6月には、平成14年度の本研究成果が提出されたことを受け、薬事・食品衛生審議会食品規格部会を開催した。審議の結果、容器包装詰加圧加熱殺菌食品の気密性の概念が曖昧であることから、容器包装詰加圧加熱殺菌食品に類似した食品であり加熱殺菌が不十分な(120℃4分間に満たない)食品が製造、販売されているが、これらについては容器包装詰加圧加熱殺菌食品と同様の加熱殺菌等を行うべきとの結論が得られた。さらに、油脂の変敗に関する試験の結果を待って、容器包装詰加圧加熱殺菌食品の規格基準の改正を行い、ボツリヌス食中毒防止の観点からの気密性の定義の明確化、及び油脂変敗防止の観点からの容器包装基準の改正を行うことが必要とされた。この審議結果を受け、容器包装詰食品に関するボツリヌス対策について平成15年6月に通知したところであるので、関係者への指導をよろしくお願いする。
 なお、容器包装詰低酸性食品については、引き続き、厚生労働科学研究においてリスク評価が進められいることから、本研究成果の提出を受けて、規格基準の設定等の必要な対応について検討していく予定である。

(15)食品用器具・容器包装及び乳幼児向けおもちゃの規格基準の改正について
 平成11年度の厚生科学研究等により、市販の弁当にフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(DEHP)が検出され、その主たる原因が塩化ビニル製手袋であることが判明し、平成12年6月の食品衛生調査会毒性・器具容器包装合同部会において審議が行われた結果、当面の緊急措置として可塑剤としてDEHPを含有する塩化ビニル製手袋の食品への使用を避けることが望ましい旨の結論が得られ、関係営業者団体等への指導をお願いしたところである。
 この問題については、さらに、平成14年3月に開催された、薬事・食品衛生審議会の合同部会において、その後の調査結果等を踏まえた審議が行われ、溶出又は浸出して食品に混和するおそれがない場合を除き、油脂又は脂肪性食品を含有する食品に接触する器具・容器包装に、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(DEHP)を含有するポリ塩化ビニルを用いてはならない旨の答申が平成14年6月11日に得られ、平成14年8月2日付けで告示を改正して、平成15年8月1日から適用したところであり、引き続き関係営業者等への指導方、よろしくお願いする。
 また、おもちゃについても、平成14年3月に開催された、薬事・食品衛生審議会の合同部会において、平成12年度までの厚生科学研究等の結果を踏まえて審議が行われ、おしゃぶり等、乳幼児が口に接触することをその本質とする合成樹脂製のおもちゃには、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(DEHP)、あるいはフタル酸ジイソノニル(DINP)を含有するポリ塩化ビニルを用いてはならない、また、合成樹脂製のおもちゃには、フタル酸ビス(2−エチルヘキシル)を含有するポリ塩化ビニルを用いてはならない旨の答申が平成14年6月11日に得られ、平成14年8月2日付けで告示を改正して、平成15年8月1日から適用したところであり、引き続き関係営業者等への指導方、よろしくお願いする。


トップへ
戻る