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4.配偶者からの暴力(ドメスティック・バイオレンス)対策について


 
 近年、配偶者からの暴力が大きな社会問題となっており、平成13年4月6日に「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」(以下「DV法」とする。)が成立、同年10月13日に施行され、平成14年4月1日に同法が全面施行されたところである。
 平成13年度における婦人相談所及び婦人相談員の受けた来所による相談実人員をみると、68,114人(前年度54,835人)のうち、夫等の暴力を主訴とするものが13,071人(前年度9,176人)あり、相談理由の19.2%(前年度16.7%)を占めており、なお一層の取組の強化が必要である。
 平成15年度予算案においても婦人相談所の機能強化等、必要な経費を確保しているところであり、関係機関との連携等を含め、配偶者からの暴力の被害者の適切な保護について総合的な取組を推進していただくようお願いする。

(1) 婦人相談所等における対応の強化について
  ア  婦人相談所等における相談体制の強化について
 配偶者からの暴力への対策の充実を図るため、平成14年度より、被害者の一時保護を婦人相談所の一時保護所以外にも一定の基準を満たす民間施設(民間シェルター)等に委託する一時保護委託制度、休日及び夜間の相談体制を強化するための電話相談員(非常勤)の配置、 被害者への心のケア対策としての、婦人相談所の一時保護所や婦人保護施設に心理療法担当職員の配置など各種事業を創設し、また、婦人保護施設等の基準面積の改善を行うなど、被害女性の保護、支援の対応強化及び婦人相談所等の機能強化を図ることとしている。
 なお、婦人相談所、婦人保護施設、福祉事務所等において、被害者の相談等に従事する職員に対し、配偶者からの暴力に関する特性の理解及び法律等に関する研修を実施しているところであるが、さらに、平成15年度において、現在改訂作業を進めている婦人保護事業ハンドブックの内容を中心とした専門研修を実施することとしているため、各都道府県におかれては、当該研修への参加のための特段の配慮をお願いしたい。
 今後とも、配偶者からの暴力への対策の充実を図るための被害女性への万全の対応及び婦人相談所等の体制整備の積極的な取組をお願いする。

  イ  婦人相談所の職員の配置
 婦人相談所の経常経費は社会福祉事業費として交付税措置されており、婦人相談所の職員については、標準団体で所長、判定員など7名分の給与費等が計上されている。「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」の施行など婦人相談事業の高度、専門化を踏まえた婦人相談所職員の適正な配置をお願いする。

(2) 関係機関との連携について
 被害者の保護支援については、相談の受付、保護、自立支援に向けて、福祉、医療、保健、警察、司法等の関係機関の連携が必要である。婦人相談所と福祉事務所をはじめとする関係機関との連絡会議を開催し、また、事例検討会議を開催して事例集を作成するなど、関係機関とのネットワークの整備について積極的な対応をお願いする。


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