医療用具関連情報
* 本表中の「要因」欄、「内容」欄、「販売名」欄及び「業者名」欄にそれぞれ記載された情報は、報告医療機関において「事例の内容」から判断して報告されたものであり、当該事例の「要因」等については、「販売名」欄に記入された製品に関連する事例か否かを含めて、今後、医薬品・医療用具等部会において検討することになる。
要因 | 内容 | 販売名 | 業者名 | 事例の内容 | 意見 |
欠陥品・不良品だった | ドレーン・チューブ類破損・切断 | 血液回路、返血側エアートラップに穴があいており、そこからの血液もれ。 医師より患者へ説明を行い、返血側回路を交換した。また抗生物質の内服が開始された。腎センター当番医より主治医へ、腎センター婦長より病棟婦長へ報告し、患者のその後の観察を依頼した。発見の経緯:体動により、静脈圧アラームが鳴ったため、ベッドサイドに行き床を見ると、乾燥した血液が極少量床に落ちていた。不思議に思い、回路を見ると返血側エアートラップの下部に凝固した血液が付着していた。アルコール綿で拭き取ると、返血側エアートラップの下部から血液がもれ、穴があいていることを発見する。準備の段階、透析開始時には、気付かなかった。 | 業者に連絡し、原因の追求を依頼した。また結果報告を文書で診療部長宛に提出するように申し入れた。 | ||
欠陥品・不良品だった | ドレーン・チューブ類その他:三方活栓にひびが入っていた。 | テルモ テルフュージョン輸液セット三方活栓2個つき | テルモ | 人工呼吸器を装着したため、末梢よりディブリバンを15ml/Hで開始していたが、三方活栓にひびがあった。 | 業者に確認中。 |
欠陥品・不良品だった | ドレーン・チューブ類破損・切断 | 三方活栓 | |||
欠陥品・不良品だった | ドレーン・チューブ類破損・切断 | 三方活栓 | |||
欠陥品・不良品だった | バードICフォーリートレイ | 株式会社 メディコン | フォーリー・カテーテルを留置して約4時間経過後にバルーン部分が縦に亀裂自然抜去した。排尿後に患者が抜けたフォーリー・カテーテルを持参したことで発見される。膀胱内への残存なし | 使用期限は2005年6月であり、不良品の可能性があるため製造元に調査を依頼中 | |
故障していた | 医療機器等の使用・管理誤操作 | SOMATOM PLUS 4/p | SIEMENS | 撮影終了後、画像再編成を行うとエラーとなり画像ができない。 | エラーが出るたびに機材交換を行ったが改善されない。 防止策として別の画像再構成関数を使用。 |
故障していた | ドレーン・チューブ類破損・切断 | 呼吸器点検時、蛇管接続部分に2cmの亀裂が入っていることに気付く。 | |||
故障していた | テルモSTC508 | テルモ | 日本ゼオンTTNラインAを使用していたが、業者の話しではテルモの製品でないためのトラブルではないかとのこと。 | 特にラインの指定はなく、どのメーカのにも合うようにしてほしい。 | |
故障していた | テルモSTC−508 | テルモ | 注入量の残量とポンプの積算量が合わず、ポンプを交換したら正常になつた。 | 取得 平成8.3.26 前回点検平成12.12.5 |
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複数の規格が存在した | 治療、処置に関する項目方法(手技)の誤り | イソフルレンテック5 | デーテックス・オルダ | 麻酔導入時、全身麻酔剤セボフルレンを用いる予定であったが、全身麻酔剤イソフルレンが接続されているのをスーパーバイザーに指摘され、誤りに気づいた。 | セボフルレンテック5は色で識別されているが、麻酔器上で配列が同じであり誤ったと考えられた。声だし確認をするなどの対策が必要である。 |
複数の規格が存在した | 処方・与薬過少与薬 | 注射器100単位・40単位の区別がつきやすいように | |||
扱いにくかった | 医療機器等の使用・管理機器の破損 | サブラテック | バクスター | PCAポンプの内容(ペチロルファン+生食)を追加したが、針で差し込むタイプのものであったため、針にて内容を追加したが、針で袋を刺したような気がした。注入して圧をかけてももれなかったが、念のためフィクソマールテープを貼ったが穴が開いていて内容がすべてもれてしまった。 | 針で入れるタイプのものは取り扱いに注意が必要。できればシリンジで直接入れることが出来るようにすべきである。 |
扱いにくかった | 医療機器等の使用・管理機器の点検管理ミス | フィッシュアンドパイケル | 東機紡 | 咽喉の違和感 | 時間チェックリストの活用 持続注入式加湿器 |
管理が不十分だった | 医療機器等の使用・管理誤操作その他:加湿がオフとなっていた | 人工呼吸器 エビタ | 不明 | 21時45分患者が手術室より帰室しており人工呼吸器が装着されていた。深夜できた私は人工呼吸器の点検をした所、加湿がオフになっていることに気づいた。 | 人工呼吸器の所に、チェック表があり、始動チェック、時間チェックする事になっているが、チェックされていなかった。加湿なしで使用することはないので、加湿されていないときは アラームの機能が作動するとよいのではないか。 |
管理が不十分だった | 医療機器等の使用・管理機器の点検管理ミス | 除水量調整透析装置 | TORAY | 洗浄ボタンが入っていなかった | 透析開始より終了時に至るまで二重確認体制が必要 |
管理が不十分だった | 医療機器等の使用・管理その他の使用・管理エラー | エビター | 日本光電 | 同一患者が1年以上使用中の人工呼吸器のアラームが消音ボタンを押しても止まらなくなった。患者の呼吸状態に変化は無く、呼吸器としての機能には問題は無かったが、業者が持ち帰り点検したところ、内臓の電池切れであった。 | 原因は長期連続使用による内臓電池の消滅である。定期的な業者によるメンテナンスをシステム化する。医療機器センターで中央化し、在庫機器管理を定着させる。 |
管理が不十分だった | ドレーン・チューブ類破損・切断 | シリンジェクター | クーデック | 患者搬送時、シリンジェクターがベッドの上から床に落下した。病棟に戻ってから、シリンジェクターの破損による薬液のもれ、シリンジェクター内への空気の購入が認められた。 | 搬送時に落下しないよう固定できる器具を作成する。シリンジェクターが落下しても割れないよう強度を上げるか、カバーを補強してほしい。シリンジェクターの管理を怠らないようにする。 |
管理が不十分だった | 療養上の世話・療養生活の場面転倒 | 手すり付体重計 | エーアンドディ AD6203 | 体重計がぐらつき転倒 | 手すりを台に取り付けるところのネジがゆるんでいた。安全点検不足ではあるが、ネジではなく はめ込め式などの工夫が欲しい。 |
管理が不十分だった | 検査その他:筋電計の不作動 | 筋電計 | 日本光電 | 機器使用者が同一でないため管理に不備があった。取扱件数がまれであるため管理に不備があった。 | |
管理が不十分だった | 調剤・製剤管理等その他のエラー:温度管理 | リツキサン | 冷所保存の物を常温にしてしまった。 | 保存温度の確認不足 個人指導した | |
管理が不十分だった | 治療、処置に関する項目その他:円座の使用後の脱毛 | 手術後2週間後の発見ではっきりとした原因とは言いにくい | |||
管理が不十分だった | ドレーン・チューブ類自己抜去 | 患者が抜去しないようなケアを考えたい | |||
管理が不十分だった | 医療機器等の使用・管理設定忘れ・電源入れ忘れ | シリンジポンプの開始ボタンを押してなかった. | 上司がチェックし指導した。 | ||
管理が不十分だった | 医療機器等の使用・管理 | 確認の徹底 | |||
機器誤操作 | 調剤・製剤管理等分包 間違い調剤 | 小西医療器 | TOSHO | 機械分包による錠剤調剤において,分包機械の誤作動により84包中2包にパナルジンが混入した.患者みずからきずき,外来受診時に持ってきたが,すでに1錠は服用していた.特に患者には影響はなかった. | 分包機は長年にわたって使用するとCPUに異常な情報が組み込まれ,誤作動を起こすことがあると業者より説明を受けた.CPUをリセット(クリア)し正常に作動している. そのような誤作動の可能性があることを業者は知らせるべきであり,また何年使用でどのくらい誤作動を起こすのか情報を公開すべき.また定期的にCPUをレセットするべきである. さらに今回は分包後の監査で注意すれば発見できたはずであり,さらに監査に集中するべきである. |
機器誤操作 | 医療機器等の使用・管理誤操作 | サーボ900C、人工呼吸器 | 人工呼吸器にて呼吸管理中、呼気終末圧を4cmH2Oに設定してあったが、機械の不調により、呼気終末圧が、20cmH2Oに上昇したため、人工呼吸器の交換、昇圧剤の投与を行い、対処した結果、患者の様態は安定した。 | MEセンターを設置し、医療機器の保守・点検を行う必要がある。 | |
機器誤操作 | 医療機器等の使用・管理点検管理ミス:機器の誤動作か | デジタルガンマーカメラ | 米国ADAC社VERTEX | 心筋シンチGate収集を行った。患者帰宅後画像処理を行おうとしたが画像が撮れてなかった。 | 心電図波形のピークが複数あり(不整脈)設定範囲を装置が認識できなかった。 このことにより画像集収が正常に終了できなかった。 装置(ソフトウェア)の改良、画像の確認 |
機器誤操作 | 医療機器等の使用・管理誤操作 | サーボ | 気管内圧表示異常。 | ||
機器誤操作 | 医療機器等の使用・管理故障 | どの程度までの電源に耐えられるのかの、知る必要あり。 | |||
その他 | 処方・与薬無投薬 | 輸液ポンプ PEI-1000 | パルメディカル サン二クス株式会社 | 輸液が停止のまま時間が経ってもアラームが鳴らず発見されにくい。 | 停止のまま一定の時間が経過するとアラームが鳴る機能にするとミスが発見されやすい。 |
その他(外部バッテリー接続部の配線が断絶していた。) | 医療機器等の使用・管理破損 | 患者様から外部バッテリーが変だと言う訴えがあり、確認したところ外部バッテリーが作動せず内部バッテリーが作動していた。外部バッテリーの接続部の配線が断絶していた。 外出中に気がついたのでは呼吸器が正常に作動しない恐れがある。 | 他病棟より外部バッテリーを借用し交換した。バッテリーが作動しないことも予測し、延長コードを持参させ、充電するよう説明。また、アンビューバック持参させ、外部バッテリーについては修理依頼した。 | ||
その他(不明) | 医療機器等の使用・管理誤操作 | フジ・アール・シー | CIV-1000 | ||
その他(輸液が停止していてもアラームがならない。) | 医療機器等の使用・管理その他:輸液ポンプへの接続不備による薬剤の落下 | AS50ポンプ | バクスター | 麻酔に用いる麻薬を、シリンジを用いて接続注入しようとした際、シリンジの押し子をシリンジポンプに固定しなかったため、三方活栓が開いていたので内容量が全量床に流出してしまった。 | AS50ポンプはシリンジを縦に立てる(流出口が下方になる)ため、押し子を固定しないとシリンジの内容量が流出してしまう。操作をきちんと行えば、問題はないが、他のシリンジポンプのようにシリンジを横置きに出来るとこのような事例はなくなると考えられる。 |
その他(ロック式となっていない。) | ドレーン・チューブ類接続はずれ | 不明 | 不明 | ||
その他(使用上の安全性向上について) | ニプロ 携帯型ディスポーザブル注入ポンプ シュアフューザーA |
ニプロ株式会社 | ・当該医療用具は薬液(注射薬)注入ポンプで、製品取扱い時は 1.アルミパックによる包装を開封 2.ビニールパックの開封 3.製品本体 の順番となっている。この1から3に至る経過で製品の情報については 個々に表示方法が異なり、又3の製品本体は3要素から成り立ち、即ち A:流量制御部付き注入ライン B:バルーン本体 C:貼付ラベル となっているが、Bには薬液充填量の表示のみで、Aに表示されている情報が 表示されていない。AとBが一体成型であれば問題は無いが、別々になっている | ・原 因:製品を取り出すのに開封毎に製品の表示方法が異なっている。特に製品本体のA・B間に関する製品情報の整合性が無い。 ・改善点:バルーン本体を流量制御部と同じ色にする。又はバルーン本体に流量制御部と同じ情報を表示(印字等)する。多くの医薬品を例に見た場合、1錠毎に印字又は刻印があり、製品が特定されるようになっていることからみれば、改善可能の範囲と考えます。 | |
その他 | フジ・ア−ル・シ− | 鼻マスク式人工呼吸器の故障警報が発生。 |
諸物品関連情報
* 本表中の「要因」欄、「内容」欄、「販売名」欄及び「業者名」欄にそれぞれ記載された情報は、報告医療機関において「事例の内容」から判断して報告されたものであり、当該事例の「要因」等については、「販売名」欄に記入された製品に関連する事例か否かを含めて、今後、医薬品・医療用具等部会において検討することになる。
要因 | 内容 | 販売名 | 業者名 | 事例の内容 | 意見 |
故障していた | 分包間違い | 不明 | 不明 | 薬剤分包器による分包誤り | |
扱いにくかった | その他のドレーンチューブ類の管理 | リリアバック | 不明 | 血液がバック内に廃液される量がおおすぎたため刺入針をいれなおした | |
管理不十分 | 自己抜去 | 上肢抑制帯 | 不明 | SpO2モニターのアラームがなり、訪室したところ、右手の抑制帯がはずれており、挿管チューブを自己抜管していた。 | 抑制帯のマジックテープが古く、粘着力が弱かったため、右手の抑制帯が外れてしまった。 |
管理不十分 | 機器の不適切使用 | ATOM Digital infant Scale | ATOM | 体重計の水平器をあわせるネジのような足元が、ネジが外れていてその上に体重が乗っている状況だけ。 | |
管理不十分 | 自己抜去 | 中心静脈カテーテル | 日本ベクトンディッキソン株式会社 | 中心静脈カテーテルの自己抜去 | 観察が必要 |
管理不十分 | 自己抜去 | 中心静脈カテーテル,セカロンセルディ(16G20cm) | 日本ベクトンデイッキンソン株式会社 | 夜勤4時30分頃,ナースコールで訪室すると,IVH穿刺針と左側ドレーンが抜去されていた | カテーテル,ドレーンが留置してある場合は,再三の確認が必要となる |
管理不十分 | 与薬時間・日付間違い | クラビット | 不明 | 朝の分を渡し忘れた | 指示及び薬袋の確認忘れのため個人指導をした |
管理不十分 | 自己抜去 | バルンカテーテル | トップ株式会社 | 尿道バルンカテーテルの自己抜去 | 観察不足 |
その他 | オーダー・指示だし、情報伝達過程の間違い | 不明 | 不明 | PCにて処方を打ち込む際に処方変更が有るにもかかわらず前回処方を選択して打ち込む | 確認をよくする |
その他 | その他のドレーンチューブ類の管理の間違い | 不明 | 不明 | 気管カニューレホルダーがはずれているのをモニター上で発見し、訪室するとカニューレホルダーのマジックテープの粘着力が弱っていた。 | 粘着力の強いカニューレホルダーに交換した。 |
その他 | 転倒・転落 | オ-バ-ヘッドテ-ブル | パラマウントベット株式会社 | 患者が自分でポ-タブルトイレに移動しようとして手をかけた際、テ-ブルが移動して転倒 | テ-ブルにストッパ-をつける |
その他 | その他の療養上の世話・療養生活の場面の間違い | パラマウント電動式ベッド | パラマウント社 | 患者様が体丸めて睡眠をしていたらベッド柵の隙間に頭が入り抜け出せなくなりうなり声をあげていた。 | ベッド柵の隙間の間隔を狭くする。 |
その他 | その他のオーダー・指示だし、情報伝達過程に関する間違い | 看護支援システム | 富士通FIP | 現在使用されている薬品であり、マスタ-登録されていた。しかし、使用期限が薬局は切っていないのに期限がきれていた。 | 原因は不明 |
自然抜去 | バルンカテーテル | 不明 | バルンの水が入ったまま抜去されていたので尿道損傷の危険がある |