1 児童健全育成施策について
(1)児童館事業について
児童館は、地域における児童健全育成のための活動の拠点として積極的に活用していくことが必要であり、次のような観点も加えて、事業内容の見直し、充実を図られたい。
(児童館整備費補助について)
上記の観点を踏まえ、児童館・児童センター整備については、平成12年度から
のための補助基準面積の改善を図ったところである。児童館等の創設、改築に当たっては、このような観点から市町村等の整備計画に対応願いたい。
なお、整備費の国庫補助に当たっては、従来から未設置市町村における創設整備、児童育成計画等に基づく創設整備及び他の社会福祉施設等との合築等の複合的整備を推進しているところであり、これらの点についても留意されたい。
また、市町村の整備計画作成に当たっては、運営の方針についても地域の実情に応じ、以下の点について適切に対応されているか精査いただきたい。
(児童館の運営について)
児童館の運営においても、上記(1)〜(3)の観点を踏まえ開館時間の延長や日曜日・休日等の開館などが促進されるよう市町村等への指導方特段の配慮をお願いしたい。
また、児童館において放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)を行う場合にあっては、これを利用する児童の生活の場(放課後児童クラブ室)の確保に配慮されたい。
(民間児童館事業の推進について)
民間児童館の活動に対しては、平成12年度から、従来の「民間児童厚生施設等活動推進事業費」による補助を充実し、児童館が以下の(1)〜(3)の事業の内容に応じて補助を行うこととしたが、国庫補助の申請は少ない状況にある。平成13年度においては、積極的な活用及び事業の推進をお願いする。(資料6)
平成12年度から実施している「児童福祉施設併設型民間児童館事業」については、平成13年度予算案において実施か所数を15か所から26か所へ増やすこととしているが、一方で(財)こども未来財団においてモデル的に実施している保育所併設型民間児童館事業については、本事業に移行することとし、その実施か所数を36か所から31か所に減少することとしているので、関係都道府県、市町村においては本事業への移行について積極的な対応をお願いしたい。(資料7)
(2)放課後児童健全育成事業について
(放課後児童健全育成事業の推進について)
放課後児童クラブについては、引き続き事業の普及を図る必要があることから、新エンゼルプランにおいて実施か所数を計画的に増やすこととし、平成13年度においては、500か所の増を図ることとしているので、その積極的な設置促進をお願いしたい。
また、従来から要望のあった小規模クラブへの助成、障害児の受入促進については、以下のように取組むので事業実施について積極的な取組みをお願いしたい。
(国庫補助対象の取扱いについて)
放課後児童クラブの国庫補助については、交付要綱において、市町村が直接実施する事業のほか市町村が事業の実施を運営委員会等に委託して行う場合も補助対象とすることとしているところであるが、この補助対象として、予算の形式上委託費としていないが実質的に委託と考えられるものについては補助対象と認めることとし、その場合の取扱いの基本的考え方を定めたので、管内市町村へ周知いただくとともに、国庫補助協議の際には留意願いたい。(資料10)
また、放課後、保護者が家庭にいない児童だけでなく、全児童を対象として実施する事業についても国庫補助の要件に該当する場合には放課後児童クラブとして、国庫補助対象とすることとし、どのような事業がこれに該当するかについての基本的考え方を定めたので、管内市町村へ周知をいただくとともに、国庫補助協議の際には留意願いたい。(資料11)
なお、これらについて個別・具体的な取扱いは、当課に前広にご連絡・相談いただきたい。
(放課後児童健全育成事業の施設整備等について)
放課後児童クラブの施設整備等については、そのための補助制度はないが、市町村が、「子育て支援のための拠点施設の設置について」(平成11年1月7日児発第14号)、「余裕教室を活用した社会福祉施設への改築整備の促進について」(平成11年3月24日社援第709号)等により余裕教室の改修等により放課後児童クラブのための施設整備を行う場合は国庫補助の対象となるところであるので、本制度の活用をお願いする。
なお、子育て支援のための拠点施設を活用する場合については、放課後児童クラブを含む複数のメニュー事業を行うことにより整備費の国庫補助対象となることに留意されたい。
(3)平成13年度地域児童福祉事業等調査について
平成13年10月1日現在で「児童館事業、放課後児童健全育成事業」の 活動等、市町村の取組み等について調査を行うこととしている。
児童館については、従来から、社会福祉施設等調査により実施されている ところであるが、今回の調査は、初めての単独調査であり、児童館の年長児童を対象とした活動内容、子育て支援・相談活動の状況等調査を実施することとしている。また、放課後児童クラブについては、平成9年児童福祉法の改正(事業法定化)後、初めての調査になるものであることから、管内市町村等への協力依頼など調査の実施についてのご協力をお願いしたい。
(4)地域組織活動育成事業について
児童の健全な育成を図るためには、行政機関及び児童館などの活動とともに、地域住民の積極的参加による地域組織活動も重要である。
母親クラブ等の地域組織は、従来から母親同士の交流、子育て経験に基づいた世代間交流、遊び場の遊具の点検、非行防止活動等の自主的な活動に取り組んでいるが、近年、子育て支援サークルや子育て支援NPO等の活動も増えている。
これらの状況にかんがみ、本事業については、従来の活動団体に補助先を固定化するのではなく、幅広く地域組織の活動への支援を図るために活用をお願いするとともに、地域におけるこれらの組織の連絡協議会が未組織の地域においては、その組織化が推進されるようご配慮願いたい。
なお、全国母親クラブ連絡協議会では、平成13年度において、「母親クラブによる遊び場の遊具の点検および事故防止活動事業」を実施することとしているので、管内市町村に周知するなどご協力をお願いする。
(5)児童環境づくり基盤整備事業について
児童育成事業臨時安定運営等対策事業については、都道府県または市町村が地域事情に応じて実施する児童福祉に関する普及啓発事業や児童健全育成に関する模範的・奨励的事業等で、他の国庫補助の対象とならないものについて助成するのもであり、都道府県はもとより特に市町村においては積極的な取り組みをお願いしたい。本年度は、児童福祉週間の事業にも間に合うように国庫協議の前倒しを実施したところであるが、今後ともこのスケジュールで行うこととするのでご協力をお願いするとともに、年度途中の追加についても積極的に取組みいただきたい。
都道府県児童環境づくり推進機構整備事業については、事業実績に都道府県ごとの格差がみられるので注意されたい。
(6)児童委員、主任児童委員について
(児童虐待への対応について)
育児不安や児童虐待など児童や家庭を取り巻く環境が複雑・多様化している状況の中で、児童委員及び主任児童委員による状況把握や児童相談所等の関係機関との連携による児童虐待などの早期発見、早期対応への取り組みが重要である。各都道府県におかれては、児童委員及び主任児童委員としての活動の活性化についてご配慮をお願いするとともに、市町村における児童委員、主任児童委員の活用についてご配慮願いたい。
(民生委員・児童委員、主任児童委員の一斉改選について)
平成13年12月には、3年ごとに行われている民生委員・児童委員、主任児童委員の一斉改選が行われる。
近年、児童相談所への虐待相談件数が急増するなど児童虐待の増加が指摘されており、家庭に潜行しがちな虐待が深刻化する前に早期発見・早期対応を図ることが特に重要である。
このため、改選における児童委員・主任児童委員の選任に際しては、児童問題に熱意と理解のある方を選任していただくよう特段のご指導を願いたい。
(児童委員、主任児童委員の人権研修の実施について)
平成9年6月に公表された『「人権教育のための国連10年」に関する国内行動計画』においては、特定の職業に従事する者に対する人権教育の推進等を掲げており、児童委員、主任児童委員に対する人権・同和問題に関する理解を深めるための研修等の充実、強化にご配慮願いたい。
(7)児童福祉週間について
児童福祉の向上を図るために、昭和22年以来、毎年5月5日からの1週間を「児童福祉週間」と定め、地方公共団体等の協力の下に、多様な取組みを推進しているところである。本年も例年と同じ日程で実施することとしているので地方公共団体等におかれても、各種の啓発事業や行事を展開し、より一層の児童福祉の向上に努められたい。なお、地方公共団体の事業実施については児童育成事業臨時安定運営等対策事業を十分活用されたい。
平成13年度の「児童福祉週間」の標語については、全国から2,744点の作品が寄せられ、次のとおり決定した。
標語の募集に当たり、都道府県等をはじめ関係各位に格別のご尽力をいただいたことを厚く御礼申し上げる。
「どの子にも 夢と希望と 輝く笑顔」(佐々木 龍夫さん(京都市)の作品)
平成13年度は、昨年末の与党三党の合意(「児童手当等に関する三党合意」平成12年12月13日)を踏まえ、支給対象児童を扶養する親等の所得制限を大幅に緩和し、支給率を支給対象児童のおおむね85%に引き上げることとした。
(1)改正内容の骨子
○ 所得制限限度額の緩和
現行 | 改正後 | ||
児童手当 | 284.0万円 (432.5万円) |
→ → |
415.0万円 (596.3万円) |
特例給付 | 475.0万円 (670.0万円) |
→ → |
574.0万円 (780.0万円) |
※4人世帯(夫婦+子ども2人)の場合の所得額
( )内は収入ベースの目安である。
全体 | 72.5% | → | 85.0% |
○ 支給対象児童数
約 565万人 | → | 約 660万人 |
○ 支給対象年齢
第1子・第2子 | 月額 5,000円 |
第3子以降 | 月額 10,000円 |
○ 費用負担割合
○ 実施時期
○ 所要額(公務員分の財源を除く)
事業主拠出金 | 約1,200億円 |
国庫 | 約1,810億円 |
地方 | 約905億円 |
(単位:億円) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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(2)市町村事務取扱交付金
事務費については、平成13年度予算案において、以下のような考え方に基づき所要額を計上している。
〈予算単価案〉
児童手当分(物件費受給者1人当たり) | 304円 |
特例給付分(人件費受給者1人当たり) | 2,194円 |
(物件費受給者1人当たり) | 312円 |
〈予算単価案〉
就学前特例給付分(人件費受給者1人当たり) | 2,153円 |
(物件費受給者1人当たり) | 304円 |
(目)の内訳 | 12年度予算 | 13年度予算案 | |
〈3歳未満分〉 | 36.2 | 28.5 | |
児童手当 | (人件費) | 地方交付税措置 | 地方交付税措置 |
(物件費) | 3.4 | 6.1 | |
特例給付 | (人件費) | 23.5 | 14.4 |
(物件費) | 3.5 | 2.2 | |
受給者サービス経費 | 5.8 | 5.8 | |
〈3歳以上義務教育就学前分〉 | 88.2 | 68.3 | |
就学前特例給付 | (人件費) | 51.7 | 59.5 | (物件費) | 7.7 | 8.8 |
市町村事務適正化対策費 | 28.8 | 0 | |
合計 | 124.4 | 96.8 |
(3)広報等の実施について
(2) 各都道府県における広報への取組について
(3) 各市区町村における広報への取組について
ポスターやPR用資料の作成経費、雑誌・新聞・ラジオ・テレビ番組による広報経費、テレフォンサービス経費、外国人向けPR用資料作成経費、資料配付経費など<
※なお、昨年の児童手当法の改正時には、受付期間の経過措置を設けたが、今回は設けていないので注意していただきたい。
(4)独立行政法人の設立に伴う児童手当の事務処理について
独立行政法人の設立に伴う児童手当の事務処理については、平成13年2月13日雇児環第16号により各都道府県民生主管部(局)長あて通知しているところであるが、その取扱い等については、管内市区町村への周知徹底についてよろしくお取り計らいいただくようお願いする。
※ なお、本通知は、平成13年4月1日に独立行政法人に移行する機関に加えて、それ以降に独立行政法人に移行する機関についても、その移行時に適用される。
○独立行政法人の職員に対する取扱い
児童手当の支給に関しては、国家公務員の身分を有するか否かを問わず被用者として取り扱う。
よって、児童手当(特例給付及び就学前特例給付を含む。)は住所地の市町村長から支給する。
○独立行政法人設立に伴う事務処理
独立行政法人成立前に旧所属庁の長の受給資格の認定を受けている者であって、成立後も引き続き受給要件に該当するときは、その者に対する市町村長の認定があったものとみなすこととしたため、市区町村においては
これに伴う所要の事務処理が必要となる。
(5)今後の予定
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