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2021年12月24日 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 第9回議事録

○日時

令和3年12月24日(金)13:00~

 

○場所

オンライン開催

○出席者

田倉智之委員長 斎藤信也委員長代理 池田俊也委員 木﨑孝委員
新谷歩委員 新保卓郎委員 田倉智之委員 中山健夫委員
野口晴子委員 花井十伍委員 飛田英祐委員 米盛勧委員
薄井紀子専門委員 谷口修一専門委員 福田敬専門委員
国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官
<事務局>
中田医療技術評価推進室長 他
 

○議題

○ダラキューロに係る分析枠組みについて

○議事

○費用対効果評価専門組織委員長
 ダラキューロ配合皮下注に係る分析枠組みについて御議論いただきます。
 まずは、事務局及び公的分析から説明をお願いいたします。
(事務局・国立保健医療科学院より説明)
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございました。
 それでは、議論に先立ちまして、まず、本製品の検証作業に係る分析枠組みに対する企業意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
(意見陳述者入室)
○事務局
 事務局でございます。
 企業の方の入室が確認できましたので、よろしくお願いいたします。
○費用対効果評価専門組織委員長
 私は費用対効果評価専門組織委員長です。
 早速ですけれども、10分以内でダラキューロ配合皮下注に係る分析枠組み案についての企業意見の御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答もさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 では、始めてください。お願いします。
○意見陳述者
 それでは、意見陳述をさせていただきます。
 まず最初に、対象疾患と対象品目の概要について御説明いたします。
 3ページ目を御覧ください。全身性ALアミロイドーシスは、異常形質細胞より産生されるM蛋白の軽鎖に由来するアミロイド蛋白が、全身諸臓器の細胞外に沈着し、臓器障害を来す、進行性で予後不良な疾患です。年間発症率は、100万人当たり4.2人と推計されます。また、指定難病に指定されております。
 4ページ目です。製品概要として、効能・効果は全身性ALアミロイドーシス。2021年8月に承認を受けました。
 5ページ目です。本製品は、2020年11月に全身性ALアミロイドーシスを予定効能又は効果として、希少疾病用医薬品に指定された、全身性ALアミロイドーシスを適応とする初めての治療薬です。
 また、本疾患は指定難病に指定されております全身性ALアミロイドーシスに含まれております。詳細はスライドを。
 6ページ目です。本疾患の患者数は少なく、本剤の投与患者全数に占める患者割合は4.5%と小さく、患者数としては325名です。こちらは、年間発症率が100万人当たり4.2名というところから推計いたしました。
 7ページ目です。弊社といたしましては、本疾患、本適応症を費用対効果評価の対象から除外することにつきまして、費用対効果評価専門組織に御検討いただきたいと考えております。理由は下のとおりです。
 全身性ALアミロイドーシスはダラキューロ配合皮下注の追加効能として承認を受けました。本剤が多発性骨髄腫の適応について費用対効果評価の対象品目に指定されておりますことから、追加効能である本適応症が現行制度に基づき費用対効果評価の対象として検討されております。弊社は、分析ガイドラインの3.2.1に基づきまして、本追加適応症は費用対効果評価から除外されるべきと考えます。
 疾患の性質といたしまして、本剤は希少疾病用医薬品に指定されておりますほか、本疾患について国内の疫学データ及び治療の有効性・安全性に関するデータは非常に限られており、費用効果分析の実施は困難です。
 患者数も少なく、全身性ALアミロイドーシスの年間発症率は100万人当たり4.2人と推計されております。また、投与患者全数に占める本適応症の患者割合は4.5%となっております。
 加えて、比較対照技術の選定が困難です。比較対照技術は、原則として公的保険で償還されているものとされております。DCyBorDレジメンは、全身性ALアミロイドーシスに適応を有する初めてかつ唯一の治療法です。
 加えまして、弊社といたしましては、全身性ALアミロイドーシスが費用対効果評価の対象から除外されるべき理由として、次のように考えております。8ページ目です。
 本適応症は指定難病です。平等性の観点から、品目の適応症が指定難病のみであるか否かにかかわらず、指定難病は費用対効果評価の対象外とすべきと考えます。
 本邦において患者の高い医療ニーズを満たすために、弊社は研究開発上の多大な努力を払い、DCyBorDレジメンは全身性ALアミロイドーシスに対する初の承認された治療法となりました。
 指定難病は患者数が少なく、疾患そのものに対する知見も限られる場合が多いことから、一般的に開発は他の医薬品と比較して非常に困難です。
 通知では、治療方法が十分に存在しない希少な疾患のみを適応症とする場合は費用対効果評価の対象から除外されていますが、指定難病等が効能追加された場合は除外されておりません。
 制度の平等性向上の観点から、適応症が指定難病のみであるか否かにかかわらず、指定難病は費用対効果評価から除外されるべきと考えます。
 これによって、製薬企業が指定難病の治療薬開発に取り組むハードルが1つ取り除かれ、指定難病患者に対する治療の向上につながると考えております。
 続きまして、臨床試験と診療ガイドラインにおける推奨について、弊社のR&Dより御説明申し上げます。よろしくお願いいたします。
○意見陳述者
 それでは、私のほうから試験概要について御説明いたします。
 こちらは、国際共同第Ⅲ相試験についての試験デザインでございます。未治療の全身性ALアミロイドーシスに対して、1対1でDCyBorD群とCyBorD群にランダム化いたしました。
 主要評価項目は、血液学的完全奏効率。
 副次評価項目は、主要な臓器機能低下、無増悪生存期間及び患者報告アウトカムです。
 有効性の結果です。血液学的完全奏効率は、DCyBorD群で53.3%、CyBorD群18.1%であり、CyBorD群と比較してDCyBorD群で有意に高く、DCyBorD群の有効性が検証されました。
 続きまして、副次評価項目です。こちらに関しては、統計学的な有意差は出なかったものの、主要な臓器機能低下、無増悪生存期間に関しては、DCyBorD群のより有効性が強い傾向が見られました。
 安全性に関しましては、御覧のとおりです。CyBorD群と比較してDCyBorD群で5%以上発現率が高かった全グレードの有害事象は、スライド13に記載があるとおりでございます。
 また、スライド14に、DCyBorDレジメンは、NCCNガイドラインにおいて未治療の全身性ALアミロイドーシス治療として唯一Preferred Regimenに推奨されております。
 こちらが最後のスライドになっております。
 全身性ALアミロイドーシスは、指定難病です。日本国内で使用できる疫学及び有効性・安全性に関するエビデンスは非常に限られており、また患者数も小さくなっております。これらの限られたエビデンスを用いて費用効果分析を行うことは非常に困難です。その結果は、高い不確実性が想定されます。
 これらの点を踏まえまして、専門組織の先生方には、弊社が要望いたします、本適応症の費用対効果評価からの除外に合意いただきたいと考えております。
 発表は以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
 それでは、委員の方々から御質問はございますでしょうか。いかがでしょうか。
 では、○○委員、お願いします。
○○○委員
 今の御説明で私が理解できていないのかもしれませんが、試験概要とか有効性とかを御説明いただいたわけですけれども、このデータだと費用対効果評価以前に、有効性とか安全性の点で非常に症例が少なくて、不確実性が高いと理解していいのでしょうか。
○意見陳述者
 安全性に関しては、AMY3001試験におきましては200例程度の被験者の方の安全性データが得られておりますので、臨床試験のレベルとしては、もっと多い患者さんがいれば、より多くの安全性データが得られると思いますけれども、フェーズⅢとして、このアミロイドーシスの全体的な患者数を踏まえると、このぐらいの数の患者さんからデータが得られているところでの安全性ということで、これ以上のデータを得るというのはなかなか難しいかなということになると思います。
○○○委員
 すみません、これ以上データが必要かではなく、お示しいただいた試験の中で、有効性や安全性は基本的に確認されていると思いますので、それにもかかわらず、不確実性が大きいということをおっしゃっているのは、どのような理由でそのような御意見になっているのでしょうか。
○意見陳述者
 ありがとうございます。
 AMY3001試験は、今、○○から御説明させていただきましたとおり、国際共同ランダム化比較試験であり、エビデンスレベルは高く、承認申請においては十分なエビデンスとして受け入れられております。しかし、費用対効果評価の観点からは、観察期間が中央値で11.4か月と比較的短く、臨床試験のほかに利用可能な疫学データも限られております。そういった観点からデータが限られており、不確実性が高いと考えております。
○○○委員
 ということは、費用推計が問題だというのではなくて、この臨床試験を超えた先の有効性について、その先の予後についての有効性に関する確証がないということと理解してよろしいでしょうか。この期間を超えたら、比較対照群に比べて結果が優れているという確証がないということでしょうか。そうしますと、分析を行うとしたら、例えば費用最小化分析みたいな形になるのではないかということでしょうか。
○意見陳述者
 今回得られた結果につきましては、主要評価項目の血液学的完全奏効率で有意な改善が認められており、その結果は、OSへの予後改善に導くというデータは既に得られているというところがありますので、将来的には生存期間の延長に寄与するというところは期待されるところなのですが、今のところ、まだ十分な観察期間が得られていないというところで、オーバーオールサバイバルのデータを得る十分なイベント数は得られていないという状況でございますので、この後、追跡的に観察期間を継続すれば、予後は改善するというデータが得られるであろうというところは期待されるのですけれども、現時点では、あと二、三年追跡する予定というところになってございます。
○○○委員
 分かりました。この品目に限らず、多くの品目で、OSの延長までは実測されていなくても、途中のサロゲートのエンドポイントを使って推計するというのは、医療経済評価でよくやる手法なので、そのような方法が適用可能かどうかということを検討すればよいのかなと思いました。
 ありがとうございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
 その他の委員、いかがでしょうか。
 では、○○委員、お願いします。
○○○委員
 1点、このお薬の安全性のことでお伺いしたいのですが、いろいろな患者さん向けの資料等を見ていると、インフュージョンリアクションというものがかなり多く起きているようなお話があったかと思うのですが、それに対して、多分ステロイド等々の予防投与みたいなものをいろいろ考えられているのだと思うのですが、その辺りの対処方法とかについて、御社でどのようにお考えになっているのかというところと、あと、どのぐらいの割合で起き得る可能性があるのかというところを、ちょっと教えていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○意見陳述者
 インフュージョンリアクションにつきましては、ダラツムマブのほうで副作用として既に報告している事象でございまして、IRRの予防のために今回はCyBorDの中にデキサメタゾンも投与しておりますけれども、このデキサメタゾンもダラツムマブの前後に投与することで、IRRの発現の予防的投与というのを実施しているところでございます。
 実際、今回のアミロイドーシスの臨床試験実施時ですけれども、IRRとしては、皮下注製剤にしてからインフュージョンリアクションの発現率というのは大分抑えられるようになりまして、10%程度の発現率になっておりました。
○○○委員
 分かりました。ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
 その他の先生、いかがでしょうか。
 ○○委員、どうぞお願いします。
○○○委員
 スライド8で、指定難病が追加のときは、費用対効果の対象になるのは駄目じゃないかという意見があると思うのですけれども、これはもっと平たく言えば、こういうものが費用対効果の対象になるならば、もしそれによって、例えば薬価が少し安くなったりするようなことがあるならば、企業としては適応拡大としての指定難病への開発についてブレーキを踏むことになるという主張になるのでしょうか。
○意見陳述者
 ありがとうございます。
 追加でコメントありましたら、よろしくお願いいたします。
○意見陳述者
 御質問ありがとうございます。今回に関しまして、例えば難病指定の疾患のための治療というものを、私たちは開発するということ。日本国内におきましても、この難病指定に対する薬というのは非常に重要なものであると私たちは位置づけて、そして、そういった患者さんのために、会社としてHTAの可能性を考えつつも開発を進めてきたという経緯がございます。ですので、私どもが考えますのは、難病指定というものがされるものに対して適応症を取る際には、もともとHTAから除外されるというルールがあると思っております。ですので、そのような対応にしていただきたいという願いでございます。
○意見陳述者
 追加でコメントさせていただきたいのですが、平等性ということを書いてございますとおり、例えばアミロイドーシスを先にインディケーションとして取りますと、現在のルールだとHTAの対象にならないということになっていますが、今回はMMを取ってからアミロイドーシスを取ったということで対象になる。ということで、難病の承認を取るわけですけれども、それに関してのHTAの取扱いに、平等性という言葉を使っていますけれども、若干の違いが出てきているというところについては、おかしいと我々は思っているということをここで表明させていただきました。
○○○委員
 分かりました。おっしゃる趣旨は、僕もそういう患者なので分かるところもあるのですけれども、そうは言っても、ボリュームゾーンとして、普通はそちらからターゲットにするということでしょうし、制度設計上の問題なので、費用対効果ができる、できないという話とはちょっと切り離して考えなければいけないのかなという部分もあります。しかしながら、企業のほうが、逆にHTAに関わるなら開発しないという感じになると、それはそれでいかがなものかとなるので、御趣旨は理解しました。
 ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
 よろしいでしょうか。
 では、最後に簡潔に御回答いただきたいのですけれども、海外の評価機関における評価の動向について伺いたいと思います。例えばNICEとかで、このALアミロイドーシスについての評価を行っているかどうか。皆様方、そういった分析モデルはお持ちなのかどうか、伺えればと思います。
○意見陳述者
 NICE UKにおきましては、いまだ分析結果は出ていないと理解しております。
○意見陳述者
 御質問ありがとうございます。
 アミロイドーシスに関しましては、申し上げたとおり、疫学的なデータに関しましても患者さんが少ない。エピデミオロジーのデータに関しても少ないということが分かっておりますし、それから、今、実際あるようなデータといいますのは、明確にあるのは、今、行った臨床試験のデータのみということが、この全身性ALアミロイドーシスの現状でございます。
 ですから、それ以外に関する疫学的な、それから疾患の進行、有効性、これら臨床試験のものを超えたものというのは、まだ限定的ということがございます。よって、NICEが現在扱われているような国々でも、私ども法人のほうでディスカッションはスタートしているようです。しかしながら、これらに関する確定的な結果というものは出ていないのが現状でございます。これがNICE、その他の制度を取り入れている国々の現状でございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございました。
 その他、御意見がなければ、時間もたちましたので、これで終了させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 これで質疑応答を終了させていただきますので、企業の方は御退室をお願いいたします。どうもお疲れさまでした。
○意見陳述者
 ありがとうございました。
(意見陳述者退室)
○事務局
 事務局でございます。
 企業の方の退室が確認できましたので、よろしくお願いいたします。
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございました。
 それでは、ダラキューロ配合皮下注に係る分析枠組みについて御議論をお願いしたいと思います。
 ○○先生、○○先生、今のディスカッションも含めてコメントいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○○○委員
 ありがとうございます。
 私は、企業側の資料の15ページでしたか、比較対照技術がないということが書かれているのですけれども、実際にはCyBorDについては、主には多発性骨髄腫なのですけれども、それの類縁疾患ということで全身性アミロイドーシスが捉えられているので、全く臨床経験がないとか臨床データがないということはないだろうと思います。今までは点滴だったのが、今度は皮下注で加わるということなので、企業がややリラクタントのような感じもしますけれどもね。
 臨床の現場においては、このCyBorDというのは広く使われていますし、企業の主張はちょっと無理があるかなと思うのですけれども、○○先生、どう思いますか。
○○○委員
 そのように思いますが、今、先生も触れられたのですけれども、全員が共通して認識しておくべきなのは、これはほとんど病態は一緒ですので、多発性骨髄腫に有効な薬剤として過去においても長い期間使ってきました。治療の歴史はあるということは認識していただきたいということ。
 それと、多発性骨髄腫は、治療して、また再発してどうこうという流れがあり、ずっと様々な治療が繰り返されていきますけれども、アミロイドーシスの場合は、分かったところで治療が可能ならば、そこで治療した後は、臓器障害が進行する場合は、それ以上の追加の治療というのは余りしませんので、繰り返し違う治療が行われるのではなく、治療開始初期に比較的シンプルな治療が入る。ですので、比較しやすいかなと思いました。
 ただ、企業がおっしゃっていますように、発症率は、例えば多発性骨髄腫に比べると明らかに少ないですから、そこの比較をどうこうというのは、ちょっと私には分かりません。最初、私も症例数が少ないから難しいのかなと思いましたけれども、比較的シンプルな集団として比較できるという面があります。
 以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございました。
 3剤併用CyBorDについては、比較対照技術についての臨床実態はあるという御説明だったかと思います。
 その他の委員、いかがでしょうか。特にサンプルサイズのお話等についても御議論いただければと思いますが、いかがでしょうか。
 ○○委員、お願いいたします。
○○○委員
 お伺いしたいのは、臨床試験は少数例ながら有効性・安全性のデータが出ているように理解しましたが、その後の比較的長期的な予後についての推計というのは、この臨床試験を超えた部分になりますけれども、疫学データなり、あるいは専門家の先生のいろいろな御経験などから、ある程度長期的な予測というのは可能なのか、そこはかなり難しいのか、いかがでしょうか。両群の費用の差とか予後の差というのは、多分この臨床試験を超えた長期にわたって推計作業が必要かなと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○費用対効果評価専門組織委員長
 ○○委員、お願いできますでしょうか。
○○○委員
 私もたくさん患者さんを拝見したわけではないのですけれども、先ほど○○先生が非常に重要な点を御指摘になったと思います。全身性アミロイドーシスというのは、初めの治療が非常に大事で、今、このCyBorDとかDCyBorDは、単にヘマトロジカルなレスポンスが得られるというだけではなくて、臓器に沈着したアミロイドが臓器障害の発症も少し先延ばしできるのではないかというデータもあります。ただ、完全寛解を得られるほど有効性のある治療法はまだないと思うので、結局、再発しますと、沈着する臓器が非常に重要臓器なものですから、骨髄腫などよりも非常に早く致死的な転帰を迎えるということになるだろうと思います。
 ですから、ある程度のレスポンスレートを得ることでどのぐらいの予後が得られるのかということは、骨髄腫よりも予測しやすいと思います。先ほど○○先生がおっしゃったことを、私が繰り返し述べているだけですけれども、実際には臨床の現場ではそういうことだろうと思います。
○費用対効果評価専門組織委員長
 ○○先生、もし追加のコメントがございましたら、お願いできますでしょうか。
○○○委員
 企業の治験のデータでも、有意差は出ていませんけれども、その差を比較的短期間で示していますし、血液学的寛解のデータが六十何%と2割でしたか。アミロイドーシスが対象ということを考えると、これほど効果があるのかと思います。ですから、短期間の観察だけでも、有意差はないけれども、差がついているということで、ある程度の短い期間で予測はたつのではないかと、期待しています。
○費用対効果評価専門組織委員長
 ○○委員、よろしいでしょうか。
○○○委員
 分かりました。ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
 その他の委員、いかがでしょうか。
 お願いいたします。
○○○委員
 初めの企業の主張のように、長期フォローアップと血液学的な寛解がどれくらいリンクしているのかということが少し気になったので、もう少し長期の追跡、2年ほどの追跡ができれば、そういった、より確実性の高いデータが得られるのかなと思っておりました。先生方の御意見を伺って、私が思っていた以上には不確実性は深刻ではない。不確実性はありますけれども、解析は可能だということで認識しております。
 1つ教えていただきたいのは、この全身性アミロイドーシスのCyBorDを実施したときのおおよその生存率、もし実施しないときの自然歴ということが分かればお教えいただければと思いました。
○○○委員
 全身性アミロイドーシスは、今まで治療法がありませんでしたので、早期診断で早期治療するということはなかなか難しかったといえますので、診断がついたときには、既に非常に重要臓器にアミロイドーシスが及んでおります。特に心臓の心アミロイドーシスは突然死の原因になってしまいます。ですから、全身アミロイドーシスが診断されて、何も治療しないということになりますと、生命予後は短期間、5年生存率も2割を切るのではないかと思います。
 今回、このCyBorDが出てきて、あるいはDCyBorDもそうですけれども、治療ができるということになれば、早期治療が可能になります。そうしますと、治療効果が出てきて、血疫学的な寛解が得られるということになれば、そのOverall Survivalというのは少し延びてくる。今後、DCyBorDをきちんと使うことによって、さらに患者さんの長期生存が可能になるのではないかということですので、これを使って、どれだけ生存率が上がるかというのは、即答はできないのですけれども、かなりの改善が得られるのだろうと思います。
○○○委員
 どうもありがとうございました。了解しました。
○費用対効果評価専門組織委員長
 その他の先生、いかがでしょうか。
 今までの先生方の御意見を踏まえますと、まず比較対照については、過去の臨床実態があるというお話しで、分析のフィージビリティー、データがあるかどうかということについても、全くないというわけではないでした。現状でも安全性とかも結果が出ているので、長期成績のところについては工夫しなければいけないですけれども、分析ができるというのが今までの先生方の御意見と理解しております。
 いかがでしょうか。これについて何か追加でコメントがある先生、いらっしゃいますでしょうか。
 そうすると、今回はALアミロイドーシスを分析対象として分析をしてみるというのが先生方の総意と理解したところであります。これについて異論はないということで進めさせていただきますけれども、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 今度は、分析対象に含める場合、分析枠組みについて、どのように考えるかというところについての技術的な点、現実性の点について、追加で先生方からコメントいただき、企業及び科学院さんにつないでいきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
 ○○先生、実際、これを分析するに当たって、留意点とか、もしコメントがあればいただければと思いますが。
○○○委員
 臨床試験も少数でありますし、長期的な予後予測のところもいろいろあると思うので、専門の先生方のアドバイスをいただきながら進めていかれるとよいかなと思いました。
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 その他の先生、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、議決に入らせていただきます。議決に入る前に、○○委員、○○委員におかれましては、議決の間、一時御退席をお願いいたします。
(○○委員、○○委員退室)
○事務局
 事務局でございます。
 お二方、御退席が確認できましたので、よろしくお願いいたします。
○費用対効果評価専門組織委員長
 では、進めさせていただきます。
 先生方の御意見を参考に、ダラキューロ配合皮下注に関する費用対効果評価案について議論させていただきました。今回、公的分析により提案されたとおり、効能追加された全身性ALアミロイドーシスを分析対象に含め、費用対効果評価に係る分析枠組み案を了承するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、事務局におかれましては、○○委員及び○○委員を御入室させてください。
(○○委員、○○委員入室)
 

 

(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第2係

代表: 03-5253-1111(内線)3140

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