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2023年1月27日 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 第10回議事録

○日時

令和5年1月27日(金)13:00~

 

○場所

オンライン開催

○出席者

田倉 智之委員長 斎藤 信也委員長代理 池田 俊也委員 木﨑 孝委員
新谷 歩委員 新保 卓郎委員 中山 健夫委員 野口 晴子委員
花井 十伍委員 飛田 英祐委員 米盛 勧委員
近藤幸尋専門委員 斎藤忠則専門委員 福田敬専門委員
国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官
<事務局>
中田医療技術評価推進室長 他
 

○議題

○パドセブに係る総合的評価について

○議事

○費用対効果評価専門組織委員長
 パドセブ点滴静注用に係る総合的評価について御議論をいただきます。
 公的分析によるレビュー結果が提出されておりますので、公的分析の説明をお聞きいただいた上で、企業分析の内容及び公的分析によるレビュー結果の審査、並びに費用対効果評価案の策定について先生方に御議論いただきたいと思います。
 では、パドセブ点滴静注用について、まずは事務局から説明をお願いいたします。
(事務局・国立保健医療科学院より説明)
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございました。
 本品目は企業からの意見聴取はございませんので、それでは、当該品目について御議論をお願いしたいと思います。
 なお、御議論に当たっては、企業分析結果について、公的分析のレビュー結果を踏まえつつ、その科学的妥当性について御議論を進めていただきますようお願い申し上げます。
 ○○先生、御意見はいかがでしょうか。
○○○委員
 本剤は臨床的にも非常に意義のある薬剤でございまして、現在、先行化学療法その他の後に使っているのですけれども、OSの延長、その他いわゆる実臨床でもそういった効果が認められているという薬剤です。
 実は、この薬剤は今グローバルの治験でファーストラインに持っていこうという形の治験が走っておりまして、それなりの結果も得られている。
 確かにICERとしてはお高いとは思いますが、臨床的効果は十分に満たしていると考えております。
 以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございました。臨床の有用性については非常に高いお薬という御意見でありました。
 その他の先生方、御意見はいかがでしょうか。
 では、○○先生、どうぞお願いいたします。
○○○委員
 ○○です。
 今回の公的分析のレビューの結果でおおむね受入可能ということで、私もそのようなことでよいと思うのですが、2点確認させていただきたいのは、一つは今も先生からのお話にありましたように、臨床的には非常に意義のある薬のようだということでございますが、諸外国の医療技術評価機関の結果は、やはり費用対効果がよろしくないということで非推奨になっていたり、条件つき推奨、多分カナダの条件つき推奨というのはかなり価格を下げた上での推奨ということではないかと思うのですが、そういう諸外国での使用の状況についての情報があれば教えていただければというのが1点目でございます。
 2点目は、細かい話で恐縮です。8枚目と9枚目のスライドで、8枚目では製造販売業者の分析結果はおおむね受入可能というようなことなので、若干の課題があるのかなというふうに読みましたが、9ページ目だと結局は数字に関しては全く再計算なく、そのままその数字を採用されているということでよろしいのか。8枚目と9枚目の表現のところで、どのような御判断で進められたのかということの確認をさせていただければと思います。
 以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
 では、科学院さん、よろしくお願いいたします。
○国立保健医療科学院
 ○○先生、ありがとうございます。
 1点目にいただいた諸外国における臨床実態の状況については、我々のほうでは把握しておりませんので、可能であれば臨床の先生にぜひお答えいただければなと考えています。
 それから、2点目ですけれども、例えばOverall SurvivalやProgression-Free Survivalの推計をするときに、一般的にはパラメトリックな曲線を引いて外挿していくわけでありますけれども、一体どういう曲線を引いていったらいいのかとか、あるいは集団ですね。今回、サブ集団はパクリタキセルのサブ集団を用いるべきなのか、あるいは全集団を用いるべきなのか、いろいろ議論がある点と認識しているのですけれども、いずれ設定を変えてもほとんど結果は影響を受けないということで、このようなレビュー結果あるいは分析結果とさせていただいたところになります。
 以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 ○○先生、海外の使用実態はいかがでしょうか。もし御存知でしたらお願いいたします。
○○○委員
 実は、最初日本で上市するときは、海外の値段よりも結構安い価格で上市していると聞いております。ですから、海外のほうが実は日本の価格よりも高い価格で販売されている。そうすると、なおさらQALYも高くなっていくので、カナダのような状況が生まれているのではないかなと推測されますが、いわゆる学会レベルの発表を見ますと、きちんと海外でも、こういった薬、アメリカのASCOやヨーロッパのESMOというところで発表を見ますと、やはり演題件数は結構多いので、きちんと使われているのではないかなということは推測されます。
 以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 ○○委員、いかがでしょうか。
○○○委員
 分かりました。ありがとうございます。
 やはり価格の面でのいろいろな調整をしながら使用しているのではないかと先生のお話からも感じました。ありがとうございます。
 あと、科学院のほうの御説明もありがとうございました。恐らく前提条件があるともちろん結果も動く中で、今回の値が受入可能だということのいろいろな検証をされたということが分かりました。ありがとうございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
 その他の委員、いかがでしょうか。
 ○○委員、お願いします。
○○○委員
 ありがとうございます。
 分析の結果、妥当だということで、今、了解いたしました。
 先ほど○○委員から、今後これがファーストラインになってくる可能性が近い将来あり得るというお話だったのですけれども、その場合にはかなり対象とする患者の数も変わってくる、対照技術も変わってくるので、そのときはまた改めてこの薬剤が費用対効果の俎上に乗る可能性があるというような認識でよろしいでしょうか。これは将来のことですけれども。
○費用対効果評価専門組織委員長
 ○○先生、ファーストラインになった場合、ボリュームとはいかがでしょうか。
○○○委員
 実は今、ファーストラインのグローバルの治験というのは、このパドセブ単剤ではなくて、いわゆるIO製剤とのコンビネーションであるとか、もっともっとより高い値段のファーストラインという形になっているので、これに関しては、承認時にきちんと考慮していかなくてはいけない問題ではないかなと考えております。ですから、今のところ、治験のセッティングを見ると、単剤でファーストラインということではないかなという形なので、いわゆるコンビネーションの市場となると思います。
 以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 ○○委員、まず適用について伺いましたが、いかがでしょうか。
○○○委員
 ありがとうございます。また同じ薬でまた状況が変わってきそうだということで、近い将来の課題ということで了解いたしました。
○費用対効果評価専門組織委員長
 あともう一つ、事務局さん、これは適用というか症例が増えることによってまた改めて費用対効果の議論をしなければいけないというようなことはあるのですか。
○事務局
 事務局でございます。
 評価終了後に、国立保健医療科学院からの意見を参考にして、評価に重要な影響を与える新たな知見が得られたというものであれば、H3という区分に指定をするという制度上の規定がございますので、今後H3として指定される可能性はあるものと承知しております。
 以上でございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございました。
 ○○委員、よろしいでしょうか。
○○○委員
 了解しました。ありがとうございます。
○費用対効果評価専門組織委員長
 その他の先生方、いかがでしょうか。
 ○○委員、お願いいたします。
○○○委員
 先ほど我が国の上市のときの価格がヨーロッパよりも高いとおっしゃいましたでしょうか。
○○○委員
 安かったのです。
○○○委員
 安かったのということですね。失礼しました。
 それで、今、頂いた資料を確認したら、確かに9万9000円ぐらいで、そこにある参考価格はアメリカのAWPで40何万とついているようです。ヨーロッパの価格は全然書いていないので、外国価格調整はかかっていないように思うのですけれども、先ほどHASの結果が20万ユーロ/QALYですか。かなり高そうな気もするのですけれども、公開していないとフランスとかドイツの価格は分からないですよね。大分違うのでしょうか。どなたにお聞きしたらいいのか。本品には、少なくとも外国価格調整はかかっていないですよね。
○費用対効果評価専門組織委員長
 価格調整の話ですが、念のため、事務局さんからコメントはございますでしょうか。
○事務局
 事務局でございます。
 外国平均価格調整について御質問いただいたところでございますけれども、お手元の資料の費-1―参考1-6をもし御覧いただけるようであれば御覧いただきたいと思います。
 こちら、パドセブの薬価算定について用いられた資料でございますが、1ページ目の真ん中のところに外国平均価格調整がなしと記載されております。例えば今回の薬価につきまして加算された価格というのが、算定薬価が30mg1瓶で9万9609円となってございます。この下に参考として外国価格が記載されておりますけれども、この為替レートは当時のレートでございますけれども、30mg1瓶が、米国ですと、ASPの値になりますが、37万3000円。あと、その下にはAWPの価格が記載されておりますけれども、43万8000円という価格に対して、日本では9万9609円という薬価になってございます。そして、外国平均価格調整はなかったと記載をされているところでございます。
○○○委員
 もう一ついいですか。同じHASなのですが、ASMRが4になっているけれども、4だと普通は価格はほかのヨーロッパの国並みということですよね。同じように比べるのはおかしいかもしれませんが、我が国のほうは類似薬効比較方式で加算がついていると思うのですけれども、フランスは既存の抗がん剤がついているようなものと大体同じのがついているということでしょうか。これは科学院にお伺いしたいのですけれども。
○費用対効果評価専門組織委員長
 では、科学院さん、4というのは軽度の改善というような理解でおりますが、○○先生とかも御説明されていたと思いますけれども、お願いできますでしょうか。
○国立保健医療科学院
 科学院です。
 フランスのHASのASMRの4については、3以上になりますとHASではヨーロピアン価格を保障するというような言い方で価格交渉をしているようであります。ただし、ヨーロピアン価格といいましても、例えばイギリスではアクチュアルプライスというのが全く分からないような状況ですので、一体どういう形での価格がついているかというのは何とも言えないかなというところになるかなと思っています。
○費用対効果評価専門組織委員長
 ○○委員、よろしいですか。
○○○委員
 きちんとしたピボタル試験があって、ICERが似ているということは価格も似てるのかなと推測しました。ありがとうございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
 お疲れさまです。
 その他の先生方、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、議決に入らせていただきたいと思います。○○委員におかれましては議決の間、一時御退席をお願いいたします。
(○○委員退室)
○事務局
 事務局でございます。
 ○○委員の退席が確認できましたので、どうぞよろしくお願いいたします。
○費用対効果評価専門組織委員長
 それでは、議決に入らせていただきます。
 先生方の御意見をまとめますと、パドセブ点滴静注用に関する費用対効果については、公的分析によるレビュー結果を踏まえ、企業分析結果を費用対効果評価案として決定するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、以下の再分析結果を費用対効果評価案として中央社会保険医療協議会に報告いたします。
 なお、内示及び中央社会保険医療協議会に提出する資料に関しては、委員長に一任していただくということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、事務局は○○委員に入室していただいてください。
(○○委員入室)

 

(了)
<照会先>

厚生労働省保険局医療課企画法令第2係

代表: 03-5253-1111(内線)3140

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