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2022年11月25日 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 第8回議事録
○日時
令和4年11月25日(金)13:00~
○場所
オンライン開催
○出席者
田倉 智之委員長 斎藤 信也委員長代理 池田 俊也委員 木﨑 孝委員 |
新谷 歩委員 新保 卓郎委員 中山 健夫委員 野口 晴子委員 |
花井 十伍委員 飛田 英祐委員 米盛 勧委員 |
貴島 晴彦専門委員 高橋 祐二専門委員 福田 敬専門委員 |
国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官 |
<事務局> |
中田医療技術評価推進室長 他 |
○議題
○エムガルティに係る追加分析、総合的評価について
○議事
○費用対効果評価専門組織委員長
では、続きまして、エムガルティ皮下注について、公的分析による追加分析結果が提出されておりますので、公的分析からの意見聴取を行った上で、企業分析の内容及び公的分析による再分析と追加分析結果の審査並びに費用対効果評価案の策定について先生方に御議論いただきたいと思います。
では、エムガルティ皮下注について、事務局からの御説明をお願いいたします。
(事務局・国立保健医療科学院より説明)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、当該品目について、御議論をお願いいたします。
なお、御議論に当たっては、追加分析の結果を踏まえ、企業分析結果と公的分析の再分析結果、及び追加分析結果のいずれがより科学的により確からしいかを相対的に評価することを踏まえて御議論を進めていただきますようお願い申し上げます。
それでは、御意見いかがでしょうか。
○○委員、いらっしゃいますでしょうか。コメントを幾つかいただいていたので、もしよろしかったら口火を切っていただいてもよろしいでしょうか。
○○○委員
私は先ほど事務局から紹介していただいた少数意見の者なので、私が最初に言うのがいいのかどうか分かりませんが、公的分析班というか、科学院から御説明がありましたように、私はやはりオリジナルのEQ-5Dで取ったものを使うのがいいと今でも考えております。
それで、宿題をこちらの組織で出していただいて、それに精いっぱい対応するということで、日英のEQ-5Dのタリフをプロットして回帰するのか、目盛りを合わせるのかということなのですけれども、先ほど科学院からも控え目なコメントがありましたが、なかなか科学的にはどういう意味があるのかなと。イギリス人のほうが低い値が出るので、それを加味してうまく数値をモディファイするというぐらいのことなのかなと思っています。マッピングそのものが決していいとは思わないですが、今回のやり方は、マッピングに代わるものではないような気がします。イギリスの生の値を使うよりはこちらのほうがまだましというので、比較優位というか、そういう観点から、結果を支持するという意見を書きました。全面的に今回の追加分析にアグリーしているというつもりはありません。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
その他の先生方、いかがでしょうか。前回は○○委員と○○委員にいろいろとコメント、助言をいただいていたと思いますけれども、今回この追加分析が出てきましたが、両名の委員から見ていかがでしょうか。○○委員、お願いしてもよろしいでしょうか。
○○○委員
コメントにも少し書かせてもらってはいるのですけれども、いずれにしても、○○先生もおっしゃられたように、もうかなり限界がある中で何かを判断しなければいけない。何をやったところで不確実性は残るというところの限界があると考えています。
ただ、前回、企業の方々からの説明や企業の専門家の先生とかのお話を聞く限りだと、今回、科学院が出されたスライドの11ページ目にある企業の分析のQOLの推移と公的分析が実施された分析結果、恐らくこの中間辺りに本来の姿があるのではないかと考えるのも一つ素直な考え方だと理解しています。その上で、目盛りのスケールを変換するという方法と、タリフ値に基づく回帰直線を使うということに関しては、これもいろいろな意見はあると思いますが、目盛り値に関しては片方の目盛りだけを何倍かしているという状況になるので、相関関係には影響はないもののデータのばらつきに関する影響を考慮していないため、個人的には素直に回帰直線を使う方法が、苦肉の策としては一つ説明がつく方法ではないかなと考えています。
○費用対効果評価専門組織委員長
大変貴重なコメントをありがとうございました。
○○委員、もしよろしかったらお願いできますでしょうか。
○○○委員
私も○○委員とほぼ同じ意見なのですけれども、前回の臨床試験のEQ-5Dのデータを見る限り、やはりかなりacuteな疾患ではシーリング効果が出ていて、疾患のQOLを正確に捉えていないのではないかなというところで、EQ-5Dを使うにしても問題はある。ですので、公的分析と企業分析の中間のところに真実があるのかなという印象で、ちょっと追加で見ていただくというのをお願いしたのですけれども、こちらの統計学的なことを言いますと、10ページ目の散布図を見ていただくと、やはりレンジだけを使って②のやり方。結局、最大と最小値のレンジの値を使っていますので、2人の人の値、2点動けば変わってしまう値というところで、データ自体の分布を無視したやり方だということで、統計学的には賛成しがたいものがあるなというところで、分布をきちんと反映している回帰直線を使うべきだということで、①の方法がより妥当ではないのかなという印象を持っています。
科学院さんの説明では、二峰性があるというところで、回帰直線が真ん中、データのないところを通っているというところが①よりも②がいいのではないかという理由を述べられたのですけれども、今回は傾きが重要であって、切片が動くというのは実際に、二群比較する場合は切片のところはプラス・マイナス・ゼロになりますので、切片がずれるという意味では、それは統計的には問題がないのではないかと考えたときに、10ページの二峰性がある分布は、傾きは平行なのではないかなという印象もあり、回帰直線はその傾きにより近い値で出ているので、数学的に見ても二峰性というのはそれほど問題ではないのかなという印象で1のほうが統計的に妥当ではないかと思っています。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
先生方の御意見をまとめますと、今までの議論で限界があってスタックしてしまっていたこともあり、今回、追加分析をしていただいたということでありますが、○○委員も苦肉の策とおっしゃっていただいたとおり、消極的な選択として、追加分析を支持する先生方が多かったということだと思います。
それを踏まえて、続いては今回、公的分析さんのほうで苦労されて2つのアプローチ、いわゆる単純な回帰直線なのか目盛り調整なのかという点を議論しますが、今のお二人の先生方の御意見を伺うと、いろいろな観点から単回帰のほうが説明というか、理解しやすいというようなお話であったのかなと思いますが、この辺りについてはいかがでしょうか。 ○○委員、お願いします。
○○○委員
傾きそのものは1でも2でもあまり変わらないのですが、先生方の御意見のとおり、回帰のほうがより受け入れられるのかなと私としては感じております。
ちょっと確認というか質問なのですが、11ページの追加分析①、②の線ですが、これは月当たり片頭痛日数ゼロ日のところの切片と呼んでいいのか、MSQからのマッピングの値のところから線が引かれているのですが、これはどういう根拠でそうなっているのでしょうか。EQ-5Dのところから引くという考え方もあると思うのですけれども、このMSQからのマッピングの値は受け入れて、そこから引くというのはどういう理屈によるのか、教えていただきたいと思います。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、科学院さんのほうからお願いできますか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。追加分析①については切片を調整していないので、MSQからの青線よりも少し上側から出ている形になるのですけれども、○○先生御指摘のとおり、追加分析②については、このMSQからのマッピングの切片、およそ0.8のところから傾きを調整しているという形になって、ですので目盛りの調整というふうに申し上げたのですけれども、その根拠については、○○先生のおっしゃるように、EQ-5Dのオレンジの線のゼロ日のところから引くというのも当然あり得るというか、考え方としては妥当だろうと感じるところなのですが、どちらから引くかと言われたときに、我々の主張のEQ-5Dを使うというよりも、我々の主張に対して保守的な結果が得られるMSQからのマッピングのところから引いたというところです。
○○○委員
すみません。ちょっと答えにくい質問だったかもしれませんが、そうなりますと、いろいろほかの委員の先生方からの御提案の、例えば回帰直線を用いるということであれば切片をどこから引くかということについての答えもそれと連動して決まってくるので、むしろ①の方法を採用するということであれば、私の投げたような疑問は特段そこについて悩む必要はないという理解でいいですか。
○国立保健医療科学院
そうですね。①については普通に変換しただけですので、そのような懸念はなくなるかなと思っています。
○○○委員
分かりました。そういう意味では、②の方法というのは、ある意味不完全というか、恣意性と言ってはいけませんけれども、やや課題がさらに残る変換方法かなと感じました。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
今の議論を含めて、その他の先生、いかがでしょうか。コメントはありますか。
今のところ追加分析を支持するということと、あとは今、3名の先生方の御意見を伺いますと、今回、調整の方法としては①の単回帰というものが支持されているということですが、いかがでしょうか。何かコメントございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、追加分析で、なおかつ今回は単回帰を使ったやり方を選択するということで議決のほうに入らせていただきたいと思います。
それでは、議決に入る前に、○○委員、○○委員におかれましては、議決の間、一時御退席をお願いいたします。
(○○委員、○○委員退室)
○事務局
事務局でございます。
退室のほうを確認できましたので、よろしくお願いいたします。
○費用対効果評価専門組織委員長
先生方の御意見を参考に、エムガルティ皮下注に関する費用対効果については、公的分析による案3の追加分析を踏まえた分析結果を費用対効果評価案として決定するということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
それでは、公的分析による再分析結果を費用対効果評価案として中央社会保険医療協議会に報告いたします。
なお、内示及び中央社会保険医療協議会に提出する資料に関しては、委員長に一任していただくということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
それでは、事務局は○○委員、○○委員を入室させてください。
(○○委員、○○委員入室)
○事務局
事務局でございます。
入室のほうを確認できましたので、よろしくお願いいたします
○費用対効果評価専門組織委員長
その他、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
○○委員、お願いします。
○○○委員
もう議決はなされたので、議決どおりでいいのですけれども、3番目の議題のことです。タリフ値をああいうふうに変換するという、今回、私の表現だと苦肉の策だと思うのですが、皆さんお認めいただいたのですけれども、今後、日本人のデータはないけれどもイギリス人のデータはあるというときに、あの式を使ってというようなことになるおそれがあるのではないかと。それが杞憂ならいいのですけれども、そういうことに関して何か科学院さんなどで、今回の変換式の扱いはどういうふうにお考えか、お聞かせ願えたらと思います。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、科学院のほうからお願いできますでしょうか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。諸外国のHTA機関での評価などを眺めていても、あまりこのような形で国内外のQOL値の差を調整している例はかなり少なくて、先ほど御説明さしあげたとおり、このような変換ということ自体に非常に不確実性というか、方法論上の課題がありますので、なるべくは基の値を尊重するのかなというふうに思うところですが、今回のように極めて例外的なケースについては、またその際に御検討いただくことになるのかなと思っています。
○○○委員
私も今回だけの例外という扱いがいいと思います。もちろん個別に今後必要があればまた検討するということで。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、今の御意見を伺いますと、今回の追加分析の方法は、品目の特異性を踏まえて個別案件として処理をしたということで、本組織において整理をしているということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
<照会先>
厚生労働省保険局医療課企画法令第2係
代表: | 03-5253-1111(内線)3140 |
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