ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会保険医療材料等専門組織> 中央社会保険医療協議会保険医療材料等専門組織 令和3年第8回

〇場所 オンライン開催

 
〇出席者
〈委員〉
小澤壯治委員長、岩瀬嘉志委員、後藤励委員、
近藤幸尋委員、土谷一晃委員、服部雅之委員、久松理一委員、
前原健寿委員、安田聡委員、矢冨裕委員、若林則幸委員、
渡邉善則委員、田倉智之委員
 
〈事務局〉
中田医療技術評価推進室長 他

 
〇議題
医療機器等の保険適用について


2021-11-10 保険医療材料等専門組織(令和3年度第8回)
 
E3申請 AmoyDx肺癌マルチ遺伝子PCRパネル
 
○保険医療材料等専門組織委員長
 では、次にE3申請「AmoyDx肺癌マルチ遺伝子PCRパネル」につきまして御審議いただきますが、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、保険適用原案について説明。)
○保険医療材料等専門組織委員長
 ありがとうございました。
 審議に先立ちまして、製造販売業者から意見表明を聞くこととなっております。
 では、事務局は株式会社理研ジェネシスの方にウェブ会議に参加していただいてください。
(意見表明者入室)
○保険医療材料等専門組織委員長
 早速ですが、6分以内で意見を述べてください。
○意見表明者
 お手元の資料の7ページを御覧ください。
 AmoyDx肺癌マルチ遺伝子PCRパネルについて意見表明いたします。
 弊社からの説明後、□□□□□□□□□□□□□□□□先生にアルゴリズム例について御説明していただきます。
 次に8ページ目を御覧ください。
 まず、本品の概要です。本品の使用目的はEGFR、ALK、ROS1、BRAF、METの検出で、非小細胞肺癌患者への抗悪性腫瘍剤の適応を判定するための補助に用います。対象薬剤はこちらに記載のとおりです。検査原理はリアルタイムPCR、対象検体はFFPE、新鮮凍結組織、製造販売業者は弊社、製造元は中国のAmoy Diagnostics社です。
 9ページ目を御覧ください。
 希望書の概要です。保険適用区分はE3、測定項目はD004-2 悪性腫瘍組織検査、希望点数は1万500点です。準用先はD004-2、1、イ処理が容易なものの2,500点と、4項目以上8,000点を足した点数を準用しております。根拠は後ほど御説明いたします。
 10ページ目を御覧ください。
 適用疾患です。現状の主なターゲットは、肺がん患者の中で約60%を占める非扁平上皮非小細胞細胞肺がん患者であり、7万4706症例と算出しております。
 11ページ目を御覧ください。
 既存検査との比較です。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
 12ページ目を御覧ください。
 既存検査との相関性試験成績です。各単一遺伝子検査、オンコマインと相関性試験を行い、いずれも高い相関性を示しております。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□。
 13ページ目を御覧ください。
 現状の検査の課題と臨床ニーズについてです。まず、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、網羅的に遺伝子変異が検出できるマルチ遺伝子検査が求められています。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
 14ページ目を御覧ください。
 本品の特徴は、TATが短く、早期の治療戦略立案に貢献できる、国内初のPCR法を用いたマルチプレックス検査であり、測定・解析が簡便、必要検体量が少ない、測定成功率が高いとなります。したがって、本品が臨床導入されれば、従来法の検査の課題を克服し、肺がんのプレシジョン・メディスンに大きく貢献すると考えられます。
 次に、15ページ目を御覧ください。
 希望点数とその根拠についてです。
 希望点数は1万500点です。本品の測定項目は5項目であることから、弊社として、D004-2、1、イ処理が容易なものに5項目以上の新規設置を希望いたします。ただし、現時点で5項目以上の項目が存在しないため、2,500点と4項目以上の8,000点を合算した1万500点を希望点数といたします。
 16ページ目を御覧ください。
 最後に、1テスト当たりの検査費用についてです。計算はこのような形になっております。コストも考慮していただきたく、よろしくお願いいたします。
 弊社からの説明は以上となります。
 続きまして、□□先生、よろしくお願いいたします。
○意見表明者
 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□よろしくお願いいたします。
 まず、お手元の資料の18ページ目を御覧ください。
 これは、肺癌診療ガイドライン最新版、2020年版のⅣ期非小細胞肺がんの治療方針について簡略にまとめたものであります。Ⅳ期の非小細胞肺癌では、まずドライバー遺伝子の変異を調べ、そして、それが陽性であった場合はそれぞれのキナーゼ阻害薬を使うというのが第一選択となっておりまして、現在、ドライバー遺伝子に関しては挙げてある5つの遺伝子を治療前に調べることが非常に重要となっております。これらの遺伝子変異に対する分子標的薬の治療は生存期間4~5年を見込める治療でありまして、やはりこのドライバー遺伝子の診断というのがまずもってⅣ期非小細胞肺がんの治療に重要になってくるという我々は認識しております。
 そこで、今回AmoyDx肺癌マルチ遺伝子PCRパネルは、先ほどありましたように、これまでの遺伝子診断の問題点を克服するパネルでありまして、このパネルを用いることによって、迅速にⅣ期の肺癌の患者さんに分子標的を用いて適切な治療を選択できるという診断パネルとなっておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。
○意見表明者
 以上となります。
 御清聴ありがとうございました。
○保険医療材料等専門組織委員長
 委員の先生方から御質問はございますでしょうか。
○委員
 組織から抽出したDNAということなのですが、例えばアーカイブ標本というものの場合、要するに、適正な期間、例えば1年以内が望ましいとかといった、ホルマリンから取ってきた場合はどのような対応なのでしょうか。
○意見表明者
 理研ジェネシスの□□から回答いたします。
 こちらについては、保管期間2年以内のFFPE組織を推奨としております。
○委員
 了解です。
 では、2年以内で、例えば現在ホルマリンが20%で昔保存していたとか、最近になってやっとゲノムに対して10%になっているとかということがあって、組織の状況は若干均一ではない場合があるのですけれども、これはうまくいかなかった場合の対応というのは何かあるのですか。
○意見表明者
 再検査についてですか。
○委員
 要するに、アーカイブの組織というのは、例えばFoundationOneとかの場合は、アーカイブの組織が使えなかった場合、リキッドに変更しても大丈夫だとかといったレスキュー的な措置があったりするのですけれども、この場合はどういったものがあるのでしょうか。
○意見表明者
 リキッドにつきましては今回の対象からは外れておりまして、基本的にはFFPEと新鮮凍結組織になります。したがいまして、DNA、RNAは濃度が推奨として設定されておりまして、もし試験をする前の段階で推奨が外れているようでしたら、調製DNA、RNAを再調製していただくか、再度検体を取ってきてやっていただくかという形になるかと思います。
○委員
 その一連は1請求でよろしいのでしょうか。
○意見表明者
 DNA、RNAを一度検査センターのほうで抽出された段階で、我々が推奨させていただいている濃度やOD値の範囲内に入っていない場合には、検査センターのほうから医療機関様に御連絡をさせていただき、検体の再提出というところに関しては一連の費用の中で賄うかと存じます。
○委員
 ありがとうございました。
○保険医療材料等専門組織委員長
 ほかに御質問ございますでしょうか。
 ないようですので、これで意見表明の聴取を終了いたします。意見表明者は御退室ください。
○意見表明者
 ありがとうございました。失礼します。
(意見表明者退室)
○保険医療材料等専門組織委員長
 保険適用原案につきまして御議論をお願いいたします。いかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
○保険医療材料等専門組織委員長
 それでは、先生方の御意見を集約いたしますと、AmoyDx肺癌マルチ遺伝子PCRパネル、決定区分E3、保険点数1万点ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)

E3申請 Simprova呼吸器感染症パネルCP
 
○保険医療材料等専門組織委員長
 ありがとうございます。
 では、次にE3申請「Simprova呼吸器感染症パネルCP」につきまして御審議いただきますが、まず事務局から説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、保険適用原案について説明。)
○保険医療材料等専門組織委員長
 ありがとうございました。
 審議に先立ちまして、製造販売業者から意見表明を聞くこととなっております。
 では、事務局は栄研化学株式会社の方にウェブ会議へ参加していただいてください。
(意見表明者入室)
○保険医療材料等専門組織委員長
 早速ですが、6分以内で意見を述べてください。
○意見表明者
 それでは、Simprova呼吸器感染症パネルCPの意見表明を開始いたします。
 お手元の資料は5ページ目からになります。よろしくお願いします。
 まず6ページ目、本製品の概要についてです。使用目的は、鼻咽頭拭い液または喀痰から抽出された肺炎クラミジアDNAの検出です。薬事承認済みの製品となります。
 保険点数は、SARSコロナウイルス核酸検出を準用し、450点を希望します。
 続いて、7ページ目になります。
 本製品は、全自動核酸検査装置Simprovaによる全自動での簡便な操作、トータル50分以内の迅速な検査、特異的プローブによる高い特異性を特徴としております。
 次に8ページ目、肺炎クラミジア感染症の説明です。
 まず、病原体はChlamydophila pneumoniaeで、ヒトを宿主とし、飛沫感染で伝播します。患者は小児や高齢者が多く、ほかの細菌との重複感染も少なくありません。見逃し例も多くあります。抗体保有率は成人で5~6割と極めて一般的な感染症です。
 症状は、基本的には咳嗽や喀痰、咽頭痛などが出ますが、高齢者や基礎疾患を持つ場合は重症化することもあります。
 肺炎クラミジア感染症は特徴的な臨床所見に乏しいため、鑑別が難しい感染症です。
 次に9ページ目、肺炎クラミジアを鑑別するための既存技術とその課題です。
 まずは病原体の分離・同定法です。こちらは鼻咽頭から採取した検体サンプルを細胞に感染させて培養し、同定する方法です。しかしながら、そもそもの培養が難しいということ、さらに同定までに時間がかかるといった課題点があり、一般的な臨床現場では検査法として用いられておりません。
 続いて、抗体価測定法です。こちらは血清中の肺炎クラミジア抗体価を測定する方法で、現在最も一般的に使用されている方法です。シングル血清におけるIgMまたはペア血清におけるIgAやIgGを測定します。基本的にはシングル血清で測定可能なIgMを測定することが多いです。しかし、いずれにしても抗体価が上昇するまで、発症から2~3週間かかりますので、早期診断が難しい方法となっております。
 以上をまとめますと、周囲への感染拡大防止、また、抗菌薬の適正使用のために早期診断が望まれておりますが、簡便で早期診断可能な検査法がないのが現状となります。
 次に10ページ目、本製品の臨床上の有用性について御説明します。
 本製品はLAMP法を用いた核酸検査法のため、まず発症直後からの診断が可能であるということ。また、迅速で特異性の高い検査が可能なため、その場で検査結果を基にした治療が可能であり、それが抗菌薬の適正使用につながるということが有用な点であると考えております。
 次に11ページ目、準用検査技術であるSARSコロナウイルス核酸検出の類似性の説明になります。
 まず、こちらを準用先として選んだ理由として、□□□
 また、検出法はどちらもLAMP法ということで、本検査はSARSコロナウイルス核酸検出を準用して、保険点数450点を希望します。
 次に、12ページ目に移ります。
 肺炎クラミジア感染症の適用患者数について御説明します。□□□
 □□□15万件を年間の最大適用患者数として算出しました。
 次に13ページ目、本製品の予測販売高に移ります。
 □□□発売8年後をピークとして、最大1万8000テストが本検査に置き換わるだろうと予想しております。
 最後になります。14ページ目、本製品が与える医療経済効果になります。
 先ほど申しましたとおり、年間1万8000テストが本検査に置き換わると想定して算出しております。□□□
 説明は以上となります。ありがとうございました。
○保険医療材料等専門組織委員長
 ありがとうございました。
 委員の方から御質問はございますでしょうか。
○委員
 いわゆる尿路感染症の際に、尿中のクラミジアのPCR同定というものがあるのですが、その試験とこれは類似しているのでしょうか。同じなのでしょうか。
○意見表明者
 いえ、本検査とそちらの検査についての類示性は特にございません。
○委員
 類似性がないということは、クラミジアは同じ種類というか、クラミジアなのだけれども、尿中を扱う方法とは全く異なる新規性のあるPCRという形で判断してよろしいのでしょうか。
○意見表明者
 本検査は鼻咽頭の拭い液や喀痰を検体として用いる検査法でして、尿中からのクラミジアのDNA検出とはまた別の検査法であると考えています。
○委員
 ありがとうございました。
○意見表明者
 追加させていただきたいのですけれども、クラミジアには、オウム病と今回の菌のChlamydophila pneumoniae、それから、Chlamydia trachomatisといって性病の菌と3つあって、それぞれ別のものです。共通のところはPCRをかけるとみんなひっかかるのですけれども、なかなか目的に合致しないということで、今回の呼吸器のクラミジア、オウム病とは別のChlamydophila pneumoniaeだけをひっかけるように設定されています。
 以上です。
○委員
 了解いたしました。ありがとうございました。
○保険医療材料等専門組織委員長
 ほかにございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、これで意見表明の聴取を終了いたします。意見表明者は御退室ください。
○意見表明者
 ありがとうございました。
(意見表明者退室)
○保険医療材料等専門組織委員長
 保険適用原案につきまして御議論をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、先生方の御意見を集約いたしますと、Simprova呼吸器感染症パネルCPは決定区分E3、保険点数360点ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)

C2申請 UroLiftシステム
 
○保険医療材料等専門組織委員長
 ありがとうございます。
 では、次にC2申請「UroLiftシステム」につきまして御審議いただきます。
 まずは事務局から説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より、保険適用原案について説明。)
○保険医療材料等専門組織委員長
 ありがとうございました。
 審議に先立ちまして、製造販売業者からの意見表明を聞くこととなっております。
 では、事務局はテレフレックスメディカルジャパン株式会社の方にウェブ会議へ参加していただいてください。
(意見表明者入室)
○保険医療材料等専門組織委員長
 早速ですが、6分以内で意見を述べてください。
○意見表明者
 それでは、テレフレックス社の意見表明を始めます。
 お手元の資料の8ページ目を御覧ください。
 9ページ目が本品の概要です。本品の販売名はUroLiftシステム、一般的名称は植込み型前立腺組織牽引システムです。前立腺肥大症に伴う排尿障害の改善を目的とした新医療機器です。
 次に、10ページ目は前立腺肥大症に対する既存治療の概要を示したものです。
 まず、電気やレーザーを用いて組織を物理的に切除する外科手術が広く普及しています。治療効果が高い一方、手術侵襲や合併症リスクも高くなります。
 次に、組織の切除を伴わず加熱により腺腫を縮小し、効果を発現する低侵襲治療は、局所麻酔でも実施可能であり、出血合併症を減らすことができますが、加熱による組織へのダメージが起こるため、回復に期間を要し、尿閉の発生率の上昇も報告されています。また、長期的な再治療率が相対的に高いことも課題となっています。
 そして、尿道の物理的な開口を導く尿道ステントは、加熱によらない低侵襲法ですが、結石やステント移動が起こり、抜去、交換事例が少なくありません。
 次の11ページ目に本品を用いた手技の概要を示しています。
 本品はデリバリーデバイスを用いて、転移能動的にインプラントを前立腺に送ります。インプラントの両端にある金具を前立腺の皮膜側と尿道側に配置し、間にある縫合糸を牽引することにより、肥大した前立腺組織を圧縮し、尿道の圧迫を解除するものであります。既存治療とは一線を画すものとなっています。
 次の12ページ目は、本品の有用性と適用対象です。
 本品は、これまでの低侵襲治療と同様の利点を生かしながら、その課題に取り組みました。適用対象については、適正使用指針が学会にて改定中ですが、手術侵襲のリスクが高い患者、術中出血リスクが高い患者、高齢などのため、術後せん妄や身体機能低下リスクの高い患者に適用されることが想定されています。
 次の13ページ目に、有用性の詳細を示しました。ピボタル試験により、既存療法と比較して、合併症の発症率が低く、術後の導尿カテーテル留置が不要か短期で済み、局所麻酔で手術可能であるとの有用性が証明されました。
 次の14ページ目は、保険適用の概要です。
 本品はC2区分を希望し、算定方式は、類似となる機能区分が存在しないことから原価計算方式とし、補正加算として改良加算3項目、合計20%を希望しています。
 次の15ページ目から補正加算の根拠を3点お示しします。
 1点目は、冒頭に述べたとおり、効果発現のための作用機序が類似材料と大きく異なる点です。2ポイントに該当します。
 次の16ページ目が2点目です。外科手術が困難な患者が患者群に留置される尿道ステントのトラブルを本品が解消することが示されており、この患者群に対して有用な効果が認められる点で1ポイント該当としました。
 次の17ページ目が3点目です。術後の導尿カテーテル留置が不要あるいは短期で済むことや早期回復が見込めること、さらには性機能の保存性があることにより、既存の治療法に比べ、患者の利便性や負担軽減が高い点です。1ポイントに該当し、合計で4ポイント、1ポイント、5%とし、20%の加算を希望します。
 次は18ページ目です。
 準用技術料としてはK821、尿道狭窄内視鏡手術1万5040点を希望しています。
 次の19ページ目が最後のページになります。
 これまで述べましたとおり、本品は前立腺肥大症による排尿障害に対し、新しい侵襲治療を提供することができます。
 意見表明は以上です。御清聴ありがとうございました。
○保険医療材料等専門組織委員長
 ありがとうございました。
 委員の方から御質問はございますでしょうか。
○委員
 非常に低侵襲な治療ということで理解できたのですけれども、前立腺の形状というのは個人で差が結構あると思うのですが、例えば非常に大きい前立腺で、いわゆるアンカーというか皮膜まで動くかどうか。例えばスリットというか、長さの調節のサイズというのはあるのでしょうか。規格は1規格だけですか。
○意見表明者
 規格は1規格だけです。
 ピボタルの臨床試験を含めて、これまでの治験から、適用となる前立腺の体積に関して100cc未満の患者さんを対象として本品の適用を考えています。
○委員
 あと、先ほども個人によって形状が違うという話があったのですが、いわゆる中葉肥大といって、6時方向が膀胱にぽこっと飛び出してきているようなタイプのものに関しての本品の使用法というのはあるのですか。
○意見表明者
 やはり先生がおっしゃられたとおり、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ピボタル試験の後に中葉肥大に対する臨床試験も行って、治療ができることは確認できています。
 ただ、適正使用指針にも書いていただいているのですけれども、中葉肥大に関しては、通常の手術のほうで手技に慣れていただいてから中葉肥大の適用の手術をできるようにと考えていただいています。
 この点については、私だけではなくて、○申請者(専門家)からもコメントをいただければありがたいです。
○意見表明者
 ○申請者(専門家)です。
 先生がおっしゃったとおり、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□適正使用指針のほうでも、中葉肥大型の症例については側葉肥大型の症例の手技に習熟した上で提供を決定するという注意書きをつけている点と、さらに、著明な中葉肥大症に対しては推奨されないと明記しています。
 ですから、先生の御指摘のように、特に膀胱内に突出する部分が非常に大きい方がいますよね。そういう場合は、やはり□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□可能性がありますので、著明な中葉肥大、特に膀胱突出型のものについては適用外だと僕は考えています。
○委員
 ありがとうございます。
 あと、最後に1点なのですが、大きさが100cc以下ということなのですけれども、最大何個ぐらいまで使う可能性があるのでしょうか。
○意見表明者
 最大は10個を超えない個数を推奨しています。
○委員
 10個ですか。
○意見表明者
 推奨最大インプラントとしては10個になります。
 ピボタル試験では4個が一番多いパーセンテージで、その後5個、6個と続きます。10個、11個となるところは非常に少ない患者さん、ほとんどないところです。
○委員
 そうすると、希望価格が14万3000何がしなので、10個使うと140万ぐらいになってしまうということですね。
○意見表明者
 10個お使いになった場合はそうですね。必要がある。
○委員
 分かりました。ありがとうございました。
○意見表明者
 どうもありがとうございます。
○保険医療材料等専門組織委員長
 ほかに御質問はございますでしょうか。
○委員
 例えば前立腺肥大症、また、進行した場合、例えば初回に手術して4個だった。それが5年ぐらいしたらさらに追加手術になるとか、そういうことも想定されているのでしょうか。
 あと、問題は材質のところです。見ますと、ニチノールとステンレススチール、別途スーチャーですが、これは耐久性というのはどういうものなのでしょうか。例えば通常の外科的な糸ですと5年ぐらいで張力が落ちてしまいますから、この場合、結果的にだんだん伸びてきてしまって効果が落ちるということも想定できるのですけれども、その辺はどのように、これまでの段階で評価されているのでしょうか。
○意見表明者
 2点いただいた質問のうち、まず1点目の再治療に関してですけれども、再治療率は、今、ピボタルの試験では10%ぐらいありまして、その中で実施されたのは、このインプラントを追加で打ち込むという手技と、そのほか、患者さんと先生の希望により、TURPやTVP、レーザーを用いた物理的な切除の外科手術によって再治療された方もいらっしゃいます。
 アメリカの最新のデータでは、リアルワールドのデータで、ピボタルは10%の再治療率だったのですけれども、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
 1点目は大体そんなところですけれども、追加で何かございますか。
○意見表明者
 いえ、特にはありませんけれども、むしろこれは低侵襲治療で、先生が御懸念のように前立腺肥大症はナチュラルコースで徐々に肥大が進んでくることが一般的ですので、これで駄目だったら、多分私ども医者の立場からすると次のステップを考えていくのかなと。再打込みということはあまり現場ではないのではないかなという気はいたします。
 あとは、張力については私は分かりませんので、またお戻しします。
○意見表明者
 それでは、2点目にいただいた、材質と耐久性の面では、アメリカのほうでこの製品の研究開発、臨床開発に携わった者がおりますので、そちらに確認します。
○意見表明者
 まず、この素材でありますけれども、これは身体に一般的に使われている材料であります。そして必ずしも張力を維持するというものではなくて、一度これを牽引いたしますと、組織の形状というものが変わってまいります。すなわち、最初の段階で圧迫していきますと、そこに虚血が起きていき、そして、圧迫した組織におきまして萎縮が生じます。
 臨床試験におきましては、通常の評価項目に対しましてBPHということで5年まで追跡しております。データとしてはそれ以上の期間は持ち合わせておりませんけれども、多くの患者さんにおきましては、それ以上長い期間これが埋植されております。
○保険医療材料等専門組織委員長
 よろしいでしょうか。
○委員
 ありがとうございました。
○保険医療材料等専門組織委員長
 ほかに御質問ございますでしょうか。
○委員
 1点だけ伺いたいのですけれども、再狭窄した後の治療についてはこのUroLiftを使うという手もあろうかと思うのですけれども、TURPは可能なのでしょうか。不可能なのでしょうか。
○意見表明者
 それは実際にやられていて可能です。
 TURPを追加でやりますと、前立腺の組織を切除する流れの段階で、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
○保険医療材料等専門組織委員長
 ありがとうございます。
 ほかに御質問はよろしいでしょうか。
 それでは、これで意見表明の聴取を終了いたします。意見表明者は御退室ください。
○意見表明者
 ありがとうございました。
(意見表明者退室)
○事務局
 事務局でございます。
 企業の方の退室が確認できましたので、よろしくお願いします。
○保険医療材料等専門組織委員長
 保険適用原案につきまして御議論をお願いいたします。いかがでしょうか。
○委員
 大きいものだと10以上使う症例もあったということで、そうなると、結構な手技料になってしまうので、ある程度の制限をかけといたほうがいいかなと思うのですが、いかがでしょうか。
○保険医療材料等専門組織委員長
 事務局さん。
○事務局
 事務局でございます。
 本品に関しましては、留意事項としまして適正使用指針に限って使用した場合に限り算定できるというところと、個数という観点に関しましては一連の治療で原則として4個を限度として、5個以上使用する場合には摘要欄に記載していただくという形にしておりますが、先生の御発言の趣旨としては、より厳しい形での御提案という理解でよろしいでしょうか。
○委員
 だから、基本4個というのはそれで、ただ、4個以上は絶対に駄目よではなくて、今の読み方によれば、いわゆる症状詳記を書けば6個も8個もオーケーよと読み取れてしまうので、どうかなと思ったのです。
○事務局
 事務局でございます。
 まだ確認させていただきたいと点がございまして、もしほかに御質問等がございましたら、そちらのほうを進めていただければと思いますが、いかがでしょうか。
○保険医療材料等専門組織委員長
 外、御意見とか御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 そこの留意事項、(2)というところ、原則として4個を限度として算定できるという後の部分ですけれども、そこに対して制限をもう少し厳しくする必要はないのだろうかというところです。
 事務局さん、いかがでしょうか。めどは立ちそうでしょうか。もし検討にお時間がかかるようであれば、この件はペンディングにするという手もございますが。
○事務局
 事務局でございます。
 本審議に関しまして、議決を今回の審議順の最後に回していただいて、その形でまた御説明をさせていただければと思います。よろしいでしょうか。
○保険医療材料等専門組織委員長
 一旦中断という形で、次の製品につきましての審議に移りたいと思います。

C1申請 Harmony経カテーテル肺動脈弁システム
 
○保険医療材料等専門組織委員長
 かしこまりました。ありがとうございます。
 では、次にC1申請「Harmony経カテーテル肺動脈弁システム」につきまして御審議いただきますが、安田委員におかれましては、利益相反の申告により本品の審議には参加できず、御退席となります。
 では、安田委員に御退席をお願いいたします。
(安田委員退席)
○事務局
(事務局より、保険適用原案について説明。)
○保険医療材料等専門組織委員長
 ありがとうございました。
 審議に先立ちまして、製造販売業者から意見表明を聞くこととなっております。
 では、事務局は日本メドトロニック株式会社の方にウェブ会議へ参加していただいてください。
(意見表明者入室)
○保険医療材料等専門組織委員長
 早速ですが、6分以内で意見を述べてください。
○意見表明者
 よろしくお願いいたします。
 Harmony経カテーテル肺動脈弁システムの意見表明を始めさせていただきます。
 意見表明資料の9ページを御覧ください。
 本品の概要について御説明いたします。本品は、肺動脈弁置換が臨床的に必要とされる肺動脈弁逆流症の患者に使用するために開発された、経皮的に留置する肺動脈弁専用のシステムでございます。
 類別、一般的名称、販売名、承認番号、承認年月日、製品概要は記載のとおりでございます。
 使用目的または効果につきましては、右室流出路への外科的修復またはバルーン弁形成術の既往があり、肺動脈弁置換が臨床上必要とされる重度肺動脈弁逆流症の患者に使用する。ただし、外科的手術のリスクが高く、本品による治療が最善であると判断された患者を対象とする。なお、右室肺動脈コンデュイットもしくは人工弁が留置されている患者は本品の対象とはならないとなっております。
 また、本品は希少疾病用医療機器の指定を受けております。
 10ページを御覧ください。
 現状の課題・アンメットニーズについて御説明いたします。
 現在の治療の流れですが、乳幼児期に先天性心疾患によるRVOT及び肺動脈弁の異常が見つかった場合、外科的修復やバルーン弁形成術、またはコンデュイットへの置換などによる外科的手術が行われます。ただ、後年、成人期に肺動脈弁機能を回復させるため、追加的機能を必要とする重度の肺動脈弁閉鎖不全を発症する頻度が高いことが問題視されており、一生涯に複数回の外科的手術(開心術)が必要となっております。
 乳幼児期に外科的修復またはバルーン弁形成術を受けて、自己RVOTが温存されている患者の成人期における課題は、治療選択肢が外科的手術に限定されており、患者が生涯繰り返すことになる開心術の回数を重ねることに起因した死亡リスク上昇の懸念や、入院期間の長期化であり、より低侵襲な治療オプションが切望されていました。
 11ページを御覧ください。
 既存の技術(経カテーテル肺動脈弁)について御説明いたします。
 乳幼児期にRVOTの機能不全を発症した患者のうち、コンデュイットへの置換えや人工生態弁の植込みが行われていて、後年、コンデュイット・人工生体弁の狭窄、閉鎖不全またはその複合を発症した場合、本邦ではサピエン3を用いた経カテーテルによる肺動脈弁置換が保険収載されております。
 一方、外科的修復またはバルーン弁形成術による修復を行った自己RVOTは適応外となっております。その理由として、複雑な構造を有する修復後の自己RVOPへの再治療は解剖学的に専用のシステムが必要となるためでございます。
 本品は、自己RVOTの重度肺動脈弁逆流症治療のために開発された専用の経カテーテル肺動脈弁システムでございます。
 12ページを御覧ください。
 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
 13ページを御覧ください。
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 14ページを御覧ください。
 本品の機能・構造について御説明いたします。
 本品は、自己RVOTの多様な解剖学的構造に対応するため、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ステントグラフト構造を有しております。この構造により、自己RVOTの解剖学的構造に適合させ、弁機能を損ねることなく血流制御が可能となります。
 本品は、自己RVOTの解剖学的構造に適合するため、従来のTAVR弁とは異なる機能・構造を有しています。
 15ページを御覧ください。
 保険適用希望概要について御説明いたします。
 希望する区分はC1、希望する算定方式は原価計算方式でございます。
 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□算定希望価格は587万円となります。海外価格比は1.11倍となります。
 本品は、自己RVOTの解剖学的構造に適合するため、従来のTAVR弁とは異なる機能・構造を有しており、有用性加算□□□□□□□□に市場性加算(Ⅰ)に該当すると判断し、合計20%の加算を希望いたします。
 意見表明は以上でございます。ありがとうございました。
○保険医療材料等専門組織委員長
 ありがとうございました。
 委員の方から御質問はございますでしょうか。
○委員
 日本でサピエン3とこのタイプということになりますけれども、どれぐらいの比率の頻度になるか。これは有用なことは確かに明らかに分かるのですけれども、大体どれぐらい患者数は見込まれているのでしょうか。まだ埋もれた患者さんがかなり多くいると思うのです。その辺の評価がどこかで出ていたと思うのですけれども、お伺いしてよろしいでしょうか。
○意見表明者
 今、先生がおっしゃったのは、本品を使用される推定の患者数ということでしょうか。
○委員
 そうです。
 それと、適応が違いますから、他社のものを使う場合とこれを使う場合は目的が違いますよね。だから、そういう意味では、これはどれぐらいのことが見込まれているのかと。実際に先天性をやったものでも実態として捉えられていない場合も結構あるので、どれぐらい見込まれているのかなと思いました。
○意見表明者
 承知いたしました。
 そうしましたら、まず実際に本品を使用される予測数については、弊社□□□□□□からお答えいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○意見表明者
 御質問いただきましてありがとうございます。□□□□□□□□□□□□□□□□
 推定される患者数でございますけれども、想定といたしまして、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□によって、想定される患者様の数を算出しております。
 それによりますと、初年度では□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□が本品の適用対象となると弊社では試算しているところでございます。
○委員
 分かりました。
 あと、これは従来だったら実際に見えたりするのですか。今回は説明書だけなのですけれども、例えば11ページに出ているような外科的に修復された形でも、今回のデバイスを置けば、例えば材質がもともとやったものが劣化していても、これである程度カバーできて大きなトラブルは起きないと僕は感じてしまったので、そういうふうに理解してよろしいのでしょうか。
○意見表明者
 この点は□□□□からお答えいただければと思います。よろしくお願いします。
○意見表明者
 遠隔期に狭窄を合併していると、この機器は自己拡張型の弁ですので、十分に拡張できないような状況にあると対象外になると思われますけれども、一般的に自己組織で再建した右室流出路で遠隔期に一番問題になるのは肺動脈弁の逆流ですので、これに対してはかなりの数が対応できると考えております。現在あるスペックで対象患者さんの□□□□割ぐらいがカバーされると予測されています。
○委員
 ありがとうございました。
○保険医療材料等専門組織委員長
 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それではこれで意見表明の聴取を終了いたします。意見表明者は御退室ください。
○意見表明者
ありがとうございました。
(意見表明者退室)
○保険医療材料等専門組織委員長
 保険適用原案につきまして御議論をお願いいたします。かなり専門性の高いデバイスかと思います。
 お願いいたします。
○委員
 これは現場から言っても、実際に患者さんのリスクを非常に軽減するもので、今回の保険適用原案でいきましても、患者さんのニーズと価格といいますか設定が、TAVIだとかいろいろなほかの今の血管内治療にバランスのとれた形になっていると思いますので、これで私はよろしいかと思います。
 以上です。
○保険医療材料等専門組織委員長
 ありがとうございます。
 ほかに御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 議決とさせていただきたいため、渡邉委員におかれましては、議決の間、一時御退席をお願いいたします。
(渡邉委員退室)
○保険医療材料等専門組織委員長 
 それでは、渡邉委員を除く先生方の御意見を集約いたしますと、Harmony経カテーテル肺動脈弁システムは決定区分C1、保険償還価格527万円ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○保険医療材料等専門組織委員長
 ありがとうございます。
 それでは、事務局は渡邉委員に入室いただいてください。
(渡邉委員入室)

C1申請 Expedium Verse Fenestrated Screwシステム
 
○保険医療材料等専門組織委員長
 では、次にC1申請「Expedium Verse Fenestrated Screwシステム」につきまして御審議いただきます。
 まずは事務局から説明をお願いいたします。
○事務局
 事務局でございます。
(事務局より、保険適用原案について説明。)
○保険医療材料等専門組織委員長
 ありがとうございました。
 審議に先立ちまして、製造販売業者からの意見表明を聞くこととなっております。
 では、事務局はジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社の方にウェブ会議へ参加していただいてください。
(意見表明者入室)
○保険医療材料等専門組織委員長
 早速ですが6分以内で意見を述べてください。
○意見表明者
 ありがとうございます。
 お手元の資料の8ページ目を御覧ください。
 ジョンソン・エンド・ジョンソンの意見表明を始めさせていただきます。
 次に9ページ目をお願いいたします。
 対象疾患について御説明します。
 本品は、変性疾患に代表されるような脊椎の疾患に対して行われる脊椎固定術において使用されます。また、骨粗鬆症、骨量減少症または悪性脊椎腫瘍により骨強度が低下した患者に対しては骨セメントとともに使用します。
 10ページをお願いいたします。
 現在の治療に対する課題について御説明します。
 脊椎固定術の課題として、高齢化に伴い、骨質の低下した患者におけるインプラントの緩み、引き抜け。そして、その結果生じる本来の手術目的である骨癒合が獲得できない。また、これらが原因で生じる再手術が課題として問題視されています。
 11ページをお願いいたします。
 国内でも様々な対策が行われていますが、海外ではPMMA骨セメントによる補強が行われており、有効性が確認されています。従来、海外で実施されてきた手術手技においては、スクリュー挿入用の下穴に先に骨セメントを注入し、後からスクリューを挿入する方法が行われてきました。この従来法では、その手術手技の理由から、注入した骨セメントの漏出などのリスクが言われております。
 12ページをお願いいたします。
 製品概要について御説明します。
 さきの背景から、今回導入する製品が開発されました。本品は、インプラント先端部に横穴を追加することにより、スクリューを挿入した後に骨セメントを注入することができるようになります。その結果、スクリューを挿入後、スクリューの設置に問題があった場合や固定性に問題がなかった場合に、骨セメントの注入を行わないという選択をすることができるようになります。
 これらの結果、従来法で課題とされていた点を克服することができるようになります。
 13ページをお願いいたします。
 こちらは、2020年9月に行われました保険医療材料等専門組織にて提示した本品の臨床的有用性です。前回、本品は、従来法と比較した安全性とスクリューの緩みの発生を抑える臨床的有用性を示しました。しかしながら、本品を使用することによる再手術の削減に関しては蓋然性を示すにとどまりました。この点について、再手術率に対する直接的なデータが示されていないことが指摘されましたが、今回、最終的なアウトカムである再手術率に関して有意差を示したことから、チャレンジ申請を行うものであります。
 14ページをお願いいたします。
 今回行いました解析の概要をお示しいたします。
 横穴のないスクリュー、non-FS群と、横穴つきスクリュー、FS群について、既に臨床的アウトカムが示されているスクリューの緩みに加えて、脊椎インストゥルメントに関連する再手術率を再処置率、脊椎インストゥルメントに関連しない再手術率を再手術率として、それぞれに関してメタ解析を行いました。
 15ページをお願いいたします。
 オレンジ色で塗った部分が主要評価項目の結果となります。従来の臨床試験にて示されていたとおり、FS群はnon-FS群と比較して有意にスクリューの緩みを減らすことを示しました。再処置率について、全患者群において、FS群はnon-FS群と比較して低い傾向にありましたが、有意差は認められませんでした。骨粗鬆症患者群において、FS群はnon-FS群と比較して有意に再処置率を減らすことが示されました。
 本品は、その使用目的に、骨強度が低下し、骨内におけるスクリューの固定性が損なわれるおそれがある脊椎に対しては骨セメントとともに使用するとあり、この結果はその使用目的に即しています。
 インプラントに関連しない再手術率に関しては、両群に有意な差は認められませんでした。
 本解析をもって、本品は、骨粗鬆症のような骨強度が低下した患者群に対して、再処置率、すなわちインプラントに関連する再手術を減らす臨床的な有用性を示したことから、今回チャレンジ申請及びC1再申請を行うものであります。
 16ページをお願いします。
 最後に、今回の希望内容について御説明させていただきます。
 本品は、最終的なアウトカムである再手術率を有意に減らす新しい知見を得ました。これにより、構造の工夫により合併症の減少が見込めることから、スクリューシャフト部分に骨セメントを椎体内に注入可能な横穴を有している可動型脊椎スクリューとして、新機能区分脊椎スクリュー(可動型・横穴付き)の新設及び改良加算5%を希望するものです。
 なお、本ページの一番下に誤記がございます。「b.主に関わる使用法など」とありますが、正しくは「a.主に機能自体で直接的な工夫がなされている」となります。
 また、解析の詳細、適用患者数、外国価格等はAppendixに記載させていただいております。
 弊社からの意見表明は以上でございます。
○保険医療材料等専門組織委員長
 ありがとうございました。
 委員の方から御質問はございますでしょうか。
○委員
 システム自体の概念としても、また、お示しいただいたデータとしても、骨脆弱性を有する脊椎疾患に対して大変有用なシステムと思います。
 2つほど質問させてください。
 1つ目は、ダブルイメージングでペディクルスクーリングを行っていましても、時にスクリューの先端が穿破することがあるかと思いますが、そういったときに、セメントの漏出があったりしたときに何らかのリカバリーの方法があるのか。あるいは、そういった例を実際に臨床で経験して何らか有害事象が起きたことがあるかという点についての質問が一つ。
 2つ目は、骨脆弱性を術前に評価することはなかなか難しくて、これはスクリューはセルフタップでしょうか。セルフタップでスクリューイングしていったときに、ちょっとぐずぐずだなと思って、こちらの横穴つきのほうにスイッチするようなことがシステムとして可能かというようなこと。この2点についていかがでしょうか。
○意見表明者
 ありがとうございます。
 まず1点目、先端が皮質骨を穿破しているような状況で、骨セメントの併用というところなのですけれども、本品につきましてはバイコーティカルでの使用は禁止となっておりますので、基本的にはスクリューが皮質骨を逸脱しているようなケースでは骨セメントの併用はできないというのが本品の仕様になっております。
 本品がセルフタップか否かというポイントにつきましては、本品はセルフタップの機構を有しておりまして、タップなしでも使用いただくことが可能となっております。
 それがスクリューを挿入した際にぐずぐずであった場合に、スクリューの入換えをするかといったところに関しましては、本品の有効性の一つとして、セルフタップで入れていったときの手の感覚で判断をできるようになっているところから、そうでないスクリューを挿入した後にこれを入れ換えてというようなことは想定しておりません。
 回答になっておりますでしょうか。
○委員
 分かりました。ありがとうございます。
○委員
 有用なデバイスだということは十分理解しました。
 それで、メタ解析の結果も理解したのですけれども、骨転移に限ったデータはありましたか。
○意見表明者
 骨転移に関しましては、アメリカでは幾つか少ないスタディーで発表されておりますが、先生も多分御存じのとおり、そもそも骨転移に関してまとまった解析をするようなn数が取れないため、結果が出るようなものを今回御用意することができませんでした。ですので、今回はあくまで骨脆弱性を有する患者の解析結果となっております。
○委員
 短期間でもいいから満足度とかというものが分かったら教えてほしかったのですけれども、ありますか。
○意見表明者
 今、手元にデータはございません。申し訳ございません。
○委員
 あと、セメント固定をすれば、当然固定性はよくなるのですけれども、やはり対象は高齢者とかリスクのある患者が多くなってくると思うので、どうしても貫穿したときに抜けにくくなってしまって抜去しにくいという欠点があると思うのですが、そういうことに対しては、指針ではないけれども、考えとか対策というか、お考えがあったら教えてください。
○意見表明者
 ありがとうございます。
 本品の抜釘に関しましては、□□□問題ないと考えております。
○委員
 ありがとうございます。
○保険医療材料等専門組織委員長
 ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、これで意見表明の聴取を終了いたします。意見表明者は御退室ください。
○意見表明者
 ありがとうございました。
(意見表明者退室)
○保険医療材料等専門組織委員長
 では、保険適用原案につきまして御議論をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
○委員
 本製品はチャレンジ申請でございまして、また、チャレンジ申請におけるデータの提示としても説得力があるものだと私は思いますので、基本的には保険適用原案に賛成でございます。
 私は以上です。
○保険医療材料等専門組織委員長
 ありがとうございました。
○委員
 やはり示されたデータで有用性が評価されるということと、学会の使用基準もちゃんとつくられているので、保険適用原案を支持いたします。
○保険医療材料等専門組織委員長
 ありがとうございます。
 ほかに御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、先生方の御意見を集約いたしますと、Expedium Verse Fenestrated Screwシステムは、決定区分C1、保険償還価格10万1000円ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)

C2申請 UroLiftシステム
 
○保険医療材料等専門組織委員長
 ありがとうございます。
 では、先ほどの4番目の品目、C2申請のUroLiftシステムについて、その後、事務局は検討をなさったでしょうか。いかがでしょうか。
○事務局
 事務局でございます。
 留意事項の変更案について御提案させていただければと思います。
 委員からは、個数につきまして適正な使用を促すべきではないかというような御意見をいただいているところと承知しております。
 適正使用指針におきましては、まず、本品の適用に関しまして、従来の手術療法が困難な症例に対して使用することとされており、また、容積のところでは、前立腺体積が100mlを上回る患者には確実なインプラント留置は行われない可能性があり、使用しないこととされております。
 本品の留意事項に関しましては、従前から既に適正使用指針に従うことという記載がありますが、こういった適正使用指針の内容を踏まえて、しっかりと100ccを超えるような個数が多く使われるような症例にも使われないというような観点も踏まえて、前立腺体積及び手術が困難な理由といったものを全例に対して記載していただくという形でどうかと考えているところでございます。
 また、個数に関しましては、添付文書や適正使用指針におきましても、1人当たり最大10個までという記載はあるところでございます。
 提案としては以上となります。
 御質問等、いかがでしょうか。
○保険医療材料等専門組織委員長
 そうしますと、添付文書としては10個までと記載されてはいるのですね。
○事務局
 はい。1人当たり最大推奨10個までと記載がされております。
○保険医療材料等専門組織委員長
 適正使用指針の内容をしっかり遵守していただくということと症状詳記を行うということで、ある程度適応を絞っていただくということになるのかなとは思いますけれど、ほかの先生から御意見はございますでしょうか。難しいとところですね。
○委員
 多分、これは今回保材専で厚労省として4個までとなりますけれども、添付文書が10個までとなると10個が許容範囲になると思うのですけれども、今言われたような要件が書いてということになりますので、もちろん性善説を含めて、要件がつけばみんな10個まで使うことはないと思いますので、十分評価しやすいかなと。その条件を入れていただくのが、審査の現場としては一番助かるのだなと思います。
 以上です。
○保険医療材料等専門組織委員長
 ありがとうございます。
 ほかに御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 事務局としては、留意事項の記載の表現を少し変えますか。
○事務局
 先ほど申し上げたような形で、全例について手術困難な理由というところと前立腺の容積という2点について記載を求めるという形で留意事項を追加したいと考えております。
○保険医療材料等専門組織委員長
 ありがとうございます。
 ということで、皆様いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、先生方の御意見を集約いたしますと、UroLiftシステムは決定区分C2、保険償還価格9万7900円ということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
 
 

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