ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織> 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 令和3年度第10回議事録(2022年2月25日)
2022年2月25日 中央社会保険医療協議会費用対効果評価専門組織 第10回議事録
○日時
令和4年2月25日(金)13:00~
○場所
オンライン開催
○出席者
田倉 智之委員長 斎藤 信也委員長代理 池田 俊也委員 木﨑 孝委員 |
新谷 歩委員 新保 卓郎委員 中山 健夫委員 野口 晴子委員 |
花井 十伍委員 飛田 英祐委員 米盛 勧委員 |
鳥海 弥寿雄専門委員 永崎 栄次郎専門委員 福田 敬専門委員 |
国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター 白岩上席主任研究官 |
<事務局> |
中田医療技術評価推進室長 他 |
○議題
○エンハーツに係る総合的評価について
○議事
○費用対効果評価専門組織委員長
では、次の品目に進ませていただきます。最後になりますけれども、「エンハーツ点滴静注用」について、公的分析による再分析結果が提出されておりますので、公的分析及び企業からの意見聴取を行った上で、企業分析の内容及び公的分析による再分析結果の審査、並びに費用対効果評価案の策定について先生方に御議論をいただきたいと思います。
では、エンハーツ点滴静注用について、企業から意見聴取をした後、御議論いただきます。まずは、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局
(事務局より説明)
○国立保健医療科学院
(国立保健医療科学院より説明)
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
それでは、議論に先立ちまして、まず本製品に係る公的分析の再分析結果に対する意見の聴取を行いますので、事務局は企業を入室させてください。
(意見陳述者・入室)
○費用対効果評価専門組織委員長
私は、費用対効果評価専門組織委員長の○○です。
早速ですが、10分以内で、エンハーツ点滴静注用の総合的評価についての御説明をお願いいたします。続いて、質疑応答をさせていただきますので、そちらもよろしくお願いいたします。では、始めてください。
○意見陳述者
○○の費用対効果評価担当の○○と申します。エンハーツの費用対効果評価案の策定について意見陳述いたします。
スライド2枚目を御覧ください。本日は、乳がん、胃がん、共通の内容としてお示ししている論点について陳述いたします。
まず、私から、乳がん分析の間接結果の不確実性の可能性について陳述いたします。
3枚目を御覧ください。乳がんの三次治療を分析対象集団とした分析では、MAICの手法を用いた追加的有用性を検討し、それを基本分析に用いました。分析対象技術の臨床エビデンスはU201試験、比較対照技術の臨床エビデンスはWJOG studyをそれぞれ用いました。
このMAICに対し、公的分析から、患者背景の乖離の可能性、治療成績の過大推計の可能性について、それぞれレビューを受けました。
これに対する企業意見を述べます。まず、患者背景の乖離について説明いたします。4枚目を御覧ください。
MAICに用いるWJOG studyの解析対象は、U201試験の組入れ基準を考慮して設定されました。選択基準は、お示ししているとおりです。
さらに、選択バイアスの除去のため、研究実施施設は、がん専門病院、専門病院以外、両方が選定され、さらに施設内の組入れ基準に合致する患者は全て登録されました。
以上より、U201試験とWJOG studyとの患者背景の乖離の可能性は低いと考えます。
次に、5枚目を御覧ください。治療成績の過大推計についてですが、本剤のHER2陽性乳がん患者への二次治療を対象としたフェーズ3試験において、本剤のT-DM1に対するPFSのハザード比は0.28でした。本結果は二次治療の結果であり、本分析とは分析対象集団が異なりますが、エンハーツの優れた有効性を示唆しており、三次治療でも良好な経過が見込まれます。そのため、企業が行ったMAICにおいて、本剤の治療成績を過大に推計している可能性は低いと考えます。
6枚目を御覧ください。以上の結果から、企業が実施した間接比較の結果の不確実性は低く、それを用いた企業分析の結果は妥当であると考えます。
乳がんについての陳述は以上でございます。
○意見陳述者
続きまして、胃がんに関する陳述をいたします。○○の費用対効果評価担当の○○と申します。
スライド7枚目を御覧ください。胃がんの企業分析において、いずれの分析対象集団についてもMAICの手法を用いた追加的有用性を検討し、それを基本分析に用いました。
分析対象技術の臨床エビデンスはJ202試験、比較対照技術の臨床エビデンスはSCCRE研究をそれぞれ用いました。SCCRE研究は、トラスツズマブ治療歴のあるHER2陽性胃がん患者に対する三次以降の治療実態を明らかにすることを目的とし、国内25施設で実施された後ろ向きコホート研究でございます。SCCRE研究の成績については、論文投稿中であり、2022年1月に開催されたASCO-GI2022にて発表済みでございます。
8枚目を御覧ください。企業分析に対する公的分析班のレビュー結果を示しています。
1点目は、患者背景の異質性に関してです。HER2発現レベルは胃がんの重要な予後因子と考えられるにもかかわらず、各試験のHER2発現レベルの適格条件に異質性が大きく、両群の比較可能性が担保されていると考えがたいこと、及び、一部の予後因子、効果修飾因子を十分調整できていない可能性があるとの指摘を受けました。
2点目は、J202試験の結果との乖離についてです。ニボルマブの有効性は、J202試験における対象群であるイリノテカンまたはパクリタキセルと少なくとも同程度と想定されるにもかかわらず、企業が推定したハザード比は、いずれの分析対象集団についてもJ202試験の結果と乖離しており、ニボルマブの有効性を過小評価している可能性があるとの指摘を受けました。
9枚目を御覧ください。公的分析班による再分析では、J202試験とネットワークメタアナリシスのデータを用いて、Bucher法にて、化学療法をアンカーにした間接比較を実施しました。
なお、比較対照としたネットワークメタアナリシスにはTTFの報告がなかったため、公的分析班はJ202試験のトラスツズマブ デルクステカン対医師選択治療の値をTTFのハザード比の推定値として使用しました。
10枚目を御覧ください。公的分析班のレビュー結果に対する企業意見を述べます。
我々は、企業分析で実施したMAICによる間接比較では、群間の比較可能性が担保されていると考えています。
まず、比較対照として用いたSCCRE研究はHER2陽性患者を対象とした研究であり、間接比較にはJ202試験の被験者集団に近い集団である、測定可能病変があり、ECOGパフォーマンスステイタス0または1のサブ集団の結果を用いました。
また、MAIC法により、臨床的に重要と考えられる以下の予後因子の分布を群間で同等になるように調整して分析を行いました。
以上のことから、患者背景の異質性の可能性は否定できないものの、群間の比較可能性を担保するための分析を実施したと考えております。
11枚目を御覧ください。公的分析班による再分析に対する企業意見を述べます。
1点目は、群間の比較可能性に関してです。我々は、HER2発現の有無によって、エンハーツ、ニボルマブ及び化学療法の効果が異なる可能性があると考えておりますが、公的分析の間接比較ではHER2発現の有無が考慮されておらず、HER2陽性集団としての治療成績が反映されておりません。また、公的分析班による間接比較には、二次治療集団の治療成績も含まれています。さらに、ネットワークメタアナリシスの手法は、効果修飾因子の分布の調整ができません。以上のことから、公的分析による再分析で実施された間接比較では、群間の比較可能性が担保されないと考えます。
2点目は、TTFのハザード比についてです。公的分析班は、比較対象としたネットワークメタアナリシスにTTFの報告がないことを理由として、J202試験の医師選択治療との比較結果を推定値としました。ニボルマブと化学療法とでは、作用機序や安全性プロファイルは異なりますので、本剤のニボルマブ以外の治療に対する推定値を分析に用いることは妥当でないと考えます。ネットワークメタアナリシスからTTFを入手できないのであれば、ニボルマブとの間接比較を実施した企業分析の値を分析に用いるべきであると考えます。
12枚目を御覧ください。胃がんの分析についての企業の見解をまとめます。
胃がんのOS、PFS、TTFのハザード比に関して、我々は企業分析における群間の比較可能性のほうが、公的分析による再分析におけるそれよりも高く、企業分析がもっともらしい分析であると考えています。ゆえに、OS、PFS、TTFのハザード比は、企業分析の結果を採用すべきであると考えています。少なくともTTFについては、ニボルマブとの比較結果である企業分析の値を採用すべきであると考えています。
胃がんについての陳述は以上でございます。
13枚目を御覧ください。本陳述の結論を述べます。以上、陳述させていただいたとおり、乳がん、胃がん、ともに企業分析は妥当であり、中央の表で示す、企業が算出したICERに基づく価格調整率を価格調整に用いることが妥当であると考えます。
以上で企業陳述を終了いたします。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○費用対効果評価専門組織委員長
委員の方から御質問、ございますでしょうか。
お願いします。
○○○委員
資料の4枚目にU201試験とWJOG studyの研究間の間接比較のセレクションバイアスを除去しているということが述べられています。U201試験は治験として実施している施設でやられている、一方、WJOG研究の方はWJOGに参加している施設から選ばれているのだと思うのですが、がん専門病院、がん専門病院以外の両方の施設が入っているといことで、セレクションバイアスが除去されているという説明がよく理解できないのですが、なぜこういう両方の施設が含まれたらセレクションバイアスがなくせるのかというのを御説明いただけますか。
○意見陳述者
御質問ありがとうございます。○○でございます。
こちらのWJOG studyでのがん専門病院、専門病院以外の両方の施設が含まれていることによる選択バイアス除去ということについては、施設バイアスというものを除去するためということを理解しております。専門病院だけが含まれておりますと、がんに非常に特化した治療が行われていまして、一般化可能性が低くなります。一方で、このように専門病院、専門病院以外、両方を含めることによって一般化可能性を高めていると理解できます。
○○○委員
ありがとうございます。
企業の考え方については理解しましたけれども、あくまで研究間の比較においてセレクションバイアスが除去できているというのがよく分かりませんでした。ありがとうございます。
次に、資料の5枚目でDESTINY-Breast03試験の成績が述べられています。これは今回の分析集団の対象とは違うのですが、当該治療の領域において医療環境が変わり得ることがあると思います。薬事承認申請するということで医療の情勢が変わるという見込みは、今、企業の中で展望はどうなっていますでしょうか。
○意見陳述者
ありがとうございます。
今回の分析で用いておりますU201試験、三次治療を中心としておりますが、DESTINY-Breast03、二次治療を中心とした試験に基づいて、現在、二次治療についてエンハーツ承認申請中でございます。そちらが承認された際には、私たちとしましても、二次治療でもエンハーツが広く使われることを見込んでおります。
○○○委員
ありがとうございます。
承認申請中ということで理解しました。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、○○委員、お願いします。
○○○委員
私のほうは、疫学の基本的な考え方に照らし合わせると、異なる研究間のデータ、特に研究の性質が異なるような研究から得られたデータを比較するというのは、原則許されてはいないのですね。例えば、介入研究と観察研究の一番大きな違いは、組入れ基準の違いとか施設の違いよりも、誰が手を挙げるかというところが大きく違ってきます。ですので、介入研究の場合はオプトイン同意で患者様が入りたいという気持ちを持って入られる。ということは、予後のよくなる傾向のある方が入られる。
それから、モニタリング効果というものがあります。研究に入るところを見られているという効果で、コントロール治療でもよくなってしまうというところがありまして、リアルワールドデータのほうが、たとえ組入れ基準が同じであっても、施設が同じであっても、そこの手を挙げるか挙げないかというところと心理的な効果があるかないかというところで、一般的にはリアルワールド研究から得られたデータのほうが予後は悪めの傾向があるというところで、再現性、介入研究と直接比較は許されていないのですね。
ですので、MAICの手法だと、恐らくデータとして取られた背景因子としては、数字上は調整できているかと思います。ただ、手挙げ効果、健康労働者効果と呼ばれている効果とか心理的な効果というのは、統計的に除去することができませんので、選択バイアスがないと言い切られてしまうのは非常に問題があるのではないかと思います。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
企業さん、ちなみに今のコメントについて何か御意見ありますか。
○意見陳述者
○○、○○でございます。御指摘ありがとうございます。
御指摘のとおり、治験と観察研究の比較というのは一定の限界点があるということは認識しております。選択バイアスがないということは言い過ぎでございますけれども、選択バイアスを除去するために可能な限りの調整を行っているというところでございます。
また、先ほどの手挙げ効果に関しましては、今回の患者さんは比較的予後が悪い患者さんであるということから、よい患者さんに比べると、そういった効果は若干少ないのではないかと考えております。
御指摘ありがとうございました。
○費用対効果評価専門組織委員長
○○委員、お願いします。
○○○委員
今のことのちょっと確認なのですけれども、○○委員がおっしゃったとおりだと思うのですが、例えばWJOGの観察研究は、既存のカルテのレビューですか、それとも前向きのレジストリですか。
○意見陳述者
既存のカルテのレビューでございます。
○○○委員
では、なおさら臨床試験との乖離は大きいのではないかと思います。
○費用対効果評価専門組織委員長
その他、いかがでしょうか。よろしいですか。
では、私のほうから最後に1点だけ。新しい試験の結果とかについての動向で、最新情報があればいただきたいのですが、例えばDESTINY-Breast02試験とかについての発表予定とか目安とかめどがあれば伺いたいと思いますが。
○意見陳述者
御質問ありがとうございます。
U301試験の結果の入手時期についての御質問と理解いたしました。エンハーツ三次治療の比較試験のU301試験の結果についてですが、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○。ただ、こちらは中間解析でございますので、OSはインマチュアーとなることが予想されております。もしこのデータを用いまして費用対効果評価の分析モデルを作成するとなりますと、さらにそれ以降の作成となります。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
その他、委員、なければ、これで終了したいと思いますが、よろしいですか。
それでは、これで質疑応答を終了いたします。企業の方は御退室ください。お疲れさまでした。
(意見陳述者・退室)
○費用対効果評価専門組織委員長
御議論ありがとうございました。
それでは、当該品目について御議論をお願いいたします。なお、御議論に当たっては、乳がんと胃がんごとに、企業分析結果と公的分析の再分析結果のどちらが科学的により確からしいかを相対的に評価することを踏まえて御議論を進めていただきますようお願いいたします。
○○○委員
今、伺っていたのですけれども、エンハーツの分析不能という乳がんのほう、シングルアームの試験で、現状で確かにそれもやむを得ないのかなと思うのですけれども、今度、何年か後に比較のあれが出ることになっているかと思いますので、取りあえず、その結果は参考にするべきだと思います。ちょっと時間が先になりますけれどもね。
取りあえず、胃がんのほうのデータは、割と厳しめのデータとかが出ているじゃないですか。費用対効果で値段をどうするといったときには、今回、発売停止するわけじゃないし、値段をいじるのであれば、隣に○○先生がいらっしゃいますけれども、胃がんのほうも加味していただいて、調整を一旦つけるしかないかなと、今のデータだけだと思うのですが、よろしいでしょうか。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
先に乳がんのほうのテーマについて先生方と御議論させていただきたいと思いますけれども、胃がんも視野にという先生のコメントに沿って進めていきたいと思います。
今、分析不能の件がございましたけれども、先ほど科学院さんが御説明された12ページ目のハザード比の数字が比較的いいというお話もございまして、このあたりについては、臨床の感覚というか、実態から見て、どのように解釈すべきかということについて、もしコメントがあれば御専門の先生からいただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○○○委員
○○ですけれども、実際に使用している感覚としては、エンハーツは治療効果がよいのではないかと実感しているところはあります。腫瘍の縮小効果もありますし。ただ、間質性肺炎が起こることがありまして、使用においてはちょっと注意が必要な薬剤だなという印象ではあります。それで、費用がどうこうという感覚は分からないのですけれども、効果が比較的ある薬剤だという印象は持っています。
あと、分析不能になってしまうと、これは1回、価格調整なしでこのままいくということになるのかなと思うのですが、待っている間にまた適応が拡大するのではないかという思いもありまして、二次治療に使えるようになったり。あとは、HER2低発現の乳がんに対しての効果というのもあるのではないかという企業からのプレスリリースもありましたので、分析している間にどんどん状況が変わっていってしまって、分析に現状が追いつかなくなってしまうのではないかなという印象を持ちました。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
乳がんの並びで、○○先生、先ほどの分析不能のあたりについて、先生のお立場から御意見いただければと思いますが。
○○○委員
○○先生のお話にもありましたけれども、確かにDESTINY-Breast02試験というものが、使うデータとしてより魅力的な枠組みには見えるのですが、企業さんも言っていたとおり、非常に時間がかかる話になってきて、費用対効果の評価のタイムラインでは現実的ではないと思います。
かつ、先ほど承認申請をしているという回答がありましたが、これが承認されると、もう二次治療時点、つまりトラスツズマブ エムタンシンの前にトラスツズマブ デルクステカンが使用されることになります。DESTINY-Breast02試験のデータを待った結果、分析結果を生かせない診療実態に変わってきていることが予想されます。その場合、あまり臨床現場や患者さんに意義の乏しい分析をしていくことになります。よって今、ここで得られているデータの限界とかバイアスも存在することなどを認識したうえで、分析不能とはせずに分析の結論を出したほうがよろしいのではないかと思います。企業の言っている内容にも限界があるのですが、私としては、公的分析班に企業の枠組みで検討いただくという形でいいのかなと思います。
臨床の実態としては、○○先生もおっしゃったように、トラスツズマブ デルクステカンの有効性がHER2陽性乳がん領域の試験とかで分かっているところもあり、効果の大きさの程度は化学療法よりも良い傾向があるという認識のところに今、評価は動いてきているので、そういう面でも、具体的な数字は別としても、結果の方向性には違和感がないだろうなと思っております。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
臨床実態の側面と、今後の試験とか臨床の構造のトレンドを含めて、この段階で意思決定したほうがいいという御意見であったかと思いますけれども、○○委員、意見書のほうにもそのような観点のお話があったような気もしますが、もしよろしかったらコメントいただけますでしょうか。
○○○委員
専門の先生がおっしゃるとおりだと思います。魅力的なものが○○○○○○○○で出てくるそうですから、データを使えるもうちょっと先というのを待つのがいいのかもしれません。しかし、そうなると、おっしゃるように二次治療とかに使えるようになってしまって、今回行う改正結果が生きないというのはそのとおりだと思います。不確実性が非常に高いというのは皆さん認識されていると思うのですが、そこは無理を承知で、公的分析班に、分析不能ではなくて、許される範囲の数字をパラメータとして代入いただければ、この組織で、ある程度皆さん、判断できる材料になるのではないかと考えます。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
科学院さん、今、三次治療の分析不能についての御議論をしておりますけれども、いかがでしょうか。今のようなコメントを踏まえて、企業側の分析手法の論点なども整理しなから御検討いただくことは可能でしょうか。
○国立保健医療科学院
一定可能と思うのですけれども、御説明させていただいてよろしいですか。
○費用対効果評価専門組織委員長
もちろん、意見があればお願いします。
○国立保健医療科学院
本日の費-4-2の資料の38枚目以降、企業側の間接比較というものを受け入れた場合の公的分析について、少し検討してまいりました。
39枚目ですけれども、製造販売業者による分析の課題として、主に2点挙げております。
1点目は、比較対照技術の価格、トラスツズマブやビノレルビンの価格が最新のものではないということ。
2点目は、QOL値の収集方法に課題があり、Progression後のQOL値が低く設定され過ぎているという2点でございます。
1点目については、薬価を置換するだけですので、2点目について御説明させていただきたいのですけれども、Progression後、すなわち四次療法以降のQOLの値について、製造販売業者はLloydらの文献に基づき0.559と推定しています。
しかし、この推定方法には、以下の3つの課題があると考えておりまして、1点目は、Lloydらの調査というのは仮想的なシナリオを一般人に提示して回答を得たものであるということなのですけれども、この手法というのは、「対象者本人からQOL値を得ることが困難な場合などに」限定的に用いるとされているものであり、方法論上の課題があると考えています。
それから、使用方法についてですけれども、このLloydらのスコアというのは、三次療法におけるQOL値を想定したものではなく、製造販売業者による報告が正しければ、NICEでは一次療法あるいは二次療法のスコアとして用いられているものでありまして、少し使われ方が違うのではないかと考えています。
それから、日本人転移性乳がん患者を対象としたRCTにおいて、EQ-5Dで測定されたQOL値と比較すると、スコアがかなり低いという結果になっています。この場合、スコアが低いと費用対効果がよいほうに出るということで、少しICERの値が過小評価されているのではないかと我々は考えているところです。
41枚目ですけれども、40枚目で御説明した無作為化比較試験の御紹介ですけれども、転移性乳がん患者を対象に、一次治療から死亡までの期間でEQ-5Dを収集した研究でありまして、患者はタキサンとS-1にランダムに割り付けられていました。一部の患者を除いてEQ-5Dに回答しているというスタディであります。175名と208名が回答しているところです。
この結果をまとめると、42枚目の図のようになりまして、平均的なQOL値としては0.741と0.748、群間によって値が少し違うという結果ですけれども、死亡0~6か月前のQOLの値が0.621、死亡6~12か月前までの値が0.713、二次療法の開始から死亡するまでのQOL値が0.721という結果になっており、Lloydらのスコアである0.559と比べて、かなり大きめの値が出ていると考えています。
四次療法以降のQOL値、どれを設定するかというのは議論のあるところかと思いますけれども、ここにある3番、4番、5番のどこかにその真実があるのではないかと考えておりまして、この3番、4番、5番のQOL値を用いた分析をそれぞれ実施したものが43枚目の結果になります。
QOL値として、⑤の0.621、死亡直前のものを入れた場合、ICERの値が760万円。それから、死亡6か月~12か月前の値を入れると約820万円。QOLの値として二次療法以降の平均値を入れると825万円という結果になり、いずれにしても増分費用効果比が750万円を超えるという結果になっています。
おめくりいただきまして、44枚目ですけれども、2点コメントを付させていただきました。
製造販売業者による間接比較を受け入れる場合、分析結果の不確実性が大きいことに留意する必要があります。
それから、不確実性を小さくした費用対効果評価を実施するため、現在進行中の第3相試験終了後にH3品目としての再評価を検討する必要があると考えています。
45枚目が分析結果のまとめでありまして、先ほど御紹介したものと、乳がんの三次療法以降のICERの値が変わっておりまして、ここが750万円以上1125万円以下の段に入っております。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
科学院さんのほうで企業分析の論点というか、問題点を整理され、それに対応した分析まで御用意いただいているということで、結果がその場合は1QALY当たり750万円から1125万円になるという形の御報告でありましたが、これについて先生方からの御意見はございますでしょうか。
ここまで乳がんの論点の整理として、分析不能のところについては、臨床的な観点と、あとは実際の研究とかレジメンの動向を踏まえて、分析不能は避けて、できれば何がしかの数値をつくるというお話になったかと思います。
それを踏まえて、科学院さんのほうで、今、申し上げたような、QOLと薬価を含めた企業分析の問題点を考慮した再分析結果が示されております。この結果を今回は乳がんの分析結果として、組織の中で取り上げていきたいと思いますが、これについて、コメント、御意見のある先生、いらっしゃいますでしょうか。三次治療以降、分析不能になってしまうと、6割ぐらいの患者さんが除外されてしまい、議論としてはちょっと難しくなります。そこで、多少妥協案的なところがありますが、現在得られるデータと分析手法で最大限の整理にはなっているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
どうぞ、○○委員、お願いします。
○○○委員
○○でございます。
入手可能なデータでやれば、現状ではこのような形で推計されるということで、難しいところですね。データの確実性を高めれば高めるほど、それに至らない場合は分析不能としなければいけないので、大変難しい決断だと思いますけれども、今回、科学院のほうで現状できる範囲での改善をしていただいた、この値を使って意思決定していくということについては、私はそのような方向でよろしいのではないかと思っております。
それを踏まえて伺いたいのは、QOLの値、今、3つ入れて、それぞれ最終的な価格調整の判断はどれでも変わらないといえば変わらないのですけれども、それこそ先ほどちょっと重みづけというのが出ていましたけれども、この患者集団、どこの範囲のものを患者数として重みをつけると、このQOLの数字として妥当なものになるのか。例えば、今はQOL値を実際に測定したものを③、④、⑤というものを使っているわけですけれども、③というのは④と⑤を含んでいる集団になっていて、患者割合のようなものはあるのかなと思うのですけれども、もし1つの値を採用するとすれば、この中のどれか、それとも何かこれをまた重みづけして1つの値がつくれるものなのか、すみません、測定の元論文のほうを見ていないものですから、そのあたりはちょっと教えていただきたいのですが。
○費用対効果評価専門組織委員長
科学院さん、お願いいたします。
○国立保健医療科学院
重みづけというのは、生存率というか、カプラン・マイヤー曲線がよく分からないので、なかなか難しいのかなと思っているのですけれども、どれかと言われても困ってしまうのですが、中位推計とか、そういうものを用いて御検討いただくのもいいのかなと思ったりしました。
○○○委員
例えば、④と⑤は同じ患者の数ですね。どなたも死亡するけれども、0~6か月前と6~12か月前というのは、それぞれ亡くなられた方には当てはまる値だから、場合によっては④と⑤を足して2で割るとか、そういう計算はおかしい計算ではないと理解していいですか。つまり、④だけ採用するとか⑤だけ採用するというのは、ちょっとないのかなと思っているのですけれどもね。
○国立保健医療科学院
期間中の平均の値として0.713と0.621というのがあるので、両方平均して2で割るというのも、そんなに変なことじゃないのかなと思ったりします。
○○○委員
むしろ③を使ったほうがいいという理由というか、根拠は何かありますか。
○国立保健医療科学院
いや、③を使ったほうがいいという根拠はないのですが、④と⑤ですと、四次療法の頭のほうが抜けてしまっているので、③のほうはそこを含んでいるけれども、二次療法とか三次療法とか、その手前のほうも入ってきてしまっているという制約があるかなと考えているところです。
○○○委員
今回、数字を計算するとしたら、どちらかというと控え目な推計にしたほうがいいのか、そこはいかがなのでしょう。要するに、控え目にやったとしても、こんなに費用対効果が悪いよというのを示したほうがよろしいのでしょうか。となると、例えば③を採用するよりも、④と⑤の平均を使ったほうがICERの値は低めには出るわけですね。1つの提案としては、④と⑤を足して、2で割ってはどうかなと思っていますが、そこは単なる数字の遊びになってしまうのであれなのですけれども、④だけ使うとか、⑤だけ使うというのは、期間としてかなり限られた患者さんだけを対象にしているような気がするので、どうかなとは思いました。
③を使うというのもあるのですが、これだと数字としてかなり厳しい数字になるわけで、以上、意見です。
○費用対効果評価専門組織委員長
事務局さん、何かございますか。
○事務局
事務局でございます。
こちらに関しては、どのような数字がいいのかというのは公的分析で御検討いただいて、改めてメール等で御提示いただくということが可能ではないかなと思っていますが、いかがでしょうか。
○費用対効果評価専門組織委員長
このQOLについて、43ページ目のほうに結果が出ておりますけれども、基本的には階段が変わらないと思われます。ただ、今、○○委員の御指摘もあったとおり、より確からしい数字をつくって、それをまた委員の方に諮るという形でよろしければ、それで進めさせていただきます。
特段、先生方から御意見ございませんか。
事務局さんのほうとしても、そういう段取りでよろしいですか。
○事務局
ICERの区分自体が変わらずに、ICERの値を決めるということになろうかと思いますので、恐らく今回の方向性の議論の中では変わらないと思いますが、具体のICERの値を算出していただいて、それを皆様に共有いただき、御承認いただければいいのではないかなと思っております。
○費用対効果評価専門組織委員長
では、そのような方向で進めていくという形にさせていただきます。
その他、乳がんについて先生方から御意見はございますでしょうか。
乳がんについてまとめさせていただくと、公的分析についての支持が意見書でも多かったと思いますが、御議論の中でも、臨床の観点などを踏まえながら、今回得られるデータの中で結論を出していきましょうということで、分析不能ではなくて、何がしかの議論をしていくということになったかと思います。それに対して、企業側の分析も考慮して、その論点について、取り急ぎ薬価とQOLのところについて再分析していただいたものを御議論いただきました。区分については変わりませんけれども、いわゆる費用対効果、ICERの数字については、さらに科学院さんのほうで御議論いただくという形になったかと思います。
いかがでしょうか。これでよろしければ、乳がんのほうの議論はこれで一旦終了させていただきます。
では、胃がんのほうにつきまして、お待たせいたしました。御専門の先生、またコメントがあればいただきたいと思いますが、○○先生も含めて、お願いできますでしょうか。
どうぞ。
○○○委員
よろしいですか。すみません、私から。
胃がんのほうのデータについても、確かにニボルマブの過小評価の可能性があるというので、科学院の主張もよく分かります。ただ、その中の分析を今回、乳がんも併せて出すという面では、やむを得ないかなと私は思っています。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
いかがでしょうか。
○○○委員
○○ですけれども、統計学的なことがすごく専門的で、ちょっと分からないというところが正直なところなのですけれども、公的分析のところで気になったのは、ネットワークメタアナリシスというのがどういうものか分からないですけれども、HER2じゃない症例で行われているものと、あとはHER2の試験と比べたようなところがあって、群間差としては無視できないところがある。企業もおかしいところがあるのですけれども、いずれもどちらがいいのかという判断が難しいなというところ。
すみません、専門じゃないので、見当違いな意見かもしれません。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
そのあたりについて、もし科学院さんのほうで追加のコメントございましたら、お願いできますでしょうか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
先生おっしゃるように、HER2の発現状態をネットワークメタアナリシス上、考慮できていないというのは、分析の限界点かなと認識しています。どうしてもデータがないもので、考慮できなかったところなのですが、一方で、製造販売業者側のニボルマブの治療成績も同じく考慮できていないというところで、そこまでお互いデータがなかったのかなというのが率直な感想です。
○費用対効果評価専門組織委員長
よろしいでしょうか。
その他の委員、いかがでしょうか。
今回の論点は、先ほどコメントがありましたニボルマブの有効性を過小評価している可能性と、今ございましたネットワークメタアナリシスの限界だと思います。
私のほうから、科学院さんに1点だけ、ちょっと技術的な話で恐縮なのですけれども、効果修飾因子の分布の調整ができるかできないかというところについては、今回どのように解釈されていらっしゃいますでしょうか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
ネットワークメタアナリシスの効果修飾因子については、企業のほうからも御指摘がありますように、きちんと考慮できていないところなのですが、ニボルマブとイリノテカン・パクリタキセルで効果修飾因子による影響に差があるかどうかというところが、1つ解釈のポイントなのかなと思っていて、我々、そんなに変わらないのではないかということでネットワークメタアナリシスの結果を使わせていただいているというところです。
○費用対効果評価専門組織委員長
結果として、ここは指摘もあるのですけれども、分からないものは分からないという状況なのかなと思っていたのですけれども、ありがとうございます。
その他、いかがでしょうか。
○○委員、どうぞ。
○○○委員
どのような解析もリミテーションというのはありますので、重箱の隅を突つく的なことを言い出すと、全ての分析でけちをつけるところはあるわけですけれども、ネットワークメタ解析の効果修飾因子というのは、比較群間の効果が変わるというところの因子について、分布がずれているかどうかというところは、もちろんネットワークメタ解析ではそろえたほうが好ましいと言われています。ですので、ニボルマブとイリノテカンの効果を大きく変えるような背景因子が存在して、その分布がネットワークメタ解析で統合した研究間で大きく異なるかどうかというところを見る必要はあると思います。
ですので、使用された論文の情報はあると思いますので、そこは見ていただくことは可能かなと思いますが、科学院さんが言われるように、効果を大きく変えるような背景因子が特にないというところであれば、分布が少しばかりずれていても、そこは許容できる範囲なのかなと考えます。
今回、どこが許容できて、どこが許容できないのかというところを考えると、先ほどのHER2陽性の方が考慮されていない。そうすると、HER2ある、なしが治療効果にどれぐらい影響があるのかというところで、また議論する必要もあるかと思います。とはいえ、企業側もニボルマブのほうのデータを引っ張ってくるときに、そこを考慮に入れていないのではないか、お互いさまじゃないかというところも、もちろん水掛け論的になっているような気もしますので、お互い不完全なのかなというところはあります。
先ほど言いましたように、大きなずれというのは、アンカーがある解析がされているのかどうかというところで、間接比較という言葉はよく出てくるのですけれども、アンカー研究があるかないかというところが非常に大きな論点になると思うのですね。先ほど言いましたように、別の研究から介入群とコントロール群、それぞれ引っ張ってくるというのは、特に一方が観察研究で、一方が介入研究の場合、先ほどと同じ理由で結果が大きく乖離してきます。ですので、そこを補う手法として開発されたのがネットワークメタ解析であり、ネットワークメタ解析の場合は間接比較ではありますけれども、アンカーになる群というものがちゃんと想定されていますので、研究ごとの背景はバイアスにならないような考慮がされた上での間接的な比較がされているのですね。
なので、その観点から言いますと、企業側の解析というのは、介入研究と観察研究を併せてしまっているという上で、幾ら背景情報がMAICの手法で調整されているとはいえ、そこはニボルマブの効果が悪く出過ぎているというのは、ニボルマブが観察研究から引っ張られてきていますので、そこが大きく寄与しているのではないかと考えます。
科学院さんのほうの解析は、J202試験、無作為化試験の結果ですね。同じ研究の中で介入研究とイリノテカンが比較されているハザード比と、ネットワークメタ解析からある程度アンカーがある間接比較されたものを組み合わせていますので、アンカーとしては存在しているという上で、科学的妥当性としては、科学院さんの解析のほうが、疫学で言われる一般的な常識を考慮に入れると妥当なのかなという印象があります。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございました。
今、技術的な議論をしてきた中において、○○先生がある程度全体を俯瞰しながら、インパクトの程度も考慮してまとめていただいたようなところもあると思うのですが、結果として科学院さんのほうの分析がより確からしいという御意見であったのですが、このあたりについて、その他の委員、いかがでしょうか。
よろしければ、今回は科学院さんのほうの分析を中心というか、採択するような方向で議論していきたいと思いますが、いかがでしょうか。異質性のある試験を併せてしまうことが致命的というか、バイアスも含めていろいろな議論が出てくるということだと思いますし、今回は費用増加なのか、5億円というようなICERの数字について、最後、詰めさせていただきたいと思います。
科学院さんのほうで数字を出されたところについて、もし御説明があるのだったら追加でお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○国立保健医療科学院
ありがとうございます。
先ほどの資料の21枚目を御覧いただきますと、胃がんの公的分析の増分費用効果比の結果を載せてあるところです。委員長、お尋ねのところは、(b)の集団の費用効果分析なのか費用最小化分析なのかというところだと認識していますけれどもね。
○費用対効果評価専門組織委員長
そのとおりです。
○国立保健医療科学院
この費用効果分析については、増分QALYを御覧いただくと0.003という極めて小さい値しか獲得できていないということで、割り算してしまうと、値として事実上発散してしまって、5億6000万という非常に大きな値が出てきてしまうということかなと認識しています。この0.003というのは、事実上、増分効果としてはゼロで、費用増加に等しいと解釈するのが価格的には適切なのではないかなと考えているところです。
以上です。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
臨床的な意義から見たときに、この数字が余りにも小さいので、実質上、同等であるという形で、結局、費用増加という結論と大きく変わらないという御説明であったのかなと思うのですが、先生方、いかがでしょうか。特に臨床の先生方から見て、追加的な有用性や臨床上の意味に関わり、もしコメントがあれば、ぜひお願いできればと思います。
○○○委員
○○ですけれども、確かに実質ゼロだと思うので、増分というか、そっちのほうが正しいような気がします。
○費用対効果評価専門組織委員長
ありがとうございます。
では、今、科学院さんのほうの御説明があったような形で、結論としては、この費用増加という形で今回は結果を整理させていただくのがよろしいと整理します。
そうすると、胃がんの議論についても基本的に論点については整理され、一応、結論のほうに至ったのかなと思いますが、その他、乳がん、胃がんを通して全体で何かコメントございますでしょうか。よろしいでしょうか。
では、これから議決のほうに入らせていただきますけれども、どうぞ。
○事務局
事務局でございます。
あと、幾つか確認していただきたい点がありまして、皆様、御意見いただきたいのですが、まず患者割合のところです。企業の出してきた数字、そして公的分析から出てきた数字というのがあるかと思います。その上で、先ほど乳がんの三次治療のところはICERの結果が出てくるということでございましたけれども、二次治療のところが、企業も公的分析も分析不能だと出ております。患者割合とも関係してくるかなと思いますけれども、そちらの2点、御議論いただければと思いますが、お願いできますでしょうか。
○費用対効果評価専門組織委員長
失礼いたしました。私が少しスキップしたようです。
まず、患者割合についてでありますけれども、今回、先生方の御意見を伺うと、公的分析を支持するというのが皆さん方の意見として多かったように思いますが、コメントございますでしょうか。いかがでしょうか。では、患者割合については公的分析の数字ということでよろしいでしょうか。事務局さん、それでよろしいでしょうか。
○事務局
公的分析の数字が正しそうだということで、その上で、二次治療の乳がんのところも御検討をお願いいたします。
○費用対効果評価専門組織委員長
二次治療の0.4%というものについては、余りにも小さい数字でありますので、割愛するという議論もあろうかと思いますが、先生方、御意見いかがでしょうか。今までの品目の分析においては、こういった小さな集団については外してしまってるケースがありますので、そちらとの整合性を踏まえますと、今回も0.4%ですから、外してしまってよろしいのかなと思いますが、何か御意見ございましたらお願いします。では、二次治療についての0.4%の集団は、小さいので割愛するという方針で進めていきたいと思います。
これで、エンハーツについての議論をしていただかなければいけないものについて、全て議論させていただいたと思いますので、議決に入らせていただきます。それでは、議決に入る前に、○○委員におかれましては、議決の間、一時御退席ください。また、私も一時退席となりますので、退席中の議事の進行は委員長代理の○○委員にお願いしたいと思います。○○委員、よろしくお願いいたします。
○○○委員長代理
承知いたしました。費用対効果評価専門組織委員長の代理として議事を進めさせていただきます。
(委員長、○○委員・退席)
○○○委員長代理
それでは、先生方の御意見を参考に、エンハーツ点滴静注用に関する費用対効果につきましては、まず、乳がんにつきましては、相当程度の不確実性があることは踏まえた上で、製造販売業者の枠組みに沿って、それからQOL値と公的分析のほうで修正したものの数字を当てはめて、費用対効果案として決定するということでよろしいでしょうか。
それから、今、御議論いただきました二次治療の患者集団については、患者割合が非常に小さいということで、分析不能と判断し、分析から除外するということでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
では、そのようにいたします。
次に、胃がんにつきましてですが、これは公的分析による分析結果を費用対効果評価案として決定するということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
最後に、患者割合につきましてですが、今、御議論いただいたように、患者割合は公的分析による患者割合を費用対効果評価案として決定するということでよろしいでしょうか。御異議ございませんか。
(委員首肯)
○○○委員長代理
ありがとうございます。
それでは、以上の再分析結果を費用対効果評価案として中央社会保険医療協議会に報告していただきます。
なお、内示及び中央社会保険医療協議会に提出する資料に関しましては、委員長代理に御一任いただくということでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○○○委員長代理
ありがとうございます。
<照会先>
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