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2018年7月6日  厚生科学審議会疾病対策部会リウマチ等対策委員会(第4回) 議事録

厚生労働省健康局がん・疾病対策課

○日時

平成30年7月6日(金)14:00~16:00

 

○場所

厚生労働省中央労働委員会7階講堂
 

○議事

○貝沼がん・疾病対策課長補佐 定刻となりましたので、ただいまより第4回厚生科学審議会疾病対策部会リウマチ等対策委員会を開会いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しい中御参集いただきまして、誠にありがとうございます。事務局を務めさせていただきます厚生労働省健康局がん・疾病対策課の貝沼と申します。どうぞよろしくお願いいたします。本日は、金子委員、矢内委員から欠席の御連絡を頂いております。また、公益社団法人日本医師会より、市川委員に代わり羽鳥参考人に御出席を頂いております。なお、羽鳥参考人は、厚生科学審議会疾病対策部会の委員をされておられます。公益社団法人日本看護協会の中板委員から井本委員に交代となりましたが、本日、御欠席の御連絡を頂いております。また、私ども厚生労働省健康局長ですが、公務のため遅れておりますことを御容赦ください。それでは、ここからは宮坂委員長に議事をお願いいたします。
○宮坂委員長 まずは、事務局より資料の確認をお願いいたします。
○貝沼がん・疾病対策課長補佐 お手元の資料を御確認ください。議事次第、座席表、委員名簿、資料1として厚生科学審議会疾病対策部会リウマチ等対策委員会報告書(案)、参考資料1としてリウマチ財団専門職制度、公益財団法人日本リウマチ財団提出資料を付けております。また、委員のお手元には、第1回から第3回の委員会資料を配布しております。こちらは、会議終了後、机の上に置いたままお持ち帰りになりませぬようよろしくお願いいたします。資料に不足・落丁等がありましたら、事務局までお申し出ください。以上をもちまして、カメラを収めていただきますよう御協力のほどよろしくお願いいたします。
○宮坂委員長 それでは、議事に入ります。平成23年に報告されたリウマチ・アレルギー対策委員会の報告書から6年が経過したことを受けて、本検討会では本年3月の第1回委員会以降、リウマチ対策の現状及び課題を踏まえた更なるリウマチ対策を推進するための議論を行ってまいりました。本日は、これまでの議論を踏まえて、リウマチ等対策委員会報告書の取りまとめを行いたいと思います。議題1、「リウマチ等対策委員会報告書(案)について」、まずそれぞれの項目について議論を追加すべき点があれば検討をし、最後にリウマチ等対策委員会報告書全体に対して追加すべき点があれば、検討したいと思います。資料1の1「はじめに」及び2「リウマチの現状」について、事務局より説明をお願いいたします。この文章は、もう既に皆様に何度かお目通しいただいていると思いますので、事務局のほうからは修正点であるとか、新たに追加した点を中心にお話いただければよろしいと思います。よろしくお願いします。
○貝沼がん・疾病対策課長補佐 1ページ、1「はじめに」です。こちらは初めてお目通しさせていただきますので、読ませていただきます。
「リウマチ対策については、厚生科学審議会疾病対策部会の専門委員会として設置されたリウマチ・アレルギー対策委員会により、平成17年及び平成23年に取りまとめられたリウマチ・アレルギー対策委員会報告書を踏まえ、リウマチ対策の方向性などを都道府県や関係団体等に周知するなどして、戦略的な推進に努めてきた。近年、リウマチにかかる医療技術や国民における認識及び社会情勢等が著しく変化していること、及び広く普及に努めてきた方向性などについては、5年間程度を目処に策定されたものであったことから、今後のリウマチ対策を検討する必要性が生じてきた。また、平成26年にアレルギー疾患対策基本法が成立したことを受け、アレルギー疾患対策の議論の場としてアレルギー疾患対策推進協議会が設置された。そのため、今回リウマチ対策の更なる推進のため、厚生科学審議会疾病対策部会の専門委員会として、リウマチ等対策委員会と改組し、平成30年3月から4回の委員会を開催し、医療従事者や患者からのヒアリングを通して、今後のリウマチ対策の方向性について有識者による検討を行ったところである。本委員会においては、今後のリウマチ対策の全体目標として、リウマチ患者の疾患活動性を適切な治療によりコントロールし、長期的なQOLを最大限まで改善し、継続的に職業生活や学校生活を含む様々な社会生活への参加を可能とするとした。この目標を達成するために、医療の提供等、情報提供・相談体制、研究開発等の推進について、それぞれ今後の取組の方向性について整理し、これらの議論について本報告書に取りまとめた。今後、本報告書を参考に、新たなリウマチ対策の方向性などが示され、国全体のリウマチ対策の充実につながることを期待する」といたしました。
2ページからは主に変更点を説明します。2「リウマチの現状」、(1)リウマチについて、○の3番目、リウマチの診療の所ですが、前回、委員の皆様から御意見を頂戴し、1行目、「発症の予防や根治的な治療法はない」という表現を追加しました。さらに、5行目から、「有効性の高い治療法の進歩により、新規リウマチ発症患者における関節破壊や変形を来す患者が減少し、疾患活動性の低い状態を保てるようになってきた」。このように、これまで「寛解」といった言葉を使ってまいりましたが、皆様の御意見を基に「疾患活動性の低い状態」という表現に改めました。また、その後、今回この報告書の現状においては、幾つか厚生労働科学研究でのNinJaのデータベース、全国データベースのデータを載せております。そこで、7行目から、「平成14年度から」と書かれた所で、厚生労働科学研究について紹介しました。
3ページでは、手術の内訳について、下の図にリウマチに関連した手術療法の推移、そしてまた報告書の中に書かれていた記載を基に、滑膜切除術や人工関節置換術の手術数は大幅に減少したが、骨粗鬆症に伴う骨折手術や関節形成術については減少傾向が見られないことを明記しました。
4ページです。前回の骨子の際には、リウマチの合併症・治療の副作用については書いていませんでしたので、こちらについては読ませていただきます。
「リウマチを有する患者は、リウマチ自体の合併症と、リウマチ治療の副作用として生じる症状を考慮する必要がある。リウマチを有することで発症頻度が高まる疾患として骨粗鬆症、間質性肺炎、動脈硬化性疾患(虚血性心疾患や脳血管障害等)、悪性リンパ腫等が報告されている。なお、これらの合併症は、リウマチ治療薬の副作用として生じる可能性も報告されている。また、リウマチ治療薬による免疫抑制効果に伴う感染症への罹患が、薬物療法の副作用として大きな課題となっている。罹病期間の長いリウマチ患者を管理・治療するには、これらの合併症や治療の副作用に対して十分配慮する必要があり、その重要性は年々高まっている。治療法の進歩により、これらの合併症・治療の副作用も変化してきており、引き続き合併症や治療の副作用の検討も必要である」といたしました。
(2)リウマチに関する疫学、1つ目の患者数の所です。これまでの議論を通じて、山中委員らの報告、そしてまた厚生労働省の患者調査、このようなものを明記した上で、6行目、「リウマチの患者数に関する調査においては、様々な報告がある」とまとめました。次の○、リウマチ患者の高齢化の3行目です。「このような状況で、高齢リウマチ患者に必要となる医療・介護保険などの利用状況については検討されていない」という点を追加しました。さらに、その次の医療費に関する所、4行目です。この医療費の表から、「特にリウマチを含めた本領域の疾患は女性に多く、女性における医療費構成割合において9.9%を占め、3番目に多くなっている」という部分を追加しました。
6ページ、7ページですが、厚生労働省による取組は、第1回目の委員会の中で示した厚生労働省のこれまでの取組、表1について、文章化したものです。さらに、現在実施している事業についても、第1回の委員会で示したリウマチ・アレルギー特別対策事業、アレルギー情報センター事業、そしてまた免疫アレルギー疾患政策/実用化研究事業、これらについて簡単にまとめております。2の所までは以上です。
○宮坂委員長 ただいまの事務局の説明を踏まえて、1「はじめに」及び2「リウマチの現状」について議論をしていきたいと思います。資料1の1ページ、1「はじめに」についてですが、追加すべき議論等がありましたらお願いします。こちらは議論の背景となる内容ですので、特段の意見がなければ、次に進みます。よろしいでしょうか。「はじめに」の部分です。必要なことは網羅されているでしょうか。特に最後のパラグラフの所で、今後のリウマチ対策の目標として、「リウマチ患者の疾患活動性を適切な治療によりコントロールし、長期的なQOLを最大限まで改善し、継続的に職業生活や学校生活を含む様々な社会生活への参加を可能とする」として、この目的を達成するために、ここに書いてあるような項目について今後、整理をする。よろしいでしょうか。ありがとうございました。
次のページ、2ページから7ページに関して、リウマチの現状について、何か追加すべき議論等がありましたらお願いいたします。
○小嶋委員 細かいことで恐縮なのですが、4ページのリウマチに関する疫学の所で、リウマチの患者数の3行目、「我が国におけるリウマチの有症率」となっているのですが、「有症率」と言うと、症状を有する人の割合という意味になってしまい、ここでは「有病率」という用語の方が適切ではないかと思います。
○宮坂委員長 このリウマチ患者数の所の3行目ですね。「我が国におけるリウマチの有症率は0.6ないし1%」という、ここの「有症率」を「有病率」ではないかと。よろしいですか。
○貝沼がん・疾病対策課長補佐 確かにそうですね。
○宮坂委員長 ありがとうございました。その方向で、「有病率」ですね。ほかにはいかがでしょうか。1ページ、2ページ、リウマチの診療が書いてあって、4ページになると合併症・治療の副作用、4ページの半ばからリウマチに関する疫学のデータ、患者数の推計とリウマチ患者の高齢化、リウマチ患者にかかる医療費という所ですが、特に問題がなければ、問題があれば後から戻って議論をすることも可能ですので、よろしくお願いいたします。6ページから7ページに関しては、厚生労働省による取組が書かれていて、それは表1にまとめられていて、これを文章化したものが7ページであるということでした。よろしいでしょうか。
それでは、次にいきたいと思いますので、3の「リウマチ対策の更なる推進のために」について、御説明をお願いします。
○貝沼がん・疾病対策課長補佐 8ページ、3「リウマチ対策の更なる推進のために」を御覧ください。(1)対策の全体目標については、全て読ませていただきます。「リウマチ患者の疾患活動性を適切な治療によりコントロールし、長期的なQOLを最大限まで改善し、継続的に職業生活や学校生活を含む様々な社会生活への参加を可能とする。目標の達成には発症早期に診断がなされ、適切な治療を早期から実施・継続することにより重症化を予防する。また、罹病期間が長く、既に関節の変形や破壊を来した患者には薬物療法、理学療法、手術療法等を集学的に行い、機能性の改善の実現に取り組む必要がある。また、年代や状況に応じた社会生活の充実を図るため、患者やその家族に対して、専門的なメディカルスタッフ等による生活支援や社会保障支援制度の情報提供を行うとともに、更に患者が社会生活を行う職場や学校などの場において、周囲からの理解が得られるよう、リウマチに関する正しい知識の普及・啓発に取り組む必要がある」といたしました。
9ページ、個別対策を順に説明します。➀医療の提供等の「診療連携体制のあり方について」は、これまでの委員会での議論を基に作っております。特段、(ア)現状と課題の6行目、「また」以降ですが、「発症早期における診断や増悪時における治療選択の際に、一般医療機関から専門医療機関等へ紹介する基準が明確となっていない」と書きました。
それらを受けて、(イ)取組の方向性の2つ目のポツですが、「関係学会と日本医師会等の関係団体は、国と連携し、一般社団法人日本リウマチ学会が作成した関節リウマチ診療ガイドラインJCR2014に基づく一般医向け診療ガイドラインを、発症早期における紹介基準などを含めた内容に改訂し、関節リウマチ診療ガイドライン2014と併せて広く普及していく必要がある」と追記、下の2行の「関節リウマチ診療ガイドライン2014と併せて広く普及していく必要がある」としました。
10ページ、「診療の標準化・均てん化」の所です。こちらも(ア)現状と課題については、これまでの議論と大きく変更はありません。(イ)取組の方向性の中、1つ目のポツ、「なお」以降です。「なお、診療ガイドラインの改訂の際は、患者の視点を引き続き取り入れることが望ましい」としました。さらに、その次のポツについては変更はありません。
次に、「年代に応じた診療・支援の充実について」ということで、これまで「診療の充実」と書いていましたが「・支援」という形で追加しました。こちらの現状と課題においては、小児期における研究、そしてまた若年成人期などにおける両立に関しての問題点の実態把握など、現在、私どものほうで取り組んでいる厚生労働科学研究について言及しております。さらに、(イ)取組の方向性の2つ目のポツですが、「国は、関係学会や関係団体と連携し、リウマチ患者における治療と職業生活や学校生活の両立の支援について、その現状や課題を把握した上で推進する方法を検討することが望ましい。なお、その際には、がん対策における治療と仕事の両立支援の取組などを参考にする必要がある」と追記しました。
さらに、専門的なメディカルスタッフの育成については、保健師、看護師、薬剤師、理学療法士については、これまでどおりですが、最後の段落です。全体目標に示したように、「リウマチ患者が長期的なQOLを最大限まで改善し、継続的に職業生活や学校生活を含む様々な社会生活への参加を可能とするためには、社会福祉士やケアマネージャーなど、様々な職種が関与するチーム医療の必要性がますます高まってくると考えられる」という1文を追記しております。
それを受けて、(イ)の取組の方向性です。2つ目のポツですが、「関係学会や関係団体は、保健師、看護師、薬剤師、理学療法士、社会福祉士、ケアマネージャー等に研修などを通じ、リウマチ患者が様々な社会生活へ参加する上で必要な専門的な知識や技能を有する人材の育成を行うことが望ましい」といたしました。なお、本日、参考資料1で付けた公益財団法人日本リウマチ財団様のほうで、これらの職種に関しての専門職制度を御紹介しております。こちらのほうでは、これまでリウマチ財団様のほうで医師、薬剤師、看護師について、リウマチに対してのリウマチ登録制度をお持ちでした。今後は、地域でのより包括的なケアを目指すものとして、理学療法士や作業療法士の制度についても、今後、検討されていくということを伺っております。
➁情報提供・相談体制ですが、(ア)です。この中で、どんな情報が必要かということに関して、2行目からですが、「リウマチに関する疾病情報、適切な治療や薬剤に関する情報、専門的な医療機関や医療者に関する情報、保険や医療費等の福祉サービスに関する情報」、このようにまとめました。また、5行目からですが、「職場及び学校等におけるリウマチに関する知識不足により、周囲からの理解や支援が得られないことが多いとの指摘もある」と追加しております。
13ページは、取組の方向性の中で、先ほど申し上げたような情報について、「国は、地方公共団体や関係学会や関係団体と連携し、国民に広く提供していく必要がある」と記載しております。
➂研究開発等の推進ですが、(ア)はこれまでの御議論を基に、疫学研究の中で患者の推計数だけでなく、年齢分布、合併症や治療の副作用、ライフステージ別の診療や社会生活に関しての実態把握といったことを列挙しております。「また」以降については、これまでの議論と同じものですので、割愛します。
(3)施策の評価等として、「国においては適宜、有識者の意見等を聞きつつ、国が実施する重要な施策の実施状況等について評価し、また地方自治体の実施する施策を把握することにより、より的確かつ総合的なリウマチ対策を講じていくことが重要である。地方公共団体においても、国の施策を踏まえ、国や関係団体等との連携を図り、施策を効果的に実施するとともに、主要な施策について政策評価を行うことが望ましい」と記載しました。以上です。
○宮坂委員長 3の「リウマチ対策の更なる推進のために」について、ここのところを項目別に議論を進めたいと思います。資料1の8ページ、3の(1)の対策の全体目標の部分について、御意見等ありましたら、御発言をお願いいたします。
○山本委員 これはほとんど問題ないと思うのですが、最初の全体目標の所の3行なのですが、活動性を適切な治療によりコントロールし、長期的なQOLを最大限まで改善する、それもよろしいです。その後、継続的に職業生活、学校生活を含む様々な社会生活への参加を可能にする、これもそれだけ見るといいのですが、女性の患者さんで、一番問題なのは家事、家庭の中のことです。しかし、やはりこれは社会生活なのです。QOLだけでは含まれないことなので、何かそこのところの表現をここに入れていただくと、職業とか学校生活だけが社会ではないので、女性の方がマジョリティなので、ちょっとした例外ではなくて、いかに家事をきちっとすることが重要かというところを少しお願いします。
○宮坂委員長 角田さん、この辺りはどうですか。
○角田委員 そうですね。女性の方には家事仕事は切り離せないものですので、そこは入れていただくといいかなと思います。
○宮坂委員長 ただ、山本先生の御提案のように、家事に関する部分は非常に大きいので、その部分の文言を何らかの形で付け加えるということで。
○角田委員 そうですね。非常に大きい部分だと思います。
○山本委員 「家事とともに職業生活、学校生活」とかね。
○宮坂委員長 「家事とともに」ね。
○山本委員 文章をもうちょっと。
○宮坂委員長 練る必要があるかもしれない。その辺どうですか。
○佐々木がん・疾病対策課長 宮坂委員長、もしかしたらQOLのLに含まれるかもしれませんが、QOLのLはlifeですね。
○山本委員 いや、だから、それは違うというようにちょっと言いたかったのです。
○佐々木がん・疾病対策課長 なので、何が言いたいかと言うと、日常生活という表現を使うと、例えば社会生活への参加や日常生活の何々みたいな感じで、日常生活という言葉だとニュアンスが出ますかね。
○山本委員 これは何と言うのですかね。労働生産性の考え方を含めて、家庭での家事というのは労働生産性に入れないと駄目なのですよね。自分の1人のQOLではないので、そこのところを言いたかったのです。
○佐々木がん・疾病対策課長 分かりました。何らかの単語を入れることによって、今の山本委員の御指摘のニュアンスが出るようにします。
○宮坂委員長 分かりました。ちょっとその部分は預からせていただいて、検討する。
○小嶋委員 「職業・学校・家庭」にしたらどうですか。職業と学校と家庭と3つ並べてしまうというのは。
○山本委員 いいと思います。
○宮坂委員長 職業・学校・家庭で、それぞれを「・」でつないで、生活とする。分かりました。その辺りは考えさせていただいて、適切な文章を入れさせていただくということでよろしいでしょうか。(1)の対策の全体目標の所は、これでよろしいでしょうか。ここは全体的なところで、後から述べるようなことをきちんとカバーできていれば、それでいいということになると思いますが、よろしいでしょうか。
9ページの(2)個別対策です。個別対策で、まず➀が医療の提供等で、診療連携体制の在り方が問題になっていて、先ほども御説明にあったように、ガイドラインはできているのですが、まだ一般医療機関への周知が十分でない、あるいは一般医療機関が診たときに、専門医の機関に紹介する基準、どういう場合に送ったほうがいいのか。どこまで診断して、どこまで治療をしたところで送るのかという基準が明確になっていないということで、これは多分、今後、研究班で作るなり、あるいは学会でそれを評価するなりのことが必要になるとは思うのですが、そのことが書いてあります。(イ)取組の方向性の所に、そのことが書いてありますね。何かありますか。
○羽鳥参考人 日本医師会の羽鳥です。例えばほかの疾患、糖尿病などですと、糖尿病療養指導士とか、高血圧指導士とか、あるいは腎臓病もそういう資格がある意味でできたと。多分、今日の参考資料で出た専門職制度がそれに相当するのかなと思いますが、もうちょっと全体で話し合うような場というのは、リウマチの場合は余りないのでしょうか。
○宮坂委員長 残念ながら、まだそこまでは行っていなくて、日本リウマチ財団が看護師等登録師のシステムを始めて、ここに登録されている人数がありますが、平成31年から理学療法士と作業療法士を、その制度をスタートするというところですよね。
○羽鳥参考人 糖尿病は確かに10年ぐらい前から始まっていますが、腎臓病も大体同じようなスケール感覚だと思います。いずれはそうなるんだなということで、理解してよろしいでしょうか。
○宮坂委員長 そうです。これはまだ国家資格ではなくて、この財団が作った制度として登録をして、教育をしているというところで、まだ国家資格とかそこまでは行っていないのですが、その前のステップとして積み上げているというところなのだと思います。ですから、こういう具体的なアクションを後の所で文言として入れるかどうかということにもなりますけれどもね。それは後の所でまた話しましょうか。ここの診療連携体制の在り方については、よろしいですか。(ア)の現状と課題、(イ)の取組の方向性。
取りあえずなければ、10ページに進みたいと思います。診療の標準化・均てん化です。(ア)で現状と課題を明らかにして、(イ)で取組の方向性を述べているということで、特に診療ガイドライン、今できているのですが、改訂作業中だということですが、そういったところには患者さんの視点を引き続き取り入れることが望ましいということもうたわれています。
○羽鳥参考人 2つあるのですが、均てん化ということで、ほかの疾患もそうですが、リウマチの場合もやはり専門医の先生が都会に集中する、過疎の地域だとなかなか専門医の先生が見つからない。例えば遠隔でのD to Dでいいと思うのですが、そういう画像の解釈や診断を専門医の先生に仰ぐとか、そういう仕組みも将来的に考えていくというのも大事かなと思うのですが。いかがでしょうか?
○宮坂委員長 医療の地域格差とか、あるいは専門医の配置の偏りであるといったことは、今までも討議をされてきているのですが、そこも専門医の配置の偏りであるとか、診療の地域格差のことは、余り具体的にはここには入れてはいないですが、その辺りをもう少し入れる必要があるかどうかですね。
○羽鳥参考人 もう一点、次の所でもよろしいですか、支援のことです。
○宮坂委員長 結構です。
○羽鳥参考人 10ページ、11ページにかけてですが、例えば先ほども出したがん対策の場合には、キャンサーサバイバーの人たちの社会復帰して、会社への勤務が継続出来る。それをかかりつけ医が産業医と協力して生活をサポートするということで、診療報酬上も加点されるという仕組みに今年の4月からなったのですが、リウマチについてはまだそれはないかと思うのです。
○宮坂委員長 がんの場合は生き死にと関わってくるので、サバイブした人たちが社会復帰をすることができると思うのですが、リウマチの場合は労働生産性の障害が疾患のために起きて、それが治療で良くなっていったということは、それがエビデンスとして今出つつあるのですが、それを社会として受け入れて、あるいは保険の制度でそれを認めて優遇措置をするということは、残念ながらまだない。
○羽鳥参考人 はい、分かりました。
○宮坂委員長 今の点についてでも結構ですし、ほかの点についてでも、先ほどの遠隔診療のことは後のところでまた話したいと思いますけれども。
○山中委員 先ほどの糖尿病などの療法士とか、透析関係のこともあったのですが、糖尿病とか腎臓病に比べて、いわゆる生活習慣病としての要素がリウマチは少ないということがありますので、果たしてどういう仕事をそういう資格を持った方にやっていただけるかということに関しての議論がまだまだ不足していると思います。
○宮坂委員長 そうですね。例えば腎臓などですと、腎不全になる、その場合には食事療法が非常に重要な役割をする。ですから、透析の学会などもノンメディカルの人たち、あるいはコメディカルの人、MDではない人たちが非常に多く入っているのですね。ですから、そういう意味では、先ほど山中委員が指摘されたように、生活習慣病の場合には生活習慣の指導というのがあると思うのですが、残念ながらリウマチの場合には後からまた出てきますが、予防に絡んで喫煙の問題などは出てきますが、どういう食事をすればいいのかとか、そういう問題もあります。糖尿病などは、1桁、2桁、患者さんが多いですが、リウマチの場合は患者さんは60万人から100万人というところで、まだそれほど多くないので、こういう資格を持っている、例えば登録看護師であるとか、薬剤師も、あるところまで増えたのですが、なかなか増えない状況にはなってきているのです。ですから、これをいろいろな方が取って、それを専門にやる場所があるかというと、なかなか難しいかもしれないですね。リウマチ専門のクリニックなどでは、看護師とか薬剤師に勧めてそれを取る方向できているみたいですけれども。
○山本委員 それから、理学療法士などは圧倒的に数としては心臓とか脳卒中の専門の方はいらっしゃいますが、その方たちのやり方というのとリウマチとは違うので、そこのところでリウマチの知識も持っていただく。要するに、リウマチというのは良くなったり悪くなったりされるので、それと、一旦起こった病状を、ずっと改善していくというのと全然リハビリは違うので、理学療法士にかかったのだけれども、どんどんやれやれと言われてというようになってしまうと余りよくないのです。そこのところについては理学療法士を分けることはできないので、両方、要するに、リウマチはリウマチとして知っていただくということを普及することは重要です。
○宮坂委員長 そこは田中委員、何かコメントはありますか。
○田中委員 恐らく理学療法士、リハビリテーション医の中でも、いわゆる運動器リハの人はある程度分かっているのではないかとは思いますが、今かなり細分化されてしまっているので、その辺りの問題はあるかと思います。
○宮坂委員長 もう1つ、リウマチの場合は理学療法士がやるよりは、どちらかというと、リウマチ体操として自分でやることに非常に意味があるので、脳卒中なんかだと理学療法士にかなり依存する部分は大きい。あるいは心臓のリハもそうだと思いますが、ちょっとそこが少し違うかもしれません。
○山本委員 本当は医療の最中に医師がきちんとお伝えできればいいのですが、その時間的な制限があって、リハビリは重要ですよと言うと頑張ってしまうのですね。でも、頑張るではなくて、病状を把握しながら頑張り方の度合いを決めていくということを知っていただくことは重要性なので、なかなか難しいですけれども、やはりその辺は理学療法士にお任せするのが一番だと思います。
○田中委員 例えば硬い蓋をひねって開けないなど、関節に負担をかけないための日常生活指導を誰がやるかという問題があるかと思います。保健師などのコミットが必要なのかもしれません。
○宮坂委員長 そうですね、今は、なかなかそれはドクター、我々も診療中に余裕があるときは話をしますけれども。
○田中委員 そうですね。
○宮坂委員長 なかなか時間がないとできないですね。そういう問題はありますけれども、今の診療の標準化・均てん化、年代に応じた診療、支援の充実についてというところで、それから、先ほど話も出ましたけれども、専門的なメディカルスタッフの育成について、先ほど参考資料1が出てきましたが、こういったことをもう少し文言として入れるかどうか、その点はよろしいでしょうか。今のままで。
あとは、情報提供・相談体制です。厚労省ではリウマチ・アレルギー相談員育成研修会というのをやっているのですが、どちらかというとアレルギーに多少偏っていることもありますし、他の理由もあるのでしょうけれども、リウマチ関係者の参加が少ないですね。あるいは、電話相談に関しても少ない。ただ、角田委員から前に御発言がありましたように、友の会の患者会が実施している相談では、医療費や治験、治療に関する相談は多いようですね。取組の方向性としてはこの3つのポツに書かれているとおりということになります。よろしいでしょうか。
次に、➂の研究開発等の推進です。この現状と課題に関してですが、1つは、まだ疫学的な研究が十分でないというのが最初の3、4行のフレーズです。それから次の所で、標的分子は分かってきた、あるいは早期治療の戦略は分かってきたけれども、発症の根源的なメカニズムは分かっていない。それから、骨や軟骨がどうして壊れるかという分子学的な機序であるとか、あるいは、免疫学的な機序に関しては解明が不十分である。最後の所で、一部では喫煙者、男性で喫煙をする人などは、その喫煙が抗CCP抗体の上昇を介してリウマチの増悪に関わっているというデータが世界的にも出てきているのですが、まだまだハイリスク集団がどのように規定できるか、そのマーカーが何なのかというような、その人たちに対して積極的に発症前から予防的介入をするということに関しては検討はなされていないとなっています。よろしいでしょうか。
次の14ページで、取組の方向性としては、関係学会などと国は連携をして、データベースを用いるなどして疫学的な研究を進めていく必要がある。2番は、国は関係学会と連携して、今、残されている問題点、関節の破壊防止や免疫学的な機序解明等の研究を進めて治癒や予防の研究を推進する必要がある。3番目は先ほどの予防の件ですが、ハイリスク集団に対して発症前から予防的介入を、医学的な介入を推進する必要がある。これもよろしいでしょうか。3番目は施策の評価ということになります。よろしいでしょうか。
それでは、15ページの「おわりに」について、事務局から説明をお願いします。
○貝沼がん・疾病対策課長補佐 15ページを御用意ください。「おわりに」です。
「本委員会における議論の結果を踏まえ、全体目標に示したリウマチ患者の疾患活動性を適切な治療によりコントロールし、長期的なQOLを最大限まで改善し、継続的に職業生活や学校生活を含む様々な社会生活への参加を可能とすることに重点を置き、検討を重ねてきた。具体的な検討の範囲としては、我が国におけるリウマチ対策を総合的かつ体系的に推進するために、リウマチの現状から、これまで取り組んできた対策の柱を基に、それぞれについての新しい課題を示し、今後の取組の方向性に及ぶ幅広い事項が取り上げられた。このような形で報告書が取りまとめられたことは、議論を尽くしきれなかった点、至らない点もあるとは思われるものの、我が国におけるリウマチ対策を推進する上で大きな前進となることであろう。本報告書の成果が十二分に活用され、リウマチ対策の関係者の協力の下、その対策が円滑に実施され、国民に安心・安全な生活を提供する社会作りが達成されることを期待したい」。以上でございます。
○宮坂委員長 この部分、「おわりに」について追加すべき議論等はありますか。
○山本委員 当然8ページの文章を変えたなら、ここも変えて同じものにしていただくと。
○宮坂委員長 先ほどの8ページの対策の全体目標の一番最初の部分ですね。
○山本委員 そうですね。
○宮坂委員長 それを受けて「おわりに」を作るということですね。他にありますでしょうか。
○田中委員 文言ですが、15ページの3段落目の「我が国におけるリウマチ対策を推進する上で」ですね。
○宮坂委員長 「の」ではなく、「を」をですね。
○田中委員 はい。
○宮坂委員長 他にはいかがでしょうか。よろしいですか。
○森委員 全体的なことに戻ってしまいますが、ライフステージの一環として、今回小児からの移行期医療・支援についても含めて議論していただいて有り難く思っております。一点お尋ねしたいのですが、妊娠・出産についてあまり文章の中に出てきていないと思うのですが、ライフステージの一つとして妊娠・出産についても、大きな問題だと認識しているのですが、その辺りの文言をどこかで言及・追記してもよろしいのではないかと思ったのですが、いかがでしょうか。
○佐々木がん・疾病対策課長 例えば、正に10から11ページの「年代に応じた」という所ですので。
○宮坂委員長 ここで妊娠という言葉が2番目のパラグラフにちょっとだけ出てきますね。指針が不足しているという。
○佐々木がん・疾病対策課長 もう少し膨らませる形で。
○宮坂委員長 分かりました。では、森委員の御指摘を入れて、ここの部分、11ページの2番目のパラグラフの部分を少し膨らませると。
○森委員 ありがとうございます。
○宮坂委員長 ありがとうございます。小嶋委員、どうぞ。
○小嶋委員 それに加えると、現状と課題に妊娠・出産が出てきますが、取組の方向性に出ていないので、そちらでも言及されるべきではないかと思います。
○宮坂委員長 12ページの(イ)の取組の方向性ということになりますか。
○小嶋委員 はい、11ページの取組のほうです。
○宮坂委員長 ごめんなさい、11ページの取組の方向性の所に、妊娠や出産に対応する何か文言が必要であると。
○小嶋委員 はい、何かサポートがあるべきではないでしょうか。
○宮坂委員長 貝沼課長補佐、どうぞ。
○貝沼がん・疾病対策課長補佐 そちらの点については、11ページの(イ)取組の方向性の3つ目のポツになりますが、診療の標準化のガイドラインを改訂していくというところに含めまして、この「関係学会は、国と連携し、各世代における患者の様々なライフイベントへの対応や」という所で、一応、前半の現状と課題の中の「様々な社会生活やライフイベントに対する」という所と合わせている形にはしていますが、もし明確にということであれば、そのように対応したいと思います。
○宮坂委員長 そうですね、ですから妊娠・出産というイベントを明確にもう少し、前の所で、現状と課題で指摘をするのであれば、それを受けたものがあってもいいだろうということですよね。ですから、それは文言として入れていく方向でよろしいでしょうか。
○佐々木がん・疾病対策課長 よろしいですか。先ほど羽鳥参考人から、15ページの「おわりに」が良いのか、それとも、10ページの診療の標準化・均てん化の所が良いのかということで御提案、御意見があった部分を、どちらで受ける形が良いのか御判断いただければと思います。遠隔診療とか、あの辺りです。
○宮坂委員長 すみません、遠隔診療は後でやると言っていながら、そこの部分はディスカッションはしませんでした。遠隔診療とかAIとか、そういうものをどこかに入れていく必要はありますか。遠隔診療でもしもできるとすると、画像診断になりますか。画像診断と臨床経過を述べて、その診断の的確性とか、初期治療をどうするかということをやることになりますし、それから、AIはまた別のことになりますが、当然この分野にもAIが入ってきてもいいはずなのです。ただ。
○山本委員 日本リウマチ学会ではAI委員会ができましたので。
○宮坂委員長 そうですか。
○山本委員 まだ活動し始めた直後なのですが、やることはたくさんあるので、それはちょっと書きすぎで、どこの分野もみんなAIなので。
○宮坂委員長 まだ実例はないのですよね。
○山本委員 そうですね。
○宮坂委員長 ただ、方向性としてはそういう方向ではある。
○山本委員 それをやっていかないといけないと思います。
○佐々木がん・疾病対策課長 であれば、例えば「おわりに」の所で、今後の医学や、AIと書くか別として、AIやそういう情報技術、データヘルスといった取組が進んでいくことに対応するというのを、何かこの報告書の実現を図っていく中で、今、申し上げたそういう進歩に合わせて対応していくことも求められるという趣旨のことを入れるということでいかがでしょうか。
○宮坂委員長 そうですね、そのぐらいですよね。今の時点では、まだ余り具体的なエビデンスがないので、ただ、方向性としてそれを忘れてはいけないという意味で、今、課長から御提案されたように、「おわりに」の中で文章を入れていくということでよろしいでしょうか。他は全体を通じて何か欠落している議論とか、あるいは、追加したほうがいいというようなことは何かありますか。
○山中委員 今の話ですが、AIの発達が地域の均てん化を解決する1つになる可能性が十分にあると思います。
○宮坂委員長 ありますよね。
○山中委員 ですから、これは、ただリウマチに関したことだけではないので。
○宮坂委員長 ええ、ではないです。
○山中委員 例えば、画像診断などはAIの得意分野なので、そういうところがAIで解決されることによって、随分そういう遠隔医療が進歩するということも当然あると思います。ただ、リウマチに限ったことではないので、では、リウマチでそれが突出して必要性があるかどうかというと、現時点ではそこまでいっていないという段階だろうと思います。
○宮坂委員長 おっしゃるとおりだと思います。
○山本委員 いろいろな分野が重要だ重要だと言えばいいわけだから、これはリウマチの患者に対してですけれども、ここも入れておくと。だけれども、強調してもしようがないので。
○宮坂委員長 そこだけを殊更強調するほどのことではない。ただ、欠落するのも。
○山本委員 この分野も頑張るんだぞということを言っておけばいいわけです。
○宮坂委員長 羽鳥参考人、どうぞ。
○羽鳥参考人 先ほどから患者数がまだ明確ではないというのがあったと思います。これは、国レベルのレジストリを活用することや、レセプト、特定健診から引っ張り出せているけれども、特定健診でリウマチのことを聞いている問診項目はないですよね。だから、なかなかここから引っ張るのも難しいし、特定健診は炎症反応のCRPすらないので、悉皆性のあるレジストリ、たとえばある地域を徹底的に調べるなどの工夫が求められます。
○宮坂委員長 それで前もディスカッションをここでされたのですが、例えば、保険データベースを使うとかということはあるのですが、保険データベースですと、65歳以上のデータが非常に欠落して少ないのです。ところが、一方で、リウマチ患者は今、高齢化して、高齢発症の人が増えてきているので、なかなかそのデータベースは使いにくい。それで、ナショナルデータベース的なものを、悉皆性を持ったものをきちんと作る必要があるということは指摘をここでもされたのです。
○羽鳥委員 例えばがん対策ですと、必ず疾病登録。
○宮坂委員長 がん登録ですよね。
○羽鳥委員 がん登録、疾病登録しなければいけないのですけれども、幅広く見て疾病登録法のようなものができたとしたら、これも必ず登録されていくべきものだろうと思います。例えば、アレルギー対策基本法というのができていますよね、この中にはリウマチのことは。
○宮坂委員長 入っていません。
○羽鳥委員 入っていないのが、それがちょっとつらいです。
○宮坂委員長 そうなのです。
○羽鳥委員 分かりました。
○山本委員 あとは、関節リウマチの場合は、本当に専門医が診断したのか、そうではないのかでえらい違ってしまって、いわゆる、と言ったら失礼ですが、関節が痛いだけでリウマチと言われている方が結構いらっしゃるので、そこのところが保険のデータを集めただけでも、なかなか難しいという現状があります。
○宮坂委員長 どうしても保険データベースですと、診断で引っ張り出して、2回以上診断されて、抗リウマチ薬を使っているものをリウマチ患者と認めるということをやらなければいけないので、どうしてもリミテーションがあります。本当に一番いいのは、がん登録のような形で登録ができればいいのですが、がんのように2人に1人がなるような病気であればその登録もできるし、拠点病院もできるし、いろいろな情報のツールもできると思いますが、それよりは、はるかに少ない疾患であるということも我々は考えなければいけないと思います。他にはよろしいでしょうか。
○田中委員 14ページの上の取組の方向性の所ですが、「関係学会等と連携し、レセプト情報・特定健診等情報データベースを用いるなどして」とあるのですが、例えばIORRAにしてもNinJaにしても、既に走っているレジストリデータがあって、関係学会という意味では、そういうデータをやはり継続して膨らませていくというのが重要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○宮坂委員長 それはどのように書くかですね。NinJaですと国立病院系列を中心としたものです。IORRAですと、山中先生の女子医大、単一の施設ということになります。ただ、それは非常に大きな、ある意味では一番大きなリウマチに関するデータベースではあるので、確かにここでレセプトとか、特定診断等の情報データベースだけに言及するのはちょっと。
○山本委員 そうですね、レジストリデータをちょっと入れるとか、そういうところなのかなと。
○宮坂委員長 分かりました。
○山中委員 多分、ナショナルデータベースとか、特定健診のデータベースと、いわゆるIORRAとか、NinJaなどの解析の目的が違うと思いますので、それぞれの目的に応じたそういうレジストリの育成ないしは継続というのも入れてもいいのかなと思いました。
○宮坂委員長 そうですね、同じデータベースといっても、確かに目的は違うのです。分かりました。
○山本委員 目的が違うということが明らかなのですね。それで、そういう意味での有病率をきちんとやるのは、例えば東北メガバンクとか、長浜コホートとか、幾つかの日本の中での地域のコホートが入っているのですが、長浜はやっていると思いますが、ウマチの項目を入れてほしいというのを、リウマチのほうから発していると入れてくれるかもしれませんけれども、それを言わないと、余りにもいろいろな疾患があって、入れてくれていないかもしれないのですが。
○宮坂委員長 東北メガバンクの場合には疾患を決めてその遺伝子を集めていく。
○山本委員 住民ですよね。
○宮坂委員長 一部のある地域の。
○羽鳥参考人 健康な人のデータも数多く含まれていますね。
○山本委員 ここからずっと追っていくわけなので、だから全部を、その地域全体はカバーしていなくても、その方たちのマスが大きいので、必ず発症する方はいるので、それを追うのに。
○宮坂委員長 どこにどのように書きますか。
○山本委員 いろいろなコホートが立ち上がる機運はあるのですよね。
○宮坂委員長 はい。
○山本委員 だから、そういうときに関節リウマチを含めたリウマチ性疾患を入れてほしいと。
○宮坂委員長 だから、コホート研究の重要性みたいなものをどこかで指摘するということですかね。
○山本委員 そうですね。だから、リウマチのためのコホート研究というのはちょっと無理なので、一般住民の何万人の規模でのフォローアップが、海外ではこのようなのはたくさんやっているわけですよね。
○宮坂委員長 そうですね。だから、例えばミネソタなんて言うと、年代別にこのようにリウマチがこうなっているというのが見えてくるので、それに似たものができればもっといいなと思います。
○宮坂委員長 それをどこがやるかですよね、東北メガバンクとか。
○山本委員 私たちがここでやれと言っても無理なのですが、そういうコホート研究が成り立ったときに、そこにリウマチを入れてもらうような議論が今後必要だとかというのをちょっと入れておけば、旗を揚げておくということが重要ですね。
○宮坂委員長 はい。それをどこかで文章的に入れることを。
○山本委員 取組の方向性、14ページでいいのではないですか、ここに。
○宮坂委員長 はい。
○山本委員 ここだとレセプト情報、それから特定健診等の情報データベースというのは受け身のデータベースなので、これも重要だけれども、それプラス積極的に取りに行くという情報もこれから発信はしておかないといけないと思います。だから、受け身であるのだけれども、そういうデータベースが立ち上がったときには、是非入れてほしいという声を上げるということは重要かなと思います。
○宮坂委員長 文言としてどうしますか、具体的に。これは1ポツに関係するところですよね。
○山本委員 そうですね。レセプト情報・特定健診等情報データベースを用いるなど、更にコホート研究にリウマチを入れるなどして、患者数、年齢などの実態を十分に把握ということになると思いますので、現在あるレセプト情報・特定健診等情報データベースを用いるだけではなくて、積極的に。
○宮坂委員長 リウマチを含めたコホート研究という言葉でもいいですか。
○山本委員 コホート研究にリウマチを入れてもらうというよりも、リウマチを含めたコホート研究のほうが、もっと積極的だと思いますけれども。
○田中委員 そうすると、レセプトデータベースとか特定健診データベースと同時に、一般住民コホートを用いてリウマチの疫学調査を行う、というようにしてはいかがでしょうか。
○山本委員 これはもう存在しているデータベースなので、それよりも今度はクリエイティブというか、作っていく作業もまた必要だということを。
○田中委員 大規模な一般住民コホートにおける疫学調査は今後重要になってくると思います。我々もROADという3,000人規模の一般住民を対象にしたコホート研究を行っていて、抗CCP抗体やリウマトイド因子が陽性になる頻度を検討しています。
○山本委員 それでもいいですね。
○田中委員 既存の中で組み込んでいくという意味合いも含むと良いかと思います。
○宮坂委員長 そうですね。何かありますでしょうか。
○佐々木がん・疾病対策課長 今、頂いた御意見、また第1回委員会でも今日の報告書で言うと、4、5ページのリウマチに関する疫学になるのでしょうけれども、第1回委員会でも、やはり今の論点というのは非常に多くの時間を割いていただきましたので、第1回委員会での議論、そして、今頂いた御指摘を踏まえて、我々はここで議論しているからイメージできるのですが、この報告書を初めて御覧になる方でもある程度イメージができるような書きぶりを、これはまた委員長と御相談したいと思います。
○宮坂委員長 分かりました。よろしくお願いします。他に何かよろしいですか。これが最後になりますので、今、御指摘していただかないと、ここに入ってこないということになりますけれども。
○田中委員 ゲノムの話が全然入っていないのですが、いいでしょうか。
○宮坂委員長 ゲノム。
○田中委員 リウマチの遺伝的な背景もかなり分かってきたというところが抜けているように思います。
○山本委員 要は、入れていただく、そうしたら、初めのほうに少し入れるのですか。
○田中委員 あるいは13ページの下の研究開発等の推進の現状と課題の所に。
○宮坂委員長 ゲノムを入れるとしたら研究開発の所になりますよね。
○山本委員 そちらに入れますか。
○田中委員 それで一番最後の段落で、「リウマチ発症に関しての」という所があるのですが、「遺伝的背景を含めた」というような文言を入れると、ゲノム研究も少しにおわせているという感じがあるのではないかと思います。
○山本委員 そうですね、患者さんにも十分に遺伝的背景もあるのだということは知ってていただくことは重要なので、100以上の遺伝子が関係しているということを含めて、そこまで書き込む必要はないと思いますけれども。
○宮坂委員長 具体的にはですが、でも、遺伝的背景とか。
○山本委員 遺伝病ではないけれども遺伝的背景はあるということを知っていただいて、なりやすい家系の方と、なりにくい家系の方がいらっしゃるということの認識は、やはりあったほうがいいと思います。
○宮坂委員長 分かりました。では、それは文言として何か取り入れるという方向に考えておきます。他はよろしいでしょうか。大体の点では皆さんに御了解いただいて、1、2お預かりしたものはありますけれども、残りの字句の修正は座長である私に一任いただいて、事務局と話をするということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
本日、予定しておりました議事は、これで全て終了いたしました。それでは、委員会を終了することに当たりまして、佐々木課長から、一言よろしいでしょうか。
○佐々木がん・疾病対策課長 委員の先生方、皆様方、年度で申し上げますと、昨年度、今年3月から様々な御議論を頂きまして、ありがとうございました。健康局長の福田は今日も参るのを楽しみにしていたのですが、少し早く終わったこともありまして、間に合わずに残念に思います。思えば前回第3回委員会のときに、福田が出席予定でありながら来られなかった理由が、たばこによる受動喫煙対策を盛り込んだ健康増進法案の衆議院本会議での審議が始まったのが、前回第3回。そして、今日、このタイミングでは、今日が参議院での厚生労働委員会での第1回目の審議で健康増進法案が行われているというタイミングの中でのことでした。いつも健康局長の福田と話をしていることのみならず、今回の一連のリウマチに関する御議論いただいたことは、今、政府全体でどういうことをしているかということと照らし合わせて、最後ですので、御紹介したいと思っております。
今日、年代に応じてというところの中で、就労との関係がありました。先週ちょうど1週間前ですが、先週金曜日に働き方改革推進法が成立いたしました。今国会における政府全体の中でも最重要の法案と位置付けたものです。その中の雇用対策法というものの中で、初めて治療と仕事との両立が盛り込まれました。こうしたこともありますし、また、さらにその2週間前の6月15日(金)でしたけれども、今年度の政府の重要文書というものの中で、成長戦略と骨太の方針というのが2大重要文書なのですが、その中でも、例えば成長戦略の中では、今日、議論がありましたゲノムとか、AIということも盛り込まれていますし、また、骨太の方針の点で申し上げると、リウマチに通じる話ですが、重症化予防も含めた健康寿命の延伸をどう図っていくかということが盛り込まれました。
つまり、今、政府全体で議論をしております医療、保健分野、また、福祉も含めているのですが、それぞれの病気の対策というステージから、病気といかに、今日、山本委員からも御指摘を頂きました日常生活、社会生活と付き合っていくのかといった形での政策のステージが移っておりますし、その対策のために、いかにどんどん成長していく技術、また医学を取り込んでいくのか、明らかに一昨年、去年と比べて政府全体の政策の方針が転換しつつあります。
そうした中で、3月から約半年にわたり御議論いただいた、この報告書を基に、私ども政府としては、今後、対策を進めていきたいと考えております。恐らく、この1年間でも、今、申し上げたように、大きな政策もそうですし、また、この数年の政策の科学技術の進歩ということを考えると、恐らく今後も、本日おまとめいただいた報告書を基に進めていく際に、折々で委員の先生方、皆様に相談を差し上げる機会もあろうかと思います。
特に角田委員の、今の加藤厚生労働大臣が常々申しておりますのが、今年4月に患者安全サミット、世界各国の関係大臣を集めて患者安全サミットというのがあったのですが、そこで政策を作っていく、また、政策を実施していく上で患者さんの視点が重要だということを申し上げましたし、また、実際、今、様々進めていく中でも、患者さんの意見を基にということを取り組んでおります。ですので、今後、様々な場面で先生方、皆様と、この報告書の具体化に向けて進めていきたいと思っておりますので、ある意味で、報告書をおまとめいただいたお礼以上に、今後の政策の実現、また、政策というのは、ある意味で裏方での支え役ですので、社会全体が変わっていく、医学・医療が進歩していくといった中での御指導を頂きたいということをお願い申し上げまして、最後の挨拶に代えさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○宮坂委員長 どうもありがとうございました。では、これで散会したいと思います。ありがとうございました。
 

 

 

 

(了)

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