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2018年12月14日 薬事・食品衛生審議会 血液事業部会 議事録

○日時

平成30年12月14日(金)16:00~

 

○場所

新橋8E会議室

○出席者

出席委員(16名)五十音順

稲 田 英 一、 薄 井 紀 子、  大 戸    斉、  大 平 勝 美、
岡 田 義 昭、 千 堂 年 昭、  田野﨑 隆 二、  長 島 公 之、
長 村 登紀子、 花 井 十 伍、○濱 口    功、◎半 田    誠、
前 野 一 雄、 松 下    正、  溝 上 雅 史、  室 井 一 男
(注)◎部会長 ○部会長代理 
 

欠席委員(6名)五十音

衞 藤    隆、 小 幡 純 子、 益 子 邦 洋、 三 村 優美子、
山 口 照 英、 脇 田 隆 字
 

日本赤十字社

千葉副本部長、前野経営企画部次長、瀧川経営企画部次長、遠藤技術部次長
 

行政機関出席者

森    和 彦(大臣官房審議官)
石 川 直 子(血液対策課長)

○議事

○石川血液対策課長 まだ、お二方ほど、お見えになっておられない先生はいらっしゃいますが、5分過ぎておりますので、ただいまから薬事・食品衛生審議会薬事分科会平成30年度第5回血液事業部会を開催いたします。本日の会議は公開で行うこととなっておりますのでよろしくお願いいたします。
本日の委員の出欠状況です。衞藤委員、小幡委員、益子委員、三村委員、山口委員、脇田委員から御欠席との連絡をいただいております。現時点で専門委員を除く21名中13名の先生方の出席をいただいており、定足数に達しておりますので薬事・食品衛生審議会令第9条により本部会が成立することを御報告申し上げます。また、本日は日本赤十字社から、千葉広一血液事業本部副本部長、前野節夫経営企画部次長、瀧川正弘経営企画部次長、遠藤正浩技術部次長に御出席いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
続いて、薬事分科会規程第11条について、全ての委員の皆様より規程に適合している旨を御申告いただいておりますので報告いたします。また、「薬事分科会審議参加規程」に基づき、各委員の皆様の利益相反の確認を行いましたところ、稲田委員、薄井委員、千堂委員、松下委員、室井委員から関連企業より一定額の寄附金、契約金などの受取の報告を頂きましたので報告いたします。以上5名の委員におかれましては、議題1及び2に関しましては意見を述べていただくことは可能ですが、議決には加わらないこととさせていただきます。他の委員の皆様については、対象年度における寄附金・契約金等の受取の実績なし、又は50万円以下の受取であることから、特段の措置はございません。これらの申告内容につきましてはホームページで公開いたします。委員の皆様には会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
それでは、議事の前に資料の確認をお願いいたします。お手元の資料、議事次第以下を御覧いただき、まず議事次第、座席表、委員名簿、本日の資料は、資料1、資料2-1及び資料2-2、資料3、資料4-1から資料4-3、資料5、参考資料1、参考資料2の以上です。不足等がありましたらお申し付けください。なお、現在、厚生労働省では審議会等のペーパーレス化に取り組んでおり、本部会においても今後はタブレットを使用し、ペーパーレスで実施いたしますので、その際は御協力をお願いいたします。なお、傍聴者の皆様には、本日より事前に資料のダウンロードをお願いし、紙での配布を行っておりませんので、御理解、御協力をお願いいたします。
それでは、議事に入りますので、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。以降の進行については、半田部会長にお願いいたします。
○半田部会長 皆様、こんばんは。本日は議決案件も幾つかあります。時間内になるべく終らせたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、議題1、「血液法改正について」です。当部会で前回、御検討いただいた件ですが、先日の厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会において、私が出席できなかったということで濵口部会長代理に御出席いただき御報告しております。濵口先生におかれましては、本当にありがとうございました。制度部会における報告状況等を併せて、事務局より資料の説明をよろしくお願いします。
○田井血液対策課長補佐 それでは、事務局から資料1「血液法改正について」を説明いたします。こちらは今まで血液事業部会や運営委員会で御議論いただいた内容をまとめたものです。資料1ページの二つ目のマルの下に、血液法改正のテーマを記載しており、主な論点としては(1)~(3)の3点です。今回、医薬品医療機器等法と併せて改正することも踏まえ、テーママル1、テーママル2の医薬品医療機器制度部会のテーマに合わせて整理しております。詳細については2ページから御説明いたします。
2ページは、科学技術の発展を踏まえた採血等の制限の緩和です。現行の血液法は、現在、血液製剤、医薬品等の製造以外の目的での採血を禁止しております。一方で、国家戦略特別区域法の特例により、平成27年から「血液由来特定研究用具」の製造を認めております。こちらは、血液を原料として医薬品等の研究開発における試験に用いることができるものであり、具体的には、下の絵にありますように、血液由来のiPS細胞から製造された研究用具があります。今後は、こうした血液由来iPS細胞を医薬品試験に活用するような事例が増えてくることが見込まれますし、また、右下の絵に記載しておりますが、医学的検査の精度管理等に必要な標準品等を製造するための採血も認める必要があります。そこで、例えば、医療の質又は保健衛生の向上のための採血など、医療の発展に寄与する採血を幅広く認めていくこととしたいと考えております。具体的にどのような場合に採血ができるかについては、省令で規定することを予定しております。
続いて、3ページは、採血業の許可基準の明確化です。現在、許可を受けた採血事業者は、日本赤十字社1者のみですが、血液製剤の安定供給、血液供給体制の効率性・透明性の確保の観点から、複数の事業者による血液供給体制の必要性が指摘されております。現行の採血業許可制度としては、右下の絵の緑色の所に、現行の不許可基準としてマル1~4まであります。例えば、マル1血液製剤の供給が既に需要を満たしていると認められるとき、マル3営利目的で採血しようとするときなど、不許可になる可能性がある場合を列挙しております。
一方、新規参入者が満たすべき積極的な基準は、現行では法律に記載されておりません。そこで、新規参入者の予見可能性の確保、献血者の健康保護及び選択権の確保等のために許可基準を明確化することとしたいと考えております。具体的には、右下の絵の「許可基準の追加」のマル1~5です。献血者に対して適切に健康診断を行うことや、採血基準に適合した採血を行うことや、献血者の採血履歴については、複数の採血事業者がいる場合には他の採血事業者の分まで確認することというような内容となっております。
続いて、4ページは、ガバナンスを強化するための措置です。医薬品医療機器等法では、ガバナンス強化のために役員の変更命令等が現在検討されているところです。一方、血液法に基づく採血事業者については、これまで日本赤十字社1者のみであったということもあり、また、採血行為そのものが医療としての規制も受けていることもあり、これまで重大な血液法違反の事例はありませんでした。また仮に、新たな採血事業者が参入した場合においても、非営利で、かつ数も限定されていることが見込まれることもありますので、既存の改善命令等の行政措置で対応が可能であろうということで、現時点では、新たな行政措置の追加は検討しておりません。ただ一方で、採血事業者は、献血者の健康保護という重要な役割を担っておりますので、以下の2点の措置を講じることとしたいと考えております。
1点目です。現行では、採血業許可は採血所単位で行われておりますが、実態としては採血事業者が複数の採血所を開設している状況において、採血事業者が各採血所を適切に管理できるかという適格性を適切に判断することができるように、採血業許可を事業者単位の規制に変えていくことを考えております。
2点目です。その一方で、実際の現場における採血業務の管理については、現場における採血業務を管理する管理者・責任者について、法律上に規定し、その責務を明確化していくということで、採血業務の適正を図ることを考えております。
続いて、5ページは、その他の検討事項です。1点目は都道府県と採血事業者との関係性です。都道府県献血推進計画は現在も作られておりますが、これが採血事業者への支援措置であることを明確にするために、その計画の記載事項として、支援のための必要な事項を定めることを検討しております。こちらの内容については、地方分権との関係もありますので、法律にどこまで書き込めるかは、今後の政府内の審査等にもよってくる所ではありますが、省令や通知等も活用して、支援措置であるということを明確にしていきたいと考えております。
2点目は、複数の採血事業者が登場した場合を想定したものです。原料血漿の安定供給義務を明確にするという観点から、原料血漿の工場出荷を行う原料血漿の製造業者に安定供給義務を課すというものです。具体的には、需給計画の作成に当たり、原料血漿の製造業者に、その当該年度で供給すると見込まれる原料血漿の量等を届け出てもらうことを考えております。
続いて3点目も、複数の採血事業者が登場した場合を想定したものです。血液製剤による保健衛生上の危害の発生・拡大を防止するために、現行は、採血事業者は血液製剤の製造販売業者に情報提供する義務がありますが、これに加えて、他の採血事業者に対しても、必要な情報提供を行うことを義務化していくということです。
最後に、医薬品医療機器制度部会で報告した際に委員から頂戴した御意見を紹介いたします。御意見があった点としては、4ページのガバナンスを強化するための措置のところです。こちらで当部会の委員でもある三村委員から、今回の採血業許可の見直しと、現場での採血業務の管理者・責任者の設置の法制化という点は、いずれも方向性として非常に良いと思うという御意見を頂いております。
また、もう1点、同じく三村委員から、血液事業は献血者の厚意が前提となっているということで、制度改正に当たっては、その基盤が揺らぐことのないように注意していただきたいというコメントを頂いております。事務局からの説明は以上です。
○半田部会長 ありがとうございました。ただいまの説明について、御意見、御質問など、いかがでしょうか。御質問あるいはコメントありますか。
○大戸委員 最後の5ページ、マルの3番目の所で、他の採血事業者に対して必要な情報提供を行う、ここは個人情報を他の採血業者に提供することを意味するのだと思いますが、そこは大丈夫かと危惧しています。
○半田部会長 いかがでしょうか。
○田井血液対策課長補佐 事務局から回答いたします。その点については、献血者の健康保護という観点から、その採血間隔等をしっかりと確認する必要があります。一つの採血事業者が採血するときに、その前に他の事業者で直近に既に採血していたというようなことがあってはならないと考えられます。そういう意味で、もちろん個人情報の観点はありますが、必要最小限度の情報は提供していく形を検討しております。
○半田部会長 いかがでしょうか。
○大戸委員 一番心配するのは、例えば、家族や自分自身が何かの感染症であったなど、そういうものも流してしまうことになるのかということです。
○田井血液対策課長補佐 5ページのマルの3点目の冒頭に書いておりますが、保健衛生上の危害の発生・拡大を防止するためという目的があります。現在は血液製剤から感染症が生じたと疑われる場合に、遡及調査で採血事業者まで辿れるかと思います。その場合に、同じ献血者が他の採血事業者でも採血しているケース、その方の血液から別の血液製剤が製造されているケースも想定されますので、そのような場合は、採血事業者から他の採血事業者に対して、その危険性がある旨は伝える必要があるのであろうということです。
○半田部会長 ありがとうございました。大戸委員、よろしいでしょうか。特段の注意を払っていくということですね。ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
○大平委員 採血事業者の適格性を適切に判断するという所で、採血事業者自体が、この構図の中には献血推進の動きは書かれていないのですが、採血事業者は当然、献血推進のための施策に関わる問題だと思います。その中で、採血事業者が、この献血推進にどのように関わるのかということや、そういう義務化といいますか、その中に、そういうものがきちんと。この中では読み切れないような形になっているので、ここはどのようにお考えなのか。できれば、ここの中に、採血事業者が、献血推進のために積極的に、今は日本赤十字社がそういうことを行っているわけですが、当然、採血事業者として加わるとしたら、その責務を負うと考えるのですが、そこが書き込まれていないので、どのように説明されるのかをお聞きしたいです。
○田井血液対策課長補佐 事務局から回答いたします。まず、この採血業の許可基準については、事業者が新規参入する際に、献血者の健康保護等のための手立てがしっかり取れるような事業者かどうかをチェックするという観点で定めております。御指摘のありました献血推進については、現在、日本赤十字社様にやっていただいているように、毎年度、献血受入計画を作ってもらうこととなります。都道府県においては都道府県献血推進計画を作っておりますので、都道府県とも連携してもらいながら、新規の採血事業者についても献血推進、ドナーリクルーティングで大きな役割をしっかりと担っていただくことを予定しております。
○大平委員 この血液法の図の中で、採血事業者に対する規制や許可のところで、一切それに触れていないので少し疑問に思いました。
○石川血液対策課長 そもそも、採血事業者の責務ということで、現行法の第6条で、献血の受入れを推進する、安全性の向上に努める、そういった規定を最初にしっかり書いております。それは当然、他の採血事業者であっても、それを守っていただくというか、そういう責務を果たしていただくのは大前提とした上で、具体的に許可を出すときに、特にこういう基準を明示しておいて、そういう体制をしっかりと取れる事業者かどうかを見ていこうということで書いております。御指摘の点については、省令で規定するものなど、いろいろありますので、今後、検討する中で、大平委員が言われた観点も含め検討してまいりたいと思います。
○半田部会長 よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。これは、あくまでも概要ということです。実際の具体的な法律は、またこれから御審議いただくことになると思います。それでは、この改正内容で、部会として御承認いただけますでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。事務局におかれましては、ただいまの御意見、今おっしゃったような個人情報の観点、あるいは、採血事業者の適格性等々については、また御意見を踏まえて、法律案の提出に向けて御対応をよろしくお願いいたします。
それでは、議題2、「平成31年度の献血の推進に関する計画(案)について」です。血液法第10条第3項において準用する同法第9条第4項の規定に基づき、厚生労働大臣が献血推進計画を定めようとするときは、あらかじめ薬事・食品衛生審議会の意見を訊くものとされております。本日は平成31年度の計画案について、12月12日付けで厚生労働大臣より諮問がなされておりますので、本部会で審議の上、答申したいと思います。それでは、事務局より資料の説明をお願いいたします。
○山本(隆)血液対策課長補佐 平成31年度の献血推進計画(案)を御説明いたします。資料2-1を御覧ください。まず、表紙です。資料は目次という形にしておりますが、1ページに計画(案)の概要、4ページからが本日、御審議を頂く対象となる平成31年度計画(案)、12ページからは、新旧対照表と書いてありますが、平成31年度計画(案)と平成30年度計画の対照表を準備しております。
表紙の裏、1ページの概要を御覧ください。「1.趣旨」ですが、血液法第10条第1項において、厚生労働大臣は、毎年度、翌年度の献血推進計画を定めるとされておりますので、今般、平成31年度の計画(案)を策定するというものです。根拠の条文については、2ページに参考として付けておりますので適宜、御覧ください。
「2.内容」ですが、一つ目のマルに掲げた三つの法定事項について、平成29年度の献血の実績状況などを踏まえて、平成31年度の計画を定めます。なお、9月に開催しました当部会において、平成31年度の計画(案)の作成に当たり、若い時期における献血経験というものが、その後の献血の動機付けになっていることから、10代について、まず、献血の経験をしてもらうということ。全体の底上げという点でも、初回の献血者の確保を中心とした取組を検討していくということ。また、一度献血を経験された方が、継続して繰り返し献血に協力していただくこと。それらを中心とした取組を検討していくことを御説明しました。
本日、お配りしている資料の中では、平成30年度の計画から変更した主な点として、3点掲げております。一つ目は、基本方針の改正と同様に、全体を通じて項目や重複記載などの整理を行っていることです。二つ目、採血事業者による献血者の利便性の向上のための具体的な取組を記載しております。三つ目、基本方針の改正を踏まえて、献血者の意思を尊重した採血の実施ということを記載しております。
今後の予定としては、「4.告示日等」に記載したとおり、来年3月下旬に告示し、4月からの適用ということを予定しております。
資料3ページを御覧ください。平成30年度計画からの変更点として、項目や重複記載などを整理したと説明しましたが、その整理の状況を図式化しました。先ほど言いましたが、献血者の利便性の向上のための具体的な取組ということについては、左側の平成31年度計画における第2の2の(2)のイとして、「献血者の利便性の向上」という項があります。本年10月から日本赤十字社が運用を開始した献血のWeb予約により、献血の待ち時間を解消させるという取組を始めたので、それに関する記載をしております。後ほど具体的なことを御説明いたします。
基本方針の改正を踏まえた記載という部分については、左側の第3の1の(5)「献血者の意思を尊重した採血の実施」という項に書いております。これについては、平成30年度の計画では、200ミリリットル全血採血の在り方として、高校生などの初回献血時には、200ミリリットル全血採血を推進するとしていた内容を、初回の献血者や献血に不安がある方に関しては十分な説明を行い、献血者の意思を可能な限り尊重するという内容に改めております。これも後ほど紹介いたします。これ以外にも、第2の2の(1)のアの(ウ)として、「複数回献血の推進」という項がありますが、この中において、複数回献血の重要性や安全性について、広く国民に周知することを記載しております。
次に4ページを御覧ください。冒頭で半田部会長からも御説明いただいたとおり、大臣から平成31年度計画についての諮問がなされております。この資料には添付しておりませんが、「薬事分科会における確認事項」という規定があり、審議会に諮問するものの取扱いが定められております。この中で、血液法に基づき審議会に諮問するもののうち、献血推進計画の策定については、血液事業部会での審議、薬事分科会への報告とされておりますので、当部会で御審議をお願いしたいというものです。
なお、本日、御審議いただく平成31年度の計画(案)ですが、こちらについては、10月18日に開催した献血推進調査会において事前整理を行っていただいております。これから御審議いただく平成31年度計画(案)は、その際の委員の御指摘・御意見を踏まえて修正したものとなっております。その修正については、本日は御欠席となっておりますが、献血推進調査会の座長である衞藤委員にも御確認をいただいております。
それでは、5ページを御覧ください。5ページからが、本日の審議の対象となっている計画(案)です。まず7ページからが本文という形になります。「前文」の一番最後ですが、基本方針の制定年と告示番号を「●」としております。9月に開催した当部会又は薬事分科会にお諮りして御了承いただいた基本方針の改正案に基づいて、この計画を策定することになるわけですが、この基本方針の改正案については、現在、省内手続中であり、まだ告示という形には至っておりません。手続が終わり次第、ここに具体的な告示番号などが入ることになります。
その次の「第1」です。平成31年度に献血により確保すべき血液の目標量を定めるところです。平成30年度計画との数値と比較するために、12ページを御覧ください。先ほど言いました新旧対照表という横表のものです。左側が平成31年度計画(案)、右側が現法の平成30年度計画となります。まず最初に、平成31年度の輸血用血液製剤の製造見込量を書いております。赤血球製剤が51万リットル、血漿製剤が26万リットル、血小板製剤は17万リットルと見込んでおります。これらはいずれも平成30年度計画と同量です。
これに確保すべき原料血漿の目標量を勘案して、これらに必要な献血血液の確保目標量を算出します。確保すべき原料血漿の量ですが、次の議題3で詳しく説明しますが、平成30年度計画では99万リットルだったものに対して、平成31年度計画(案)では112万リットル、差し引いて13万リットルの増加を見込んでおります。これを勘案して、平成31年度に献血により確保すべき血液の目標量ですが、全血採血では平成30年度と同様の133万リットル、血漿成分採血で12万リットル増の49万リットル、血小板成分採血では2万リットル増の31万リットル、合計で14万リットル増の213万リットル、これを確保することを目標としております。
資料7ページにお戻りください。「第2」からが、目標量を確保するために必要な措置に関する記載です。今回の平成31年度計画(案)に入れた主な点を御説明いたします。
まず、8ページを御覧ください。8ページの一番下、「(ウ)複数回献血の推進」の一番下の「・」です。ここに先ほど説明した「複数回献血の推進に関しては、複数回献血の重要性や安全性について広く国民に通知や周知をする」ということを書き加えております。
次に10ページを御覧ください。「イ」として、「献血者の利便性の向上」という項目があります。資料に添付していないものについて先に話しますが、平成31年度計画(案)を作成するに当たり、継続的に献血に協力いただくためには何が必要かということを確認するためのアンケート調査を実施しております。対象は、献血間隔が2年以上空いた10代から30代の献血者です。献血会場において、間隔の空いた理由に関するアンケートを実施しております。一番回答が多かった項目は、仕事や家事で忙しかったということで、回答のうちの55.8%の方が回答されました。2番目が献血できる場所が近くにないというもので、28.5%という結果でした。
以上から、この10ページの「イ」に記載のとおり、移動採血車による計画的採血や、企業や団体等の意向を踏まえた集団献血の実施による献血の機会を提供するということ。また、献血者が利用しやすい献血受入時間帯の設定などが非常に重要だと考えており、引き続き採血事業者とともに、それらに取り組んでいきたいと思っております。
次の「また」で始まるパラですが、先ほども少し触れましたが、日本赤十字社が今年の10月から導入した献血のWeb予約により、待ち時間を解消することに関して記載しております。10月に開催した献血推進調査会では、委員から、「民間の発想を取り入れるべきだ」という御意見、また、「その日の献血の確保状況などのライブ情報を発信していくことも重要だ」という御意見を頂いております。以上の御意見を踏まえ、一番最後の「さらに」で、「定期的に利用者等の意見を踏まえて評価を行い、効果的な情報発信の在り方などを検討し、更なる利便性の向上に取り組むこと」を追記しております。
次に11ページを御覧ください。「(5)献血者の意思を尊重した採血の実施」という項です。これが先ほども説明したように、今般の基本方針の改正を踏まえて、改めて書いた内容です。初回献血者や献血に不安のある方に関しては、採血の区分、全血200ミリリットル採血や全血400ミリリットル採血、また、成分採血があるということ、更に、採血基準を満たしていれば、いずれの採血区分も安全であることについて十分な説明を行い、その上で献血者の意思を可能な限り尊重した上で採血の区分を決定するという内容です。
一番後の「4.献血推進施策の進捗状況等に関する確認と評価」です。これについても、10月に開催した献血推進調査会では、委員から、「献血者へのアンケートなどによって、なぜ献血に来てくれたのかということなどをしっかりと把握すべきだ」という御意見を頂きました。この御意見を踏まえ、最後の「・」で記載しているとおり、「献血者へのアンケートの実施などを通じて」という文言を追記しております。これらにより、献血者の意向を踏まえた効果的な取組を実施していきたいと考えております。資料2-1、平成31年度計画(案)については、以上です。
続いて資料2-2を御覧ください。今、御説明した平成31年度計画(案)については、11月22日から12月6日まで、パブリックコメントの募集を行っておりました。これに対して4件の御意見を頂いております。御意見に対する回答は、この後、電子政府の総合窓口において公開することになります。
資料2ページから3ページに、頂いた御意見と、それに対する考え方を記載しております。まず1番ですが、平成30年度計画では「若年層の献血体験の促進に組織的に取り組む」という記載と、同じく平成30年度計画にあった「若年層の初回献血時には、200ミリリットル全血献血を推進するなど、できる限り献血を経験してもらうことが重要」という記載があったのですが、これについては残すべきという御意見です。前者については、「献血体験の促進に組織的に取り組む」という表現が抽象的で分かりづらいという御意見もありましたので、平成31年度計画(案)では、若年層に献血を促すための具体的な取組というものを項立てして、その内容を書くという形に変更しております。後者については、基本方針の改正を踏まえて変更した部分についての御意見ですが、献血に協力いただくためには、初回献血者や献血に不安がある方に対して十分な説明を行うことがやはり重要で、献血者の意思を可能な限り尊重して採血の区分を決定することが大事だと思っております。必ずしも、全ての高校生の初回献血時に、200ミリリットル全血採血を推進する必要はないと考えております。
なお、本日の資料には添付しておりませんが、日本赤十字社がまとめている16歳から18歳までの初回献血者の実績という資料を見ても、400ミリリットル全血献血が可能となる17歳の男性の初回献血の実績は、200ミリリットルをやっている方が1,480名ほどいる一方、初回に400ミリリットルをやっている方が、その10倍以上の1万6,570名という状況です。こういう状況を踏まえると、推進計画は、原案どおりにさせていただくということです。
2番目以降の内容は質問や要望に対する回答ですが、時間の都合もありますので説明は省略いたします。私からの説明は以上です。それでは、御審議のほどよろしくお願いいたします。
○半田部会長 それでは、議事に入りたいと思います。御意見、御質問などありますでしょうか。委員の皆さん、いかがでしょうか。
○濵口部会長代理 11ページになりますが、3番の「災害時等における献血の確保等」の2ポツ目のところに、「国・都道府県、市町村及び採血業者は、災害時等に備えた複数の通信手段の確保や移動採血車等の燃料の確保が確実に行われるよう対策を講ずる」とあります。かなり連携が必要になってくるような課題かなと思うのですが、これは具体的に、何か連携して取り組むような、そういう仕組みというのは実際に計画の中に入っているのでしょうか。
○山本(隆)血液対策課長補佐 現状を御報告いたします。国や都道府県、ここでは採血事業者といいましても日本赤十字社といった方がいいかもしれませんけれども、そこの中では、既に中央防災無線という連絡網が整備されております。そういうもので連絡等は取れるということです。また、採血事業者、特に日本赤十字社におかれましては、血液事業本部や各地区センター、又はブロックセンターとの間でも衛星電話を設置していると聞いております。
燃料の確保ですが、現地の採血事業者といいますか、ブロックセンターなどが中心になっていると思いますけれども、災害時の燃料の協定のようなものを結んで対応していると聞いております。
○半田部会長 ほかにいかがでしょうか。
○薄井委員 10ページの献血者の利便性の向上について、お聞きします。これは非常に良いことだと思うのですが、一つは子育て世代に対応した託児スペースの整備、これも非常にいいことだと思うのですが、実際に、こういう年代の方の献血というのはあるのでしょうか。その意味合いといいますか、いかがでしょうか。
○半田部会長 日本赤十字社、いかがでしょうか。
○日本赤十字社瀧川経営企画部次長 御質問ありがとうございます。子育てをしている方々の実際の実績等は今日はお持ちしておりませんけれども、現在、全国で141の固定施設があります。そのうち「キッズスペース」が58か所設置しております。率にしますと約41%です。これは固定施設の広さ等によって、設備ができないところもございますが、現在は設置基準において、このキッズスペースをしっかりと確保するという形で取り進めております。託児スペースについては、1か所ございます。
○薄井委員 ありがとうございます。今後、これは事業者ごとに、こういう採血所の運用というのは決められていくとのことです。法律が改正されて採血事業者が参入してくると、採血所ではなくて事業者の責任でいろいろなことがなされるというお話を伺ったのですが、将来性を考えてこういうことを提示されているのでしょうか。つまり、どういうことを言いたいかといいますと、非常に良いことだと思いますので、是非行っていただきたいのですが、本当に実現性があるのかなと思いまして、お聞きしました。
○山本(隆)血液対策課長補佐 御意見ありがとうございます。そもそも実現性があるかどうかというのは、今般、新規に参入したいという声もいろいろと聞こえてくるところですが、その方々がどういうことを想定しているのかというのは正直まだ分からないところです。しかしながら、推進計画として採血事業者に、こういう形で記載して我々の方で示している以上、こういうものは満たしていただきたいという思いでさせていただきます。
○半田部会長 よろしいでしょうか。岡田委員、どうぞ。
○岡田委員 12ページです。原料血漿の採血量が、平成30年度は全体で199万リットルなのが、平成31年度の計画では213万リットルと大幅に増えているのですけれども、その中で特に血漿の成分採血が37万リットルから49万リットルと、12万リットルも大幅に増加しているのです。これは何か特別な方法を導入したなど、どうなのでしょうか。
○半田部会長 日本赤十字社の方でよろしいですか、どうぞ。
○日本赤十字社瀧川経営企画部次長 それではお答えいたします。先生から御指摘いただいた部分ですが、血漿成分献血では12万リットルで、血小板成分献血から由来されるものも2万リットルほどあります。合計で14万リットルが増加する形になってまいります。
その中で全血献血の製造工程の自動遠心分離装置を順次、新しいものに変えております。来年度は、そこから0.5万リットル(5000L)が導き出されます。更に血小板の採血についても、上限の血漿採取量を見直しておりまして、ここから導き出されるのが3万リットルほどあります。
さらに現在、FFP-LR480の製品採取においてはその量で採血しておりますが、今後は採取量を上げ分離する形で導き出される量が1万9,000リットルほどあります。すみません、少し細かい話をさせていただきます。
工程上も含め5万4,000リットルが、ここで導き出されると考えております。そこから差し引きますと8万6,000リットルを献血者から新たに確保しなければいけないというところです。現行で600ミリリットルが最大採取量ですので、まず、この方々に特化した形で献血回数の増加をお願いしようと思っております。
平成29年度の実績ですが、血漿献血に御協力いただいている方々の年間平均の回数が2.8回です。御承知のとおり、血漿献血は年間24回、御協力いただける部分ですので、この方々からは、もう既に24回、満度をやられている方もいらっしゃいますし、年に1回だけの御協力者もいらっしゃいますので、この回数の少ない方、1回若しくは2回の方々に血漿成分献血のお願いを、2回、3回と複数回の献血をお願いしようと考えております。それも、今までの実績の100%は御協力いただけないと思いますので、今のところは80%ぐらいの応諾を目指してまいります。
特に成分献血については、その必要性を説明させていただくと、非常に協力的な献血者が多いところが特徴ですので、8割の方は年に2回、3回という形でお願いができる可能性はあるだろうと思っていますので、2万7,000リットルの量は、そこから導き出されていけるだろうと考えております。その残り、5万9,000リットルになるのですが、ここは最大600ミリリットルを採れる方々を除外し、日本の男性でいうと体重が平均60~65kgぐらいで、採取量520ミリリットル以上を御協力いただける方から御協力を頂こうというところです。
それを導き出しますと、平成29年に、この600ミリリットルを採取できる方々を除くと、約5万人ほどが対象者となります。その5万人の方々に対して、年2回の協力を依頼すると成分献血者の年間平均協力回数は年2.8回ですので、さらに年に2回の協力依頼としても、年間約5回となりますので、そこで5万3,000リットルほどの量が導き出されます。この量は520ミリリットルで計算しておりますが、520ミリリットルから599ミリリットルまでの協力者層ですので、平均しても520ミリリトルを上回るだろうと思っていますが、計算上は一律520ミリリットルの量で導き出しているというところです。
そのほかに、今まで成分献血に御協力いただいておりましたが、3年間献血間隔が空いている献血者が。同じ条件で520ミリリットル以上採れる方々が5万人ほどいらっしゃいました。
現在、血漿成分献血については、例えば東京センターでの応諾率が、約25%ほどあります。そこから計算をしていくと、約20%の協力を想定して確保の施策を取りますと、そこから約5,900リットルが導き出されるので、差し引かれた残りの、5万9,000リットルを、確保させていただければと思っています。
また、成分献血協力推進については、400ミリリットル全血献血を経験されている方々からも、成分献血に移行するということのお願いは今後も通年推進してまいります。
少し細かい数字になってしまいましたが、我々としては、このような施策の中で、この量は確保していけるものと考えております。以上です。
○半田部会長 ありがとうございました。時間が大分迫っております。それでは大戸委員、田野﨑委員、手短にお願いします。
○大戸委員 日本赤十字社の努力に非常に頭が下がります。多数回の分画、成分献血者の中に、骨密度が低下しているという報告があります。危惧するのは、多数回の成分献血者の骨密度への影響は大丈夫なのか。それから、もう一つは可塑剤です。成分献血者には、その可塑剤が自分に入ってくるわけです。それによって特に若い男性の生殖能力などに影響はないのかということを心配しています。
○半田部会長 ありがとうございます。それでは最後に、田野﨑委員、どうぞ。
○田野﨑委員 これだけ急に目標量のところが増加できるようになることに少し驚きましたが、最大これから需要が伸びた場合に、更に増やすことができるのかどうかということ。それからもう一つ、こういう成分献血になった際に、費用が余計に掛かってくるということを前提に伺っておりますが、それによる費用の高騰というのは、どのぐらいになるのかということについて伺います。
○日本赤十字社千葉副本部長 ありがとうございます。先に大戸先生から頂いた御質問ですけれども、骨密度と、もう一つのことについては、今は情報がありませんので、また改めてお話ができる機会がありましたら、させていただきたいと思います。
それから、田野﨑委員からお話しいただいた件ですけれども、先ほど平成31年度の確保量についての施策につきましては御説明申し上げましたが、今後、国内で必要となる原料血漿につきましては、日本赤十字社としてしっかり確保していくということで考えております。
平成25年ですと、血小板と血漿の献血をしていただいた方々というのは、149万人ほどいらっしゃいました。今回、平成31年度の確保計画というのは、149万8,800人ほどですので、平成25年度と比較いたしますと、8,800人の献血の御協力を増加していただかないといけないという状況です。増量計画であるとか、いろいろな施策をもって対応させていただき、今後の増える量につきましても、今、申し上げましたように対応は可能だろうと思っております。
ただ、それが今、平成31年度で予定しておりますのは、120万リットルですので、そこから大幅な増加となってまいりますと、これは全体的な体制を組みながら進めていかないといけなければ思いますので、それについては、その状況において必要な量というのがどのぐらいになるかというのを踏まえさせていただいた上で体制をつくるということになろうかと思います。
それから、もう一つ頂きましたコストについてですけれども、今、お話しいただいたとおり、そもそも今、原料血漿というのは、平成2年に輸血用血液製剤等も含めた薬価を決めていただいているわけですが、このときの必要な原料血漿というのは、輸血用血液製剤の副産物として確保できていたわけですが、それで賄うことができていた必要量でした。
それが今、状況的には、赤血球の血液製剤の必要量、需要が徐々に減少してきているという中で、その副産物としての原料血漿の量は、少なくなってきております。したがいまして、増加されてきた原料血漿の確保については、成分由来の血漿採血から確保していく必要があります。
そうしますと副産物として間に合わない、成分採血をすることについては、コストが上がるという構造については御承知いただかないといけないと思っておりますが、ただ、それだけで原料血漿が上がっていくということについては、日本赤十字社にいたしましても、しっかりそのコストをこれまでも抑えてきており、更に継続してコストの掛からないような仕組みを検討していかないといけないと思っておりますので、更に進めていきたいと思っております。
○半田部会長 ありがとうございました。特段メジャーな修正意見はなかったということで、当該、献血の推進に関する計画(案)について、当部会として御承認いただけますでしょうか。いかがでしょうか。
ありがとうございました。それでは、薬事分科会における確認事項に基づきまして、当部会の議決をもって審議会の議決とし、厚生労働大臣に答申することとさせていただきます。なお、答申案の文案に関しまして、あるいはその他の取扱いにつきましては、私に御一任いただければと思いますが、よろしいでしょうか。
ありがとうございました。また、パブリックコメントに寄せられた意見への回答については、本日の御意見を踏まえて、事務局は対応をお願いいたします。
それでは、議題3に移らせていただきます。「平成31年度の血液製剤の安定供給に関する計画の策定について」です。血液法の第25条第5項の規定によりまして、厚生労働大臣は需給計画を定めようとするときに、あらかじめ薬事・食品衛生審議会の意見を聴くものとされております。また、血液法第26条第3項の規定によりまして、厚生労働大臣は毎年度、需給計画の実施状況について、同審議会に報告するものとされています。
本日は、平成29年度の需給計画の実施状況及び平成30年度の途中経過の報告を聴取した上で、平成31年度の需給計画の策定について御意見を頂きたいと思います。では、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○三浦需給専門官 事務局から議題3について説明させていただきます。議題3は、「平成31年度の血液製剤の安定供給に関する計画の策定について」です。まず初めに、血液法第26条第3項の規定に基づき、平成29年度需給計画の実施状況について報告させていただきます。資料は1ページからですが、2ページ、4番の原料血漿確保の実績です。確保目標量93.5万リットルに対し、92万リットルを確保し、達成率が98.4%となっておりますので、ほぼ確保目標量を達成しております。同じく、5番の原料血漿の配分計画量と実績についてですが、化血研の製剤の出荷差し止め及び熊本震災による化血研の生産ライン停止の影響を受けまして、代替品増産のために原料血漿3万リットルを日本製薬に追加配分しておりました。追加配分につきましては、血液事業部会での審議を経まして需給計画の変更を行っておりますので、この資料の配分計画量も当初予定の32万リットルから35万リットルに変更となっております。配分の実績につきましては、配分計画どおりに配分されております。
1ページに戻り、1.各製剤の製造・輸入の実績、2.国内献血由来原料血漿から製造された血液製剤の製造の実績、3.血液製剤の供給量の実績になります。個々の製剤の計画及び実績は3ページの別表のとおりとなります。
3ページを御覧ください。各製剤の製造・輸入の実績をマル1の欄に、国内献血由来の血液製剤の製造実績をマル2の欄に、供給量をマル3の欄に示しております。製剤ごとの下段が需給計画での目標値、上段が実績、実績の右側にパーセントで表示しているのが達成率です。マル1の各製剤の製造・輸入実績では、17製剤中、アルブミン製剤など11製剤が目標を達成、又はほぼ目標どおりに製造・輸入されており、6製剤が目標を下回っております。マル2の国内献血由来の血液製剤の製造実績では、12製剤中、アルブミン製剤などの7製剤が目標達成、又はほぼ目標どおりに製造され、5製剤が目標を下回っております。マル3の供給量の実績ですが、17製剤中、アルブミン製剤など11製剤が目標達成、又はほぼ目標どおりに供給され、6製剤が目標を下回っております。なお、製造や供給などで目標を下回っている製剤もありますが、医療需要に応じて安定供給されており、問題は生じておりません。
続いて4ページ、平成30年度の上半期の需給計画の実施状況について報告させていただきます。個々の製剤の製造実績や供給実績などは6ページの別表のとおりです。6ページを御覧ください。別表の製造・輸入量ですが、一部の製剤で製造の達成率が低くなっておりますが、市場で欠品が生じているものはございません。また、マル3の供給量ですが、一部の製剤で目標量を下回っている製剤もありますが、こちらも市場欠品は生じておらず、医療需要に応じて安定的に供給されており問題は生じておりません。
4ページに戻り、4番の原料血漿確保の実績ですが、確保目標量は99万リットルになっております。5ページの上段に確保量を記載しております。上半期で47.7万リットルを確保しており、達成率は48.2%となっております。このことから、製造販売業者へは計画どおりに配分できるものと見込まれます。
続きまして、血漿分画製剤の自給率の推移(供給量ベース)ですが、7ページを御覧ください。血漿分画製剤の自給率の推移は、主な血漿分画製剤の自給率の推移を表わしております。アルブミン製剤の国内自給率につきましては、平成19年度の62.8%をピークに、横ばいの状況が続き、平成28年度は58.4%となっておりましたが、平成29年度で62.9%に向上しております。人免疫グロブリン製剤の国内自給率は平成28年度が94.9%、平成29年度が94.8%で、ほぼ横ばいで推移しております。血液凝固第Ⅷ因子製剤の国内自給率は平成6年から国内自給率100%を達成しております。
続いて8ページ、アルブミン製剤の供給量の推移です。アルブミン製剤については年々、供給量が減少しております。なお、平成31年度の供給見込量が増加しておりますが、これは各社からの供給見込みを集計しているためであり、新たな適応を取得したなどの動きもないことから供給量が大幅に増加するということはないと考えております。恐らく実績が出たときには、少し下がっているのかなと思っております。
9ページ、グロブリン製剤の供給量の推移です。グロブリン製剤に関しましては年々、供給量が増加している状況です。10ページ、血液凝固第Ⅷ因子製剤の供給量の推移です。遺伝子組換え製剤を含む全体の供給量としては増加傾向にありますが、国内献血由来の凝固因子製剤に関しては、ほぼ横ばいで推移しております。
続きまして、平成31年度の需給計画(案)についてです。資料11ページを御覧ください。主な血液製剤の供給量については、先ほど説明させていただきました実績報告や、8ページから10ページのグラフのとおりであり、これらの傾向も踏まえ、平成31年度の需給計画(案)を作成しております。既に御存じのこととは思いますが、需給計画も、血液法第25条第1項の規定に基づき、翌年度の血液製剤の安定供給に関する計画を策定するものとなっております。平成30年度の需給計画との大きな変更点としましては、輸出貿易管理令の改正が11月9日に公布されまして、来年4月1日から血漿分画製剤の輸出が可能となります。また一方で、輸出が認められることになったとしても国内向けの血液製剤の安定供給が確保される必要があるため、血液法施行規則の改正を行いまして、需給計画の記載事項及び需給計画の策定のための届出事項に輸出すると見込まれる血液製剤の種類及び量を追加し、実績報告に、輸出した血液製剤の種類ごとの量を追加することとしております。これを受け、需給計画においても輸出すると見込まれる血液製剤の種類ごとの量を盛り込むこととしております。また、昨年度までは、必要と見込まれる血液製剤の種類及び量や、製造又は輸入されるべき血液製剤の種類及び量など、それぞれ別の表で作成しておりましたが、比較しづらいという御指摘を頂いておりますので、平成31年度の需給計画からは1枚の表にまとめております。その他の変更点としては、原料血漿の配分量や供給見込量などの数字の変更がほとんどであり、そのほかに文言の整理などを行っております。
12ページ、血液法第25条第2項に規定されている本計画で定めることとされている各事項についてです。第1の「平成31年度に必要と見込まれる血液製剤の種類及び量」は、14ページの別表の(ア)の欄に、第2の「平成31年度に国内において製造され、又は輸入されるべき血液製剤の種類及び量の目標」は(イ)の欄に、第4の「平成31年度に原料血漿から製造されるべき血液製剤の種類及び量」は(ウ)の欄に、それぞれお示ししております。これら、需要見込みや目標量に関しましては、血液法に基づき、製造販売業者から報告される届け出や近年の供給実績を基に、医療需要に対して過不足が生じることなく安定に供給されるよう算出したものであります。また、参考としまして、平成30年度末の各製剤の在庫見込量の報告もいただいており、この在庫見込量と、(イ)の製造・輸入目標量を足したものが、14ページの別表一番右の供給可能量になっております。この供給可能量が、(ア)の需要見込みよりも多ければ安定供給が可能ということになります。供給可能量と(ア)の需要見込みを比較したところ、全ての製剤において供給可能量が需要見込みを上回っておりますので、平成31年度は全ての製剤が安定的に供給されると考えております。
続きまして12ページに戻り、第3の「平成31年度に確保されるべき原料血漿の量の目標」は、112万リットルを目標量としております。この目標量の算出の考え方につきましては、後ほど、15ページで説明をさせていただきます。
続いて、第5の「その他原料血漿の有効利用に関する重要事項」の1の「原料血漿の配分」ですが、13ページを御覧ください。原料血漿の種類ごとの標準価格につきましては、日本赤十字社や国内の製造販売業者の財務状況等を踏まえて検討させていただき、次回の血液事業部会で御審議いただくことになりますので、今回は空欄とさせていただいております。次に、平成31年度に採血事業社である日本赤十字社から製造販売業者へ配分される原料血漿の種類ごとの配分見込量です。最近の需要の動向や各社の在庫状況などを勘案して配分しているため年度ごとに配分量の変動はありますが、全体としては血液製剤の安定供給に必要な量の配分が可能となるように調整しております。平成31年度は合計で120万リットルの配分を計画しております。
また、2ポツの「平成31年度に輸出すると見込まれる血液製剤の種類及び量」は14ページの別表の(エ)に示しております。現時点では、血液法施行規則の改正が行われていないので各社から報告はいただいておりませんが、輸出すると見込まれる血液製剤がある場合には次回の血液事業部会でお示ししたいと考えております。
続いて15ページ、平成31年度の原料血漿確保目標量(案)です。確保目標量は112万リットルとしており、平成30年度と比較して13万リットルの増となっております。2ポツの各製造販売業者への配分量は、凝固因子製剤用が計39万リットル、その他の分画製剤用が計81万リットルで合計120万リットルになります。平成30年度の当初の配分予定と比較すると、医療需要の増加などから平成30年度の需給計画に比べて6万リットルの増ということになっております。また、配分量120万リットルと確保目標量112万リットルとの差の8万リットルにつきましては、平成17年度以降、一定量の上乗せを行ってきた結果、日本赤十字社の在庫量が確保されていること及び原料血漿の貯留期間が6か月から2か月に短縮されたことから、この8万リットルについては日本赤十字社の在庫分から一部を配分することとなります。以上が、資料3の説明となります。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○半田部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明について御意見、御質問などいかがでしょうか。
○大平委員 お伺いしたいのですが、血漿分画製剤の自給率の推移で、供給用ベースでグラフは出ているのですけれども、アルブミンの問題というのはずっと推移がなくて同じような形で自給率が余り伸びていないのは、原因として、厚労省としてはどういうお考えなのかということです。それから、もう一つは献血者の人たちのせっかくの献血を有効利用するというところでは、ずっと同じ傾向ですが、輸入に頼っている製剤と、国産の製剤が出てこないという問題は今度、平成31年度からは海外でも献血血液を利用して作られるという話もあるわけですけれども、できればやはり、国内の需給体制がそのまま何かずっと眠ったままの形で、暗黙の了解のような形で推移しているというのは、献血者に対して説明がつかないのではないかなというところがありますので、その辺は十分、今後の検討課題ですけれども、反映していただければと思います。
○半田部会長 ありがとうございます。今の御意見等々に事務局の方では、何か特に。
○三浦需給専門官 御意見、ありがとうございます。アルブミンの自給率につきましては、今回、62.9%ということで、向上はしてきておりますし、各社、国内メーカーでいろいろと検討されておりまして、自給率を向上するための取組というのも今、検討しておりますので、徐々に取組も進むのではないかと思っております。あと、輸出につきましては、国内自給率が達成できたもののみを、輸出を認めることになっていますので、今のところ、このアルブミン製剤等に関しては、国内の自給率を上げないまま輸出するということはないと考えておりますので、輸出につきましても、またいろいろと検討していきたいと思っております。
○半田部会長 あと、特殊免疫グロブリン等々の100%輸入製剤に頼っていることについて何かありますか。
○三浦需給専門官 特殊免疫グロブリン製剤につきまして、抗HBs人免疫グロブリン製剤につきましてはワクチネーションプログラムというものを行っておりまして、原料血漿の確保について努めているところです。国の公募事業として行っておりますが、公募で日本赤十字社さんが応募してくださっておりまして、そこで献血者の方にワクチンを打って抗体価の高い原料血漿を確保するという取り組みを進めております。
○半田部会長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
○岡田委員 アルブミンの自給率が62.9%となっていますけれども、これは5%と20%の製剤では大分差があると思うのですね、国内自給。恐らく高濃度の製剤に関しては、かなり自給率がもっと高いと思うのですけれども、5%は低いと。そのデータはお持ちでしょうか。
○三浦需給専門官 すみません。本日は細かいところまでは持ってきておりません。
○岡田委員 分かりました。トータルのところですね。
○三浦需給専門官 トータルではできるということです。
○岡田委員 あと、もう一つ、組換えアルブミンです。私が、いつも質問するのですが、これの実用はまだ、製造元としてはやる気というか、撤退する意志はない、要するに、今後も供給する見込みはあるのでしょうか。
○三浦需給専門官 遺伝子組換えのアルブミン製剤につきましては、メーカーの方でも一部変更承認に向けて準備を進めていると聞いております。
○半田部会長 それでは松下委員、どうぞ。
○松下委員 平成30年度から平成31年度にですね。15ページの2.原料血漿の配分量の変化がかなり大きく見えるので、どういう変化だったのかなということを17ページの表を見ながら考えていたのです。もう少し詳しく教えていただいてもよろしいでしょうか。
○三浦需給専門官 原料血漿の増加につきましてはグロブリンの必要量で原料血漿の配分量を決めております。グロブリンの需要が伸びてきておりますので、その分、配分原料血漿量が増えているという状況でございます。
○松下委員 あと、17ページの人免疫グロブリンの表を見ると、平成31年度見込みとしては、平成30年度から微増のように見えるのですが、これ等は使えていないのですか。
○三浦需給専門官 原料血漿を配分するに当たりまして、各社で原料血漿のままの在庫を持っていたり、中間製品で在庫を持っているという場合もあります。急激な原料血漿の確保というのは日本赤十字社の採血の体制にも大きく影響がありますので、ある程度その在庫の取り崩しを行いながら採血量が急激に増えないように調整を行っておりますので、製剤の伸びの分と原料血漿の伸びの分がすぐには繋がらないという状況でございます。
○松下委員 大体分かりました。
○半田部会長 ありがとうございました。それでは少し時間も押していますので、「平成31年度需給計画の策定について」に関しましては、次回の部会で、需給計画を厚生労働大臣より諮問がなされる予定です。事務局におかれましては、本日頂いた御意見を踏まえまして、原料血漿の配分価格と合わせて、修正案の準備をよろしくお願いしたいと思います。
それでは議題4に入りたいと思います。「血液製剤の使用指針の改正について」です。事務局より説明をよろしくお願いします。
○山本(匠)血液対策課長補佐 事務局から資料4について説明いたします。資料4-1が概要となりまして、資料4-2が新旧対照表、資料4-3が改正の案になります。
まず概要の経緯ですけれども、今回は日本医療研究開発機構の委託事業によって、最新の知見を用いた「大量出血症例に対する血液製剤の適正な使用ガイドライン」が作成されています。これが本日の参考資料2となっています。これを踏まえて、今回、血液製剤の使用指針を改正することとしています。本日、提出しております資料4-2と4-3に関しては、適正使用調査会と運営委員会において意見を頂いたものを、その意見を踏まえての改正案となります。説明は資料4-2の新旧対照表を用いて行います。
資料4-1の要点を、先に説明いたします。今回の改正の要点としては、大量出血の際は、凝固障害が起こりうるため、出血の早期より赤血球液、新鮮凍結血漿を一定の比率で投与するということを、これまで推奨として書かせていただきました。今回のガイドラインにおいては、血小板濃厚液に関しても有効性が示されているということなので、これを推奨するということを、一つ目に挙げています。二つ目としては、抗線溶薬というのが大量出血の際に死亡率を低下させる可能性があるということから、早期の投与を推奨するとしています。そのほかも、推奨に合わせての参考文献の追加と用語の整理をしています。
続いて資料4-2に移ります。まず新旧対照表の3ページ及び5ページになりますが、血小板濃厚液と新鮮凍結血漿液の適正使用において「大量輸血時」という項目がありましたが、ガイドラインを踏まえて「大量出血時」としています。その記載内容としては、大量出血時というのは24時間以内に循環血液量に相当する出血と規定して、その際に輸血療法を行うとしたときに、消耗性と消費性による凝固障害が起こりうるため、新鮮凍結血漿と血小板濃厚液を可能であれば速やかに投与するということとしています。投与の比としては1:1:1となるということが望ましいとしています。
適正使用調査会においては、ここを1:1:2という記載も目標として掲げていましたが、それでは少し分かりにくくなるという御意見を頂きましたので、1:1:1と統一しています。
また新旧対照表の1ページの赤血球液の適正使用の所ですが、大量輸血時においての新鮮凍結血漿と血小板濃厚液の投与に関しては、バイタルサイン等を参考にしながら必要な血液成分を追加するという記載がありますので、赤血球液からここを削除して、3)大量輸血時の部分の2番目の段落に、この記載に合わせて、大量出血時はバイタルサイン等を参考にしながら投与するということを記載しています。
新旧対照表の5ページの、新鮮凍結血漿の項目になりますけれども、こちらの項目において、大量輸血時には、輸血関連循環過負荷(TACO)にも留意するという記載がありますので、これを3)大量輸血時の所の一番下に「大量出血に伴う大量輸血による輸血関連急性肺障害、循環過負荷が起こりうるので留意する」と記載しています。
続いて、概要に示しました2ポツ目の抗線溶薬についての記載です。こちらに関しては、5ページから6ページにかけて、早期からの抗線溶薬の投与を推奨するという形で記載しています。3ポツ目の記載の整備という所ですけれども、こちらに関しては新旧対照表の2ページのⅣ血小板濃厚液の所と、6ページのC)クマリン系薬剤(ワルファリンなど)の効果の緊急補正の所で、プロトロンビン複合体製剤を使用することの推奨について、記載の整備をして参考文献を追加しています。資料の説明は以上となります。
○半田部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明について御意見、御質問は、委員の方々いかがでしょうか。何かおありでしょうか。
○大平委員 大量出血の対処として、使用について、綿密にまとめられていて、素人から見ても割と評価できるのではないかと思っています。
一つ、以前からも議論にありましたが、フィブリノゲン製剤の問題について、今回も参考資料2に、いろいろとまとめられているので、これが実際に正規に投与できるような環境というのを推進していただきたいと思います。それは、やはり病院内での自己血による採取など、そういったもので保険点数が付かない形でやられているところでは、安全性の確保なども考えると、きちんと評価されて安全に使えるようにということで、実際のフィブリノゲン製剤は、先天性の方たちには感染の心配のない製剤というものがきちんと供給されているわけなので、それが医療現場で公平に使われるような形を、できれば推進していただきたいと思います。せっかくここに触れていただいているので、これをきちんと検証しながら良い方向に持っていっていただきたいと、患者の立場からすると、思いますので、よろしくお願いいたします。
○半田部会長 ありがとうございました。今のところで何かコメントなどございますか。
○山本(匠)血液対策課長補佐 大平委員の意見に関しては承らせていただきますとともに、ガイドラインに記載されていますが、現行においては関連学会から適用に関しての要望を提出していると聞いていますので、その推移に関しては、また様子を見させていただこうと思います。
○半田部会長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
○大戸委員 34ページの7)ABO血液型不適合輸血ですが、ABO同型の新鮮凍結血漿が入手困難な場合には、原則としてAB型を使用する。これは知識が広まって、赤十字からの情報ではAB型が相対的に不足し始めていると聞いています。新鮮凍結血漿の書きぶりを変更できるといいと思います。
○半田部会長 これは資料4-3の34ページの7)の1行目の「原則としてAB型を使用する」という点ですね。これはAB型の血漿が払底する恐れがあるということで、書き方を変えた方がいいのではないかという御意見ですけれども、いかがですか。
○山本(匠)血液対策課長補佐 そのコメントですが、医療上、必要だという血液製剤においては、安定供給という観点からも確保が必要であるかと思います。また、新鮮凍結血漿のAB型の在庫量等に関しては、資料がございませんので、AB型の血漿が不足していることを確認できませんので、以上のコメントとさせていただければと思います。
○大戸委員 なぜかと言うと、AB型の人が大量出血した場合には、AB型の新鮮凍結血漿しか使えないのです。ほかの方よりも、AB型の人が不利にならないかということです。また少し検討していただければと思います。
○半田部会長 大変、重要なコメントだと思います。この文言の中に修正を加えるかどうかということについて、事務局の方ではいかがでしょうか。
○山本(匠)血液対策課長補佐 今回は、大量出血という形での改正というのが趣旨ですので、大戸委員からの指摘に関しては、今後、また指針の改正のときに参考とさせていただければと思います。
○半田部会長 そうですね。また、これからの推移というものを見ていただいて、次のマイナーな改定の際にそれを加えさせていただくということで、よろしいでしょうか。
○大戸委員 はい。
○半田部会長 非常に貴重な意見を頂きました。それでは、当該、事務局より提出された改正案については、当部会として御了承いただいたということでよろしいでしょうか。
ありがとうございました。今後は、事務局より当該指針の発出をよろしくお願いしたいと思います。また、法令的な観点から形式的な修正があった場合には、私、部会長に御一任いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございました。
それでは、議題5に入りたいと思います。血液法施行規則の改正についてです。事務局より説明をよろしくお願いいたします。
○三浦需給専門官 議題5について説明させていただきます。議題5、「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律施行規則の一部を改正する省令 (案)の概要」についてです。血漿分画製剤の輸出に関しては、輸出貿易管理令において、血液製剤の輸出をしようとする者は、経済産業大臣の承認を受けなければならないこととされており、昭和41年から、国内の需要確保のため、承認を停止することとされておりました。今般、平成29年12月15日の血液事業部会で、善意の献血及び余剰の中間原料の有効活用や、途上国のアンメットメディカルニーズに対応するため、国内の需要以上に生じた未利用の中間原料から生産される血漿分画製剤の輸出を可能とすることが了解されたことを踏まえ、輸出貿易管理令を改正し、血漿分画製剤の輸出の承認を不要とすることとなりました。なお輸出貿易管理令の改正については、経済産業省で改正の作業を進め、11月9日に公布されており、来年4月1日から施行されることとなっています。
また一方で、輸出が認められることになったとしても、国内向けの血液製剤の安定供給が確保される必要があります。このため、需給計画の記載事項及び需給計画の作成のための届出事項に、輸出すると見込まれる血液製剤の種類及び量を追加すること、実績報告に輸出した血液製剤の種類ごとの量を追加することなど、血液法施行規則について改正を行うこととしています。
血液法施行規則の改正については、改正省令(案)の概要について11月6日から12月5日までの間、パプリックコメントを実施しており、1件の意見提出があり、特段の反対はないという意見を頂いています。
今後の予定としては、必要の手続を経て交付し、来年4月1日からの施行を予定しています。説明は以上です。
○半田部会長 ありがとうございました。いかがでしょうか、今回の施行規則の一部改正をする省令(案)の概要です。特に何か御意見等々、ございますか。
○田野﨑委員 例えば、各メーカーで配分された余剰の血漿や何かが、もし余っているような状況ができたときに、そういうものも把握されるような方向でやられるのかどうかと。本当に足りない場合に、それを少し余分に各メーカーで持っていて、それでうまくできるようにされているというのが、現状であるのかなと思ったのですが。例えば、最初に申請した量が、実際の実績で少し余ってしまった際に、次の年に持ち越したり、輸出したりするなど色々なやり方があり、各メーカーによって考え方が少し変わってくる可能性がないのかどうかということについて、私が正確に理解しているかは分からないのですけれども、その辺についてはいかがでしょうか。
○三浦需給専門官 配分されている原料血漿から、グロブリン目安で原料血漿の配分を行っています。グロブリンについては、ほぼ使い切っているという状況です。アルブミンについては、国内全体の使用量が減少しているということもあり、今のところ、とんとんぐらいの配分になっている状況です。ただ、国内自給率が100%ではないので、やはりアルブミンについては中間原料で余剰が出ているという状況です。単年ごとではなく、何年か持ち越してから使っていますので、今すぐに、これが不要なのかというと、なかなかそうでもないのかと思っていますが、余剰分が積み上がってくると、そこは発生してくると思っています。
ほかの製剤については、必要なタンパクを、そのときに抽出するということをやっておりますので、例えば、アルブミンやグロブリン以外のもので、今、その中間が残っているかというと、そういうわけではない。そこを抽出されずに、次の工程に流れていっているような状況ですので、そこは新たに抽出をするということを、もしかしたら検討すれば製剤化ができるかなと思っていますが、そこも各社の判断というものも多少あると思いますので、今、この場で、なかなかすぐにどうこうというのは、お答えしづらいところです。
○半田部会長 よろしいでしょうか。ほかにいかがでしょうか。それでは事務局におかれましては、当該施行規則の改正について、進めていただきたいと思います。最後に何かございますか。
○森審議官 少し遅れてまいりまして、申し訳ございませんでした。本日は長時間の御審議を頂きまして、本当にありがとうございました。実は委員の皆様には、個別に御連絡を差し上げているところですが、来年の1月にこの薬事・食品衛生審議会の全体の委員の改選の予定になっております。現在の任期の委員の皆様による審議会は、本日がこれで最後という恰好に、一旦なります。これまで先生方には、大変、熱心に御審議いただきまして、そして血液法の改正や、本日も施行規則を御確認いただきましたけれども、輸出を少しできるようにしようなど、今までにない新しい取組というものを、この血液事業の領域において検討いただいて、一歩を踏み出そうという形の大きな変化にいろいろ御意見を頂きまして、それでこのような恰好で私どもも前に進むことができるような段階を迎えるようになっています。本当にありがとうございました。
今期で御退任になられる委員の先生もいらっしゃいますし、そういう先生には本当に任期中お世話になりまして、本当にありがとうございました。そして、また改めて継続して委員を務めていただく先生におかれましては、来期もまた、よろしくお願いいたします。引き続き、この部会や他の調査会、委員会においても闊達に御指導、御鞭撻いただきますよう、よろしくお願いいたします。本日は、12月ですのでお忙しい中、御出席いただきまして本当にありがとうございました。どうか先生方、良いお年をお迎えいただきますように。ありがとうございました。
○半田部会長 それでは、本日はどうもありがとうございました。
( 了 )
 
 

 

備  考
本部会は、公開で開催された。

連絡先:医薬・生活衛生局 血液対策課 課長補佐 山本(2909)

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