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2018年2月16日 第7回医師の働き方改革に関する検討会 議事録

医政局医療経営支援課医療勤務環境改善推進室

○日時

平成30年2月16日
15:00~17:00


○場所

厚生労働省(中央合同庁舎第5号館)9階 省議室


○議事

○花咲医療勤務環境改善推進室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第7回「医師の働き方改革に関する検討会」を開催します。

 構成員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。

 初めに、本日の御出欠について報告いたします。

 渋谷副座長、荒木構成員から、所用により御欠席との御連絡をいただいております。また、島田構成員が少しおくれるとの御連絡をいただいております。また、村上構成員から、所用により途中からの御参加との御連絡をいただいております。

 次に、お手元の資料の確認をいたします。

 次第、構成員名簿、座席表。

 資料1「医師の働き方改革に関する検討会 中間的な論点整理(案)」。

 資料2「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組(案)」。

 参考資料1、2といたしまして、それぞれの見え消し版がついております。

 参考資料3「第6回検討会における主な意見」がついております。

 不足する資料、乱丁、落丁ございましたら、事務局にお申しつけください。

 本日は、高木厚生労働副大臣、牧原厚生労働副大臣に御出席をいただいております。開会に先立ちまして、両副大臣より、一言ずつお願いをいたします。

○高木副大臣 厚生労働副大臣の高木美智代でございます。私は医療、介護、福祉、子育て支援を担当いたしております。

 本日は、皆様、御多用の中、第7回「医師の働き方改革に関する検討会」にお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

 本日は、前回、骨子案という形で御議論いただきました、中間的な論点整理と、医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取り組みにつきまして、御議論をいただくと伺っております。きょうは牧原副大臣と、最後まで皆様の議論を伺わせていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○花咲医療勤務環境改善推進室長 よろしくお願いします。

○牧原副大臣 皆様、こんにちは。同じく副大臣の牧原でございます。

 高木先生が医政のほうで、私は働き方改革のほうの担当ということですが、今、自民党でも働き方改革法案について審議をしていますが、大変困難な、さまざまな議論がされている状況で、なかんずく医師の働き方に関して、実は別途議論をしているはずなのですが、大変な議論があります。

 現在、こちらで別途議論をして、この後、例外措置になるはずなのですが、現行だと、現行の労働法が適用されてしまうということで、病院にもかなり基準監督署が入って、医療の現場に影響も出ているというような話が、たくさんの議員から指摘もなされているところでございます。その意味で、本当に、この場の議論というのは大切ですし、世の中にも、この議論がしっかりとなされているということを知っていただくということも大切ではないかと思っております。

 ぜひ、岩村座長を初め、構成員の皆様に改めて感謝を申し上げますともに、活発な議論、そして、きょうのとりあえずの形になれるよう、お願い申し上げて、私からの冒頭の挨拶とします。よろしくお願いします。

○花咲医療勤務環境改善推進室長 ありがとうございました。

 それでは、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。

(報道関係者退室)

○花咲医療勤務環境改善推進室長 以降の議事運営につきましては、岩村座長にお願いをいたします。それでは、よろしくお願いいたします。

○岩村座長 皆さん、こんにちは。

 早速、本日の議事に入りたいと存じます。

 お手元の議事次第をごらんいただければと思います。本日は、前回に引き続きまして、中間的な論点整理及び緊急的な取り組みについて、皆様に御議論をいただきたいと考えております。

 前回の検討会では、事務局のほうから提示いただきました骨子案について、私の議事進行のまずさもありまして十分な議論の時間をとることができませんでした。その後、構成員の皆様には、骨子案に対する御意見をメールで事務局に御提出をいただいたところでございます。きょう、お手元に配付されております資料は、こうしていただいた御意見を、可能な限り前回の骨子案に反映しまして、中間的な論点整理の案、そして、緊急的な取り組みの案という形にまとめて、改めて皆様にお示しをするというものでございます。

 本日は、参考資料として配付されております骨子版からの見え消し版も、先ほど事務局からの紹介にもありましたようにお示ししておりますので、それも参考にしていただきながら、取りまとめに向けての御議論を頂戴したいと考えております。

 なお、事前に事務局へ御意見をお寄せいただきました構成員の皆様方へのお願いでございますけれども、御発言の際に、改めて御自身の御意見のポイントに触れていただけますと、他の構成員の皆様方にもわかりやすいと存じますし、また、議事運営も円滑に進むと存じますので、御協力をいただきたいとお願い申し上げます。

 また、構成員の皆様は、発言をされる際には、前回、今村構成員からも御指摘もあったのですけれども、時間の限度というものがございますので、大変申しわけありませんが、なるべく簡潔にお話しいただくようお願いいたします。それによりまして、できるだけ構成員の皆様方に、時間の中で御発言をいただくことができるかと思いますので、その点の御配慮も特にお願いをしたいと思います。

 特に、議論の順番等は定めませんので、中間的な論点整理と緊急的な取り組みの案の2つにつきまして、自由に御発言をいただいて、御議論をいただければと存じます。よろしくお願いいたします。

 いかがでございますでしょうか。

 では、遠野構成員、どうぞ。

○遠野構成員 遠野です。

 今回の論点整理に関しては、とても読みやすく、これまでの皆様のお話が全部網羅された形で、本当にいいものができたなと思っていました。

 また、緊急的な取り組みに関しても、いずれの6項目もすぐにでも取り組めそうな内容で、どれも具体性があってわかりやすいと思いました。特に項目の1番(労働時間管理の適正化)、2番(36協定の自己点検)、3番(産業保健の活用)、4番(タスク・シフティング)については、すぐにでもいろいろな方面に御提案、周知をお願いしたいと思います。法案成立の前にも医療界全体で取り組むような形になることを望みます。

 ただ、5番(女性医師に対する支援)、6番(医療機関の状況に応じた取組)に関しては、なかなか世の中の環境、社会通念の変化も必要とするため、取り組むことは必要だが、近々の実現は難しいと思いました。私の感想としては、1番から4番までを早急に世の中で実現できれば改革の一歩になると、これを読んで思いました。

 以上です。

○岩村座長 ありがとうございました。

 いかがでございますでしょうか。

 では、こちらでお二人、手が挙がりましたので、最初に福島構成員、それから山本構成員の順番でお願いいたします。ありがとうございます。

○福島構成員 中間的な論点整理の5ページの宿日直許可に関するところなのですけれども、確かに宿日直許可に関しては、実態はさまざまであるということは事実なのですけれども、許可基準そのものを実態に合わせて変えるというものではないと、私は考えています。

 宿日直勤務は、通常の労働に比べて労働密度が低いため、労働時間や休憩等の規定を適用しなくても労働者保護に欠けないとされているので、この基準をもって医師の健康管理に資するものだと思うのです。そういう意味では、この許可基準そのものに不備はないと私は考えていますので、基準を見直すということではなくて、実働と実働の間に、例えば多くの手待ち時間とか休憩時間が存在するとすればそれは労働時間から除くというような、中間的な働き方として、労働時間の低減もしくは新たな労働時間制を検討していただけるとよいかと思います。例えばですけれども、16時間全てが実働ではないというような捉え方といったものを検討していただいてもいいのではないかと思いました。

 以上です。

○岩村座長 ありがとうございました。

 それでは、山本構成員、どうぞ。

○山本構成員 私は、論点整理の中で2点、発言をさせていただきたいと思います。

 1つは11ページの「地域医療提供体制の確保の観点」というところの3つめのポチであります。ここで「地域での機能の分化・連携」という言葉が使われておりますが「集約化」という言葉が、見え消しで見ると消されております。集約化の議論というのは、この医療機関の存続にかかわるところで、微妙な問題があるというのは承知しておりますけれども、一方で、多くの地方で、小規模な自治体立の病院が、少人数の医師で、大量な赤字を出しながら税金で賄われているという実態がございます。ここは、今のように交通事情がよくなっているときには、やはりここは集約化をしていかないと、各科1人、2人の医者がいるだけでは、とても十分な医療はできないし、一方で、医療に携わる医師たちは疲弊してくるということで、この集約化という議論は、ぜひ言葉を残していただいてあるいは「公的病院の」というような注釈もつけてもよろしいかと思いますが、ここはぜひ働き方改革の中でも、これは医師の偏在対策ともつながるところですので、ぜひここは議論を残していただきたいというのが1つでございます。

 もう一つは、12ページの「国民の理解の観点」というところでございます。これは緊急対策の6番目の、医師の労働時間短縮に向けた取り組みと一致するところでありますが、ここは患者への病状説明を時間外にやらないとかあるいは主治医が必ずしも夜中に呼び出されないようにしましょうとかを言っておりまして、この辺は、まさに国民の理解というのが非常に重要なところでありますので、緊急対策の6番を生かすためにも、12ページの「国民の理解の観点」というところは、もう少し強い書き方、具体的な緊急対策の部分を盛り込むような形の書きぶりをしていただいて、ぜひ国民の理解が得られるような形に持っていっていただければと思います。

 以上、2点、意見を申し上げました。

○岩村座長 ありがとうございます。

 それでは、今村構成員、どうぞ。

○今村構成員 私も中間的な論点の整理、緊急提言全体については、非常によくまとまっているなと思いました。特に緊急的な提言というのは、今、我々がやるべきことがはっきり明記されておりますし、先ほど御指摘があった女性医師の支援についても、今、医療機関はかなり考え方は変わってきているので、私はぜひこういうことも、そのまましっかりと残していただきたいと思っています。

 それを踏まえた上で、中間的な整理の話ですけれども、何かこれは結論めいた話ではなくて、書きぶりは、各構成員が述べた意見を羅列しているという言い方は変ですけれども、ある程度こういう論点でこれから進めていったらいいのではないかという、目次的なものだという理解でおりますけれども、それでよろしいかどうか、事務局に。

 あたかも論点整理ということで、これが何か結論めいた話に。先ほど構成員からもお話があったのですけれども、中に書かれているのは、ではないか、という意見があくまで挙げられているだけであって、これをもって何かを決めることではないと理解していますけれども、いかがでしょうか。

○岩村座長 では、事務局、お願いします。

○堀岡医師養成等企画調整室長 そういう御意見は、何人かの構成員の方からもいただきました。

 3ページの「働き方改革実行計画」と書いてある最初のポツですけれども「具体的な論点について、これまでの議論で各構成員から出された主な意見を列挙する形で」ということを明示させていただきました。

○今村構成員 ありがとうございます。

○岩村座長 一言申し上げますと、私もいろいろな検討会あるいは審議会に出させていただきますが、よくこういう形で中間的な論点の整理というのを行うことがあります。これは別に結論がどうだということをお示しするものではなくて、今まで、例えば、その検討会で議論してきたもので、さまざまな御意見が出ますので、それを整理させていただいて、どういう論点があって、それについてどういう御意見が出ているかということを、一回、そういう意味ではまとめさせていただく。その上で、それをベースに今度は具体的にどういう方向で議論をしていきましょうかということになる。ある意味、今後の議論に資するための論点の整理であると御理解いただければいいのかなと、私は理解しております。

 それでは、ほかにいかがでございましょうか。

 こちらで、今、お二人挙がっていますので、まず工藤構成員、それから市川構成員という順番でお願いいたします。

○工藤構成員 

 中間的な論点整理案について、先ほど福島構成員からもご発言があったかと思いますが、5ページの「宿日直許可に関する意見」の部分の見直しが必要ではないかと思います。また、実態を見直す必要があるという記述ではありますが、やはり本来の宿日直基準以外の業務については、労働時間としての適切な対応がなされるように検討すべきではないかと考えます。

 また、10ページの「検討に当たっての基本的な考え方」の2番目に「必要な医療ニーズに対応できる医療提供体制を維持できるような上限時間とすべきではないか」という記述についてです。やはり、個々人の労働負荷への耐性というものは、個人差があるとは思いますけれども、持っている能力を十分に発揮して、診療もしくは治療に携わるためには、労災認定にある時間外労働時間の水準以内での上限規制でなければならないだろうと考えます。

 このことと関連しますが、11ページの「地域医療提供体制の確保の観点」の最初のところで「多様性を踏まえて、時間外労働の上限時間を設定する必要があるのではないか」の項について、やはり、医療の安全を考えるときに、医師をはじめとした医療スタッフの過度な疲弊が生じない上限時間というものを検討すべきと考えます。

 これまでのヒアリングの調査報告等を振り返りますと、医療もしくは医療ケアにおいて、労働関係法令への理解が十分ではなく、患者のためと自らの意欲、また、ほかからの圧力により、長時間労働をはじめとした過重労働の中で働いている現状を、改めて認識することができたかと思います。このような状況があるからこそ、過労死や勤務医不足、さらに、診療科や地域偏在が発生しているという捉え方もできるのかなと思います。

 医療の高度化は必要ではありますが、それと同時に、もしくは同様に、地域医療をどのように担っていくか、担保していくかということが問われているものだろうと考えます。

 医師をはじめとしたスタッフが疲弊している状況では、安全、そして、期待に応える結果を出す医療の提供は困難なものになるだろうと。そのことは患者にも、また、私たち医療に携わるものにとっても望んでいないことです。

 この場は、医師の働き方改革に関する検討会ですが、医師の働き方は、他の医療スタッフの働き方にも大きく影響するものと考えています。私たちは労働組合として、これから、医師を初めとした医療スタッフが健康に働き続けられ、安全と期待に応えられる医療提供体制にしていかなければならないと考えて取り組んでいます。今回の中間的論点整理と緊急的な取り組みについては、この内容でまとめて、早期に次のステップに移行すべきと考えるところです。

 以上です。

○岩村座長 ありがとうございました。

 それでは、市川構成員、どうぞ。

○市川構成員 3つございまして、最初が、中間的な論点整理の1ページの○の3つ目、4つ目。

 国民の医療がフリーアクセスということは、日本のユニバーサル・ヘルス・カバレッジの大原則でありますけれども、受療行動が、ある程度、御自分の時間に合わせた、要するに、緊急性のない時間外受診とかの部分は否定できないと思います。したがいまして、そこのところを、今回、緊急的な対応には出ていませんでしたけれども、国民に対する啓蒙も、ある程度はお考えいただいて、ただし、セーフティーネットとしての医療はきちんと守ると同時に、国民にも御理解をいただきたいという点は必要かと思います。

 今度は11ページの「医師養成への影響の観点」ということで、研修医に2年間、卒業してなるのですけれども、ここの時点というのは、医療に対して初めて接するということで、やはりきちんとした研修を受ける、また、医師としての最初のステップにおいて、心構え等が非常に重要になってくると思います。したがいまして、ここである程度、研修医として、特にアメリカのACGMEなどは結構厳しい基準なのですけれども、かなり時間を費やしている部分もございます。ただ、健康をきちんと保障した上で、研修というものに対する配慮をしていただく必要があるのではないか。

 続きまして、ポチの2つ目の「高度医療を担う医師の養成」とございますが、この部分も、ある程度高度医療となりますと、相当時間を手術などに費やしたりしますし、そこの部分の医術の部分が、現実的にはまだ法律になっていませんけれども、高プロみたいな制度を部分的は導入して、高度医療の質の担保ということも必要ではないかと思っています。

 もう一点が、緊急的な取り組みの1ページ、3段落目の2行目に「都道府県に設置されている医療勤務改善支援センターによる相談支援」とございますけれども、これはあくまでも現状ですと、相談に来てもらった者に対する対応です。現実的にはなかなか、今、改善支援センターが活用されていないということで考えますと、むしろ訪問支援で、現場に行って、アドバイスをするような機能も加えておく必要があるのではないか。要するに、ここで緊急的取り組みに反映していただくとともに、社会保険労務士の主たる業務は、医療機関の訪問による支援も含むというような部分を加えていただくことによって、より活用しやすいものになるのではないかと思っています。

○岩村座長 ありがとうございます。

 ほかにはいかがでございましょうか。

 それでは、こちらは先ほどやりましたので、今度はこちらでやらせていただくということで、三島構成員と森本構成員という順番でお願いしたいと思います。

○三島構成員 三島です。

 私は2点ございます。

 1点目は、先ほど市川先生からもお話にあった、医師養成の観点からというところで、11ページなりますが、健康をしっかり保障した上で、質のいい医療を提供する医師を養成するというところにおきましては、卒後教育において、以前、ヒアリングでもありましたように、やはり専門で科とか分野によって、必要なスキルを習得する時間でありますとか研修の内容というのはかなり多様にあると思いますので、そちらに関しては、やはり現場の当事者、医師や医療の学術団体とか大学、それぞれが各科ごとの状況についてもしっかり検討するということが必要なのではないかと思いました。

 もう一つは、3ページのヘルスケア意識の向上というところですが、これも先ほどから構成員の先生方がおっしゃっていたような、国民の理解や国民の理解の観点というところに大変通じる非常に重要なところだと私も思います。ただ、言葉として、大変重要な内容だと思うのですが、一般の方にお伝えする中で、ヘルスケア意識というものが何であるかというところが、私からしたら少し新しい言葉かなと思いましたので、そのあたりが、医療のかかり方でありますとか、こういった国民の方々にどういった点を考えていただくのかという注釈のようなものも、少し補足があってもいいのかなと思いました。

 以上です。

○岩村座長 ありがとうございました。

 それでは、森本構成員、どうぞ。

○森本構成員 

 この2つの取りまとめですが、この間の検討会でのさまざまな意見が網羅されておりますので、取りまとめ、お疲れさまでしたというところが1つです。

 1点だけ、今後の話し合いに向けて、この中で、タスク・シフティング、タスク・シェアの問題は、これからも大きな議論の論点になるのではないかと思います。これに関しては、医師だけではなく、医療関係者への影響も大きいため、医療関係者の意見も十分に踏まえた上で検討を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 以上です。

○岩村座長 ありがとうございました。

 それでは、今度はこちら側で、先ほどお手が挙がっていたということで、鶴田構成員と猪俣構成員と片岡構成員、順番にこういうようにということでお願いいたします。

○鶴田構成員 私からは3点、お話ししたいと思います。

 この論点には書いてありませんが、1点は、医師処遇の問題があります。新しい専門医制度ができて、多くの専攻医が大学に流れる傾向にあります。初期研修医については、30万円が一応保障されていますが、専攻医については全く保障されていません。昔、我々の研修時代の方々はみんな大学外にアルバイトに行きました。労働の対価として見た場合は、生活保護水準の人もいたような働き方だったのですが、生涯給与の観点からの医師の給与体系を考える必要があろうかと思います。

 現在、医師の場合、初任給調整手当が16年までは高いのですが、その後、減少します。退職金なども、医局派遣だと断続的になり、基本的には退職金もそう期待できません。したがって、生涯給与からの観点からの医師の給与体系を考えておかないと、若いドクターの将来については、非常に問題があるのではないかと思います。

 第2点は、女性のワーク・ライフ・バランスに配慮した働き方という観点からで、現役で医学部入って卒業時24歳、初期研修医2年、専門医研修3~5年だとすると、それが終わった時点では30歳ぐらいになっている。こうした状況で、現在の女性医師がどの程度結婚されて、どの程度子供さんを持っておられるかというのは、きっと今村先生のデータにあるかもしれませんけれども、30歳前後で産むことと、35歳以上で産むのでは全く違う状況が起こるので、子供を産みたいときに産める、結婚するとか子供を産むというのは、本人の自由ですけれども、結婚したいときに結婚・出産できないというのは、制度的に考える必要があるのかなと思います。先ほどの、今村先生のところにデータがあれば、未婚率とか子供を何人ぐらい持っておられるか、そのあたりもまた教えていただければありがたいと思います。

 第3点は、医療の川上論と川下論というのがあります。医者は川に溺れた人を助けるということですが、溺れないようにというのは予防と言いますけれども、予防と同時に、例えば、救急医療等では、ほとんどが軽症の患者さんが来院するという現状もあり、川に入る、入らないというところは、本当に川に入ったほうがいい人ばかりなのかと思います。もしくは、高齢者医療に関しても、高齢者が置かれた場所によって対応は違う。急性期の病院に行けば、そういう対応をされるし、慢性系の病院に行けば、そういう対応をされる、特養に行けば、又、老健に行けばそれ相応の対応をされるということで、同じ病態でも対応の仕方が全く違う。

 したがって、医療の提供のあり方ということも含めて考えないと、川に流れてくる患者さんがたくさんいて、働き方は一層厳しくなるということにもなりかねないので、先ほども出ましたが受診の仕方、その場合に保険を適用するか、自費診療とするか、そのあたりも含めて、診療のあり方も考えるべきではないかと思います。

 例えば、がん治療をしたからといって、全部助かるわけでなくて、やったために数日で亡くなっている患者も、実際、ある程度おられますし、受診のあり方とともに、医療のあり方も議論されるべきと思います。

○岩村座長 ありがとうございます。

 それでは、片岡構成員、どうぞ。

○片岡構成員 ありがとうございます。

 私は女性医師の両立支援という項目について、意見を述べさせていただきたいと思います。

 まず、論点整理のほうの8ページです。項目が「女性医師等の両立支援」とありまして、もともとは「女性医師が出産・育児等と医師の業務を両立し」という形で「女性医師が」という主語がついておりましたけれども、やはり本来は、出産はともかく、育児というのは女性だけの仕事という限定ではなく、男女ともに取り組むという観点が必要だと思いますので、修正版のほうでは、主語の「女性医師」は外したほうがいいのではという意見を述べました。

 もっと言うのならば「女性医師等の両立支援」というよりは、男女共同参画の推進あるいは働き方の多様性の推進といったことが項目のタイトルとしては、もしかしたらいいのかもしれないとも思います。

 点が6つあるのですけれども、この中で最も重要なメッセージというのは、6番目にある「男女双方にとっての」という文章が、実が1番に来たほうがいいのではないかと考えております。さらに男女双方にとって、ワーク・ライフ・バランスの実現も当然重要なのですけれども、男女双方にとって、医師としてのプロフェッショナルリズムの追求と、ワーク・ライフ・バランスの実現が必要不可欠という文章がメッセージとして1番に来たらいいのではないかと考えました。

 出産・育児だけではなく、やはり仕事との両立という観点で、今後ますます重要になってくる介護ということも「出産・育児」に加えて「出産・育児・介護」というように、つけ加えていただくほうがいいのではないかと考えました。

 それと同様に、緊急的な取り組みのほうの3ページですけれども、タイトル自体、女性医師の支援と書いたほうが、確かに何をするのかということがわかりやすいのではありますけれども、タイトル自体を、もし一考の余地があれば、御検討いただいてもいいのではないのかということと、こちらも育児の後に「・介護」という文言があったほうがいいのではないかと思います。

 以上です。

○岩村座長 ありがとうございます。

 おっしゃりたいことはよくわかるのですが、タイトルについては、多分、この方がわかりやすいかなという気はいたします。

○片岡構成員 私もそのとおりだと思いつつ、意見として述べました。

○岩村座長 御意見は非常によくわかります。

 それでは、猪俣構成員、どうぞ。

○猪俣構成員 猪俣と申します。

 大学病院の勤務医師の立場からとして述べさせていただきたいと思いますけれども、中間論点整理の3ページ目の「医師の勤務実態の分析状況と今後の検討に関する論点」の1つ目の項目にありますとおり、医療機関種別では、大学病院において特に勤務時間が長くなっているとされております。その理由としては、もちろん、臨床業務に重きを置きながらも、我々は教育とか研究を行っているからにほかなりません。それを踏まえますと、病院として、医師として一律に働き方改革を検討するのではなくて、その特性に応じた働き方改革の検討というのを行ってほしいと考えております。

 どうか、日本のヘルスケアの、例えば未来に投資すべき科学の発展や、産業の創出といったイノベーションを制限しない形で、ぜひ検討のほうをしていただけたらと思います。

 以上になります。

○岩村座長 ありがとうございます。

 それでは、こちら側で、ハイ構成員と馬場構成員ということで、お願いいたします。

○ハイ構成員 ありがとうございます。ハイでございます。

2点ございます。まず、緊急的な取り組みに関してですけれども、非常に網羅性もございまして、検討員の皆さんのお話のとおりでございます。ただ、緊急的な取り組みと書いてはあるものの、時間軸が明記されていないのが若干気になります。早急に対応するとは書いてあるのですけれども、結局、どこまで取り組んで、どういう結果が出たら、緊急的な取り組みとして効果的であったかということを、ぜひ、今後の議論でしていただきたい。優先順位づけというのは非常に大事だと思いますので、緊急的な取り組みの中での時間軸ということを意識していただきたいのが1点でございます。

2点目として、本編の中間的な論点整理の中の9ページ、先ほどの猪俣構成員と話が続くと思うのですけれども、経営管理に関して、法人形態に応じてガバナンスの仕組みはかなり変わります。つまり、大学病院だったり、公的病院だったり、民間病院だったり、多種多様であり、方法論はかなり変わると思います。一律に経営管理の観点でまとめるのではなくて、今後、法人形態をもう少し突っ込んでからお話を進めていくと、より明確かつクリティカルな改善策がつながるかなと思っております。

 以上、2点でございます。

○岩村座長 ありがとうございます。

 それでは、馬場構成員、どうぞ。

○馬場構成員 非常によくまとめていただきまして、ありがとうございます。

 2点、発言させてください。

 まず、7ページのタスク・シフティングのことなのですけれども、この中でいろいろタスク・シフティングが書いてあるのですけれども、救急救命士という資格がございます。これは救急車の中では気管挿管であったりあるいは静脈の確保ということができるのですけれども、これは病院の救急外来などでは、看護補助者と同じことしかできないということになっていますので、救急救命士の活用についても、今後ぜひ御検討をいただきたいと思っております。

 2点目は6ページの真ん中ぐらいです。新しく加わったところで、医療勤務環境改善支援センターについての記述が3行ございますけれども、私は大阪府の医療勤務環境改善支援センターのセンター長なのですけれども、私としては、医師の働き方改革にはまだほとんど力を注げておりませんが、いろいろ頑張ってきたという経緯もありますし、いろいろ関係機関と連携しながら、病院への訪問なども含めていろいろやっておりますので、一刀両断に十分な機能が発揮できていないとされてしまうのは、非常に本位ではないというところですので、もう少しポジティブな表現に、十分な機能が発揮できていないケースも多いので、さらなる活用を期待したいとか、それぐらいの表現にしていただければと思っております。

○岩村座長 貴重な御意見をありがとうございます。

 ほかにはいかがでございますでしょうか。

 では、戎構成員、どうぞ。

○戎構成員 私のほうからは3点ほど発言させていただきます。

 第1点ですが、中間的な論点整理のほうにもありますし、緊急的な取り組みの中にもあります「女性医師等に対する支援」に関する項目なのですけれども、私も片岡構成員と同じ意見でございます。そもそもの育児に関する、国民も含めて、皆さんの認識が変わらなければいけないと思うので、この文章を説明されるときには、性別を問わず、皆さんが働く環境の中で、そういった育児・介護も含めてシェアしていけるような職場環境になければいけないと考えております。

 もう一点は、7ページの「タスク・シフティング(業務の移管)」に関してですが、最後の行なのですけれども「フィジシャン・アシスタント(PA)の導入等」と書いてあるのですが、私自身、診療看護師でもございませんし、アメリカの資格ですとNPでもございません。私の持っている資格はRTですけれども、この文章の中で一般的に捉えると、今まで日本の診療看護師というお話が論議の中で出ていたところが、フィジシャン・アシスタントという文言だけが残ってしまうということに関しては、現時点で、診療看護師が頑張っているという部分に関して、少しカーテンを張っているようなイメージもあるので、もし、この文章を「導入等」の「等」という位置を、フィジシャン・アシスタント等と入れると、また表現のイメージの仕方は違うのかなと思いましたのと、文言として入れられるのであれば「NP等」というように一緒に入れていだけると、また、イメージ的には受け取り方が違うのかなと思いました。

 もう一点ですが、地域医療提供体制の確保の観点に関してですけれども、先ほど、山本構成員のほうからもお話がありましたが、日本全国の医療の状況と、働く人たちの状況を考えると、改革していくには、全てのことを少しずつ調節していかなくては、多分、改革にはほど遠いことになってしまうと思いますので、その集約化という意味も少しありますけれども、国民がどれだけの時間で医療機関にアクセスできるかということを、目に見えるように整備化していくのが大事かなと思いました。

 各都道府県が、例えば、この地域に住んでいる方々は、重症になれば、こういうような交通機関、ヘリならヘリ、救急車なら救急車といった交通機関を利用して、ある一定の場所に運べますよと。それが何分以内に運べますよといったような、国民がわかるようなツールがあってもいいのかなと思いました。

 以上です。

○岩村座長 ありがとうございます。

 それでは、今村構成員、どうぞ。

○今村構成員 それぞれの先生方の御意見、本当にもっともだなと思います。

 冒頭、牧原副大臣が、今、働き方改革を、医師に限らず国会議員の間で議論されていることでありますけれども、これは法律が成立すると、2年間の間にと、もう1年間たっていますけれども、あと1年間で省令を決めて、少なくとも今の仕組みでは、医師の働き方の時間外の労働時間の上限を設定すると。それは一般の労働者とは違う省令で位置づけるということになっていると思います。今、ここに挙げられているような中間論点の一つ一つがみんな重いことで、全てそれを取り組んでいくということには相当の時間がかかる中で、具体的な時間が簡単に決められるとはとても思えないのです。

 その中で、私どもは、まず、医師を初めとして医療関係者、全ての国民に労働衛生の観点で、健康で働くということが一番大事だと思っていますので、まずは労働衛生において、医師は特別だなどということはなくて、全ての医師は、一般の方たちと同じように健康でなければいけないというのは当然のことだと思っていて、今までどちらかというと、医師は自分の健康は自分で守れるのでしょうと漠然と思われていて、この観点が非常に薄かった。それは、医療界も今、反省も含めて、そういうことをしっかりやっていかなければいけないと思っています。

 そのことと、労働基準法上で、医師がどのように働くかという働き方については、先ほど若い先生たちの御意見もありましたけれども、自分たちはもっと勉強をしたい、研究をしたい、いい医師になりたいということで、一生懸命働きたいという方たちも多数いらっしゃいます。そういう方たちが日本の将来の医療をしっかりと支えていくということを考えれば、そういう思いを抑え込むということもできない。だから、その辺のバランスが非常に難しくて、今回の中間答申の12ページに「関係者の役割に関する論点」というところがありまして、一番上のポチに「医師をはじめとする医療従事者の学術団体、病院団体、関係学会」等々、たくさんあると思うのですけれども「医療界全体で取組を進めるためリーダーシップを期待」と書かれています。私は医療界の自主的な取り組みとして、医療界として、きょう本当にいろいろな立場の医師が集まっておられますけれども、そういう広い立場で集まるような組織をしっかりとつくった上で、そこで具体的に案をつくった上で提案をして、例えば、この検討会で議論をいただくというような形が、残り少ない時間の中でやっていく上では、一番必要なことではないかなと個人的に思っておりまして、そういう考え方について、厚生労働省としてどのようにお考えかということを申し上げます。

 済みません。長くなりましたけれども、そこが私の言いたかったことです。

○岩村座長 では、総務課長、お願いします。

○榎本総務課長 今村構成員、御意見、ありがとうございます。

 今、先生からお話がありましたように、まさに今回の働き方改革の中でも、特に医師につきましては、そのあり方をどう変えていくのかということが正面から問われているところでございますので、まさに今、先生がおっしゃったような、医療関係者の方々が中心となって自主的にいろいろな推進に向けた議論を進めていただくというのは、非常に前向きな取り組みだと受けとめさせていただきたいと思いまして、大変ありがたい取り組みではないかと思っております。

 今回、中間的な論点整理の中で、今、先生も御指摘がありましたけれども、非常に多様な問題がこの中には網羅されております。そういった中には、どうしても時間がかかるものと、速やかに整理しなければいけないものといったものが含まれておると思いますので、そういったことを私どものほうでもしっかり仕分けをしながら、この場で全てをやるという話ではなくて、別な検討の場でやらなければならない問題も恐らくあるかと思いますので、そういったことを整理をしつつ、また、今後、事務局で整理をした上で、改めて、この検討会で御議論をお願いしたいと思っておりますので、その際に、ぜひそういった議論の材料にさせていただくようにしていただけるとありがたいのではないか。そうすると、より具体的な検討を前に進めるということにもつながってくるのではないかと思っております。そういう意味で、ぜひ、これまでの御議論を踏まえつつ、そういった検討を前向きに進めていただけると大変ありがたいと思っているところでございます。

○岩村座長 今村構成員、よろしいでしょうか。

○今村構成員 はい。

○岩村座長 私自身も、この中間取りまとめの1つの大きな意味は、医師の働き方改革の問題というのが、実は医療のさまざまな場面にかかわる非常に幅の広い、かつ、複雑な問題であるということを非常にきれいに示ししているところにあると思います。

 この中で、今後、この検討会で扱っていく問題とあるいは今、総務課長がおっしゃったように、関係各審議会等のほうで御検討を今後お願いしていくような問題と、いずれにせよ整理していって、後半のところで議論をさせていただければと考えているところであります。そういう意味では、事務局におかれましても、ぜひ、関係する審議会等との連携というのをしっかりお願いしたいと、私から要望をしておきたいと思います。

 ほかにはございますでしょうか。

 では、村上構成員、どうぞ。

○村上構成員 

 私の発言は総論的な話でございますけれども、検討会がスタートしてから6カ月で、こうした中間的な論点整理と緊急的な取り組みについてまとめられたことについては、皆様おっしゃっているように、大変、大きな意義があると思っております。

 特にこの検討会は、医療関係者の皆さんを中心に24名の方で構成しておりまして、これだけのメンバーが集まっているところで、一つのものをまとめていくというのは、本当にエネルギーの要ることだと思います。その多くの人たちが真摯に議論に参加したからこそ、こうした多様な視点からの議論がなされて、中間的な論点整理にもそのことが反映されているものと理解しています。

 私は、前職ではメディカル関係の雑誌の編集をしていた時期もあったのですが、この検討会に参加する中で、そのころとは病院の様子も医療の制度も、また、その医療を取り巻く状況も大きく変わっているということを実感いたしました。ただ、一方で変わらないのは、やはり、私たちの社会にとって、安心して受診できる医療が本当に重要であるということです。12月の検討会においては、若いドクターの皆さんが、勇気を持って声を出されて提言をされました。改めてこの提言を読み返してみまして、持続可能な医療を守っていくことのために、知恵を出し合っていくことの重要性を再認識したところであります。

 先ほど、緊急的な取り組みの時間軸のお話がありましたが、これは、今すぐにやっていくべき話だと思っておりますので、ぜひわかりやすい形でPRをお願いしたいと思います。

 また、今後の話でございますが、中間的な論点整理を見ると、個別の論点を見れば、立場の違いから対立する部分もあるかもしれませんが、向かっていく方向、目的のところは多分変わらないと思います。それぞれの立場で、次の最終報告に向けた議論を行うに当たりましては、いろいろな知恵と工夫を持ち寄るように、私どももしていきたいと思いますし、皆様方におかれても、いろいろな材料を持ち寄って、よりよい方策を、できるだけ早く進めていくということに注力をしていただきたいと思っております。

 事務局におかれても、先ほどから出ておりますように、国民の理解に向けたことが大変重要だと思っておりますので、その発信は、ぜひわかりやすい形でお願いしたいと思っております。

 以上です。

○岩村座長 ありがとうございました。

 では、岡留構成員、どうぞ。

○岡留構成員 一点だけです。

 もう各論に入るかもしれませんが、中間的な取りまとめ案の5ページで、宿日直許可に関するところになるのですが、2つ目の○のところで、先ほど、福島構成員から実態を見直す必要があるのではないかあるいは基準の見直しが必要ではないかということに関する御意見をいただいたのですが、その2つ下、一番下に「これまで行政から発出された医師の働き方に関連する通知等」云々とありますが、この文章と、今の宿日直許可に関する2つ目の○、これを1つの文章に要約できないか。同じような趣旨のことを言っているのではないかと私は思っているのです。

 私は宿日直は、非常にナーバスな問題だと捉えているのですが、その辺のところについて「発出から相当の期間が経過し、現状に合っていないものについては、見直せるものは見直しを検討してはどうか」と、あとはここに意見が出ているので、これは意見の網羅という意味ではいいのかもしれませんが、2つの文章を1つの文章に要約できたほうが、すっきりした形になるのではないかと思うのですが、事務局のほうのお考えはいかがでしょうか。

○岩村座長 では、事務局、お願いいたします。

○花咲医療勤務環境改善推進室長 2つの文章を1つにしてはという御指摘でございますけれども、上のところは宿日直についての文章でございます。下のほうの通知のところにつきましては、もちろん、通知やその類が、宿日直を含むものもあるかもしれませんけれども、それ以外のものも当然含まれておりますので、それら以外のことも含めて見直すべきものがあればということで別途書いておるものですので、位置づけとしては異なるものを指したものと整理をさせていただいております。

○岩村座長 岡留構成員、どうぞ。

○岡留構成員 例えば、宿日直以外の発出された通知で、今、働き方に関連するような条項で、非常に大きく影響する通知というのは、具体的にここで挙げられますか。

○岩村座長 では、事務局、お願いします。

○堀岡医師養成等企画調査室長 ここで具体的な通知の名前をいろいろ挙げるのは、整理し直さないといけないと思いますけれども、昭和20年ぐらいから解釈が新しく出されていない通知というものもございますので、働き方をどう改革するかという整理も含めて、御議論いただくときはきちんと明らかにしていきたいと思います。

○岩村座長 よろしゅうございますでしょうか。

○岡留構成員 はい。ありがとうございました。

○岩村座長 ほかにはいかがでございますでしょうか。

 では、中島構成員、それから福島構成員という順番でお願いします。

○中島構成員 ありがとうございます。

 私のほうからは1点、7ページのタスク・シフティングのところなのですが、特定行為修了看護師のタスク・シフティングについて、やはり、看護管理者の理解と協力が必要ですので、そこも、ここのところに文言で入れていただけるといいかなと思いました。

 以上です。

○岩村座長 ありがとうございました。

 それでは、福島構成員、どうぞ。

○福島構成員 先ほど、支援センターの件で、今、一生懸命やっている支援センターがあるのにも関わらず、全く機能していないと言われるのは本意ではないというような御意見がありましたけれども、8ページでは「機能や運営・管理面での抜本的な改善が必要ではないか」というような書き方をされているのですが、抜本的な改善というよりは、今、現に動き始めている、一生懸命やっていらっしゃる支援センターをどのように持っていくかという方向性を示してあげるということが大事だと思うのです。全然機能していないわけではなくて、しっかりやっておられるところもたくさんあります。

 厚労省のほかの委員会で、医療従事者勤務環境改善のための助言及び調査の業務委員会というのがあります。こちらでは支援センターを対象に、支援の格差の改善と、支援力の底上げというようなものを目的として、今、活動しているところなのですが、地域の支援センターを訪問していますと、やはり、現場が困っていることとか課題というのを吸い上げる必要があるというのは感じています。そんな中で、運営協議会が、かなり重要な役割を占めているところもありまして、各関係団体が一堂に会する場であることからも、この場、つまり運営協議会の活用というのが、今後、支援センターの改善のためには必要ではないかと感じています。それから、コメディカルの職能団体にも、こういった支援センターへの参加をしてもらうとか、タスク・シフト、シェアの必要性というのをもっと認識してもらうことが可能ではないかと考えています。

 ですから、支援センターに関しては、否定的な書き方というよりは、今後の展開に期待するというような書き方をしていただけるとありがたいと思います。

 以上です。

○岩村座長 ありがとうございます。

 そのほかはいかがでございますでしょうか。

 では、黒澤構成員、どうぞ。

○黒澤構成員 私は産業医という立場から、1点申し上げたいと思うのですが、緊急的な取り組みの前文の下のほうに「診療報酬での対応を図ることは重要である」とか「国民の理解を適切に求めていく周知の具体的な枠組みについて、厚生労働省において早急に検討されるよう求める」というようなことが書かれてあって、非常にいいことだと思うのです。

 ただ、それについて、もう一点、厚生労働省に考えてほしいということがありまして、先ほど、牧原副大臣のほうからもお話がありましたが、現在、労働基準監督署が病院に対して、非常に取り締まるという観点で入っております。病院が過度に恐れて萎縮してしまって、いろいろな影響が出ているというのは話に聞くわけです。

 私、日本医師会の産業保健の委員会で、今回、医療機関の産業保健体制ということが答申の内容になっております。それを見ますと、やはり医療機関の中で、産業保健の管理体制というのは、ほかの会社組織に比べると不十分だったというのは、認めざるを得ないと思います。産業医がいても、なかなか機能していなかったというようなことになりますので、もっと産業保健の管理体制をしっかりやろうというようなことが答申の骨子になるのですけれども、できれば、例えば労働基準監督署などでは、規制をするというのはもちろんですが、今まで医師が結構頑張って地域の医療に貢献してきたというようなことは、素直に評価いただいて、病院が労働衛生の体制をちゃんと整備するということが、今、とても大切なことではないかと思います。例えば、産業医の面談ですとかあるいは産業医が健診の結果を見て、いろいろな異常についてしっかり指導する。医師ですから指導しなくてもいいかといいますと、実は、そのまま放置している医師というも多くて、糖尿病があって血圧が高くても、そのまま薬も飲まないでいるという医師は現実にはいるわけです。

 そういうところで、例えば、教授であってもどんな偉いひとでも、やはりこれは呼び出さないといけないといって、呼び出して、高いですよと。そうすると、そうは思っていたのだけれどもと。これを機会に薬を飲んでみるというような形でやります。でも、なかなかそういうことは、今まで医療機関でやれているかというと、やれていない。ですから、労働基準監督署には、そういう労働衛生の管理体制を整備させるような、医療機関に対して、労働衛生管理体制を整備させるようにといいますか、支援の観点で病院に入っていただくというようなことをお願いしたいなと思います。

 以上です。

○岩村座長 ありがとうございます。

 では、山本構成員、どうぞ。

○山本構成員 今の黒澤先生からのお話は、まことにそのとおりでございまして、私も大学病院の管理者として産業保健の委員会を主宰しておりますけれども、医者というのはどうしても横に置かれているのです。看護師、その他のコメディカルスタッフについては、かなり手厚くケアをするけれども、医師については何もしない。例えば、心が折れるような子がいたとしても、そういうのは何となく人事異動でちょっと楽な職場に動くとか。そういうことが起きる問題点は何なのか、原因は何なのかというところの究明までは、実際ほとんどされていないのが現状です。そこは、我々自身も管理者も考えていかなければいけないところですし、医者をちゃんと産業保健の対象者として組み込むというのは、非常に重要なところだと思います。

 もう一つ、労基が入るという問題も御指摘がございましたけれども、今、こういう場で、どうやって医者の働き方をしようかという議論をやっている真っ最中に、結構大きな、あちらこちらの大学病院にも労基が入って、みんな右往左往しているわけです。どうしたらいいのだ、一体何をどう変えたらいいのだと、やはり、今、議論がまさに行われている、何か新しいものを決めようとしている最中に、こういう労基が入って、いろいろ御指導がなさるというのは、ちょっといかがなものかなというのは、現場の人間としての感覚でございます。

○岩村座長 それでは、鶴田構成員、今村構成員、お願いします。

 ただ、ちょっと論点がずれていますので、その点はぜひ御留意いただきたいと思います。

○鶴田構成員 少し論点がずれたことを言いますけれども、今、労働衛生に関して2人から発言がありましたので、それに関して言えば、医療監視等で見ると、医師の健診受診率が最も悪いのです。労働安全衛生法で義務化されているにもかかわらず受診していないという実態があります。

 別件でもう一件ですけれども、一県一医大構想があったときは、大体、人口10万人当たりに150人と言われましたが、現在、300人ぐらいになっています。そうした中で、今の働き方改革を進めていけば、労働基準監督署が指摘した状況のことも含めてですけれども、そうした労働環境になったときに、どの程度の医者が必要なのかということの試算も必要ではないか?実際、その必要人数を新たに養成することができないので、その人たちは全部地方から引き揚げられるという実態が起こると、もっと地方の医療は疲弊することは、もう見えていることだと思います。

 したがって、今、大きな病院は現在いる医師の1割5分から2割もしくは3割の医者を余分に必要としているとすると、一番大きな大学病院などは1,000人ぐらいいますので、1,300人だったら300人をどこから引っ張ってくるか、大学に引き揚げられたら地方はどうしようもないという状況があるので、ある程度、目に見える形で、医師の働き方というのがどういう地域医療体制に影響を及ぼすのかというのも、わかる範囲内で示していただければ、もっと議論が現実的かなという気がします。

○岩村座長 ありがとうございます。

 それでは、今村構成員のお手が挙がっていたと思いますので。

○今村構成員 済みません。座長からちょっと論点がずれているというお話ですが、きょうは前回と比べて十分に時間があるので、山本先生にお話をしたいと思うのです。

 医師の、いわゆる産業保健に関する問題ですけれども、医師は医師に相談しないというのが調査で出ておりまして、要するに、医師は自分のことは自分でわかるでしょうと何となく思われていたのだけれども、これは先ほど座長からお話があった、国の他の審議会の医師の養成のあり方、つまり医学教育の中で、医師は、自分は健康でなければ国民にきちんとした医療を提供できないのでということを、しっかりと教えていただく。そのことによって、産業保険の仕組みがあって、何かあればそのように介入をされてアドバイスを受けるのだから、それを素直に受けるというようなことの理解というのは、多分、学生はほとんど持っておりませんので、そういうことは中期的には、非常に医師の働き方にとって大事なことではないかなとは、あえて申し上げさせていただきたいと思います。

○岩村座長 余計なことを申しましたけれども、大変、建設的な御議論をいただきまして、ありがとうございます。

 ほかにはいかがでございますでしょうか。

 よろしゅうございますでしょうか。

 では、猪俣構成員、どうぞ。

○猪俣構成員 中間的な論点整理の8ページになりますけれども、ICTの活用がタスク・シフティングで一度論じられたと思うのですけれども、この内容だけだと、余りにもまだ薄いと考えておりますので、ぜひ、関係審議会の方などからも意見をいただきながら、例えば遠隔診療も保健に入るなど、いろいろありますので、そういったものも有効活用することで、タスク・シフティングなどに役立てるというのも考えるべきではないかと思います。

 以上です。

○岩村座長 ありがとうございます。

 では、山本構成員、どうぞ。

○山本構成員 先ほど戎構成員から、フィジシャン・アシスタントだけではなくて、ナース・プラクティショナーのお話もということがございましたけれども、前回のこの検討会で実例を見せていただいて、かなりいいだろうと。ただ、いろいろな問題もあるから、制度上補わなければいけない問題もあるということも見えてきたので、先ほど、戎構成員が言われたように、この中間論点整理の中で、既存の診療看護師、ナース・プラクティショナーの体制の充実とか整備ということも入れて、フィジシャン・アシスタントとなると全然別の制度ですから、かなり道のりが長くなりますので、今ある制度をどう活用していくかというところは、ぜひここで強調していただくと、よろしいのではないかと思います。

 もう一点、先ほど猪俣 構成員から、大学病院の特殊性についての御発言がございまして、若い先生からこのような御発言をいただいて、大変うれしく思いますけれども、やはり大学病院は高度な診療に加えて、次世代の医療人の育成、次世代の医療の開発という日本の医療を引っ張っていく極めて重要な役割を担っておりますので、この点に関しては、是非特別という言い方はいたしませんけれども、別の考え方を導入していただきたいなと、今後の議論についての要望でございます。

○岩村座長 ありがとうございます。

 ほかはいかがでございますでしょうか。

 よろしゅうございますでしょうか。

 きょう御議論いただきまして、座長の感触といたしましては、中間的な論点整理案と緊急的な取り組み案につきましては、ほぼ皆様に御同意をいただけたのかなと思います。ただ、各構成員からいろいろ御意見も頂戴したところでございますので、それの取捨選択及び反映の仕方ということにつきましては、座長の私にお任せをいただきまして、事務局と相談しつつ、場合によって必要な御意見を反映するという形でまとめさせていただければと存じますが、それでよろしゅうございますでしょうか。

(「はい」と声あり)

○岩村座長 ありがとうございます。

 では、そのように進めさせていただきたいと思います。

 きょう、皆様からいろいろ御意見をいただきましたけれども、その中でもございましたように、今回取りまとめます緊急的な取り組みというのが、まず、個々の医療機関でしっかりと行われるということが、今後の議論においても重要であろうと私は考えております。このため、医療関係者の皆様の積極的な取り組みを期待したいと思いますし、もちろん、厚生労働省を初め、関係諸機関におかれましても、医療機関のお取り組みを後押しする支援というものを進めていただきたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。

 また、今後の議論の進め方等につきましては、事務局と相談をさせていただきまして検討させていただき、皆様に後日お知らせをしていきたいと存じますので、よろしく御理解をいただきたいと思います。

 最後に、事務局から何かありましたらお願いをしたいと思います。

○花咲医療勤務環境改善推進室長 それでは、本日は中間的な論点整理につきまして、ただいま座長の預かりという形でおまとめいただく節目でもございますので、両大臣から御挨拶を申し上げたいと思います。

○高木副大臣 皆様、大変御熱心な、また、活発な意見交換、御意見を賜りまして、心から御礼を申し上げます。

 今回「医師の働き方改革に関する検討会」におきまして、中間的な論点整理、また、緊急的な取り組みの取りまとめに皆様の御尽力をいただきまして、まず、心から御礼を申し上げます。

 今回、御議論いただきました緊急対策案の中には、タスク・シフティングの推進など、医師の負担軽減などの取り組みが数多く挙げられております。こうした医師の働き方改革への取り組みにつきましては、一朝一夕でできるものではないと思っておりますが、医師を雇用する全ての医療機関におきまして、こうしたことをもとに、できることから積極的に検討、導入をしていただきますよう、私たちのほうからもしっかりと要請をしてまいる所存でございます。

 また、本当に身につまされる切実な医師の働き方に関する御指摘がございました。その中にありましても、先ほど座長から、こうした医療のさまざまな場面にかかわる複雑な問題をきれいにまとめたものだという御発言がございました。皆様の御意見の中にも、例えば、国民への意識啓蒙、啓発をこれからどのように進めていくのか、やはり受診ということについてのかかり方、ここを上手に、国民のほうも考えていくべきではないか。こうした考え方につきましても、まとめていく必要もあろうかと思います。また、医療勤務環境改善支援センターの充実をどのようにしていくのか、協議会等とも連携をしながら進めることも重要かと思っております。さらに、何よりも医師の方たち御自身が、働く環境、産業保健というところを整えていくということが、何よりも重要であるということを改めて教えて頂きました。

 もう一つ、こうした医師の働き方を進めていったときに、これからどのように医師の受給がどうなっていくのかという試算も必要でないかという御指摘は大変重要だと思っております。こうしたことも厚労省としても取り組む必要があろうと思います。

 これは他省庁になりますが、いわゆる医学教育における、医師になる方たちのそれぞれの考え方、また、36協定も結んでいない、そうした意識もないという医師が多くいらっしゃるということも伺っておりますけれども、そのような医師自身を、どのようにこうした働く環境に対して、プロフェッショナルリズムとワーク・ライフ・バランスと、まさにこの点を考えていくのかという、ここの教育も必要かと思いますので、ここは文科省とも協力をしながら進めていく必要があろうかと思っております。

 いずれにいたしても、先ほど御指摘ありました、次世代の医療人を育成していくこと、そして、次代の医療をつくっていくこと、もう一つは、今の地域医療も含めまして、医療を、また、これから高齢社会がさらに進む状況に応じて支えていくという、重要な役割を皆様お持ちでいらっしゃるわけでございまして、こうしたそれぞれの医療機関の取り組みを後押しする支援を、国に求めるということも重く受けとめさせていただきまして、本日、具体的に教えていただきました皆様からの御指摘、御意見、この文章には、ここに盛り込まれた背景のところも含め、周知徹底に励んでいく決意でございます。

 この検討会においては、今後ともこうした多岐にわたるさまざまな諸課題につきまして、引き続き、諸先生方のお力を賜りますよう心からお願いを申し上げまして、挨拶とさせていただきます。

 本日はありがとうございました。

○牧原副大臣 本当にきょうは、こんなにも質の高い議論が毎回毎回なされているのかということを、改めて敬意を感じましたし、また、岩村座長の大変軽快な、適切な取りまとめぶりにも敬服をさせていただいた次第でございます。7回にわたって、こうしてこれまで御議論をいただいたことにも改めて感謝を申し上げる次第でございます。

 それと同時に、この働き方改革は、先ほど申し上げたように、4月からは医師以外の部分の働き方改革法案というのが出てくるわけでございますが、既に予算委員会でも大きな議論がなされております。私も担当として見ていますと、全ての働き方にかかわる問題であります。きょうもそれぞれの出身の団体の方の御意見、それぞれの立場から本当に深い議論がなされているわけですが、今村先生がちょっとおっしゃっていましたように、それぞれの団体の中でもすごい意見がたくさんあって、その集約も難しいし、しかし、それはお一人お一人違う考えの方もいらっしゃるので、誰かが間違っていることでもないわけでございます。その集約をあと1年ちょっとで本当にできるのかというような御心配もありましたけれども、ここはこの法案の成立も我々も頑張りますが、ぜひ、鋭意、大変な議論をやっていただいて、そして、全ての働く医師の方あるいは関係する医療の方にも、やってよかったと思っていただけるような、歴史に残るような議論を取りまとめていだければなと思う次第でございます。

 そして、また、厚生労働省としても、この大変難しい課題に、必要な医療提供体制を維持しつつ、この働き方改革を進めていけるよう、精いっぱいの努力をしてまいる所存でございます。武田局長だけではなく、我々みんなで省を挙げて、そうした思いでおりますので、よろしくお願いを申します。

 改めて構成員の皆様におかれましては、これからも引き続き御協力を賜ることを、心よりお願いを申し上げて、私の挨拶とさせていただきます。よろしくお願いします。

○岩村座長 高木副大臣、牧原副大臣、どうもありがとうございました。

 最後に次回日程等について、事務局からお願いをいたします。

○花咲医療勤務環境改善推進室長 次回の検討会の日程につきましては、調整の上、改めて御連絡をさせていただきます。

○岩村座長 きょうは構成員の皆様方の御協力によりまして、大変短く終了することができました。ありがとうございました。

 本日の会議は、これをもちまして終了とさせていただきます。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 第7回医師の働き方改革に関する検討会議事録(2018年2月16日)

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