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2022年11月11日 第3回令和4年度管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定検討会 議事録

健康局健康課栄養指導室

○日時

令和4年11月11日(金)16:00~18:10

 

○場所

TKP新橋カンファレンスセンター カンファレンスルーム13Y 及び オンライン


○出席者

構成員<五十音順・敬称略>
 

       石田 裕美(女子栄養大学 教授)

       伊藤 裕才(共立女子大学 教授)
      
       榎 裕美 (愛知淑徳大学 教授)
      
       大口 健司(椙山女学園大学 教授)
      
       加藤 昌彦(椙山女学園大学 教授)
      
       栢下 淳(県立広島大学 教授)
      
       木戸 康博(甲南女子大学 教授)
      
       栗木 清典(静岡県立大学 教授)

       神田 知子(同志社女子大学 教授)

       小切間 美保(同志社女子大学 教授)
      
       髙𣘺 佳子(和洋女子大学 准教授)
      
       竹谷 豊(徳島大学大学院 教授)
      
       武見 ゆかり(女子栄養大学 教授)
      
       田村 朝子(新潟県立大学 教授)
      
       塚原 丘美(名古屋学芸大学 教授)
      
       中出 美代(東海学園大学 教授)
      
       濱田 俊(福岡女子大学 教授)
      
       林 宏一(武庫川女子大学 教授)
      
       藤岡 由夫(神戸学院大学 教授)
      
       横山 徹爾(国立保健医療科学院 生涯健康研究部長)
      
       吉池 信男(青森県立保健大学 学長)
      
       和田 政裕(城西大学 教授)


○議題

(1)今回の改定に関する科目別検討事項として、関連法規、制度等の改正への対応等を踏まえた適切かつ効果的な栄養管理について
(2)その他


○議事

○清野栄養指導室長 それでは、ただいまから第3回「令和4年度管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定検討会」を開催いたします。
 構成員の皆様方には、御多忙のところ御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
 本日、欠席委員はおられません。和田構成員が途中退席となります。
 それでは、カメラの撮影についてはここまでとさせていただきます。
 これ以降の進行につきましては、加藤座長にお願いいたします。
○加藤座長 改めまして、先生方、こんにちは。お忙しいところを本当にありがとうございます。
 それでは、検討事項に入っていきたいと思いますけれども、先生方のお手元に既に次第があるかと思いますが、本日の議事は、今回の改定に関する科目別検討事項として、関連法規、制度等の改正への対応等を踏まえた適切かつ効果的な栄養管理についてでございます。
 構成員の皆様方におかれましては、事前に各科目の改定案を御検討いただきまして、お送りいただいております。本当にありがとうございました。
 本日の流れについて少しお話をしようと思いますが、まず、先日、各科目の改定案にコメントがついた資料を事務局から送付させていただいております。本日はその資料を基に議論を進めていきたいと思っております。
 なお、改定の途中経過ですので、資料は机上配布させていただいているということで、現時点ではまだ公表されていないのでよろしくお願いいたします。
 初めに各科目から改定案を御説明いただき、各科目の説明終了後、科目別に御議論いただこうと考えております。
 大変申し訳ございませんけれども、1科目最大5分程度での御説明をお願いしたいと思います。いろいろお話しすることがあるかと思いますが、5分で抑えていただきたいと思います。5分を超えてもこちらから止めてくださいと申し上げることはありませんけれども、後半の議論のところで時間を費やしたいと思いますので、極力御協力をお願いしたいと思います。
 また、各科目の改定案につきましては、本日の御議論を踏まえて第4回改定検討会に向けて各科目の構成員の先生方には再度御検討いただきまして、また御提出をいただくという運びになっております。今日全ての議論が完成するというわけではございませんので、この検討会での改定案に対する議論を進めていただくことになっておりますので、その御認識でよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、各科目の説明についてということですが、各科目からの説明に当たりましては、事前に事務局から説明の観点が示されていると思いますように、関連法規や制度の改正、社会情勢の変化等による追加、削除、移動、用語の修正など、そして2つ目が科目間での重複の調整を伴う削除、また科目をまたぐ移動、更に第1回検討会での議論内容を踏まえた検討内容について御説明をお願いしたいと思っています。また、科目間での重複の調整を行う、あるいは削除をしたとか科目をまたぐ移動をした場合につきましては、関係する科目間、まだ調整が進んでいない科目も多いかとは思いますけれども、もし調整が進んでいるようでしたら、その調整の進み具合についてもお示しいただくようにお願いします。
 応用力試験につきましては、事務局から説明をお願いしたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
 それでは、「社会・環境と健康」から順番に御説明をいただきたいと思いますので、横山先生、よろしくお願いします。
○横山構成員 「社会・環境と健康」は、横山と栗木先生で検討いたしました。
 まずは「出題のねらい」について、特にここは修正なしです。
 中項目の「公衆衛生の概念」でaの「公衆衛生と予防医学の歴史」ということで、歴史の部分は大事ではないかと思われるのでaを追加です。
 その後、「公衆衛生の目標」について、目標というと個別で、目的の方が概念なので、目的の方がいいのではないかということと、それからコメントにありますとおり、定義と目的とした方がしっくりくるかなということなので、この御提案のとおりに定義と目的の方がいいかなと思いました。
 それから、リスクアナリシス、マネジメントサイクル、地域診断の辺りを追加したのですが、PDCAは確かに御指摘のとおりマネジメントサイクルの一種ではあるので、どちらかにしてもいいかなという気はいたしましたが、栗木先生、ここはいかがですか。
○栗木構成員 PDCAサイクルの削除でよろしいかなと思います。
○横山構成員 ということで、PDCAサイクル削除という方針でいきたいと思います。
 それから、リスクパラドックスはちょっと細か過ぎるのではないかということですが、これも栗木先生、いかがでしょうか。
○栗木構成員 これは、残してもいいかなと思いますが、いかがでしょうか。よろしくお願いいたします。
○横山構成員 こちらは、ちょっと細かいですけれども、あってもいいんじゃないかという提案になります。後ほど御意見いただければと思います。
 「その他」の「国民健康・栄養調査」、公衆栄養学との調整はまだしておりません。公衆栄養学は目的・沿革、内容・方法ということになっていますので、そうするとここでは結果を中心とするのかなと思うのですが、そちらとの調整はまだ行っていませんので、また御意見いただければと思います。
 その次の追加がNDBとKDBです。これらは最近重要度が増しています。特にKDBは市町村の保健事業でもよく使われているので、これはあった方がいいのではないかと考えました。
 次に疫学の定義。ここはいきなり対象と領域になっていたのですが、やはり定義があって対象と領域かなということで定義を追加。
 疾病頻度の指標は、書いてあるのが全部指標なので「の指標」を入れました。
 それから、曝露効果の測定というのはちょっと言葉としてどうかと。曝露因子の影響評価の指標として相対危険などがあるということで、こういう言い方に変えてはどうかということです。
 次に因果関係の判定は、中項目で判定という言葉が入っていたのですが、そこまで書かなくてもよいのでは。これは恐らくHillの判定基準を想定して判定という言葉が入っていたと思うので、Hillの判定基準を入れようかと思ったのですが、Hillの判定基準というのは因果関係の判定基準のことなので、そこまで書かなくてもいいのではないかという御意見がありまして、書かなくてもいいかという気もするのですが、栗木先生、いかがでしょうか。
○栗木構成員 非常に悩ましいなと思っております。今のところいろいろな教科書には書いてあります。以上です。
○横山構成員 ありがとうございます。大体、因果関係の判定というとHillが出てくるので、あってもいいのかなという気はいたします。
 スクリーニング、偽陽性、偽陰性、最近コロナでよく出てくる言葉になっていて、ただ、これは1-特異度、1-感度なので、なくてもいいのですけれども、重要な概念だから入れたらどうか。ただ、現行の項目でも読めるので不要じゃないかというのはごもっともな御意見かと思いますので、ちょっとここは悩みどころです。
 それから、倫理的配慮については研究計画、倫理審査のところがキーワードとして重要ということで追加です。
 インフォームド・コンセントについてはオプトアウトを追記ですが、インフォームド・コンセントの1つの変形例なので追記不要ではないかという御意見もございました。
 その次の健康日本21は、次の名称が決まっていないので、決まった段階で修正、検討と。ただ、国民健康づくり運動と丸めて表記することも検討すべきかという御意見ですが、そうすると1978年の昔のものからの歴史も含むのかなということで、とても範囲が広がるような気もいたします。
 歯・口腔は、これまで歯だけだったのですけれども、健康日本21だと歯・口腔の健康、政策の名称としては歯科口腔保健の推進に関する基本的事項であり、口腔を含める方が一般的ではないかということで追加です。
 感染症対策が感染症のところにキーワードとして追加。小項目として追加。
 精神疾患の医療体制についての検討会において5大疾患の精神疾患に認知症が含まれるので、ここに配置してはどうかという意見です。
 次をお願いします。あとは略語だけにして、その他、肝疾患とアレルギーをここに追加してはどうかです。
 それから、福祉関連法規。いきなり法規というよりは制度の概要があって法規なのかと思うので、概要を入れる。
 あと、地域保健のところは、特に小項目の名称は変えませんけれども、概要には変遷も含めるという提案です。
 それから、特定保健指導は最近特に評価が重視されてきているので、評価の考え方も大事ということで、評価を特記してはどうかです。
 ここはeと次のページにも多分つながっていますけれども、このFAOの辺り。これは「食べ物と健康」にも同じ小項目がありますけれども、調整はしてありません。ちなみに、これは現在の出題基準でも同じ形で出ておりますので、そこでどうやって調整したのかは把握していません。ここは変更なしですが、「食べ物と健康」にも同じものが出ているということになります。
 以上、簡単ですが、こんな感じでよろしいでしょうか。
○加藤座長 ありがとうございます。先生、大変丁寧に御説明いただいたのですが、これだけ丁寧に説明していただくと時間が多分なくなってしまいますので、全ての科目をまず一通りざっと説明いただいて、その後でディスカッションの時間を持ちたいと思いますので、人体の構造の先生もポイントだけで結構ですので、見れば分かるところは飛ばしていただいて、特にここだというポイントだけ御説明いただければ十分です。上から順番に全て説明していただく必要はございませんので、藤岡先生、よろしくお願いします。
○藤岡構成員 今委員長がおっしゃいましたように、オーケーのところは省かせていただきまして、細胞の細胞膜云々、この辺の言葉のところはコメントをいただいていますが、その御判断で結構です。
 プリン・ピリミジンも下の方に入れていただきたいということ。
 4Cの「脂質の代謝」のところ、分け方の言葉の問題だけですが、どうしてもリボたんぱくの言葉ははっきり入れておいた方がいいということで、これは入れさせていただいております。
 6Bです。再生、化生、異形成、どちらかに入れていただければ結構だと思いますが、どうしても腸上皮化生とかこの辺は必要な言葉ですので、この配置で結構ですので入れていただければと。
 植物状態もしかりです。
 それからカヘキシーというのは、我々は使っているのですけれども、国試用語としては悪液質を使っていますので、これでオーケーです。
 それから、10のBです。胃の粘膜の胃潰瘍、十二指腸潰瘍までだったのですが、やはり粘膜病変は必要だと思いますので、入れていただければと思います。
 その他は血管やリンパ管というのは明記していただきました。
 それから、急性腎不全というのは現場では使っている場合もあるのですが、一応教科書的、文章的には急性腎障害(AKI)ですので、ここは「急性腎障害・慢性腎不全」で書かせていただければと思います。
 腎硬化症はついに透析の原因の2番目に浮上してきましたので、腎硬化症は入れていただくということでお願いしたいと思います。
 そのほかは御提示のままです。文言の修正、どうもありがとうございました。
 以上です。
○加藤座長 ありがとうございます。大変コンパクトに御説明いただいたので、今、藤岡先生がお話しいただいたように何番のどこと言っていただけると、先生方も付いていくことができますので、今ぐらいの御説明で多分先生方には十分、御理解いただけると思います、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、次が「食べ物と健康」、和田先生、お願いします。
○和田構成員 「食べ物と健康」を説明させていただきます。
 大項目の1です。表題が「人間と食品」になっていたのですが、これは「人と食べ物」にした方がいいのではないかということになりました。
 それから、現行の中項目Cの「食生活と健康」なのですが、小項目cの「食嗜好の形成」だけはAの方へ移してしまって、ここはなくしてしまってもいいのではないかと考えています。ほかの科目でも扱われていますので、特に「食べ物と健康」では、過去の国試でこの項目から出題した回数も少ないと思いますので、そういう形にさせていただいております。
 それから、4の「食品の安全性」のHの項目になります。そこで「HACCPの概念」というのが出ていたのですが、ここは毎回給食経営管理論とどうしようかという話合いになっていたところなのですが、「食べ物と健康」ではもうHACCPは扱わなくてもいいのかなという意見も出て、この項目は給食経営管理論に全部お任せしてもいいのではないかと考えまして、ここは削除の方向でお願いしたいと思います。ほかのものがありますので、あえてその部分は全て、概念も運用も給食でやっていただければと考えております。
 5番の「食品の表示と規格基準」の特にDのところです。ここは公衆栄養学といろいろ被るところなのですが、一応今までもすみ分けはしていたのですけれども、制度面の話でこの辺のことは公衆栄養で扱っていただいて、こちらの科目では特に表示に関するものや、認可に関する問題の出題としたいと考えています。ですから、中項目の表示も少しそれに従って書き換えなければいけないかなと思っていますが、この辺は既に公衆栄養学との検討が済んでおりますので、その方向でしていきたいと思います。
 食べ物のところはこの2か所でございます。以上です。
○加藤座長 ありがとうございます。
 それでは、次に移りたいと思います。「基礎栄養学」、栢下先生、お願いします。
○栢下構成員 「基礎栄養学」です。大口先生と一緒に修正しておりますけれども、まず最初にちょっと御説明させていただきますが、今回は中間報告という形で御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、大項目1の「栄養の概念」ですけれども、中項目の中の「栄養の定義」が、栄養の定義となっている中でも生命の維持とか健康の保持という形で少し中項目との内容がずれておりますので、ここは「栄養」と「栄養素」に変更しております。
 それから、中項目Bに関しましては、科目内での適正化のためですので、こちらは省かせていただきます。
 それから、Cの倹約遺伝子のところも節約という仮説を取っております。
 それから、大項目2「食物の摂取」ですけれども、これは「空腹感と食欲」という項目だったのですが、「空腹感・満腹感と食欲」とした方がすっきりするだろうという形でこの辺は整理をしております。
 それから、bの「夜食、欠食」につきましては、日内リズムの中に入っておりますので、これも削除しております。
 それから、3番の肝臓のところは人体で恐らく習いますので、こちらでは削除しております。
 Eの膜消化のところです。これは「膜消化、吸収」という項目が中項目でありますけれども、小項目ではございませんでしたので、ここに追加をしております。
 それから、Fのところです。これはほかの並びとの、例えば応用栄養学とか食事摂取基準の並びからすると、たんぱく質、脂質、炭水化物となるところなのですけれども、基礎栄養学は炭水化物、脂質、たんぱく質ということで、ほかの科目と少し違うのです。これは大項目にも関わってくるわけなのですが、エネルギーはどうやって使われるのか。まず最初に炭水化物のエネルギーが使われて、脂質が使われて、たんぱく質が使われるという代謝を中心としておりますので、こちらの方が学生の理解も進むだろうという形で、応用栄養学はどちらかというと量でいきますけれども、こちらは代謝でいきますので、この並びが違うところは、こちらの方がいいのではないかと考えております。
 そのほか4番の「炭水化物の栄養」に関しましては、中項目Eのところの書き方です。今は食物繊維・糖質という書き方をしているのですけれども、ほかの科目と整合性を取るのだったら難消化性炭水化物の方がいいのではないかという御意見がございますので、現時点では難消化性炭水化物という形で置かせていただいております。
 それから、5番の脂質はEのところで順番を変えているだけなのですけれども、中項目の中での順番を変えています。
 それから、6番のたんぱく質に関しましても、まず中項目「たんぱく質・アミノ酸の体内代謝」のcのところです。BCAAというのは、事務局からBCAAにしてはどうかという御提案がございましたので、そのまま入れております。
 それに付随しまして、dのところは栄養アセスメントたんぱく質という形に変更させていただいております。
 それで、bの分枝アミノ酸の特徴というのはBCAAに含まれますので、上の方に吸収させています。
 そのほか、Cに関しましては並びを変えているだけです。
 その後は、ビタミンは用語の整理だけですので、用語の整理をしております。
 それから、ミネラルのところも基本的には用語の整理をしております。
 それから、水のところも用語の整理ですし、エネルギー代謝のところに関しましても、事務局から基礎代謝量とか安静時代謝量という量を入れておったのですが、これは削除してはどうかという御提案がございましたので、そのとおり削除させていただいております。
 臓器別エネルギー代謝に関しましては、それほどたくさん中項目として挙げるほどの項目がないので、Bのエネルギー消費量の中に入れております。
 以上です。
○加藤座長 ありがとうございます。
 それでは、次に移りたいと思います。「応用栄養学」、榎先生、お願いします。
○榎構成員 よろしくお願いいたします。「応用栄養学」は小切間美保先生と榎で作成いたしました。
 まず全体のことでございますが、応用栄養学については、栄養ケア・マネジメントの概念を再確認いたしまして、「出題のねらい」をはじめとした文章及び文言を大幅に見直しております。また、小項目については、医師国家試験出題基準等を参考にいたしまして、中項目とのバランスと他の科目を参考に簡潔な表現といたしました。不必要な小項目はかなり削除しております。
 では、「出題のねらい」にしていただいてよろしいでしょうか。現行の3つ目のねらいにつきまして、修正しております。こちらは応用栄養学の核となるのが栄養ケア・マネジメントでございますので、知識・技術を統合した実践力を問う問題を増やそうと思いまして、このように変更いたしました。
 また、運動、スポーツ及び環境の生体への影響に関する出題に関しましては、これまでも出題されておりますが、ここには反映されておりませんのでしたので、この辺りにつきまして追記しております。
 続きまして、各項目についてです。こちらはかなり大幅に見直しておりますので、個々の説明は省かせていただきまして、大まかに説明させていただきます。
 まず、大項目1の「栄養ケア・マネジメント」につきましては、概念を踏まえまして、中項目と小項目を精査しております。栄養ケア・マネジメントの過程につきましては、正確な文言を小項目に示しております。
 また、次に大項目2の「食事摂取基準」につきましては、厚生労働省の報告書の目次に準じて精査いたしました。また、新たな中項目、生活習慣病とエネルギー、栄養素との関連を追加しております。
 そして、大項目3の「成長、発達、加齢」の中項目Bにつきましては、この後の各ライフステージの内容と重複いたしますので、削除させていただきました。
 大項目4~8がライフステージ別の栄養になっておりますが、こちらの全ての中項目にあります「栄養アセスメント」と「栄養ケア」の文言に関しましては、「栄養ケア・マネジメント」を全て網羅できていないという判断をさせていただきまして、全て「何々期の栄養ケア・マネジメント」というように変更をさせていただきました。
 そして、「妊産婦のための食生活指針」、こちらは最新版の「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」に変更いたしました。
 大項目9の「運動・スポーツと栄養」は、中項目「運動の健康への影響」の項目を1つ追加しております。そして、小項目を精査いたしました。
 なお、小項目にございます「健康づくりのための身体活動基準及び指針」は「社会・環境と健康」の項目にもございますので、統合したいと考えております。
 最後に大項目10「環境と栄養」についてです。こちらは医師国家試験出題基準を参考にいたしまして、中項目Bの「特殊環境」の文言を「生活環境因子・職業性因子」の文言に変更し、小項目を精査いたしました。
 簡単ではございますが、私からの説明は以上となります。ありがとうございました。
○加藤座長 ありがとうございます。かなり修正で真っ赤ですので、先生方には、ちょっと見ていただけるといいと思います。
 次に進んでいきたいと思います。「栄養教育論」、武見先生、お願いいたします。
○武見構成員 大項目として1つ、中項目のところに「栄養教育の概念」を入れました。これは前回、出題しにくいということで全部削除したのですけれども、やはりほかの科目と揃え、定義は必要だということで入れました。
 それから、Bは栄養教育学のモデル・コア・カリキュラムとの対応で追加しています。
 また、Bのところ、1つ繰り下がっていますけれども、「生態学的モデル」をここに移動しています。プリシード・プロシードモデルとかソーシャルマーケティングのマネジメントのところにあったのですけれども、実際に教科書で書かれているのは要因の整理なので、むしろこちらの方がいいだろうという整理です。
 次をお願いします。組織づくり、Dの項目です。これは未調整ですけれども、やはりソーシャル・キャピタルは公衆栄養学で扱っていただく内容ではないかということで、今回外して、「栄養教育と食環境づくり」、これは今の政策などで環境づくりが重視されている中で、やはり教育的なアプローチと環境、その関係性をしっかり理解するということで入れました。
 
 最後、3番の「理論や技法を応用した栄養教育の展開」ということで、「多様な場(セッティング)におけるライフステージ別の栄養教育の展開」という表現に変えています。ここは小項目をその後ちょっと見ていただくと幾つか増やしてあるように見えるのですけれども、実は、現行の国家試験の栄養教育のガイドラインを見ていただきますと、小項目に1つだけ妊娠期・授乳期・乳幼児期・学童・思春期・成人期・高齢期の特徴を踏まえた栄養教育と、これを全部まとめて一語にしてあるのです。それはそこにいろいろなものを使っていくという発想で、前回そういう整理をしたのですが、逆にモデル・コア・カリキュラムで場別のセッティングということで、ここにあるように子供向けの「保育園・こども園・幼稚園における栄養教育の展開」、「小・中・高等学校、大学における栄養教育の展開」、「地域・職域における栄養教育の展開」、「高齢者福祉施設や在宅介護の場における栄養教育の展開」としました。ICTはなくてもいいというコメントが事務局から来たので、これは確かになくてもいいかもしれません。最後、一番下に「栄養と環境に配慮した栄養教育の展開」、これも今、国際的な動きとかで入ってきていますので、その小項目を追加しました。基本、小項目は追加しないということだったのですけれども、前回のときにかなりまとめた経緯があるので、そこを少し開かせていただいたということで修正を考えました。
 以上です。
○加藤座長 ありがとうございます。前回のガイドラインの改定のときに大幅に先生のところは改定していただきましたので、少しだけ見直しが入ったということだと思います。ありがとうございます。
 それでは、次に「臨床栄養学」、塚原先生、お願いします。
○塚原構成員 よろしくお願いいたします。
 臨床栄養学は竹谷豊先生と一緒に検討いたしました。
 正副委員長の先生からたくさんコメントをいただいており、栄養ケアプロセスのことと栄養ケア管理の定義のことついてはまた後から御議論があると思いますので、そこは飛ばしていきたいと思います。
 まず「出題のねらい」の3番目のところです。ここは新しく1つ追加させていただきました。というのは、以前から高齢者のところは臨床栄養の中でどうしてもいろいろなところで考えていかないといけない、そのような教育をしないといけないと思っています。
 今までは、最後のライフステージのところで老年症候群という形で一枠あったのですけれども、そこでなかなか問題も作れず、結局高齢者の問題が中途半端であったような気がします。それならということで、いっそどの項目においても、どのような症例においても、どんな疾患においても、高齢者のことを考えられるようにしないといけないと思います。特にここに書かせていただいたようなフレイルとかQOLというところを考えながら、普通とはちょっと違うような観点があってもいいのかなと思いますので、全体を通じて高齢者の問題がちょこちょこ出せると良いと思いまして、ねらいのところに全体に通じるという意味で高齢者の文言を入れさせていただきました。
 それでは、まず、大項目の1番ですけれども、ここは用語の整理ということで、重なっているところを一つにしたり、削らせてもらいました。ただ、1つ「臨床推論」というところを追加させていただきました。これは医学、薬学、看護のところではこのようなところが入ってきていて、管理栄養士が直接これをするというよりかは、むしろこの概念があることをまずは知っていくということで、ここを1つ新しく追加させていただきました。
 その次は、1番のDのところです。地域包括ケアシステムは今まで問題にも出ていましたが、在宅ケアのところはこの辺で分かりやすく用語を足しました。
 大項目の2番のところですけれども、ここも栄養ケア・マネジメントのところ、ここはまた後で説明させてもらいますが、ケアと大きな意味にしました。
 「栄養診断」は、ここもNCPを入れるのだったら必要かなと思います。また後で議論があるかと思います。
 最後のところのFとGですけれども、ここで前回は薬の相互作用が間に入っていたのですけれども、ここを栄養ケア・マネジメントまたはプロセスの流れのとおり「モニタリングと再評価」の後に「栄養ケアの記録」をつけて、最後に「薬と栄養・食事の相互作用」のところに持っていくように順番を入れ替えただけです。
 大項目3番からの病態の栄養管理のところですけれども、先ほど藤岡先生がおっしゃったような用語の略語だけにしてしまうとか、そこは同じようなところもあるのですけれども、PEUについては、少し人体の構造の先生と調整をさせていただかないといけないと思っています。
 あと、下痢がなかったので、ここを追加させてもらいました。
 Nのがんのところですけれども、ここのところはこれから臨床栄養の教科書も分厚くなってくるような部門で、いろいろなガイドラインも少しずつこれから出てきて、栄養管理についても出てくると思いますし、化学療法、放射線療法とか、少し枠を厚くしたいなと思いまして、追加しない方向でしたけれども、ここは追加させていただきました。
 あとはPのところです。ここも今、ICUの早期栄養管理加算も入りまして、集中治療というところもしっかりと勉強していただかないといけないかなということで、早期栄養管理のような観点で勉強してもらうために、ここも1つ追加しました。
 あと、先ほど言いましたように、最後のUの老年症候群のところは削除させていただきました。
 以上です。ありがとうございました。
○加藤座長 ありがとうございます。
 それでは、次をお願いします。「公衆栄養学」、林先生、お願いします。
○林構成員 「公衆栄養学」、よろしくお願いします。公衆栄養学は髙𫞏先生と検討させていただきました。
 では、御指示に従いまして、大きなところだけ御説明させていただきます。
 「出題のねらい」のところは変更を加えていません。
 あと、大項目の1番のBの小項目のiですけれども、できるだけ小項目は増やさないようにということだったかと思うのですが、iのところは「多職種連携・多機関連携」というのを追加させていただきました。保健師国家試験ではこれが明記されているので、保健師さんと管理栄養士さんはよくペアでお仕事されるということで、これは追加した方がいいのではないかということです。
 大項目2番のBの「食生活の変化」のところで、ここも小項目に「健康格差」というのを追加させていただきました。こちらは既に各教科書に結構取り上げられていますので、どちらかというと国家試験の方が後追いになるかもしれないのですが、教育の実態に合わせています。
 それから、その次のCのところですけれども、ここは食品ロスに関係する事項をできれば含めたいので、「食環境の変化」のaのところで今まで「食品の生産・流通」だったものに消費を加えています。ただ、これについては「食べ物と健康」と被る可能性があります。これはまだ調整していませんので、またいろいろ御意見いただけたらと思います。
 それから、大項目3のAのところです。Aはいきなり公衆栄養活動ということだったのですけれども、ここは大項目が政策なので、最初は政策も入れたいということで、公衆栄養政策と活動という表現に変更させていただいて、それから、小項目のcに近年注目されている「食料安全保障」の問題を追加させていただきました。
 大項目3番の「国民健康・栄養調査」につきまして、先ほど御案内があったかと思うのですけれども、ここのところは従来から「社会・環境と健康」はどちらかというと栄養・食生活部分以外の結果についてよく出題されておりまして、こちらの方では公衆栄養を行うに当たって非常に重要なものですので、中項目ではそのまま維持させていただいて、社会・環境とはダブらないような形で対応させていただけたらと考えています。
 あとは細かいことですので大丈夫かと思うのですが、大項目5番のAのaで今まで地域診断だけだったのですが、そこに意義と目的というのを入れさせていただいて、Bのところに地域診断の方法というのを追加させていただきました。
 そして、今書いてあるところで消されているところがあると思うのですけれども、「健康・栄養情報の収集と管理」については、他の項目でも十分対応可能ですので、ここは削除ということを考えております。
 あとは細かい変更になります。以上です。
○加藤座長 ありがとうございます。
 それでは、「給食経営管理論」、田村先生、お願いします。
○田村構成員 よろしくお願いいたします。「給食経営管理論」につきましては、神田先生と2人で検討させていただいて、最終的に石田先生に少し御覧いただいています。
 「出題のねらい」につきましては、変更はございません。
 それから、大項目も変えずに、中項目で重なっているところを中心に整理しまして、中項目、小項目を精査したところでございます。
 まず1番目の「給食の概念」につきましては、Bの「給食システム」、こちらは理由を書かせていただいたとおりでございまして、給食経営に関わるものであるということですので、これは大項目2の方に2Aとしてそっくり移動させていただいております。
 それから、大項目2の2Bでございますが、「給食経営の概要と組織」というふうに中項目を変更いたしまして、aを少しいじっております。
 そして、給食経営に関わる経営と組織というところを新たに作りまして、あと、ここも「経営」が抜けているのですが、Dを「給食経営の資源と管理」として、「給食経営の資源」として人とモノと資金ということで、それに関わるものを全て小項目としてまとめさせていただいております。
 それから、大項目3でございますが、こちらはアセスメントが入っていたのですが、給食で取り扱うのは利用者の集団としての把握ということでございます。特徴の把握ということでございますので、3Aのアセスメントの部分をそっくり削除いたしまして、小項目のところを見直して、3Bの方に移動させております。
 また、3Bの方、新しい3Aになりますが、こちらは「給食の計画と実施」というところにまとめて、新しい3Bになりますが、こちらは実施後の評価についてまとめるということでございます。
 そして、ここの小項目のaでございますが、「食事計画の評価と改善方法」というふうにして修正させていただいております。
 それから、今度は大項目4でございますが、4Aの小項目dです。こちらは大量調理をするときにはどうしても大量調理機器を選択して、特性に応じた機器を選択するということがございましたので、ここに大量調理機器を追加したということでございます。
 それから、大項目5でございますが、こちらは安全面と、それから事故と災害ということで分けてAとBというふうにしてございます。Aにつきましては、まず、HACCPの運用、こちらは当然概念を理解した上でのHACCPの運用ということになろうかと思いますが、これをAから持ってきております。最後の「事故・災害時対策」というところにつきましては、小項目のa、bを事故に関わるもの、c、dを災害時に関わるものというふうにして整理させていただいております。
 以上です。
○加藤座長 ありがとうございます。
 それでは、最後に「応用力試験」ですが、これは事務局からお願いします。
○吉川試験免許係長 事務局でございます。
 応用力試験については、基本的に「出題のねらい」、大項目、中項目に修正の御意見等はございませんでした。その上で幾つか御意見を頂戴しておりますので、こちらで紹介させていただきます。
 まず多職種連携という観点から中項目Aを「個人の身体状況、口腔・嚥下機能、栄養状態及び病態に応じた適切な栄養補給、食事に関するマネジメント」として、「口腔・嚥下機能」を追加してはどうかという御意見をいただいております。
 次に今後、管理栄養士の総合的実践力を一層高めるために応用力試験問題を増やし、強化していく方向が必要なのではないかという御提案をいただいております。具体的には、まず1)科目の中での知識の統合を問う応用力試験問題として管理栄養士が行う栄養ケア・マネジメントや現場の実践活動に直接関わる科目である、応用栄養学、栄養教育論、臨床栄養学、公衆栄養学、給食経営管理論に応用力問題を1問入れるといったことで御提案いただいております。
 もう一つ、2)複数科目の知識の統合・活用を問う応用力試験問題として、例えば人体の構造と機能及び疾病の成り立ち、臨床栄養学、栄養教育論の3科目の内容を統合したような問題といったように、2科目以上の知識の統合を問う応用力問題を出してはいかがかということで御意見をいただいております。
 これまでの応用力試験の問題に関しては、2)の問題が多いかと思いますが、1)のタイプもあり得るということで、応用力問題そのものの本来のねらい、様々な知識を統合し状況に応じて活用できる力を問う観点から、各科目においても丸暗記ではなく、状況設定を理解し関連を考えて解を導き出す問題を含めることが必要なのではないか、今回の改定でぜひ応用力問題のステップアップを行ってはどうかという御意見をいただいております。
 以上です。
○加藤座長 ありがとうございます。大枠はそれで、意見につきましてはまたディスカッションしていきたいと思います。
 一通り先生方に御説明いただいたということで、実際に各科目について順番に議論をしていきたいと思っていますけれども、取りあえず4つの項目を最初に挙げさせていただきたいと思います。先生方には大変御不便をおかけしたと思いますけれども、最初に、やはり小項目は基本的にはこれ以上もう増やさないこと。大変御無理なお願いなのですが、どちらかといえばまとめてくださいということをお願いさせていただいたと思います。ひとつその観点からよろしくお願いします。
 そして、先生方の非常に熱い思いと熱意は伝わってきたのですが、今議論しているのはあくまで国家試験のガイドラインですので、ここの項目は大事だから、大切だからという教育カリキュラムにすべきようなところが私には見受けられるのです。教育ではもちろん教えていただく必要があって、ガイドラインに書いていないことでも必要なことは教えていただかなければいけませんし、当初お話ししたように、ここはあくまで例示という考え方でよろしいかと思いますので、ここに書いていないことは実際に全く出してはいけないということにはなっていませんし、既にいろいろ出題されている項目がありますので、改めてそれをここに記載していただく必要はないのではないかなと思っています。だから、教育現場で教えていただくことと、ガイドラインに載せていただくことを少し区別して考えていただけたらと考えています。
 そしてもう一つは、3つ目ですけれども、科目間のバランスといいますか、先生方、それぞれ御専門ですから、これも覚えておかなければいけないというところが非常にたくさんあるかと思いますけれども、やはり特定の科目だけ非常に専門性が高くなるというような形にならないようにお願いできたらということ。
 そして4番目は、多職種の共通言語といいますか、多職種の間でちゃんと通用する言葉を管理栄養士も使っていかないと、管理栄養士だけがそこの多職種協働の中から外れてしまうということがあり得ますので、その辺りも御配慮いただきまして、少し議論を進めていきたいと思います。
 それでは、まず「社会・環境と健康」について、ほかの科目の先生方、違った視点からというか、異なった視点から御意見がいただけるかと思いますので、ぜひ御自分に関係ないということなく、ほかの科目にというか、御自分が関わらなかった科目についても御意見をいただけると良いと思っておりますが、「社会・環境と健康」についてはいかがですか。これはさっき少し小項目も増えて、入れましょうか、やめましょうかというような御意見が出ていたと思いますけれども、その辺りについて何かありますか。
 では、国家試験の作問委員の副委員長をやっておられます吉池先生、作問委員会としての意見が何か一言ありましたらお願いします。
○吉池構成員 吉池です。ありがとうございます。
 先ほど横山先生に丁寧に御説明いただいて、栗木先生とも個々に確認していただきました。それぞれ追加された項目は大事だと思うのですが、実際に教科書に書かれている、あるいは国家試験でも出題されているけれどもリストにないというのは全然問題ないと考えておりまして、だから出題基準のリストに含めるということは、必ずしも必要ではないのではないか。その理由、1つの例としてはHillの基準であり、あるいは偽陽性、偽陰性というのも、横山先生がおっしゃったような感度、特異度という概念の裏返しですので、また、過去の問題を見ますと出ていますのでという意味で、できるだけ絞っていただけるといいのかなと思って、先ほどの御説明を伺っていました。
 以上です。
○加藤座長 ありがとうございます。
 横山先生、何かありますか。絞っていただけるところは絞っていただいて、コンパクトにまとめていきたいと考えておりますので、何か。
○横山構成員 趣旨はよく分かりました。御指摘いただいたように、確かにHillの判断基準と、偽陽性、偽陰性も、書かなくてもいいということはおっしゃるとおりかと思いますので、そういう視点から読み取れるものはあえて追加せずに削るという方向で少し修正したいと思います。
○加藤座長 ありがとうございます。そういった視点で少しほかの細かいところがもしあるようでしたら見直していただいて、次回までにまたまとめていただけるとありがたいと思います。
 ほかの先生方、何かございませんでしょうか。
 では、「社会・環境と健康」は小項目に関してだけと思いますので、少しまとめられるところはまとめていただくということで、次に移りたいと思います。
 「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち」はいかがでしょうか。これも先ほど結構絞っていただいたのかなと個人的には理解しております。
○藤岡構成員 御説明しましたように、用語の整理とか略語及び急性腎障害のAKIとかそういったところがほとんどですので、お話ししたとおりです。濱田先生とじっくり相談いたしました結果でして、委員長がおっしゃいましたように大きくは変わっておりませんが、一応、例という形で出させていただいております。
 以上です。
○加藤座長 ありがとうございます。非常に分かりやすいところで、例えば7番目のバイタルサインのところも項目を一つ一つ書かない。バイタルサインのところに血圧、脈拍、呼吸、体温と書いてあるところは、そこを削るようにしていただいているのは非常にありがたいと思います。
 個人的なことを言わせていただくと、例えば8番の小項目bの特殊療法というのがなかなか分かりにくいと個人的には思ったのですが、これは何か良い言葉に変えることができないかなというのが1点。
 それと、もうちょっと言わせていただくと、さっき胃の病変が非常に重要だと言われて、教育的には確かに非常に重要だと思うのですけれども、ここに例えば急性胃粘膜病変という病名があります。消化器の医者にとっては非常に重要な病気なので、名前はもちろん知っておいていただいていいのですが、果たして管理栄養士がそこまで知っていなければいけないのかと思いました。だから、もし必要だということであれば、試験問題に出していただくことはやぶさかではないと思うのですが、ここに胃潰瘍、十二指腸潰瘍と並べて同列に急性胃粘膜病変とか慢性胃炎というのを入れるのは必要なのかどうかをもう一回お考えいただきたいと思っております。
 さらに、腎臓に関して、これは臨床栄養と調整が要ると思うのですが、AKIとCKDだけでいいのではないかと思うのです。CKDの中で例えば糖尿病腎症というのが一つあってもいいだろうと。先生の言われる腎硬化症というのがあってもいいと思うのですが、例えば急性・慢性腎不全、どちらも要らないかもしれないと思ったのは、慢性腎不全はここに別枠で血液透析とか腹膜透析という言葉が入っているので、それ以外はCKDで網羅できるのではないかなということと、急性糸球体・慢性糸球体腎炎というのは、AKIとCKDの原因として入れることができるのではないかなと思いました。ただ、実際には免疫系のこともあるので、急性糸球体腎炎とかは残していただいてもいいのかなとは思うのですけれども、ちょっとここの腎臓のところは臨床と一回話を詰めていただいて、やはりいろいろな医療現場というか医師国家試験では急性腎不全という言葉をほとんど使っていないようですので、それは先生のおっしゃられたとおりではないかなと思います。
 さらに、13の内分泌のところでいっぱい病名を書いてくださったのですが、例えば個人的に言えば、Bの巨人症とか先端肥大症、小人症とか、アジソン病なんかは既に国家試験に出ているのですが、ちょっと内分泌のところでたくさん病名が並んでいるような印象を受けるので、できたらこの辺りの整理もよろしくお願いしたいと思います。
 さらに、そこの次で14のBの神経疾患ですけれども、ここは先生方が血管性のものと変性疾患に分けていただいたので、そのとおりだと思うのですが、例えばレビー小体型認知症とかアミトロ、筋萎縮性側索硬化症。これはやはり看護とか医療の面では非常に重要だと思うのですが、例えば筋萎縮性側索硬化症で食事療法と、ここに書いてくださっているのですが、これは結果として嚥下障害が来るとか、そういうことはあるのだろうと思うのですけれども、特にこの病名を管理栄養士が知っていなければいけないかというか、国家試験の小項目に持ってこなければいけないかということについて少し考えていただけたらなと思っております。
 あと、もうちょっと言ってもいいですか。17、Bの生殖器のところですが、出てきてもいいと思うのですが、男性生殖器疾患と女性生殖器疾患だけでいいのではないかなと実は思って、前立腺肥大とか前立腺がんというのをそれぞれ別個に捉える必要があるのかなというのを個人的には思いました。私の意見としてはそのぐらいです。もう一回考えていただけるとありがたいと思いますが、先生方のほうで何か今お答えいただけるところは。
○藤岡構成員 ありがとうございます。いろいろ御意見いただきましたけれども、試験に実際に出るのと、ここの名前とは一致しないという前提でいけば、先生がおっしゃるとおり、どんどん削除していただいて結構なのですが、いろいろなガイドラインを作っている立場から考えますと、国家試験もガイドラインということで大枠は作らないといけないことになりますと、急にこれまでのものをがらっと変えますと、やはり現場は戸惑うと思いますので、例えば腎臓と内分泌とかをごっそり減らすというのは、受け手側からするとなかなか難しいのではないかと思います。
○加藤座長 いえいえ、先生が増やされたところはわざわざ入れなくてもいいのではないかという意見で、今までのはそのまま残しておいていただいて十分なのかなと思います。
○藤岡構成員 同じことを言っているだけです。
○加藤座長 ただ、腎臓に関しては、少し病名が今使われている用語と違うので、そこは整理をしていただきたいという意味です。
○藤岡構成員 ほかとの細かいところも大まかなところもありますので、一応バランスを考えて大事なということで入れましたけれども、元に戻すというのは全然問題ありませんので、濱田先生と相談したいと思います。
○加藤座長 よろしくお願いします。
 ほかの先生方、何かありますでしょうか。
 では、取りあえず次に進みたいと思います。「食べ物と健康」につきまして、いかがでしょうか。
○和田構成員 「食べ物と健康」は、私のほかに共立女子大の伊藤先生にも協力していただいていますので、伊藤先生から追加の補足意見を言っていただければと思います。
○加藤座長 よろしくお願いします。
○伊藤構成員 伊藤です。追加の意見はそれほどないのですけれども、最初の大項目1の「食生活と健康」というところです。これは病気が関わっているという小項目があるのですけれども、これまでに病気と食事というのを扱った問題は多分ないと思うので、ここはもう省いてしまっていいのではないかというのが1つです。大項目1の中項目Cで「食生活と健康」というところです。
 あとはほとんど一緒なのですけれども、言うなれば大項目5です。「食品の表示と規格基準」のところに特保のことがあるのですけれども、制度面は健康増進法との絡みみたいなところは公衆栄養で出していただいて、「食べ物と健康」では表示とか認可について今までどおり出すと。これはすみ分けができているのでいいと思います。
 あとはほとんどなくて、途中で環境ホルモンとかプリオン、BSEをトランス脂肪酸のところに加えたというところです。
 以上です。
○加藤座長 ありがとうございます。先生のところは、今のお話の大項目1のCの「食生活と健康」は公衆栄養でお願いします、だからここは削りましょうという御意見だったと思うのですが、後ほど科目間の調整というのも必要になるかと思うのですが、そこのところと今最後にお話しされた大項目5のDのところですね。この辺りも公衆栄養との兼ね合いがあるのですが、林先生、何かコメントありますか。
○林構成員 いえ、「食べ物と健康」とは以前から結構調整していますので、すみ分けはできているのかなと思っています。現場もそういう法令に基づく制度的なものは我が国の栄養政策として教えていることが多いので、また、食品系の先生は食品系の先生で表示の方に結構詳しく教えてくださっているので、現場もうまくいっていると思いますので、この辺はかえってあまり触らない方がいいのかなという感じがします。
○加藤座長 ありがとうございます。大項目1の「食生活と健康」辺りはそのまま削除しようかという御意見なのですが。
○林構成員 それでも対応できると思います。
○加藤座長 対応できますか。ありがとうございます。
 あとは大項目4のHのHACCPのところは給食でいかがですかという御意見があったと思うのですが、この辺、田村先生は何かコメントがありますか。
○田村構成員 いえ、これについてもずっともうすみ分けができておりますので、御提案のとおりで結構だと思います。
○加藤座長 では、ここも削除でもいいということでよろしいですか。
○田村構成員 はい。
○加藤座長 ありがとうございます。
○石田副座長 石田ですけれども、HACCPの基本的な考え方というのは食品衛生として必要なのではないか。運用については給食でやっていますけれども、国際化の流れもありますので、そこはきちんと食品衛生で押さえておくものがあるべきなのかなと思いますが、いかがでしょうか。
○加藤座長 伊藤先生、お願いします。
○伊藤構成員 HACCPは概念としては食品衛生として出すべきなのですけれども、これまでこちらで出したことがないのです。問題数の兼ね合いもあって、ここに書いておくことも可能なのですけれども、HACCPの問題を「食べ物と健康」から出すことは多分ないだろうと。ですから、給食でまとめて概念と運用で出していただいているので削ってしまうかということですけれども、残した方がいいですかね。
○石田副座長 給食はあくまでも運用になるので、当然基本的なことが分かった上で運用ができているということを試すことにはなると思うのですが、一般外食店でも今、HACCPが導入されていますので、必ずしも給食施設だけではないです。そういった意味での基本というのは、やはり食品衛生で問われる。今まで出なかったのだったら、逆に問わなければいけないのかもしれないとは思います。いかがでしょうか。
○伊藤構成員 確かにそうですね。HACCPの問題を作ることはいつも考えていることですけれども、給食も出しそうだし、こちらも食品衛生は問題数が5~6問しかないので、結局折衝して流してしまったのでというところはありました。でも、確かに先生のおっしゃるとおりで、概念は食べ物と健康できっちり押さえるべきなので、残しておくということでいいと思います。
○加藤座長 ありがとうございます。残していただいて結構なのですが、またちょっと議論をしていただいて、やはり要らないということであれば取っていただければいいですし、残すということであれば、先ほどからお話ししていますように、ここに書いてあるから全部国家試験に出さなければいけないというわけでは決してないですし、石田先生が言われるように、逆に出していかなければいけないのではないかなという考え方もあろうかと思いますので、また御議論いただきまして、最終的な案を出していただくということでお願いします。
○石田副座長 すみません。もう一点、少なくしてくださいといって削っていただいたのですけれども、「人と食べ物」のところの「食生活と健康」を削るということは私もよろしいと思うのですが、「食嗜好の形成」が食べ物のところからなくなっていいかというところはいかがでしょうか。
○和田構成員 これは私からお答えします。この「食嗜好の形成」については省かないで、むしろAの方へ移すという形で今考えております。ここには反映されていなかったのですが、「食嗜好の形成」はAの方に移すか、あるいは調理学に移すというのもあると思います。ですから、それはちょっと考えた上で回答したいと思います。現時点では「食文化と食生活」の食生活部分に「食嗜好の形成」を持っていくということを考えております。
○石田副座長 私もその考えに賛成です。
○加藤座長 ありがとうございます。大変建設的な意見で、こちらに移動した方がいいのではないかとか、こっちの科目に移動した方がいいんじゃないかという御意見も非常に歓迎ですので、ぜひほかの先生方、何かあれば御意見いただけたらと思いますが、よろしいでしょうか。
 それでは、次に移っていきたいと思います。「基礎栄養学」、何か付け加えることがありましたら、栢下先生、大口先生、よろしいでしょうか。
○栢下構成員 基礎栄養学、全体的な系統立てた見直しが必要ではないかという御意見がありましたので、現在検討していることについて簡単に御説明をさせていただきます。
 基礎栄養学の大項目3は消化と吸収の項目なのですけれども、この中項目Aの中に、まず小項目のbにつきましては人体に任せるという形で御説明させていただいたのですけれども、aの「口腔・食道・胃・小腸・大腸の基本構造」に関しましても人体で重複していると思いますので、こちらに関しましても人体にお任せできればなと考えております。
 それから、大項目3のCの「消化過程」についてなのですけれども、現在は唾液腺、胃腺、膵臓、胆嚢、小腸という形で臓器別に書いているのですが、ここを口腔内、胃内、小腸内、膜消化という形で部位ごとに変更したらどうかということを検討しております。
 それから、この中の中項目のFの「栄養素別の消化・吸収」の中に現在、5大栄養素が入っておるのですけれども、そこに水を追加したらどうかという形で検討しております。
 それから、大項目3の中項目に排泄が入っていないので、これは食べてから消化・吸収のところまでなので、排泄を追加してはどうかという形で検討をしております。
 それから、炭水化物の栄養、脂質の栄養、たんぱく質の栄養という3大栄養素に関しましては、現在の形の前にそれぞれのところ、中項目に栄養学的特徴というものを追加させていただいて、それぞれの栄養素について導入部分を入れて整理したらどうかという形で検討をさせていただいております。
 現在の検討課題は以上ですけれども、大口先生、何か追加でございますか。
○大口構成員 今、栢下先生から各項目については細かく御説明いただいたのですけれども、基礎栄養学でもう一つ、今回大きな変更としては3大栄養素の出てくる順番ですね。現在のガイドラインでは1番が炭水化物、その後、たんぱく質、その後、脂質という順番になっているのですけれども、やはりこの順番は違和感がございまして、基礎栄養学的にはまずエネルギーの話ということで糖質から始まって、その後が脂質。その2つを切り離すことはできないかなと。その後にたんぱく質、アミノ酸という順番で、そういう流れで話すのが基礎栄養学ではないかという意見になっています。
 そうなると、ほかの科目の3大栄養素の順番は大体食事摂取基準の順番でたんぱく質が一番に来たりしていますので、その辺りを全体的に統一するのか、それとも科目の特色によって順番を変えてもいいかということで先生方の御意見をいただきたいなということです。基礎栄養学としては基礎栄養学的な順番、炭水化物、脂質、たんぱく質という順番にしたいという意見です。
 あとは国際化ということがあったので、今回項目の中で英語表記とかできるものがあるかなということも考えたのですけれども、1つ事務局から提案があった分枝アミノ酸。これまでは分枝アミノ酸という日本語で表記していたのですけれども、それをBCAAという感じで今度は変更しようかと思うのですけれども、それに関しても、分枝アミノ酸というのはBCAAという言葉にしてしまっていいのかというところを先生方から御意見いただきたいなと思います。
 以上です。
○加藤座長 ありがとうございます。BCAAに関しましては、実はこれまでの国家試験の中でどんどん略語が進んできている中で、既にBCAAという言葉が使われているということでBCAAとしてあるのですが、先生のおっしゃられるように、例えばBCAAなのか、BCAなのか、いろいろあるのだろうと思いますので、またそれは先生方に御意見を出していただいて決めていくということと、栄養素の並び順に関しても、やはり国家試験のガイドラインなので統一感があった方がいいのではないかという御意見もあろうかと思いますので、その辺りは少し御意見をいただいて、最終判断ということでまた決めさせていただければと思うのですけれども、その栄養素の順番に関して何か、先生方で今ここで御意見のある先生はいらっしゃいますか。
 木戸先生、いかがでしょうか。
○木戸構成員 順番については、科目間でこの並びがいいというのだったらそれでいいのではないかと思うのですけれども、ガイドラインとしては、少し議論していただいて、統一できるのであれば同じ並びにした方が分かりやすいと思います。
 そういう意味では、例えばエネルギーなんかも最後になっているところですが、順番的にはまずエネルギーがあって、その後、糖質、脂質、たんぱく質にするのか。食事摂取基準の順番からすると、エネルギーがあって、たんぱく質、脂質、糖質という順番になっております。また、エネルギー産生栄養素バランスという言い方をするとPFC比率というような言葉もございますので、そういったところも踏まえて御意見をいただいて、1つの方向に決めていったらいいんじゃないかと思います。
○加藤座長 ありがとうございます。
 御意見をいただく前に、先生、系統立ってという言葉を私自身がよく理解できていないのですが、系統立ってということはどういうことを指されているのでしょうか。
○木戸構成員 例えば、消化と吸収のところ、大項目3になるのですけれども、今、中項目Aについては人体の構造と機能に任せるということで、それでいいと思いますし、その方がすっきりすると思います。
 そして、Bが消化と吸収ということになり、中項目Cが消化過程。消化過程のところは先ほど検討しているということでよろしいかと思いますし、その後の「管腔内消化の調節」のところもいいわけですが、次にEの「膜消化、吸収」ということで、膜消化の位置づけをどういうふうに考えるかによって、これは消化というよりも吸収に近いのだというふうになればこのようになるのですけれども、先ほど「消化過程」の中で口腔内消化から始まって小腸内消化、そして特別な意味で膜消化というふうに入れますと、例えばEのところは吸収の過程というふうに中項目をすっきりさせるというのも一つの案ではないか。そうすると小項目のところももう少し系統的に、吸収機構として単純拡散、促進拡散、そのようなキーワードで収めることができるのではないかと考えます。
 それから、最後にHの後に排泄機構、排泄についても食べた後に消化、吸収、体内で分布した後代謝され、そして不要なものは排泄されるまでというのが基本的に基礎栄養学で重要な項目になるので、Hの後に排泄を入れるという提案をしていただいて、その方向でいいと思います。そのように全体として基礎栄養学で扱う内容が人体の構造と機能で扱う内容と重複しているところをいかに修正というか調節をして、基本的に基礎栄養学では食べた後の栄養素代謝、そして、例えば糖質代謝でいいますと、食後・食間期の糖質代謝というところが一番重要になるのではないかと思います。つまり、食べた後の生体内での糖質代謝がどのように変化するのか。そして、食間、消化管からの補給がなくなるとどのように変化するのかということを明確に分けて理解していくということが基礎栄養学のポイントになるのではないかと思います。そこのところが人体の構造と機能のところと大きく異なる。つまり糖質代謝1つ取っても、要するに生体内での糖質の代謝がどういうふうに変化するのかというのを見るのが人体の構造であり、生体の状況によってどういうふうに変化するのかというところまで見ていくのが基礎栄養学のポイントになるのではないかと思います。その視点があれば系統的な項目立てができるのではないかということであります。
○加藤座長 ありがとうございます。特に大項目3の辺りのことをおっしゃられたという理解でよろしいですかね。
○木戸構成員 はい。それともう一つは栄養素別に、例えば糖質代謝だったら糖質代謝のところで、炭水化物のDの「他の栄養素との関係」で「ビタミンB1必要量の増加」とか「相互変換」とありますが、ここのところと、例えばビタミンのところに行きますと、ビタミンのところでも「他の栄養素との関係」で「エネルギー代謝とビタミン」と再度出てきたりしている。こういった重複しているところは削除するしないの議論をして、削除の方向で考えたらいいのではないかと思っています。
○加藤座長 ありがとうございます。全部がきれいに分かれるわけではないと思いますし、なかなか人体との違いをこのガイドライン上で出すのは難しいかもしれませんが、今の木戸先生の御意見も参考に、まとめられるところがもしあればまとめていただく。あるいは人体の構造のところと差別化ができるようでしたら、またちょっとそのようにまとめていただくということで、一応どうですか。順番に関してはここで賛成、反対という話をしてもらちが明きませんので、先生方の意見をもう一回次回までに出していただいて、その場でまた、最終的にどうやって決めたらいいのか個人的にはよく分かりませんが、ペンディングさせていただきたいと思います。
 ほかに先生方、順番以外のことで何かありましたらお願いします。よろしいですか。
○木戸構成員 すみません。よろしいですか。エネルギーのところもちょっと、「エネルギー代謝の概念」のところ、中項目に対する小項目が適切であるかどうかということは一度御検討していただければと思います。「エネルギー代謝」全体の構成についてです。
○加藤座長 大項目の10ですね。
○木戸構成員 そうです。大項目の10で「エネルギー代謝の概念」で物理的燃焼値とか生理的燃焼値が概念として入ってくるというのが、概念というのは、物理的燃焼値、生理的燃焼値というのは食べ物のエネルギーをどう見るかの話であって、エネルギー代謝の概念、生体内でのエネルギー代謝を見るとすれば、むしろ基礎代謝であったり、安静時代謝であったり、そういうところが概念に入ってくるのではないかと思うのですが、そこの辺りももう一度整理して、修正が必要と思えば修正をお願いしたいと思います。
○加藤座長 ありがとうございます。また栢下先生、大口先生、よろしくお願いいたします。
 では、次は応用栄養をよろしいでしょうか。非常にコンパクトにまとめていただいているかなという印象ではありますが、何かありますでしょうか。応用栄養から先ほどの説明に付け足して何か言うことはありますか。榎先生、お願いします。
○榎構成員 応用栄養につきましては、小項目の並びをかなり見直しまして、小切間先生と何度も何度もウェブ会議を行いまして、栄養教育論を見させていただきますと非常にきれいに小項目が並んでいるので、ああいった形にならないかなということで議論して、このような形とさせていただいただきました。加藤先生にも御指導いただきながら進めております。大項目6の成長期のところに関しましては、小切間先生からいろいろ意見を出していただいて、きれいに修正していただいたのですけれども、特に大項目6の中項目B「成長期の栄養ケア・マネジメント」のところです。小項目aを加えてございますので、これについて小切間先生から一言御説明いただけないでしょうか。
○小切間構成員 小切間です。特に補足するということもないのですけれども、成長期の栄養管理というのは非常に重要なところですが、生理的特徴も含めました栄養ケア・マネジメントの内容というのは、ほかの科目には項目がない、というところが気になりました。成長期に関しては、応用栄養学でしっかりとカバーした方がよいと考えた次第です。
 先ほど栄養教育論でもこの辺りを少し具体的にライフステージ別のところを細かく分けるという御意見も出ておりましたので、それらと調整していかなければいけないのかなというふうにお聞きしておりました。
 それから、榎先生から御説明いただいたとおりなのですけれども、いろいろ修正はしておりますけれども、今までの内容で、このキーワードがあった方が確かに親切だと思うところはたくさんありましたし、重要なキーワードが並んでいたと思いますが、小項目の整理ということで割愛させていただいているという現状でございます。
 以上です。
○加藤座長 ありがとうございます。随分整理していただいて、ありがたいと思います。栄養教育とちょっと内容が異なってくると思いますので、重なり部分はもちろん項目としてはあるかもしれませんが、中身が変わってくるのかなと思っていますので、取りあえずここの場はこのまま行きたいと思います。
 吉池先生、お願いします。
○吉池構成員 ありがとうございます。応用栄養については大変いろいろな検討と修正をしていただいてとてもよいかなと思っています。
 2点意見を言わせてください。1つは削除されたライフサイクルについて、医師の国家試験出題基準との比較ということもありますが、管理栄養士の栄養は医師以上にライフサイクルという概念が大事なような気がしております。DOHaDをどこかに含めるということもできるのですが、やはりこれはあった方がよいのではと。実は私、ある教科書でここを担当することになって、大変苦労はしたのですが、とても内容的にも重要ですし、DOHaDをどこに入れるかということを悩むよりは、やはり管理栄養士としては医師以上にここは大事であるという気持ちも込めて残していただくといいかなと思っております。
 それともう一つ、最後の方の特殊環境等について、災害時栄養の関連のことです。災害時の栄養についても重要性が増していますが、これは給食のところでも出てきて、公衆栄養でも出てきて、応用栄養でも出てくるということで、それぞれ何をフォーカスするのか、あるいは出題としてということを考えると、まさに特殊な環境の中におけるという意味合いではとても分かりやすくなったのですが、一方、被災地環境という言葉があるのかどうかということが少し気になっておりますので、この被災地環境という言葉が一般的な言葉なのかどうかについて、いま一度御確認いただければと思います。
 以上です。
○加藤座長 ありがとうございます。確認部分は確認いただくということと、多分ライフステージが全てのステージにみんな分けられたという意味なのですね。吉池先生のお話では、それを1つにまとめた方がいいのではないかという御意見だったと思いますので、また御検討いただいて、このままいくのか、何か少し修正が加わるのかというのはよろしくお願いします。
 ほかはよろしいでしょうか。お願いします。
○木戸構成員 今、成長期のところで成長期という言葉が出てきたのですけれども、ずっと気になっているのが、成長期で使っている成長の意味、定義と、最初の方に出てくる成長という言葉の定義、大項目3のところに出てくる「成長、発達、加齢」の成長と定義的には一致しているとお考えなのかということをまず伺いたいと思います。
○加藤座長 お願いします。
○小切間構成員 小切間です。先生の御指摘の論点はとてもよく分かります。成長と発達ということをまとめて、成長期とは少し意味合いが違うという御発言だと理解しております。ただ、成長期という言葉は、多職種との関係でもこの言葉が使われているということもありますので、ここは成長期という言葉を換えるのはなかなか困難かなと思ったのですけれども、何かもし適切な表現があればアドバイスいただけたら幸いでございます。
○木戸構成員 多分、専門分野によってそれぞれ定義があって異なるとは思うのですけれども、やはり1つのガイドラインの中では同じ意味合いで使うというのが原則なのではないかと思うのです。そういう意味では、例えば成長期という成長の中に、ほかの分野で使っている発育・発達ということを併せて成長期と捉えて成長期と言っているとすれば、そういう定義の仕方があるのではないか。
 もう少し具体的に言いますと、もちろん分野が違えば定義も違ったり、使い方も違ってくるので、こうじゃなければいけないということはないわけですけれども、成長というのは成長して成熟する。それから、発育、発達を併せて成長、そして成長することによって成熟するというような定義でまとめられているところもあるわけです。そういう意味で、成長というのを形態的な変化だけでなく、機能的な変化も含めて成長というのか、発育というのは形態的な変化と機能的な変化を含めて発育と定義するのか。それは分野によって違うのですけれども。
○加藤座長 木戸先生、すみません。いろいろなところが、いろいろな定義をしていますので、ここで言葉の定義をするのはちょっと不可能ですから、今まで使ってきた言葉でやっていただくということで、この場は過ごさせていただけませんか。少なくともここの場所で、ほかに例えば小児科とかそういったところがいろいろな定義をしていますので、ここでこういう定義をしましたという話にはならないと思いますので、その定義の話はちょっと待っていただけませんか。
○木戸構成員 分かりました。
○加藤座長 定義の話になったら明日までかかっても終わりそうにないので、切らせていただきました。すみません。
 ほかに何かありますでしょうか。
 では、次に進ませてください。栄養教育、武見先生、お願いします。
○武見構成員 さっき言ったことに関してですけれども、ソーシャル・キャピタルは公衆栄養で既に現行でも「ソーシャル・キャピタルの醸成と活用」と入っていますので、こちらから外すのは多分問題ないのかなと考えました。
 それから、小項目を削るという話に関してなのですけれども、加藤委員長のお話を聞いてもう一度改めて見ると、例えば2番の「栄養教育マネジメント」をちょっと見せてもらっていいですか。次回に向けてもう一度考えますけれども、例えばこのCの「栄養教育の目標設定」の中に目標の種類を全部並べているのですけれども、極端に言うとこの小項目は目標の種類という言葉で全部統括してしまってもいいような話なのですね。同じことが評価にも言えます。評価も企画評価、経過評価、影響評価とざっと並べているのですけれども、小項目はあくまで例示でもっと包括的にということであれば、ここもまとめて評価の種類というふうにしてしまってもいいような話が幾つかあって、若干栄養教育の中だけ見ても、実はこの小項目の大きさが結構ばらばらなのですね。やけに細かいものと大きいものがあって、なのでもっとすっきり減らして考えてもいいということであれば、そういう考え方もあるかなと思います。
 逆に増やしたところに関して言えば、応用栄養学はやはりライフステージ、成長の分類だったと思います。こちらはどちらかというとその場、栄養教育の場という設定での表現にしてあるので、そこはもちろんかなり重なっていますけれども、違うので、ここの小項目は今回出させていただいたような形で、今、ちょうど画面共有されているような感じです。そういう形のものがあるといいのかなと思って提案しました。
 中出先生、補足があればお願いします。
○中出構成員 私も同じように、目標とかのところが細かいので、まとめられた方がすっきりするかなということは感じておりましたので、少し整理はできるかと思いますが、一方で、やはり場の設定はあまり丸めるよりは、今のような感じにした方が応用栄養との整合性からもいいと思います。こういう形でさせていただければありがたいです。
 あと、給食と公衆栄養とちょっとダブっているものがありますので、その辺もすみ分けをしていくことが必要かなというふうに思いました。以上でございます。
○加藤座長 ありがとうございます。決して私は減らし屋ではございませんので、減らせ減らせというよりは、むしろ先生方が作問していただくときにあまり細かくなっていると作問がしにくいのではないかなと考えての発言でございますので、必要な部分はもちろん入れていただいていいですし、何が何でも減らせと言っているわけでは決してございませんので、お許しいただきたいと思います。
○中出構成員 ありがとうございます。
○加藤座長 ほかはよろしいですか。
 それでは、次は臨床栄養ですね。お願いします。
○塚原構成員 よろしくお願いいたします。まず、臨床栄養の場合には一番上のねらいのところで正副委員長の先生方から御意見をいただいているので、そこから議論かと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○加藤座長 そうですね。ちょっと議論させていただきますと、まず、先生が言われるNCPというのは非常に講義とか授業の中でも出てきている、というのはまさにそのとおりだと思うのですが、先生が言われるように、思いのほか現場で普及していないという現実と、それとほかの職種にまだ通用していない言葉ではないかということ。さらに、科目間で見ると栄養ケア・マネジメントというのが全ての科目間を横断しているということも含めて、あまり国家試験でNCPというのを前面に出して卒業生が国家試験でNCPだといって現場に入っていくのはむしろマイナスではないかという観点でお話をしたということと、栄養ケア・マネジメントの方がはるかにNCPよりも大きな概念であるということで、少なくとも大項目にNCPという言葉を持ってくるのはちょっとおかしいのではないかということ。
 それと、やはりNCPは手法の一つだという理解で、例えばカルテの書き方というか、そういったことに関しては考え方としては非常にいいのかもしれませんけれども、決して栄養ケア・マネジメントを凌駕するものではないということで、栄養ケア・マネジメントをNCPに置き換えるのはちょっと問題ではないかというか、考え直していただきたいということが1点。
 もう一点は栄養ケアという言葉と栄養管理という言葉ですが、前回のガイドラインの作成のときもやはり栄養管理というのが一番大きな概念だとなって、栄養ケアというのはある意味よく分からない、曖昧なところがありますので、栄養管理を栄養ケアに置き換えていただくのもちょっと問題があるのではないかということをここで述べさせていただいているということです。
○塚原構成員 ありがとうございます。まず先に栄養管理のところですけれども、もちろん私も栄養管理が一番大きな広く包む上位のものだと思っています。今回、栄養ケアで下に先に入れたので、栄養ケアという用語の統一と思って書いてしまったのですけれども、栄養管理の大きな方で統一するということに関しては異論ございません。
 NCPのところですけれども、ただ、私は栄養ケア・マネジメントと栄養ケアプロセスとどちらが大きいのかとなると、例えば国際基準の方からいくと、栄養ケアプロセスから栄養診断を取って日本に入ってきたものが栄養ケア・マネジメントとなると、大きさからいくと栄養ケアプロセスのほうが大きくて、お互いに栄養管理をする手段として考えるとすれば、栄養ケア・マネジメントと栄養ケアプロセスとやり方が同じで、国際基準に合わせていかないといけない、これから日本もこういうふうに進んでいくと思います。もちろん病院はまだ少ししか使っていないので全然これからだと思いますけれども、時期尚早という意味でまだまだ栄養ケアプロセスが国家試験のガイドラインに出てくるのは早いというのは確かに、私もそれはそうかなと少しは思っております。
○加藤座長 おっしゃるとおりです。時期尚早というか、やはり教育現場できちんとまず管理栄養士が教育されて、その管理栄養士が医師とか看護師とかそういった多職種協働で動いていますので、しかも介護現場なんかでは栄養ケア・マネジメントに対する加算と今なっています。そういった状況で管理栄養士だけが、そこで私たちは栄養ケアプロセスよといったのでは、恐らく学生たちがかわいそうではないかなということを思っています。先生たちが今一生懸命頑張って教育してくださっていますので、教育は教育として必要だと思いますけれども、先生のおっしゃるとおり、国家試験ガイドラインに今これを前面に載せるのは時期尚早だと個人的には思っていますが、栄養ケア・マネジメント辺りに御造詣の深い応用栄養学の榎先生、小切間先生、何か御意見を言っていただけるとありがたいのですが、いかがなものでしょうか。
○榎構成員 榎です。今回、塚原先生から臨床栄養学は栄養ケアプロセスをというお話はございましたので、小切間先生と私ももう一度いろいろ調べ、これまでの経緯などをしっかりと勉強して出した結論が、臨床栄養学の正副委員長の先生方が書いてくださった内容、私たちの話を聞いていたかのようなことが書いてございましたので、まさに同じ意見でございます。
 また、今回このガイドラインは非常に重要な業務ということで、勝手に自分の意見だけ述べてもいけないかなということで、実は今日会議ということもございましたので、大体500床から1,000床ぐらいの病院の管理栄養士の責任者の先生にもこの件を少し聞いてみましたところ、まずもって電子カルテの基本セットに入っていないとうことと、やはり医師をはじめ多職種との共通言語になっていないので、使うことは難しいのではないか、ただ、一方で、先ほど加藤先生もおっしゃったような気がするのですけれども、考え方を電子カルテの記載方法の参考にするのはいいのではないかということでした。このような意見がございましたので、まだちょっと現場では、私が思ったよりも浸透していないんだなというのが自身の感想でございます。
 私からは以上です。
○加藤座長 小切間先生、何か付け足していただけますか。
○小切間構成員 もう十分御説明いただいたとおりでございます。それと、やはり今の学生のため、間もなく大学に入学する学生のためのガイドラインですので、私は今回の件に関しては、時期尚早かなと理解いたしております。
 以上です。
○加藤座長 ありがとうございます。ほかの先生方で何か御意見がありましたら。
○塚原構成員 竹谷先生、いかがですか。
○加藤座長 竹谷先生、いらっしゃいますか。
○竹谷構成員 竹谷です。ありがとうございます。御意見はおっしゃるとおりで、私も理解できますし、もちろん栄養ケアプロセスの考え方というのは、共通の言語でというよりも、やはり今の段階でいけば管理栄養士の栄養管理を進めるに当たっての考え方とかそういうところで必要なものだと思いますので、専門教育としてやる部分と、今回幾つかあって、多職種連携という言葉を整理していくことと、国際化とか、その中で管理栄養士としての専門教育をどうしていくかということを3つ考えていかないといけないと思うのです。専門教育という点でいけば、栄養ケアプロセスというのを考え方として学んでもらうということを入れてはどうかということで今回塚原先生とかと検討させていただいたのですけれども、多職種連携というところを主に考えていくということであれば、栄養ケア・マネジメントというところも元に戻して、栄養管理というのが一番大きなくくりでいくということでいけば、臨床栄養学のところでいくと、栄養管理という言葉が恐らく内科の教科書とかを見てもそういう形で書かれているので、一番ほかの医療職種の方にも理解していただけるような言葉として統一するのがいいのかなと考えています。
○加藤座長 ありがとうございます。先生方のおっしゃるように、教育としては栄養ケアプロセスを教育していっていただくというのは非常に重要なことかとは思いますけれども、国家試験の今のガイドラインには時期尚早というか、先生がおっしゃるようにちょっと専門性過ぎるような気がしますが、栄養ケア・マネジメントという言葉自体は既に他職種で使われていて、しかも保険点数にも入っていますので、これは残していただく必要があると思います。そのような感じで、塚原先生、いろいろ御不満もあろうかと思いますが、私たち正副委員長の意見として御考慮いただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○塚原構成員 ありがとうございます。
○加藤座長 ほかによろしいでしょうか。
○塚原構成員 あと1ついいですか。あと用語のところは、藤岡先生のところといろいろまた合わせてもらって検討していきたいと思います。
○加藤座長 個人的なことを言うと、大項目3の栄養ケア・マネジメント、PEUという言葉になっているのですが、この言葉はいいと思うのですけれども、PEMがいきなりPEUになるとちょっと分からなくて、リハビリが今いろいろなところで活躍しているので、リハビリとかではPEUという言葉が出てくるし、国際文献にも出てくるかもしれませんが、これは、たんぱく質・エネルギー低栄養状態という意味になるのですか。
○塚原構成員 はい。
○加藤座長 そうすると栄養失調症という言葉も残さなければいけないし、PEUも残すと。PEUを使うのであれば、できればPEUというのは後にして、PEMを最初に残しておいていただいて、今後PEUという言葉に移行していけば、そのようにしていただきたいと思いますが、今、授業の中でPEUという言葉が出てきたら、誰もついていけないかなと思います。
 それともう一個、ついでにすみません。大項目1の先生が言われた臨床推論という言葉なのですが、確かに新しい言葉でいいのですが、もともと医師の中では結構使われている言葉なのだと思うのですけれども、これは職種によって意味合いが結構違ってくるのだろうと思うのです。管理栄養士の教育の中で恐らく現実的には既に行われている話なのかもしれませんね。いろいろな情報を集めてそういう診断をしていくというのが医者の方ではそうだと思うのですけれども、ただ、この言葉自体はほとんどまだ理解されていないのではないかと思いますので、国家試験のガイドラインに載せるのは、これも時期尚早ではないかなと私自身は思っていますが、この言葉を先生方はちゃんと教育されているのか。これから教育しようというのであれば、教育カリキュラムに載せていただきたいかと思います。
○塚原構成員 確かに教科書にはまだほとんど出てきておりません。やっと少し新しい教科書でPEUとしている感じだと思います。
○加藤座長 教育カリキュラムを作っていただいて、そこで教育していっていただくということで、ちょっと国家試験のガイドラインにこの言葉をいきなり載せるのは時期尚早かなと思っておりますので、よろしくお願いします。
 榎先生。
○榎構成員 すみません。時間もないので1点だけ。「出題のねらい」のところの3つ目なのですけれども、多疾患併存、Multimorbidityについて、本当に私は大賛成なのですけれども、用語の確認だけするといいかなと思っています。私自身はComorbidityが併存症というように考えていて、今回これが事前に送られてきたので少し調べたら、PubMedのMeSH機能で調べるとComorbidityの方が上位語で、Multimorbidityは下位用語になっていて、同じように医学中央雑誌のシソーラスで調べると、Comorbidityは共存疾患でMultimorbidityは多疾患罹患と書いてあるので、どの用語が一番いいのかというのは私もよく分からないのですけれども、一番いいものというか、載せた方がいいものに変更するのか、または英語はやめるのか、英語を使うのかというところを御検討いただけるといいのかなと。ComorbidityはCharlson Comorbidity Index;CCIというものを随分前から老年医学の教室では、疾患の数と重症度で重みづけをして解析をしてきたので、Comorbidityの方が私はなじみがあるのですけれども、そこも含めて一度お調べいただけるといいなと思っております。
 以上です。
○加藤座長 ありがとうございます。Comorbidityという言葉はもちろんあるし、Indexという言葉になっていますからね。ただ、ここでこの言葉を入れなければいけないのかどうかということも含めて、日本語だけで十分ではないかということも今ちょっと言われたと思うのですが、例えば多疾患の併存という用語でも十分ではないかなと今見ていて思ったのですが、そこでこの言葉を使うことが必要かどうかも一緒に考えていただけるとありがたいと思います。
○塚原構成員 ありがとうございます。分かりました。
○加藤座長 では、そんな感じで進めていっていただいて、また今月中に出していただくことになりますので、よろしくお願いします。
 ちょっとすみません。時間が、不手際で申し訳なのですが、「公衆栄養学」に移りたいと思います。よろしいでしょうか。林先生、何か言われることはありますか。付け足し、特になければ。
○林構成員 特にありません。髙𫞏先生、何かございますか。
○髙𫞏構成員 特にないです。大丈夫です。
○加藤座長 ありがとうございます。先生のところ、少し小項目に必要な言葉を入れてくださったということと、マイナーチェンジぐらいしか実際にはないかなと思っていますが、必要な言葉を入れていただいていると思っています。
 武見先生。
○武見構成員 すみません。時間もないのに申し訳ないのですけれども、さっき修正してくださった食品の生産・流通というところ、あそこにやはりフードシステムという言葉が必要ではないかなと。そこを御検討いただきたいということと、あわせて最後の食環境づくりプログラムでしたっけ。あそこの表現の中に、例えば特別用途食品とかが入っていて、あれは食べ物と健康で要するに基本的な定義とかを習っているので、ここでその活用のことまでが入ってくるのか。実際の保健所業務にあるのは分かっているのですけれども、ちょっとその辺の整理も必要かなと思ったので、その辺も御検討いただければと思います。
○林構成員 ありがとうございます。
○加藤座長 ありがとうございます。ほかに先生方、何かありますか。
○榎構成員 榎です。すみません。もう一点だけお願いします。粒の大きさという話が出たので、「公衆栄養学」の「栄養疫学」が大項目に入っていて、「社会・環境と健康」のところは疫学の話は中項目から出てくるので、実はこのガイドラインに入る前から気になっていたので、実際に公衆栄養の栄養疫学は食事調査の話になっているので、その辺のバランスがちょっと気になりましたという意見だけです。すみません。
 以上です。
○加藤座長 林先生、これはいかがなものですか。
○林構成員 公衆栄養のところの栄養疫学の方は集団の栄養状態をつかむというところを主題にしているものですから、社会環境の中の健康の指標をつかむようなところよりもちょっと大きめにもともと作ってある経緯が過去からありまして、ここのところは例えば食事調査法にしても他の科目、栄養教育論であったり、応用栄養学であったり、臨床栄養学であったり、給食経営管理論であったりとか、そういった他の分野の管理栄養士さんたちも利活用ができるということを念頭に置いて、たしか一番最初の方からできていたかなと思っていまして、ちょっと大きめになっているという理解だったのですけれども。
○加藤座長 ありがとうございます。大項目がふさわしいということであればそれでいいと思うのですが、ちょっとほかとの関係で中項目ぐらいではないですかという御意見があったということを御考慮いただいて考えていただいたらと思います。よろしくお願いします。
○林構成員 ありがとうございます。
○加藤座長 ほかはよろしいでしょうか。
 それでは、給食に行きたいと思います。田村先生、お願いします。何か付け加えることがあれば。
○田村構成員 いえ、特には。神田先生から何かあればお願いします。
○神田構成員 ありません。
○加藤座長 石田先生から。
○石田副座長 科目間の調整ということでいけば、先ほどのHACCPの話と、あと栄養教育のマーケティングのところを科目間の先生方で検討していただくことになるかなと思います。
○加藤座長 よろしいでしょうか。そうしたら、先ほど応用力試験のことで基本的な大枠としては問題がないということで、一応御意見をいただいているのですが、基礎栄養学からいただいた口腔嚥下機能を入れたらどうだという御意見ですが、そこだけ突出するというのもおかしな話で、ここにありますように個人の身体状況というところで口腔嚥下機能も十分含まれるのではないかと理解をしております。
 次の武見先生の個人の意見ですというところは、ちょっと理解できない先生もいらっしゃると思うので、簡潔に説明いただいてもいいですか。
○武見構成員 すみません。応用力はいろいろな知識を統合するということで、今まで私は総務委員としてやってきたのですけれども、一つの科目の中での状況設定のつながりということで出題されてる問題もあれば、科目間を横断しているものもあります。もちろん両方必要だと思うのですけれども、一方で各科目の中にもまさにつながり、一つの科目の中でつながって、例えば給食なんかも結構そういう問題が多いのですけれども、それを応用力という枠ではなくて、それぞれの科目の中で問う方が、よりその科目の中の統合した力を問えるのではないかということで、そのような応用力問題と本当に複数科目をまたがって統合していくようなものということに少し整理をするような見直しをしてはどうか、という提案です。どんな形で何題とか、それは今後の話だと思いますけれども、そこを少し見直すというか、今回整理してみたらどうかということで御提案しました。
 ○加藤座長 ありがとうございます。意味がよく分かりました。応用力試験は30問あるのですが、先生がやられている例えば栄養教育などというのは、むしろ少しこういったリード文があってというか、説明文があって問題を作った方が非常にそれらしい問題になるというのもあるかなというので、例えば今、栄養教育で15問作るのであれば、そのうちの3問連続で応用力問題もどきの問題を栄養教育のところで入れたらどうかと。あるいは臨床のところでも、今は1問が1つの質問の形になっていますけれども、例えば2問連続の問題を作ってはいかがですかという御意見と思いますが、そういう理解で間違いないでしょうか。
○武見構成員 そうです。それを各科目の中に置くのか、それとも応用力というふうに統合するのかは今後の検討だと思いますけれども、一つの科目の中で、特に公衆栄養とか臨床はそうだと思うのですけれども、いわゆるPDCAを考えると、まさにその中でつながっていくことが必要ではないかなということでの意見です。よろしくお願いします。
○加藤座長 ありがとうございます。応用力試験そのものが複数の科目にまたがるというところがベースにあるかと思うのですけれども、先生の意見は大変貴重な意見だと思いますが、実際には作問委員会マターかなという感じもいたしますので、ちょっとガイドラインのここで持っていくよりは、作問委員会に持っていったらどうかと個人的には思うのですけれども、それに関して、事務局、何かありますか。
 ない。ありがとうございます。
 先生、どうですか。なかなかガイドラインのここで決めるという内容ではないので、具体的にそういった作り方があってもいいと私も思うのですけれども、作問委員の負担もいろいろ変わってくるかもしれませんので、そういうことも含めてまた議論させていただいたらと思いますが、そこでいいですか。
○武見構成員 結構です。
○加藤座長 それでは、先生方、全体を通して何か御意見とかがありましたら言っていただけるとありがたいのですけれども、よろしいですか。
 どうぞ、お願いします。
○栗木構成員 栗木と申します。
 先ほど「社会・環境と健康」の疫学と「公衆栄養学」の中の栄養疫学で少し似通っているのではないかということと、栄養疫学を専門としていますと、このままでもよろしいのではないかなということと、公衆栄養の先生と綿密に打合せもできているので、このままお考えいただきたいなと思います。個人の意見となります。
 以上です。
○加藤座長 ありがとうございます。またちょっと考えていただいて、公衆栄養とお互い連絡を取り合って、その辺のところ、このままでいいということであればもちろん結構だと思いますので、林先生、またよろしくお願いします。
○林構成員 ありがとうございます。
○加藤座長 それでは、先生方、不手際で時間が遅れてしまいましたけれども、活発な御議論をいただきましてありがとうございました。冒頭に申し上げましたが、今回の科目の改正案につきましては、本日の御議論を踏まえまして、いま一度御検討をお願いして、その上でまた作成していただいた案を提出していただくことになろうかと思いますので、詳しい今後の手続に関しましては、事務局からお願いします。
○清野栄養指導室長 事務局の清野です。
 本日、活発に御議論いただきましてありがとうございました。本日の議論を踏まえまして、各科目の改正案の修正につきましては、11月下旬を目途に事務局まで御提出をお願いしたいと思っております。
 なお、科目間の調整が必要なところもあるかと思いますので、各科目間の先生方で調整いただきまして、御提出をいただければと思います。
 なお、調整に当たりましてお困りごとがございましたら、事務局に御連絡をいただければと思います。
 具体的な締め切りの日程につきましては、追って事務局から御連絡をさせていただきます。
 また、第4回の検討会は12月の開催を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。ありがとうございました。
 

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