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2022年10月31日 第2回令和4年度管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定検討会 議事録

健康局健康課栄養指導室

○日時

令和4年10月31日(月)15:00~16:00

 

○場所

AP東京八重洲Sルーム及びオンライン


○出席者

構成員<五十音順・敬称略>
 

       石田 裕美(女子栄養大学 教授)
      
       榎 裕美 (愛知淑徳大学 教授)
      
       大口 健司(椙山女学園大学 教授)
      
       加藤 昌彦(椙山女学園大学 教授)
      
       栢下 淳(県立広島大学 教授)
      
       木戸 康博(甲南女子大学 教授)
      
       栗木 清典(静岡県立大学 教授)
      
       髙𣘺 佳子(和洋女子大学 准教授)
      
       竹谷 豊(徳島大学大学院 教授)
      
       武見 ゆかり(女子栄養大学 教授)
      
       田村 朝子(新潟県立大学 教授)
      
       塚原 丘美(名古屋学芸大学 教授)
      
       中出 美代(東海学園大学 教授)
      
       濱田 俊(福岡女子大学 教授)
      
       林 宏一(武庫川女子大学 教授)
      
       藤岡 由夫(神戸学院大学 教授)
      
       横山 徹爾(国立保健医療科学院 生涯健康研究部長)
      
       吉池 信男(青森県立保健大学 学長)
      
       和田 政裕(城西大学 教授)


○議題

(1)今回の改定に関する総論的検討事項として、多職種連携に必要な知識及び技能について
(2)その他


○議事

○清野栄養指導室長 それでは、ただいまより第2回「令和4年度管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定検討会」を開催いたします。
構成員の皆様方には、御多忙のところ御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
それでは、これ以降の進行につきましては、加藤座長にお願いいたします。
○加藤座長 改めまして、先生方こんにちは。本日も大変お忙しい中を御参加いただきまして、ありがとうございます。
それでは、早速、検討事項に入っていきたいと思います。本日は、総論的内容についての検討となりますので、どうぞよろしくお願いします。
それでは、議事次第に従って進めていきたいと思いますので、議事(1)について事務局から、まず説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○吉川試験免許係長 それでは、資料1について説明いたします。
本日は、ただいま座長から御説明がありましたように、令和4年度管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定における総論的検討事項について御議論いただきます。本資料では、本日の議論の論点と事務局の方向性の案をお示ししております。
2ページには、第1回検討会の資料3から、今回のガイドライン改定における主な論点を抜粋しております。総論的検討事項については赤枠のとおり、多職種連携に必要な知識及び技能について2つの論点をお示しいたしました。1つ目が保健医療分野共通の事項に関するほかの保健医療関係職種の国家試験の出題状況、近年の保健医療分野の国際化の進展等を踏まえた難易度、2つ目が管理栄養士の活躍領域や業務内容を踏まえた出題問題の範囲の妥当性及び出題採点方式(必修問題の出題等)としております。
本日は、これらの論点について、1つ目を前半の保健医療分野共通の重要に関する他の保健医療関係職種の国家試験の出題状況と、後半の近年の保健医療分野の国際化の進展等の2つに分けて御議論いただきたいと考えております。
また、2つ目の、出題問題の範囲の妥当性の部分については、次回の検討会で御議論いただきたいと考えております。
3ページには、ただいま御説明しました総論的検討事項をお示ししております。
マル1が保健医療分野共通の事項に関するほかの保健医療関係職種の国家試験の出題状況を踏まえた難易度です。注1にお示ししているとおり、本日の議論に当たっては、医師、歯科医師、薬剤師、看護師等の国家試験の出題状況を御説明した上で、事務局から改定の方向性の案をお示ししております。マル2が近年の保健医療分野の国際化の進展等を踏まえた難易度、マル3が管理栄養士の活躍領域や業務内容を踏まえた出題採点方式としております。
それでは、各論点について御説明させていただきます。マル1の保健医療分野共通の事項に関する保健医療関係職種の国家試験の出題状況を踏まえた難易度につきまして、ほかの保健医療関係職種の国家試験における出題状況をお示ししています。5ページは医師の国家試験の問題です。患者の必要エネルギーを満たすための静脈栄養投与量を問う問題が出題されております。この問題の解答はスライドにお示しのとおり、解答欄のマル1、マル2、マル3の3桁の数字をそれぞれマークシートで選ぶ形になっております。正答を導き出すために必要な値は全てリード文に示されておりますので、そこまで複雑ではございませんが、基礎的な知識あるいは技能を問う問題であると言えます。
6ページです。次に、歯科医師については、栄養投与経路を選択する問題が出題されております。患者の状態等から適切な栄養投与ルートを解答するものになりますが、管理栄養士にとっては基本的な知識になりますけれども、このような問題が歯科医師でも出題されております。
続いて7ページでは、2つの例をお示ししております。まず、上段については日本人の食事摂取基準を活用した問題が出題されております。この問題は、食事摂取基準の内容の理解と、現在の日本人の平均摂取量に関する知識が必要であり、管理栄養士にとってもやや難易度が高いように思えますが、ほかの職種においてこのようなレベルの問題が出てきているという点は考慮しておく必要があるのではないかと考え、お示ししております。
また、下段に関しては、化学物質の定量分析としまして、中和滴定の問題が出題されております。滴定そのものについては、管理栄養士の業務に直接関係はありませんが、ほかの職種で出されている問題の一例として参考までにお示ししております。
8ページには、看護師の国家試験の問題をお示ししております。看護師の業務として必要となる薬液量を問う問題が濃度計算として出題されております。濃度計算については、管理栄養士にもなじみのあるものであり、参考として紹介させていただきました。先ほどの医師国家試験と同様、自記式と変わらないような計算問題が出されておりまして、正確な知識、計算力が問われていると言えます。
ここまでほかの保健医療関係職種における出題例を御紹介いたしましたが、これらはあくまでも一例であり、似たような問題がほかの年においても出題されている状況でございます。
9ページには、ここまでの多職種の状況を踏まえた論点のまとめをお示ししております。まず、現状として1つ目ですけれども、ほかの保健医療関係職種の国家試験においては、多職種連携による栄養管理を行う上で必要となる基礎的な栄養の知識や技能を問う問題が出題されています。2つ目に、このような問題が出題されているということは、すなわち管理栄養士は栄養専門職として多職種連携による栄養管理において、その専門性を十分に発揮することが期待されており、管理栄養士国家試験はこうした知識や技能を確認するためのものとして重要な役割があることを改めてこちらに書かせていただいております。
こうした点を踏まえまして、矢印の下ですけれども、管理栄養士国家試験においては以下の対応としてはどうかということで、事務局の案をお示ししております。まず、栄養管理に関する知識や技能を問う問題については、多職種連携を前提に栄養専門職としての専門性を的確に問える難易度となるよう、引き続き留意の上、出題するということです。先生方におかれましては、これまでもこの点を考慮した上で問題を作成していただいていることは十分に承知しておりますけれども、本日御紹介しましたとおり、ほかの職種においても栄養管理に関する問題が出題されており、管理栄養士の国家試験においては、ほかの資格以上に難易度の高い問題を出す必要もあるのではないかということでお示ししております。
2つ目、多職種連携の際、保健医療関係職種に共通して必要となる基礎的な知識等については、他の保健医療関係職種の国家試験における栄養管理に関する出題状況を参考に、適切な難易度の問題を出題するということです。こちらは、ほかの職種が栄養管理に関する問題を出していることから、反対に管理栄養士の国家試験においても、ほかの職種の問題を出題していくべきではないかということです。この点、例えば、薬剤や疾患、治療法等は、現在の国家試験でも出題されておりますけれども、その難易度については、ほかの職種における栄養管理に関する出題内容も参考にしながら設定してはどうかということでお示ししております。
次に、マル2の近年の保健医療分野の国際化の進展等を踏まえた難易度について御説明申し上げます。この論点についてもほかの資格の状況を基に整理しております。まず、医師国家試験における例をお示ししております。医師国家試験では、平成19年の医師国家試験改善検討部会報告書において、国際性の重要性について明記されております。四角で囲んでいる部分は、医師国家試験改善検討部会報告書の抜粋です。平成19年の報告書において、国家試験における英語問題の出題が議論されておりまして、具体的には下線部に「国際性等も重要な事項であり、医師国家試験として対応する必要性及び方策について、共用試験等の内容の充実も求めながら引き続き検討していくことが望ましい」とされております。
その上で12ページに英語問題の出題例をお示ししております。専門用語について日本語と英語の組合せを問う問題であり、平成21年や平成31年に出題されています。
13ページですが、同様に歯科医師では、平成19年の歯科医師国家試験制度改善検討部会において、今後検討すべき事項として、英語等の外国語によるコミュニケーション能力について明記されております。具体的には、「歯科保健・医療分野で必要とされる英語等の外国語によるコミュニケーション能力を習得しておくことも必要であり、これを考慮した試験のあり方について中長期的に検討していくことが望ましい」とされております。
報告書を踏まえた問題の例を14ページにお示ししております。医師とおよそ同時期から簡単な英語と日本語の組合せ問題が出題され始めております。なお、医師あるいは歯科医師については、導入の当初はこのような問題でしたけれども、現在では問題文、解答肢ともに英語である問題等、更に発展した内容で出題されている状況でございます。
続きまして、15ページには薬剤師の例をお示ししております。こちらは正確には英語問題とは異なるかもしれませんが、スライドに示した図が提示された上で、その適切な英語を解答する問題が出されております。問題の内容は、医薬品安全対策情報の英訳を問うものであり、今回の議論に当たって参考になるのではないかと思い、こちらも紹介させていただいております。
16ページには、近年の保健医療分野の国際化の進展等を踏まえた難易度に関する論点のまとめをお示ししております。現在、公表されている報告書において、英語問題について言及されているのは医師、歯科医師となっていますが、これらの資格ではそれぞれの専門領域や職務を踏まえた英語の問題が出題されております。こうした状況を踏まえて管理栄養士国家試験においては、多職種連携が一層進む中で、保健医療関係職種共通に広く用いられており、管理栄養士も知っておくべき英語の用語あるいは管理栄養士の専門領域に係るものとして知っておくべき英語の用語、これらについてその理解を確認するための問題を導入してはどうかということで案をお示ししております。
続きまして、マル3の管理栄養士の活躍領域や業務内容を踏まえた出題採点方式でございます。18ページには、現在のほかの職種における必修問題等の出題状況をお示ししております。現在、医師、歯科医師、薬剤師、看護師については必修問題あるいは必須問題が出題されております。この中で医師、歯科医師、看護師については「必修問題」という名称で出されており、薬剤師においては「必須問題」という名称で出されております。
その具体的な内容をスライドの表にお示ししております。カギ括弧の部分は出典の記載をそのまま引用しているものです。例えば医師では、必修問題の合格基準は、絶対基準を用いて最低の合格レベルを80%とすること。歯科医師については、必修問題は、歯科医師として必ず具有すべき基本的な最低限度の知識及び技能を有する者を識別する目的で出題されていることから、絶対基準を用いた合格基準を設定していること。また、表にはお示ししておりませんが、歯科医師の必修問題の合格基準については、毎年試験の合格発表の際に公表されており、直近の令和4年の試験に関しては80%以上とされているところです。
次に、薬剤師については「必須問題」という名称で、必須問題は、医療の担い手である薬剤師として特に必要不可欠な基本的な資質を確認するものであることに鑑み、各科目における基礎的な内容を問うものとして記載されております。合格基準についても、全問題の配点の70%以上で、かつ、構成する各科目の得点がそれぞれ配点の30%以上であることとされております。
また、看護師については、看護師国家試験における必修問題は、看護師にとって特に重要な基本的事項を問うものであることから、限られた範囲の中で問うことが妥当であると考えられると明記されております。
次に、禁忌肢を含む問題の出題についてです。現在、医師、薬剤師において禁忌肢を含む問題が出題されております。19ページの表は、先ほどの必修問題と同様に公表資料を基にまとめたものになります。カギ括弧は出典の記載をそのまま引用しているものです。
例えば、医師では医師国家試験における禁忌肢は、平成9年の第91回医師国家試験から導入され、「患者の死亡や不可逆的な臓器の機能廃絶に直結する事項」を新たに禁忌肢問題として出題することとされております。また、合否の基本的な考え方においても「必修問題、必修問題を除いた一般問題・臨床実地問題の合計の得点と、禁忌肢の選択状況をもとに決定する」と明記されております。
また、薬剤師については、禁忌肢の導入にあたっては、公衆衛生に甚大な被害を及ぼすような内容、倫理的に誤った内容、患者に対して重大な障害を与える危険性のある内容、法律に抵触する内容等、誤った知識を持った受験者を識別するという観点から作問することとするとされており、合格基準についても「禁忌肢の選択状況を加味する」とされております。
20ページが、管理栄養士の活躍領域や業務内容を踏まえた出題採点方式の論点のまとめです。ただいま御説明しましたように、必修問題、必須問題は医師、歯科医師、薬剤師、看護師の国家試験において出題されております。また、禁忌肢を含む問題は医師、薬剤師の国家試験において出題されております。他の保健医療関係職種の国家試験の状況が上記の状況である中、管理栄養士国家試験においては、以下のとおりとしてはどうかということで案をお示ししております。事務局としては、管理栄養士の活躍領域や業務内容は、他の保健医療関係職種の活躍領域に比べて多領域に及んでおり、専門職として持つべき知識等について、必修、必須あるいは禁忌肢等と一律に分類することが困難な状況であると考えております。また、仮にこうした出題採点方式を採用した場合に、活躍領域間で差が生じない公平・公正な出題とすることが困難なのではないかと考えておりまして、このため、必修問題・必須問題及び禁忌肢を含む問題は出題しないことが事務局としての案となります。
以上が、総論的検討事項の議論に向けた事務局の説明でございます。
○加藤座長 説明ありがとうございます。
少しボリュームが多くなっていますので、先生方には、お手元の3ページで3つに分かれていますが、まず、マル1保健医療分野共通の事項に関する他の保健医療関係職種の国家試験の出題状況を踏まえた難易度という意味で、多職種協働、多職種連携という意味だと思いますけれども、5~9ページの部分から議論を進めていきたいと思いますが、ここでは今御説明がありましたように、ほかの職種でも栄養分野の問題は出されていると。ただ、先生方お気づきになったと思いますが、栄養士の問題としては少し易しい問題かなという感じがしているのではないかということで、管理栄養士の国家試験としては栄養関連に関しては、もう少しレベルの高いものを出してもいいのではないか。もう一方で、ほかの職種が栄養のことも出してきていることがありますので、管理栄養士の国家試験であっても薬剤のこと、あるいは病気のこと、治療のことも、それなりに出していく必要があるだろうと。ただ、その場合の難易度に関しては、かなり専門的になるのは問題があるのではないかといった説明だったと思いますけれども、何か先生方から御質問・御意見がありましたら、よろしくお願いします。
最終的に、9ページ、ガイドラインの最初に書いてある出題の基本的な考え方に入ると思いますけれども、そこに入れる予定のまとめが書いてありますので、これも含めて何か御質問・御意見がありましたら、よろしくお願いします。
9ページを見ていただいて「こうした点踏まえ、管理栄養士国家試験においては、以下の対応としてはどうか」と、総論部分ですので総論的な書き方がしてあるのですが、捉えようによってはかなり広い意味で捉えることができるのですけれども、この辺の文言で何かこうしたらいいというものがありましたら、その辺も含めてよろしくお願いします。
(意見なし)
それでは、また最後に何かありましたら、もう一度お伺いすることにして次に進めていきたいと思います。
それでは、10ページが、近年の保健医療分野の国際化の進展等を踏まえた難易度ということで、コミュニケーションという意味も含め、あるいは外国からの患者さんとか、入ってきている人が増えているということで、少し英語にも慣れ親しんでいただく必要があるだろうということですが、いきなり英語の問題が出でくるのも少し考えものだというのでの、この程度の用語くらいから始めて英語に慣れ親しんでいただくという方向性で、状況を見ながらもっとレベルの高いものになっていくということであれば、それはその時点で考えていただくことにして、とりあえず今回は英語にも少し慣れ親しんでいただこうという意味で、16ページにあると思いますけれども「多職種連携が一層進む中、保健医療関係職種共通に広く用いられており、管理栄養士も知っておくべき英語用語、管理栄養士専門領域に係るものとして知っておくべき英語用語について、その理解を確認するための問題を導入する」という文言を入れておきたいと考えておりますが、この辺りにつきまして、何か御意見・御質問がありましたら、よろしくお願いいたします。
吉池先生、お願いします。
○吉池構成員 2つの点について、例えば、国際という文脈の中で例としてお示ししていただいたような、英語の単語を結びつけるような問題を出すことに反対するつもりは全くありませんし、現実的にはそういうことかなとも思っています。
一方、前回もお話ししましたが、そもそもあるべき教育としての多職種連携、国際という部分と、出口のところで何を評価判定するかということと、国家試験という非常に物理的に限定される中でのテクニカルな話というのは、随分ギャップがあるのかなということを改めて感じた次第です。
ですから、事務局で用意していただいたようなことで検討することに異論はありませんが、これをもって管理栄養士の教育として多職種連携が進むとか、国際化が進むということは全く考えるべきではなく、やはり並行して本来あるべき教育のことをしっかりわきまえた上で、現時点では国家試験ではこの程度のことしか評価できないのでやっていますという、その辺の整理、位置づけ、認識が大事かなと思った次第です。感想です。
○加藤座長 ありがとうございます。まさに、私たちが考えていることを吉池先生にお話しいただいたと思います。教育は教育で全く別物だと思いますので、それはまた考えていただくことにして、先生が言われたように、国家試験でできるところがありますので、まず初めの第一歩ということで、例えば、英語の用語に慣れ親しんでいただこうということなのですが、これはここに例示しただけであって、先生方がもう少しいい尋ね方があるのではないかというのは実際には国家試験のガイドラインではなくて、実際に作成していただくときに頭をひねっていただくということになるのかなと考えています。ただ、吉池先生がおっしゃられたとおり、教育はきちんと国際化に向けて、あるいは多職種協働に向けて行っていく必要があるというのは、まさに私たちが申し上げたいことを先生がおっしゃってくださったと考えております。ありがとうございます。
ほかに何か御意見・御質問等何でもいいですけれども、ありますか。よろしいですか。
(意見なし)
では、マル2もとりあえず、この文面をそのまま生かさせていただくという形で進みたいと思いますので、マル3にいきます。管理栄養士の活躍領域や業務内容を踏まえた出題採点方式(必修問題)の出題等についてに関してですが、ここについては何か先生方の御質問・御意見はありませんでしょうか。
事務局として、先ほど御説明があったのですけれども、管理栄養士国家試験で必修問題や禁忌問題を出すのは難しいのではないかというところに行き着いています。というのは、今回例示させていただいた職種は、ベクトルの向きが同じ方向を向いているのですが、管理栄養士の職種を考えたときには、ベクトルの向きが非常に幅広いこともあって、この分野が最も重要だとか、この分野よりも重要だという順位づけができないということが1点。もう一点が、一部の科目においては、ここだけは重要だということは言えるかもしれませんが、多くの科目において、この部分がこっちよりも大事で知っておいてほしいという問題を作ることが実際には難しいのではないかという考えで、今回は必修問題あるいは禁忌問題は見送らせていただこうというのが事務局の意見となっておりますけれども、そこについて何か御意見等がありましたら、よろしくお願いします。
それでは、時間ももったいないだけですので、今回は、ガイドライン検討委員会におきましては、必修問題あるいは必須問題及び禁忌肢を含むような問題は、それぞれの科目において出していただく問題として、特別新たに分野を設けて出題するということはない。それと同時に、応用力試験の中で、もし必要な部分があれば対応していただくということで進めていきたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○加藤座長 ありがとうございます。
それでは、栗木先生、お願いします。
○栗木構成員 静岡県立大学の栗木と申します。よろしくお願いいたします。
方向性としては、1番から3番まで御用意いただいた内容で私もよろしいのですけれども、実際にこちらでガイドラインがこのように改定していく方向性になった場合、現場の教育としてどう教えていくかということで、例えば英語に関しても、教科書にない英語を教えていくことになっていくのか、多職種連携においても、どのようにどこまで教えていくかがかなり難しいかなと思いました。方向性としては、ガイドラインですからよろしいのですけれども、現場としてはどのように対応していくかが準備期間等、実際に国家試験等で出題しようかなと思った場合に、実際にガイドラインに沿って改定していきながら国家試験に対応するには、非常にタイムラグがあるなと危惧するのですけれども、それはほかの先生方もいかがかなと思いますが、どのような工程表といいますか、お考えでおられるのかについて教えていただきたいと思いました。
以上です。何とぞよろしくお願いします。
○加藤座長 ありがとうございます。先生のまさにおっしゃるとおりで、どこまで教えるのかとか、どういったふうに教えていくのかは、教育の問題として一つあると思うのですけれども、現実的には国家試験を作成する段階でどのレベルを持ってくるのかに限ってくるのかなと思います。今回ここに出したのは、いわゆる用語という形で出しただけなのですが、このぐらいは最低知っておかれる用語だろうなという中で、恐らく今までも既に略語を使っていろいろな問題が出されていると思います。慢性腎臓病に関しては、CKDという形が使われているとか、そういったところからのスタートで、突然非常に高度な英文解釈をすることは現実的には不可能だと思いますので、私個人的なことを言うと、恐らくそのレベルが始まっていかざるを得ないだろうなと。実際に、現場の教育も今と何ら変わりがないと理解していただいていいのではないかと思っております。英語に関しては特にそう思っています。
多職種協働に関しても、今やっておられることが特に多職種協働から外れるという意味ではないので、今回考えていただきたいもう一つのところに、多職種協働で使われる共通の言葉があるかと思いますので、そういった言葉はちゃんと教えていただく必要がある。つまり、管理栄養士だけでしか通用しない言葉を用いるのではなくて、多職種の中で使える言葉を覚えていくこと、それも一つ多職種協働に入っていくことではないかと思います。
○栗木構成員 承知しました。発展的な改定ということで、こちらもよろしいかなと思いました。ありがとうございました。失礼いたしました。
○加藤座長 ありがとうございます。
○石田副座長 今日の3つに共通することなのですけれども、栄養の専門家として多職種に出ている栄養管理に関連するような問題、それ以上のレベルの高い問題が1つは必要だろうという考え方。一方で、多職種のほうの専門がある程度理解できるような問題というのは一体どういうものだろうと、私もここ数日考えていました。そもそも根本がちゃんと分かっているかを問わないといけないかなと。要するに、表面上というか暗記して現象とか言葉は分かっているけれども、本当にその意味が分かっているかということが、多職種と一緒に仕事をしているときに問われてくるのではないかと思います。
例えば、食事摂取基準を読み解けるかどうかといったことも。今、私は給食で食塩摂取量をどうするか、食事中の食塩量をどうするかというところで献立を立てるときに非常に苦慮しているのですが、そもそも学生は食塩相当量って何って分かっていますかとか、ナトリウムから食塩相当量に換算する方法を知っていますかとか、ナトリウムはソディウムですが、外国の輸入食品の表示を見ると何と書いてありますか。それが日本語で分かるのですかとか、ナトリウムやカリウムは、食品中はミリグラムの単位ですけれども、尿中排泄量でナトカリ比などを見るときにはミリグラム、ミリグラムではなくて、モル比あるいはミリモル比で見る論文がほとんど。ミリグラム単位とモル単位との関係性などは分かっているのかとか、あるいは透析になると今度はミリイクイバレントになります。ナトリウム1つをとってもいろいろな単位があり、濃度、あるいは量の表現系があります。そういうことがきちんと分かって多職種と話し合いができているのかが非常に心配になります。
こういった本当の基本のところが揺らぐと、いくら表面的な対処法が分かったとしても、根本のところで真の議論ができていないのではないかという危惧があります。化学の基本のところなのかもしれませんが、食品学の実験や生化学の実験などいろいろなところで学ぶ基本を横断的にきちんと理解できているか。必ずしもこれは栄養管理の上でレベルの高い問題ではないですけれども、基本を理解できるかを問えないのかということを考えてまいりました。
以上ですけれども、いかがでしょうか。
○加藤座長 ありがとうございます。大変貴重な御意見です。確かに、国家試験合格のための表面的なテクニックに走っている部分があるのではないかという御指摘だったと思います。本当に根本的なことをちゃんと知った上で国家試験を解けるという状況になっていただきたいという先生の強い希望だったと理解しておりますので、表面的なことだけを知るのではなくて、ちゃんと原理原則が分かった上で解いていけるような問題を作成していこうというのが、国家試験ガイドラインの根本にあるのではないかと理解させていただきましたけれども、そんなことでよろしいでしょうか。
ここでとりあえず全部ですけれども、マル1、マル2、マル3まとめた上で、先生方から何か御意見・御質問等がございましたら。もしないようでしたら、こちらで準備させていただきました原案に対して、先生方から一部ですけれども貴重な御意見をいただきましたので、また再度事務局で整理し直して、3回目の検討会でお話をしたいと思っています。
この後、事務局から事務連絡をしていただきますけれども、次の第3回検討委員会では、科目別検討事項について御議論いただくといった予定にしておりますので、各科目の改定案につきましては、先生方に事前に作業していただいておりまして、本日が事務局への提出期限になっていますけれども、本日の内容を少し踏まえて、もし検討すべきことがまだあるということでしたら、改めて提出していただく必要はありませんけれども、3回目の会議で、口頭でここはこう直すのだとお話ししていただければいいと思います。前回もお話ししたように、3つのキーワードをもう一度思い起こしていただいて、多職種協働、国際化に加えて、先生方はそれぞれの分野の御専門ですので思い入れも大きいと思うのですが、科目間のバランスがありますので、自分の分野だけ専門的な内容になることは避けていただけるといいのではないかと思っています。
先ほどもお話ししましたが、どんどん新しい用語が出てきて、特に臨床なども人体もそうだと思いますけれども、言葉がガイドラインとともにどんどん変わってきていますので、今使われている言葉、今必要な言葉に置き換えて使っていただきたいと思います。その代表が先ほどお話ししたようなCKDなどもそうだと思いますが、DKD、糖尿病性の腎臓病といった話、あるいは急性腎不全、acute renal failureと言っていたのが、急性腎臓病、腎障害ですか、acute kidney injuryといった用語に置き換わってきていますので、全部それを置き換えろという話ではありませんが、ほかの職種とお話をする中で、管理栄養士だけなぜこんな古い用語を使っているのだとならないようにお考えいただきたいと思います。もちろん、これは私が臨床の話しか分からないのですが、ほかにも給食や応用栄養、基礎栄養でも全く同じことが言えると思いますので、その辺りももう一度確認していただきたいと考えております。
どうぞ。
○藤岡構成員 当初、いただいた資料を見て思ったことは、先生が最後にお話しされた英語です。例えば、病棟や症例検討会みたいな形で周りのスタッフが使っている英語を理解しているかどうか、先ほどのCKDとかCOPDといった言葉を指しているのか、あるいは先生方の授業や講義でも名前はいろいろあると思うのですけれども、特に公衆衛生的な、疫学的な論文を読んである程度理解していく、その上で知っておくべき用語の英語を考えているのか、どちらかなと思っているのですけれども、先ほどの先生のお話ですと、いわゆる病棟や症例検討会で使う病名や検査の英語という理解でいいでしょうか。
○加藤座長 何がいいというのは、すみませんが、今私の口から言えるわけではないのですが、その辺はこれから英語に入っていくというところですので、どのくらいのところまでスタートとして踏み込めるかは、試験を作る段階でそれぞれの分野の先生方に考えていただかないと難しいのかなと思います。
例えば、先生の分野のところで、このぐらいの用語はちゃんと知っておいてもらったらいいのだろうなという話になるのかなと考えますので、この場で何がというところまで申し上げることは難しいと思うのですが、ガイドラインにおきましては英語に少し親しんでいただくという、そのくらいのレベルしか申し上げることができないと思っていますが、それでは問題ですか。もうちょっといいものがあれば、先生から御意見を言っていただければいいのですが。
○藤岡構成員 先生がおっしゃるように、実際にこういった問題を作るということで、例えば、練習問題みたいな形でみんなで1回作ってみて、各先生方のコンセンサスを得られるかどうか、1回試しに作ってみないと分からないと思います。
それと同じように、1つ目の多職種連携のほかの分野に踏み込んだ試験、私は最近フォローできていないのですが、医師国家試験、それから、臨床検査技師の国家試験は毎年チェックしているのですけれども、大分ほかと比べて管理栄養士の国家試験は、少なくとも症例検討会のような疾患・病気に関しては大分踏み込んでいる内容だと思いますので、個人的には少なくとも検査技師などと比べてかなりレベルは高いです。もちろんレベルは正直それほど高くないと思うのですけれども、今の方向性で1つ目の提案は大分いいのではないか。ただし、毎年のいろいろな違う分野の管理栄養士国家試験を改めていって、流れは今以上に皆さんで情報共有して勉強していって、それから考えていけばいいのではないかと考えています。
以上です。
○加藤座長 ありがとうございます。まさに、私も同じことを考えていまして、やはりレベルがかなり高いところはあるのですが、管理栄養士として栄養のことに関しては多職種よりも一段レベルの高いところで問う問題を作っていく必要があるかと思うのですが、多職種に関連して薬の名前をみんな知っておかなければいけないといったところまで入っていく、あるいは病気のところにかなり専門性が高いものに入っていくのは、かなり厳しい状況かなというのは思いますが、先生方に御無理を言って問題を作っていただいていることもありますので、その辺りは先生方が今回の議論を踏まえて、作成委員の先生方にそのくらいのレベルにしてくださいということでお願いする形になろうかと思っております。それでよろしいでしょうか。
○藤岡構成員 はい、ありがとうございます。
○加藤座長 ほかはよろしいでしょうか。
それでは、随分早く進んでしまいまして、先生方の御協力のたまものだと思いますけれども、今後の日程について事務局から連絡をお願いします。
○清野栄養指導室長 次回の日程については、第3回検討会、11月の開催を予定しております。開催案内については後日お送りさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
また、ただいま座長からもお話がありましたけれども、第3回では科目別の検討事項について御議論いただきます。先生方におかれましては、お忙しいところ第3回の検討会に向けまして作業に御協力いただきまして、ありがとうございました。御提出いただいた御意見・御意見については、事務局にて取りまとめの上、第3回の検討会の資料とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
それでは、本日の検討会は、これにて終了させていただきます。ありがとうございました。
 

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