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2019年1月31日 第3回平成30年度管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定検討会 議事録
健康局健康課栄養指導室
○日時
平成31年1月31日(木)15:00~17:10
○場所
厚生労働省 専用第21会議室(17階)
○出席者
構成員<五十音順・敬称略>
赤松 利恵 (お茶の水女子大学 教授) |
石田 裕美 (女子栄養大学 教授) |
伊藤 裕才 (共立女子大学 教授) |
大口 健司 (椙山女学園大学 准教授) |
置村 康彦 (神戸女子大学 教授) |
加藤 昌彦 (椙山女学園大学 教授) |
神田 知子 (同志社女子大学 教授) |
合田 敏尚 (静岡県立大学 教授) |
曽根 智史 (国立保健医療科学院 次長) |
髙地 リベカ (奈良女子大学 教授) |
武見 ゆかり (女子栄養大学 教授) |
田中 和美 (神奈川県立保健福祉大学 教授) |
塚原 丘美(名古屋学芸大学 教授) |
新田 陽子(岡山県立大学 准教授) |
羽生 大記(大阪市立大学 教授) |
弘津 公子(山口県立大学 教授) |
松本 義信(川崎医療福祉大学 准教授) |
吉池 信男(青森県立保健大学 教授) |
○議題
(1)報告書(案)について
(2)その他
○議事
○田中栄養管理係長 では、開会に先立ちまして、配付資料の確認をさせていただきます。
配付資料といたしまして、資料1「管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定検討会報告書(案)」、資料2「第2回検討会で特に議論があった用語の整理」、参考資料1として、報告書(案)の変更履歴付きのものをお配りしております。
また、参考資料2の現行版のガイドライン、参考資料3の第30回~第32回管理栄養士国家試験の問題冊子は、お手元左側のピンクのファイルに挟んでおります。また、ピンクのファイルの中には第1回検討会と第2回検討会の資料を綴っておりますので、適宜御参照ください。
以上が資料ですが、不足がございましたらお申し出ください。
○清野栄養指導室長 それでは、ただいまより、第3回「管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定検討会」を開催いたします。
構成員の先生方には、御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、藤岡構成員は御都合により欠席です。
検討会の開催に当たりまして、健康局長の宇都宮から挨拶をさせていただきます。
○宇都宮健康局長 皆さん、こんにちは。本日は年度末の大変お忙しいところ、御参集いただきまして、誠にありがとうございます。また、9月の第1回以来、御議論に御参加あるいは必要な作業などを行っていただいた先生もいらっしゃいますが、御協力に感謝申し上げます。
さて、管理栄養士の主な業務の一つとして、傷病者に対する栄養の指導というものがございます。御存じのように、今、国を挙げて地域包括ケアシステムの構築というものを目指して様々な施策が打たれているところでございます。そういった中でも特に要介護者、何らかの病気を抱えている方に対して、栄養の問題は非常に重要なものであり、特に最近はフレイル対策なども重要と言われております。
その他含めまして、様々な制度改正あるいは法改正などを踏まえた見直しによって、社会情勢の変化に対応した内容となりますよう、各科目について見直しを行う、あるいは応用力試験につきましては、複雑困難な個別案件などについて、エビデンス、データに基づいた適切な栄養管理を実践できるよう、出題のねらいの見直しを行っていただいているところでございます。こうしたことを通じて、さらなる充実を図るということであります。
本検討会につきましては、本日が最後になる予定でありますけれども、ぜひ、忌憚のない御意見をいただければと思ってございます。
また、今回はまさに国家試験出題基準の改定ということですが、管理栄養士全体の資質の向上ということを考えると、卒前あるいは卒後を含めた研修体制、内容、そういうことも非常に重要でございます。日頃より先生方にはそういうことにもかかわっていただいていると思いますが、卒前・国家試験・卒後、トータルとして今後とも管理栄養士の資質の向上に向けて御指導・御鞭撻いただければと思います。
これらのことをお願いさせていただきまして、御挨拶とさせていただきます。本日はぜひよろしくお願いいたします。
○清野栄養指導室長 局長につきましては、公務のため退席させていただきます。
○宇都宮健康局長 失礼します。
(宇都宮健康局長退室)
○清野栄養指導室長 それでは、カメラの撮影はここまでとさせていただきます。
これ以降の進行につきましては、加藤座長にお願いいたします。
○加藤座長 よろしくお願いいたします。
改めまして、先生方、どうもこんにちは。
本日もまた、お忙しい中、第3回「管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定検討会」に御出席いただきまして、本当にありがとうございます。
これまで2回検討会を行ってきたわけですけれども、先生方から大変貴重な御意見をいろいろいただきまして、それを参考に、それをベースに事務局のほうに、本日は改定案の報告書をつくっていただいておりますので、本日はこの案をもとに、話を進めていきたいと思っております。
宇都宮局長からもありましたように、本会議をもって、この報告書、最終案を完成したいと考えておりますので、ぜひとも御協力のほどをよろしくお願いいたします。
それでは、資料1が報告書(案)になっていまして、参考資料1のほうが変更履歴がついているものです。この2つを見比べながらということになろうかと思いますけれども、まず報告書の1ページから各科目に入るまで、3ページのところまでについて事務局のほうから説明をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○田中栄養管理係長 それでは、報告書(案)の1ページから説明をさせていただきます。
1ページの「I.はじめに」に関しましては大幅な修正はございませんが、時点の修正ということで、それぞれ国家試験の回数、こちらの検討会がいつから設置されたかというところを修正しております。
続きまして「II.改定に当たっての基本的な考え方」につきましては、第1回の検討会におきまして、改定の論点として、管理栄養士の今後の方向性をお示ししており、その内容を軸として今回の基本的な考え方とさせていただきました。
具体的には「地域包括ケアシステムの構築推進に向けて、個々人の生活の視点を踏まえた、きめ細かな対応が今後より一層重要になる」ということですとか、「医療・介護を初めとした様々な領域における栄養管理の質の向上が求められる一方で、働き手の減少が見込まれる中、効果的・効率的なアプローチとしての多職種連携がますます進む」といったことを改定の基本的な考え方にも盛り込んでおります。このような状況を踏まえて「複雑困難な個別案件や地域の栄養課題に対して、栄養の専門職としてエビデンスやデータをもとに、論理的思考により、最適解としての栄養管理をいかに打ち出していけるか、それをさらに多職種連携の中で論理的に提案できるかといったことが一層問われてくるものと考えられる」というところを基本的な考え方の前提とさせていただいております。
今回の改定は、このような今後の管理栄養士の方向性を踏まえた上での科目横断的な事項、特に出題数の配分等を中心とした見直しを行ったということと、科目別の出題基準については、前回改定以降に改正された法・制度と、またはこれまでの、前回改定後の管理栄養士国家試験の出題状況を踏まえて見直しを行った旨、記載させていただいております。
続きまして、2ページ目の管理栄養士国家試験問題について、まず教育との関係というところについては第2回の検討会でも御議論をいただいているところですが、特に教育のあり方を拘束するものではないということですとか、科目間の重複は出題基準においては重複を少なくして策定しているものではありますが、教育においても科目間の重複を妨げるものではないところをこちらにも記載しております。この点に関しましては特に御留意いただきたいということで、今回の改定の出題基準の中には盛り込ませていただきました。
出題数及び出題数の配分、出題形式についてですが、こちらは既に御議論はいただいておりますが、引き続き200題として、科目間の関連に配慮しつつも、その重複は避けて、科目横断的な設問については応用力試験と取り扱うこととして、一部、配分のほうを変更することが望ましいとして、応用力試験については20題から30題に増やしておりますが、その分、社会・環境、人体の構造のところを1問、栄養教育論、臨床栄養学、公衆栄養学、給食経営管理論については2問ずつ現行版から出題数を減らし、トータルでは200問という形にしております。
また、特に問題数の配分の変更に関しましては、最も適切なものを問うことが多い科目を中心に配分の見直しを行ったところをこの中に盛り込ませていただきました。出題形式等に関しましては、前回の現行版のガイドラインから引き続きとさせていただいております。
続きまして、3ページに移らせていただきます。合格基準、今後の出題基準の見直し、過去の試験問題の活用については、前回の現行版からの引き続きとさせていただいておりまして、次に今回改定した出題基準の適用につきましては、第34回、2020年3月実施予定の国家試験から適用することが望ましいとしております。
最後に「V.おわりに」のところになりますが、こちらに関しましては、特に今回の改定の論点でもございました、個人や集団の栄養課題に対して効果的・効率的に取り組んでいく上で必要とされる知識、思考・判断力を的確に評価することがますます求められていくことと、そういった観点から、さらに今後引き続き応用力試験問題の充実を検討していくことが望ましいということをお示ししております。
また、先ほどの局長の挨拶のほうでもございましたが、卒前・卒後の教育も含めた教育の質の向上という点で、特に卒前教育に関しましては、平成29年度から厚生労働省の予算事業において検討しております管理栄養士養成課程のモデル・コア・カリキュラムが、管理栄養士の養成課程で広く活用されていくことが望ましいということも盛り込ませていただいています。
以上となります。
○加藤座長 ありがとうございました。
1ページ目の「I.はじめに」からですが、基本的な考え方が初めに来ています。
2ページ目が、ガイドラインで、科目間の重複をできるだけなくしていることが基本的なのですけれども、今、事務局が言われたように、これが決して科目間で重複して授業をするなという意味ではないということは先生方、御承知のとおりだと思います。
そして最後の部分に、これも授業ごとに、このガイドラインが縛るものではないので、授業ではもっと広く教えていく必要があるということです、現在進んでいるコア・カリキュラムなどに準拠して授業は進めていっていただきたい。あくまで、これは国家試験のガイドラインであるということを、申し上げるまでもありませんけれども、これが決して授業の全てにならないように、ということがここに盛り込んであると理解しております。
それで20年度、来年度から適用することが望ましいとありますが、ということは適用するということなのですね。
○田中栄養管理係長 はい。
○加藤座長 そういうことで、来年3月の試験にはこれが適用されることになるということが書いてあります。
ここまでに何か御助言・御意見等がございましたら。
お願いします。
○吉池構成員 2ページ目で、文言のことなのですが、出題数で、中ほどに「最も適切なものを問うことが多い科目を中心に、10問を応用力試験に移行し」ということです。前回議論のとき、どの科目から何問とってくるかということで、この同じ表現がされて決定したので、それは構わないのですが、試験科目として、最適解はこの科目が割と多いという実務的な判断のように私は感じています。しかし、広く読んでいただく報告書として、このように書いて果たして真意が伝わるかどうか。問題数を減らした科目について、もう少し、誰もがわかる説得力のある書き方ができないのかと感じたところです。
コメントです。
○加藤座長 ありがとうございます。
先生、ついでですので、前向きに。
○吉池構成員 考えてみたのですが、まだ思いついていないのです。
応用力問題が個人または集団に関わる各設定で問うことが望ましいと考える内容を含む科目ということが恐らく本質のような気がするのですが。まだいい言葉が思い浮かんでいなくて、申し訳ありません。
○加藤座長 ありがとうございます。
何か、この件につきまして、他の先生方、御意見等はありますでしょうか。
それでは、少しお時間をいただきまして、先生も考えていただければちょっと考えていただいていて、先に進んでいきたいと思います。
他に何か御意見等がございましたら。
武見先生、お願いします。
○武見構成員 3ページの最後のところ、モデル・コア・カリキュラムのことが出ているところについて意見を申し上げます。
まず、この表現なのですけれども、管理栄養士養成課程のモデル・コア・カリキュラムということではなく、一応、ここからは委託を受けている立場で、管理栄養士養成の栄養学教育モデル・コア・カリキュラムというふうに言われて進めておりますので、やはり栄養学教育という言葉はきちんと示していただいて、お出しいただきたいということがあります。
それから、表現としてはそこの点なのですが、先ほど座長の加藤先生のほうから、授業では広く教えるという話があったのですけれども、実際にいま、パブリックコメントにお出ししているモデル・コア・カリキュラムのほうがむしろ6割ということで、かなり絞り込んでいる状況の中で、しかし、それはあくまでコアというものが何なのかを示すために絞り込んでいるのであって、また、それだけに教育内容は限定されるわけではなく、プラス4割をそれぞれ養成課程でしっかりやっていただくという本筋の意図がきちんと伝わらないと、結局は広く網羅しているガイドラインを重視して教育課程が編成されてしまってということになると、このコア・カリキュラムの検討の意味があまりなくなってしまうので、そこら辺の真意がきちんと伝わるように、それはこれに書き込むのはなかなか難しいと思うのですけれども、いろいろなところでこのガイドラインの改定の件であるとか、あるいはモデル・コア・カリキュラムの説明についてもだと思うのですけれども、していかないといけない。まさに教育の質を担保するということでというあたりはやや懸念して、加藤先生とは以前御相談もしたのですが、これだけの表現ではそれが伝わるかというところがやや危惧されるということです。
○加藤座長 ありがとうございます。
なかなか教育的な御意見だと思うのですけれども、確かにそのときにも私、ちょっと説明させていただいたのですが、今、つくっていただいているコア・カリキュラムのほうがこのガイドラインよりも範囲が広いと、ガイドラインのところしか勉強しなくなってしまうということを言わせていただいたのです。
それで、ガイドラインだけでいいと、恐らくそんなふうには考えていないのですが、一部の学校や先生の中ではガイドラインを網羅すればいいと考えている。そういった先生方もいらっしゃるというのは確かに事実だろうと思いますので、ガイドラインが先生方がつくられたコア・カリキュラムよりも小さくなってしまうと、コア・カリキュラムを全部教えられなくなってしまいますので、コア・カリキュラムのほうが広いということに関しては矛盾がないのかなと思っています。
ただ、先生がおっしゃられたようにそこの、ガイドラインだけを授業で教えればいいということではないのだということは、きちんと、先生方にでしょうけれども、教えていく必要があるというのはそのとおりだと思います。が、なかなか文章としてこれ以上のことを書くのは難しいかなというのが私の率直な感想です。
他は何かありますでしょうか。
それでは、先ほど先生が言われたコア・カリキュラムのところは変更可能なのだろうと思うのですが、一番最後のページの管理栄養士養成のどれでしたか。
○武見構成員 ここは「栄養士」は要らないです。「栄養学教育モデル・コア・カリキュラム」が正式の名称ではないかと。
○加藤座長 「栄養学教育モデル・コア・カリキュラム」というふうに変更するというのはよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○加藤座長 では、それはお願いいたします。
よろしいでしょうか。
それでは、先に進ませていただきます。次に報告書の5ページから出題基準についてということで、現行の出題基準の項目の見直し内容について、事務局のほうから説明をお願いします。
○田中栄養管理係長 それでは、管理栄養士国家試験出題基準について説明をさせていただきます。報告書(案)のほうでは5ページから、変更履歴があるものに関しましては6ページからとなっております。
報告書(案)の本体のほうをおめくりいただきまして、6ページのところで「管理栄養士国家試験出題基準の利用法」。こちらに関しましては、現行版から大幅な修正はしておりませんので、形式的なところを今回の見直しに合わせた修正を一部させていただいているところです。
引き続きまして、各科目に入らせていただきます。
まず、7ページの「社会・環境と健康」に関しまして、第2回の検討会からの主な変更点のところからお話しさせていただきますが、第2回の検討会の際に、健康日本21に関しましては、括弧の二次はつけないということで「健康日本21」という形で最終版とさせていただいております。
また、9ページの大項目の「6 主要疾患の疫学と予防対策」の中項目の「G その他の疾患」のところに関しまして、第2回検討会の際は小項目を「d 難病」としておりましたが、こちらに関しましては難病のどういったところを出題基準とするかというところで、概念という形で難病法と難病対策というふうに修正させていただいておりますので、この点に関しましては後ほど御意見をいただければと存じます。
引き続きまして、12ページ「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち」に関しまして、この後、資料2でも説明をさせていただきますが、13ページの「トリグリセライド(トリアシルグリセロール)」。こちらの表現につきましては、基礎栄養学のほうとの表記の整合性というところで、どのように統一するかということは後ほど御意見を頂戴できればと思います。
こちらの人体の分野に関しましては、生化学に関連する項目の用語の整理を今回お示ししている分では行っておりまして、大項目の2と3と4と5。こちらに関しましては、変更履歴つきのほうの資料を御覧いただきますとおわかりいただけるかと思うのですが、用語のほうを整理させていただいているのと、出題基準としては不要という項目に関しましては削除という形で整理をしております。
人体の構造と機能に関しましては、主な見直し内容は以上となっております。
引き続きまして「食べ物と健康」ですが、こちらに関しまして、前回の2回目のところから変更させていただいた点といたしましては、トランス脂肪酸に関しまして、大項目の4、中項目のB、小項目のeとして現行版ではお示ししておりました。こちらに関して、新たな、今、改定しているもので位置づけられているところがございませんでしたので、どこに位置づけるかというところで、事務局の提案として、新たに中項目の「G 食品の安全性に関するその他の物質」として設定して、その中の小項目としてトランス脂肪酸を位置づけております。こちらに関しまして、そもそも現行版のものでは、食品の変質というところでトランス脂肪酸を位置づけていたのですけれども、必ずしも変質のみにかかわるものではなく、食品の安全性全般にかかわる物質ではないかということで、このような見直しとさせていただきました。
また、食べ物と健康の分野では、大項目の5、中項目のB、小項目のeに関しまして、栄養表示のところが重複しておりましたので、新たに改定版としては大項目の5、中項目のB、小項目のaを「栄養表示」として整理しております。こちらに関しましても、後ほど御意見をいただければと思います。
引き続きまして、29ページ「基礎栄養学」に関しましては、第2回の検討会で御議論いただいた中から大幅な変更は行っておりませんが、追加で御意見があれば後ほどいただければと存じます。
続きまして、35ページ「応用栄養学」に関しましては、ねらいについて、栄養管理、栄養ケア・マネジメントの整理というところで、資料2のほうでも説明をさせていただきますが、こちらのほうの文言の整理をさせていただいております。
また、応用栄養学は大項目の4~8、ライフステージ別の項目に関しまして、各項目から食事摂取基準については削除しております。そこにかわって新しく大項目の2、中項目の「E ライフステージ別食事摂取基準」という項目を立てておりますので、こちらに関しましても、このような整理でよろしいかというところを後ほど御議論いただければと思います。あわせて、ライフステージ別の項目の順番も、食事摂取基準の項目を削除したことによりまして見直しを行っておりますので、そちらに関しましてもあわせて御意見を頂戴できればと存じます。
本体のほうで31ページ、変更履歴つきのほうのページで申しますと40ページの「栄養教育論」に移らせていただきます。栄養教育論に関しましては、ねらいのほうの見直しを行っております。こちらは項目の見直しを行いましたので、その内容に合わせたねらいの修正としております。
また、大項目の4になりますが、こちらは現行版の大項目の4で、今度の改定版の大項目の3に関しまして、各ライフステージごとに中項目を整理していたものを小項目の中に全てのライフステージを入れるという形で今回見直しを行っております。また後ほど説明をさせていただきますが、栄養教育論の現行版の大項目の2、中項目のeとfに関しましては、一部、公衆栄養学のほうで読み込むという形で移動を行っております。
続きまして、報告書(案)の33ページ、変更履歴つきのほうの43ページで「臨床栄養学」になりますが、こちらは第2回のほうからは大幅な見直しは行っておりませんが、アレルギーに関しましては一部修正をしておりまして、現行版の大項目の3、中項目のS、小項目のeのアレルギーについては、小児期特有の疾患ということではないため、中項目のLに含めるという形で今回修正を行っております。
続きまして、報告書本体の37ページ、変更履歴つきの48ページの「公衆栄養学」に移らせていただきます。公衆栄養学に関しましては、先ほど栄養教育論のほうから一部項目を公衆栄養学に含めるということで、栄養教育論の「組織・ネットワークづくり」としてあった小項目を公衆栄養学の大項目の1、中項目のBの中に整理していただいております。こちらに関しましても、後ほど、このような整理でよろしいか、御意見を頂戴できればと存じます。
栄養教育論の大項目の2、中項目のFに関しましては、公衆栄養学の大項目の6、中項目の「B 食環境整備のためのプログラムの展開」という形で整理をしておりますので、こちらも後ほど御意見をいただければと思います。
引き続きまして、給食経営管理論に関しまして、報告書(案)のほうは40ページになっております。
この給食経営管理論に関しましては、第2回でお示しした修正案のほうから大幅な変更は行っておりませんが、再度御覧いただきまして、追加で御意見等がございましたら、お伺いできればと思います。
続きまして、最後、42ページの「応用力試験」。変更履歴つきのほうでは52ページになっております。応用力試験に関しましては、机上配付資料といたしまして第2回の検討会からの変更点というものもお配りしておりますので、あわせてこちらも御覧いただければと存じます。
応用力試験に関しまして、軽微なところでは前回の第2回の検討会の案から、集団と個人というところを単純に順番を入れかえたというところがございますのと、1つ目のねらいにつきましては「栄養管理」と「栄養ケア・マネジメント」という両方の文言が入っていたところを、その範囲を整理するという観点からも、栄養ケア・マネジメントを実践するという形に修正しております。
また、2つ目のねらいに関しましてですが、今回追加した文言といたしましては「食環境整備等のアプローチも含めて」というところになります。この点に関しましてですが、2つ目のねらいは対人のアプローチの他にも直接的な対人アプローチ以外のものとして、対物的な内容も含むということが具体的にわかるという視点を考え「食環境整備等のアプローチも含めて」ということで追記させていただきました。
以上が各項目に関する主な見直しの内容となります。
○加藤座長 ありがとうございます。
先に資料2について、この議論を進めるまでに先生方からいただいておりました宿題と言ってもいいかと思いますが、そのあたりのことを先に事務局のほうから説明をいただきたいと思います。お願いします。
○塩澤栄養指導室室長補佐 それでは、資料2について、簡単に御説明を差し上げたく思います。
資料2は、第2回の検討会で特に議論があった用語の整理ということで、いろいろな御助言・御提案などを含めて、我々として次のように整理してはいかがでしょうかということを記載しております。
大きく2点ありまして、まず1つ目で「栄養ケア・マネジメント」と「栄養管理」という言葉の関係性について、整理案を考えております。
こちらにもございますとおり、管理栄養士の業務を見てみますと、栄養ケア・マネジメントを中心とした直接的な対人アプローチがある一方で、食環境整備等に代表されるような、必ずしも直接的な対人アプローチとは言えないものがあり、管理栄養士は、状況に応じて、いずれかを選択したり、あるいは両者を組み合わせたりということで、日々、栄養課題の対応をしていく必要があると考えています。
そこで、このガイドラインでは、この両者を包含する広い概念として、「栄養管理」という言葉で表現することとしてはどうかと考えておりまして、このあたりが先ほどの応用力試験の大項目と関連してくるところでございますので、後ほどまた御意見があるようであれば、ぜひ賜りたく思っております。これが1点目です。
次に、2点目であります。これも前回いろいろと御議論がございましたけれども「トリグリセリド」「トリグリセライド」「トリアシルグリセロール」。こういったことの整理についてでございます。
この管理栄養士のガイドラインは、管理栄養士としての第一歩を踏み出すということで、そのために必要な基本的知識・技能などを的確に評価するものであるということでございますけれども、ずっと話がございましたとおり、今回の改定は、今後、多職種連携がますます推進されていくことを念頭に御検討いただいておりますので、こういう点を踏まえますと、このガイドライン中の専門用語も、できるだけ他職種のガイドラインと並びをとるのが適当ではないかと考えております。
こういった観点から、医師国家試験や歯科医師国家試験のガイドラインで用いられているのが「トリグリセリド」でございますので、「トリグリセリド」という言葉でこのガイドライン上は統一するということでいかがでしょうかと考えております。
自明でございますけれども、養成課程の教育で、この「トリグリセリド」以外の用語、例えば、「トリグリセライド」等を用いることは当然妨げるものではないということを付記させていただいております。
2枚目に、御参考までに<用語の使用状況>ということで記載をさせていただいておりますけれども、現行の管理栄養士の国家試験では「トリグリセリド」「トリアシルグリセロール」が併記されている形になっております。一方、先ほど御紹介差し上げましたとおり、直近の医師や歯科医師の国家試験のガイドライン、また、用語辞典では「トリグリセリド」という言葉が使用されていることや、疾患ガイドラインでは「トリグリセライド」という言葉が使われているといったことの御紹介をさせていただいております。
以上でございます。
○加藤座長 ありがとうございます。
それでは、議論に入っていきたいと思いますが、まず、この「栄養管理」という言葉と、そして「栄養ケア・マネジメント」という言葉をきちんと整理しておきたいと思います。といいますのは、先生方は少しずつ微妙に思いがあるかと思うのですが、それは結構だと思うのですが、このガイドラインの委員会においては、一応、こういった考え方で「栄養管理」というものと「栄養ケア・マネジメント」を使い分けてきているのだということを明確にしておく。これはこのまま議事録に残りますので、この先の方向性につながると思うのですが、今、要約させていただきますと「栄養管理」というものは非常に大きな概念で、いわば対物・対人ともに含めた栄養ケアと言っていいのが、栄養管理です。「栄養ケア・マネジメント」という場合には、どちらかといえば対人を主とした内容を栄養ケア・マネジメントと考えていこうといった御提案なのですけれども、微妙なところはあるのかもしれませんが、大枠として、このあたりのことで進めていただくと、この案にありますように、今の案の中では括弧が全て外れています。これに従って括弧を外していったということで、「管理」で残っている部分も「ケア・マネジメント」で残っている部分もありますが、何か先生方、御意見等がありましたら、お願いいたします。 よろしいですか。
いろいろ微妙なところはあろうかと思いますが、一応、ガイドラインの検討会ではそういった考えで「栄養管理」と「栄養ケア・マネジメント」を使い分けていくといいますか、区別したといったことで御了承いただいてもよろしいですか。
お願いします。
○赤松構成員 対人ということは理解できたのですが、その人数は個別だけでなく、集団に対しても「栄養ケア・マネジメント」の言葉を使うということですか。
○塩澤栄養指導室室長補佐 この対人の栄養のアプローチで、PDCA的なものを伴うようなもので、結果的には集団であったとしても、そういうふうなPDCA的に進めるようなものであれば「栄養ケア・マネジメント」というふうに呼び得るのではないかと考えています。
○赤松構成員 でも、栄養教育や栄養管理といったとき、全てPDCAに基づいて行うものだと思います。
○塩澤栄養指導室室長補佐 今、全ケースをお伝えすることはできませんけれども、例えば、栄養に関するお話を誰かに1回きり行うといった場合には、その人の栄養状態を必ずしも定期的に評価し続けていけるとは限らない、つまり、PDCAを伴わないこともあると思っておりまして、そういうときにはいわゆるケア・マネジメントには該当しないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○赤松構成員 栄養教育の定義は全て計画に基づくというものがありまして、例えばよく例で出されるのが、メディアのような突発的な情報で人の行動が変わったというのは教育とは言わないというように、計画に基づいていないものは教育から外れるという定義です。そう考えると、PDCAに基づかない栄養教育はありません。
○加藤座長 そもそも大きな概念でいくのだったら「ケア・マネジメント」という言葉が要らないではないか、という話に行き着いてしまうのですが、少し「栄養ケア・マネジメント」という言葉を生かそうというところからの議論が今、入っているのではないかと思っています。
塩澤先生の話でいけば、全てを栄養管理という言葉に置きかえれば全て成り立ってしまうのですけれども、もう少し個別の対応といいますか、1人という意味ではないのですが、人への対応を、それが10人であろうが、100人でもいいのかもしれませんが、そういうものを「栄養ケア・マネジメント」と持っていこうというので、恐らくそういった区別になったのかなと、今、伺って思ったのですが、そういうぐらいの考え方ではだめですか。ちょっと曖昧過ぎますか。
○赤松構成員 少しひっかかるのが、対人の例として、学校の現場には、「栄養ケア・マネジメント」という言葉がなじまないのですが、応用栄養学のところでは、全部「栄養ケア・マネジメント」から始まっています。ここが少し気になります。
○加藤座長 栄養教育では「栄養管理」のほうが都合がいいという意味なのですね。それで、応用栄養学では「栄養ケア・マネジメント」のほうが都合がいいという意味なのでしょうか。
どうぞ。
○塩澤栄養指導室室長補佐 これはぜひ御意見を頂戴したいのですけれども、我々としては栄養管理というものが先ほどの応用力試験の表にもございましたとおり、一番外側に来る、つまり、一番広い概念なのですということをまずお伝えしたかった次第です。
その中で、ここで「栄養ケア・マネジメント」という言葉が出ておりますけれども、考え方の一つとして、栄養教育的には先ほどのお話だと思うのですが、一方で、例えば介護報酬の世界でございますけれども、栄養ケア・マネジメントのプロセスをきちんと専門職が踏むことについて、特定の加算が設けられておりますが、そういうふうにプロセスというものの要件はちゃんと念頭に置いて、それを遂行することも大事にされておりますので、そういったPDCA的な行為を応用力試験などで問いたいという気持ちがあります。
では、この言葉を広く、他の教科にも置換していきたいのかといいますと、必ずしもそういう意図を持っているわけではございません。例えば栄養教育の中にある言葉を、適用可能なものは全て「栄養ケア・マネジメント」とするといった意図はないのですけれども、逆に置換しないと整理がつかないとか、そういう問題意識から御発言されているという理解でいいのでしょうか。
○赤松構成員 気にしなければいいのかもしれないのですが、応用力試験では、応用栄養学と栄養教育がかなり一緒になってつくるので、応用栄養学に「栄養ケア・マネジメント」という言葉が入っていることが、応用力試験のときのことを考えると、気になります。応用栄養学と栄養教育は別々のものではないのです。
○加藤座長 ちょっとよろしいでしょうか。
ただ、今の話では、対人という言葉を私が使ったのがちょっと問題かもしれないのですが、対人だったら全て「栄養ケア・マネジメント」を使えという意味を言っているわけではないのです。例えば臨床栄養学では「栄養ケア・マネジメント」という言葉が主に出てくると思うのですが、臨床の中でもやはり「栄養管理」という言葉が必要なところはあると思うのです。
給食だったら、みんな栄養管理かというと、栄養ケア・マネジメントというところがあるのか、ないのか。あまりないのですか。ですから、そういう科目だからどうという分け方をしてしまうとちょっと問題になってくるのだろうと思います。ですから、先生が言われるように、これは人なのだけれども「栄養管理」と言うほうが適切だという理解でいけばいいのですが、これは「栄養管理」にしようか、「栄養ケア・マネジメント」にしようかといったときに、全く方向性が何もない中でぽんと思いつきで言っていくと、みんなが混乱してしまうので、栄養管理という非常に大きな概念の中で、今、塩澤先生が言うみたいに、PDCAのプロセスを持っていく、例えば臨床栄養とか応用栄養などのところの対人に関しては「栄養ケア・マネジメント」という言葉を使うということでどうでしょうか。全てきちんと2つに分けるのは難しいのだろうと思いますが、どんなものでしょうか。何か先生方、御意見はありますでしょうか。
お願いします。
○武見構成員 本当に難しいと思うのですけれども、この資料1の42ページの「応用力試験」の整理で言いますと、つまり対人の個人または集団を対象としたものは、ここだけ読むと、このまま素直に読み込めば全て栄養ケア・マネジメントになってしまうのですよ。それで、そうではない、食環境整備等のアプローチがあるほうはちょっと別物という感じになるのですけれども、多分、赤松先生がおっしゃりたいのは、恐らく教育の現場は特になじまないといいますか、実際に栄養教諭という、管理栄養士の資格を持った人たちも配置される。これは法的にも位置づいているところで、では、どうするのかというのが気になるのです。
私は、今の臨床とか福祉の状況を考えると「栄養ケア・マネジメント」という言葉を出すことは賛成なのです。ただ「栄養ケア・マネジメント等」ぐらい入れてもらえないのかというのは、言葉遊びのようですけれども、皆様が納得してくれるといいますか、ひっかからないで「等」があることで逃げられるという言い方がいいでしょうか。そういう意味では、あったほうが確かに学校教育現場、もしくは保育所のいわゆる健康な子供たちへの食育みたいなところにも管理栄養士の配置というものはあるわけなので、そのあたりがうまくおさまるのかなという感じはしました。
○加藤座長 どうぞ。
○塩澤栄養指導室室長補佐 そうしますと、先ほど赤松先生から御指摘いただいた件についてなのですけれども、今、武見先生から御提案いただいた「等」という言葉を入れたら栄養教育的にも応用力試験的にもよろしいのかどうかという点について、まず御助言いただきたいです。
○赤松構成員 そのつもりで応用試験担当の先生方が理解していただければいいかなと思います。
○塩澤栄養指導室室長補佐 わかりました。
確かに、この資料2の1.の整理のところにも、直接的な対人アプローチについては、栄養ケア・マネジメントを中心としたというふうに含みを持たせている表現をしている一方で、この応用力試験のねらいのところについては「栄養ケア・マネジメント」しか名詞として出てこないので「等」を入れるのはやぶさかではございませんけれども、他の先生方も含めていかがでしょうか。
○加藤座長 お願いします。
○髙地構成員 先ほどの武見先生や加藤先生のお話を考え合わせると、ケアを必要とする対象者、例えば臨床の現場での傷病者であったり、あるいは高齢者であったりという場合に、この「ケア」という言葉が適切に表現するものと感じました。
一方で、小学校といった健康な人の場合、「ケア」という言葉が適切なのだろうかと思いました。すなわち、対人とか環境とかという整理ではなく、対象者次第なのではなかろうかと感じたのですが、いかがでしょうか。
○加藤座長 お願いします。
○合田構成員 この用語は恐らく歴史的な背景があって、ここに来ているのですけれども、やはり考えるべきだと思います。「栄養管理」という言葉を日本でずっと使ってきて、それはある意味ではアドミニストレーションという、上の者が下の者を管理する。こういう用語でいろんなものが使われてきた。
2000年前後で、この管理栄養士養成施設のカリキュラムが変わったときに、それではいけないだろう。一人一人をきちんと、困難な事例に対応することを、栄養士さんではなくて管理栄養士がやるという言葉で管理が使われたのですけれども、では、そのときに何をするのか。アセスメントから入って、その人の状態をきちんとどういう方向でそれをよくするのかという、改善するようなプログラムをきちんと考えようとなりましたね。これは栄養ケア・プロセスの基本的な考え方です。
日本は、その考え方で基本的に重要なのは、管理栄養士がやるべき一人一人に対する視点、取り組み方だったと思います。栄養ケア・マネジメントの中には、いろんな方法論の中に栄養教育が入っていて、栄養教育が全部やっているわけではないのです。これは一つの方法なのです。
そのときに、このケアということは管理栄養士の教育が始まったときに、傷病者であるとか、難しいケア。そういうことに対する能力を培うために必要な用語としてつくられたと思います。ですから、そこのところはとても、この管理栄養士の業務で必須のことで、それはやはり応用栄養学の一番最初に書かれるべきことだと私は思います。
アメリカの栄養ケア・プロセスは、一人一人だけではありません。これは集団であっても、行政であっても、全て使われる用語で、そのときに、集団であっても、個人であっても、マネジメントをしなさい。それが、いってみれば、栄養ケア・マネジメントのもととなったアメリカの栄養ケア・プロセスの考え方なので、栄養ケア・マネジメントは実は非常に広い概念であるということをやはり理解していただく必要があると私は思います。
それで、管理という言葉の歴史的な背景を考えると、ここは「栄養管理」という言葉も栄養ケア・マネジメント以外の環境の整備ということがあったら、そこはそういう形でつくっていいかもしれませんけれども「栄養ケア・マネジメント」という用語は私は非常に現代の管理栄養士の業務にとって必須のものだと思います。ですから、ここの栄養ケアという言葉は問題のある方とおっしゃったかもしれませんが、栄養教諭であっても個々の事例はあるわけなので、それに対して一人一人に対応するというケア・マネジメントの考え方は管理栄養士の業務として私はどこでもあると思います。
○加藤座長 ありがとうございます。
どうでしょうか。
どうぞ。
○髙地構成員 今のような説明を報告書の中に入れていただくのが(問題作成委員に)浸透させるのに大事なことなのではないかと思いました。
○加藤座長 栄養ケア・マネジメントの考え方というものを、ここのガイドラインの検討会の中でつくっていくのは一つ大事だと思うので、どうですか。これは個人的な意見なのですけれども、あまり細かく縛ってしまうと身動きがとれなくなるのかなと思っていまして、まず先ほど言ったようなざっくりな話のところぐらいのほうがというものを初めに思ったのです。
ただ、一つずつの事例を出して、これはケア・マネジメントなのか、これはケア・マネジメントではないのかという話をしていくと非常に複雑になっていくので、先生方がおっしゃられるように、多分いろんな見方があると思うのです。対人で見ていくという、対人の中にもケア・マネジメントと言えるものも、そうではないものもあるかもしれない。あるいは傷病者とか、本当に患者さんとか高齢者とかという人は対象であるという受けとめ方は先生方がしていただくというのでいいと思うのですが、基本的には合田先生のように、人が対象ではなくてもケア・マネジメントと言われてしまうと、なかなかさっきの理論がと成り立たなくなってしまうのですけれども、例えば大きく分けようとしたら、先生、例えばどんなふうに分けていけばいいですか。別に使い分ける必要はないという考え方もあると思うのです。
○合田構成員 これは栄養ケア・マネジメントを応用栄養学の最初に教わるのであれば、基本的なものはわかるので、あとはそれぞれの領域の中で特殊な状況があって、特殊な運用の仕方があるというふうにすれば私はよろしいので、あとは個々のところを変えればいいと思います。応用栄養学の一番最初は、ここのところは私は人だと思います。
○加藤座長 応用栄養学でそれをきちんと教えろという御意見ですが、応用栄養学のほうはどうでしょうか。
お願いします。
○弘津構成員 応用栄養学の中で栄養ケア・マネジメントを教えるというのは科目の概念として当初から取り上げられていることです。栄養ケア・マネジメントの始まりはスクリーニングから始まるので、PDCAサイクルの流れに入る方が多いのか、それとも、そこには入らず、現状維持の方が多いのか。それはやはり対象集団によって違うと思うのです。ですが、スクリーニングから始まるということは、どの分野にも該当する話ではないかと思うのです。
さらに、「栄養ケア・マネジメント」の概念が出たのは介護保険制度が導入される際で、介護報酬を得るために管理栄養士が栄養ケア・マネジメントを行うことで始まりました。それまでの管理栄養士業務というものは給食管理が中心で、個に対してかかわるということはほとんどありませんでした。それでは他の介護にかかわる方たちと同じようにケア計画を立てたり、マネジメント業務を行うことが無理だということでこの考え方が取り上げられました。
○加藤座長 そうしますと、基本的にやはり「栄養管理」という言葉しかなかなかそぐわないというのは、石田先生、給食などはそうなのですか。給食で栄養ケア・マネジメントはなかなか難しい。
○石田構成員 いや、給食施設の中で栄養ケア・マネジメントを行っていますけれども、健康増進法では適切な栄養管理を行わなければならないという表現です。制度上、いろんな用語が結果的に使われていますので、その場その場で解釈をしていると思われます。
○加藤座長 では、一番適切なところで使っていただくというのが今の流れなのだと思いますけれども、対象であるとか、人であるというふうに大きく限定することはなかなか難しくて、その場その場で使っていただくということになると、感じたとおり使ってくださいということになるのですが、栄養ケアというものが非常に大きな概念であるということに関しては御異論はないようですので、ここのガイドラインの中で「栄養ケア・マネジメント」という言葉はどこに対して使っているのかというところに持っていっていただければいいのではないかと思うのです。
最終的に、ここでは「栄養ケア・マネジメント」という言葉しか使ってはだめだという話になるわけではなくて、このガイドラインの中で「栄養ケア・マネジメント」と使ってあるのはこういうところですということがわかればいいと思うので、塩澤先生が言われたみたいに、対人的なところはそれはそれで当たっているような気がするのですが、ただ、対人だからといって全てが栄養ケア・マネジメントではないという髙地先生のお話なのではないかと思うのですけれども、対人で全て網羅できるわけではないのですが、それはその場その場といいますか、対象によって異なるということで考えるということで、一応、ここの場では、いいですか。大きな概念として「栄養管理」と持っていって、そして主に対人を中心とした業務という意味ですね。対人を全て「栄養ケア・マネジメント」というという意味ではないことがわかるようにすればいいわけですね。
そういう具合でいかがでしょうか。そのあたりで、何か中心にとか「等」という言葉で、ちょっとお役所的ですが、入れていただくという。
○塩澤栄養指導室室長補佐 ですので、今のもろもろの御意見を踏まえて、ガイドラインの応用力試験の<出題のねらい>の1つ目の○のところを「多職種連携による栄養ケア・マネジメント等」というふうにさせていただきたく思いますけれども、よろしいでしょうか。
○加藤座長 修正版のほうの52ページです。参考資料の52ページの一番上から2行目のところですが「栄養ケア・マネジメント等を実践する」という「等」という言葉をここに入れさせていただくというぐらいで、あとはその場で対応していただくということで持っていきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○加藤座長 では、何とかそれでお認めいただくということでお願いいたします。
それができたということになりますと、ここの<出題のねらい>のところの「栄養ケア・マネジメント」「栄養管理」という言葉がかなり整理されてきていると思いますが、実際には括弧が全て外れた状況になっているということで、今、お話ししたような内容で「栄養管理」と「栄養ケア・マネジメント」が使い分けてあるということになります。
それでは、少し具体的なところでお話を進めていっていただきたいと思うのですが、先ほどから塩澤先生のほうからお話がありました、まず社会環境のところですが、少し見ていただいてお話ができればと思います。すみません、私は、こちらの参考資料のほうでずっと見ていて申し訳ありませんが、参考資料の12ページの難病のあたりで先生、何かお話しされることはありますか。12ページの6のGのdです。
○曽根構成員 難病につきましては、今般、難病法が成立して法体制が整ったので、やはりそれはきちんと理解しておいてほしいと考えました。ただ、前回はただ難病と入れましたけれども、難病と病気そのものを指すというと、これは数が大変多くございますので、少し対応が難しい。勉強の方法がわからないということもありますので、趣旨から言いますと、難病法とそれに基づく難病対策ということで並列で入れさせていただきました。
○加藤座長 ありがとうございます。
先生、社会環境は、他はよろしいでしょうか。
また全般を見直して、何かありましたら御意見をいただくことにして、人体の構造のところは、特に生化学、2~4のところですけれども、基本的には基礎栄養学と言葉の統一性がなかったものですから、基礎栄養学で同じ内容を言っているところでも語句が違っているとか、そういったことを整理させていただいたということと、最近使わないような言葉も入っていたということで、そのあたりを整理して新しいものをつくっていただいたということですが、羽生先生、人体のほうで何かありますでしょうか。
○羽生構成員 大項目の2~4に関しては、基礎栄養の分野と整合性があったほうがいいと思っていまして、今回の御提案を受け入れさせていただきました。
○加藤座長 よろしいでしょうか。
それでは、次のほうに移りたいと思います。次が食品なのですが、ここでは私のほうで26ページの4のGの「a トランス脂肪酸」ですか。ここに来たというのはいかがなものでしょうか。
どうでしょうか。
○伊藤構成員 当初はトランス脂肪酸はあったのですけれども、私としてはトランス脂肪酸は日本には明確な規定がなくて、かつ量をとらなければ大丈夫ということで、また普通の乳脂肪にも入っているので、とりたてて出す必要もないと思って省いたのですけれども、今回、Gという項目をつくっていただいて、これはトランス脂肪酸はどこに置くか、そこで迷ったのですが、ここで問題なしと思っていますので、この案でいいと思います。
○加藤座長 非常に大きな項目になりますけれども、大丈夫ですか。あまり私はよくわかりませんが、なかなか教える内容も少ない。先生が言われるみたいに、まだ今の時点では、扱いがこれから変わっていくかもしれませんが。
○伊藤構成員 他にもいっぱいあると思うのですけれども、これでいいと思います。
○加藤座長 いいですか。
○伊藤構成員 はい。実はあまりなくて、例えば私的にはEの「d 食品成分の変化により生ずる有害物質」というところに含まれるかなとも思ったのですけれども、やはり天然にトランス脂肪酸はあるので、トランス脂肪酸は有害物質として指定してしまってもいいのかどうか、ちょっと迷ったので省いてしまったのですが、今、話題になっていますから、Gでいいと思います。
○加藤座長 ありがとうございます。
教えるべきことではある、必要はあるということで、では、項目としては少し大きいのですが、ここで入れさせていただくということで、とりあえず次に進めていきたいと思います。
「基礎栄養学」はほとんど修正がなかったと思いますが「応用栄養学」に関しましては36ページ、2の「E ライフステージ別食事摂取基準」というところになるのですけれども、これは先生方、どうでしょうか。
○松本構成員 こちらに関しましては、前回のところで各ライフステージ別のところにあったのですけれども、これよりもまとめてしまったほうがわかりやすいのだろうという御意見等もいただきましたので、このような形でまとめさせていただいて、一目瞭然という形をとらせていただいております。
○加藤座長 よろしいですか。
○松本構成員 はい。
○加藤座長 他の先生方も、何か御意見があったらよろしくお願いします。
よろしければ次に移っていきますが「栄養教育論」は大幅に、どちらかというと非常にコンパクトにしていただいたということで、特に何もないと思います。
「臨床栄養学」も特にないと思いますが、先ほど出てきました47ページの「S 乳幼児・小児疾患の栄養アセスメントと栄養ケア」の「e アレルギー疾患」を省くということでよろしいでしょうか。
お願いします。
○塚原構成員 前回、ここを御指摘いただいたのですけれども、確かに2つ、アレルギーが重なっておりました。
それで、疾病の成り立ちのほうでアレルギーもありますので、そうすると、臨床栄養のほうは食物アレルギーのほうに重きを置いてもいいのかなと思いまして、あとは先ほど言ってもらったとおり、小児だけでもないので、こちらのアレルギーのほうの中に入れて1つにしたほうがいいのかなというので、こちらにさせていただきました。
○加藤座長 一応、食物に関しては、この46ページのLのほうに入っているということで、このまま削除ということでいいということでよろしいでしょうか。
○塚原構成員 はい。
○加藤座長 それでは「公衆栄養学」につきましては、48ページの大項目1のBのところですか。田中先生、ここは何を伺うのでしたか。
○田中構成員 こちらに関しましては「栄養教育論」の大項目1の現行版の「E 組織づくり・地域づくりへの展開」の小項目「b 組織・ネットワークづくり」。「栄養教育論」のほうからは削除いただいているのですが、そこを読み込むというところで「公衆栄養学」のほうに移動していただいてはどうかということで、今、このような、それを踏まえて、公衆栄養学の先生方のほうで新しく、大項目1の「B 公衆栄養活動の基本と展開過程」ということで整理をいただいております。
○加藤座長 では、まず公衆栄養のほうから何かありますか。これでよろしいですか。
○髙地構成員 栄養教育のほうから、公衆栄養の先ほどの御指摘あったところが、6のB、今、ネットワークづくりとかというものがあったキーワードのところに移動をということだったのですけれども、話の流れといいますか、公衆栄養活動の展開の方法についての話ですので「g ソーシャル・キャピタルの醸成と活用」の中に吸収したという形で整理をさせていただいたということです。
○加藤座長 よろしいですか。
○髙地構成員 はい。
○加藤座長 栄養教育のほうはいかがでしょうか。大丈夫ですか。
よろしいですか。
○武見構成員 「f 住民参加」もあるので、いいと思います。
○加藤座長 そうしましたら、ここはそのまま、今、ここに書いていただいたようにしまして、51ページのほうも同じ栄養教育のほうからではないかと思うのですが、51ページの大項目6のBのところも同じような話だと思うのですが、ここもよろしかったですか。
○髙地構成員 はい。
○加藤座長 では、ここもお認めいただくということで、お願いします。
○吉池構成員 今の論点ではなくて「公衆栄養学」で変更してくださった48ページの大項目1のBで「生態系保全のための公衆栄養活動」が最初のほうにあったものが一番最後で「h 生態系保全と公衆栄養活動」となっていて、言葉遣いが少しすっきりしないという印象を持っていました。
これは結局、エコシステムの話として「保全」というものが要るのかということと、さらに概念的には「サステイナブルダイエット」ということなので、本当は「サステイナビリティー」という言葉が使えれば、「サステイナビリティーと公衆栄養活動」というほうが今WHO/FAOで強調されている概念が見えるのでよいと思うのです。文言についてはどういうタームを使ったらいいのかというのは少し悩ましいのですが、もし検討の余地があったら検討していただければと思います。
○加藤座長 先生、この時点で何か言えますか。
○髙地構成員 特に、現行のガイドラインを尊重しながら動かしたという経緯でございますので、それがよろしいかと思います。
○加藤座長 先生、適切な言葉は。
○吉池構成員 国際的によく使われる概念として「サステイナブルダイエット」なのですけれども、それを入れてしまっていいのかということで、私個人としては使いたい。ただ、それについて日本語ではしっくりとしたタームはないと思います。
○髙地構成員 社会環境と健康でSDGsは書いてありますね。
○吉池構成員 はい。それは出ています。
○髙地構成員 持続可能な開発目標と。
○吉池構成員 直訳して、「持続可能な食事」と言っても全然わからなくなるので、どうしようかなというところです。
○加藤座長 そもそも、その単語が要るというところからの議論ですか。これがなくなることもあり得る。
○吉池構成員 ここで言おうとしていることは「サステイナブルダイエット」という概念で全て含まれ、大事なポイントは入る概念だと思っています。
○加藤座長 入れておく必要があるという、そこは先生に伺ったほうがいいですね。
では、お願いします。
○武見構成員 私もサステイナビリティーに関連するものが入る、少なくとも今の生態系保全よりはいいと思うのです。
そのときには、確かに生態系のこともありますし、実は食料生産とか、そういうことも全て含めてサステイナビリティーのある食生活ということが今、国際的に言われてきているということが多分、ここに込められる意図で吉池先生はサステイナビリティーというものに言葉を、でも、サステイナビリティーは片仮名では使っていないですね。SDGsは持続可能な開発目標ですから、持続可能性というものはちょっとぴんとこないですか。
○加藤座長 それは社会環境のほうに持っていくということはないのですか。
○吉池構成員 あくまでも食生活、公衆栄養的な視点の中で、例えば食生活指針の中でもサステイナビリティーというものはかなり強調され、国レベルのものがつくられている例も少なくないですし、全体的な理解として、環境系を中心としたサステイナビリティーを、経済活動も含めて、政治的な様々な意思決定も含めて考えるというのは世界的にはもう当たり前のことにはなっています。何らかの形で今、入れておいたほうがよいかと思っています。ただ、表現が難しいので悩んでいるところです。
○加藤座長 例えば公衆栄養の講義などでは、こういうところはどういう言葉で教えるのですか。
○髙地構成員 教科書的には生態系保全なのですが、その項目の中身は環境系を中心としたサステイナビリティーと食生活のことです。表現がむずかしいのですが。
○吉池構成員 今、あまりきちんと書かれた教科書はありません。
○加藤座長 でも、教える言葉にならないと問題があるのではないですか。そういう言葉を覚えさせようという意図があるのであれば、それはそちらに変えていってもいいのだろうと思うのですけれども、その辺が私にはわかりません。
田中先生、何かありますか。
○田中構成員 いえ、もう言葉の、どういうふうに教えるかだけなのですけれども、内容的にはサステイナビリティーの内容を伝えてはいるのですが、それを表に、言葉にどう出すかという話ですね。
○加藤座長 それでサステイナビリティーと言っていけない理由はあるのですか。そんな言葉がないのですか。
○吉池構成員 いや、片仮名で入れて、タームとして許していただけるのであれば一番すっきりするようには思います。
○髙地構成員 公衆栄養としてはそれで特に構いません。
○加藤座長 他の先生方は。
合田先生、どうぞ。
○合田構成員 これは持続可能型社会ではいけないのですか。どこが違うのですか。
○吉池構成員 公衆衛生的なSDGsというものはもっと大きな枠の中で、その一つのパーツとしてのところはあるのですが、公衆栄養活動そのものの大きな価値観、基盤として、今やサステイナビリティーがあるので、これは公衆栄養の中できちんと土台となる概念としては触れないといけないとは思います。
○合田構成員 ちょっと確認したいのは、ここで言うサステイナビリティーというものは社会のサステイナビリティーではなくて食料生産。
○吉池構成員 そうではなくて、主に環境負荷というところですが、そこは様々な社会的な事柄を含むわけです。コストとか、あるいはディストリビューションのこととか。
○合田構成員 栄養を保持するための食料の供給・流通等が持続可能であるという意味ですね。
○吉池構成員 はい。
○合田構成員 でも、日本語で持続可能な云々ではないですか。
○加藤座長 では、塩澤先生、お願いします。
○塩澤栄養指導室室長補佐 今の御議論を踏まえて、例えばこんなふうにしてはいかがでしょうかと思い、御意見を賜りたいのですけれども、この見え消し版の14ページを御覧いただくと「K 国際保健」のところのcに、まさに「持続可能な開発目標(SDGs)」というものが載っております。例えば、ここをそのまま生かして「持続可能な開発目標(SDGs)を踏まえた公衆栄養活動」としてみてはいかがでしょうか。だめですか。
○加藤座長 どうですか。
お願いします。
○武見構成員 私は、それはちょっと違うような気がするのです。そうすると、SDGsによって規定されてしまう。多分、吉池先生がおっしゃったり、栄養学の領域で言っているサステイナビリティーは逆に言うともっと広いかもしれないという気がするので、でも、ただSDGsがなぜ持続可能な開発目標か、学生はわからないでSDGsだけ覚えているかもしれないので、それを思うと、片仮名で「サステイナビリティー(持続可能性)」。栄養教育は結構、英語の、海外から持ってきた概念を使うときに、片仮名と日本語の訳を並べて使っていた時代が、例えばHealth Belief Model(健康信念モデル)とかとやっていたときもありまして、今はもうなくなって片仮名になりました。だんだん年月を経て、教育の中で浸透して、それを思うと「サステイナビリティー(持続可能性)」。どちらが括弧でもいいのですけれども、何かそんな表現と公衆栄養活動というものはどうでしょうかと思います。
○加藤座長 サステイナビリティーと書いたときに、それは授業に支障が出ることはないのですか。何が言いたいかといいますと、非常に大きなものになってしまって、捉えどころがないという話にはならないですか。大丈夫でしょうか。そこだけがちょっと、あまり広い話で、それだけで授業が終わってしまうような話になってしまっては、本当に15こまあるうちの一つも使えないという授業の中で、あまり広くなるのはどうかなというのを個人的には危惧しますが、全然オーケーであれば。
○吉池構成員 少なくとも「サステイナブルダイエット」という言葉自体はWHO/FAOで定義された固まったものです。それをそのまま片仮名で使うのもよくわからないしということなので、「持続可能性(サステイナビリティー)と公衆栄養活動」として、その中心的な概念はWHO/FAOの2010年のものであるという整理で問題はないとは思います。
○加藤座長 どうでしょうか。
○髙地構成員 結構です。
○加藤座長 他の先生方、よろしいですか。
個人的には、括弧を外していただきたいというのが私の思いですが、新しく出てくる言葉はやむを得ないと思うのですけれども、先生方、括弧つきでいきますか。
○髙地構成員 はい。括弧つきで。
○加藤座長 では、それでいいのですか。
ただ、括弧のところの使い分けで、最初のほうにあると思うのですけれども、この括弧は同じことを言っているのだということで、ここでは使っているのです。そこがちょっと問題になるのではないか。そこは大丈夫ですか。クリアできますか。ここでの定義、同じことを言っているというもので、言いかえという意味ですか。
○吉池構成員 はい。
○加藤座長 大丈夫ですか。
○髙地構成員 はい。
○加藤座長 では「サステイナビリティー(持続可能性)と」ですね。わかりました。
では、場所はhでいいのですね。
○髙地構成員 はい。
○加藤座長 では「持続可能性(サステイナビリティー)と公衆栄養活動」というタイトルにしていただくということで決めてしまいますが、よろしいでしょうか。
お願いします。
○塩澤栄養指導室室長補佐 すみません。単なる用語の話なのですけれども、意図はこれで全く問題ないと思うのですけれども、可能性と公衆栄養活動というものが同じ名詞同士ですが、もう少し違う表現といいますか、形容詞的な表現がないか。
○吉池構成員 英語で言いますと“toward”になると思うのです。「に向けた」ですから、その前で並びとしては「のための」とついていたところが「と」になっているのですが「ための」なのか。それ自体が目的というよりは、そちらの方向性に向けてということで言えば「に向けた」が一番、中身的には伝わるようには思います。
○加藤座長 では、サステイナビリティーを前に持っていったから名詞になってしまうので、形容詞を、日本語を前に持ってくれば、後に「サステイナビリティー」と入れておいてもいいのではないですか。形容詞にしたければ「持続可能に向けた公衆栄養活動」にして「持続可能(サステイナビリティー)」と入れるのはだめなのですか。そうではないですか。
○塩澤栄養指導室室長補佐 「サステイナブルな公衆栄養活動」とするのはいかがでしょうか。
○武見構成員 公衆栄養活動がサステイナブルになってしまうから、それはおかしい。
○加藤座長 では、ここは私に預けて下さい。今、言われたようなことの括弧をつけてというふうにさせていただかないと、議論が収束しそうにありませんので、今のお話で「サステイナビリティー」という言葉と「持続可能性」という言葉と「公衆栄養活動」というものを上手につなげさせていただくということで、また先生方、御意見を伺いながら決めたいと思います。よろしくお願いします。
お願いします。
○赤松構成員 その上の「e エンパワメントとしての公衆栄養活動」。これは「エンパワメントとしての」とつけるとエンパワメントのためのみたいに見えるのですけれども、実際、エンパワメントを活用した公衆栄養活動もあったりするので、ここも「と」にするか、何か少し考えていただきたいと思います。
○加藤座長 先生、ここはお願いします。
○髙地構成員 御提案どおり「と」で。
○加藤座長 「と」で大丈夫ですか。
○赤松構成員 はい。
○加藤座長 では、ここは「エンパワメントと公衆栄養活動」ということでお願いいたします。
お願いします。
○塚原構成員 大項目5に「A 公衆栄養マネジメント」となっているのですけれども、この栄養マネジメントは先ほどのケア・マネジメントの議論のときに「ケア」があるか、ないかだけかなというのはちょっと頭の中にあったので、ここだけ「栄養マネジメント」は、では「栄養管理」ではだめなのかとか、ここでまた3つ目が出てきているような気がするのです。
これはこれで、こういうものなのですか。
○髙地構成員 特に違和感はなかったのですけれども、変えるべきでしょうか。
○加藤座長 これは公衆栄養のマネジメントという意味なのですか。栄養マネジメントという意味とは違うのですね。「栄養ケア・マネジメント」と出てくる意味とは違うのですね。
○髙地構成員 それとは若干違って、公衆栄養マネジメントとして。
○加藤座長 その下も同じようにちょっと気になったのですが「公衆栄養アセスメント」という言葉も、これは栄養アセスメントで切れているわけではないのですね。そう思うわけですが、違うのですか。公衆栄養のアセスメントという意味なのですか。
○合田構成員 おかしくないです。
○加藤座長 栄養アセスメントではないのですね。公衆栄養のアセスメントなのですね。
○合田構成員 だから、公衆の栄養アセスメントなのです。これは地域の栄養アセスメントなのです。
○加藤座長 公衆の栄養アセスメントですか。そうしたら「公衆の」と書いておいたほうがいいのではないですか。そういうのは違うのですか。「公衆栄養アセスメント」という単語になるからちょっと違和感がくるという話ではないですか。公衆の栄養マネジメント。それも変ではないですか。公衆の栄養ケア・マネジメントではない。
違和感なしですね。
○合田構成員 先ほど申し上げましたように、栄養ケア・プロセスのような大きな概念にすると、公衆栄養のマネジメントはあるのです。
○加藤座長 公衆栄養のマネジメントなのですね。
○合田構成員 はい。スクリーニングをして、アセスメントをしているのですね。それに対して、どういう方法で全体をよくするのかというのはマネジメントですね。
これはマネジメントですか。
○加藤座長 それでいいのです。ですから「公衆栄養のマネジメント」なのですかと先ほど伺ったのですが「公衆栄養ケア・マネジメント」ではないのです。
そういう意味ですね。「公衆の栄養マネジメント」なのですね。
○髙地構成員 はい。
○加藤座長 違いますね。「公衆栄養のマネジメント」なのですね。
○塚原構成員 そうしましたら、さっきの「栄養管理」と「栄養マネジメント」はどう違うのですか。先ほどの「ケア」が入るか、入らないか。「栄養管理」は、要は地域を診断して、地域をよくするために考えてマネジメントしていくのですね。それは先ほどの「栄養管理」とまた違うのですか。
○加藤座長 日本語に合わせたら「栄養マネジメント」ですから「栄養管理」ですね。
○塚原構成員 そうなると、先ほどの「栄養管理」もあって「栄養マネジメント」もあって「栄養ケア・マネジメント」もあって、3つあるから、そうしたらいっそ「栄養管理」と「栄養マネジメント」は1つか。そうではないですか。
○合田構成員 歴史的にはそれは難しいので、短絡してはだめなのです。マネジメントが管理ではないのです。「栄養管理」と歴史的に、これはある意味では1方向の指導とか、そういったものをずっとやってきたので、これは危ないです。ですから、何でもかんでも置きかえるのは非常に危険なので、この「栄養ケア・プロセス」の中の「栄養ケア・マネジメント」と「公衆栄養のマネジメント」というものでは、これは「マネジメント」が私はいいと思います。ケアをして、アセスメントをして、そういう大きな流れの中のマネジメントなのだという意味になるので「管理」で全部一くくりというものでは、私はちょっと違うと思います。
○加藤座長 塚原先生の言われるのは、では「栄養管理」は使ってもいい。それはそれでいいという意味ですか。「栄養管理」もまずいといいますか、逆に。
○合田構成員 例えば管理栄養士が「管理」という言葉を使うのですから、その意味では「栄養管理」はあると思います。
○加藤座長 法律用語にも出てきますからね。
○合田構成員 はい。出てきていますから、それはいいと思います。
でも、スクリーニングから始めて、アセスメントをして、どのように対応するかという、このサイクルを回すという中のマネジメントということはやはり必要だと思うので、ここでは「マネジメント」という言葉を使うことに私は意味がある。そういう意味です。
○加藤座長 お願いします。
○武見構成員 私も多分、これはPDCAを回すといいますか、そこを強調したいがゆえに、やはり「マネジメント」という片仮名であえて持ってきているのだと思うのです。確かに、訳せば管理と同じではないか。そうかもしれないけれども、やはりそこに意図を込めているということで今までもこうなってきましたし、これはこれでいいのではないかと私も思います。
何が何でも全ての文言を統一していかなければいけないということによって、逆に受け取るとか、実際の意味が変にゆがんでしまったり歪曲化されてしまったりするのを懸念するので、このままでいいのではないかと思います。
○加藤座長 私が伺いたいのは「栄養ケア・マネジメント」ではないという意味なのですね。先ほどからくどいのですけれども「公衆栄養のマネジメント」という意味でもないのですか。少なくとも「栄養ケア・マネジメント」ではないのですね。
○武見構成員 そうではないと思います。例えば施策のマネジメントということがあると思うのですが、その場合はケアではないので。
○加藤座長 ですから、言葉として存在すればいいのですけれども、これが「栄養ケア・マネジメント」というものであれば言葉を統一しようという塚原先生の御意見なのだろうと思うのです。
○塚原構成員 そうしましたら、例えば「栄養管理」は「栄養マネジメント」ではだめなのですか。
○加藤座長 いや、それでいいのですが、法律用語の中に「栄養管理」が、特に臨床栄養とかなどでも給食経営でも入ってきてしまっているので、それを残したという、それだけの理由です。恐らく先生が言うのが私は正しいと思います。ですから、これからは合田先生の意見に従えば「栄養管理」という言葉は消えていかなければいけないのですよ。「栄養マネジメント」になっていかなければいけないのですが、それは厚生労働省のほうに法律の文章を変えていただくということになっていくと思います。
では、議論は出尽くしたみたいですので、これはこのままでよろしいでしょうか。
そうしますと、一通り見ていただきましたが、何かありましたらということと、少し細かいところに入っていきたいと思うのですが、これは私の完全な今回の目標の一つなのですが、できる限り括弧を外していただきたいと思っています。
それで、先生方にだめだと言われるところはだめでいいと思うのですが、最初に出てきた先ほどの「トリグリセリド」の部分なのですが、括弧を外したからといって、その括弧にある言葉を教えないという意味ではないと思います。それぞれの教科・科目ごとに、例えば「トリグリセリド」は「トリアシルグリセロール」のことであると基礎栄養学では教えていただければいいですし、生化学では教えていただければいいと思うのですが、ガイドラインに載る単語は1語でいいのではないかというのが私の個人的な考えなのです。
先ほどの「トリグリセリド」に関しては事務局のほうからも説明がありましたように、医師の国家試験が「トリグリセリド」になっている。それと、実際に国家試験をつくっているときのもとになっているのは南山堂の『医学大辞典』、あるいは栄養・食糧学会が出している『栄養・食糧学用語辞典』ですが、その辺が「トリグリセリド」になっている。これを見せていただきますと、疾患ガイドラインですね。要するに、学会がつくっているガイドラインでは「トリグリセライド」となっているので、近い将来は「トリグリセライド」と変わっているかもしれませんが、現在の時点は「トリグリセリド」ではないかといった御提案です。
ページにしますと、15ページのCの「b トリグリセライド(トリアシルグリセロール)」と書いてあるのですが、ここは思い切って「トリグリセリド」、括弧を取るというので御提案したいのですが、どうでしょうか。
藤岡構成員は、いかがですか。
○羽生構成員 きょう御欠席ですけれども、藤岡構成員はこの分野に御専門で、精通しておられて、ガイドラインの用語が「トリグリセライド」のほうに収束していっている現況で厚生労働省が所管するこういう国家試験もそちらに準じてはどうかという、かなり強い御意向を持っておられましたが、私はそこまで知りませんでしたけれども、医師国家試験と歯科医師国家試験が直近の改定のときに「トリグリセリド」というものを、あえてかどうか、採用されているので、今回のものはこの「トリグリセリド」で、この分野は行って、次回、学会のガイドラインとかに準じて、医師国家試験、歯科医師国家試験あたりが変わるようであればそうするということが落としどころかなというふうに、見せていただいて考えていました。
○加藤座長 ありがとうございます。大変力強い御意見をいただきまして、欠席裁判みたいでちょっと心も痛いのですけれども、基礎栄養も「トリアシルグリセロール」は外してもいいですか。といいますか、外させていただいてもいいですか。
では、管理栄養士の国家試験では「トリグリセリド」に一本化させていただく。それで、4年後の改定ではひょっとしたら「トリグリセライド」に変わっているかもしれないということがあるかと思います。
それから、臨床栄養ですか。「フレイル」のところまで来るのですか。臨床栄養のUの「b フレイル(虚弱)」というところがあったと思うのですが、ここの「虚弱」をそろそろ外してもいいのではないかというところがあります。
人体のところもあるのですか。
○田中栄養管理係長 「フレイル」は人体と応用栄養と臨床栄養の3科目で掲載されています。
○加藤座長 それは今回「フレイル」に統一させていただいたのですが、そこの後ろの「虚弱」は「虚弱」という言葉で使っているところは基本的にはないと私は思いますが、塚原先生、どうですか。
○塚原構成員 私も「フレイル」でいいと思います。
○加藤座長 では「フレイル」でよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○加藤座長 あとは「基礎栄養学」の31ページのところですが、Cの「c 不可欠(必須)アミノ酸」の「必須」を取る。これはもう取るということでよかったのですね。
(首肯する構成員あり)
○加藤座長 あとは、すみません、あちこち飛んで申し訳ありません。ぐちゃぐちゃになってしまいました。
○田中栄養管理係長 加藤先生、すみません。「基礎栄養学」の同じく31ページの「5 たんぱく質の栄養」の中項目Bの「b 分枝(分岐鎖)アミノ酸の特徴」の括弧はいかがいたしましょうか。
○加藤座長 どうでしょうか。実は「分岐鎖アミノ酸」で生きてきた私の時代ですが、よろしいでしょうか。括弧は取るということで「分枝」で統一させていただくということで。
(首肯する構成員あり)
○加藤座長 では、それもよろしくお願いいたします。
あとは「基礎栄養学」の32ページの「7 ビタミンの栄養」のところなのですが、ちょっと気になったのが「a レチノイド(ビタミンA)」というのはいかがなものでしょうか。「ビタミンA」だけにするという、先ほどちょっと申し上げて、レチノイド=ビタミンAという考え方ではないほうがいいのではないかと私は思ったのですが、合田先生、いかがですか。下は「ビタミンD」ですものね。「ビタミンAと活性型ビタミンDのホルモン様作用」で。
○合田構成員 ちょっと悩ましいところなのですけれども、カロテンの場合には「カロテノイド」という用語がありまして、ビタミンAになる「レチノイド」という用語があるのです。
レチノイドは広い概念なのですけれども、ビタミンAで一応含めることはできると思います。「ビタミンA」でいいと思います。
○加藤座長 ビタミンAのほうが少し大きいと思いますので、では、ここは「レチノイド」を外していただいて「ビタミンA」を括弧から外して「ビタミンAと活性型ビタミンDのホルモン様作用」にさせていただきたい。
細々したところはそんなようなところだったと思いますが、事務局、あとは何かありましたか。
○田中栄養管理係長 以上で事務局からは御相談したい件は大丈夫です。
○加藤座長 先生方、何か全体を通して見ていただいて御意見等がありましたら。
お願いします。
○曽根構成員 各科目で先ほどライフステージ別の区分の書き方が、36ページの「E ライフステージ別食事摂取基準」とか、42ページの「A ライフステージ別の栄養教育の展開」と、51ページの「C 地域集団の特性別プログラムの展開」の「a ライフステージ別」の、分類の言葉がそれぞれ違っているのですが、これはそれぞれの科目の特性に合わせた書き方、分類の仕方ということで理解すればよろしいのでしょうかという確認です。
○加藤座長 それは先生、小項目のほうが違うという意味ですね。
○曽根構成員 はい。これはそれぞれの科目ごとの区分でよろしいというのであれば、それで結構です。
○加藤座長 例えば36ページですと、妊婦・授乳婦がaで、乳児、小児、成人、高齢者ですが、42ページになると妊婦・授乳期、乳幼児期、学童期・思春期というものが入ってくる。
○曽根構成員 51ページですと、妊娠期・授乳期、新生児期・乳児期、成長期、成人期、高齢期という分け方になっています。
○松本構成員 「応用栄養学」のところですけれども、36ページですが、これは基本的には食事摂取基準の分け方に準じて、妊婦・授乳婦、それから、乳児、小児というものは食事摂取基準では1歳から18歳未満ということになっていますので、その形で1つにまとめさせていただいて、あとは成人、高齢者という形でまとめさせていただいております。
○加藤座長 ありがとうございます。
ちょっと気になるのは、他のところは「期」という言葉が入れてあるのですが、この分かれているのは基本的に数が多いかどうかというだけですが「期」という言葉を入れるのは変ですか。入れなくてもいいのかもしれないですけれども、あまり関係ないのですか。
○松本構成員 今、確認しましたけれども、食事摂取基準のほうには「期」が入っていないので、入れていないのです。
○加藤座長 他のところは「期」なのですね。
栄養教育は「期」がいるのですね。
赤松先生、大丈夫ですか。「期」はないとおかしいのですね。
○赤松構成員 栄養教育は、栄養教育を行うシチュエーションで分けていて、妊娠期・授乳期というものは妊婦さんと授乳婦さんで、乳幼児期というものは子供のほうを対象という形で、栄養教育の場面で分けているのです。
○加藤座長 「期」ですね。
○赤松構成員 分け方はこれでいいと思うのですけれども、書き方がつなぐときの中ポツの前に「期」を入れるか、入れないかというのはそろえたほうがいいかなと思っています。別にそこはこだわっていないので、中ポツの前の「期」を、入れるかは、他の科目との確認をしていただければと思います。
○加藤座長 塩澤先生、理解していただけましたか。
○塩澤栄養指導室室長補佐 はい。
○加藤座長 私は理解できませんでした。すみません。
それで、先生の質問に答えていないですね。
○曽根構成員 科目ごとにそれぞれの考え方で分けているのであればそれは結構ですけれども、表記の仕方の、先ほどの中ポツの前に「期」を入れるかどうかというのは、51ページも含めて、そろえたほうがきれいかなと思います。
○加藤座長 では、この「期」に関してはといいますか、このステージに関してはそれぞれの科目によって決めていただくということで、表記の仕方だけ少し事務局のほうで対応していただくということでお願いします。
先ほど吉池先生のほうからあった質問ですが、私、ずっと他のことを考えていたのですけれども、そこの部分を取ったらだめなのですか。わざわざ、この科目から移したのだと書くから変な話になっていて、具体的にはというところを、2ページ目の「出題数及び出題数の配分、出題形式について」の赤になっているところの「具体的には」というところはいいと思うのですが「可能となるよう」の後ろです。「最も適切なものを問うことが多い科目を中心に」という、この文章を外してはだめなのですか。
○吉池構成員 基本的に外すことで賛成です。
もう一つは、ここのところでまた「栄養ケア・マネジメントを基本とした栄養管理」という、また回りくどい表現をして、先ほど栄養管理がより広い概念ということであれば、ここは「栄養管理」でよいわけですね。そうしたときに、実はもうちょっと大事なことについて、先ほど言いかけたことなのですが「栄養ケア・マネジメントを基本とした」を例えば削除して、その前に「個人または集団における種々の状況において」。実際に問題をつくるときは状況設定をするわけなので、そういう状況において問うから、その状況に合った形の科目が出てくるという表現をしたほうがよりすっきりと読めるかなと思ったところです。
それで「最も適切なものを問うことが多い科目を中心に」は削除という先生の御提案に賛成です。
○加藤座長 これがちょっと邪魔になっているような気がします。
先生は「具体的には」の後ですか。
○吉池構成員 もう一度申します。「個人または集団における種々の状況において栄養管理を実践する上で」とすると、今回の出題も個人と集団ということですし、状況設定ということが前提となっていますから、当然、その状況設定にかかわる科目から主に引っ張ってきているということが読めると思います。
○加藤座長 今の御提案、繰り返しますと、赤字が始まっているところですが「具体的には、個人または集団における種々の状況において栄養管理を実践する上で必要な知識、思考・判断力を備えているかについて評価が可能となるよう、10問を応用力試験に移行し」云々と続くというふうにしたいという提案ですが、あまりどの科目がどうこうという話を持っていかないほうがいいというのはそのとおりのような気がします。
他の先生方、何か御意見をいただけますでしょうか。
では、塩澤先生、考えておいていただいて、他に先生方、何かここまで通して、これで最終報告書をつくり上げていきたいと思いますので、何かもしありましたら。
お願いします。
○大口構成員 先ほどの括弧書きの件なのですけれども「基礎栄養学」を中心に「ミネラル(無機質)」という言葉がございまして、今、合田先生と話しまして、無機質はなくていいのではないかという提案です。
それで「ミネラル(無機質)」は多分、食べ物のところに1カ所、あと、基礎栄養で何カ所か、応用のところにも1カ所あるのですが、応用のところは「ミネラル」だけになっています。今、見た感じ、そのあたりに言葉としては入っておりますので、今、先生方の御意見を伺いたいと思います。
○加藤座長 先生、基礎栄養はどこでしたか。
○大口構成員 基礎栄養は数カ所ございます。
まず、大項目の8。
○加藤座長 すみません。私、そこに気づきませんでした。
○大口構成員 あと、食べ物のところに1カ所入っています。
○加藤座長 大項目の「8 ミネラル(無機質)の栄養」。
○大口構成員 そこと、あとは基礎栄養の修正の入った30ページのところなのですけれども「ミネラル(無機質)」で、消化・吸収のところにもございます。
○加藤座長 「ミネラル」のところの「無機質」を取るということに関してはよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○加藤座長 では、それも括弧をできるだけ外していただくということで、ちなみに31ページの「5 たんぱく質の栄養」というところのAの「d 急速代謝回転たんぱく質(RTP)」は、もちろん(RTP)でいいのですが、国家試験では一回「ラピッドターンオーバープロテイン」と片仮名で出したのですけれども、これはなかなか日本語が難しいのだろうと思うのですが、一応、この栄養学辞典か何かはこういう訳なのですね。こちらのほうがいいですか。
○合田構成員 「短半減期」ではないです。
○加藤座長 この日本語で、これはやはり(RTP)も残しておいたほうがいいのですね。
残すなら全部「ラピッドターンオーバープロテインラピッドターンオーバープロテイン」ですが(RTP)は意味がわからないですものね。
○合田構成員 残すなら「ラピッドターンオーバープロテイン」です。なくていいと思います。日本語だけでいいと思います。
○加藤座長 では、これもよろしいですか。
○合田構成員 はい。
○加藤座長 では「d 急速代謝回転たんぱく質(RTP)」の(RTP)は外します。
先生方で他に何か。
では、先生のほうからお願いします。
○髙地構成員 すみません。先ほどの「最も適切なものを問うことが多い科目を中心に」というところの改定部分の下のところに「応用力試験など栄養管理を実践する上で必要な」というところで「最も適切なものを問うこととする」とあるのですけれども、これは応用力試験は最も適切なものを問うこととするという縛りではないですね。
○加藤座長 すみません。どこでしたか。
黒のところですね。
○髙地構成員 はい。2ページの黒のところです。
絶対解でもいいという話だったと思うので、一応、ここの解釈の確認です。
○加藤座長 これは「問題では」と言って限定されていますか。「基本的な課題に対応する能力を評価する問題では、最も適切なものを問うこととする」という、最も適切なものを問う問題もあるという読み方が私はできるのですが、先生、この表現ではまずければ。
○髙地構成員 確認をお願いします。
○吉池構成員 ここの2行のところが、かつての表現が全部残っているので、この「思考・判断力、基本的な課題に対応する能力」というものは他では消えているはずのところで、ここだけ反映されていないと思います。他と同じように、ここの文言を変えればよいのではと思います。
○加藤座長 どうですか。何となく、この文章だけ読むと、最適解もありますというふうに私などは読めてしまうのですが、ですから、全部が最適解という「応用力試験など」と書いてありますので、栄養教育、臨床栄養などももちろん含めて、最適解もありますということを言いたい文面ですね。
出題形式については、正しいもの(5つの選択肢から1つまたは2つの正解肢)を問う方式を原則とすることが望ましい。だけれども、応用力試験など栄養管理を実践する上で必要な思考・判断力、基本的な課題に対する能力を評価する問題では、最も適切なものを問うこととするというのはあってもいいのではないですか。ないと絶対解しかないとか、最適解しかないというふうになっていて、わざわざ絶対解の問題も最適解の問題もあるのですと。
「応用力試験など」と書いてあるからだめなのですね。「など」だから、みんな入るからいいといえばいいのですけれども、それもやめて、なお、栄養管理を実践する上で必要な思考・判断力、基本的な課題に対する能力を評価する問題では、最も適切なものを問うことにするとしたら先生の疑念が晴れるというイメージですが。
○髙地構成員 それでよければ、むしろそのほうがいいと思います。
○加藤座長 「応用力試験など」という言葉を抜いてもいいような気がしますが、そうやって残しておいたらどうですか。
○吉池構成員 実はここで、今の論点ではないのですが「基本的な課題に対応する能力を評価する」という表現については、この能力そのものについて評価できないのではないかということで、応用力問題のねらいのところでこの表現は修正されています。何とかを実践する上で必要とされる知識、思考・判断力を問うというふうに応用力問題自体のねらいの文言が修正されています。その修正がここの部分で文言として反映されていないので、合わせたほうがよろしいのではないかということです。
○加藤座長 そうしますか。
ですから、ここに書いてあるものは、実は応用力問題に限ったわけではないのですね。ですから、絶対解問題と最適解問題があるのだということを言うのですが、先ほど吉池先生が言われたみたいに、そこの部分がちょっと変わっているということで。
お願いします。
○塩澤栄養指導室室長補佐 念のため確認させていただいてよろしいですか。今のところでございますけれども「なお」から始まるところです。ここは「なお、応用力試験など栄養管理を実践する上で必要な思考・判断力」で、その後の「基本的な課題に対応する能力」というところを削除して、もとに戻りますけれども「必要な思考・判断力を評価する問題では、最も適切なものを問うこととする」というものを応用力試験のほうとの並びをとって、今の部分を削除するということでよろしいでしょうか。
○加藤座長 「応用力試験など」は残す。
○塩澤栄養指導室室長補佐 「応用力試験など」は、文章は残します。
○加藤座長 「など」があるからですね。
○塩澤栄養指導室室長補佐 はい。なので「判断力」の後の句点と「基本的な課題に対応する能力」という部分のみ、ここは削除ということでよろしいでしょうか。
○加藤座長 いいですか。
○曽根構成員 はい。
○加藤座長 ですから、吉池先生のほうではそうです。髙地先生のほうは、応用力試験は絶対解を入れないということが書いてあるのではなくて、応用力では最適解を問う問題がありますという理解をしていただければいいと思います。
弘津先生、何かありましたね。
○弘津構成員 「応用栄養学」ですが、変更履歴つきの38ページと39ページにあるものの括弧書きについて検討しました。「8 高齢期」のAの「h 日常生活動作(ADL)、手段的日常生活動作(IADL)の低下」には、(ADL)、(IADL)の括弧書きがあります。下のBには「g 日常生活動作の支援」で、こちらには括弧書きがありません。こちらで相談しましたが、あった方が良いのか、無くした方が良いのか、どちらがよろしいでしょうか。
○加藤座長 どうぞ。
○塩澤栄養指導室室長補佐 むしろ、このBのほうの下から3つ目の「g 日常生活動作の支援」というところには「日常生活動作(ADL)」と入れたほうがいいと思います。一般的にはいろいろな施策とかを含めて、日本語も使いますけれども、一般的には英語で使うときのほうが多いと思われますので。
○加藤座長 では、括弧を逆にしたらどうですか。
○塩澤栄養指導室室長補佐 それもありだと思います。逆にしましょうか。どうしましょうか。
○加藤座長 ADLのほうが一般的なような気がしますので、日常生活動作と言われたら、えっと思う人がいるかもしれませんけれども、ADLと言ったらADLですものね。
○塩澤栄養指導室室長補佐 では、逆にして、英語を先にして、括弧で日本語ということでよろしいですか。
○加藤座長 では、Bのほうは括弧も何も要らなくて「ADL」だけでいいのではないですか。
○塩澤栄養指導室室長補佐 そういうふうにしましょうか。
○加藤座長 そういうものが一番妥当な気がします。
○塩澤栄養指導室室長補佐 わかりました。
○加藤座長 弘津先生、いいですか。
○弘津構成員 AとBの中項目のところはそろえなくてもいいということですか。ADLのほうを先に書いて、日本語を書くのではなくて。
○加藤座長 多分、ADLのほうは非常にポピュラーだと思うのですが、IADLのほうは括弧書きがないとちょっと苦しいかもしれないというところはあるかなと思うので、いずれ外すということでもいいと思うのですけれども、ここの時点ではとりあえずは残しておくということで、では、8番のAのhに関しては「ADL(日常生活動作)、IADL(手段的日常生活動作)の低下」にして、Bのgに関しては「ADLの支援」というふうにさせていただくということでお願いします。
○弘津構成員 すみません。もう一カ所あるのですけれども、大項目10で、中項目Bで、小項目eのところなのですが「無重力環境(宇宙空間)と栄養」と書いていますが、この「宇宙空間」というのは外してもいいのではあるまいかと、こちらで話しました。
○加藤座長 おっしゃるとおりです。
○弘津構成員 よろしくお願いします。
○加藤座長 他に無重力空間がどこにあるかという話ですが、つくればあるのだということですか。
応用栄養学のほうからの御提案ですが、外してもよろしいでしょうか。
では、外させていただきます。ありがとうございます。できる限り括弧を外すというのが非常に私の強い希望ですので。
どうぞ。
○羽生構成員 先生のお話なのですけれども、その方向ができるだけ望ましいと思いますが、先ほどの31ページのRTPの議論なのですけれども、正しい訳語は急速代謝回転たんぱく質のとおりだと思うのですが、その訳語として、私はあまり教科書とか一般の本とかを見たことがなくて、それだけの単語で括弧なしで国家試験に出たとき、学生はプレアルブミンとかのことを思い浮かべるかなと言われると、ちょっと難しい可能性がありまして、それですと、括弧なしでしたら、それこそ「ラピッドターンオーバープロテイン」のほうがまだ一般には通りがいいのかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○加藤座長 どうでしょうか。
ですから、国家試験ではわざわざ片仮名で書いたのです。英語で書くと英語の得意な人はそのまま意味がわかってしまって、わかってもいいのですけれども、そういう議論をしたと思います。わざわざ片仮名で「ラピッドターンオーバープロテイン」と出したのですが、変な話は変な話でした。
合田先生、いかがですか。
○合田構成員 現場ではラピッドターンオーバープロテインと教えているのであれば、この用語は使うべきだと思います。ただ、RTPはあまりいただけないので。
○加藤座長 括弧にするにしても「ラピッドターンオーバープロテイン」と書いたほうがいいですか。
英語でもいいのですか。英語で載せるのは変ですか。
○合田構成員 これまで英語で載せたことはないのではないですか。片仮名でいいと思います。
○加藤座長 そうしましたら、先生、これも「ラピッドターンオーバープロテイン」を前に持ってきて、後ろが「急速代謝回転たんぱく質」というほうが多分ポピュラーなような気がするのですが、塚原先生、いかがですか。
○塚原構成員 「RTP」という言葉はなくなるということですか。今の文言の中に片仮名があって、漢字が入るということですか。
○加藤座長 入りません。
○塚原構成員 「RTP」が入るのですね。
○加藤座長 「RTP」は入れなくて、2つ残したのは「ラピッドターンオーバープロテイン」という片仮名と「急速代謝回転たんぱく質」という2つの言葉なのですが、臨床栄養のほうはそれでいいですか。
○塚原構成員 私は「RTP」という文字があったほうがわかりやすいような気がします。学生がぱっと聞いたときに、その文言を捉えたときに、別に「ラピッドターンオーバープロテイン」と書いてあるからいいと思うのですけれども。
○羽生構成員 それは先生がおっしゃるとおり、多分、長ったらしいから「RTP」と呼称していることが臨床の場では結構多いというのが本当だと思うのですよ。それで、3つしか教えないですけれども、その3つのことが頭に浮かんでくれたらそれでいいのですが、全然突拍子もないものを浮かべたら、全然、また問題の意図と違ってしまうかなという気はします。
○塚原構成員 うちの臨床栄養学の分野では、3つ以外は多分教えないと思います。
○羽生構成員 「RTP」で呼称していますね。なので、どうかなと。
○加藤座長 先生、やはりRTPと教えていますか。
○塚原構成員 黒板には「ラピッドターンオーバープロテイン(RTP)」と書いて、口では「RTP」と言っています。
○加藤座長 では「ラピッドターンオーバープロテイン(RTP)」のほうが何となく今のストーリーではいいような気がするのですが、基礎栄養学はそうはいかないですか。
○塚原構成員 臨床栄養の教科書はそちらのほうが多いような気がするのです。
○加藤座長 基礎栄養学、いかがですか。そういうアイデアはないですか。
○合田構成員 基本的な考え方、概念としては、本来的には日本語で書くべきだと私は思います。それを一般的に、臨床ではこういうふうに簡略して「RTP」と呼んでいるというのはいいのですけれども、やはり日本語の概念としては、日本語の場合には漢字を見ると意味がわかりますから、RTPですと意味がわからないですね。ですから、教えるときには、やはり基本的に用語としては日本語にできるのだったら、そのほうがいいと私は思います。RTPという用語を広く教えてあげたいのであれば、やはり括弧でつけるべきです。
○加藤座長 医療現場は基本的に3文字略語が好きですから、何でも3文字略語になっていますので、ただ、RTPはラピッドターンオーバープロテインと教えているということに関しては間違いがないので、先生、ここは「急速代謝回転たんぱく質(ラピッドターンオーバープロテイン)」ぐらいのところで落としていただいてもいいですか。
では、御不満もあるかと思いますが、その辺でよろしくお願いします。
お願いします。
○塩澤栄養指導室室長補佐 ちょっともとに戻るのですけれども、先ほど吉池先生から御提案を頂戴した部分についてでございます。見え消し版の2ページの、例の後段の「具体的には」から始まるところで、先ほど「栄養ケア・マネジメントを基本とした」という部分を削除して、そのかわりに「個人または集団における種々の状況において栄養管理を実践する上で」という御提言を頂戴したと思うのですが、ちょっと細かいのですけれども「種々の状況において」という部分を「種々の状況に応じた」というふうにさせていただきたいのですが、よろしいですか。
○吉池構成員 はい。お任せいたします。
○加藤座長 お願いします。
○曽根構成員 そこの文章で、今回、応用力問題は増やすという変化を強調するのであれば、その下のところで「思考・判断力を備えているかについて一層の評価が可能となるように」と「一層の」を入れたほうが、今回初めてつくるのではなくて、増やすのであれば、理由として適切なのではないかと思います。
○加藤座長 「一層」がいいですか。
○塩澤栄養指導室室長補佐 すみません。今の御趣旨を踏まえて、例えばですけれども「思考・判断力を備えているかについての評価がより一層可能となるよう」みたいな感じでもよろしいですか。
○曽根構成員 はい。それで結構です。
○加藤座長 では、その言葉をどこに入れるかは事務局にお任せいたしますので、そういう言葉が入るようにということで、先生、よろしいでしょうか。
○曽根構成員 はい。
○加藤座長 お願いします。
○神田構成員 給食の大項目5、中項目B、小項目aのHACCPの括弧の英語は要らないのではないかと思いまして。
○加藤座長 もうポピュラーですものね。
○神田構成員 それと「食べ物と健康」の見え消し版の26ページで、大項目4、中項目Hの。
○加藤座長 HACCPですね。
○神田構成員 そこも同様にというふうに提案いたします。
○加藤座長 ありがとうございます。
もうHACCPはほとんど皆さんそのまま使っていますので、英語表記を省かせていただきます。ありがとうございます。
その他、先生方、何かこの場で思いつくことがありましたら。
事務局のほうで、今後の手続はどうなるのか、説明してくださるのですか。今回でとりあえず終わりですね。
○塩澤栄養指導室室長補佐 今、いろいろな修正ポイントをいただきましたので、そこで事務的に形式を整えて、もしよろしければ、座長の加藤先生に一回御確認をいただいて、確認をいただいた後に我々から正式に最終版として公表という流れで考えておりますが、よろしいでしょうか。
○加藤座長 それでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○加藤座長 そうしますと、先ほど1つ宿題が先生のところにありましたね。ありませんでしたか。
○髙地構成員 サステイナビリティーです。
○加藤座長 では、そこはお任せいただいてもいいですか。
○髙地構成員 はい。
○加藤座長 では、すみません。サステイナビリティーのところの書き方だけお任せいただくということでよろしくお願いします。
他は何か先生方、ありますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、最後に一言、事務局のほうからお願いいたします。
○清野栄養指導室長 昨年の9月から先生方にはたくさん御議論いただきまして、改定の作業なども重ねていただきまして、本当に心より感謝しております。
今回の改定では、特に応用力試験問題を増やしていくなど、今後の管理栄養士国家試験の質の向上が図られるのではないかと考えております。本当にありがとうございました。
先生方におかれましては、今後とも管理栄養士国家試験の質向上のために御指導・御助言を賜りますよう、お願いをいたします。
簡単ではございますが、挨拶にかえさせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
○加藤座長 ありがとうございました。
それでは、先生方、本当にお忙しい中、ありがとうございました。これにて3回にわたる検討会を終わらせていただきたいと思います。
本日も閉会させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
配付資料といたしまして、資料1「管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定検討会報告書(案)」、資料2「第2回検討会で特に議論があった用語の整理」、参考資料1として、報告書(案)の変更履歴付きのものをお配りしております。
また、参考資料2の現行版のガイドライン、参考資料3の第30回~第32回管理栄養士国家試験の問題冊子は、お手元左側のピンクのファイルに挟んでおります。また、ピンクのファイルの中には第1回検討会と第2回検討会の資料を綴っておりますので、適宜御参照ください。
以上が資料ですが、不足がございましたらお申し出ください。
○清野栄養指導室長 それでは、ただいまより、第3回「管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定検討会」を開催いたします。
構成員の先生方には、御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、藤岡構成員は御都合により欠席です。
検討会の開催に当たりまして、健康局長の宇都宮から挨拶をさせていただきます。
○宇都宮健康局長 皆さん、こんにちは。本日は年度末の大変お忙しいところ、御参集いただきまして、誠にありがとうございます。また、9月の第1回以来、御議論に御参加あるいは必要な作業などを行っていただいた先生もいらっしゃいますが、御協力に感謝申し上げます。
さて、管理栄養士の主な業務の一つとして、傷病者に対する栄養の指導というものがございます。御存じのように、今、国を挙げて地域包括ケアシステムの構築というものを目指して様々な施策が打たれているところでございます。そういった中でも特に要介護者、何らかの病気を抱えている方に対して、栄養の問題は非常に重要なものであり、特に最近はフレイル対策なども重要と言われております。
その他含めまして、様々な制度改正あるいは法改正などを踏まえた見直しによって、社会情勢の変化に対応した内容となりますよう、各科目について見直しを行う、あるいは応用力試験につきましては、複雑困難な個別案件などについて、エビデンス、データに基づいた適切な栄養管理を実践できるよう、出題のねらいの見直しを行っていただいているところでございます。こうしたことを通じて、さらなる充実を図るということであります。
本検討会につきましては、本日が最後になる予定でありますけれども、ぜひ、忌憚のない御意見をいただければと思ってございます。
また、今回はまさに国家試験出題基準の改定ということですが、管理栄養士全体の資質の向上ということを考えると、卒前あるいは卒後を含めた研修体制、内容、そういうことも非常に重要でございます。日頃より先生方にはそういうことにもかかわっていただいていると思いますが、卒前・国家試験・卒後、トータルとして今後とも管理栄養士の資質の向上に向けて御指導・御鞭撻いただければと思います。
これらのことをお願いさせていただきまして、御挨拶とさせていただきます。本日はぜひよろしくお願いいたします。
○清野栄養指導室長 局長につきましては、公務のため退席させていただきます。
○宇都宮健康局長 失礼します。
(宇都宮健康局長退室)
○清野栄養指導室長 それでは、カメラの撮影はここまでとさせていただきます。
これ以降の進行につきましては、加藤座長にお願いいたします。
○加藤座長 よろしくお願いいたします。
改めまして、先生方、どうもこんにちは。
本日もまた、お忙しい中、第3回「管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定検討会」に御出席いただきまして、本当にありがとうございます。
これまで2回検討会を行ってきたわけですけれども、先生方から大変貴重な御意見をいろいろいただきまして、それを参考に、それをベースに事務局のほうに、本日は改定案の報告書をつくっていただいておりますので、本日はこの案をもとに、話を進めていきたいと思っております。
宇都宮局長からもありましたように、本会議をもって、この報告書、最終案を完成したいと考えておりますので、ぜひとも御協力のほどをよろしくお願いいたします。
それでは、資料1が報告書(案)になっていまして、参考資料1のほうが変更履歴がついているものです。この2つを見比べながらということになろうかと思いますけれども、まず報告書の1ページから各科目に入るまで、3ページのところまでについて事務局のほうから説明をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○田中栄養管理係長 それでは、報告書(案)の1ページから説明をさせていただきます。
1ページの「I.はじめに」に関しましては大幅な修正はございませんが、時点の修正ということで、それぞれ国家試験の回数、こちらの検討会がいつから設置されたかというところを修正しております。
続きまして「II.改定に当たっての基本的な考え方」につきましては、第1回の検討会におきまして、改定の論点として、管理栄養士の今後の方向性をお示ししており、その内容を軸として今回の基本的な考え方とさせていただきました。
具体的には「地域包括ケアシステムの構築推進に向けて、個々人の生活の視点を踏まえた、きめ細かな対応が今後より一層重要になる」ということですとか、「医療・介護を初めとした様々な領域における栄養管理の質の向上が求められる一方で、働き手の減少が見込まれる中、効果的・効率的なアプローチとしての多職種連携がますます進む」といったことを改定の基本的な考え方にも盛り込んでおります。このような状況を踏まえて「複雑困難な個別案件や地域の栄養課題に対して、栄養の専門職としてエビデンスやデータをもとに、論理的思考により、最適解としての栄養管理をいかに打ち出していけるか、それをさらに多職種連携の中で論理的に提案できるかといったことが一層問われてくるものと考えられる」というところを基本的な考え方の前提とさせていただいております。
今回の改定は、このような今後の管理栄養士の方向性を踏まえた上での科目横断的な事項、特に出題数の配分等を中心とした見直しを行ったということと、科目別の出題基準については、前回改定以降に改正された法・制度と、またはこれまでの、前回改定後の管理栄養士国家試験の出題状況を踏まえて見直しを行った旨、記載させていただいております。
続きまして、2ページ目の管理栄養士国家試験問題について、まず教育との関係というところについては第2回の検討会でも御議論をいただいているところですが、特に教育のあり方を拘束するものではないということですとか、科目間の重複は出題基準においては重複を少なくして策定しているものではありますが、教育においても科目間の重複を妨げるものではないところをこちらにも記載しております。この点に関しましては特に御留意いただきたいということで、今回の改定の出題基準の中には盛り込ませていただきました。
出題数及び出題数の配分、出題形式についてですが、こちらは既に御議論はいただいておりますが、引き続き200題として、科目間の関連に配慮しつつも、その重複は避けて、科目横断的な設問については応用力試験と取り扱うこととして、一部、配分のほうを変更することが望ましいとして、応用力試験については20題から30題に増やしておりますが、その分、社会・環境、人体の構造のところを1問、栄養教育論、臨床栄養学、公衆栄養学、給食経営管理論については2問ずつ現行版から出題数を減らし、トータルでは200問という形にしております。
また、特に問題数の配分の変更に関しましては、最も適切なものを問うことが多い科目を中心に配分の見直しを行ったところをこの中に盛り込ませていただきました。出題形式等に関しましては、前回の現行版のガイドラインから引き続きとさせていただいております。
続きまして、3ページに移らせていただきます。合格基準、今後の出題基準の見直し、過去の試験問題の活用については、前回の現行版からの引き続きとさせていただいておりまして、次に今回改定した出題基準の適用につきましては、第34回、2020年3月実施予定の国家試験から適用することが望ましいとしております。
最後に「V.おわりに」のところになりますが、こちらに関しましては、特に今回の改定の論点でもございました、個人や集団の栄養課題に対して効果的・効率的に取り組んでいく上で必要とされる知識、思考・判断力を的確に評価することがますます求められていくことと、そういった観点から、さらに今後引き続き応用力試験問題の充実を検討していくことが望ましいということをお示ししております。
また、先ほどの局長の挨拶のほうでもございましたが、卒前・卒後の教育も含めた教育の質の向上という点で、特に卒前教育に関しましては、平成29年度から厚生労働省の予算事業において検討しております管理栄養士養成課程のモデル・コア・カリキュラムが、管理栄養士の養成課程で広く活用されていくことが望ましいということも盛り込ませていただいています。
以上となります。
○加藤座長 ありがとうございました。
1ページ目の「I.はじめに」からですが、基本的な考え方が初めに来ています。
2ページ目が、ガイドラインで、科目間の重複をできるだけなくしていることが基本的なのですけれども、今、事務局が言われたように、これが決して科目間で重複して授業をするなという意味ではないということは先生方、御承知のとおりだと思います。
そして最後の部分に、これも授業ごとに、このガイドラインが縛るものではないので、授業ではもっと広く教えていく必要があるということです、現在進んでいるコア・カリキュラムなどに準拠して授業は進めていっていただきたい。あくまで、これは国家試験のガイドラインであるということを、申し上げるまでもありませんけれども、これが決して授業の全てにならないように、ということがここに盛り込んであると理解しております。
それで20年度、来年度から適用することが望ましいとありますが、ということは適用するということなのですね。
○田中栄養管理係長 はい。
○加藤座長 そういうことで、来年3月の試験にはこれが適用されることになるということが書いてあります。
ここまでに何か御助言・御意見等がございましたら。
お願いします。
○吉池構成員 2ページ目で、文言のことなのですが、出題数で、中ほどに「最も適切なものを問うことが多い科目を中心に、10問を応用力試験に移行し」ということです。前回議論のとき、どの科目から何問とってくるかということで、この同じ表現がされて決定したので、それは構わないのですが、試験科目として、最適解はこの科目が割と多いという実務的な判断のように私は感じています。しかし、広く読んでいただく報告書として、このように書いて果たして真意が伝わるかどうか。問題数を減らした科目について、もう少し、誰もがわかる説得力のある書き方ができないのかと感じたところです。
コメントです。
○加藤座長 ありがとうございます。
先生、ついでですので、前向きに。
○吉池構成員 考えてみたのですが、まだ思いついていないのです。
応用力問題が個人または集団に関わる各設定で問うことが望ましいと考える内容を含む科目ということが恐らく本質のような気がするのですが。まだいい言葉が思い浮かんでいなくて、申し訳ありません。
○加藤座長 ありがとうございます。
何か、この件につきまして、他の先生方、御意見等はありますでしょうか。
それでは、少しお時間をいただきまして、先生も考えていただければちょっと考えていただいていて、先に進んでいきたいと思います。
他に何か御意見等がございましたら。
武見先生、お願いします。
○武見構成員 3ページの最後のところ、モデル・コア・カリキュラムのことが出ているところについて意見を申し上げます。
まず、この表現なのですけれども、管理栄養士養成課程のモデル・コア・カリキュラムということではなく、一応、ここからは委託を受けている立場で、管理栄養士養成の栄養学教育モデル・コア・カリキュラムというふうに言われて進めておりますので、やはり栄養学教育という言葉はきちんと示していただいて、お出しいただきたいということがあります。
それから、表現としてはそこの点なのですが、先ほど座長の加藤先生のほうから、授業では広く教えるという話があったのですけれども、実際にいま、パブリックコメントにお出ししているモデル・コア・カリキュラムのほうがむしろ6割ということで、かなり絞り込んでいる状況の中で、しかし、それはあくまでコアというものが何なのかを示すために絞り込んでいるのであって、また、それだけに教育内容は限定されるわけではなく、プラス4割をそれぞれ養成課程でしっかりやっていただくという本筋の意図がきちんと伝わらないと、結局は広く網羅しているガイドラインを重視して教育課程が編成されてしまってということになると、このコア・カリキュラムの検討の意味があまりなくなってしまうので、そこら辺の真意がきちんと伝わるように、それはこれに書き込むのはなかなか難しいと思うのですけれども、いろいろなところでこのガイドラインの改定の件であるとか、あるいはモデル・コア・カリキュラムの説明についてもだと思うのですけれども、していかないといけない。まさに教育の質を担保するということでというあたりはやや懸念して、加藤先生とは以前御相談もしたのですが、これだけの表現ではそれが伝わるかというところがやや危惧されるということです。
○加藤座長 ありがとうございます。
なかなか教育的な御意見だと思うのですけれども、確かにそのときにも私、ちょっと説明させていただいたのですが、今、つくっていただいているコア・カリキュラムのほうがこのガイドラインよりも範囲が広いと、ガイドラインのところしか勉強しなくなってしまうということを言わせていただいたのです。
それで、ガイドラインだけでいいと、恐らくそんなふうには考えていないのですが、一部の学校や先生の中ではガイドラインを網羅すればいいと考えている。そういった先生方もいらっしゃるというのは確かに事実だろうと思いますので、ガイドラインが先生方がつくられたコア・カリキュラムよりも小さくなってしまうと、コア・カリキュラムを全部教えられなくなってしまいますので、コア・カリキュラムのほうが広いということに関しては矛盾がないのかなと思っています。
ただ、先生がおっしゃられたようにそこの、ガイドラインだけを授業で教えればいいということではないのだということは、きちんと、先生方にでしょうけれども、教えていく必要があるというのはそのとおりだと思います。が、なかなか文章としてこれ以上のことを書くのは難しいかなというのが私の率直な感想です。
他は何かありますでしょうか。
それでは、先ほど先生が言われたコア・カリキュラムのところは変更可能なのだろうと思うのですが、一番最後のページの管理栄養士養成のどれでしたか。
○武見構成員 ここは「栄養士」は要らないです。「栄養学教育モデル・コア・カリキュラム」が正式の名称ではないかと。
○加藤座長 「栄養学教育モデル・コア・カリキュラム」というふうに変更するというのはよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○加藤座長 では、それはお願いいたします。
よろしいでしょうか。
それでは、先に進ませていただきます。次に報告書の5ページから出題基準についてということで、現行の出題基準の項目の見直し内容について、事務局のほうから説明をお願いします。
○田中栄養管理係長 それでは、管理栄養士国家試験出題基準について説明をさせていただきます。報告書(案)のほうでは5ページから、変更履歴があるものに関しましては6ページからとなっております。
報告書(案)の本体のほうをおめくりいただきまして、6ページのところで「管理栄養士国家試験出題基準の利用法」。こちらに関しましては、現行版から大幅な修正はしておりませんので、形式的なところを今回の見直しに合わせた修正を一部させていただいているところです。
引き続きまして、各科目に入らせていただきます。
まず、7ページの「社会・環境と健康」に関しまして、第2回の検討会からの主な変更点のところからお話しさせていただきますが、第2回の検討会の際に、健康日本21に関しましては、括弧の二次はつけないということで「健康日本21」という形で最終版とさせていただいております。
また、9ページの大項目の「6 主要疾患の疫学と予防対策」の中項目の「G その他の疾患」のところに関しまして、第2回検討会の際は小項目を「d 難病」としておりましたが、こちらに関しましては難病のどういったところを出題基準とするかというところで、概念という形で難病法と難病対策というふうに修正させていただいておりますので、この点に関しましては後ほど御意見をいただければと存じます。
引き続きまして、12ページ「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち」に関しまして、この後、資料2でも説明をさせていただきますが、13ページの「トリグリセライド(トリアシルグリセロール)」。こちらの表現につきましては、基礎栄養学のほうとの表記の整合性というところで、どのように統一するかということは後ほど御意見を頂戴できればと思います。
こちらの人体の分野に関しましては、生化学に関連する項目の用語の整理を今回お示ししている分では行っておりまして、大項目の2と3と4と5。こちらに関しましては、変更履歴つきのほうの資料を御覧いただきますとおわかりいただけるかと思うのですが、用語のほうを整理させていただいているのと、出題基準としては不要という項目に関しましては削除という形で整理をしております。
人体の構造と機能に関しましては、主な見直し内容は以上となっております。
引き続きまして「食べ物と健康」ですが、こちらに関しまして、前回の2回目のところから変更させていただいた点といたしましては、トランス脂肪酸に関しまして、大項目の4、中項目のB、小項目のeとして現行版ではお示ししておりました。こちらに関して、新たな、今、改定しているもので位置づけられているところがございませんでしたので、どこに位置づけるかというところで、事務局の提案として、新たに中項目の「G 食品の安全性に関するその他の物質」として設定して、その中の小項目としてトランス脂肪酸を位置づけております。こちらに関しまして、そもそも現行版のものでは、食品の変質というところでトランス脂肪酸を位置づけていたのですけれども、必ずしも変質のみにかかわるものではなく、食品の安全性全般にかかわる物質ではないかということで、このような見直しとさせていただきました。
また、食べ物と健康の分野では、大項目の5、中項目のB、小項目のeに関しまして、栄養表示のところが重複しておりましたので、新たに改定版としては大項目の5、中項目のB、小項目のaを「栄養表示」として整理しております。こちらに関しましても、後ほど御意見をいただければと思います。
引き続きまして、29ページ「基礎栄養学」に関しましては、第2回の検討会で御議論いただいた中から大幅な変更は行っておりませんが、追加で御意見があれば後ほどいただければと存じます。
続きまして、35ページ「応用栄養学」に関しましては、ねらいについて、栄養管理、栄養ケア・マネジメントの整理というところで、資料2のほうでも説明をさせていただきますが、こちらのほうの文言の整理をさせていただいております。
また、応用栄養学は大項目の4~8、ライフステージ別の項目に関しまして、各項目から食事摂取基準については削除しております。そこにかわって新しく大項目の2、中項目の「E ライフステージ別食事摂取基準」という項目を立てておりますので、こちらに関しましても、このような整理でよろしいかというところを後ほど御議論いただければと思います。あわせて、ライフステージ別の項目の順番も、食事摂取基準の項目を削除したことによりまして見直しを行っておりますので、そちらに関しましてもあわせて御意見を頂戴できればと存じます。
本体のほうで31ページ、変更履歴つきのほうのページで申しますと40ページの「栄養教育論」に移らせていただきます。栄養教育論に関しましては、ねらいのほうの見直しを行っております。こちらは項目の見直しを行いましたので、その内容に合わせたねらいの修正としております。
また、大項目の4になりますが、こちらは現行版の大項目の4で、今度の改定版の大項目の3に関しまして、各ライフステージごとに中項目を整理していたものを小項目の中に全てのライフステージを入れるという形で今回見直しを行っております。また後ほど説明をさせていただきますが、栄養教育論の現行版の大項目の2、中項目のeとfに関しましては、一部、公衆栄養学のほうで読み込むという形で移動を行っております。
続きまして、報告書(案)の33ページ、変更履歴つきのほうの43ページで「臨床栄養学」になりますが、こちらは第2回のほうからは大幅な見直しは行っておりませんが、アレルギーに関しましては一部修正をしておりまして、現行版の大項目の3、中項目のS、小項目のeのアレルギーについては、小児期特有の疾患ということではないため、中項目のLに含めるという形で今回修正を行っております。
続きまして、報告書本体の37ページ、変更履歴つきの48ページの「公衆栄養学」に移らせていただきます。公衆栄養学に関しましては、先ほど栄養教育論のほうから一部項目を公衆栄養学に含めるということで、栄養教育論の「組織・ネットワークづくり」としてあった小項目を公衆栄養学の大項目の1、中項目のBの中に整理していただいております。こちらに関しましても、後ほど、このような整理でよろしいか、御意見を頂戴できればと存じます。
栄養教育論の大項目の2、中項目のFに関しましては、公衆栄養学の大項目の6、中項目の「B 食環境整備のためのプログラムの展開」という形で整理をしておりますので、こちらも後ほど御意見をいただければと思います。
引き続きまして、給食経営管理論に関しまして、報告書(案)のほうは40ページになっております。
この給食経営管理論に関しましては、第2回でお示しした修正案のほうから大幅な変更は行っておりませんが、再度御覧いただきまして、追加で御意見等がございましたら、お伺いできればと思います。
続きまして、最後、42ページの「応用力試験」。変更履歴つきのほうでは52ページになっております。応用力試験に関しましては、机上配付資料といたしまして第2回の検討会からの変更点というものもお配りしておりますので、あわせてこちらも御覧いただければと存じます。
応用力試験に関しまして、軽微なところでは前回の第2回の検討会の案から、集団と個人というところを単純に順番を入れかえたというところがございますのと、1つ目のねらいにつきましては「栄養管理」と「栄養ケア・マネジメント」という両方の文言が入っていたところを、その範囲を整理するという観点からも、栄養ケア・マネジメントを実践するという形に修正しております。
また、2つ目のねらいに関しましてですが、今回追加した文言といたしましては「食環境整備等のアプローチも含めて」というところになります。この点に関しましてですが、2つ目のねらいは対人のアプローチの他にも直接的な対人アプローチ以外のものとして、対物的な内容も含むということが具体的にわかるという視点を考え「食環境整備等のアプローチも含めて」ということで追記させていただきました。
以上が各項目に関する主な見直しの内容となります。
○加藤座長 ありがとうございます。
先に資料2について、この議論を進めるまでに先生方からいただいておりました宿題と言ってもいいかと思いますが、そのあたりのことを先に事務局のほうから説明をいただきたいと思います。お願いします。
○塩澤栄養指導室室長補佐 それでは、資料2について、簡単に御説明を差し上げたく思います。
資料2は、第2回の検討会で特に議論があった用語の整理ということで、いろいろな御助言・御提案などを含めて、我々として次のように整理してはいかがでしょうかということを記載しております。
大きく2点ありまして、まず1つ目で「栄養ケア・マネジメント」と「栄養管理」という言葉の関係性について、整理案を考えております。
こちらにもございますとおり、管理栄養士の業務を見てみますと、栄養ケア・マネジメントを中心とした直接的な対人アプローチがある一方で、食環境整備等に代表されるような、必ずしも直接的な対人アプローチとは言えないものがあり、管理栄養士は、状況に応じて、いずれかを選択したり、あるいは両者を組み合わせたりということで、日々、栄養課題の対応をしていく必要があると考えています。
そこで、このガイドラインでは、この両者を包含する広い概念として、「栄養管理」という言葉で表現することとしてはどうかと考えておりまして、このあたりが先ほどの応用力試験の大項目と関連してくるところでございますので、後ほどまた御意見があるようであれば、ぜひ賜りたく思っております。これが1点目です。
次に、2点目であります。これも前回いろいろと御議論がございましたけれども「トリグリセリド」「トリグリセライド」「トリアシルグリセロール」。こういったことの整理についてでございます。
この管理栄養士のガイドラインは、管理栄養士としての第一歩を踏み出すということで、そのために必要な基本的知識・技能などを的確に評価するものであるということでございますけれども、ずっと話がございましたとおり、今回の改定は、今後、多職種連携がますます推進されていくことを念頭に御検討いただいておりますので、こういう点を踏まえますと、このガイドライン中の専門用語も、できるだけ他職種のガイドラインと並びをとるのが適当ではないかと考えております。
こういった観点から、医師国家試験や歯科医師国家試験のガイドラインで用いられているのが「トリグリセリド」でございますので、「トリグリセリド」という言葉でこのガイドライン上は統一するということでいかがでしょうかと考えております。
自明でございますけれども、養成課程の教育で、この「トリグリセリド」以外の用語、例えば、「トリグリセライド」等を用いることは当然妨げるものではないということを付記させていただいております。
2枚目に、御参考までに<用語の使用状況>ということで記載をさせていただいておりますけれども、現行の管理栄養士の国家試験では「トリグリセリド」「トリアシルグリセロール」が併記されている形になっております。一方、先ほど御紹介差し上げましたとおり、直近の医師や歯科医師の国家試験のガイドライン、また、用語辞典では「トリグリセリド」という言葉が使用されていることや、疾患ガイドラインでは「トリグリセライド」という言葉が使われているといったことの御紹介をさせていただいております。
以上でございます。
○加藤座長 ありがとうございます。
それでは、議論に入っていきたいと思いますが、まず、この「栄養管理」という言葉と、そして「栄養ケア・マネジメント」という言葉をきちんと整理しておきたいと思います。といいますのは、先生方は少しずつ微妙に思いがあるかと思うのですが、それは結構だと思うのですが、このガイドラインの委員会においては、一応、こういった考え方で「栄養管理」というものと「栄養ケア・マネジメント」を使い分けてきているのだということを明確にしておく。これはこのまま議事録に残りますので、この先の方向性につながると思うのですが、今、要約させていただきますと「栄養管理」というものは非常に大きな概念で、いわば対物・対人ともに含めた栄養ケアと言っていいのが、栄養管理です。「栄養ケア・マネジメント」という場合には、どちらかといえば対人を主とした内容を栄養ケア・マネジメントと考えていこうといった御提案なのですけれども、微妙なところはあるのかもしれませんが、大枠として、このあたりのことで進めていただくと、この案にありますように、今の案の中では括弧が全て外れています。これに従って括弧を外していったということで、「管理」で残っている部分も「ケア・マネジメント」で残っている部分もありますが、何か先生方、御意見等がありましたら、お願いいたします。 よろしいですか。
いろいろ微妙なところはあろうかと思いますが、一応、ガイドラインの検討会ではそういった考えで「栄養管理」と「栄養ケア・マネジメント」を使い分けていくといいますか、区別したといったことで御了承いただいてもよろしいですか。
お願いします。
○赤松構成員 対人ということは理解できたのですが、その人数は個別だけでなく、集団に対しても「栄養ケア・マネジメント」の言葉を使うということですか。
○塩澤栄養指導室室長補佐 この対人の栄養のアプローチで、PDCA的なものを伴うようなもので、結果的には集団であったとしても、そういうふうなPDCA的に進めるようなものであれば「栄養ケア・マネジメント」というふうに呼び得るのではないかと考えています。
○赤松構成員 でも、栄養教育や栄養管理といったとき、全てPDCAに基づいて行うものだと思います。
○塩澤栄養指導室室長補佐 今、全ケースをお伝えすることはできませんけれども、例えば、栄養に関するお話を誰かに1回きり行うといった場合には、その人の栄養状態を必ずしも定期的に評価し続けていけるとは限らない、つまり、PDCAを伴わないこともあると思っておりまして、そういうときにはいわゆるケア・マネジメントには該当しないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○赤松構成員 栄養教育の定義は全て計画に基づくというものがありまして、例えばよく例で出されるのが、メディアのような突発的な情報で人の行動が変わったというのは教育とは言わないというように、計画に基づいていないものは教育から外れるという定義です。そう考えると、PDCAに基づかない栄養教育はありません。
○加藤座長 そもそも大きな概念でいくのだったら「ケア・マネジメント」という言葉が要らないではないか、という話に行き着いてしまうのですが、少し「栄養ケア・マネジメント」という言葉を生かそうというところからの議論が今、入っているのではないかと思っています。
塩澤先生の話でいけば、全てを栄養管理という言葉に置きかえれば全て成り立ってしまうのですけれども、もう少し個別の対応といいますか、1人という意味ではないのですが、人への対応を、それが10人であろうが、100人でもいいのかもしれませんが、そういうものを「栄養ケア・マネジメント」と持っていこうというので、恐らくそういった区別になったのかなと、今、伺って思ったのですが、そういうぐらいの考え方ではだめですか。ちょっと曖昧過ぎますか。
○赤松構成員 少しひっかかるのが、対人の例として、学校の現場には、「栄養ケア・マネジメント」という言葉がなじまないのですが、応用栄養学のところでは、全部「栄養ケア・マネジメント」から始まっています。ここが少し気になります。
○加藤座長 栄養教育では「栄養管理」のほうが都合がいいという意味なのですね。それで、応用栄養学では「栄養ケア・マネジメント」のほうが都合がいいという意味なのでしょうか。
どうぞ。
○塩澤栄養指導室室長補佐 これはぜひ御意見を頂戴したいのですけれども、我々としては栄養管理というものが先ほどの応用力試験の表にもございましたとおり、一番外側に来る、つまり、一番広い概念なのですということをまずお伝えしたかった次第です。
その中で、ここで「栄養ケア・マネジメント」という言葉が出ておりますけれども、考え方の一つとして、栄養教育的には先ほどのお話だと思うのですが、一方で、例えば介護報酬の世界でございますけれども、栄養ケア・マネジメントのプロセスをきちんと専門職が踏むことについて、特定の加算が設けられておりますが、そういうふうにプロセスというものの要件はちゃんと念頭に置いて、それを遂行することも大事にされておりますので、そういったPDCA的な行為を応用力試験などで問いたいという気持ちがあります。
では、この言葉を広く、他の教科にも置換していきたいのかといいますと、必ずしもそういう意図を持っているわけではございません。例えば栄養教育の中にある言葉を、適用可能なものは全て「栄養ケア・マネジメント」とするといった意図はないのですけれども、逆に置換しないと整理がつかないとか、そういう問題意識から御発言されているという理解でいいのでしょうか。
○赤松構成員 気にしなければいいのかもしれないのですが、応用力試験では、応用栄養学と栄養教育がかなり一緒になってつくるので、応用栄養学に「栄養ケア・マネジメント」という言葉が入っていることが、応用力試験のときのことを考えると、気になります。応用栄養学と栄養教育は別々のものではないのです。
○加藤座長 ちょっとよろしいでしょうか。
ただ、今の話では、対人という言葉を私が使ったのがちょっと問題かもしれないのですが、対人だったら全て「栄養ケア・マネジメント」を使えという意味を言っているわけではないのです。例えば臨床栄養学では「栄養ケア・マネジメント」という言葉が主に出てくると思うのですが、臨床の中でもやはり「栄養管理」という言葉が必要なところはあると思うのです。
給食だったら、みんな栄養管理かというと、栄養ケア・マネジメントというところがあるのか、ないのか。あまりないのですか。ですから、そういう科目だからどうという分け方をしてしまうとちょっと問題になってくるのだろうと思います。ですから、先生が言われるように、これは人なのだけれども「栄養管理」と言うほうが適切だという理解でいけばいいのですが、これは「栄養管理」にしようか、「栄養ケア・マネジメント」にしようかといったときに、全く方向性が何もない中でぽんと思いつきで言っていくと、みんなが混乱してしまうので、栄養管理という非常に大きな概念の中で、今、塩澤先生が言うみたいに、PDCAのプロセスを持っていく、例えば臨床栄養とか応用栄養などのところの対人に関しては「栄養ケア・マネジメント」という言葉を使うということでどうでしょうか。全てきちんと2つに分けるのは難しいのだろうと思いますが、どんなものでしょうか。何か先生方、御意見はありますでしょうか。
お願いします。
○武見構成員 本当に難しいと思うのですけれども、この資料1の42ページの「応用力試験」の整理で言いますと、つまり対人の個人または集団を対象としたものは、ここだけ読むと、このまま素直に読み込めば全て栄養ケア・マネジメントになってしまうのですよ。それで、そうではない、食環境整備等のアプローチがあるほうはちょっと別物という感じになるのですけれども、多分、赤松先生がおっしゃりたいのは、恐らく教育の現場は特になじまないといいますか、実際に栄養教諭という、管理栄養士の資格を持った人たちも配置される。これは法的にも位置づいているところで、では、どうするのかというのが気になるのです。
私は、今の臨床とか福祉の状況を考えると「栄養ケア・マネジメント」という言葉を出すことは賛成なのです。ただ「栄養ケア・マネジメント等」ぐらい入れてもらえないのかというのは、言葉遊びのようですけれども、皆様が納得してくれるといいますか、ひっかからないで「等」があることで逃げられるという言い方がいいでしょうか。そういう意味では、あったほうが確かに学校教育現場、もしくは保育所のいわゆる健康な子供たちへの食育みたいなところにも管理栄養士の配置というものはあるわけなので、そのあたりがうまくおさまるのかなという感じはしました。
○加藤座長 どうぞ。
○塩澤栄養指導室室長補佐 そうしますと、先ほど赤松先生から御指摘いただいた件についてなのですけれども、今、武見先生から御提案いただいた「等」という言葉を入れたら栄養教育的にも応用力試験的にもよろしいのかどうかという点について、まず御助言いただきたいです。
○赤松構成員 そのつもりで応用試験担当の先生方が理解していただければいいかなと思います。
○塩澤栄養指導室室長補佐 わかりました。
確かに、この資料2の1.の整理のところにも、直接的な対人アプローチについては、栄養ケア・マネジメントを中心としたというふうに含みを持たせている表現をしている一方で、この応用力試験のねらいのところについては「栄養ケア・マネジメント」しか名詞として出てこないので「等」を入れるのはやぶさかではございませんけれども、他の先生方も含めていかがでしょうか。
○加藤座長 お願いします。
○髙地構成員 先ほどの武見先生や加藤先生のお話を考え合わせると、ケアを必要とする対象者、例えば臨床の現場での傷病者であったり、あるいは高齢者であったりという場合に、この「ケア」という言葉が適切に表現するものと感じました。
一方で、小学校といった健康な人の場合、「ケア」という言葉が適切なのだろうかと思いました。すなわち、対人とか環境とかという整理ではなく、対象者次第なのではなかろうかと感じたのですが、いかがでしょうか。
○加藤座長 お願いします。
○合田構成員 この用語は恐らく歴史的な背景があって、ここに来ているのですけれども、やはり考えるべきだと思います。「栄養管理」という言葉を日本でずっと使ってきて、それはある意味ではアドミニストレーションという、上の者が下の者を管理する。こういう用語でいろんなものが使われてきた。
2000年前後で、この管理栄養士養成施設のカリキュラムが変わったときに、それではいけないだろう。一人一人をきちんと、困難な事例に対応することを、栄養士さんではなくて管理栄養士がやるという言葉で管理が使われたのですけれども、では、そのときに何をするのか。アセスメントから入って、その人の状態をきちんとどういう方向でそれをよくするのかという、改善するようなプログラムをきちんと考えようとなりましたね。これは栄養ケア・プロセスの基本的な考え方です。
日本は、その考え方で基本的に重要なのは、管理栄養士がやるべき一人一人に対する視点、取り組み方だったと思います。栄養ケア・マネジメントの中には、いろんな方法論の中に栄養教育が入っていて、栄養教育が全部やっているわけではないのです。これは一つの方法なのです。
そのときに、このケアということは管理栄養士の教育が始まったときに、傷病者であるとか、難しいケア。そういうことに対する能力を培うために必要な用語としてつくられたと思います。ですから、そこのところはとても、この管理栄養士の業務で必須のことで、それはやはり応用栄養学の一番最初に書かれるべきことだと私は思います。
アメリカの栄養ケア・プロセスは、一人一人だけではありません。これは集団であっても、行政であっても、全て使われる用語で、そのときに、集団であっても、個人であっても、マネジメントをしなさい。それが、いってみれば、栄養ケア・マネジメントのもととなったアメリカの栄養ケア・プロセスの考え方なので、栄養ケア・マネジメントは実は非常に広い概念であるということをやはり理解していただく必要があると私は思います。
それで、管理という言葉の歴史的な背景を考えると、ここは「栄養管理」という言葉も栄養ケア・マネジメント以外の環境の整備ということがあったら、そこはそういう形でつくっていいかもしれませんけれども「栄養ケア・マネジメント」という用語は私は非常に現代の管理栄養士の業務にとって必須のものだと思います。ですから、ここの栄養ケアという言葉は問題のある方とおっしゃったかもしれませんが、栄養教諭であっても個々の事例はあるわけなので、それに対して一人一人に対応するというケア・マネジメントの考え方は管理栄養士の業務として私はどこでもあると思います。
○加藤座長 ありがとうございます。
どうでしょうか。
どうぞ。
○髙地構成員 今のような説明を報告書の中に入れていただくのが(問題作成委員に)浸透させるのに大事なことなのではないかと思いました。
○加藤座長 栄養ケア・マネジメントの考え方というものを、ここのガイドラインの検討会の中でつくっていくのは一つ大事だと思うので、どうですか。これは個人的な意見なのですけれども、あまり細かく縛ってしまうと身動きがとれなくなるのかなと思っていまして、まず先ほど言ったようなざっくりな話のところぐらいのほうがというものを初めに思ったのです。
ただ、一つずつの事例を出して、これはケア・マネジメントなのか、これはケア・マネジメントではないのかという話をしていくと非常に複雑になっていくので、先生方がおっしゃられるように、多分いろんな見方があると思うのです。対人で見ていくという、対人の中にもケア・マネジメントと言えるものも、そうではないものもあるかもしれない。あるいは傷病者とか、本当に患者さんとか高齢者とかという人は対象であるという受けとめ方は先生方がしていただくというのでいいと思うのですが、基本的には合田先生のように、人が対象ではなくてもケア・マネジメントと言われてしまうと、なかなかさっきの理論がと成り立たなくなってしまうのですけれども、例えば大きく分けようとしたら、先生、例えばどんなふうに分けていけばいいですか。別に使い分ける必要はないという考え方もあると思うのです。
○合田構成員 これは栄養ケア・マネジメントを応用栄養学の最初に教わるのであれば、基本的なものはわかるので、あとはそれぞれの領域の中で特殊な状況があって、特殊な運用の仕方があるというふうにすれば私はよろしいので、あとは個々のところを変えればいいと思います。応用栄養学の一番最初は、ここのところは私は人だと思います。
○加藤座長 応用栄養学でそれをきちんと教えろという御意見ですが、応用栄養学のほうはどうでしょうか。
お願いします。
○弘津構成員 応用栄養学の中で栄養ケア・マネジメントを教えるというのは科目の概念として当初から取り上げられていることです。栄養ケア・マネジメントの始まりはスクリーニングから始まるので、PDCAサイクルの流れに入る方が多いのか、それとも、そこには入らず、現状維持の方が多いのか。それはやはり対象集団によって違うと思うのです。ですが、スクリーニングから始まるということは、どの分野にも該当する話ではないかと思うのです。
さらに、「栄養ケア・マネジメント」の概念が出たのは介護保険制度が導入される際で、介護報酬を得るために管理栄養士が栄養ケア・マネジメントを行うことで始まりました。それまでの管理栄養士業務というものは給食管理が中心で、個に対してかかわるということはほとんどありませんでした。それでは他の介護にかかわる方たちと同じようにケア計画を立てたり、マネジメント業務を行うことが無理だということでこの考え方が取り上げられました。
○加藤座長 そうしますと、基本的にやはり「栄養管理」という言葉しかなかなかそぐわないというのは、石田先生、給食などはそうなのですか。給食で栄養ケア・マネジメントはなかなか難しい。
○石田構成員 いや、給食施設の中で栄養ケア・マネジメントを行っていますけれども、健康増進法では適切な栄養管理を行わなければならないという表現です。制度上、いろんな用語が結果的に使われていますので、その場その場で解釈をしていると思われます。
○加藤座長 では、一番適切なところで使っていただくというのが今の流れなのだと思いますけれども、対象であるとか、人であるというふうに大きく限定することはなかなか難しくて、その場その場で使っていただくということになると、感じたとおり使ってくださいということになるのですが、栄養ケアというものが非常に大きな概念であるということに関しては御異論はないようですので、ここのガイドラインの中で「栄養ケア・マネジメント」という言葉はどこに対して使っているのかというところに持っていっていただければいいのではないかと思うのです。
最終的に、ここでは「栄養ケア・マネジメント」という言葉しか使ってはだめだという話になるわけではなくて、このガイドラインの中で「栄養ケア・マネジメント」と使ってあるのはこういうところですということがわかればいいと思うので、塩澤先生が言われたみたいに、対人的なところはそれはそれで当たっているような気がするのですが、ただ、対人だからといって全てが栄養ケア・マネジメントではないという髙地先生のお話なのではないかと思うのですけれども、対人で全て網羅できるわけではないのですが、それはその場その場といいますか、対象によって異なるということで考えるということで、一応、ここの場では、いいですか。大きな概念として「栄養管理」と持っていって、そして主に対人を中心とした業務という意味ですね。対人を全て「栄養ケア・マネジメント」というという意味ではないことがわかるようにすればいいわけですね。
そういう具合でいかがでしょうか。そのあたりで、何か中心にとか「等」という言葉で、ちょっとお役所的ですが、入れていただくという。
○塩澤栄養指導室室長補佐 ですので、今のもろもろの御意見を踏まえて、ガイドラインの応用力試験の<出題のねらい>の1つ目の○のところを「多職種連携による栄養ケア・マネジメント等」というふうにさせていただきたく思いますけれども、よろしいでしょうか。
○加藤座長 修正版のほうの52ページです。参考資料の52ページの一番上から2行目のところですが「栄養ケア・マネジメント等を実践する」という「等」という言葉をここに入れさせていただくというぐらいで、あとはその場で対応していただくということで持っていきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○加藤座長 では、何とかそれでお認めいただくということでお願いいたします。
それができたということになりますと、ここの<出題のねらい>のところの「栄養ケア・マネジメント」「栄養管理」という言葉がかなり整理されてきていると思いますが、実際には括弧が全て外れた状況になっているということで、今、お話ししたような内容で「栄養管理」と「栄養ケア・マネジメント」が使い分けてあるということになります。
それでは、少し具体的なところでお話を進めていっていただきたいと思うのですが、先ほどから塩澤先生のほうからお話がありました、まず社会環境のところですが、少し見ていただいてお話ができればと思います。すみません、私は、こちらの参考資料のほうでずっと見ていて申し訳ありませんが、参考資料の12ページの難病のあたりで先生、何かお話しされることはありますか。12ページの6のGのdです。
○曽根構成員 難病につきましては、今般、難病法が成立して法体制が整ったので、やはりそれはきちんと理解しておいてほしいと考えました。ただ、前回はただ難病と入れましたけれども、難病と病気そのものを指すというと、これは数が大変多くございますので、少し対応が難しい。勉強の方法がわからないということもありますので、趣旨から言いますと、難病法とそれに基づく難病対策ということで並列で入れさせていただきました。
○加藤座長 ありがとうございます。
先生、社会環境は、他はよろしいでしょうか。
また全般を見直して、何かありましたら御意見をいただくことにして、人体の構造のところは、特に生化学、2~4のところですけれども、基本的には基礎栄養学と言葉の統一性がなかったものですから、基礎栄養学で同じ内容を言っているところでも語句が違っているとか、そういったことを整理させていただいたということと、最近使わないような言葉も入っていたということで、そのあたりを整理して新しいものをつくっていただいたということですが、羽生先生、人体のほうで何かありますでしょうか。
○羽生構成員 大項目の2~4に関しては、基礎栄養の分野と整合性があったほうがいいと思っていまして、今回の御提案を受け入れさせていただきました。
○加藤座長 よろしいでしょうか。
それでは、次のほうに移りたいと思います。次が食品なのですが、ここでは私のほうで26ページの4のGの「a トランス脂肪酸」ですか。ここに来たというのはいかがなものでしょうか。
どうでしょうか。
○伊藤構成員 当初はトランス脂肪酸はあったのですけれども、私としてはトランス脂肪酸は日本には明確な規定がなくて、かつ量をとらなければ大丈夫ということで、また普通の乳脂肪にも入っているので、とりたてて出す必要もないと思って省いたのですけれども、今回、Gという項目をつくっていただいて、これはトランス脂肪酸はどこに置くか、そこで迷ったのですが、ここで問題なしと思っていますので、この案でいいと思います。
○加藤座長 非常に大きな項目になりますけれども、大丈夫ですか。あまり私はよくわかりませんが、なかなか教える内容も少ない。先生が言われるみたいに、まだ今の時点では、扱いがこれから変わっていくかもしれませんが。
○伊藤構成員 他にもいっぱいあると思うのですけれども、これでいいと思います。
○加藤座長 いいですか。
○伊藤構成員 はい。実はあまりなくて、例えば私的にはEの「d 食品成分の変化により生ずる有害物質」というところに含まれるかなとも思ったのですけれども、やはり天然にトランス脂肪酸はあるので、トランス脂肪酸は有害物質として指定してしまってもいいのかどうか、ちょっと迷ったので省いてしまったのですが、今、話題になっていますから、Gでいいと思います。
○加藤座長 ありがとうございます。
教えるべきことではある、必要はあるということで、では、項目としては少し大きいのですが、ここで入れさせていただくということで、とりあえず次に進めていきたいと思います。
「基礎栄養学」はほとんど修正がなかったと思いますが「応用栄養学」に関しましては36ページ、2の「E ライフステージ別食事摂取基準」というところになるのですけれども、これは先生方、どうでしょうか。
○松本構成員 こちらに関しましては、前回のところで各ライフステージ別のところにあったのですけれども、これよりもまとめてしまったほうがわかりやすいのだろうという御意見等もいただきましたので、このような形でまとめさせていただいて、一目瞭然という形をとらせていただいております。
○加藤座長 よろしいですか。
○松本構成員 はい。
○加藤座長 他の先生方も、何か御意見があったらよろしくお願いします。
よろしければ次に移っていきますが「栄養教育論」は大幅に、どちらかというと非常にコンパクトにしていただいたということで、特に何もないと思います。
「臨床栄養学」も特にないと思いますが、先ほど出てきました47ページの「S 乳幼児・小児疾患の栄養アセスメントと栄養ケア」の「e アレルギー疾患」を省くということでよろしいでしょうか。
お願いします。
○塚原構成員 前回、ここを御指摘いただいたのですけれども、確かに2つ、アレルギーが重なっておりました。
それで、疾病の成り立ちのほうでアレルギーもありますので、そうすると、臨床栄養のほうは食物アレルギーのほうに重きを置いてもいいのかなと思いまして、あとは先ほど言ってもらったとおり、小児だけでもないので、こちらのアレルギーのほうの中に入れて1つにしたほうがいいのかなというので、こちらにさせていただきました。
○加藤座長 一応、食物に関しては、この46ページのLのほうに入っているということで、このまま削除ということでいいということでよろしいでしょうか。
○塚原構成員 はい。
○加藤座長 それでは「公衆栄養学」につきましては、48ページの大項目1のBのところですか。田中先生、ここは何を伺うのでしたか。
○田中構成員 こちらに関しましては「栄養教育論」の大項目1の現行版の「E 組織づくり・地域づくりへの展開」の小項目「b 組織・ネットワークづくり」。「栄養教育論」のほうからは削除いただいているのですが、そこを読み込むというところで「公衆栄養学」のほうに移動していただいてはどうかということで、今、このような、それを踏まえて、公衆栄養学の先生方のほうで新しく、大項目1の「B 公衆栄養活動の基本と展開過程」ということで整理をいただいております。
○加藤座長 では、まず公衆栄養のほうから何かありますか。これでよろしいですか。
○髙地構成員 栄養教育のほうから、公衆栄養の先ほどの御指摘あったところが、6のB、今、ネットワークづくりとかというものがあったキーワードのところに移動をということだったのですけれども、話の流れといいますか、公衆栄養活動の展開の方法についての話ですので「g ソーシャル・キャピタルの醸成と活用」の中に吸収したという形で整理をさせていただいたということです。
○加藤座長 よろしいですか。
○髙地構成員 はい。
○加藤座長 栄養教育のほうはいかがでしょうか。大丈夫ですか。
よろしいですか。
○武見構成員 「f 住民参加」もあるので、いいと思います。
○加藤座長 そうしましたら、ここはそのまま、今、ここに書いていただいたようにしまして、51ページのほうも同じ栄養教育のほうからではないかと思うのですが、51ページの大項目6のBのところも同じような話だと思うのですが、ここもよろしかったですか。
○髙地構成員 はい。
○加藤座長 では、ここもお認めいただくということで、お願いします。
○吉池構成員 今の論点ではなくて「公衆栄養学」で変更してくださった48ページの大項目1のBで「生態系保全のための公衆栄養活動」が最初のほうにあったものが一番最後で「h 生態系保全と公衆栄養活動」となっていて、言葉遣いが少しすっきりしないという印象を持っていました。
これは結局、エコシステムの話として「保全」というものが要るのかということと、さらに概念的には「サステイナブルダイエット」ということなので、本当は「サステイナビリティー」という言葉が使えれば、「サステイナビリティーと公衆栄養活動」というほうが今WHO/FAOで強調されている概念が見えるのでよいと思うのです。文言についてはどういうタームを使ったらいいのかというのは少し悩ましいのですが、もし検討の余地があったら検討していただければと思います。
○加藤座長 先生、この時点で何か言えますか。
○髙地構成員 特に、現行のガイドラインを尊重しながら動かしたという経緯でございますので、それがよろしいかと思います。
○加藤座長 先生、適切な言葉は。
○吉池構成員 国際的によく使われる概念として「サステイナブルダイエット」なのですけれども、それを入れてしまっていいのかということで、私個人としては使いたい。ただ、それについて日本語ではしっくりとしたタームはないと思います。
○髙地構成員 社会環境と健康でSDGsは書いてありますね。
○吉池構成員 はい。それは出ています。
○髙地構成員 持続可能な開発目標と。
○吉池構成員 直訳して、「持続可能な食事」と言っても全然わからなくなるので、どうしようかなというところです。
○加藤座長 そもそも、その単語が要るというところからの議論ですか。これがなくなることもあり得る。
○吉池構成員 ここで言おうとしていることは「サステイナブルダイエット」という概念で全て含まれ、大事なポイントは入る概念だと思っています。
○加藤座長 入れておく必要があるという、そこは先生に伺ったほうがいいですね。
では、お願いします。
○武見構成員 私もサステイナビリティーに関連するものが入る、少なくとも今の生態系保全よりはいいと思うのです。
そのときには、確かに生態系のこともありますし、実は食料生産とか、そういうことも全て含めてサステイナビリティーのある食生活ということが今、国際的に言われてきているということが多分、ここに込められる意図で吉池先生はサステイナビリティーというものに言葉を、でも、サステイナビリティーは片仮名では使っていないですね。SDGsは持続可能な開発目標ですから、持続可能性というものはちょっとぴんとこないですか。
○加藤座長 それは社会環境のほうに持っていくということはないのですか。
○吉池構成員 あくまでも食生活、公衆栄養的な視点の中で、例えば食生活指針の中でもサステイナビリティーというものはかなり強調され、国レベルのものがつくられている例も少なくないですし、全体的な理解として、環境系を中心としたサステイナビリティーを、経済活動も含めて、政治的な様々な意思決定も含めて考えるというのは世界的にはもう当たり前のことにはなっています。何らかの形で今、入れておいたほうがよいかと思っています。ただ、表現が難しいので悩んでいるところです。
○加藤座長 例えば公衆栄養の講義などでは、こういうところはどういう言葉で教えるのですか。
○髙地構成員 教科書的には生態系保全なのですが、その項目の中身は環境系を中心としたサステイナビリティーと食生活のことです。表現がむずかしいのですが。
○吉池構成員 今、あまりきちんと書かれた教科書はありません。
○加藤座長 でも、教える言葉にならないと問題があるのではないですか。そういう言葉を覚えさせようという意図があるのであれば、それはそちらに変えていってもいいのだろうと思うのですけれども、その辺が私にはわかりません。
田中先生、何かありますか。
○田中構成員 いえ、もう言葉の、どういうふうに教えるかだけなのですけれども、内容的にはサステイナビリティーの内容を伝えてはいるのですが、それを表に、言葉にどう出すかという話ですね。
○加藤座長 それでサステイナビリティーと言っていけない理由はあるのですか。そんな言葉がないのですか。
○吉池構成員 いや、片仮名で入れて、タームとして許していただけるのであれば一番すっきりするようには思います。
○髙地構成員 公衆栄養としてはそれで特に構いません。
○加藤座長 他の先生方は。
合田先生、どうぞ。
○合田構成員 これは持続可能型社会ではいけないのですか。どこが違うのですか。
○吉池構成員 公衆衛生的なSDGsというものはもっと大きな枠の中で、その一つのパーツとしてのところはあるのですが、公衆栄養活動そのものの大きな価値観、基盤として、今やサステイナビリティーがあるので、これは公衆栄養の中できちんと土台となる概念としては触れないといけないとは思います。
○合田構成員 ちょっと確認したいのは、ここで言うサステイナビリティーというものは社会のサステイナビリティーではなくて食料生産。
○吉池構成員 そうではなくて、主に環境負荷というところですが、そこは様々な社会的な事柄を含むわけです。コストとか、あるいはディストリビューションのこととか。
○合田構成員 栄養を保持するための食料の供給・流通等が持続可能であるという意味ですね。
○吉池構成員 はい。
○合田構成員 でも、日本語で持続可能な云々ではないですか。
○加藤座長 では、塩澤先生、お願いします。
○塩澤栄養指導室室長補佐 今の御議論を踏まえて、例えばこんなふうにしてはいかがでしょうかと思い、御意見を賜りたいのですけれども、この見え消し版の14ページを御覧いただくと「K 国際保健」のところのcに、まさに「持続可能な開発目標(SDGs)」というものが載っております。例えば、ここをそのまま生かして「持続可能な開発目標(SDGs)を踏まえた公衆栄養活動」としてみてはいかがでしょうか。だめですか。
○加藤座長 どうですか。
お願いします。
○武見構成員 私は、それはちょっと違うような気がするのです。そうすると、SDGsによって規定されてしまう。多分、吉池先生がおっしゃったり、栄養学の領域で言っているサステイナビリティーは逆に言うともっと広いかもしれないという気がするので、でも、ただSDGsがなぜ持続可能な開発目標か、学生はわからないでSDGsだけ覚えているかもしれないので、それを思うと、片仮名で「サステイナビリティー(持続可能性)」。栄養教育は結構、英語の、海外から持ってきた概念を使うときに、片仮名と日本語の訳を並べて使っていた時代が、例えばHealth Belief Model(健康信念モデル)とかとやっていたときもありまして、今はもうなくなって片仮名になりました。だんだん年月を経て、教育の中で浸透して、それを思うと「サステイナビリティー(持続可能性)」。どちらが括弧でもいいのですけれども、何かそんな表現と公衆栄養活動というものはどうでしょうかと思います。
○加藤座長 サステイナビリティーと書いたときに、それは授業に支障が出ることはないのですか。何が言いたいかといいますと、非常に大きなものになってしまって、捉えどころがないという話にはならないですか。大丈夫でしょうか。そこだけがちょっと、あまり広い話で、それだけで授業が終わってしまうような話になってしまっては、本当に15こまあるうちの一つも使えないという授業の中で、あまり広くなるのはどうかなというのを個人的には危惧しますが、全然オーケーであれば。
○吉池構成員 少なくとも「サステイナブルダイエット」という言葉自体はWHO/FAOで定義された固まったものです。それをそのまま片仮名で使うのもよくわからないしということなので、「持続可能性(サステイナビリティー)と公衆栄養活動」として、その中心的な概念はWHO/FAOの2010年のものであるという整理で問題はないとは思います。
○加藤座長 どうでしょうか。
○髙地構成員 結構です。
○加藤座長 他の先生方、よろしいですか。
個人的には、括弧を外していただきたいというのが私の思いですが、新しく出てくる言葉はやむを得ないと思うのですけれども、先生方、括弧つきでいきますか。
○髙地構成員 はい。括弧つきで。
○加藤座長 では、それでいいのですか。
ただ、括弧のところの使い分けで、最初のほうにあると思うのですけれども、この括弧は同じことを言っているのだということで、ここでは使っているのです。そこがちょっと問題になるのではないか。そこは大丈夫ですか。クリアできますか。ここでの定義、同じことを言っているというもので、言いかえという意味ですか。
○吉池構成員 はい。
○加藤座長 大丈夫ですか。
○髙地構成員 はい。
○加藤座長 では「サステイナビリティー(持続可能性)と」ですね。わかりました。
では、場所はhでいいのですね。
○髙地構成員 はい。
○加藤座長 では「持続可能性(サステイナビリティー)と公衆栄養活動」というタイトルにしていただくということで決めてしまいますが、よろしいでしょうか。
お願いします。
○塩澤栄養指導室室長補佐 すみません。単なる用語の話なのですけれども、意図はこれで全く問題ないと思うのですけれども、可能性と公衆栄養活動というものが同じ名詞同士ですが、もう少し違う表現といいますか、形容詞的な表現がないか。
○吉池構成員 英語で言いますと“toward”になると思うのです。「に向けた」ですから、その前で並びとしては「のための」とついていたところが「と」になっているのですが「ための」なのか。それ自体が目的というよりは、そちらの方向性に向けてということで言えば「に向けた」が一番、中身的には伝わるようには思います。
○加藤座長 では、サステイナビリティーを前に持っていったから名詞になってしまうので、形容詞を、日本語を前に持ってくれば、後に「サステイナビリティー」と入れておいてもいいのではないですか。形容詞にしたければ「持続可能に向けた公衆栄養活動」にして「持続可能(サステイナビリティー)」と入れるのはだめなのですか。そうではないですか。
○塩澤栄養指導室室長補佐 「サステイナブルな公衆栄養活動」とするのはいかがでしょうか。
○武見構成員 公衆栄養活動がサステイナブルになってしまうから、それはおかしい。
○加藤座長 では、ここは私に預けて下さい。今、言われたようなことの括弧をつけてというふうにさせていただかないと、議論が収束しそうにありませんので、今のお話で「サステイナビリティー」という言葉と「持続可能性」という言葉と「公衆栄養活動」というものを上手につなげさせていただくということで、また先生方、御意見を伺いながら決めたいと思います。よろしくお願いします。
お願いします。
○赤松構成員 その上の「e エンパワメントとしての公衆栄養活動」。これは「エンパワメントとしての」とつけるとエンパワメントのためのみたいに見えるのですけれども、実際、エンパワメントを活用した公衆栄養活動もあったりするので、ここも「と」にするか、何か少し考えていただきたいと思います。
○加藤座長 先生、ここはお願いします。
○髙地構成員 御提案どおり「と」で。
○加藤座長 「と」で大丈夫ですか。
○赤松構成員 はい。
○加藤座長 では、ここは「エンパワメントと公衆栄養活動」ということでお願いいたします。
お願いします。
○塚原構成員 大項目5に「A 公衆栄養マネジメント」となっているのですけれども、この栄養マネジメントは先ほどのケア・マネジメントの議論のときに「ケア」があるか、ないかだけかなというのはちょっと頭の中にあったので、ここだけ「栄養マネジメント」は、では「栄養管理」ではだめなのかとか、ここでまた3つ目が出てきているような気がするのです。
これはこれで、こういうものなのですか。
○髙地構成員 特に違和感はなかったのですけれども、変えるべきでしょうか。
○加藤座長 これは公衆栄養のマネジメントという意味なのですか。栄養マネジメントという意味とは違うのですね。「栄養ケア・マネジメント」と出てくる意味とは違うのですね。
○髙地構成員 それとは若干違って、公衆栄養マネジメントとして。
○加藤座長 その下も同じようにちょっと気になったのですが「公衆栄養アセスメント」という言葉も、これは栄養アセスメントで切れているわけではないのですね。そう思うわけですが、違うのですか。公衆栄養のアセスメントという意味なのですか。
○合田構成員 おかしくないです。
○加藤座長 栄養アセスメントではないのですね。公衆栄養のアセスメントなのですね。
○合田構成員 だから、公衆の栄養アセスメントなのです。これは地域の栄養アセスメントなのです。
○加藤座長 公衆の栄養アセスメントですか。そうしたら「公衆の」と書いておいたほうがいいのではないですか。そういうのは違うのですか。「公衆栄養アセスメント」という単語になるからちょっと違和感がくるという話ではないですか。公衆の栄養マネジメント。それも変ではないですか。公衆の栄養ケア・マネジメントではない。
違和感なしですね。
○合田構成員 先ほど申し上げましたように、栄養ケア・プロセスのような大きな概念にすると、公衆栄養のマネジメントはあるのです。
○加藤座長 公衆栄養のマネジメントなのですね。
○合田構成員 はい。スクリーニングをして、アセスメントをしているのですね。それに対して、どういう方法で全体をよくするのかというのはマネジメントですね。
これはマネジメントですか。
○加藤座長 それでいいのです。ですから「公衆栄養のマネジメント」なのですかと先ほど伺ったのですが「公衆栄養ケア・マネジメント」ではないのです。
そういう意味ですね。「公衆の栄養マネジメント」なのですね。
○髙地構成員 はい。
○加藤座長 違いますね。「公衆栄養のマネジメント」なのですね。
○塚原構成員 そうしましたら、さっきの「栄養管理」と「栄養マネジメント」はどう違うのですか。先ほどの「ケア」が入るか、入らないか。「栄養管理」は、要は地域を診断して、地域をよくするために考えてマネジメントしていくのですね。それは先ほどの「栄養管理」とまた違うのですか。
○加藤座長 日本語に合わせたら「栄養マネジメント」ですから「栄養管理」ですね。
○塚原構成員 そうなると、先ほどの「栄養管理」もあって「栄養マネジメント」もあって「栄養ケア・マネジメント」もあって、3つあるから、そうしたらいっそ「栄養管理」と「栄養マネジメント」は1つか。そうではないですか。
○合田構成員 歴史的にはそれは難しいので、短絡してはだめなのです。マネジメントが管理ではないのです。「栄養管理」と歴史的に、これはある意味では1方向の指導とか、そういったものをずっとやってきたので、これは危ないです。ですから、何でもかんでも置きかえるのは非常に危険なので、この「栄養ケア・プロセス」の中の「栄養ケア・マネジメント」と「公衆栄養のマネジメント」というものでは、これは「マネジメント」が私はいいと思います。ケアをして、アセスメントをして、そういう大きな流れの中のマネジメントなのだという意味になるので「管理」で全部一くくりというものでは、私はちょっと違うと思います。
○加藤座長 塚原先生の言われるのは、では「栄養管理」は使ってもいい。それはそれでいいという意味ですか。「栄養管理」もまずいといいますか、逆に。
○合田構成員 例えば管理栄養士が「管理」という言葉を使うのですから、その意味では「栄養管理」はあると思います。
○加藤座長 法律用語にも出てきますからね。
○合田構成員 はい。出てきていますから、それはいいと思います。
でも、スクリーニングから始めて、アセスメントをして、どのように対応するかという、このサイクルを回すという中のマネジメントということはやはり必要だと思うので、ここでは「マネジメント」という言葉を使うことに私は意味がある。そういう意味です。
○加藤座長 お願いします。
○武見構成員 私も多分、これはPDCAを回すといいますか、そこを強調したいがゆえに、やはり「マネジメント」という片仮名であえて持ってきているのだと思うのです。確かに、訳せば管理と同じではないか。そうかもしれないけれども、やはりそこに意図を込めているということで今までもこうなってきましたし、これはこれでいいのではないかと私も思います。
何が何でも全ての文言を統一していかなければいけないということによって、逆に受け取るとか、実際の意味が変にゆがんでしまったり歪曲化されてしまったりするのを懸念するので、このままでいいのではないかと思います。
○加藤座長 私が伺いたいのは「栄養ケア・マネジメント」ではないという意味なのですね。先ほどからくどいのですけれども「公衆栄養のマネジメント」という意味でもないのですか。少なくとも「栄養ケア・マネジメント」ではないのですね。
○武見構成員 そうではないと思います。例えば施策のマネジメントということがあると思うのですが、その場合はケアではないので。
○加藤座長 ですから、言葉として存在すればいいのですけれども、これが「栄養ケア・マネジメント」というものであれば言葉を統一しようという塚原先生の御意見なのだろうと思うのです。
○塚原構成員 そうしましたら、例えば「栄養管理」は「栄養マネジメント」ではだめなのですか。
○加藤座長 いや、それでいいのですが、法律用語の中に「栄養管理」が、特に臨床栄養とかなどでも給食経営でも入ってきてしまっているので、それを残したという、それだけの理由です。恐らく先生が言うのが私は正しいと思います。ですから、これからは合田先生の意見に従えば「栄養管理」という言葉は消えていかなければいけないのですよ。「栄養マネジメント」になっていかなければいけないのですが、それは厚生労働省のほうに法律の文章を変えていただくということになっていくと思います。
では、議論は出尽くしたみたいですので、これはこのままでよろしいでしょうか。
そうしますと、一通り見ていただきましたが、何かありましたらということと、少し細かいところに入っていきたいと思うのですが、これは私の完全な今回の目標の一つなのですが、できる限り括弧を外していただきたいと思っています。
それで、先生方にだめだと言われるところはだめでいいと思うのですが、最初に出てきた先ほどの「トリグリセリド」の部分なのですが、括弧を外したからといって、その括弧にある言葉を教えないという意味ではないと思います。それぞれの教科・科目ごとに、例えば「トリグリセリド」は「トリアシルグリセロール」のことであると基礎栄養学では教えていただければいいですし、生化学では教えていただければいいと思うのですが、ガイドラインに載る単語は1語でいいのではないかというのが私の個人的な考えなのです。
先ほどの「トリグリセリド」に関しては事務局のほうからも説明がありましたように、医師の国家試験が「トリグリセリド」になっている。それと、実際に国家試験をつくっているときのもとになっているのは南山堂の『医学大辞典』、あるいは栄養・食糧学会が出している『栄養・食糧学用語辞典』ですが、その辺が「トリグリセリド」になっている。これを見せていただきますと、疾患ガイドラインですね。要するに、学会がつくっているガイドラインでは「トリグリセライド」となっているので、近い将来は「トリグリセライド」と変わっているかもしれませんが、現在の時点は「トリグリセリド」ではないかといった御提案です。
ページにしますと、15ページのCの「b トリグリセライド(トリアシルグリセロール)」と書いてあるのですが、ここは思い切って「トリグリセリド」、括弧を取るというので御提案したいのですが、どうでしょうか。
藤岡構成員は、いかがですか。
○羽生構成員 きょう御欠席ですけれども、藤岡構成員はこの分野に御専門で、精通しておられて、ガイドラインの用語が「トリグリセライド」のほうに収束していっている現況で厚生労働省が所管するこういう国家試験もそちらに準じてはどうかという、かなり強い御意向を持っておられましたが、私はそこまで知りませんでしたけれども、医師国家試験と歯科医師国家試験が直近の改定のときに「トリグリセリド」というものを、あえてかどうか、採用されているので、今回のものはこの「トリグリセリド」で、この分野は行って、次回、学会のガイドラインとかに準じて、医師国家試験、歯科医師国家試験あたりが変わるようであればそうするということが落としどころかなというふうに、見せていただいて考えていました。
○加藤座長 ありがとうございます。大変力強い御意見をいただきまして、欠席裁判みたいでちょっと心も痛いのですけれども、基礎栄養も「トリアシルグリセロール」は外してもいいですか。といいますか、外させていただいてもいいですか。
では、管理栄養士の国家試験では「トリグリセリド」に一本化させていただく。それで、4年後の改定ではひょっとしたら「トリグリセライド」に変わっているかもしれないということがあるかと思います。
それから、臨床栄養ですか。「フレイル」のところまで来るのですか。臨床栄養のUの「b フレイル(虚弱)」というところがあったと思うのですが、ここの「虚弱」をそろそろ外してもいいのではないかというところがあります。
人体のところもあるのですか。
○田中栄養管理係長 「フレイル」は人体と応用栄養と臨床栄養の3科目で掲載されています。
○加藤座長 それは今回「フレイル」に統一させていただいたのですが、そこの後ろの「虚弱」は「虚弱」という言葉で使っているところは基本的にはないと私は思いますが、塚原先生、どうですか。
○塚原構成員 私も「フレイル」でいいと思います。
○加藤座長 では「フレイル」でよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○加藤座長 あとは「基礎栄養学」の31ページのところですが、Cの「c 不可欠(必須)アミノ酸」の「必須」を取る。これはもう取るということでよかったのですね。
(首肯する構成員あり)
○加藤座長 あとは、すみません、あちこち飛んで申し訳ありません。ぐちゃぐちゃになってしまいました。
○田中栄養管理係長 加藤先生、すみません。「基礎栄養学」の同じく31ページの「5 たんぱく質の栄養」の中項目Bの「b 分枝(分岐鎖)アミノ酸の特徴」の括弧はいかがいたしましょうか。
○加藤座長 どうでしょうか。実は「分岐鎖アミノ酸」で生きてきた私の時代ですが、よろしいでしょうか。括弧は取るということで「分枝」で統一させていただくということで。
(首肯する構成員あり)
○加藤座長 では、それもよろしくお願いいたします。
あとは「基礎栄養学」の32ページの「7 ビタミンの栄養」のところなのですが、ちょっと気になったのが「a レチノイド(ビタミンA)」というのはいかがなものでしょうか。「ビタミンA」だけにするという、先ほどちょっと申し上げて、レチノイド=ビタミンAという考え方ではないほうがいいのではないかと私は思ったのですが、合田先生、いかがですか。下は「ビタミンD」ですものね。「ビタミンAと活性型ビタミンDのホルモン様作用」で。
○合田構成員 ちょっと悩ましいところなのですけれども、カロテンの場合には「カロテノイド」という用語がありまして、ビタミンAになる「レチノイド」という用語があるのです。
レチノイドは広い概念なのですけれども、ビタミンAで一応含めることはできると思います。「ビタミンA」でいいと思います。
○加藤座長 ビタミンAのほうが少し大きいと思いますので、では、ここは「レチノイド」を外していただいて「ビタミンA」を括弧から外して「ビタミンAと活性型ビタミンDのホルモン様作用」にさせていただきたい。
細々したところはそんなようなところだったと思いますが、事務局、あとは何かありましたか。
○田中栄養管理係長 以上で事務局からは御相談したい件は大丈夫です。
○加藤座長 先生方、何か全体を通して見ていただいて御意見等がありましたら。
お願いします。
○曽根構成員 各科目で先ほどライフステージ別の区分の書き方が、36ページの「E ライフステージ別食事摂取基準」とか、42ページの「A ライフステージ別の栄養教育の展開」と、51ページの「C 地域集団の特性別プログラムの展開」の「a ライフステージ別」の、分類の言葉がそれぞれ違っているのですが、これはそれぞれの科目の特性に合わせた書き方、分類の仕方ということで理解すればよろしいのでしょうかという確認です。
○加藤座長 それは先生、小項目のほうが違うという意味ですね。
○曽根構成員 はい。これはそれぞれの科目ごとの区分でよろしいというのであれば、それで結構です。
○加藤座長 例えば36ページですと、妊婦・授乳婦がaで、乳児、小児、成人、高齢者ですが、42ページになると妊婦・授乳期、乳幼児期、学童期・思春期というものが入ってくる。
○曽根構成員 51ページですと、妊娠期・授乳期、新生児期・乳児期、成長期、成人期、高齢期という分け方になっています。
○松本構成員 「応用栄養学」のところですけれども、36ページですが、これは基本的には食事摂取基準の分け方に準じて、妊婦・授乳婦、それから、乳児、小児というものは食事摂取基準では1歳から18歳未満ということになっていますので、その形で1つにまとめさせていただいて、あとは成人、高齢者という形でまとめさせていただいております。
○加藤座長 ありがとうございます。
ちょっと気になるのは、他のところは「期」という言葉が入れてあるのですが、この分かれているのは基本的に数が多いかどうかというだけですが「期」という言葉を入れるのは変ですか。入れなくてもいいのかもしれないですけれども、あまり関係ないのですか。
○松本構成員 今、確認しましたけれども、食事摂取基準のほうには「期」が入っていないので、入れていないのです。
○加藤座長 他のところは「期」なのですね。
栄養教育は「期」がいるのですね。
赤松先生、大丈夫ですか。「期」はないとおかしいのですね。
○赤松構成員 栄養教育は、栄養教育を行うシチュエーションで分けていて、妊娠期・授乳期というものは妊婦さんと授乳婦さんで、乳幼児期というものは子供のほうを対象という形で、栄養教育の場面で分けているのです。
○加藤座長 「期」ですね。
○赤松構成員 分け方はこれでいいと思うのですけれども、書き方がつなぐときの中ポツの前に「期」を入れるか、入れないかというのはそろえたほうがいいかなと思っています。別にそこはこだわっていないので、中ポツの前の「期」を、入れるかは、他の科目との確認をしていただければと思います。
○加藤座長 塩澤先生、理解していただけましたか。
○塩澤栄養指導室室長補佐 はい。
○加藤座長 私は理解できませんでした。すみません。
それで、先生の質問に答えていないですね。
○曽根構成員 科目ごとにそれぞれの考え方で分けているのであればそれは結構ですけれども、表記の仕方の、先ほどの中ポツの前に「期」を入れるかどうかというのは、51ページも含めて、そろえたほうがきれいかなと思います。
○加藤座長 では、この「期」に関してはといいますか、このステージに関してはそれぞれの科目によって決めていただくということで、表記の仕方だけ少し事務局のほうで対応していただくということでお願いします。
先ほど吉池先生のほうからあった質問ですが、私、ずっと他のことを考えていたのですけれども、そこの部分を取ったらだめなのですか。わざわざ、この科目から移したのだと書くから変な話になっていて、具体的にはというところを、2ページ目の「出題数及び出題数の配分、出題形式について」の赤になっているところの「具体的には」というところはいいと思うのですが「可能となるよう」の後ろです。「最も適切なものを問うことが多い科目を中心に」という、この文章を外してはだめなのですか。
○吉池構成員 基本的に外すことで賛成です。
もう一つは、ここのところでまた「栄養ケア・マネジメントを基本とした栄養管理」という、また回りくどい表現をして、先ほど栄養管理がより広い概念ということであれば、ここは「栄養管理」でよいわけですね。そうしたときに、実はもうちょっと大事なことについて、先ほど言いかけたことなのですが「栄養ケア・マネジメントを基本とした」を例えば削除して、その前に「個人または集団における種々の状況において」。実際に問題をつくるときは状況設定をするわけなので、そういう状況において問うから、その状況に合った形の科目が出てくるという表現をしたほうがよりすっきりと読めるかなと思ったところです。
それで「最も適切なものを問うことが多い科目を中心に」は削除という先生の御提案に賛成です。
○加藤座長 これがちょっと邪魔になっているような気がします。
先生は「具体的には」の後ですか。
○吉池構成員 もう一度申します。「個人または集団における種々の状況において栄養管理を実践する上で」とすると、今回の出題も個人と集団ということですし、状況設定ということが前提となっていますから、当然、その状況設定にかかわる科目から主に引っ張ってきているということが読めると思います。
○加藤座長 今の御提案、繰り返しますと、赤字が始まっているところですが「具体的には、個人または集団における種々の状況において栄養管理を実践する上で必要な知識、思考・判断力を備えているかについて評価が可能となるよう、10問を応用力試験に移行し」云々と続くというふうにしたいという提案ですが、あまりどの科目がどうこうという話を持っていかないほうがいいというのはそのとおりのような気がします。
他の先生方、何か御意見をいただけますでしょうか。
では、塩澤先生、考えておいていただいて、他に先生方、何かここまで通して、これで最終報告書をつくり上げていきたいと思いますので、何かもしありましたら。
お願いします。
○大口構成員 先ほどの括弧書きの件なのですけれども「基礎栄養学」を中心に「ミネラル(無機質)」という言葉がございまして、今、合田先生と話しまして、無機質はなくていいのではないかという提案です。
それで「ミネラル(無機質)」は多分、食べ物のところに1カ所、あと、基礎栄養で何カ所か、応用のところにも1カ所あるのですが、応用のところは「ミネラル」だけになっています。今、見た感じ、そのあたりに言葉としては入っておりますので、今、先生方の御意見を伺いたいと思います。
○加藤座長 先生、基礎栄養はどこでしたか。
○大口構成員 基礎栄養は数カ所ございます。
まず、大項目の8。
○加藤座長 すみません。私、そこに気づきませんでした。
○大口構成員 あと、食べ物のところに1カ所入っています。
○加藤座長 大項目の「8 ミネラル(無機質)の栄養」。
○大口構成員 そこと、あとは基礎栄養の修正の入った30ページのところなのですけれども「ミネラル(無機質)」で、消化・吸収のところにもございます。
○加藤座長 「ミネラル」のところの「無機質」を取るということに関してはよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○加藤座長 では、それも括弧をできるだけ外していただくということで、ちなみに31ページの「5 たんぱく質の栄養」というところのAの「d 急速代謝回転たんぱく質(RTP)」は、もちろん(RTP)でいいのですが、国家試験では一回「ラピッドターンオーバープロテイン」と片仮名で出したのですけれども、これはなかなか日本語が難しいのだろうと思うのですが、一応、この栄養学辞典か何かはこういう訳なのですね。こちらのほうがいいですか。
○合田構成員 「短半減期」ではないです。
○加藤座長 この日本語で、これはやはり(RTP)も残しておいたほうがいいのですね。
残すなら全部「ラピッドターンオーバープロテインラピッドターンオーバープロテイン」ですが(RTP)は意味がわからないですものね。
○合田構成員 残すなら「ラピッドターンオーバープロテイン」です。なくていいと思います。日本語だけでいいと思います。
○加藤座長 では、これもよろしいですか。
○合田構成員 はい。
○加藤座長 では「d 急速代謝回転たんぱく質(RTP)」の(RTP)は外します。
先生方で他に何か。
では、先生のほうからお願いします。
○髙地構成員 すみません。先ほどの「最も適切なものを問うことが多い科目を中心に」というところの改定部分の下のところに「応用力試験など栄養管理を実践する上で必要な」というところで「最も適切なものを問うこととする」とあるのですけれども、これは応用力試験は最も適切なものを問うこととするという縛りではないですね。
○加藤座長 すみません。どこでしたか。
黒のところですね。
○髙地構成員 はい。2ページの黒のところです。
絶対解でもいいという話だったと思うので、一応、ここの解釈の確認です。
○加藤座長 これは「問題では」と言って限定されていますか。「基本的な課題に対応する能力を評価する問題では、最も適切なものを問うこととする」という、最も適切なものを問う問題もあるという読み方が私はできるのですが、先生、この表現ではまずければ。
○髙地構成員 確認をお願いします。
○吉池構成員 ここの2行のところが、かつての表現が全部残っているので、この「思考・判断力、基本的な課題に対応する能力」というものは他では消えているはずのところで、ここだけ反映されていないと思います。他と同じように、ここの文言を変えればよいのではと思います。
○加藤座長 どうですか。何となく、この文章だけ読むと、最適解もありますというふうに私などは読めてしまうのですが、ですから、全部が最適解という「応用力試験など」と書いてありますので、栄養教育、臨床栄養などももちろん含めて、最適解もありますということを言いたい文面ですね。
出題形式については、正しいもの(5つの選択肢から1つまたは2つの正解肢)を問う方式を原則とすることが望ましい。だけれども、応用力試験など栄養管理を実践する上で必要な思考・判断力、基本的な課題に対する能力を評価する問題では、最も適切なものを問うこととするというのはあってもいいのではないですか。ないと絶対解しかないとか、最適解しかないというふうになっていて、わざわざ絶対解の問題も最適解の問題もあるのですと。
「応用力試験など」と書いてあるからだめなのですね。「など」だから、みんな入るからいいといえばいいのですけれども、それもやめて、なお、栄養管理を実践する上で必要な思考・判断力、基本的な課題に対する能力を評価する問題では、最も適切なものを問うことにするとしたら先生の疑念が晴れるというイメージですが。
○髙地構成員 それでよければ、むしろそのほうがいいと思います。
○加藤座長 「応用力試験など」という言葉を抜いてもいいような気がしますが、そうやって残しておいたらどうですか。
○吉池構成員 実はここで、今の論点ではないのですが「基本的な課題に対応する能力を評価する」という表現については、この能力そのものについて評価できないのではないかということで、応用力問題のねらいのところでこの表現は修正されています。何とかを実践する上で必要とされる知識、思考・判断力を問うというふうに応用力問題自体のねらいの文言が修正されています。その修正がここの部分で文言として反映されていないので、合わせたほうがよろしいのではないかということです。
○加藤座長 そうしますか。
ですから、ここに書いてあるものは、実は応用力問題に限ったわけではないのですね。ですから、絶対解問題と最適解問題があるのだということを言うのですが、先ほど吉池先生が言われたみたいに、そこの部分がちょっと変わっているということで。
お願いします。
○塩澤栄養指導室室長補佐 念のため確認させていただいてよろしいですか。今のところでございますけれども「なお」から始まるところです。ここは「なお、応用力試験など栄養管理を実践する上で必要な思考・判断力」で、その後の「基本的な課題に対応する能力」というところを削除して、もとに戻りますけれども「必要な思考・判断力を評価する問題では、最も適切なものを問うこととする」というものを応用力試験のほうとの並びをとって、今の部分を削除するということでよろしいでしょうか。
○加藤座長 「応用力試験など」は残す。
○塩澤栄養指導室室長補佐 「応用力試験など」は、文章は残します。
○加藤座長 「など」があるからですね。
○塩澤栄養指導室室長補佐 はい。なので「判断力」の後の句点と「基本的な課題に対応する能力」という部分のみ、ここは削除ということでよろしいでしょうか。
○加藤座長 いいですか。
○曽根構成員 はい。
○加藤座長 ですから、吉池先生のほうではそうです。髙地先生のほうは、応用力試験は絶対解を入れないということが書いてあるのではなくて、応用力では最適解を問う問題がありますという理解をしていただければいいと思います。
弘津先生、何かありましたね。
○弘津構成員 「応用栄養学」ですが、変更履歴つきの38ページと39ページにあるものの括弧書きについて検討しました。「8 高齢期」のAの「h 日常生活動作(ADL)、手段的日常生活動作(IADL)の低下」には、(ADL)、(IADL)の括弧書きがあります。下のBには「g 日常生活動作の支援」で、こちらには括弧書きがありません。こちらで相談しましたが、あった方が良いのか、無くした方が良いのか、どちらがよろしいでしょうか。
○加藤座長 どうぞ。
○塩澤栄養指導室室長補佐 むしろ、このBのほうの下から3つ目の「g 日常生活動作の支援」というところには「日常生活動作(ADL)」と入れたほうがいいと思います。一般的にはいろいろな施策とかを含めて、日本語も使いますけれども、一般的には英語で使うときのほうが多いと思われますので。
○加藤座長 では、括弧を逆にしたらどうですか。
○塩澤栄養指導室室長補佐 それもありだと思います。逆にしましょうか。どうしましょうか。
○加藤座長 ADLのほうが一般的なような気がしますので、日常生活動作と言われたら、えっと思う人がいるかもしれませんけれども、ADLと言ったらADLですものね。
○塩澤栄養指導室室長補佐 では、逆にして、英語を先にして、括弧で日本語ということでよろしいですか。
○加藤座長 では、Bのほうは括弧も何も要らなくて「ADL」だけでいいのではないですか。
○塩澤栄養指導室室長補佐 そういうふうにしましょうか。
○加藤座長 そういうものが一番妥当な気がします。
○塩澤栄養指導室室長補佐 わかりました。
○加藤座長 弘津先生、いいですか。
○弘津構成員 AとBの中項目のところはそろえなくてもいいということですか。ADLのほうを先に書いて、日本語を書くのではなくて。
○加藤座長 多分、ADLのほうは非常にポピュラーだと思うのですが、IADLのほうは括弧書きがないとちょっと苦しいかもしれないというところはあるかなと思うので、いずれ外すということでもいいと思うのですけれども、ここの時点ではとりあえずは残しておくということで、では、8番のAのhに関しては「ADL(日常生活動作)、IADL(手段的日常生活動作)の低下」にして、Bのgに関しては「ADLの支援」というふうにさせていただくということでお願いします。
○弘津構成員 すみません。もう一カ所あるのですけれども、大項目10で、中項目Bで、小項目eのところなのですが「無重力環境(宇宙空間)と栄養」と書いていますが、この「宇宙空間」というのは外してもいいのではあるまいかと、こちらで話しました。
○加藤座長 おっしゃるとおりです。
○弘津構成員 よろしくお願いします。
○加藤座長 他に無重力空間がどこにあるかという話ですが、つくればあるのだということですか。
応用栄養学のほうからの御提案ですが、外してもよろしいでしょうか。
では、外させていただきます。ありがとうございます。できる限り括弧を外すというのが非常に私の強い希望ですので。
どうぞ。
○羽生構成員 先生のお話なのですけれども、その方向ができるだけ望ましいと思いますが、先ほどの31ページのRTPの議論なのですけれども、正しい訳語は急速代謝回転たんぱく質のとおりだと思うのですが、その訳語として、私はあまり教科書とか一般の本とかを見たことがなくて、それだけの単語で括弧なしで国家試験に出たとき、学生はプレアルブミンとかのことを思い浮かべるかなと言われると、ちょっと難しい可能性がありまして、それですと、括弧なしでしたら、それこそ「ラピッドターンオーバープロテイン」のほうがまだ一般には通りがいいのかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○加藤座長 どうでしょうか。
ですから、国家試験ではわざわざ片仮名で書いたのです。英語で書くと英語の得意な人はそのまま意味がわかってしまって、わかってもいいのですけれども、そういう議論をしたと思います。わざわざ片仮名で「ラピッドターンオーバープロテイン」と出したのですが、変な話は変な話でした。
合田先生、いかがですか。
○合田構成員 現場ではラピッドターンオーバープロテインと教えているのであれば、この用語は使うべきだと思います。ただ、RTPはあまりいただけないので。
○加藤座長 括弧にするにしても「ラピッドターンオーバープロテイン」と書いたほうがいいですか。
英語でもいいのですか。英語で載せるのは変ですか。
○合田構成員 これまで英語で載せたことはないのではないですか。片仮名でいいと思います。
○加藤座長 そうしましたら、先生、これも「ラピッドターンオーバープロテイン」を前に持ってきて、後ろが「急速代謝回転たんぱく質」というほうが多分ポピュラーなような気がするのですが、塚原先生、いかがですか。
○塚原構成員 「RTP」という言葉はなくなるということですか。今の文言の中に片仮名があって、漢字が入るということですか。
○加藤座長 入りません。
○塚原構成員 「RTP」が入るのですね。
○加藤座長 「RTP」は入れなくて、2つ残したのは「ラピッドターンオーバープロテイン」という片仮名と「急速代謝回転たんぱく質」という2つの言葉なのですが、臨床栄養のほうはそれでいいですか。
○塚原構成員 私は「RTP」という文字があったほうがわかりやすいような気がします。学生がぱっと聞いたときに、その文言を捉えたときに、別に「ラピッドターンオーバープロテイン」と書いてあるからいいと思うのですけれども。
○羽生構成員 それは先生がおっしゃるとおり、多分、長ったらしいから「RTP」と呼称していることが臨床の場では結構多いというのが本当だと思うのですよ。それで、3つしか教えないですけれども、その3つのことが頭に浮かんでくれたらそれでいいのですが、全然突拍子もないものを浮かべたら、全然、また問題の意図と違ってしまうかなという気はします。
○塚原構成員 うちの臨床栄養学の分野では、3つ以外は多分教えないと思います。
○羽生構成員 「RTP」で呼称していますね。なので、どうかなと。
○加藤座長 先生、やはりRTPと教えていますか。
○塚原構成員 黒板には「ラピッドターンオーバープロテイン(RTP)」と書いて、口では「RTP」と言っています。
○加藤座長 では「ラピッドターンオーバープロテイン(RTP)」のほうが何となく今のストーリーではいいような気がするのですが、基礎栄養学はそうはいかないですか。
○塚原構成員 臨床栄養の教科書はそちらのほうが多いような気がするのです。
○加藤座長 基礎栄養学、いかがですか。そういうアイデアはないですか。
○合田構成員 基本的な考え方、概念としては、本来的には日本語で書くべきだと私は思います。それを一般的に、臨床ではこういうふうに簡略して「RTP」と呼んでいるというのはいいのですけれども、やはり日本語の概念としては、日本語の場合には漢字を見ると意味がわかりますから、RTPですと意味がわからないですね。ですから、教えるときには、やはり基本的に用語としては日本語にできるのだったら、そのほうがいいと私は思います。RTPという用語を広く教えてあげたいのであれば、やはり括弧でつけるべきです。
○加藤座長 医療現場は基本的に3文字略語が好きですから、何でも3文字略語になっていますので、ただ、RTPはラピッドターンオーバープロテインと教えているということに関しては間違いがないので、先生、ここは「急速代謝回転たんぱく質(ラピッドターンオーバープロテイン)」ぐらいのところで落としていただいてもいいですか。
では、御不満もあるかと思いますが、その辺でよろしくお願いします。
お願いします。
○塩澤栄養指導室室長補佐 ちょっともとに戻るのですけれども、先ほど吉池先生から御提案を頂戴した部分についてでございます。見え消し版の2ページの、例の後段の「具体的には」から始まるところで、先ほど「栄養ケア・マネジメントを基本とした」という部分を削除して、そのかわりに「個人または集団における種々の状況において栄養管理を実践する上で」という御提言を頂戴したと思うのですが、ちょっと細かいのですけれども「種々の状況において」という部分を「種々の状況に応じた」というふうにさせていただきたいのですが、よろしいですか。
○吉池構成員 はい。お任せいたします。
○加藤座長 お願いします。
○曽根構成員 そこの文章で、今回、応用力問題は増やすという変化を強調するのであれば、その下のところで「思考・判断力を備えているかについて一層の評価が可能となるように」と「一層の」を入れたほうが、今回初めてつくるのではなくて、増やすのであれば、理由として適切なのではないかと思います。
○加藤座長 「一層」がいいですか。
○塩澤栄養指導室室長補佐 すみません。今の御趣旨を踏まえて、例えばですけれども「思考・判断力を備えているかについての評価がより一層可能となるよう」みたいな感じでもよろしいですか。
○曽根構成員 はい。それで結構です。
○加藤座長 では、その言葉をどこに入れるかは事務局にお任せいたしますので、そういう言葉が入るようにということで、先生、よろしいでしょうか。
○曽根構成員 はい。
○加藤座長 お願いします。
○神田構成員 給食の大項目5、中項目B、小項目aのHACCPの括弧の英語は要らないのではないかと思いまして。
○加藤座長 もうポピュラーですものね。
○神田構成員 それと「食べ物と健康」の見え消し版の26ページで、大項目4、中項目Hの。
○加藤座長 HACCPですね。
○神田構成員 そこも同様にというふうに提案いたします。
○加藤座長 ありがとうございます。
もうHACCPはほとんど皆さんそのまま使っていますので、英語表記を省かせていただきます。ありがとうございます。
その他、先生方、何かこの場で思いつくことがありましたら。
事務局のほうで、今後の手続はどうなるのか、説明してくださるのですか。今回でとりあえず終わりですね。
○塩澤栄養指導室室長補佐 今、いろいろな修正ポイントをいただきましたので、そこで事務的に形式を整えて、もしよろしければ、座長の加藤先生に一回御確認をいただいて、確認をいただいた後に我々から正式に最終版として公表という流れで考えておりますが、よろしいでしょうか。
○加藤座長 それでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○加藤座長 そうしますと、先ほど1つ宿題が先生のところにありましたね。ありませんでしたか。
○髙地構成員 サステイナビリティーです。
○加藤座長 では、そこはお任せいただいてもいいですか。
○髙地構成員 はい。
○加藤座長 では、すみません。サステイナビリティーのところの書き方だけお任せいただくということでよろしくお願いします。
他は何か先生方、ありますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、最後に一言、事務局のほうからお願いいたします。
○清野栄養指導室長 昨年の9月から先生方にはたくさん御議論いただきまして、改定の作業なども重ねていただきまして、本当に心より感謝しております。
今回の改定では、特に応用力試験問題を増やしていくなど、今後の管理栄養士国家試験の質の向上が図られるのではないかと考えております。本当にありがとうございました。
先生方におかれましては、今後とも管理栄養士国家試験の質向上のために御指導・御助言を賜りますよう、お願いをいたします。
簡単ではございますが、挨拶にかえさせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
○加藤座長 ありがとうございました。
それでは、先生方、本当にお忙しい中、ありがとうございました。これにて3回にわたる検討会を終わらせていただきたいと思います。
本日も閉会させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
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