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2019年9月30日 第10回 看護基礎教育検討会 議事録

医政局看護課

○日時

令和元年9月30日(月)14:30~16:30

○場所

厚生労働省 共用第6会議室(3階)
東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館

○出席者

安藝 佐香江 (医療法人社団永生会みなみ野病院法人本部統括看護部長/看護部長)
井伊 久美子 (公益社団法人日本看護協会副会長)
池西 静江 (一般社団法人日本看護学校協議会会長)
井村 真澄 (公益社団法人全国助産師教育協議会会長)
江﨑 喜江 (大阪府病院協会看護専門学校副学校長)
遠藤 久夫 (国立社会保障・人口問題研究所所長)
太田 秀樹 (一般社団法人全国在宅療養支援診療所連絡会事務局長
釜萢 敏 (公益社団法人日本医師会常任理事)
木澤 晃代 (日本大学病院看護部長)
木村 元 (一橋大学大学院社会学研究科教授)
酒井 郁子 (千葉大学大学院看護学研究科附属専門職連携教育研究センター長)
中島 由美子 (医療法人恒貴会訪問看護ステーション愛美園所長)
中谷 祐貴子(岡山県保健福祉部長)
中西 亜紀 (高槻市医師会看護専門学校教務部長)
額賀 修一 (全国看護高等学校長協会副理事長)
馬場 武彦 (一般社団法人日本医療法人協会副会長)
春山 早苗 (自治医科大学看護学部学部長/教授)
福島 富士子 (東邦大学看護学部学部長/教授)
村嶋 幸代 (一般社団法人全国保健師教育機関協議会監事)
山口 育子(認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長)
山田 雅子 (聖路加国際大学大学院看護学研究科教授)
岡谷 恵子※参考人(一般社団法人日本看護系大学協議会常任理事)
 

○議題

 (1)文部科学省の「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会」の検討状況について
 (2)報告書(案)について
 (3)その他
 

○議事

○関根教育体制推進官 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第10回「看護基礎教育検討会」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、本日はお忙しい中、本検討会に御出席を賜り、まことにありがとうございます。
本日は、菱沼構成員、藤田構成員が御欠席、中谷構成員、馬場構成員が少し遅れての御参加となります。
それでは、遠藤座長、議事進行をお願いいたします。
○遠藤座長 皆さん、よろしくお願いいたします。
初めに、欠席の菱沼構成員の代理としまして、看護師ワーキンググループの構成員でもある岡谷参考人の御出席をお認めいただきたいと思いますけれども、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、議事に入らせていただきます。
まず、事務局より資料の確認をお願いします。
○関根教育体制推進官 事務局でございます。
本日の資料を確認させていただきます。
まず、議事次第に沿いまして、お手元のiPadをご覧いただけますでしょうか。
資料1 文部科学省「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会」における検討状況
資料2 看護基礎教育検討会報告書(案)
別表
参考資料1 改正カリキュラム適用のイメージ(案)
それぞれ同時にお開きいただくことはできませんので、1回開いて、その後、別の資料を見る際には1回閉じていただいて、別の資料をお開きいただけばと思います。
また、お手元に御用意しましたファイルには、過去の検討会資料と関係法令や検討会報告書をファイリングしておりますので、適宜、御参照ください。
資料が映らない等ございましたら、事務局にお申しつけください。
○遠藤座長 よろしゅうございますか。
それでは、議事に移らせていただきます。
まず、議題の第1でございますが、「文部科学省の『大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会』の検討状況について」でございます。資料が出されておりますので、文部科学省より御説明をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○丸山医学教育課長 文部科学省医学教育課長の丸山でございます。
それでは、資料1をごらんいただければと思います。
文部科学省高等教育局で開催しております「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会」の状況につきまして御報告させていただきます。
9月20日の第3回検討会の状況でございます。第9回の看護基礎教育検討会におきまして、指定規則にかかわる教育内容及び単位数等の改正案が提案されましたことを踏まえ、文科省の検討会におきまして、改正案を看護系大学に適用する際の課題と対応策などの留意すべき事項につきまして、資料1の下にございます「論点1 看護系大学等に改正案を適用する際の課題について」、「論点2 指定規則改正を通じた看護系大学における看護師等の教育の充実方策について」という論点2つの観点から検討していくことでどうかということで、御提案させていただいたところでございます。
これらを踏まえまして、御議論といたしましては、第9回看護基礎教育検討会において提示されました指定規則にかかる教育内容及び単位数の改正案につきましては、おおむね納得できるというものでありまして、特段反対の意見はなかったところでございます。
さらに、看護系大学においては、指定規則は国家試験受験資格の取得に係る必要最低限の基準を規定するものであるという前提に立ちまして、看護コアカリ等の外部基準を参照しながら、これまで以上に効果的かつ効率的な独自の体系化された教育課程を編成していくことが必要であるとの意見が出されたところでございます。
今後の方向性といたしましては、1つ目といたしまして、指定規則の改正点を踏まえ、教育課程を体系的に編成する上で留意すべき事項や、看護系大学における質保証に向けた今後の課題につきまして、第一次報告として早々にまとめるということ。
2つ目といたしまして、大学における看護系人材養成に係る実習のガイドラインの作成が早急に必要であるとの御議論がありまして、文科省の検討会におきましては、実習のガイドラインの作成に向け、継続して実施していくことが合意されたところでございます。
簡単ではございますけれども、以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
それでは、ただいまの御報告に関して、何か御質問、御意見等あれば承りたいと思いますが、いかがでございましょう。
特段、御意見ないようであれば、よろしゅうございますか。ありがとうございます。
それでは、次の議題に移らせていただきます。
本検討会における報告書の案を御議論いただきます。前回、検討会の御議論に基づきまして、ワーキンググループ座長とも相談をいただきながら報告書(案)を事務局に作成してもらいました。
まず、事務局からこの事務局案について説明をお願いしたいと思います。事務局、よろしくお願いします。
○関根教育体制推進官 事務局でございます。
iPadの資料2をお開きいただけますでしょうか。資料2が報告書の案ということで、令和元年●月●日、厚生労働省ということで表紙がございます。
その次のページをご覧いただきまして、目次がございます。本検討会の報告書の目次の構成でございますけれども、まず、「Ⅰ.はじめに」ということで、本検討会を開催するに至った背景等の記載をさせていただいております。
その次に、「Ⅱ.看護基礎教育をめぐる現状及び課題について」、3点の切り口から整理をさせていただきました。
「Ⅲ.看護基礎教育の見直しの方向性について」記載をさせていただいております。
そしてⅣからⅦまでで実際に保健師、助産師、看護師、准看護師それぞれの内容と方法について、今回、見直していただいた点について整理をさせていただいております。
次に、「Ⅷ.教育体制・環境について」、最後に「Ⅸ.今後の課題等について」整理をさせていただきました。
前回、9月12日に資料としてお示しさせていただきました、それぞれ指定規則(省令)の別表と局長通知になります看護師等養成所の運営に関する指導ガイドラインの別表を、表1から表22までになりますけれども、まとめて提示をさせていただいております。
資料2にお戻りいただきまして、資料2は基本的に前回御議論をいただきましたそれぞれのワーキンググループから報告のあった今回の改正の方向性について、ベースにまとめさせていただきました。
最後、14ページ目が「Ⅸ.今後の課題等について」、まとめさせていただきました。今後の課題等についての上から4行目の真ん中あたりですけれども、今回の改正内容及び保健師助産師看護師国家試験への影響を勘案し、保健師、助産師、看護師3年課程、准看護師課程については2022年度の入学生から新カリキュラムを適用し、看護師2年課程については2023年度の入学生から適用することが望ましいということで、今回、参考資料1で示した図がこの3行の文章のイメージを図式化したものになっております。
このように、今回、見直していただいた内容をできるだけ早くカリキュラムとして各養成所において取り入れていただいて、それを国家試験のほうで柔軟に運用することで受けとめていきたいと考えておりまして、このような記載ぶりとなっております。
そして報告書の続きでございますが、15ページ目のところに、今回、主に御議論をいただくところにもなってまいりますけれども、前回、先生方からいただきました課題について、○のところでそれぞれまとめさせていただいております。簡単に上から御紹介をさせていただきます。
まず1つ目の○でございますが、「今後、改正事項について必要な検証を行い、その結果を踏まえつつ、実習を踏まえた教育内容を及び方法の継続的な検討を行うべきである。」
2つ目の○ですけれども、「養成所の教員の負担軽減を図ることは重要であるため、業務支援システム等の情報通信技術、ICTの活用や学生へのカウンセリング等に関して支援が受けられる体制の確保等に向け、都道府県に対して財政措置を求めていくべきである。」
3つ目の○で、「都道府県においては、養成所と実習施設との情報共有の場を設けるなど、実習施設の適切な確保に向けた調整や支援にさらに取り組むことが求められる。」
4つ目の○の2つ目の文章ですけれども、「習得すべき能力を定め、卒業時の能力の客観的な評価を行うことなどによって教育の質を保証するなど、新たな方法について検討していくべきである。」
最後の○でございますけれども、「現行の教育課程の修業年限を前提とした教育内容の検討には限界がある。今後の看護職員の役割拡大を見据え、看護師基礎教育において一層の臨床判断能力等を養うことが必要であり、また看護職教育の国際基準等を踏まえ、修業年限の延長も含めた教育内容及び方法の検討の場を早急に設置する必要がある。一方、看護職員の供給体制の変革により、看護職員確保に支障を来すことが懸念されることや、単位数増よりも教育内容を精選して免許取得前に学ぶべき内容の習熟を重視すべきとの意見もあることから、修業年限の延長については、慎重に検討すべきである。
これらの指摘を踏まえ、国においては、看護基礎教育の質の向上のためにこれらの課題の解決に向けて、引き続き取り組んでいくことを期待する。」
ということで、結びとさせていただいております。
その次の16ページ目以降が各検討会やワーキンググループの構成員の名簿となっております。
事務局からの説明は以上でございます。
○遠藤座長 そういたしますと、本文についての説明は特段されないということ。
○関根教育体制推進官 基本的にはこれまでの検討会の開催要綱や、前回御提示をしました各ワーキンググループの取りまとめから文言を書かせていただいております。事前に皆様にお目通しいただいておりますので、事務局からの説明は以上とさせていただきます。
○遠藤座長 了解しました。
それでは、内容については少し細かく御議論いただきたいと思いますので、幾つか章に分けてお話をいただきたいと思います。
最初は「Ⅰ.はじめに」から「Ⅲ.看護基礎教育の見直しの方向性について」、ページで言えば3ページから5ページでありますけれども、これについて何か御意見、御質問等ございますでしょうか。
山田構成員、どうぞ。
○山田構成員 山田でございます。
事前に意見を申し上げるべきでしたけれども、ちょっと遅くなって恐縮です。
「Ⅰ.はじめに」のところの第3段落目に「特定行為研修を修了した看護師の活用等」というところがございますが、その根拠として「医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組として」という説明があるのですけれども、必ずしもこういう文脈ではなかったのかなと認識しておりますが、いかがでしょうか。チーム医療の推進に関する検討会として、特定行為研修が位置づいたと理解しているので、こういう側面もあったかもしれませんが、これだけではなかったので、もう少し加筆していただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○遠藤座長 事務局から何かありますか。
看護課長、どうぞ。
○島田看護課長 事務局でございます。
御指摘ありがとうございます。
ここの書きぶりのところですけれども、特定行為研修制度は山田構成員の御指摘のように、医師の労働時間短縮という趣旨のみで制度化されたということではないところは御指摘のとおりかと思います。
一方で、ここで抽出しております部分は医師の働き方改革に関する検討会での指摘事項という形で、この検討会ではこういった文脈で特定行為研修に対する期待があったため、そこの表現を抜粋しているような形ですけれども、御指摘のように、若干、制度に対する理解というところでは、誤解が生じる可能性もあるかと思いますので、少し座長と表現なども相談して検討してみたいと思います。
御指摘ありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ほかに何かございますか。
井伊構成員、どうぞ。
○井伊構成員 「Ⅱ.看護基礎教育をめぐる現状及び課題について」の「2.看護の対象や療養の場の変化」の記載についてです。この検討会では、今後、看護師にはさらに高い能力が求められ、より幅広い役割が期待されるということ、また、すでに現場の看護師はこれまでよりも多様な役割を担っているということを共有し、ワーキンググループにおいてもそれを踏まえた議論がなされてきました。そのため、この報告書においても、「看護職にはより高い能力が求められ、より多様な役割が期待されている」ということを明記したほうがよいのではないでしょうか。そういった文言が余りはっきりと書かれておりませんので、少し加えたらよいのではないかと思います。具体的には、「2.看護の対象や療養の場の変化」の「近年の人口構造の変化により」の文章の次に、「看護職員が対応する対象の多様性や複雑性が増し、看護職員にはこれまで以上に高い能力が求められるようになっている」ということを追加していただきたいと思います。
同じような意味で、最後の文章にも「看護職員には地域に暮らす療養する人々を生活者として捉え」の次に、多様な場面で看護サービスを提供する役割が求められているということで、「多様な場面」という文言も加えてはどうかと思います。
意見です。○遠藤座長 ありがとうございます。
まずは御意見として承りますが、今のものに関連してでも結構でございますし、そうでない御意見、御質問があれば承りたいと思いますが、いかがでございましょう。
池西委員、どうぞ。
○池西構成員 今のところです。
4ページの「2.看護の対象や療養の場の変化」ということなのですが、一番下の文言です。「暮らす療養する人々」が少し違うのです。この間からお話をしていますように、「療養する人々」というところに特化せずに、「暮らす人々を生活者として捉え」でいいと思うのですが。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ぜひいろいろな御意見をいただければと思いますが、山口委員、どうぞ。
○山口構成員 先ほどの井伊構成員の「多様」についてですが、その前にも「多様」があるので、「自宅や介護施設、学校など多様化してきており」なって、「多様」が重なりますので、「それに見合った」とかそういう違う文言のほうが文章としてはいいのではないかと思いました。○井伊構成員 ありがとうございます。おっしゃるとおりです。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかに何かございますか。
太田構成員、どうぞ。
○太田構成員 「Ⅰ.はじめに」の文章の中に、あえてタスク・シフトの問題が取り上げられているのですが、タスク・シフトは医師から看護師だけではなくて、看護師から介護福祉士にも起こっているわけです。ですから、これは看護師もタスク・シフトするということもここに合わせて書くべきではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○遠藤座長 今のことについて、いかがでしょうか。
タスク・シフトは重層的な構造があるので、ということだと思うのですけれども、ほかに何かございますか。
それでは、木村構成員、お願いします。
○木村構成員 文言に関してになると思うのですけれども、先ほどから問題になっています4ページの「2.看護の対象や療養の場の変化」なのですが、下から3から4行目のところで「療養する人々の生活の場は自宅や介護施設、学校など多様化してきており」ということです。
先ほどの療養という問題もあるのですけれども、「学校」となっているところです。中身としては事務局からお聞きしましたら、特別支援学校などということだったのですが、その中身が少しわかりづらいということと、学校自身がすごく拡大していて、そういう広がりも含めた表現のほうがいいように思います。教育機会確保法とか生活困窮者自立支援法とかが相次いで出てきている状況も踏まえまして、学校を含む教育機関とか。「など」がつながるので文章は考えていただければと思うのですけれども、少し広げた表現のほうがいいように思いました。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
村嶋構成員、どうぞ。
○村嶋構成員 私はこの学校に関しては、医療的ケアが必要な人が普通の小中学校に入ってきているので、そのようなことを言われたのかなと理解しておりました。
○木村構成員 そういうふうに私も理解しているのですけれども、それも含めたという形で少し広げたほうがいいのではないかという意見です。
○遠藤座長 ほかに何かございますか。
それでは、また何かあれば戻っていただくということで、少し先に進ませていただきたいと思います。
次は「Ⅳ.保健師教育の内容と方法について」、5ページから6ページにかけてということであります。これについて、いかがでございましょう。
村嶋構成員。
○村嶋構成員 6ページの2の「1)主な改正点」の3行目ですが、ちょっと文章が長いということが1つはあります。「それらの予防や防止に向けた支援を展開するとともに、健康課題への継続的な支援と」というのはありますので、「展開すると同時に」あたりにしたらいいのではないかというのが1つです。
もう一つは、「健康課題への継続的な支援」は健康を有する対象への継続的な支援、健康課題を支援するのではなくて、対象を支援するのだと思いますので、「そこの対象(事例、家族、集団や組織を含む地域)」という形で、そこのところを少し修正していただけないかと思いました。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ほかに何かありますか。
○村嶋構成員 ごめんなさい、もう一つ言い忘れました。
○遠藤座長 村嶋構成員、どうぞ。
○村嶋構成員 その下のほうの6ページの3の「2)留意点」のところです。2つ目の○の下から2行目、「個人・家族への支援の評価に基づいた訪問を含む継続的な保健指導を行うことを追記した」なのですが、これはそう追記されているので「含む」なのかもしれないのですけれども、「訪問を主とする継続的な保健指導」にはならないでしょうか。
以上です。
○遠藤座長 何かありますか。
事務局、どうぞ。
○島田看護課長 事務局でございます。
御指摘のところでございますけれども、ここはガイドラインの留意事項に記載したままの文言を引いてきておりますので、変更なくこのままで行かせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ほかにございますか。
それでは、少し先に進ませていただきまして、次は「V.助産師教育の内容と方法について」、6ページから8ページに書かれておりますけれども、これについて何かございますか。
井村構成員、お願いします。
○井村構成員 井村でございます。
助産師の各論的内容に関しましては、特段の意見はございませんが、これと照合させながら、もとに戻って恐縮なのですが、先ほどの「2.看護の対象や療養の場の変化」のところに高齢の方々、疾病を抱える方々のことが言及されておりました。改めて確認いたしますと、例えば、働く女性が今後ふえてくることで働く女性の健康であるとか、子供を産み育てる世代への手厚い支援という文言が全体の大きなところにもあったほうがよろしかったと改めて思いましたので、そこの文言を加筆していただけるとありがたいと考えました。
○遠藤座長 御意見として承りました。
事務局としては何かありますか。助産師ということを考えれば、そういうような文言が当初のところに。
○井村構成員 全世代型のということで、御高齢の方に加えて、子供を産み育てる世代にも言及していただけるとありがたいと考えました。
○遠藤座長 看護課長、どうぞ。
○島田看護課長 事務局でございます。
御指摘ありがとうございます。
文言のほう、検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○遠藤座長 ほかに何かございますか。
では、また何かあれば戻ってコメントいただきたいと思います。
次に進ませていただきます。「Ⅵ.看護師教育の内容と方法について」、8ページから11ページまででございますが、これについて御意見あるいは御質問があればいただきたいと思います。
大体よろしゅうございますか。これもまた何かあれば、後から御質問いただきたいと思います。
少し先に進ませていただきます。「Ⅶ.准看護師教育の内容と方法について」でございます。11ページから12ページにかけてでございます。これについて何かございますか。よろしゅうございますか。
それでは、次に移りたいと思います。「Ⅷ.教育体制・教育環境について」でございまして、13ページから14ページにかけての内容でございます。
井伊構成員、お願いします。
○井伊構成員 修正というよりも、まず、質問なのですけれども、13ページの「①看護教員養成講習会の見直し」の下から2つ目の項目、教務主任養成講習会等における受講修了者に関するところで「仕組みを検討する」。その次も、「受講促進策を検討する」。同様に②の充実化の2つ目の項目では、「実習指導教員については、学生への実習等に関する質を担保するために、業務経験に関する要件を明示する。」となっています。
これについてはどこで明示されるのかをお尋ねしたいです。また、教育の改正をしていくときに、教員の要件は非常に大きいと思いますので、教員養成講習会の見直しの検討は、今後、どこでどのように誰が行うのかということの見通しをお教えいただきたいと思います。
○遠藤座長 では、事務局
○島田看護課長 事務局でございます。
この実習者講習会ですとか専任教員養成講習会のほうは、国のほうで補助を設けておりまして、それぞれ都道府県ですとか実施主体のほうにやっていただいているといったものでございまして、それぞれその講習を実施するに当たりましての実施要項をお示ししております。
今回、この検討会でこういった見直しの方向性というものをお認めいただけるということでありましたら、実施要項の改正をするといったことを考えております。そのもととなります受講内容を積み上げられる仕組みとする、といったような点につきましては、これも養成講習会の実施方法やプログラムの検討を看護学校協議会さんのほうにもお願いしている内容がございますので、そういった内容を踏まえまして見直しを行っていきたいと考えております。
具体的に今、どういった見直しを行っておられるかということにつきましては、看護師ワーキンググループのほうでも御報告させていただいたり、御確認はいただいているところでございますけれども、そういった見直しの方向性を考えているところでございます。
もう一つ御指摘ございました、実習指導教員の要件のほうでございますが、こちら実習指導教員についての要件が今、全くガイドラインのほうに記載されていないところでございまして、やはり看護に関する業務の経験がある方という要件が必要ではないかといったことが具体的にはワーキングで御意見がございましたので、そういった内容をガイドラインに記載するといったことを念頭に置いております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
井伊構成員、いかがでしょう。
○井伊構成員 ガイドラインで明示するということでしょうか。
また、検討は今後、今回のワーキングや日本看護学校協議会の研究調査等を踏まえて、事務局で検討するということでしょうか。
○島田看護課長 事務局でございます
最終的にはそのような形になります。
○井伊構成員 わかりました。
○遠藤座長 井伊構成員、それでよろしかったですか。
続けてどうぞ。
○井伊構成員 検討し、例えば、単位制にするなどのことが実行されるのは、いつ頃なのでしょうか。
○井伊構成員 ということは、これが検討して、このような単位制にするとかいうことを実行するのは、検討したらこのことが進むのと同時に、それもできるようになるというふうに見通しておいてよろしいのでしょうか。
○島田看護課長 事務局でございます。
今回のカリキュラムのほうは、2022年度がおおむねスタートというところになっておりますけれども、実習指導者講習会や専任教員養成講習会のほうは必ずしもカリキュラムの改正内容とリンクするものではありませんので、2022年まで待つ必要はないかなと思っております。
ただ、一方で、それぞれ継続で実施されている主体もありますので、急に変更すると支障を来すところもありますので、そういったところも考えながらなるべく早く新しいやり方で受講していただくような体制を整えたいと思っております。
以上です。
○井伊構成員 ありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょう。よろしいでしょうか。
では、これもまた何かあれば後で戻っていただくということにさせていただいて、次は最後の「Ⅸ.今後の課題等について」ということで、先ほど事務局から御説明のあった内容でありますけれども、これについて、御質問、御意見があれば承りたいと思います。
釜萢構成員、どうぞ。
○釜萢構成員 「今後の課題等について」の、15ページの○としては一番下になりますが、「現行の教育課程の修業年限を前提とした教育内容の検討には限界がある」という段落の中で、「修業年限の延長も含めた教育内容及び方法の検討の場を早急に設置する必要がある」という記載がありますが、これはこの検討会でこのような合意は得られていません。国の方針として、看護師の養成については、国家試験の受験資格を得るためのコースがいろいろあるわけです。それらをみんな含めて必要な看護師を確保する。特に准看護師もその一部を担うわけですけれども、准看護師から看護師になるルートもあるわけですから、それらを含めて必要な看護職を確保しようというのは国の大方針であります。
さらに、この修業年限を延ばすということになりますと、地域に必要な看護職の確保がとても不可能になるわけです。このことについては、井伊先生ともこれまでにもいろいろお話をしてきましたけれども、この十分な地域医療に必要な看護職を十分に確保するという見通しは全然立っていないのが現状で、この修業年限を延ばすための検討の場を早急に設置するということについてはとても無理があると考えます。
午前中にたまたま看護師の需給の検討会もありまして、まず足元では非常に看護師が足りないというのは各病院からもたくさん御意見が出ました。2025年あるいは2040年に向けて、必要な看護職を今後もきちんと確保していかなければならないという流れの中で、この修業年限を例えば4年にするということによって、これまで看護職に参入できていた人が、いろいろな理由で、経済的にもそうですし、なかなか就業できなくなるということもあります。それから、養成施設のほうではそれだけの施設の確保が、これは高校からの過程もそうですけれども、施設の整備がとてもできないという状況の中で、地域医療に必要な看護職の確保というところがとてもおぼつかなくなるという大変危険な事態になりますので、この文言について、この報告書に入れることについては、反対であります。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 今の御意見についてですけれども、ここに書いてある最後のところは合意文ではないのではないかと私は読みました。今後の課題等について、ということで、15ページの5行目のなお書きのところで、「検討過程において構成員からは以下のようなさまざまな課題が指摘された」と書いてございますので、指摘があった内容を書いてあるのだと読みました。
それで、今、御指摘のところ、御意見についてはとてもよく理解はできますけれども、実際にこの構成員の中から年限についても、修業年限の延長も含めて考えるべきだという御意見は実際に出されて、それに対して、変革により看護職員の確保に支障を来すことが懸念されることやという反対意見も書いてあります。これは決まったことということではなく、こういう意見が出てきたのだ、それは本当にだめかどうかということは今後の検討課題ですよというような文言と私は読んだのです。
ということで、今後の継続課題として今、決めてしまうという結論には至らなかったような気がいたしますので、ここは両論併記してあるので、私はこのままでいいのではないかと思います。○釜萢構成員 山口構成員の今の御指摘も踏まえてもう一度発言をいたしますが、この検討の場を早急に設置する必要があることについては、これまで長い時間をかけてきて検討したのが2022年あるいは23年からようやく実施されて、それらの成果が今後どうなってくるかということも十分見た上で考えなければならない問題だろうと思いますので、検討の場を早急に設置して、明日から検討を始めることについては、ちょっと文言を修正すべきではないかというのが意見です。
○遠藤座長 山口構成員。
○山口構成員 今の御意見は、確かによくわかりますので、これが合意のように読めるのであれば、早急に設置する必要があるとの意見もあった、ということで正確になるのではないでしょうか。
○遠藤座長 今、2つありまして、1つは仮に次のような課題が指摘されたとさらっと出てきている中にあるので、それまでは全部合意事項が書かれていて、それが余りここの意味づけがはっきりしていないような文章で、各論がそのまま両論併記されているというところで、意味が少し違っていますからちょっとここだけ読みづらくなっているわけです。そこらへんは少し修正する必要があるだろうと。
もう一つ、釜萢委員がおっしゃっているのは、早急に設置するというような強みがあるとなると、反対するほうも慎重に検討ではなくて、絶対反対であるぐらいでないとバランスがとれないのではないかというようなこともあって、文言としてのバランスを両論併記であっても考えるべきではないかということをおっしゃっているのだろうと思います。
恐らく、井伊委員はそれに関するところだと思います。
井伊構成員、どうぞ。
○井伊構成員 本会ではこうした意見を当初から申し上げておりまして、やはり看護師のこれからの役割を考えると学習すべきことは増えこそすれ、減ることはないと思います。学ばなければいけないことは、やはり時代が進むとともに増えているのが実情です。
今回は3年の修業年限を前提として議論しておりますので、追加できる教育内容には限界がありました。ワーキングでもそのような議論があったと思いますので、今後のことを考えますと、修業年限延長も含めた検討の場が必要だと思っております。私たちはとしては早急に検討をしていただきたいですが、バランスを考えた場合には、「早急」をとるのかどうかということはあると思いますが、検討が必要なのは確かだと思います。
もう一つ、申し上げたいのは、この表現ですと「早急に検討する必要がある」としながら、「一方で、~」とあり、修業年限の延長についてだけは慎重にすべきだというふうに読め、これが両論併記なのかなという疑義があります。両論があったので両論を書くとするのであれば、一方から下は一方をとって1つ○を起こして、それぞれ意見があったということを読めるようにしていただきたいと思います。 意見です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
釜萢構成員、どうぞ。
○釜萢構成員 この検討課題の一番上の○ですけれども、「今後、改正事項について必要な検証を行い、その結果を踏まえつつ、社会における看護職員のニーズに一層応えていくための更なる能力向上に向け、実習を含めた教育内容及び方法の継続的な検討を行うべきである」という内容については、合意できる事項ですよね。
むしろ、今の5つ目の○の内容も、最初の部分にも包含できることでありまして、そんなに特出ししなくてもいいのではないかなという思いも強い。その中で、遠藤座長から先ほど、バランスを考えてということもありましたので、私の意見はそのように申し上げましたけれども、あとは座長と事務局にお任せをいたします。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、酒井構成員、お願いいたします。
○酒井構成員 同じ○のところで違う意見を言います。
現行の教育課程の修業年限の前提の文章のところでは、看護師基礎教育において一層の能力を養うことが必要であり、その次の「また看護職教育の国際基準等を踏まえ」という「看護職教育の国際基準」というのは、前回の議論では助産師の国際基準から見ると、日本の助産師はかなり少ないのではないかという意見だったように思うのですけれども、つながっているので、看護師の話と助産師の話が一緒に出ているのかなと思ったのですが、そういうふうなバックグラウンドを知らないで読めば、看護職教育の国際基準は何だという話になると思いますので、きちんと引用を入れるか、分けて表現するかをされたほうがいいかと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
今のものに関連してでも結構ですし、そうでないことでも結構ですが、いかかでございますか。
井伊構成員、どうぞ。
○井伊構成員 同じところについて、「現行の教育課程の」の2行目、「看護師基礎教育において一層の臨床判断能力等を養う」という書きぶりなのですが、今回の卒業時の到達目標の改正案では、「臨床判断力の基礎となる能力を習得する」となっておりますので、この段階では「一層の臨床判断能力等」ではなくて、「一層」はとって「看護師基礎教育において臨床判断能力等を養う」というふうにしたほうが、到達目標との関連では適切な表現になると思います。修正をしていただいたらいいかと思います。○遠藤座長 御意見として承りました。ありがとうございます。
ほかにいかがでしょう。
井村構成員、どうぞ。
○井村構成員 先ほどのところに戻りまして、「看護職教育の国際基準等」のところと、「教育年限の延長を含めた教育内容及び方法の検討の場を早急に設置」の文章に戻らせていただきます。
これは私も発言させていただいたところでした。2つの違う意見が出されましたが、大きな方針としては両論併記ということでぜひお願いいたします。そのような意見が出たということを明示していただいておりますので、この方針で進んでいただけたらと考えております。
もう一つは、国際基準等のところが看護職教育となっているので、あの発言は助産師の教育ではなかったか、という御指摘はまさにごもっともだと思います。そのように書いていただいても結構ですが、この報告書の作成方針として、保・助・看・准看に各論的に特化した表現を用いない厚労省側の御努力の結果とも思っておりますので、そのあたりの表現に関しましては、全体報告書としてどういう表記が望ましいかはまた御検討いただけたらと思います。その際には、削除するということでなしにきちんと残していただきたいこと、そして、両論併記という方針は貫いていただきたいと考えております。 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかにいかがでございましょう。
それでは、中谷構成員から行きましょうか。それから春山構成員、その次どうぞ。
○中谷構成員 岡山県の中谷です。おくれて到着して申しわけありませんでした。
今の両論併記の部分の「看護職員の供給体制の変革により看護職員確保に支障を来すことが懸念される」という意見の部分は、本県の議会のほうでも供給不足が見込まれるということで非常に地域医療体制に強い懸念が出ているので、できれば強く懸念されるとか少し、そのあたりの強調がもし可能であればしていただければと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
お待たせしました。春山構成員、どうぞ。
○春山構成員 別なことでよろしいですか。
○遠藤座長 もちろん結構です。
○春山構成員 上から3つ目のところなのですけれども、これを指摘事項にするには少し弱すぎるのではないかと思っております。といいますのは、実習施設の確保が困難な養成所がいまだにある。そして、たしかこの検討会の最初のほうにも都道府県のかかわりというのは結構差があるという話がありました。
また、先ほど釜萢構成員のお話もありましたけれども、今後、若者世代が減っていく中で医師の確保、偏在だけでなく、今も既に問題になっているところはあると思いますけれども、看護師の確保、偏在というものもどんどん大きくなっていくのではないかというところで、やはり入り口のところの支援はすごく重要ですし、そもそも論、都道府県というのは、看護職の確保に関して、きちんと責任を持つ立場にありますので、指摘に埋もれさせるのではなく、この通知を出したときに、通知文に合わせて各都道府県にぜひお願いしていただきたいと思いました。
意見です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
池西構成員、どうぞ。
○池西構成員 今の春山構成員に加えてのお話ですが、都道府県に要望することとして2点、実習施設の確保の問題と都道府県に対して財政処置、ICT等も含めているのですが、受験生確保もとても困難な状況があり、真に地域に必要とされる看護師を養成するなら都道府県、市町村と一緒になって確保していかなければいけない状況だと思いますので、ぜひ、都道府県と一緒になって地域に必要な看護師を養成するという意味合いが欲しいのです。それは今、「以下のような様々な課題が指摘された」という○の前にどこかに書いていただけたらと思います。
○遠藤座長 重要な御指摘だと思いますので、御意見として承りました。
ほかにいかがでございましょうか。
○江﨑構成員 「様々な課題が指摘された」というところに追加記載という形になるかと思うのですけれども、上から2つ目のところで教育内容が充実させることに伴いということで、先ほども出ていましたけれども、ICTの活用やカウンセリング等に関しての支援というところで、都道府県の財政措置ということが書かれているのですけれども、この2つに限るのではなくて、今回の教育内容の充実ということに向けては、やはり教員の教育力の向上が必然的になりますし、教育環境の整備や充実ということもしていかないといけないかなと思いますので、ここに関しましては、「充実されることに伴い、養成所の教員の教育力の向上や教育環境の整備・充実並びに教員の負担」という形でどこに文章をというのは難しいかもわからないのですが、教育力の向上、教育環境の充実に向けた都道府県の財政措置というところの支援をぜひ加えていただけたらと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
池西構成員。
○池西構成員 ちょっと違う内容ですが、実は、私のほうに問い合わせが幾つかあって、それは地域・在宅看護論の単位数がふえるという看護師基礎教育の話ですが、そこで「地域・在宅看護論」は何を教えたらいいのかという問い合わせがあるのです。地域看護学でもないし在宅看護論でもないし「地域・在宅看護論」なのですが、その趣旨も含めて、ぜひ都道府県、養成所がわかりやすくカリキュラムが運営できるようにということで、カリキュラムの周知ということでは、特に新しく追加された部分について国のほうからもイメージがつくような説明をしていただいて、こういうことが大事なのだということがわかるように示していただき、都道府県、学校、養成所にお伝えいただければありがたいと思うのですが、それは報告書のどこかにで入りませんか。○遠藤座長 事務局、いかがでしょうか。
そういうような御要望、御意見でありますけれども、この文章の中でするのかどうか。事務局としてどういうお考えがあるかお聞きしたいと思います。
○島田看護課長 事務局でございます。
今、御指摘の内容ですけれども、今後の課題等についてのところに簡単には書かせていただいているところでありまして、2パラグラフ目のところに、国においては今般の改正内容や改正趣旨を十分に周知するとともに、というふうに書いてございます。
ただ、新しいものについての御理解を進めるのは非常に重要だと思いますので、余り個別具体的にならないように、ですけれども、そういったことが重要だということがしっかりわかるように、座長と御相談して追記したいと思います。
ありがとうございます。
○池西構成員 ありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかにいかがでございましょう。
中谷構成員。
○中谷構成員 今の都道府県の記載のところについては、県としてもしっかりやることをやらなければいけないので、記述を少し明確にすることは賛成ですけれども、1点だけ。2つ目の○の都道府県に対して財政措置を求めていくべきというのは、県と言いますか、今、基本的には地域医療の確保基金などで教育体制や人材育成をしておりますので、そういう意味では「国及び都道府県」になるか「都道府県等」としていただくか、県単独の財政ではないという理解ですので、その点だけ御配慮をお願いできればと思います。
○遠藤座長 了解いたしました。
ほかに何かございますか。
村嶋構成員、お願いします。
○村嶋構成員 先ほど池西構成員がおっしゃいました「地域・在宅看護論」のところでございます。地域看護学というものは大学で教えておりますし、在宅看護論も教えているわけですが、それがミックスされてしまったことにより、戸惑う人たちも多いかと思います。
ただ、それぞれ養成所で教えるときに地域看護学と在宅看護論と連動しながらではあっても、それぞれ教えてもいいというかそこら辺はどのくらい担保されるのでしょうか。構わないのですよね。養成所の自主性と言いますか。
だから、むしろ療養者がどんなふうに療養者になっていくかとか、その背景を含めて、地域のあり方を地域看護学で補いながらその両方の名前が入っていることの意味を最大限発揮する形に、養成所のほうで組み立てればいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○遠藤座長 事務局、お願いいたします。
○島田看護課長 事務局でございます。
すみません、少し説明が不足していて、皆様の捉え方が多様になってしまったかもしれなくて恐縮でございます。御指摘のように、それぞれの教育内容については、各養成所さんでお決めいただくということは従前のとおりかと思います。
一方で、今回、なぜこういう改正をしたのかといったことが伝わりませんと、しっかり各養成所さんで御検討いただく際の材料としては不足するかなというところございますので、そういった点をしっかり周知するといったようなことを国としてもやってまいりたいという趣旨でございました。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 よろしゅうございますか。
ほかにいかがでございましょう。
太田構成員、どうぞ。
○太田構成員 今の「地域・在宅看護論」にかかわる話なのですけれども、そもそも既に地域看護とか在宅看護論や学があって、その概念を私は知りませんが、ここに疾病構造が変わったという表現はございます。その疾病構造が変わったというよりも実態は疾病概念そのものが変わってしまった事実が前提にあると思うのです。
具体的にいうと、フレイルやサルコペニアや認知症もそうです。病気は病院で治療することが前提で病院の看護があり、教育の場が病院であったというのが今までだと思うのです。ところが、フレイルも認知症もサルコペニアも場合によってはロコモもそうですけれども、病院で治療するものではない。そういう健康課題が多くふえているわけです。
ですから、治療の場がどこかというと、もう地域になってしまうわけです。地域と一緒になった新しい「地域・在宅看護論」ができたのではないかなと私は思っています。ここに「疾病構造が変化」と明記されていますけれども、疾病概念が変わったということもあわせて書くと、地域の意味が際立つのではないかと思いますが、いかがでしょうか。○遠藤座長 いかがでございましょうかということですが、何かコメントはございますか。疾病構造でなく、概念が変わったという言い方をしたほうが適切ではないかということです。
それも御意見として受けとめさせていただきたいと思います。
ほかに何かございますか。
○太田構成員 12ページに疾病概念が変わった。健康概念が変わった。
○村嶋構成員 それと、どこかに書いてあったように思うのですが、より予防が重視されるようになったということも含めて書いていただければと思います。
○遠藤座長 ほかに何かございますか。
それでは、これまでのところも含めて結構でございますが、これが最終報告書になっていくわけですので、できるだけ御意見は承っておきたいと思います。いかがでございましょう。
山田構成員、どうぞ。
○山田構成員 先ほど来、幾つか御意見が出ているところなのですが、4ページ目の「看護の対象や療養の場の変化」のところについてです。今、「地域・在宅看護論」の議論からしますと、留意点に書かれているのは、対象と療養の場が増えたと表現されているので、ここの4ページの2番だけでは、対象者は療養者なのだというのが先ほど池西構成員の、暮らす療養する人々なのではなくて、人々なのだとおっしゃいましたけれども、そこの一部の変換だけではなく、その病気を持っている人たちに看護するだけでなく、病気ではないあるいは病気かもしれない疾病概念の変化をしていて認知書を持っている人を病者として扱うか、暮らす人として扱うか。それはもう重なってきているので、そういう考え方になるというようなことを、ここにもう少しわかりやすく表現してもいいのかなと思いました。
対象者が疾病を持つ人だけではなく、そうではない人たち、地域で暮らす人々にもなり得るのだということも、一つの文章にまとめるのではなく、別の文章として追加してもいいのかなと思いました。それが「地域・在宅看護論」になったのだということにつながると思いました。
○遠藤座長 ありがとうございました。
福島構成員、どうぞ。
○福島構成員 先ほどの検討の中に含まれるのですが、看護職教育の国際基準等について、助産師の話を酒井構成員からしていただいたところです。それを踏まえて教育内容及び修業年限の延長を含めた教育内容、方法の検討というところだけ出ていますけれども、助産師の場合、国際基準では、臨床実習時間が、かなり日本と違っております。それは、ワーキンググループの中でもかなり強く意見が出たところでございますので、今後の検討の内容として含んでいただけるとありがたいと強調させていただきます。○遠藤座長 池西構成員、どうぞ。
○池西構成員 今の福島構成員の御発言は、助産師教育というところに限定でよろしいですか。
○福島構成員 私の立場からは助産師教育ということで申し上げました。
○池西構成員 わかりました。
○遠藤座長 井伊構成員、どうぞ。
○井伊構成員 実習に関しては、何度も「保健師も助産師も看護師も少ない」、「今回、全く増やさなかったということについていかがなものか」という意見を申し上げてまいりました。もし、実習のことについて書くのであれば、助産師のことだけではないと思います。
上から3つ目に「実習施設の確保が困難」とありますが、施設の確保と同時に、「今後の実習時間の増加に関する検討もすべき」と書くべきだと思います。助産師だけではなかったと思います。○福島構成員 もちろん、今後の将来の検討ということで、ここで入れていただくわけですので、今、私は立場的に助産師のワーキングの意見を申し上げましたけれども、看護も含めてそれが必要であれば入れていくことが大事かなと思います。
○井伊構成員 教育内容及び方法では看護師、保健師、助産師、准看護師がまとめて記載されている。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○島田看護課長 事務局でございます。
今、御指摘の15ページの一番下の○ですけれども、ここに修業年限の延長というところと、教育内容と方法というところには学内での講義、演習のみならず、当然、実習も含めたものが議論の対象という御意見だったかと思っておりますので、こういった書きぶりにしております。
以上です。
○井伊構成員 そう思います。
○遠藤座長 含まれているということですね。
ほかに何かございますか。
大体よろしゅうございますか。
村嶋構成員、どうぞ。
○村嶋構成員 最初の年限のことでございます。
中谷構成員がやはりそれでも不足しているという需給見通しの話がございましたが、今、看護の大学が増えております。4年課程で看護師として教育をされる人数も増えてきております。
そうすると、まだ3年課程のほうが多いのですが、大学が大きく育ってきていることを考えますと、やはり供給体制のときにそれを4年にしたときのインパクトはだんだん減っていく可能性もございます。そういう意味では、修業年限の延長ということはぜひ書いていただいて、そういう検討を早急にやっていただきたいと思います。両論併記ということで落ち着いているかと思いますが、ぜひそこのところを強調していただきたいと思います。
以上です。
○遠藤座長 釜萢構成員、どうぞ。
○釜萢構成員 先ほどで一応議論が終わったと思ったら、また村嶋先生が話をされたのでもう一度言わざるを得ないのですけれども、4年間の修業年限で大学卒の看護職の方が大きな役割を担っておられることはよくわかっています。
しかし、その方だけで日本に必要な地域医療の確保ができないという状況はそう簡単には変わりません。そんなにすぐにその状況が変わるという認識ではありませんので、国民に対してしっかり医療を提供するという観点から、ちゃんと医療の提供体制を確保しながら、さらにいかに看護職の質を高めるかというバランスが大事なので、先生のご意見ばかり強調されてしまうとこれはだめです。そこは先ほどお願いしたように、座長と事務局に任せて、今の段階の皆さんの総意が反映されるような文言になると私は信じておりますので、今日はそこまででよろしいのではないでしょうか。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかのところで何かございますか。大体よろしゅうございますか。
それでは、最後の今後の課題につきましては、初めてのまとまった議論ということもありますので、いろいろと御意見も出ました。なかなか意見が一致していない部分もありますので、ほかの部分も含めまして修文の要請もありましたので、これはどういう対応をするかということでありますけれども、先ほど釜萢構成員からもお話が出ましたが、もしよろしければ座長預かりということにさせていただいて、まとめさせていただきたいと思いますけれども、そういう対応でよろしゅうございますか。
ありがとうございます。
その過程で、もしかすると事務局から御意見の趣旨の確認等々各構成員にお尋ねすることもあるかもしれませんけれども、そのときの御協力はよろしくお願いいたします。
それでは、そのような形で修文をさせていただいて、最終的な報告書をつくらせていただきたいと思います。
それでは、今日の議題は以上でございます。同時に当検討会のミッションも以上で終了したということになるわけでありますけれども、事務局から何かございますか。
○島田看護課長 事務局でございます。
本日は最終回でございますので、吉田医政局長から一言御挨拶と考えておりましたが、申しわけありません、他の用務でこの時間に間に合いませんでしたので、代わりまして私のほうから最後のお礼の御挨拶をさせていただきたいと思います。
構成員の皆様方におかれましては、昨年4月から10回にわたりましてこの検討会で熱心な御議論をいただきましたこと、改めましてお礼を申し上げます。
それから、座長の遠藤先生におかれましては、議事の進行、報告書のお取りまとめ、まだ少し残ってございますけれども、御尽力いただきまして改めましてお礼を申し上げます。
看護師に関しましては約10年ぶり、保健師、助産師に関しましては約7年ぶり、准看護師に関しましては約20年ぶりの教育内容についての見直しを行うことができました。本検討会では、教育内容の充実のみならず、学生が主体的に学ぶことができる教育内容、方法の工夫、演習の充実といった現在の養成所における教育実態も踏まえた上で、実効性のある見直しを行っていただけたことは大変大きな成果というふうに私どもも考えております。また、検討過程におきましてさまざまな課題もいただきましたので、これらの課題を真摯に受けとめまして、今後、検討を行ってまいりたいと考えております。
この検討会の報告書をもとに看護基礎教育の一層の充実のため、文部科学省、関係者の皆様と連携、協働しながら看護師等養成所における改正カリキュラムの適用に向けた準備に取り組んでまいりたいと考えております。
構成員の先生方におかれましても、今後とも質の高い看護職員基礎教育の実現に向けまして、看護教育行政の推進にお力添えをいただけますよう、改めましてお願いをいたしたいと思います。誠にありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、事務局に今度は事務連絡を一つお願いしたいと思いますが、いかがでしょう。
○関根教育体制推進官 事務局でございます。
報告書につきましては、所要の作業が完了いたしましたら、当省のホームページに掲載させていただきますので、構成員の皆様には後日、また別途御案内させていただきます。
航空券や宿泊の領収書など、対象となる先生方におかれましては、お早めに事務局までお送りください。
以上でございます。
○遠藤座長 それでは、私から一言。
今回、10回と長きにわたりまして、また、ワーキングでも別途いろいろと御尽力いただきまして、本当にありがとうございました。
おかげさまで何とかもう少しでまとまるところまで来ておりますので、心から御礼申し上げたいと思います。皆さん、本当にどうもありがとうございました。






 

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