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2019年7月29日 第8回 看護基礎教育検討会 議事録

医政局看護課

○日時

令和元年7月29日(月)16:30~18:30

○場所

厚生労働省 専用第22会議室(18階)
東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館

○出席者

安藝 佐香江 (医療法人社団永生会みなみ野病院法人本部統括看護部長/看護部長)
井伊 久美子 (公益社団法人日本看護協会副会長)
池西 静江 (一般社団法人日本看護学校協議会会長)
井村 真澄 (公益社団法人全国助産師教育協議会会長)
江﨑 喜江 (大阪府病院協会看護専門学校副学校長)
遠藤 久夫 (国立社会保障・人口問題研究所所長)
太田 秀樹 (一般社団法人全国在宅療養支援診療所連絡会事務局長
釜萢 敏 (公益社団法人日本医師会常任理事)
木澤 晃代 (日本大学病院看護部長)
木村 元 (一橋大学大学院社会学研究科教授)
酒井 郁子 (千葉大学大学院看護学研究科附属専門職連携教育研究センター長)
中島 由美子 (医療法人恒貴会訪問看護ステーション愛美園所長)
中谷 祐貴子(岡山県保健福祉部長)
中西 亜紀 (高槻市医師会看護専門学校教務部長)
額賀 修一 (全国看護高等学校長協会副理事長)
馬場 武彦 (一般社団法人日本医療法人協会副会長)
春山 早苗 (自治医科大学看護学部学部長/教授)
菱沼 典子 (一般社団法人日本看護系大学協議会理事)
福島 富士子 (東邦大学看護学部学部長/教授)
藤田 京子 (蕨戸田市医師会看護専門学校副校長)
村嶋 幸代 (一般社団法人全国保健師教育機関協議会監事)
山口 育子(認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長)
山田 雅子 (聖路加国際大学大学院看護学研究科教授)
 

○議題

 (1)文部科学省「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会」における検討状況
 (2)教育方法等について
 (3)その他
 

○議事

○関根教育体制推進官 第8回「看護基礎教育検討会」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、本日はお忙しい中、本検討会に御出席を賜り、誠にありがとうございます。
まず、構成員の交代がありましたので、紹介させていただきます。
前田彰久構成員にかわりまして、中谷祐貴子構成員です。
○中谷構成員 中谷です。よろしくお願いいたします。
○関根教育体制推進官 次に、オブザーバーに人事異動がありましたので紹介させていただきます。
文部科学省初等中等教育局の塩川達大参事官です。
続きまして、高等教育局の丸山浩医学教育課長です。
委員の出欠状況ですが、本日は全ての構成員が御出席となっております。山口構成員及び安藝構成員が少し遅れての御到着となります。
それでは、遠藤座長、議事進行をお願いいたします。
○遠藤座長 久しぶりの開催でございますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、まず事務局から、資料の確認をお願いします。
○関根教育体制推進官 事務局でございます。
お手元の議事次第に沿って確認させていただきます。
資料1 文部科学省「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会」における検討状況
資料2 本日検討いただきたい点
資料3 池西構成員提出資料
以上でございます。
また、構成員のお手元に御用意いたしましたファイルには、これまでの検討会の資料と関係法令や検討会報告書をファイリングしておりますので、適宜御参照ください。
資料の落丁、不足等がございましたら、事務局にお申しつけください。
○遠藤座長 よろしゅうございますか。
それでは、議題に入りたいと思います。
本日は、まず議題「1.文部科学省『大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会』における検討状況」の御報告をいただきまして、そこでの意見も踏まえまして議題の2であります「教育方法等について」を議論したいと思います。
まずは文部科学省高等教育局医学教育課、丸山課長から、文部科学省の検討会の検討状況について御報告をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○丸山課長 それでは、私のほうから御説明させていただきます。
文部科学省高等教育局において実施しております「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会」の検討状況の御報告をさせていただきます。
資料1の1ページをご覧いただきたいと思います。
「1.目的」ですけれども、大学における看護教育のさらなる充実に向け、専門的事項について検討を行い、必要に応じて報告を取りまとめることとなっているところでございます。
「2.検討事項」といたしましては、(1)保健師助産師看護師学校養成所指定規則を大学において適用するに当たっての課題と対応策について、(2)その他、大学における看護系人材養成に係る事項についてということでございます。
検討会の委員につきましては、おめくりいただきまして資料1の別紙1のところに掲げておりますとおりでございますが、座長を群馬県立県民健康科学大学学長の高田邦昭先生へお願いしているところでございまして、計13名の委員と厚生労働省の島田看護課長にもオブザーバーに入っていただいているといった状況でございます。
現時点で第1回、第2回の検討会を開催している状況でございまして、資料1の別紙2で示させていただきましたA4横の紙でございますけれども、2019年看護系大学に係る基礎データなどの実態に関する情報を提示させていただきまして、大学における看護系人材養成の充実に向け、必要と考えられる事項について検討している状況でございます。
第2回の開催資料といたしまして資料1の別紙3を添付してございますけれども、特に看護基礎教育検討会に関連のある項目といたしまして、Ⅱの看護系大学における指定規則の位置づけについて挙げられておりますが、内容をお伝えいたしますと、指定規則は免許取得にかかわる必要最小限の基準を規定したものであり、単位数を増やすより、まず、各大学が教育目標に合わせてカリキュラムの構成や教育方法を工夫すべきではないかといった御意見や、指定規則の単位数が増えると大学独自の教育機会の確保が難しくなることが懸念されるため、学士を育てる大学教育の観点から現行の単位数を維持すべきではないかといった御意見。さらに、アクティブラーニングでの活用等、教育方法の普及に同じ単位、時間でも学習の充実が可能なことから、従来型の講義のみではなくシミュレーション等の演習を組み合わせるなどの教育方法をするべきではないかといった意見。さらに、現行の実施体制、時間数の中でも実習前の事前学習や実習での振り返りも効果的に行うことで学生の学びを深めることが可能ではないかといった御意見が出されているところでございます。
3回目以降につきましては、さらに大学における看護人材養成の充実に向けて必要と考えられる事項につきまして検討を行うとともに、看護基礎教育検討会の進捗と合わせまして、指定規則改正に向けた議論を進めていく予定でございます。
簡単ではございますが、以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの御報告いただいた内容について何か御質問があれば承りたいと思いますが、いかがでございましょう。よろしゅうございますか。
それでは、もし何かあれば、また関連のあるところで御質問いただくという形にさせていただいて、次の議題に進ませていただきたいと思います。
次は議題2でございます。「教育方法等について」、事務局から資料2の説明をお願いいたします。
○関根教育体制推進官 事務局でございます。
資料2をご覧いただけますでしょうか。本日検討いただきたい点としまして、2点、こちらに論点を整理させていただいております。
まず1点目に「教育方法の工夫による効果的な教育の推進について」でございます。
先ほどの資料1とこれから御発表いただく資料3などを御参照ください。
その上で、資料2の四角囲みの中でございますが、教育方法の工夫等により、同じ単位数・時間数でもさらに教育効果を高めることができることから、看護師等養成所の運営に関する指導ガイドラインに効果的な教育の実施に向けた教育方法の工夫の推進等について明記する等により、看護師等養成所に広く普及させる必要があるのではないかということを記載させていただいております。
そして、それらに関連する御意見といたしまして、まず看護基礎教育検討会及びワーキンググループの構成員からの御意見でございます。
1つ目の「・」、実習前後の事前学習や演習、振り返りを行い、教育内容を充実させることは可能である。
2つ目の「・」、十分に看護実践を行えない実習の状況から、シミュレーション教育などを活用し、演習を充実させたほうが、教育効果があると思う。
そして、その下に文部科学省の検討会における構成員からの本論点に関する御意見を抜粋しております。
Ⅱ-1各大学が教育目標に向け、カリキュラム構成や教育方法を工夫すべきではないか。
Ⅳ-1アクティブラーニングの活用等教育方法の工夫により、同じ単位・時間の中でももっと多くを学修できるのではないかと捉え、講義・演習・実習の教育方法を検討すべきではないか。
Ⅷ-1実習前後の演習の充実により、科目目標の達成を確認することが必要ではないか。
そして、具体的なガイドラインへの追記のイメージを一番下に記載しております。具体的には、かぎ括弧の部分「授業の形態としては、従来型の講義だけではなく、学生が主体的に学ぶことができる演習の充実等の工夫を積極的に図ること」等を記載するとさせていただいております。
続きまして、資料2の論点の2つ目、次のページをおめくりいただきまして、2点目が「1単位あたりの時間数の設定等について」ということでございます。こちらは資料1と資料2の別紙を参照いただければと思います。
四角囲みの中にありますように、臨地実習における1単位当たりの時間数の設定等について、教育方法の多様性等に鑑み、以下の通り見直してはどうかということで、その下に関連する看護基礎教育検討会及びワーキンググループにおける構成員からの御意見を御紹介しております。
1つ目の「・」、看護基礎教育で求める教育内容と単位数は養成所と大学でも同じ基準を示しているのに、1単位の時間数の設定が養成所と大学とで異なるのは合理性に欠けるのではないか。
2つ目の「・」、実習前後の事前学習や演習、振り返りを行い、教育内容を充実させることは可能である。
そして、資料2の別紙をご覧いただけますでしょうか。こちらに1単位当たりの時間数の設定等に係る規定を記載しております。
まず①としてスライド1枚目のところは、保健師助産師看護師学校養成所指定規則についてでございます。
指定規則の別表1~3の備考のところに1として、「単位の計算方法は、大学設置基準第21条第2項の規定の例による」との記載がございます。
そして、大学設置基準の第21条第2項をご覧いただきますと、赤字のところに、実験、実習及び実技については、30時間から45時間までの範囲で大学が定める時間の授業をもって1単位とするという記載がございます。
一方で、その次のスライド、1単位当たりの時間数に係る規定②でございますが、こちらが看護師等養成所の運営に関する指導ガイドラインの抜粋となっております。そちらの「第6 教育に関する事項」に「3 単位制」がございまして、そちらの(1)に単位の計算方法を記載しております。そちらの(イ)をご覧いただきますと臨地実習のことが記載されておりまして、ここでは臨地実習については1単位を45時間の実習をもって構成することと規定しているところでございます。
また、その下の「4 教育実施上の留意事項」に関しまして(9)准看護師養成所における実習については、1時間を60分とすることという規定を設けてございます。
こちらにつきまして、教育方法の多様性等に鑑みまして見直しのイメージといたしまして、資料2にお戻りいただきまして、2ページ目の下のところになりますけれども、現行の下に改正イメージを記載させていただいております。
「3 単位制」につきましては、「(ア)臨地実習以外の授業」と整理させていただいたものを「臨地実習以外の」という文言を削除させていただき、基本的には大学設置基準の記載に準ずる記載とさせていただき、その下にある「(イ)臨地実習」に関する記載については削除させていただくことといたしました。その下、「4 教育実施上の留意事項」につきましては、後段の「また、実習については、1時間を60分とすること」という文言を削除してはどうかということで、イメージとして記載をさせていただいております。
説明は以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
御議論に入る前に1つ目の論点でございますが、これに関連いたしまして池西構成員から資料が提出されておりますので、プレゼンテーションをお願いしたいと思います。
池西構成員は日本看護学校協議会の代表をされておられますけれども、教員としても複数の教育機関でさまざまな教育方法を実践されているということなので、それらを踏まえた形のプレゼンをお願いしたいと思いますので、池西構成員、お願いいたします。
○池西構成員 貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。
今、座長がおっしゃたように、日本看護学校協議会会長というよりも私自身は今、鹿児島医療技術専門学校の職員として、そして、前の職場ですが、京都中央看護保健大学校の非常勤講師として、年間150時間ぐらい、講義をしています。そこで講義を担当している者として、教育実践者としての目線で、今、養成所でこのようなことを取り組んでいますという御報告をさせていただこうと思います。
まず1枚おめくりいただきまして、これにつきましては日本看護学校協議会が教務主任養成講習会を3年間、行いました。そのときに私は看護学教育方法論の講義を担当いたしまして、その受講生に対して最初の授業のときに、皆さん、教育経験歴が10年以上ありますのでベテラン教員という形で呼ばせていただきますが、その方々が今までの授業の中で手応え。手応えというのは学生の反応がよかった、あるいはこちらが伝えたいことがしっかり伝わった、そういう意味で手応えを感じた授業を振り返っていただいて、どういう教育方法がよかったのかということを記述していただいたものを整理したのがこれです。
見ていただきますと、グループワークが最も多くて、明確に協同学習とお書きになった方がおられましたので、グループワークの大きな範疇の中には入るのかもしれませんが、それを分けております。あとは事前学習の課題を与えてきちんと勉強していただいた場合というのも相当数ありました。そして、あと体験学習とかシミュレーション教育というのは重複するところがあるだと思うのですが、体験型の学習法です。ディベートのような討議法。それから、明確にTBL、PBLという方法も書いておられました。真ん中に書いています事例教材の開発と発問というのは授業法のベースになるですが、それを工夫したことが効果的だったという御意見もありました。
それも踏まえまして、私がこれまでの教育実践のなかで効果的と思えるものが、次のページの①~⑥です。こういう内容が挙がりました。ただ、今日につきましては、教員が1人でできるものということと、新人の先生でも方法がわかれば取り組めるもの。つまり、広く使いやすいものということで①の反転授業と②の協同学習とTBL、について具体的な取り組みを御紹介させていただきます。
まず次のページですが、基本的には協同学習の手法は、今、養成所でもいろいろ取り組んでおられます。反転授業もTBLも協同学習的な手法を使いますので、具体的な中身は反転授業とTBLのお話で進めていこうと思います。
反転授業なのですが、まだまだ養成所で積極的にというところは少ないのではないかと思います。これから効果的なので広めていきたいと思っているところですが、基本的なコンセプトは、もう皆さん、御承知だと思いつつですが、従来は教室で行われていたことを自宅で行って、従来は宿題としてやっていたことを教室で行うということで反転ということなのですが、これは2つのブレンド型教育で、事前学習をオンラインで学習し、そして、対面してお互いが学び合うという場面をつくるという、そんなイメージです。
ですが、養成所においてオンラインの教育、例えばハードもソフトもですが、十分に整っているところはまだまだ少ない現状があります。そこで、相手が成人の学習者ですので、少なくともテキストに書いてあること、あるいは既にDVDもありますので、そういう視覚教材をうまく使えば一定の成果が期待できるのではないかと考えて反転授業に取り組むことにしたのです。私は実はもう長い教育経験の中で、10年、もっと前からワークシートを使って授業をしているのです。このワークシートを学生が事前学習しやすいように、例えばテキストのページ数を書いて、こういう枠組みで勉強してください。という形で事前学習の課題として、つまり、反転授業で、自宅でやるべき課題として学生に提示し、それは学んできて対面の中で発展的な課題に取り組む、そのような反転授業を取り組んでいます。ただ、オンラインなどを使っていませんので、そこは赤字になっていると思いますが、池西型反転授業と勝手に名前をつけております。
具体的に池西型反転授業の展開例なのですが、1週間前に先ほど申し上げたとおり、ワークシートを配付して、各自、テキスト等を参考に学習してきます。1単位時間、対面時間は90分です。まず全体に導入をしまして、この後、第1段階は、いわゆる完全習得型学習を目指して協同学習(シンク・ペア・シェア)でお互いに教え合うという形の学習をして不足の部分を教員が補うような形で、第1段階はみんなでわかるということを目指しています。
あと残る半分ぐらいの時間で応用課題を学生に提示し、これも協同学習なのですが、4~5人で話をするラウンド・ロビンを活用します。みんなで課題に取り組み、考えるという展開の授業をして、最後はわかったかどうか確認のポストテストをするという、このパターンを反転型授業として行っています。
次のページですが、反転授業を実施する上で大事なことは、教員主導ではなく、学生が自分でわかるという形の教育であり、教員は対面して授業することのメリット、例えばいろいろ考えて、仲間とともに学び合う、新たな応用課題を仲間と取り組むといった、対面することの効果を上げたいと思っています。そのようなことをする中で、完全習得の部分と応用能力の育成につなげています。
今、私がこのような反転授業を取り入れている科目は、解剖生理学の呼吸器と症候論、これは2つとも、いわゆる専門基礎分野ですが、反転授業を行っています。解剖生理は覚えるべき学習の内容が多いので、事前にきちんとテキストを読んで勉強してほしいという願いでやっています。症候論は解剖生理の復習をきちんとして看護につなげて考えてほしいので、症候論でも同じように反転授業をしています。
対象別保健論というのは、発達段階、ライフサイクル上にさまざまな健康課題がありますが、国民衛生の動向等できちんとデータを読み取ってきてほしいということがあって、これも反転授業で行っているのが現状です。
反転授業で期待される効果ですが、学生の活動性がとても高い参加型の授業になりますし、主体的な学習活動を促進することができています。
小集団で話し合って応用課題に取り組みますので、今、知識を活用する能力とか考える力とか、仲間と話すコミュニケーション能力とか、問題解決能力などを育成することが期待できます。
それと学生たちが事前に学習に取り組んできていますので、それを見ることによって学生個々の学習状況とか到達度が把握しやすく、状況によっては個別指導に役立てることができるということの効果があります。これが反転授業です。
もう一つがTBLですが、Team Based Learningです。学生たちはTBLをテスト・ベースド・ラーニングと呼んでいますけれども、Team Based Learningなのです。これは本当にチームの協同が大切で、短い時間で正答を出すということなのですが、そういう意味ではとてもいい学習方法という手応えがあります。学生の目の色が変わる授業です。
実は私は長くPBLを取り入れていたのですが、PBLに取り組むことは教員の数が必要で、ミーティング等、お互いの意思疎通を図るような場面が要るのですが、私が先ほど申し上げたように前任校を離れた段階で、非常勤講師になるとそこが難しいのでTBLという方法に取り組んでみたのです。TBLは教員1人でもちろんできますし、学生数が多くてもいけます。養成所の場合は40名ぐらいですからそんなに数は多くないのですが、1人でできて、教員は明確な指示を与えて見守ればよいのが特徴です。
ただ、デメリットというか、教員がしっかりと専門的知識を持っていないと学生へのフィードバックが適切にできないという問題はあるのですが、間違いなく多くの知識を習得する、これはとてもいい学習方法と思っています。
具体的なTBLにおける学習のプロセス。このあたりは私もやりながら、学生の反応を見ながら、こうしたほうがいいかなということで大分アレンジしている部分がありますので、これもあえて言えば池西型というような言い方をしたほうがいいかもしれません。
まずステップ1は事前にやってくる予習です。テキストのどこからどこまでを読んで、テストを受ける準備をしてきなさいと指示をします。1単位時間、90分ですが、ステップ2~5まで、です。まず個人でテストを受けてその後、同じ問題で、チームでテストに取り組む、全問正答を目指す形で取り組みます。テストの終了のときに、問題に対するアピール、クレームを含めたものですが、それを出してもらい適切な指摘についてみんなで討議をするというアピールタイムをとって、必要なことをフィードバックするという展開です。ステップ6は応用課題に取り組むということで、これには2単位時間を使う、そんなイメージです。皆さんにお示ししている次のページのものが疾病理解の看護学的視点、これは病理学に位置付く専門基礎なのですが、30時間のうちの20時間を使って、このような授業計画を立ててTBLに取り組んでいます。
肺の悪性腫瘍とか肝臓の炎症というように、肝炎とか、肺がんとはしていません。これは病気を看護学生が理解する方法として、肺がんという病名ではなく、肺という正常な構造と機能に病因、例えば生物学的なものもありますが、それが加わることによって病変が起こる。炎症とか腫瘍ですが、それによってどんな症候が出てくるのかというものの考え方をきちんと落としたいということがあって、肺がんなのですが、わざわざ肺の悪性腫瘍という呼び方をし、呼吸器の解剖生理がどのように変化していくのかということを学んでもらおうという意図です。
そういうことが看護実践につながっていくということで、このような科目設定をしているのですが、最初の肺の悪性腫瘍だけが3回使って、やっています。そのことについて、もう少し具体的に書いているのが次のページなのですが、TBLの肺の悪性腫瘍を見ていただくと、肺だけが3回ということなのですが、見にくいかもしれませんが、まず1回目、個人テストは20問のオリジナルの問題をつくって、時間は10分で解答します。それぞれに点数配点をしています。その後、同じ問題を大体5~6人ぐらいですが、チームで同じ問題を調べて解答します。
全部正答しなかった場合は2回目にもう一度、チャレンジしますが、得点は減っていいます。先ほど申し上げたようにアピールタイムでは、今までやってきたことで、このテストについての疑問点をアピールしてお互いに学び合うということで、ここの学習の姿勢を高めたいということで、アピールは私が納得する内容にはすばらしい着眼点ですと1点の加算をします。そのあたりを工夫しています。最後に、フィードバックという形で、ここが大事という内容についてレクチャーをしてそれが1単位時間、90分の流れです。
次回応用課題ということで事例を提示して病態関連図を仕上げるという形の課題です。この後、具体的に確認をします。
肺の悪性腫瘍についてのみポスターでの発表を行っています。
具体的にステップ6のチームで応用課題に取り組むというのは、先ほど申し上げたように90分で病態関連図にとりくみ事例の病態を明確にするという課題です。そこに事例を具体的に挙げておりますが、肺の悪性腫瘍でこのような症状が出て仕事が心配と言っているというような状況で、事例の病気がどのようになっているのかというのを解剖生理から関連づけて説明をする病態関連図を仕上げるという取り組みです。
それにつきまして、学生たちの反応です。次のページなのですが、42名中、回答者22名でした。これは去年の結果なのですが、ここには書かれていなかったのでが、多くの学生が言うのは、毎回の事前学習が大変ということです。これにつきましては、1単位時間というのは45時間の学修量を持ってするので、30時間しか授業していない場合、あと15時間は自己学習が必要です。つまり、1回につき、おおむね1時間程度で終わるような工夫はしています。ですが、学生は大変と言いますので、ちゃんと45時間、学習をして1単位を取得するのだよというようにしています。学生は納得しているかどうかはわかりませんが、そのような状況です。
病態関連図はなかなか難しいという意見があります。赤字で書いてあるところは、期待している意見で、看護に必要な知識だとか、機能障害によって起こる症状とかの関連が理解できた、応用課題は結構やる気が出るとかという声がありました。 あとの黒字のものは進め方とかの感想なのですが、結構、学生たちも楽しくというか、大変なのだけれども、わかることのおもしろさを感じてもらえているという手応えを持っています。
このような教育方法を用いながら、養成所においてもいろいろと取り組んでいるとは思うのですが、特に先ほど申し上げた協同学習は大分取り組んでいるところが多いと思うのですが、まだまだ取り組めていないところもありますので、少なくとも日本看護学校協議会としては、こういう教育方法の効果を皆さんに広めていきたいと思っています。
そして、今日のテーマにもありますが、看護基礎教育の充実を図ろうと思うと単位数の増も一定数は必要だとは思いますが、今回に紹介したような様々な教育方法によって改善されるところは結構あると思いますので、そういう工夫がまず必要ではないかと思います。
そして、これらの学生主導の教育を養成所に浸透させるには、専任教員養成講習会等がありますので、そういうところでもやはりこういう教育方法についてしっかりと教えていくことによって、若い人たちのほうがむしろ入りやすいかなという気がしますので、取り組んでいければいいと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、ただいま池西構成員から御発言があった内容について、御質問、御意見等あれば承りたいと思います。その後、本日検討いただきたい点と資料2に書いてあるものの1番、教育方法の工夫に関する効果的な教育の推進について御議論いただきたいと思いますので、とりあえず、池西構成員の御発言に対する御意見、御質問をいただきたいと思います。
釜萢構成員、どうぞ。
○釜萢構成員 今、池西構成員からお話を伺った内容は非常に優れていると思いますし、大変興味深く聞かせていただきましたが、学生の方が授業を受ける前に事前の学習課題にある程度、準備が整う時間というのを先生はどのくらいの時間があれば可能だというように想定してらっしゃるか、教えていただけますでしょうか。
○遠藤座長 池西構成員、お願いします。
○池西構成員 先ほど少しお話ししたのですが、一応1時間程度、この根拠は、45時間の学修量を、対面で30時間授業するとすれば、あと残りの15時間を自分で勉強するという考え方です。それを15回ですから、大体1つの授業に対して1時間程度はちゃんと勉強してもよい時間です、ということで、ワークシート1枚、勉強してくます。それもテキストのページ数とか書いてありますので、恐らく1時間ぐらいでおおむね終わるのではないかと思っています。余り過重にならないことは考えなければいけないと思いつつ、1単位というのはそういうものだということで学生に言っています。
○釜萢構成員 どうもありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかに何かございますか。
それでは、酒井構成員、お願いいたします。
○酒井構成員 非常に興味深い御発表、ありがとうございました。
池西先生のところの学校の中での反転授業をやっている科目はどのぐらいあるのかというのをお聞きしたいと思います。というのは、反転授業は1つの科目だけだと学生は頑張れるのですが、これがどこの授業でも反転学習をやり始めますと学生の時間がなくなっていってしまって、結局、勉強が追いつかなくて学習ができないみたいなところが私のところの大学とかでも結構弊害になっていて、予習が大変という、先ほど出ていた切実な話になっていくので、科目間の連携をして反転授業の宿題を出すということがすごい求められるのかなと思いましたので、そこを聞きたいと思います。
○遠藤座長 池西構成員、お願いします。
○池西構成員 反転授業に、今、取り組んでいるのは多分、私だけだと思います。ほかの教員はまだ取り組めていないと思います。その中で、反転授業、私がやっていますのは、先ほど御紹介した解剖生理の呼吸器の部分と症候論と対象別保健論ですから、合わせて大体70時間です。私が持っている時間の半分以下の時間で、あと幾つかの科目を持っているのですが、それは今のところ、反転授業はやっていませんお答えになりましたでしょうか。○酒井構成員 はい。なりました。
学習方法を検討するときに、やはりそういうカリキュラムの中での反転授業を何%やるとかという全体的な調整が必要なのかなというような感想を持ちました。ありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
木村構成員、お願いします。
○木村構成員 新しい重要な教育方法の提示、興味深くお聞きしていました。メリットについては非常によく理解できたのですけれども、一方で、恐らく課題というものもあるのかなというように思います。
反転授業自身は学校教育の中でも先進的に取り入れられている経緯があるわけですけれども、例えば最初に授業を見せてしまうという導入の部分というのがあるわけですが、ある意味では、そこでは最も関心の高いもの、おもしろいところが組み込まれているわけですね。
そういうことを見せた後で、そして、授業をやるというときに、その導入の部分というのが、そこがすっと入るのか、あるいは学生の負担と身につく能力との関係も含めて、メリットということと同時に、中身の課題とかも補足していただくと、こういう新しい方法というものを全体的に指摘していくときの重要な情報になると思いますので、もしそういう点で補足があればいただければなと思いました。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
では、池西構成員、コメントがあれば。もう少しお聞きしますか。内容はよろしゅうございますか。
○池西構成員 今、2番目に御質問いただいたことですが、課題にどういうものがあるかということでよかったでしょうか。
○木村構成員 課題といいますか、新しいことをやろうとすると、いいことが出てくると同時に、難しいことというのがきっとあると思うのです。その難しいということにどういうようにして対応しているのかということが提示されると、そのことの意味がもっとしっかり伝わるというのでしょうか、そうしたことをあわせて指摘されると判断するときにも大切な材料になるというように思いましたので。先ほど導入の問題などというのは、例えば学校教育で言うならば武雄というような地域でやられている事例とかがあるのですが、そこで言われています。導入の問題にどういうようにして対応するのかというのはなかなか難しいということが反転授業ということを進めていく上で出てきているようですので、それに限らず実際に実践されての課題を含めてもう少し情報があると、より理解が深まるのかなという質問の意味です。
○遠藤座長 池西構成員、お願いします。
○池西構成員 的確にお答えができるかどうかわからないのですが、私は基本的に自分でやれるようにやっている部分があると思います。なので、例えば先ほどのようにワークシートを使って授業していたものがあるので、それを活用してやっていきますので、そんなに教員側の負担も大きなものではなかったですし、学生のほうが先ほど申し上げたように1週間前に提示することによって、事前にやらなければいけない負担感というのはあるようですけれども、1単位という話の中で何とかなっているのかなと思いますので、正直申し上げて具体的に今、反転授業等を取り入れることによる大きな課題は見えてきていないというか、やれるようにやっているということではないかと思います。
導入につきましては、事前学習課題を提示して、資料ですと5ページになるのですが、いきなりワークシートに入れてきたことをお互いに教え合うという場面からスタートをしますので、学生たちは自分のやってきたことが正しいのか、人にちゃんと伝えられるかというところで緊張感を持って授業に参加しています。その意味で、特別な導入をしていないという言い方もできるかもしれませんので、今のところ、その戸惑いは余りないのです。 ごめんなさい。
○木村構成員 ありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかに何かございますか。
福島構成員、どうぞ。
○福島構成員 ただいまの木村構成員の御質問と少し似ているのかもしれないですけれども、授業評価の自由記載のところに毎回の授業学習が大変である、関連図の作成が難しいというのが出ているのです。これに対して対応としてはどのようなことを提示したり教育していくのかなというのを少し教えていただければと思います。
○遠藤座長 池西構成員、お願いします。
○池西構成員 関連図の作成が難しいというところでいいですか。
○福島構成員 そうですね。毎回の事前学習が大変で、やってこない学生がいることも想定されるのではないのかなと思います。
○池西構成員 わかりました。事前学習については先ほど申し上げたように、ワークシートをやってこないとスタートの段階で、シンク・ペア・シェアでお互いに教え合うという場面をつくるので、自分が困ります。ちゃんとやってきていなくても10分前の休憩のときでもやる努力はしているようで、何とか対応ができていると思います。全くやってこない学生は今のところ見かけません。休んでいる学生もまずいないのですが、これは1回につき、ポストテストを行い、得点が加算されることもあるので休まないのかなとも思うのですが、休みはしません。あと関連図の作成については、まず肺の悪性腫瘍で学生がプレゼンテーションするときに書き方について全体にアナウンスしますのと、毎回、学生たちが書いたものにコメントを入れて、ここのつながりは?という指摘をして戻します。4つの課題に取り組むうちに、少しずつ書き方をわかってくるという印象があって、最後に冬休みに課題としても出しています。個別に取り組むように戻しています。ですので、2年生で看護過程の展開のときに病態関連図を書くのですが、少し書き方がわかってきたのかなという印象があります。書きながらわかっていっているという手応えです。
○遠藤座長 福島構成員、どうぞ。
○福島構成員 どうもありがとうございました。詳細にわかりました。ありがとうございます。
○遠藤座長 それでは、春山構成員、お願いいたします。
○春山構成員 先生の工夫されている教育実践例を御紹介いただき、どうもありがとうございました。
質問があるのですけれども、実習での体験をとおした学びと、実習前、もしくは実習後にこういった反転授業、協同学習、TBL等々を組み合わせることによって手応えを得ているというようなことがございましたら、ぜひ教えていただきたいなと思います。
○遠藤座長 池西構成員、どうぞ。
○池西構成員 ありがとうございます。
それは課題です。これからもう少し実習と実習の間をあけられるようになればこれを使っていきたいと思うのですが、まだ今の看護学校の実習は、実習が終わったらすぐ次の実習という形で、振り返りも準備も全部自分たちが自宅でやっている状況で、現場に行くことを重視したときに、振り返りも事前のチェックも余りできていない状況なのです。そこで少し時間がとれるようになれば取り組んでいきたいと思っているところです。ありがとうございます。
○春山構成員 ありがとうございました。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょう。
太田構成員、どうぞ。
○太田構成員 私は教育とはずっと無縁なものですからピントがずれているかもしれないのですが、学ぶ側、生徒側の教育効果ということはすごく理解できたし、すばらしい方法なのだろうと思うのですけれども、教える側の課題というのでしょうか、結局、これが普遍的なモデルになるには教える側の問題というものもあろうかと思うのですが、その辺はいかがなのでしょうか。
○遠藤座長 池西構成員、どうぞ。
○池西構成員 協同学習については先ほども申し上げたのですが、特別なテクニックが要るわけではないと私は思っていて、やり方がわかればやれるものがあると思います。
反転授業については、私の場合でしたらワークシートをつくりますが、ワークシートのない先生とかでしたら2つの授業をつくらなければいけないイメージなのです。対面と、それから、オンラインの授業。そういう意味では、少し大変かなと思うのですが、自分の授業を何年かやっているうちにはやりやすくなるかなと思いますのと、先ほども申し上げたように若い人たちのほうがむしろすっと入っていくような気もします。特に協同学習などは、専任教員養成講習会等で取り組むことで、定着がよくならないかなと思っています。
○太田構成員 その点よくわかりましたが、教員が十分充足されていないという課題もあると聞いています。このような状況で多くの生徒を1人の教員が教えることができるというのをプレゼンの中で伺ったと思うのですが、それはもう少し具体的に言うとどういうことなのでしょうか。
○遠藤座長 どうぞ。
○池西構成員 先ほどのお話は、今、看護学校は40名で授業していますので、これ以上多く学生を見ることはないのですが、PBLチュートリアル教育については小集団に、できれば1人の教員がついたほうが効果的なので、やはり教員の数も要るものです。それをTBLにしたら、その比較の中で教員の数が要らないというような意味合いです。
先ほど申し上げたように看護学校は40名単位の授業ですから、そんなに多くの学生を相手にしているわけではないのですが、教員の数からいくとPBLは養成所では大変かも知れませんが、TBLの場合は最初に問題づくりが大変ですが、少なくともそれができたら自分の専門的な知識があれば、比較的やりやすいというか、効果の上がりやすい方法ではないかなと思います。ありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ほかによろしゅうございますか。
井村構成員、どうぞ。
○井村構成員 質問ではないのですけれども、今、所属大学の学部と大学院でTBLをしていますことと、かつて、某S大学が初めてPBLを始めたときに、私が臨床におりまして、前期は大学に行ってPBLの小グループのチューターをして、そのPBLの学生を後期に実際に臨床の場で受け持つという経験の中から幾つか発言させていただいてもよろしいでしょうか。
○池西構成員 お願いします。
○遠藤座長 お願いいたします。
○井村構成員 まず、先生方の御懸念なさっていた準備はどうかということに関しましては、池西先生は本当に卓越した教員でいらっしゃると思いますので、きっとさくさくとなさったのだろうと思います。
私共がTBLについてどういう準備をしたか簡単に申しますと、まず担当する教員が4~5名で某S大学に研修に出かけました。そこで一通りのTBLに関する考え方やポイント、教員のノウハウについて演習形式で学習をしたというステップがございました。ですので、やはり教員の準備性を高める、教員が学習するというフェーズがあると思います。
続いて、今度は自分たちの教材を作りました。個人テスト等がございますので自分たちで個人テストをつくったり応用問題をつくったりという教材準備のフェーズがありました。そして、ファシリテーションも必要な技術になってきますので、学内でその練習等々をしました。そのうえで、実施に移りました。まず、大学院の助産師学生が15名おりますので、その小集団のほうでTBLをスタートさせて、2~3年経験したところで、本学は学部生が一学年最大140数名いるのですが、学部の大人数を対象にTBLを展開して、今、2年目になります。利点は、池西先生がおっしゃってくださったように、学生の目の輝きが違い、参加度が全く違いますので、やはり続けて頑張っていこうと学内では話しております。
学生の人数と教員の人数のことですが、当初、お名前を忘れましたが、これを開発なさったアメリカの教授は、学生100人ぐらいの教育で実施して、1人でできるという報告等々もあったように記憶しておりますが、今、本学で140人を対象に行っている経験からは、複数教員が必要と思っています。かなりの数のスモールグループができ上がりますので、非常に乗りのいいグループと乗りの悪いグループが必ず出てくるので、少し複数教員で回って、小グループの議論を活発化させるという仕組みも必要と思っております。
準備と展開に関する補足情報でした。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
ほかによろしゅうございますか。
それでは、藤田構成員、どうぞ。
○藤田構成員 養成所のほうで実は池西構成員のなさっている授業の全く同じではないのですが、TBLの変更みたいな形で60~70名の学生に対して、やはり同じような解剖生理学、そして、病態学のところをあわせた演習科目としてやっていまして、非常に学生に効果が出ているというような事実があります。
ただ、その授業をやるのにTBLなどですと本当に1名でやれるのですけれども、それなりにやはり知識がないとかなり難しい面もあるかなと思っていますので、教員としての経験と知識がある程度ありませんと、1人でその授業を運用していくのは難しいかなと実感しています。
○遠藤座長 ありがとうございます。
大体よろしゅうございますか。ありがとうございます。貴重な御報告、池西構成員、ありがとうございました。
○池西構成員 ありがとうございました。
○遠藤座長 それでは、議題に戻りたいと思います。資料2に書かれておりますように本日検討いただきたい点というのが1の「教育方法の工夫による効果的な教育の推進について」と2の「1単位あたりの時間数の設定等について」と2つでございますので、まずは1から御意見をいただきたいと思います。
ただいまの池西構成員のお話も含めまして、この1について御意見、御質問等をいただければと思います。事務局からはガイドライン追記のイメージという形で、これは事務局原案と見てもいいのかもしれませんけれども、こういうものが出ておりますので、これをベースに御意見をいただければとも思いますが、いかがでございましょうか。
井伊構成員、お願いします。
○井伊構成員 教育方法の工夫による効果的な教育の推進は、本当に不可欠で、池西構成員のお話は大変なるほどなと思うところです。そのため、こういったことがガイドラインに何らか追記されるというのは当然のことだと思います。むしろ、今までなぜなかったのかと思います。
しかし、「学生が主体的に学ぶことができる演習の充実等」と、演習に限って良いのかどうかというのが1つ疑問です。演習に限らず、「教育方法の工夫を」というように広げたほうがよろしいのではないかと思いました。
それと、あと2点、済みません。
○遠藤座長 どうぞ。
○井伊構成員 要点だけ申し上げたいと思うのですけれども、これまでのこの検討会の議論の中で日本看護協会としては、教員の過重な勤務環境について、本会の調査結果の一部を御報告し、改善の必要性を申し上げてきたところです。そのため、教員の皆さんが教育方法を工夫するためにカリキュラムを研究したり、研修に出るなどを行うためには、教務事務等を配置するなどの体制をつくることが必要です。そこを整備した上でこの追記がなされなければ、教育者の熟練に資するものにならないと思います。それはあわせて申し上げたいと思います。
もう一点ですけれども、この検討会ではこれから向こう10年、そしてそのもう少し先を見越して、看護師にはより幅広く高い能力が求められるという点を共有してきています。それを踏まえて、到達目標につきましても議論、検討してきており、従来よりもレベルが引き上げられるというように私は認識をしております。
教育内容としては、ICTリテラシーや臨床推論、フィジカルアセスメント、臨床薬理、継続的かつ包括的な看護、地域における看護実践力、介護施設などのさまざまな療養の場における実践力というようなことが強化すべき内容として挙げられております。これらの内容を教育の工夫だけではカバーできないというように思いますので、繰り返しになりますけれども、併せて、教育のボリュームについて内容に見合う単位数になるよう増やしていただきたいと思います。これまでも発言しており、繰り返しになりますが、重ねて申し上げます。以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ただいまの井伊構成員の御発言も含めまして、何か御意見があれば承りたいと存じます。
それでは、酒井構成員、どうぞ。
○酒井構成員 工夫する内容がアクティブラーニングを中心に工夫するのであるのであれば、時間数や単位数はふやせない、もしくは減らさないと効果的なアクティブラーニングということは難しいと思われます。学生にも教員にも時間が必要になるので、時間数とか単位数の問題というのは、そのことと教育方法のことというのはやはりセットで考えないといけなくて、従来のレクチャー中心の授業を離れるのであればカリキュラムの編成であるとか、そういう時間数の問題であるとかということも効果的になるように検討していかなければいけないということ。
あと教材が不足している現状がありますので、アクティブラーニングを取り入れるのであるとするならば、その教材の工夫というものをどこで誰がどうやっていくのかということもセットで考えていく必要があって、私自身は教育方法の工夫にアクティブラーニングを取り入れていくということは非常に賛成ですけれども、今の状況の中で単位数をふやしてとか時間数をふやしてアクティブラーニングを取り入れていくのは学生にとって非常に過重な負担が懸念されるのかなというように考えます。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
いかがでしょうか。
井村構成員、どうぞ。
○井村構成員 先生の御指摘はごもっともと伺っておりました。文科省、厚労省様に伺いたいのですけれども、かつて、いま所属している以外の大学でPBL(Problem Based Learning)を導入しましたときに、集まって行う小グループ制のセッションのコマと、それ以外のコマを置き、それ以外のコマは自己学習時間として提供して図書館に行くであるとか、学生自らが現場に出向いて確認するということを、既にシラバス上に組み込んだコマという形で時間を可視化していました。それ以外にもちろん、この1単位分の自己学習分を学生たちは学習していたと思います。つまり問としては、必ずスモールグループセッションを行ったことだけが時間、単位であると解釈するのか、それを準備するための時間もその中に組み込まれるのか。その解釈といいますか位置づけ次第で、今、御指摘いただいたところと単位数は大きく変わってくると思いましたので、質問をさせていただきたいと思いました。
○遠藤座長 そうすると、文部科学省と厚生労働省にお聞きするという感じですか。では、まず、御質問の趣旨はよろしいでしょうか。では、厚生労働省、文部科学省、どちらでもいいです。
では、文部科学省、よろしくお願いします。
○丸山課長 医学教育課長の丸山です。
今の御質問ですけれども、先生がおっしゃるように私も直接の担当のところではない部分はあるのですが、一般論で申し上げますと基本的には大学で行っている授業の時間数だけではなくて、シラバス等に事前にどれぐらいの事前学習が必要で、事後にどれぐらい振り返りをするのかということで、先ほど設置基準の御紹介がありましたが、幅が持たされているところがありまして、そこは大学の判断でこの教育をするためにどれだけの事前学習と本体学習と振り返りの部分でどれぐらいのものが要るのかということを示した上で時間数が定まっているというように理解をしています。
それに基づいて大学の主体的判断で単位数がどれぐらいの時間数やっているのかというと、事前にはもちろん示していただいて、それをクリアするかどうか、試験を経て単位を出すというようなシステムが大学設置基準上の全体としてのつくりであるということは、そのとおりだと思います。ただ、事前や振り返りの学習時間をどれぐらいにするかということは、それぞれの大学の考え方だと理解しています。
○遠藤座長 厚労省、何かありますか。
○島田看護課長 次の議題にも係るところなのですが、先ほど資料2の別紙をお示しさせていただいて御説明したかと思いますが、養成所におきましても単位については大学設置基準の規定と同じ考え方でとされておりますので、ただいま医学教育課長のほうからも説明がありましたような考え方にのっとってカリキュラムを組んでいただくことは可能だという解釈となります。
ただ、池西構成員からも先ほど御発言がありましたけれども、養成所では多様な教育方法というのが必ずしも多く進められているわけではないという実情の中で、どちらかというと講義型の教育方法が主体であるということだと思いますので、そうすると、学生がその場にいた時間を授業の時間数として見ているという運用が多いのではないかと思います。ただ、そもそもの1単位の考え方というのは、大学設置基準の規定によってということですので、学生さんが事前の学習とか、そういったものも1単位の中で位置づけるということも可能という運用になっているかと思います。
○遠藤座長 井村構成員、どうでしょうか。
○井村構成員 ありがとうございます。
きちんとシラバスに位置づけられながら、つまり、小グループで集合的でなくても各自、それぞれの自己学習時間ということで、それも単位の時間数の中にカウントできるという理解でよろしいでしょうか。
○関根教育体制推進官 はい。
○井村構成員 再確認なのですけれども、ありがとうございます。そうしますと、先ほどのアクティブラーニングであるとかスモールチュートリアルを行うこと、イコール単位をふやすことと相反することになるとも限らないという理解は成立するのではないかと認識いたしましたが、そのようでよろしいでしょうか。
○遠藤座長 それは御意見としてよろしいですか。確認をする必要がありますか。
○井村構成員 はい。では、確認をお願いいたします。
○遠藤座長 いかがでしょうか。
もう一度、では、質問を。
○井村構成員 あるクラスに集合して、そこで行うセッションのみを1単位の中の時間のとするということですと、事前事後の学習時間が全て学生個人に任されるので、むやみに単位をふやすと学生の学習時間がとれなくなるという前提で先ほどから、語られていたと思いますが、私が確認させていただいた内容ですと、1単位もしくはその設定した時間内において、コースワークとして科目シラバス日程表の中に当初から予定されて集合する時間と自己学習時間とがきちっとコマとして記載されているような場合においては、自己学習時間もその時間内に組み込まれるので単位数をふやすことと、学生の自己学習時間がどんどん増えるということとイコールではないというように認識してよろしいかという質問でございます。
○遠藤座長 いかがでしょうか。
○島田看護課長 事務局でございます。
1単位について、どのようなカリキュラム構成の中でどのように教授していくかというのは先ほどの説明のとおりでございます。恐らく、井村構成員の御質問は、先ほどの酒井先生の御意見への御質問というようにとればよろしいでしょうか。
○井村構成員 そのような認識で、まず文科省、厚労省としての解釈としてそのように御説明くださったと思うのですけれども、そのような理解でまずよろしいかということと、続きまして、先ほどの酒井先生の意見に関しての確認ということで2つ、よろしくお願いします。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○島田看護課長 事務局でございます。
前半の御質問ですけれども、アクティブラーニングの導入前後では、自分たちが自己学習しなければならない量は変わってくると思うので、教育方法によることなのだと考えております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかに何かございますか。
釜萢構成員、どうぞ。
○釜萢構成員 文部科学省の検討会は、井村先生も出ておられるし、私も出ておりまして、内容は文部科学省さんから先ほど御説明があったとおりですけれども、もう一度、資料1、別紙3のⅣのところですが、「看護系大学における教育方法について」で、この文部科学省の検討会は、この厚生労働省の検討会と決して相反するような内容の検討ではないのです。この文部科学省の検討会もしっかり踏まえてやっているわけですが、大学学士としての学士の資格をとる看護職が4年間の履修年限の中で、もちろん指定規則をクリアしなければいけないけれども、そのほかに学士として身につけるべきことは何かということを検討しているわけです。
そこで、特にアクティブラーニングの活用等という記載は、本来、大学で独自に学ばなければならない量がいろいろ検討される中で、余り指定規則における単位とか時間がふえてしまうことによって、大学独自の教育がやりにくくなることは避けてほしいという皆様の共通の認識があったと私は理解しておりまして、ですから、そのことを踏まえて、この厚労省の検討会も今の議論がなされているのだろうと思います。
ですから、きょうの池西先生のお話あるいは今後のアクティブラーニングとかTeam Based Learningとかというようなことを検討することによって、現行の指定規則の時間数の中でも、よりさらに踏み込んだ幅広い学習ができるようにすることを目指そうというのが私は共通の認識になるのではないかというように考えておりまして、文部科学省の検討会の議論も踏まえて発言をさせていただきました。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
それでは、木村構成員、お願いいたします。
○木村構成員 確認したいのですけれども、先ほど島田課長が指定ガイドラインの追記の文言の裏にある事情とかいろいろなことを踏まえてこういう文言になっているというような説明があったと思いますが、具体的に追記というものは検討案というのか、具体的な案になるというように考えたときに、先ほど井伊構成員の話にもあったと思うのですが、この委員会でも今日の報告も含めて教育方法の中身まで議論し、かつ、文科省のガイドライン、アクティブラーニング等の議論が具体的に出てくる中で、あえて教育方法、つまり、演習の充実ということだけの文言でとどめるというような判断として理解すればいいのか、を確認させてください。
○遠藤座長 事務局、説明をお願いします。
○関根教育体制推進官 事務局でございます。
御質問ありがとうございます。資料2で改正案ではなくイメージとして書かせていただいたのには理由がございます。ここに関しましては皆様にいただいた御意見を踏まえて、先ほど井伊構成員からはもう少し抽象度を上げて教育方法の工夫という記載ぶりでもいいのではないかといった御意見をいただきましたが、逆に、その方法の中身までをここで例示するのはかなり難しいのではないかと思っておりまして、そこはやはり各養成所単位でどのようなものができるかお考えいただければよいかと考えております。
また、その方法の中身も教育内容によっても異なってくるかと思いますので、ここには大枠の方向性として望ましい、こうした方がよいのではないかということを記載できればと思っております。演習を特出ししているのは、比較的どのワーキンググループでも演習が重要ということが言われておりますので、それを例として取り上げさせていただきましたけれども、抽象度も含め皆様、御意見いただければ修正していきたいと思っております。
○木村構成員 先ほど何か。
○遠藤座長 すみません、私が事務局原案と申し上げたのがよくなかった。事務局と余り調整していませんので、これはイメージでした。失礼しました。
○木村構成員 それならわかりました。失礼しました。
○遠藤座長 私が余計なことを言ってミスリードいたしました。ということは何でもありですから、言ってください。
菱沼構成員、お願いいたします。
○菱沼構成員 今、検討会の資料2で検討いただきたい点というところでガイドラインの追記のイメージということで、イメージで結構なのですが、このガイドラインの6の教育に関する事項、教育実施上の留意事項(3)というのは、私が見る範囲では臨地実習のことを言っているように思うのですが、その項ですか。私の見方が間違っているのでしょうか。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○関根教育体制推進官 事務局でございます。
今、御意見いただいたのが資料2の1の修正のイメージの(3)というのが、今は記載が臨地実習になっているのですけれども、要は1と2の後に置くものとしてのイメージということで3というようにさせていただきましたが、また記載の場所をどうするかは検討させていただければと思っております。
○菱沼構成員 わかりました。別個として立てるということでのイメージということですね。ありがとうございます。
○遠藤座長 よろしいですか。
では、まず中谷構成員、それから、山口構成員の順番でお願いします。
○中谷構成員 すみません、1点、確認させていただきたいのですけれども、きょうの資料2にあります教育方法に関しては、あくまでも指定規則ではなくて指導のガイドラインの中のさらにより今後、看護教育の中でそういった実践などをすべきであるというガイドであって、余り法的な強制力がないものということで、この4番は教育方法ではなくて、教育方法は大学が決めるものですから、あくまで留意事項としてそういった方法を促してはどうかという趣旨と内容という理解でよろしいでしょうか。確認です。
○遠藤座長 事務局、よろしいですか。
○島田看護課長 そのとおりでございます。
○遠藤座長 では、山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 おくれて来て申しわけございません。
池西構成員のお話をお聞きした上で発言したいと思っていたのにとても残念に思っておりますが、私もこの演習という自主的に学ぶことはぜひ学生さんにしていただきたいと思っている一方で、看護学校の現場の声を幾つか教員の方からお話をお聞きしますと、やはり大学に比べて圧倒的に教員の数が少ない。能力的な問題もあれば、実習にしてもお金がない。もうそれが決定的に実習や演習に力を注げない原因なのだというようなことのお話を聞きます。
ここに書き込むことによって、やらなければいけないという意識には変わることはあるとしても、実際に教員の人数も少ないという中で、どれぐらいクリアできるものなのか。書き入れることの効果といいますか、そのあたり、どこまでの期待をされているのかということを確認したいと思いました。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○島田看護課長 事務局でございます。
御指摘のように、このようにガイドラインに書いてあしたからすべきことはこうだというようなところをなかなか各学校、養成所の教員の配置状況ですとか、いろいろな御事情があると思うのですけれども、やはり今、この検討会ですとかワーキングなどでも、こういった学生が主体的に参加する授業というのをどんどん展開していかなくてはいけないというようなことが言われておりましたし、文部科学省さんの検討会のほうでもそういった御意見が出ていたということを考えますと、今後、例えばこのカリキュラムの見直しを行って実際に教育をしていただくまでに、まだ準備期間といいますか、そういったものもございますので、その間の御準備ですとか、その先に教育を実際実施していただくというところを考えますと、こういったことを書き込むことでなるべく多くのところでやっていただくという方向性はかなり示せるのかなと思っています。
その上で、池西構成員の御報告の中にもございましたけれども、やはり教員の方にこういった方法を取り入れていただくという意味では、教員の方々への周知ですとか、もしくは研修とか、そういったこともあわせてやっていく必要があるのかとも思いますので、そういった周知ですとか、教員の方々への御理解とか実施方法を広めていく方法についても、あわせて検討していきたいと考えていますので、その点につきましても御意見をいただけますと幸いでございます。お願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 どうしても人材が不足している学校だと研修に出てもらうこともできないという非常に苦しい問題があると思うのですけれども、できるだけ教員の皆さんがこういう方法があるのだということを共有化できるようなことを考えていただいて、これだったらできるなというところから始められるようにしていく必要があると思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、額賀構成員、お願いいたします。
○額賀構成員 高校の立場からお話しさせていただきます。
高校というか初等中等教育全部でしょうけれども、今、主体的・対話的で深い学びの実現に向けてアクティブラーニングの視点から授業方法等の改善をどこの学校も一生懸命やっているところであるわけであります。文科省の方の前で言うのも何なのですが、アクティブラーニングはもともと高等教育機関、大学からおりてきたもので、私たちが今、一生懸命、そのテクニック等について学んでいるところであります。私たちの教育の上で行われるわけですから、大学や養成所でもこれまで以上に努力していただいて、より効果的な学習になるようにしていただければと思います。
もう一つは、以前にも申しましたけれども、今、ICTを利活用した授業ということで学習の効率を高めるというところにも力を入れているところであります。私立高校が中心ですけれども、1人1台、ネットワーク端末、具体的にはiPadが多いのでしょうが、持たせて授業中、全ての授業で活用し始めています。うちの高校も今年の1年生から持たせております。ですので、3年後、5年後にはそういう子たちが一斉に皆さんの学校に上がっていくわけですから、そういう利活用に長けた生徒たちへの効率的な教育方法や学習環境も準備していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
ほかに何か御意見はございますか。
それでは、酒井構成員、お願いいたします。
○酒井構成員 今の額賀構成員の発言に非常に賛成するのですけれども、大学ではiPadとかの使用を超えてスマートラーニング、スマートフォンでの学習等々ももう導入されつつある中で、今、一番問題になっているのは、アクティブラーニングの質の保証ということをどうしていくのかということがすごい問題になっていて、アメリカ等では、やはりそういうアクティブラーニングの教育ツールのチェックリストを集めたホームページであるとか、そういうような教育者への支援ツールみたいなのがすごい開発されているのです。あと教材のつくり方のガイドラインとか、そういうのをやはりどこかできちんとつくって日本の看護学校の先生や看護系大学の先生方が活用できるようにしていくというような包括的な取り組みが非常に必要かなというように思います。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
ほかに何か御意見ございますか。
山田構成員、どうぞ。
○山田構成員 学びを効果的に深めていくというのは大賛成なのですけれども、もやもやしていてお聞きしたいのが、演習というところで、講義及び演習という扱いで、講義をアクティブラーニング化すると、それは演習になるのかというあたりの言葉の整理をしていただきたいかなと思いまして、これから1単位何時間にするのかという議論をするに当たり、演習にするとそれがふえるのかというような疑念もありますとストレートに議論できないところもあって、講義及び演習でくくって何時間としていくのか、その講義と演習のバランスは学校が自由に決めていいのかとか、アクティブラーニング形式の講義は演習なのか、そのあたりの整理をしていただきたいと思いました。
○遠藤座長 事務局への確認ということでよろしいですか。
○山田構成員 はい。
○遠藤座長 では、ただいまの疑問について、お願いいたします。
○関根教育体制推進官 事務局でございます。
基本的には先ほどの演習の話については、資料2の別紙の大学設置基準の第21条の2項の1のところに、講義及び演習については、15~30時間までの範囲というところで、まさにアクティブラーニングを使った手法でやっていただくもののイメージとしては演習が多いのかなと思います。
ただし、15~30時間の幅というのは教育手法もそうですけれども、授業の科目の特性等にもよるかと思いますので、必ずしもどちらになるかということでなく、その幅の中で学校側が決めるということかと認識しております。
○遠藤座長 看護課長、どうぞ。
○島田看護課長 山田構成員からの御質問の御懸念としては、今、指定規則で単位数として示している際の区分として、何単位というように示されておりますけれども、その範囲で考えますと、講義、演習部分の単位数と、いわゆる臨地実習の単位数では別だてで示されておりまして、そこの区切りがアクティブラーニングによって、何かまた変更が生じるのではないかといった点での御質問というように理解してよろしいでしょうか。
○遠藤座長 山田構成員、どうぞ。
○山田構成員 そこまで考えていないかもしれませんけれども、講義と演習の違いは何なのですかということです。そのイメージのところにわざわざ演習と書かれているので、それは講義ではなくて別のものなのかなと考えると何かおかしくなってしまうという意味です。
○島田看護課長 ありがとうございます。
例えば御説明したとおり、一応、単位の計上の仕方としては講義と演習が一くくりなので、それの中でここまでを演習というようにカリキュラム上、表現するかというのは、各学校、養成所さんの御判断なのだと思います。
一応今日は御議論いただくような内容を準備しておりませんけれども、規定しているものについては、講義、演習を一くくりという形でお示しをしているということがございますので、講義、演習の方法が多様な形になるという中で、どのようになるかという部分と、それから、臨地実習に関しましても事前の演習ですとか事前に学生さんが学習するという意味で、必ずしも病院ですとか訪問看護ステーションとか在宅とか、そういった場に行く前の学習なども臨地実習の中に換算して差し支えないというような考え方がございますので、どこに主眼を置いた学習としてカリキュラムの中に位置づけるのかということは、各養成所さんでの決めになってくるかなと考えております。
○山田構成員 ありがとうございました。
○遠藤座長 よろしいですか。
何かほかにございますか。
今後、本日いただいた御意見をワーキンググループのほうに投げまして、それでもんでいくということでありますので、そこで議論されるべき内容だと思われる方は御発言いただきますと、その後、ワーキングで議論をされますので、何かあれば御発言いただきたいと思います。
井村構成員、どうぞ。
○井村構成員 今、この件がワーキングに投げられるという御発言に対してなのですけれども、今、従来から講義、演習という枠組みで進んできて、その講義、演習というくくりについて御説明もありましたが、講義、演習というくくり自体が古くなっているという認識からスタートすることが必要になってきていると思うのですが、その辺も含めてワーキングに投げるという意味なのでしょうか。どこをワーキングに投げるのでしょうか。
○遠藤座長 事務局、説明をお願いします。
○島田看護課長 確かにさまざまな教育方法が出てきているので、従前の指定規則での示し方というのに無理が生じている部分もあるのかもわからないのですけれども、先ほどの池西構成員の御意見、御報告の中にもございましたが、それがどのくらいの養成所さんでこういった多様な取り組みがなされているのかとか、そういった実情も把握しませんと、いきなり枠組みも外したことで教育もかなり実際に逆にやりにくくなってしまうとか、そういった混乱が生じるということも可能性としてございますので、そういった教育の実場面での状況なども踏まえての教育内容ですとか、どうやったらいいのかといったことも含めて示す必要があるかと思います。
いきなり今までの従前の講義、演習の考え方を全く違ったものにするというのは、まだ時期としては早いのかなというのが事務局の感触ですが、もし養成所の先生方で、いや、もうそれは十分だということであれば、そういったことも可能なのかもわからないですが、今までのワーキングでの御議論を踏まえますと、まだまだそこまでの実情にはなっていないのかなというのが事務局の感触でございます。
○遠藤座長 井村構成員、よろしいですか。何かあれば。
○井村構成員 私もある程度、そのような認識も持っております。この枠組みにがんじがらめになること自体は教育の質の低下につながりますので、もっと有機的な講義、演習の枠を抜いたアクティブラーニング的なものを取り入れることに大いに賛成いたしますが、その一方で、その枠を全て取り払って何か新しくというのには確かに時期的にまだ少し早いという印象も持っております。全体的な実態もまだデータベースで語られるようなデータ自体がないようでございますので、そのような認識を私も持っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
お待たせしました。木澤構成員、どうぞ。
○木澤構成員 先ほどの時間数、研修と講義に含まれるかということで、この厚いほうの20ページの下のほうに演習及び校内実習の講義に含まれるということになっていることも考えると、演習と講義とシミュレーションというような校内実習も含まれるのかなと思います。
ただ、やはりPBLとかTBLという手法ばかりがひとり歩きして、学生に任され過ぎになったところを質の担保というところでは、そういう教育を受けていない教員がするということでは先ほどおっしゃったようなチェックリストであるとか、それを実際の体験として教員も学んでみるということを見ていったほうがいいのかなと感じました。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、中島構成員、お願いいたします。
○中島構成員 ありがとうございます。
私は教育方法についてはほとんど知識がないので、きょうも皆さんの御意見、大変勉強になりました。訪問看護ステーションの学生の実習を受けている立場としましては、実習に来たときに講義や演習で学んだことを全く白紙の状態のようにして実習に来る学生がたくさん多いです。ただ、アクティブラーニングで、多分先生は講義されたのだろうなと思うような講義で学んだことは非常によく覚えている。例えば訪問看護ステーションを立ち上げようという講義を先生方がやってくれて自分たちでワーキングをやって、そのときに学んだ訪問看護にかかわる制度のことなどは非常にオリエンテーションのときによく覚えているなというような印象を持っています。ですので、教員の先生方、すごく大変ですし、今後、努力されることも多いと思うのですけれども、やはり反復学習とかアクティブラーニング等を今後取り入れていくのは必要ではないのかなと思います。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
ほかにいかがでございましょうか。
村嶋構成員、どうぞ。
○村嶋構成員 今、看護課長がおっしゃったことで気になったのですが、実習は、私は臨地に行って行うのが実習だと思っているのですが、その前の学内での準備を実習に入れるというのは、ここでコンセンサスができているのでしょうか。
○遠藤座長 事務局に確認いたしますか。いかがでしょう。
○島田看護課長 事務局でございます。
教育に関する指導ガイドラインのほうで記載をしていまして、皆様方のファイルの2でございます。10ページの4の教育実習上の留意事項のところでございまして、そこの(3)ですけれども、下のほうです。臨地実習は実践活動の場において行う実習のみを指すものであること。ただし、臨地実習を充実させるために実践活動の場以外で行う学習の時間を臨地実習に含めて差し支えないこと。さらに、実践活動の場以外で行う学習については学習の目的、内容及び時間数を実習指導要綱等で明確にすることといったことを養成所に対してはお示しをしておりまして、実習前後の学びにおいて実習が深まるといったようなものについては、お認めするということになっております。
○村嶋構成員 どのぐらいの割合まではいいかとか、そういうものはあるのでございましょうか。ないですか。余り行き過ぎないことが大事だなと思いました。実習ですから。
○遠藤座長 事務局、どうぞ。
○島田看護課長 事務局でございます。
何割といったようなところは特段、ガイドライン上、示していないのですけれども、ここに書かせていただいているように、そもそも実践活動の場において行うというものが実習の本質的な目的なので、それを補完するという位置づけであるということでの範囲というように考えております。
○遠藤座長 よろしいですか。
ほかにいかがでございましょうか。
井伊構成員、どうぞ。
○井伊構成員 この追記のイメージをワーキングで議論するということについては、了解します。しかし、この検討会での議論は、そもそも基礎教育の内容として何が含まれるべきかということが優先だと思いますので、アクティブラーニングありきで、それを入れることを目的にワーキングでの議論が進むようなことのないようにと老婆心ながら申し上げます。ワーキングでは教育内容を優先して議論していただきたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
そのような進め方についてのお考えでも結構でございますけれども、何かありますか。大体よろしゅうございますか。
それでは、藤田構成員、先に。それから、中西構成員、お願いいたします。
○藤田構成員 ありがとうございます。
今までの方法ではなくて、例えば1時間の実習時間数を45分というようにした場合に、今まで准看課程で行ってきた教育の実習時間数、60分でやってきた実習時間数と看護師教育でやる実習時間数というものがほとんど変わりない実習時間数になるかと思うのです。准看よりも約41時間程度の実習時間数がプラスになるかと思うのです。例えば実習時間数で、現在の教育内容とか教育目的とかそういう内容を果たして充実させていくことが可能か。教育方法によって変わってくるとは思いますが、准看課程を教えた経験上、果たしてその時間数でいいのかなという若干の不安が私にはあります。
学習していく上で臨地の経験というのは非常に重要な部分を占めると思いますので、単位数としては2単位程度のそれこそ、ここでその程度を言っていいのかどうかわかりませんけれども、2単位程度の臨地実習増で、もしこの案で行くならば、やはりプラスをしておいたほうがいいのではないかなという。今まで准看教育にもかかわっていたので、そういう感想を持ちました。
以上です。それを踏まえて、ぜひワーキングのほうで話し合っていただければ大変ありがたいなと思います。
○遠藤座長 御意見として承りました。もし何かそれに対して御意見があればまたお聞きしますが、それでは、先ほど手を挙げておられました中西構成員、どうぞ。
○中西構成員 中西です。
私は准看護師教育と2年課程定時制の学生を教育しています。単位の考え方ですが、45時間を1単位として考えて30時間を対面授業・15時間は自己学習という考え方は、2年課程の学生背景を考えると、働きながら学び、しかも学生は平均年齢が30を超えている面から自己学習分の15時間を捻出するのがとても難しいという現実があります。
効果的な対面学習のために教授方法の工夫は必要で、池西先生から提示をしていただいたような様々な工夫が授業の中で必要だと思います。その中で、どういう課題を自己学習分として提示すれば学生に負担がかからないで効果的な授業に繋げられるのかは、教員の力量が問われるということを痛切に感じています。
教員養成講習会等でこれからそういった力をつける、そういう知識をつけるといったことももちろんですし、現任の先生方にも研修であったりとか再教育であったりとか、そういったことも必要となってくると、お話を聞きながら思っておりました。
そして、単位数ではありませんけれども、准看護師教育の中で反転授業を実際やってみるとすごく学生の輝く目というか集中する力であるとか、とにかく学生の生き生きした学びを感じることができたので、学習方法の工夫等は単位数でない准看護師教育でも取り入れていくべきだと個人的に思っておりますので、ワーキング等で検討していただければありがたいと思います。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
ほかによろしゅうございますか。大分時間も押しておりますので、いろいろな御意見も出ましたので、これらを踏まえてワーキングでまた議論を進めていただきたいと思いますので、事務局、よろしくお願いします。
それでは、もう一つ残っております検討いただきたい事項の後半部分「1単位あたりの時間数の設定等について」ということで、これも改正のイメージという形で修正が出ておりますので、原案ではないそうですけれども、これについて何か御意見があれば承りたい。
井伊構成員、どうぞ。
○井伊構成員 この「1単位あたりの時間数の設定について」の案については、賛同したいと思います。大学と専門学校を揃えるということで異論はありません。先ほど村嶋構成員が御質問されたことと関連するのですけれども、平成24年に「臨地実習における実践活動の場以外で行う学習について」という事務連絡が出ております。内容は先ほど看護課長の御説明があった通り、実習を効果的に進める目的という前提で1単位30時間の中に施設見学やオリエンテーション、カンファレンスなどを含めることができるというものです。これが心配だというのが意見としてあります。前提がありますので、歯止め云々という話は難しいと思うのですけれども、この「実践活動外学習」を実際に何時間ぐらいやっているのかというのは、今後、報告していただき、実態を把握していく必要があるのではないかというように思いますので、意見として申し上げたいと思います。
私どもは、もともと、実践力の基礎となる実習のボリュームはふやすべきだと考えております。特に看護師の実習はそうです。また、文科省の検討会の資料1の別紙3でも、特に保健師の実習については5単位しかなく、見学に終始しているというのがこれまでも意見として出ていることです。単位を増やしたいという前提で、2の御提案については賛同ですが、実践活動外学習は今後把握すべきだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○遠藤座長 御意見として承りました。
池西構成員、どうぞ。
○池西構成員 今、井伊構成員のことについて、27年だったと思いますが日本看護学校協議会で実態調査をしました。正確ではないのですが、臨地実習の実践の場以外の実習をやっていますかという問い合わせに対して、たしか4割ぐらいのところはやっていない。つまり、全て臨地実習というお答えと記憶しています。それから、やっているところにどの程度やっていますかというお問い合わせをしましたところ1割が多かったです。90時間のうち9時間ぐらいという平均的な数字が出ていました。正確な数字ではないのですが。
○井伊構成員 それならば、きちんと報告してもらったほうがいいと思います。
○池西構成員 そうですね。それは多分、厚生労働省が把握していると思いますけれども、私どもが思った以上に余りとっていないなという印象でした。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
菱沼構成員、お願いいたします。
○菱沼構成員 設置基準を基本として1単位分の学習は45時間とみなすということのガイドラインの改正につきましては、私も賛成です。ただ、これは今、ここで言ってもどうにもならないなと思っているのですが、実習の45時間というのも1単位ですね。その45時間に現実、学生に課せられている学習は恐らく45時間ではないと思います。事前学習、その日の実習記録等々を数えますと、恐らく学生には1.5倍、場合によっては2倍程度の学習が課せられている。それを30時間から45時間の範囲でというところも考えていかなければいけないというのが一つあります。
あと、もう一つ、教室での時間を60分とするのか、50分とするのか、45分とするのかというのは、これは設置基準では何も言っていないわけであって、それぞれの学校で内容としてそれだけのものをするのにどれだけの時間が要るかということで設定をされ、学生にとっては教場での時間が少なければそれだけ自己学習がふえるということで、45時間で1単位を崩さないで考えればいいと思っています。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
では、江﨑構成員、池西構成員の順番でお願いします。
○江﨑構成員 江﨑です。
臨地実習の実践活動の場以外で行う学習について、本校も取り入れています。これについては、各領域で何を学ばせるか内容を精選し、学内で実習計画のどこに位置づければ効果的かを考え領域ごとに定め、時間を設けています。
1例といたしましては、受け持ち患者さんの対象理解に向けて病態のアセスメントや関連図の作成にかなりの時間を要していますので、学内で担当教員指導の下、実践活動外学習時間を用いて学習を行っています。
実践活動外学習を行うようになって、学生の実習不合格が非常に減りました。必要な学習をこの実践活動の場で行うことで、教員の関わりもありますが、学生自身が現場の中でしっかりと患者さんに援助を実践することが出来ており、到達度を上げることに繋がっていると思っています。
実習に必要な学習は自分の時間を使って学生は行っていますが、日々、受け持ち患者さんに対して援助を行う上で必要な学習時間を確保することは、実習効果も含め意義はあると思っています。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
お待たせいたしました。池西構成員、どうぞ。
○池西構成員 ありがとうございます。
実は臨地実習は1単位45時間というのは、指導ガイドラインの規定ですから、養成所が守らなければいけない課題です。養成所としては、これは大事にしたかったところではあります。しっかり実践能力をつけるというところが大事なので、村嶋構成員のご指摘のように現場で学ぶというのはすごく大事だと思いますしたがって、1単位45時間を大切にしたいと思っていたのですが、先ほどからお話があるように、やはり45時間、全て臨地実習に出ると次の実習の準備も振り返りも全くできない状況があります。その意味では、各学校が判断して、実践能力をつけるためにどれだけの時間、現場に行き、どれだけはしっかりリフレクションするのがよいかを考える余地をいただいてもいいのかなというように思います。養成所の特徴であります実践能力育成のためにどういう方法がいいのかは各学校で考えることにして、ここは大学設置基準に準ずることで賛成をしたいと思います。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
井村構成員、お願いします。
○井村構成員 1単位当たりの時間数については、ダブルルールで行われていたこと自体の適切性がいかがかということもありましたので、大学設置基準に大学も専門学校も一致させたこと、きちっと同じ基準になったというのは大いに賛成するところであります。
また、実習体験、実習での学びを豊かにするための実習現場での学習と、実践活動の場以外での学習については、母性看護、小児看護においては臨地実習場が得られないため学内の演習にかえるという通達が以前出されたこともございますが、実習における学習は実習場において行うことが重要と考えます。万が一にもその方向が増幅されるということは、臨地における実習の質自体が担保できない方向性にぶれる形になると思います。この点は今、改めて発言させていただき、共通認識とさせていただけるとありがたいと考えています。
○遠藤座長 ありがとうございます。御意見として承りました。
ほかに何かございますか。
それでは、中谷構成員、お願いいたします。
○中谷構成員 この資料2の2ページ目の部分に関しては、一番上の1ページ目の効果的な教育についてということとセットで修正していただくとよいのではないかと思いまして、案には賛成したいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかによろしゅうございますか。
それでは、2番目のほうについては大きな議論はなかったようなので、いろいろ御意見も出ましたので、こちらにつきましても関連のワーキングのほうでただいまの御意見を反映した形で議論を続けていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日、用意をいたしました議題は以上のとおりでございます。何かございますか。
○釜萢構成員 その他で1つ。
○遠藤座長 その他で、全体を通して結構でございます。
それでは、釜萢構成員、どうぞ。
○釜萢構成員 今回の議論とは違うのですが、指定規則のまた見直しというところとかかわるものですから発言をさせていただきます。
私ども医師会が運営しております看護職の養成課程は助産師と看護師と准看護師がありますが、それぞれ養成をする人材を求めることがとても大変になってきていて、定員割れが非常に多くなってきてしまっています。その背景はいろいろあるわけですが、背景についてはさることながら、定員割れになりますと医師会からの持ち出し、補助金が非常にふえざるを得なくて、とても運営ができないという声が全国から寄せられております。
医師会立の養成所の特徴は、地元にしっかり看護職が定着してくれることが非常に大きい。例えば大学卒の場合にはなかなかそんなに地元に定着しない場合が多いし、ましてや診療所に大学卒の看護師が来ることはまずないですから、そういう意味では、医師会立の養成所は今後もしっかり運営をしていきたいのですが、今、そういうような状況です。
そこで、これまで主に郡市区の医師会が担っておりました養成ですが、単独でなかなか養成所を維持できなくなってきた場合に、県内の幾つかの養成所が連携をして行う、あるいは授業を共通化するとか、実習での連携とか、講師の連携とかというようなことを考えないと、とても養成所の存続がもう難しいという状況が全国から寄せられております。
それでお願いとしては、共同運営や連携の方法として、例えばeラーニングとか遠隔授業とか、実習を共同で実施する方法、分校やサテライト校として一体的に運営する方法などが検討されています。しかし、現在の指定規則はそういうことを想定しておりませんので、今後の養成所の存続を可能にするために、ぜひそのような指定規則における課題について事務局のほうでも洗い出していただいて、そして、次回の検討会でそのような議論ができるようにしていただきたいというのがお願いでございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
大変重要な問題提起ではあると思いますが、事務局、何かコメントはありますか。
○島田看護課長 御指摘ありがとうございます。
今の基準でもできる部分と、御指摘のように若干の御検討が必要な部分があるのかもしれないなとお話をお聞きしながら思っておりました。具体的にどのような連携のあり方がありうるのかといった点を整理いたしまして、必要な事項につきましては、この検討会でも御議論いただけるように座長と御相談して御準備していきたいと思っております。
○釜萢構成員 よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 どうぞよろしくお願いします。
ほかに全体を通して何かございますか。よろしゅうございますか。
それでは、本日の議題は以上のとおりことでございますが、事務局から次回の開催等について何かありますか。
○関根教育体制推進官 事務局でございます。
次回、第9回の検討会につきましては、構成員の皆様方に改めて御連絡をさせていただきます。航空券や宿泊の領収書など、対象となる方々におかれましては、お早目に事務局までお送りください。
以上でございます。
○遠藤座長 それでは、これをもちまして検討会、終了したいと思います。活発な御意見、どうもありがとうございました。
 
                                                                          (了)
 





 

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