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2018年10月26日 第6回 看護基礎教育検討会 議事録

医政局看護課

○日時

平成30年10月26日(金)16:00~18:00

 

○場所

TKP赤坂駅カンファレンスセンター ホール14A
東京都港区赤坂2-14-27

○出席者

安藝 佐香江 (医療法人社団永生会みなみ野病院法人本部統括看護部長看護部長
井伊 久美子 (公益社団法人日本看護協会副会長)
池西 静江 (一般社団法人日本看護学校協議会会長)
井村 真澄 (公益社団法人全国助産師教育協議会会長)
江崎 喜江(※崎はたつさき 以下略) (大阪府病院協会看護専門学校副学校長)
遠藤 久夫 (国立社会保障・人口問題研究所所長)
釜萢 敏 (公益社団法人日本医師会常任理事)
木澤 晃代 (日本大学病院看護部長)
木村 元 (一橋大学大学院社会学研究科教授)
酒井 郁子 (千葉大学大学院看護学研究科附属専門職連携教育研究センター長)
中西 亜紀 (高槻市医師会看護専門学校教務部長)
中島 由美子 (医療法人恒貴会訪問看護ステーション愛美園所長)
額賀 修一 (全国看護高等学校長協会副理事長)
馬場 武彦 (一般社団法人日本医療法人協会副会長)
春山 早苗 (自治医科大学看護学部学部長/教授
菱沼 典子 (一般社団法人日本看護系大学協議会理事)
福島 富士子 (東邦大学看護学部学部長/教授
前田 彰久 (富山県厚生部長)
村嶋 幸代 (一般社団法人全国保健師教育機関協議会監事)
山口 育子 (ささえあい医療人権センターCOML理事長)
山田 雅子 (聖路加国際大学大学院看護学研究科教授)
 

○議題

 (1)教育体制・教育環境について
 (2)ワーキンググループにおける検討事項について
 (3)その他

○議事

 

○関根教育体制推進官 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第6回「看護基礎教育検討会」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、本日はお忙しい中、本検討会に御出席を賜り、まことにありがとうございます。
本日は、太田構成員、藤田構成員の2名が御欠席でございます。
それでは、遠藤座長、議事進行をお願いいたします。
○遠藤座長 それでは、本日もどうぞよろしくお願いいたします。
まず、議題に入る前に、資料の確認を事務局からお願いしたいと思います。
○関根教育体制推進官 それでは、本日の資料について、議事次第をもとに確認させていただきます。
資料1 教育体制・教育環境についての検討事項(案)
資料2 教育体制・教育環境について
資料3 看護師ワーキンググループにおける検討状況
資料4 助産師及び保健師ワーキンググループにおける検討状況
参考資料1 准看護師ワーキンググループにおける検討事項
参考資料2 看護師に求められる実践能力と卒業時の到達目標(第5回看護師ワーキンググループ終了時点の改正案)
以上を配付させていただいております。
また、構成員のお手元に御用意しましたファイルには、第1~5回までの検討会資料と関係法令や検討会報告書をファイリングしておりますので、適宜御参照ください。
資料の落丁・不足等がございましたら、事務局にお申しつけください。
以上です。
○遠藤座長 それでは、議題に移りたいと思います。
まず初めに「教育体制・教育環境について」、事務局から資料の1、2の説明をお願いしたいと思います。
○関根教育体制推進官 お手元に資料1と資料2を御用意ください。前回の検討会でいただきました御意見をもとに、ワーキンググループにおいて議論をいただくため、ワーキンググループに渡す資料といたしまして、資料1を整理させていただいております。今回参考資料2も参考にしながら、資料1に追加すべき視点等がございましたら、御指摘いただければと思っております。
資料1でございます。
「教育体制・教育環境についての検討事項(案)」とさせていただきまして、冒頭の点線四角囲みの中に「ワーキンググループにおける検討方法について」を記載しております。保健師・助産師・看護師・准看護師養成所に共通する課題が多いため、まずは看護師ワーキンググループにおいて検討いただいた後に、それ以外に職種ごとに検討が必要な事項につきましては、各ワーキンググループで詳細な検討を行っていただくこととしております。
1教員についてですけれども、「看護師等養成所において必要な教育体制を確保する具体的な対応策を検討する」といたしまして、2つの視点で整理させていただいております。
1つ目ですけれども「看護教員の養成について」といたしまして、前回いただいた御意見などから、1つ目の○にありますように、看護教員養成講習会の受講率向上のために、単位の積み上げ式や分割開催等の工夫をしてはどうか。
2つ目としまして、教務主任養成講習会につきましては、まだeラーニングが導入されていないということがございましたので、eラーニングを活用してはどうか。
3つ目、看護教員の継続的なスキルアップを充実させるためには、どのような工夫が可能か。
そして「養成所及び実習施設における指導体制について」といたしまして、1つ目、専任教員の負担の軽減を図るため、実習指導教員や事務職員の配置を推進してはどうか。
2つ目、臨地実習において、養成所と実習施設の役割分担・協働を一層進め、効果的に実習指導を行う体制について提示してはどうかとさせていただきました。
2ページ目をご覧ください。2実習施設でございます。こちらは「多様な場での臨地実習の展開や、継続的な看護を学ぶことが可能となるよう、実習施設の要件を検討する」といたしまして、我々が養成所向けにお示ししている看護師等養成所の運営に関する指導ガイドラインに規定する実習施設の要件(看護師数や実習指導者数等)について、実習指導体制を担保した上で見直してはどうか。
そして、3教育環境につきまして記載しております。「教育方法の多様性に対応可能となるよう、施設設備等の要件を検討する」といたしまして、同じくガイドラインに規定する施設設備等の要件(同時に授業を行う人数、必要な機械器具等)について、各養成所の多様な教育方法に対応できるよう見直してはどうかと書かせていただいております。
また、資料2につきましては、前回いただいた御意見で事務局の方から追加させていただいた資料となっております。
2ページでございます。こちらの表ですが、前回の資料では専任教員数の分布を積み上げの棒グラフでお示ししていたところでございますが、わかりにくいという御指摘を受けましたので、課程別に分布がわかるように表で示しております。
3ページ以降が、教員数と実習施設数との関係をプロットしたものになっております。養成所の課程別に結果をお示ししております。左上に専任教員数、右上に実習指導教員数、その下に両教員数を足したものをプロットでお示しさせていただいております。
先ほどの資料1にもありましたように、実習指導教員数ですけれども、ガイドライン上では「確保が望ましい」といったような記載ぶりとなっておりますので、そういった意味では右上のプロットを各課程で見ていただきますと、養成所に1人も置いていらっしゃらないところが一定数あることがお分かりいただけるかと思います。
ページが少し飛びますが、12ページをご覧ください。准看護師の養成所です。こちらについては調査の結果からということで、サンプルが113校となっておりますが、傾向としましては実習指導教員を置いていないところが約半数近くありまして、置いていたとしても1人と回答いただいているところが約3割でございます。
13ページと14ページにつきましては、事務職員数と定員数との関係をお示ししております。13ページにつきましては、各養成所の事務職員数をプロットしておりますけれども、14ページには課程別の事務職員の配置をプロットしております。こちらにつきましては、1人ぐらいは大体置いていただいていますけれども、14条報告の限界といたしまして、見た目上、人数をかなり多く置いていただいているところもございますが、常勤・非常勤を分けて聞いておりません。さらに、兼務の方も多くいることが想定されますけれども、そういった方々も学校側で挙げていただいた数で我々は見ておりますので、数として含まれているということでご覧いただければと思います。
最後の15ページは、各講習会の直近の実施状況をお示ししております。前回、構成員から充足率の御質問をいただいたところでございますが、事務局から口頭で回答した部分につきまして、改めて表でお示しさせていただいております。
資料の説明は以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
それでは、御議論していただきたいと思いますけれども、資料1の順番に沿って御意見をいただければと思います。
それでは、資料1の1教員につきまして、何か御意見等ございますか。山口構成員どうぞ。
○山口構成員 1の2つ目の「養成所及び実習施設における指導体制について」の1つ目の○で、専任教員の負担軽減を図るためということで、実習指導教員や事務職員の配置を推進してはどうかと書いてあるのですけれども、事務職員と言いましても本当に事務だけをする人と、負担軽減の役割を果たしてくださる方分かれると聞き及んでいます。だとしたら、ここに単に「事務職員」と書くだけではなくて、どんな機能を果たす事務職員なのかを明確に書いたほうがいいのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。事務局に、どのような機能を果たす想定なのかをお聞きした上で、できたらそれを書き込んでいただけたらと思います。
○遠藤座長 それでは、どういう機能を前提として考えておられるのか、これは事務局がお答えする形になりますかね。
○関根教育体制推進官 14条報告上は、特段定義を記載するようにはなっておりませんので、置いていただいている事務職員の数を単純にカウントしていただいているだけとなっております。どのような事務職員、先ほどおっしゃっていただいたような機能を果たす方を置いていただくこととするのかにつきましては、皆様の御意見をいただければと思います。
○遠藤座長 山口構成員どうぞ。
○山口構成員 だとすれば、単に事務職員ということではなくて、補助的な役割を果たすと付け加えてはどうでしょう。「事務職員」とだけしか書いていないと、本当に単に事務の方をふやせばいいのかという認識になってしまうといけないと思いますので、そこは少し書き加えていただけたらと思います。もし、よろしければ、実際に現場を知っている方がこういう文言が入るといいのではないかということを御提案いただければと思います。
○遠藤座長 いかがですか。池西構成員どうぞ。
○池西構成員 今のことですがが、学校事務と、一般的表現かはわからないのですが、養成所ではよく教務事務という言い方をしていわゆる学校の事務とは別に、例えば、成績管理や出席管理、外部講師の資料印刷、接待も含めてですが、そういう専任教員が行っている分をとってくれるという事務職員がありますそれを私たちは「教務事務」という表現しているのですが、ほかに何か適切な表現があればいいと思うのですけれども、単なる事務員ではなく、教員の補助的な役割を果たしてくれる事務員ということだと思います。
○遠藤座長 ほかに何かありますか。特段なければ、こういう意味合いがわかるような、どういう言葉が適切かはわかりませんけれども、検討していただくという形でよろしいですか。ありがとうございます。
ほかにございますか。井伊構成員どうぞ。
○井伊構成員 資料に対する質問なのですが、資料2の2ページ「看護教員に関する現状」ということで、前回質問すべきだったかもしれませんけれども、専任教員数の分布で望ましいとされる教員数からの増減の「減」のほうなのですが、マイナス1とかマイナス2というのはまだ理解ができるのですけれども、マイナス3とかマイナス4で学校としてよろしいのかというのがちょっと疑問なのですが、これはどういう状況でマイナス3、マイナス4が出てきているのかをお尋ねしたいのですが。
○遠藤座長 事務局、いかがでしょうか。
○関根教育体制推進官 こちらは養成所が実際に入力していただいた数ということになっておりますので、完全に精査し切れているかと申しますとそうではないのですけれども、例えばマイナス1とかですと、恐らく産休とか一時的に育休などで欠けてしまった場合などが想定されるのですけれども、今おっしゃっていただいたマイナス3とかマイナス4のあたりは、例えば、閉校を考えているような養成所も想定されるところでございます。
○島田看護課長 事務局でございます。補足で説明させていただきますと、第5回検討会の資料3でもお示ししたものの改めて数字をお示しした資料なのですけれども、前回の資料ですと少し詳しめに望ましいとされる教員数の意味をお示ししておりましたけれども、養成所として指定する基準には充足しているわけですが、学生数に応じて教員数をさらにふやしていただくことが望ましいということを通知でお示ししているという形になっておりまして、それよりも多い人数、それよりも少ない人数というのが望ましいとされる教員数からの増減という形で示させていただいた資料になっております。ですので、マイナス4となっている養成所が実際にマイナス4であったとしても、指定規則上は養成所として指定されるに足りる教員数はいるのですが、より望ましい教育体制ということでは若干不足しているという状況にあるのではないかということかと思っております。
○遠藤座長 井伊構成員どうでしょうか。
○井伊構成員 「望ましい」ので、プラスになっている学生に対しては対応していない数だと理解してしまうのですが、それでよろしいですか。
○島田看護課長 対応していないというか、実際に学生さんに対する教育は行われていると思うのですけれども、望ましいとされる教員数からの乖離がこれだけあるという実態のデータになっております。
○遠藤座長 関連で池西構成員どうぞ。
○池西構成員 今のお話で少し気になっているところなのですが、皆さんのお手元の資料の指導ガイドラインが載っているのが青の附箋のウの7ページに、専任教員のことが載っているのですけれども、(9)ですが、保健師・助産師養成所にあっては、学生が20名を超すごとに1名増員することが望ましいことになっているのですが、看護師養成所、3年課程の定時制を含む及び2年課程にあっては、学生総定員が120を超える場合には、学生が30人増すごとに1人増員することになっていて、ここは「望ましい」と書かれていないので、ここまでが必要な条件と受け止めていたのですが、これは単に「望ましい」がないだけですか。准看護師も「望ましい」になっていて、看護師は「望ましい」がないのですね。だから、望ましい範疇ではなく、決められた範疇という理解をしていたのですが。
○遠藤座長 事務局どうぞ。
○島田看護課長 ただいま御指摘がありました資料の表現ぶりについては確認させていただきたいと思います。ただ、このガイドラインはあくまでも通知という形でお示しさせていただいているものなので、養成所として指定するに足りる基準というのは保健師助産師看護師学校養成所指定規則の省令で示させていただいた基準を満たしているということが、保健師・助産師・看護師・准看護師の養成所に対しても共通事項でございますので、そこは守っていただかないと指定できないと。
このガイドラインの方では、そこを上回る状況ではあるのだけれども、望ましい体制を示させていただいているガイドラインという、そもそもの位置づけになっているところは職種ごとの違いはないという取り扱いになっております。
○池西構成員 そうすると、今の資料2の2ページの望ましいとされる専任教員数の増減の「望ましい」の中には、先ほどの看護師養成所の30名を超えるというのも含まれていると考えてよろしいのですね。わかりました。
○遠藤座長 ほかに何かございますか。
井伊構成員どうぞ。
○井伊構成員 もう一つ質問なのですが、資料2についてですけれども、看護師については14条の報告に基づくということでこれだけお出しいただいているのですけれども、准看護師養成所の教員数と実習施設数等については、全くデータはないのでしょうか。都道府県には報告しているのでしょうから、調べたら出てくるのではないかと思いまして、今回の検討会におきましては教育体制・教育環境についての検討は、准看護師養成所に関しても同様に行うわけですので、やはり資料はあるべきだと思いますので、可能な限り出していただきたいと思います。
○遠藤座長 事務局いかかでしょうか。何かコメントはございますか。
○島田看護課長 資料の専任教員、実習指導教員のほうで保健師・助産師・看護師の養成課程について示しておりますプロットは、保健師助産師看護師法施行令第14条に基づく報告ということで私どもは14条報告と申し上げておりますけれども、その報告で私どもに直接養成所からデータをいただける仕組みができておりまして、このデータになっております。
一方で、准看護師のほうはそういった法令での規定ではないので、今すぐ私どもの手元にデータがあるという状況ではございませんので、各都道府県のデータの収集状況も、お示しできるデータがあるかを確認していきたいと思います。ありがとうございます。
○遠藤座長 よろしくお願いします。
ほかに何かありますか。釜萢構成員どうぞ。
○釜萢構成員 ちょっと先の話ですが、資料1の3教育環境のところにかかわってくるかと思いますが。
○遠藤座長 申しわけありません、まず教育をやって、それから実習施設をやるというようにいこうかと思いますので、申しわけありません。
教育のところで何かございますか。池西構成員どうぞ。
○池西構成員 看護教員の養成につきましては、日本看護学校協議会も質の向上ということでとても重要視しています。そのため、教務主任養成講習会を日本看護学校協議会で3年間かけてやったのですが、なかなか受講生が集まらない。先ほどの受講率の数字もそうなのですが、最も集まりにくいのが教務主任養成講習会です。ですから、eラーニングについてぜひお認めいただく方向と、さらに、専任教員と教務主任、積み上げというところまではいかないのですが、教務主任に必要な課目に限定した形で、今、教務主任養成講習会のガイドラインに示されたものとはちょっと違うのですが、モデル事業を次年度から日本看護学校協議会が取り組もうとしています。その成果をぜひ見ていただきながら、一歩前に進んでいただけるとありがたいと思っています。
○遠藤座長 ありがとうございました。ほかに1教員のところではよろしゅうございますか。
それでは、2実習施設に関して御意見がございましたら、お願いします。池西構成員どうぞ。
○池西構成員 池西ばかりで申しわけありません。実習施設については、先ほどの指導ガイドラインの16ページに、主たる実習病院の条件が規定されています。
その中で、17ページに主たる実習病院以外、つまり成人・基礎以外の実習施設についてというのが(3)にあるのですが、これから在宅・地域への拡がりを考えたときに、この部分に該当するところがあると思うのですが、その基準について、前のページの(2)の主たる実習施設の条件のイからキまでといったら、ほとんど全てです。このあたりの規定が枠を広げるのにとても困難なところです。実習施設とは質の担保がとても難しいので何でもいいとは思わないのですが、その条件をどこまで緩和できるのかをしっかりと考えていきたいのと、同時に、17ページの(4)が病院以外の実習の単位数は、在宅看護論を含めて指定規則に定める23単位なのですが、そのうちの1~3割という規定があって、こうなると在宅看護論が既に現状は2単位ありますので、なかなか病院から外れにくいという現状がありますので、これからどうするかの検討が必要だと思っています。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ただいまのことに関連してでも結構ですし、そうでないことでも結構ですが、何かあれば。井伊構成員どうぞ。
○井伊構成員 前回、もし、そういう例があればということで発言させていただいたのですけれども、先ほどの教員にも関連するのですが、実習施設によっては1病院で大学の実習も受け、3年の養成所の実習も受け、准看護師養成所の実習も受けるというようにたくさん受けている病院もあれば、そうではないところもあると。そういった調整などについて都道府県でやっておられるような例があれば、お示しいただければという発言をしたと思っておるのですが、そういったことはないのでしょうか。つまり、実習施設の要件化もそうなのですが、実際どのくらいの病院がどのくらい受けていて、まだ受けられるのか、もっと何かを緩和しないと難しいのか、先ほど池西構成員がおっしゃった地域包括ケアをこれから進めなければいけないといったときに、病院に実習しなければいけない規定が強いので、そこは緩和すべきと思うのですけれども、それにしても実態が今ありませんので、全て都道府県でそういった工夫をしているような例がないでしょうかという質問です。そうでないと、1ページ目の養成所及び実習施設における指導体制ということで、臨地実習において養成所と実習施設の役割分担というのは、現場の皆さんはすごく工夫しているので、またさらに一層進めと言われても、果たして何をどう進めるかのということにも関連しますので、もう少し組織的に、公的に対応できているような例をお示しいただければありがたいと思います。
○遠藤座長 事務局何かコメントございますか。
○島田看護課長 前回、そういった御意見をいただきまして、それから保健師については自治体でも御調整されているといった御意見をいただいたところかと思います。恐らくそういった県のかかわりも実習施設を確保したり、調整していただくという意味で、非常に重要な役割を果たしていただける部分があるのではないかと思いますので、少し事例なども集めまして、ワーキングでそういった点も参考にしていただきながら御議論いただけるように提示していきたいと思っております。ありがとうございます。
○遠藤座長 よろしくお願いします。
ほかにございますか。中島構成員、お願いいたします。
○中島構成員 2実習施設のところなのですけれども、今、池西先生からもちょっと基準が厳しいのではないか、特に在宅系の施設に関しては厳しいのではないかといった御意見があったのですが、私もそれに全く同意でして、「多様な場での臨地実習の展開」というのがまず四角い枠の中にありますが、これは私は多様な人を学生がどう理解できるようにするのかと理解しますので、例えば、障害がある方、慢性的な経過をたどる方がたくさんいらっしゃるような施設に、学生がちょっと行けるようになるといいのかなとふだんから思っています。
私は実習を1年間受けていて、1グループだけ支援学校に研修に行けるように地域の中で話し合いをして毎年連れて行っています。やはり学生の学びがすごく大きいのです。身体障害のある方、知的障害のある方がどんな生活をしているのかということが学べ、理解が広がっています。看護学校の周辺地域との関係性を、教員がもっと幅広く持って、その中で多様な実習先に受け入れてもらえるような、地域包括ケアシステムの中の看護学校の役割というのを教員は考えていただいて、その学校独自のものでよいので多様な実習場所ができるような、ちょっと緩い基準もあるといいのかなと思います。以上です。ありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。重要な御指摘だと思います。
それに関連しても結構ですし。村嶋構成員どうぞ。
○村嶋構成員 多様な人ももちろん大事なのですが、普通の人の生活を見るということも大事だと思います。前回も申し上げましたが、普通の高齢者を見て、入院した方がおうちに帰るとこういう生活をしているということをイメージするのが今の学生はなかなか不得手ですので、そういう普通の生活を見るような実習、また、架空の家でもいいのですが、1つの家を拠点にして地域全体を見ていくような実習ですね。そこに普通の人が暮らしている、その人たちが入院したり退院して暮らしていくという、そういう支援ができるような実習を考えていただければと思います
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
そのほかいかがでございましょうか。春山構成員、お願いいたします。
○春山構成員 今の中島構成員の御意見も踏まえてですけれども、今の文言ですと、確かに多様な場での臨地実習の展開が可能となるようにと読み取れるのですが、これまでの議論は、人々の生活の包括性や継続性というものを学ぶことができるように多様な場も活用してという意味合いで議論が進められていたように思いますので、今の文言だと少し意味合いが違うかなと思いました。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
そのほか何かございますか。釜萢構成員どうぞ。
○釜萢構成員 ここの場がいいかどうかはちょっとわからないので事務局に御質問で、ぜひ今回の見直しの検討でやっていただきたいと思っておりますのは、例えば、看護過程でいうと母性あるいは小児の看護の実習がなかなか困難な場面があると。特に、男子学生が母性の実習はなかなか難しいという現実もあるわけですが、教育すべきレベルを落とすことなく、しっかりと実習、経験を積ませるために、従来の実習以外の方法も踏まえて検討する時期ではないかと思っておりますが、それはワーキングで検討すればよろしいのでしょうか、教えてください。
○遠藤座長 事務局お願いいたします。
○島田看護課長 御指摘ありがとうございます。そこもどういう工夫ができるのか、しかも、実習の質や学生さんの到達目標もしっかり達成していただけるような実習のあり方、演習の活用といったところもあるかと思いますので、これは看護師ワーキングがメーンかと思いますが、ワーキングでしっかり御議論いただくように資料にしっかり書き込みたいと思います。
○遠藤座長 よろしくお願いします。
ほかに何かございますか。井村構成員どうぞ。
○井村構成員 今の御発言に関してのことです。確かに重要な御指摘と思いましたので、目標や質を落とすことなく学生が実習できる、実地で体験できることの工夫をぜひお願いしたいと思います。
そのときに区別化していただきたいのは、学内演習で置きかえて、それを実習の一部とする傾向があったと思いますけれども、学内の学習を実習と見なすというような方向性は控えていただきたいと強く思っております。例えば、産褥棟に行くとか、母性の実習で学生さんが分娩見学をすることの難しさは確かに日本全国であると思います。しかし、母性、つまり人がお腹の中で育って、生まれて、その子どもが育つ、それを支える家族、周りの人々がどんなふうに生活しているのかということを学ぶ現場は得られると思います。実習という形の学習現場は確実に得られると思いますので、その辺の工夫の理解で進めていただけると大変ありがたいと考えています。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ほかに何かございますか。額賀構成員、お願いいたします。
○額賀構成員 本質的なところではないと思うのですけれども、高等学校からお話しさせていただくと、今、高等学校は文科省の方の前で言うのも何なのですけれども、高大接続改革の対応もあって、ICTの利活用に非常に力を入れて努力しているところです。現在の1年生から頑張っているのですけれども、これによって日本は欧米に比べてICTのリテラシーが格段に低いと言われているところが、差を縮めることができるのかなと思っているところですけれども、頑張っているところは、教員もそうなのですが、生徒たちにICTの利活用を進めるということで、パソコンやコンピューター、タブレット端末を授業の中で利活用していくということで、一人一人に1台ずつ配付して授業の中で常に使うというようなことが、今は私学が中心ですけれども、やっている学校が急増しているというところです。
その子たちが数年後には養成所に上がっていくことになります。ですので、私たちはいろいろ試行錯誤をしながらやっているのですが、恐らく生徒たちは吸収が早いですので、授業の中で使っていくという環境を多分養成所でも期待するのではないかと思います。試行錯誤してどうなるかは、なかなか見えないところがあるのですけれども、現実にそういうことになるわけですので、養成所のほうでもそのような環境を継続していただけるように、事務職あたりがそういう環境整備をする必要が出てくるのかなとも思いますし、教員の方々も研さんを積んでいただく必要もあるのかなと。当然今も努力されていると思いますけれども、一気に大きな変化が起こると思いますので、本質的なところではないのですが、その点も念頭に置いてやっていただけるとありがたいなと思います。よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
何かコメントはございますか。井村構成員どうぞ。
○井村構成員 教育環境や教員の養成ということで非常に重要な御指摘だと思って伺っていました。今、小・中・高の教員がカリキュラムに追いつけていない、追いつこうとして非常に努力しながら研さんを積んでいるということも伺っております。確かに、養成校の教員がそのような能力を身につけるための自助努力もとても重要だと思いますし、同時に、教員がそれらを学べるための国家的な施策や支援、つまり国家としてICT教育に取り組むという昨今ですので、そのような具体的な構想等々がありましたら、ぜひお聞かせいただきたいと思った次第です。本当に差し迫る案件思いますので、そのような能力強化に関して自助と公的な施策、財政支援等々に関して、少々カリキュラムとはずれますけれども教えていただけたらと思います。よろしくお願いします。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかに何かございますか。よろしゅうございますか。では、教育環境についても大体御意見は出尽くしたということでよろしゅうございますね。ありがとうございます。
ただいまの3つの観点において、いろいろと御意見をいただきましたので、本日の御意見を事務局にまとめていただきまして、それを一度皆様にごらんになっていただいて、問題がなければ、それをワーキングにお示しするという形にさせていただきたいと思いますが、このような段取りでよろしゅうございますね。
井伊構成員どうぞ。
○井伊構成員 済みません、ちょっと追加ですけれども、教育環境でもあるし、教員の負担軽減にも関連するのですけれども、私は前回、私どもの調査の結果を速報で申し上げたのですが、その中でも先ほど話題になりました教務事務をきちんと置いていただくということももちろんあったのですけれども、幾つかまだ負担軽減策や教育環境的な支援ということで、今ICTのお話が出ましたが、ICT導入による業務支援システムの導入を養成所にもお願いできたらという意見もありましたし、教育環境ということでは、学生がカウンセラー等の支援をちゃんと受けられるような仕組みの構築が養成所にも必要だという意見も出ておりましたので、追加ですけれども申し上げました。
○遠藤座長 ありがとうございました。
福島構成員、お願いいたします。
○福島構成員 先ほどの議論に少し戻るのですけれども、井村構成員もお話しされたリアルな実習がとても大事というのは大前提の上で、いろいろな患者さんの倫理の問題などが進んでいく中で、実際に現場の中に入っていけない場面もかなり母性の実習ではあるわけです。そういうことも含みましてシミュレーションラボ、海外ではかなりリアルなものが取り入れられていますので、それも学内演習の中でも認められていく方向もこれからはあるのではないかと、全く反対ではないのですが、追加という意味で必要ではないかと思っているところです。
○遠藤座長 井村構成員どうぞ。
○井村構成員 シミュレーションは当然のこととして重要という認識は十分持っております。つまり、演習を臨地実習に置きかえる方向性が著しくなることで、学生が実体験を持たないことによるリスクも考えられますので、その辺のあんばいはしっかりと行っていただきたいという意味でございます。先生の意見にも大変賛成です。
○福島構成員 ありがとうございます。やはり実習と演習の境目も、今までとは若干違う形で進めていく議論も必要ではないかと思っているところです。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
村嶋構成員どうぞ。
○村嶋構成員 それに関連してですが、シミュレーションをするにも、ICTをするにも、機材に強い人によるサポート体制といいますか、そういう技術職員が必要だと思います。せっかく高価な人形を買ってもそのままになっているケースもありますし、そこを十分使いこなす人員も必要だなと思います。追加です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
大体御意見は出尽くしたということでよろしゅうございますか。それでは、先ほど申し上げましたように、事務局にまとめていただきまして、皆様に一度御確認いただいて、問題がなければワーキングに出したいと思いますので、御了解いただきたいと思います。
次に、看護師ワーキンググループにおける検討状況を議題といたしたいと思います。看護師ワーキンググループの座長をされておられます山田構成員から、ワーキンググループの検討状況について御説明をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○山田構成員 山田でございます。これまでの看護師ワーキングについて御報告いたします。
5回開催をいたしました議題については、資料3にまとめています。看護師に求められる実践能力と卒業時の到達目標の改正案がある程度形になってまいりました。参考資料2の右側の赤いところが改正案でございます。
そのポイントは資料3にあるとおり3つございまして、検討会から示されました「将来を担う看護師に求められる能力」をもとにして、免許取得前に習得すべきもの及び到達とすべき水準を検討してまいりました。地域包括ケアシステムにおける看護師の役割について、構成要素及び卒業時の到達目標について明示してまいりました。曖昧な表現を明確にして重複している項目は統合してまいりました。
今後、教育内容・方法を検討した後、到達目標をもう一度検討し、ほかのワーキンググループでの検討状況も踏まえて、整合性がとれるように見直ししていく予定でございます。
細かい文言については、ワーキンググループで検討いたしますけれども、本日は大きな観点から、このような観点でも見直すべきなどの御意見がございましたら、ちょうだいできると幸いでございます。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、ただいまの御報告にありましたように、御意見等があれば承りたいと思いますが、いかがでしょうか。井村構成員どうぞ。
○井村構成員 御検討ありがとうございました。少々各論的になるかもしれませんが、3群の「1.健康保持・増進、疾病の予防」の従来の項目である31が、2・27と統合とあります。これは妊娠・出産・育児にかかわる援助の方法を理解するということでございます。例えば、2ですと胎生期から死までの生涯ということでございますし、27ですと生涯各期における健康保持というところで統合されたということと拝見しました。従来から申し上げておりますように、今、私たち大人がここに存在していますが、今までいなかった人間がそこに存在し始めるという生と生殖にかかわることとリプロダクティブ、つまり人間が1人新たに誕生するという、それは通常の生涯をわたるということとは全く次元の違うことという認識を持っております。また、今、女性活躍であるとか、子育て支援、次世代育成ということも、少子化であるからこそ強調されるべきことと思いますので、ぜひこれは「生涯の○○」ということでなしに、もう一つ上に上げて残していただきたいと考えております。よろしくお願いします。
○遠藤座長 ありがとうございます。これは特段お答えというのではなくて、御要望としてとりあえず承ればよろしいですね。また、ワーキングで御検討いただくということで。
ほかに御意見ございますか。酒井構成員、お願いいたします。
○酒井構成員 4群の「ケア環境とチーム体制を理解し活用する能力」に関しての改正案に関しまして、特に「P.保健・医療・福祉チームにおける多職種との協働」ですが、例えば、医学部のモデルコアカリキュラムや薬学部のモデルコアカリキュラム、看護学部もそうなのですけれども、実践能力をきちんと表現している形になっていて、「必要性について理解する」であるとか、「役割・責任を理解する」という文言ではないんですよね。「説明できる」とか「協働できる」と卒業時到達目標では書かれているので、このままで卒業してしまうと、看護師等養成所で教育された方々は、チーム医療の実践能力が必要性の理解だけで出ていってしまうことになって、それは多職種と一緒に協働していくときに非常によくない状態というリスクが高くなるかなということを懸念します。ですので、もう少し「何々ができる」という実用的な表現にする必要があるのかなということを非常に感じます。
同じように、看護職者の専門職の役割などについてもプロフェッショナリズムというような文言で出てこず、あちこちに散らばっているのですけれども、看護職者のプロフェッショナリズムというか専門職性を、きちんと他者に説明できるという力はチームで動くときにすごく必要かなと思うので、どこかで明言していただければと思います。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。御意見として承りました。
ほかにございますか。山口構成員どうぞ。
○山口構成員 私は、以前から看護師さんのコミュニケーション能力向上に力を入れていただきたいという思いがございまして、参考資料2で1群の「ヒューマンケアの基本的な能力」の13番でコミュニケーションが出てきます。今回「対人技法を用いて、信頼関係の形成に必要なコミュニケーションをとる」と書かれているのですけれども、この文言が入るに至った議論がどういうものだったのか、もし御紹介いただければ教えていただきたいと思いました。
といいますのも、例えば、患者がどういう言葉で、どれくらいの情報だったら受け止めることができるのかということもコミュニケーション能力だと思っているのですけれども、そのあたりをなかなか理解していなかったり、あるいはここはもう一歩踏み込まないとその患者を理解できないというときに、なかなか踏み込んでくださらない看護師さんが多いとかねてより感じています。ですので、そのようなコミュニケーション能力を高めるという、もう少し広いコミュニケーションに言及していただきたいという思いがあるのですけれども、信頼関係と赤で書かれているのですが、そのあたりどういう議論になっているのかを、よかったら教えていただきたいと思います。
○遠藤座長 山田構成員、お願いいたします。
○山田構成員 つぶさに記憶はしておりませんが、援助関係を築く前に信頼関係だろうと。だから広くなっているわけです。従来どおりの「対象者と援助的な」と言うと限られたコミュニケーションになるので、それよりも広く、人と人としてまず信頼し合おうというところから援助関係まで含めて、そのコミュニケーションを扱いたいと考えてはいると思います。
○山口構成員 信頼関係というのは構築するのが非常に難しいものだと思っておりまして、そう簡単に信頼できるねと言える問題でもないかと思うのですけれども、できれば幅広く今まで以上に踏み込んだコミュニケーションがとれるような、そういう教育のあり方をぜひ議論していただきたいなと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
それでは、木村構成員、お願いいたします。
○木村構成員 今の御発言や酒井構成員の議論とも重なるのですが、例えば5群に専門職者として研さんし続ける基本能力を身につけるという項目において、専門性についてはいろいろ書かれているのですが、看護師の仕事を社会にどうやって説明していくのかという、コミュニケーション能力の問題ともかかわると思いますし、先ほどの酒井構成員の保健・医療・福祉チームの連携という問題にもありましたが、地域包括ケアという問題も中心的な課題になる中で、専門職性という問題について5群の中でちゃんと位置づけたほうがいいように思いました。それは、看護師という専門職の問題のみならず、教育の問題や医療、法学、全ての専門職に課されている課題でもあると思いますので、何らかの形でここに反映されるといいのではないかと思います。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
ほかにございますか。井村構成員どうぞ。
○井村構成員 全体的なことです。先ほどおっしゃられたことですけれども、すべての語尾にかかわること、到達度にかかわることです。到達目標の表現として、到達度が設定されたら、それは評価可能であるということがセットでついてくると思います。その観点にも立ちまして、「理解する」という言葉であるとか「説明」「行動」「構築」「提供」、さまざまな次元の動詞で締めくくられています。この辺に関してはワーキングではどのような議論があったのかも教えていただきたいと思いますし、この際ですから、目標は評価可能であるというところに立ち返って、少し整理・洗練させていただけるとありがたいと考えます。お願いいたします。
○遠藤座長 山田構成員、いかがでしょうか。
○山田構成員 語尾はすごく討議してまいりました。一個一個について悩みどころがたくさんあって、1個それにはまると先に議論が進まないぐらい、皆さんさまざまな御意見です。それを1つの語尾でまとめるというのは非常に困難な作業ですので、具体的にこれについてはここまでいけるのではないかという御提案をいただいたほうが、作業が進みやすいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。そういう意味で、何かアドバイスがあればおっしゃっていただければと思います。
村嶋構成員どうぞ。
○村嶋構成員 関連ですが、そういう意味では71番の「向上に努める」だったものが「必要性と方法を理解する」のではなく、やはり自分の能力の維持・向上に努めるような態度は身につけないといけないと思いますので、言葉を「理解する」に落ちてしまったところはぜひ元に戻して向上していただきたいと思います。
それから、先ほど27番の母性のところが発達の中で統合されました。同じように56番のリスク・マネジメント、57番の治療薬が、55番のリスク・マネジメントや患者安全の中に入ってしまっております。しかし、お薬の管理というのは非常に大事ですので、母性が統合されて中に入って見えにくくなることはとても大変だと思いますし、57番の治療薬の安全な管理についても項目として残しておくべきではないかと思います。ソーシャルサポートも含まれてしまっておりますが、手段的支援や情緒的手段とか、そういう具体的な手だてがある程度きちんと見えるように残していただきたいと思います。
それから、67番と68番ですが、日本と諸外国と順番が入れかわったのはいいのですが、67番は、国際的観点から日本のことを理解するというのがあったのだと思います。今回の67番、68番は、日本と諸外国とが別々に出てきているような気がいたしまして、国際化の中での日本の保健・医療・福祉のあり方をきちんと考えて、次の課題について提言できるような能力が欲しいと思いました。提言はないので、説明できるレベルになるのかもしれませんが、分断して違うものを見るのではなく、グローバルな中での日本をきちんと理解し、説明できるというように上げていただきたいと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
先ほど釜萢構成員が関連で手を挙げておられましたので。
○釜萢構成員 私も看護師ワーキングの構成員なので発言をしたいのですが、ずっと議論に参加してまいりましたけれども、今回は卒業時の到達目標というレベルであることから、今御指摘をいただきました数々の点はしっかり重く受け止めて、またワーキングでも山田先生のもとで検討することになると思いますが、やはり卒業時の到達目標が余りにレベルが高くなるのは現実的でないという認識で少し修正し、「説明できる」を「理解する」に変えてきたりしたところが多々ありました。それは、先々看護師になって実際の業務を行う上で身につけていただきたいという部分もあるかなと感じておりまして、あくまでも3年課程の養成所における卒業時の到達目標という視点で議論をしていることを御理解賜りたいと思います。
○遠藤座長 補足の説明ありがとうございます。
井伊構成員が先に手を挙げられたと思いますので。
○井伊構成員 本当に到達目標の検討は大変だと思いますが、改正のポイントとして3つ挙っていまして、先ほどの幾つかの意見との関連ですけれども、重複している項目は統合した、これはそうだろうと思うのですが、もちろん曖昧な表現を明確にするというのはそうなのでけれども、重複している項目の統合と、少し似ているから寄せたということとはちょっと違うと思うんです。似ているから寄せると、かえって抽象度が高くなって、具体の何を目標にしていいかよくわからなくなるということも見受けられるのかなと思います。
その1つが、4群の「N.看護チームにおける委譲と責務」ですけれども、今回は准看護師も到達目標つくるということでワーキングに動いていただいていますが、その関連からいたしましても、実際の現場では看護補助者の配置も推進をされていて、多職種を含めたチームという前に、まず看護チームにおける看護師の責任はどうあるのか、それから、委譲とはどういうことかを理解するというのは、前段で不可欠だと思います。
改正案ですと、Pのチームのところに新項目として「看護チーム内における看護師の役割と責任を理解する」となっているのですが、これはNのもともとの構成要素をそのまま到達目標に持ってくるような移動のように見えまして、かえってこれでは抽象度が高くて内容としては十分な意図が明記されているとは思えないという意見です。ですので、看護チームにおける委譲と責務は残すべきではないかと思いますので、再度よくよく御検討いただきたいと思います。
それから、やたら難しくする必要はないというのは、そのとおりだと思うのですが、例えば、1群のAの1の改正案ですと、対象者の状態を理解するのに必要なものを理解する、理解するために理解するという文脈になりまして、今回、全体的には能力としては強化しようという方向でワーキングでは御検討いただくことになっておりました。そうすると、人体の構造と機能について理解して、対象者の状態について説明できる。今回、到達目標については、参考資料2の枠外の「※実践については、看護職員や教員の指導の下で行う」というのが大前提なんです。ですので、説明するようにしたからといって特段にすごく上がるというよりも、行うことについては全て指導のもとで行うというのが到達目標の大前提ですので、理解するために理解するかのような表現ではなくて、一定の説明ができるために理解をするというふうに置いてもよろしいのではないかと思います。
○遠藤座長 御意見ありがとうございます。
木澤構成員、お願いいたします。
○木澤構成員 ここでの議論のように、私もワーキングの一員なのですけれども、非常に細かい語尾ですとか、どのくらいの抽象度にするかということで議論が非常に多くありました。
一例ですと、先ほどのリスク・マネジメントの件ですが、Oの56、57ですと、リスク・マネジメントといいますと非常に看護師が担う範疇が大きくて、薬剤であるとか感染であるとか、看護師であるので療養所の世話というのが大きな業務になっております。そうすると、療養環境として転倒・転落や非常に細かい部分があるということで、抽象度を高くしていこうという議論になっていたと記憶しております。
以上です。
○遠藤座長 補足の説明ありがとうございます。
ほかにございますか。前田構成員どうぞ。
○前田構成員 私もワーキンググループの資料を拝見いたしまして、高校を卒業したばかり、あるいは別の社会で働いておられた方が学生として過ごされる3年間なり2年間というところで、将来的な看護職のあり方も含めたプロセスとして御検討いただいて、大変御苦労いただいているなという感じがいたしました。これまでの意見の中で、どうめり張りをつけるかという話を踏まえていただいているのかなと感じました。
その中で、特に3年間のプロセスで重点的にやっていただきたいと思うのが、山口構成員と同じなのですけれども、高齢者と接したことがない学生さん、あるいはお友達ではない人としゃべる機会が少ないお子さんがふえてきているような気がしますので、教員の皆さんにも強く、特にめり張りを感じていただくために、コミュニケーションのところはやや高い目標をしっかり書いていただけたらよろしいのではないかと思いました。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかに何かございますか。池西構成員どうぞ。
○池西構成員 先ほど、井伊構成員からおっしゃられた4群の「N.看護チームにおける委譲と責務」ですが、ワーキングのメンバーですが、まず、これが上がった経緯としては、これは平成23年の討議ですから7~8年前にこのことを討議したときに、看護職者がいろいろなものを抱え過ぎていて、これからはチームとして委譲しなければいけないことがあるよねということでクローズアップした記憶があります。今は、もう委譲が進んでいるのではないかということその委譲についてどこまで看護基礎教育、つまり卒業時の学生たちに期待するのかといったときに、委譲については卒後でもいいのではないかというようなことから、ここをほかのところに置きかえるという討議をしたのです
○遠藤座長 ありがとうございます。
井伊構成員どうぞ。
○井伊構成員 委譲が進んでいるのは実態だと思います。だからこそ、学生のうちに、それはどういうことなのかをちゃんと理解しておくことが必要であろうということで、あえて申し上げました。それが看護チーム内における看護師の役割と責任を理解するということに集約されているということだろうと思うのですけれども、私としてはそれでは抽象度が高過ぎて意図が伝わらないと思います。委譲が進んでいるからこそ、基礎教育で理解しておく必要があるという観点で申し上げています。
○遠藤座長 ありがとうございます。
酒井構成員どうぞ。
○酒井構成員 関連しまして、Pの60の下に、今議論の対象になっている「看護チーム内における看護師の役割と責任を理解する」とありますけれども、看護職のチームの中で看護師の役割と責任を理解するという意味合いが不思議な気がします。看護職同士の中で看護職の意味を理解する、結局それは看護職の役割と機能をちゃんと説明できるということと同義だと思います。多職種に対してでも自職種に対してでもきちんと説明できるということをしなければいけないのに、何でこれが看護チームにおける看護師の役割・責務になるのかなというのが、今の議論をずっと聞いていて、そういう変遷があったのだなと思うのですけれども、これこそ自職種の役割をきちんと説明する責任を果たすということが、今まできちんと共通合意されていなかったのだなということが理解できましたが、そういうこともあわせて、レベルの整合をきちんととっていくほうがいいなと思います。
例えば「K.慢性的な変化にある対象への看護」というレベルでは、健康課題に向き合う家庭を支援するという、いきなり支援するということがバーンと出ていて、これはOKになっているのに、どうして自分の仕事を説明できるというのが理解でいいみたいなことになるのか私はよくわからないという意見です。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。これも御意見として承っておきたいと思います。
ほかに何かございますか。中島構成員、お願いいたします。
○中島構成員 ちょっと個人的な感覚での発言になってしまいますが、1群の4番の「実施する看護の根拠・目的・方法について対象者の理解度を確認しながら説明する」というのが、ふだんから患者さんの満足度を確認しながら看護を提供している者としては、理解度を確認しながらではなく、同意をしているかどうかを確認しながら説明できるようになるといいのかなと思います。
例えば、誰々さんは顔が赤いので血圧をはかりますよと言いながら既にマンシェットを巻いているのか、それとも「はかりますよ」と言った後、患者さんが「うん、お願いします」と言ってから血圧計のマンシェットを巻くのかは、患者さん自身の満足度というか、看護師からきちんと説明を受けて自分が納得したことを同意してからやってもらうというのはすごく大きな違いがあるので、説明だけではなく、きちんと同意したことを確認する必要性を入れていただけるといいかなと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
ほかに何かございますか。村嶋構成員どうぞ。
○村嶋構成員 何度も済みません。Qの地域包括ケアシステムのところですが、先ほど療養者の生活の質の維持・向上に向けて支援するというのが43にあるということですが、Qに対象者を取り巻く地域の資源について将来活用できるように説明できるとか、退院していった先、地域での生活を含めて、地域の資源についての項目を挙げていただきたいと思います。Qのところだと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
いろいろと御意見が出ましたので、事務局がきちんとまとめていると思いますので、今のような御意見をワーキングで御検討いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、助産師及び保健師ワーキンググループにおける検討状況の議題に移ります。
まず、助産師ワーキンググループ座長の福島構成員から、ワーキンググループでの検討状況の御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○福島構成員 お願いいたします。助産師のワーキンググループは現在まで2回の会議を開きました。本日は、助産師ワーキンググループにおいて看護師の教育と同じように技術項目を別途作成することが望ましいという議論が出ており、助産師についても技術項目を作成することとしてよろしいかということを御議論いただきたいのですけれども、そのワーキングで合意が得られた件について御報告させていただきます。
まず、助産師に特有な正常分娩等に関する技術項目を設定して評価することが可能であるため、今回の見直しの際に、卒業時の到達目標とは別に、助産師教育の技術項目と卒業時の到達度をワーキンググループにおいて作成することが望ましいと合意をとりました。
また、それに関しまして、実際に卒業時の学生が習得すべき助産師特有の技術項目、卒業時の達成度を明示することによって、従来の卒業時の到達目標よりも習得を目指す技術が明確となり、養成所の教員や実習施設の指導者、また、学生自身がその習得度合いを評価・共有しやすくなるのではないかという2点から、今回、技術項目を別途作成させていただくことにつきまして、了承をいただければと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。以上の技術項目を作成するということについて、いかがでしょうか。
春山構成員どうぞ。
○春山構成員 技術項目を作成することに依存はございませんけれども、助産師のワーキンググループの中で技術というものは、到達目標に対してどういう整理をされているのかを、ぜひお聞きしたいと思います。
○福島構成員 きょうは、まだ整理の段階ですので皆さんに提案はしていないですけれども、先ほどの看護師のワーキングと同じような形で、その中の助産師の大項目といたしまして、妊娠期の診断、分娩期の診断とケア、産褥期の診断とケア、出産・育児の家族ケア、女性へのケアという5つの項目に分けて、周産期を含む、またさらに女性の生涯にわたる健康支援の項目を助産師の教育の到達目標と位置づけています。
○春山構成員 済みません、到達目標に対して技術項目というのは、どういう位置づけになるのかというところについては。
○福島構成員 到達目標というのは、全く看護師と同じレベルでして、技術としてしっかりそれを押えるという点を別途挙げています。例えば、分娩のあたりでは分娩開始の診断ができるとか、具体的な技術そのものの評価をするという意味でございます。
では、追加でお願いします。
○遠藤座長 事務局どうぞ。
○関根教育体制推進官 事務局から補足させていただきます。例えば看護師の現在の卒業時到達目標と技術項目の関係性ですが、参考資料2の22番に、昔の言葉ですと「看護援助技術を対象者の状態に合わせて適切に実施する」という文言がございまして、こちらは見直しの結果「看護を実施する」ということになっているのですけれども、この「看護」の技術について、テクニカルスキルの手技に該当するものを技術項目として設定し、到達度を評価するというたてつけになっております。これと同様に、助産師も卒業時到達目標で見たときに、先ほど福島構成員がおっしゃったような、正常な分娩の介助を行うという技術をさらに詳細な技術項目に落とし込んでいくということで、今見直しを考えているところでございます。
現在、看護師のワーキンググループで技術項目を見直している段階ですけれども、その中でも技術をどう定義するかという話になりまして、知識や観察といったところは、今回はなるべく卒業時到達目標の方に含ませるということで、基本的に技術項目といったときにはテクニカルスキルの手技の部分を記載していくということで、今、整理させていただいているところでございます。
○遠藤座長 確かに御質問の意図はよくわかります。看護師のところでそれが例として出ていると、こういうものをアナロジーでつくるのだなというものが出ているのに資料にないものですから、そういう質問になってしまったわけですね。
ほかにございますか。井村構成員どうぞ。
○井村構成員 同じ助産師で恐縮なのですけれども、今、ワーキングで行っていることの再度確認をさせていただきたいのですが、技術をどう定義するかというのと同じ質問です。技術を今テクニカルスキルとおっしゃられて、正常分娩を中心に、例えば、会陰縫合ができるとか、新生児の羊水をふくことができるとか、つまり可視化できて観察できるようなテクニカルスキルの技術項目という意味でおっしゃっているのか、先ほど福島構成員が「診断できる」という言葉をお使いになって技術項目とおっしゃられたと思うのですけれども、そうなってくるとかなり統合的な表現になるので、それが技術ということでの評価が可能かどうかというあたりが私としては疑問に思ったので、どの次元のことかなと思いました。
看護師の技術項目でも、例えばアセスメントできるとか指導できるという項目もありますと、いわゆる本当のテクニカルなことなのか、どういう次元の技術項目と到達度ということを想定していらっしゃるか、もう一度だけ説明していただけるとありがたいです。
○遠藤座長 福島構成員、お願いします。
○福島構成員 確かにおっしゃるとおり、その辺の議論はかなりありました。しかしながら、先ほどの分娩の技術そのものだけではない、例えば、妊娠期の診断とケアという大項目の中で、またさらに中項目をおろして、今お手元にないのでわかりにくいですが、「アセスメントできる」という文言で終わっているところもあるのですけれども、それに関しましては、到達度のレベルを単独で実施できる、指導の下で実施できる、実施が難しければ見学というような感じで、ある意味大ざっぱなのですけれども、そのくらいの観点で評価していくという形で今回はつくっています。また、これを実際に見ていただいて、その中でいろいろと御検討いただければと思っております。
○遠藤座長 きょうは、基準をつくっていいかどうかのお許しをいただけるかどうかということですので、また当然、途中経過を御報告いただく形になるかと思います。
ほかに何かございますか。菱沼構成員どうぞ。
○菱沼構成員 私の理解がよくないのかなと思っているのですが、青いファイルの赤の参考資料5の平成19年の検討会の報告書なのですけれども、助産師の技術項目と卒業時の到達度案というものと保助看のそれがあるのですが、これと今議論しているものは関連するのでしょうか。
○遠藤座長 福島構成員どうぞ。
○福島構成員 今、先生が御提示いただいたものをかなり参考にしながら今回つくっているところです。
○島田看護課長 事務局でございます。
ただいま御指摘いただいた報告書に掲載されている助産師教育の技術項目と卒業時の到達度の案という資料でございますけれども、この検討会のときに案としてつくっていただいたという位置づけになっておりまして、その後また時間が経過し、別途教育に関する検討会を設け、今のガイドラインの中でお示しをしております到達目標という形で、今示させていただいているものとしては到達目標という形になっています。ですので、ここで過去の資料2となっているものは、今、通知としてお示ししているものの中にも一部含まれておりますけれども、技術項目という形でお示しできていないものなので、再度このたび技術項目という形で整理させていただくということでいかがかということでございまして、先ほど福島構成員からもお話がありましたけれども、こちらの資料も参考にしながら技術項目はこれからつくっていくということでいかがかということをお諮りできればと思っております。
○遠藤座長 そういう位置づけだということでございますが、よろしゅうございますか。ほかに何かございますか。それでは、助産師につきましては技術項目の作成をお願いするということで、よろしくお願いしたいと思います。
続きまして、保健師ワーキンググループの座長をされておられます春山構成員からワーキンググループでの検討事項の説明をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○春山構成員 保健師ワーキンググループは、これまでに9月と10月に2回開催しておりまして、議題は資料4の下のとおりです。現在、卒業時の到達目標について検討しているところです。これに当たりましては、こちらの会で検討されたことを踏まえて、保健師としての役割をさらに発揮できるような能力の強化として挙げられていること、そして、充実すべき教育内容、特に公衆衛生看護学の健康危機管理能力、職業生活集団や学校生活集団等に対する実践力の強化といった内容を明確にすること、それから、疫学・保健統計学の部分や社会資源のシステム化や施策化を図る能力の強化というところで内容を充実させ、レベルについても免許前に必要な到達度というところで、今の時代とこれから求められるところを考慮して検討しているところでございます。
また、これまでの到達目標の概念が曖昧というか、若干重なっている部分もありますので、そこについて少し整理しているところです。
先ほど助産師では技術項目を検討するということになりましたけれども、保健師教育においては、これまで検討会でもワーキンググループでも技術項目の作成ということは出ておりませんけれども、保健師のほうでも看護師、助産師と同様に技術項目を検討するとしたほうがいいのかどうか、その方針をぜひ、こちらの検討会でお示しいただきたいと思います。
私の意見ですけれども、先ほど菱沼構成員が指摘された資料1というのは、保健師教育の技術項目の卒業時の到達度案ということで、日の目は見なかったようですけれども以前に検討されたものですが、一般的に保健師の技術というと家庭訪問、健康相談、健康診査、健康教育、地域診断や組織化、事業化といった内容になり、私が先ほど技術をどう定義するのかとお聞きしたのは、保健師の場合はテクニカルスキルというたぐいのものではなく、御存じのように、保健師は業務独占ではなく名称独占ですけれども、保健師としての機能・役割が付いていったときに達成しなければならないようなことがあるので、到達目標と区別して整理していけるかどうかの懸念があるのですが、いずれにしても技術項目として検討する方針となるのかどうか、また、検討するとなったときの技術の考え方について、この会で少し御検討いただければと思っております。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
保健師の場合は先ほどの課題がさらに難しくなるわけですね。保健師のテクニカルスキルとは何かという話になるわけですが、いかがでしょうか。
村嶋構成員どうぞ。
○村嶋構成員 確かに、今まで技術項目として私たちのほうから声を上げなかったのは、ちょっと怠っていたなという気も自らいたします。ぜひ、この機会に技術項目を設定していただければと思います。資料1にあるような保健師の技術項目と卒業時の到達、今、目標を決めていらっしゃると思いますので、基本的にはそれに基づくようなもの。そして、もうちょっと現在必要になっているような、実際に働いている場合は全体の予算のことだとか事業企画のことも入ってきますので、ぜひ技術項目はつくっていただきたいと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
では、山田構成員どうぞ。
○山田構成員 看護師ワーキングのほうでは、技術項目はかなりテクニカルスキルに焦点化しましたので、アセスメントできるというのは落としてきています。到達目標と技術項目があって、考えるのに非常に混乱する場面が多々あり、どちらか1つになるのだったら、そのほうがすっきりしているのではないかと思うこともあります。なので、技術は私どものほうはテクニカルスキルに特化していますので、それを御参考に御検討いただければと思います。
○遠藤座長 助産師も、そのような視点でつくられているというニュアンスが強かったですよね。そうではなかったですか。
○福島構成員 若干視点が、先ほども言いましたように、アセスメントするという項目も入っておりますが、その辺につきましても資料が出てから御検討いただければと思うのですが、その辺は結構議論の核心かもしれないです。
○井村構成員 保助看、准看すべて、親会議の責任範囲においていろいろ議論されることと認識しています。日本の国の中で看護関連職種の到達目標の設定の仕方や技術項目設定の仕方が微妙にずれていること自体は大問題になると思いますので、その辺はどこかできちんと一定線を出すということは今後ここで行っていくという認識を今持ったのですが、その辺はいかがでしょうか。
○遠藤座長 事務局にお尋ねします。それぞれの職種で到達目標にしろ、技術項目の評価にしろ、つくっているわけですが、ある程度全体の基準は統一されていなければいけないだろうということで、その辺を最終的にチェックするのはこの部会かどうかという理解でよろしいですよね。
○井村構成員 設定の仕方が統一されておらず、4職種で設定の仕方が微妙に違うという事態は避けたいと思っております。
○遠藤座長 では、菱沼構成員どうぞ。
○菱沼構成員 私は、保健師の教育というのは、テクニカルなものを何か教えるということではなく、ものの見方、考え方、どちらかといえばそちらが大きいと思います。無理にそれを技術として抽出するといったときに、一体何があるだろうかと考えますとイメージが湧かない。助産の場合ですとイメージが湧きますが、保健師に関して私はそのイメージを持てないです。ですので、法律上も違いますし、全てをそろえなければならないとは私は考えていないので発言させていただきました。
○遠藤座長 そうなってくると事務局のお考えもお聞きしたいですね。それぞれの職種の中で独自の評価をするものでいいのかどうか、あるいは恐らく場としてはこの場でやることになると思いますけれども、視点が余りにも違い過ぎているのはやはりよろしくないので、どこかで統一的な調整が必要だと考えているのかどうかということ。
○島田看護課長 最終的には、局長と相談して答えなければいけないところなのかもしれませんが、あるところまで到達していただきたいということで、もとはといえば指定規則でこういう内容で何単位学んでいただかなければいけないとか、それに対する教員数を定めることといった大枠は、基本的に同じ法律の中に定めている保健師・助産師・看護師・准看護師ですので、たてつけといったものは同じように示すべきと考えておりますけれども、先ほど御意見がございましたが、それぞれの免許ごとに目指すべきものですとか、なすべき業が全く同じではないので、そういう意味で、例えば今、議論になっております技術項目を示すことになりましたときに、その業を担う職種、免許ならではの技術とは何かといった御議論があって、それに基づく到達度を示すというようなことは、それぞれの免許ごとに設定していかなくてはいけない場面もあるのではないかと思います。
先ほど山田構成員がおっしゃってくださいましたけれども、看護師についてはテクニカルスキルというもので整理しようということで、それが看護師の業になじむからということで今御検討いただいているところかと思いますが、それを助産師ではどうなのか、保健師ではどうなのかといったところも検討会でも御意見をいただきたいと思いますし、ワーキングで技術項目について御検討いただくという方向になりましたら、その点も含めてワーキングで御議論いただきまして、方向性、考え方を整理していただいてお示ししていくといったような御議論を進めていただくということかと考えております。
○遠藤座長 ありがとうございました。
どういたしましょうかということで、技術項目についてワーキングで検討していただくかどうか。1つの考え方は、保健師にとっての技術項目の技術は何かという共通認識がなかなかできていないところもあるので、とりあえず御検討いただいてこれでどうかと、そして到達目標と大して変わらないではないかという話になれば、必要ないという話になるかもしれませんし、そういう段取りが我々としても扱いやすいような気がしますので。
関連ですか、山口構成員どうぞ。
○山口構成員 全く素人の一般の立場から見たときに、助産師さんの技術項目というのはまだイメージできるのですけれども、保健師で技術項目と言われたときに私は具体的なイメージが湧かなかったんです。ですので、ワーキングでしっかりと議論していただいた結果、今、座長がおっしゃったように、こういうものだというものを示していただいて、それが果たして技術項目かどうかを議論するということでいいのではないかと私は思います。
○遠藤座長 全く私が申し上げたとおりですので、局長どうぞ。
○吉田医政局長 先ほど看護課長から申し上げましたようなことの繰り返しであり、ひょっとすると、この後座長がとりまとめとして御発言いただくようなことを事務局の思いとして申し上げることになるかもしれませんが、まず、先ほどお尋ねのありました場の問題からいえば、3職能それぞれにおける基礎教育の到達点レベルを改めてこの際きちんと見直すということがミッションということからやれば、3職種を並べてみたときに、統一というのは枠組みの問題というよりも、それぞれ職能に求められるであろうものに対して十分な一定の到達目標という形でのゴールが、3職種同じようなところで設定されているかどうかを並びで見ていただくのは、まさにこの場だと思っておりますので、私どもは遠藤座長を初めとする皆様方に、そういう観点からの御議論をいただきたいというのが、まず1点です。
その上で、今の技術項目をそれぞれに中に入れ込むかどうかについては、この御議論にもありましたように、私どもとしては、それぞれの職能、教育の到達点の中をどう分解するか、それがわかりやすいかということも我々事務方の国民の皆さんに対する説明責任を果たす立場から言うと、ここにおられる専門家の方々、そしてワーキングで御議論いただいている議論を見える化した上で最終的にどう整理するか。それも含めて、ここで横並びで見ていただくということかと思います。
そういう意味では、今日、資料を事務局として用意させていただきましたが、それに先だっては、それぞれワーキングでの御議論を私どもとしても整理させていただいてのこの場での議論の問題提起ということでございますから、今、座長がおっしゃりかけたところをひょっとすると少し違う形で取り上げたのかもしれませんが、御議論いただくことを事務局としては一生懸命支えさせていただきたいと思います。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。見事にまとめていただきました。
ということですので、ワーキングで少しもんでいただいて、またこちらの場で御検討いただくという形にさせていただきたいと思います。
○春山構成員 先ほど村嶋構成員からお話がありましたけれども、現在検討している到達目標を達成するために必要な関連する技術があるのかどうか、保健師の技術は何なのかというところをワーキンググループで検討させていただいて、その結果をこちらでお諮りさせていただければと思います。
○遠藤座長 よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
それでは、本日用意いたしましたアジェンダはこれにて全てでございます。何か全体を通して御意見・御質問等ございますか。
井伊構成員どうぞ。
○井伊構成員 本日は、看護師の到達目標について出していただいて、准看護師のほうも議論が進んでいると聞いておりまして、これを横並びで見る機会というのはいつごろ、どのようにしていただけるのかというのを確認させていただきたいと思います。
○遠藤座長 横並びというのは、3ワーキングが全部出てくるという意味ですか。
○井伊構成員 特に看護師と准看護師。
○遠藤座長 准看護師はまだ1回しかやっていませんし、まだ始まったばかりですから、とても出せる状況ではないというものですから、出そろうとしてもそれぞれの進行状況が違いますね、出発時点がかなり違っておりますので。
○井伊構成員 もちろんそれは承知しておりますけれども、特に看護師の到達目標と准看護師の到達目標というのは、それぞれではない部分もあるかなと思いまして、あわせて検討させていただける場をぜひお願いしたいと思います。
○遠藤座長 承りました。
では、池西構成員どうぞ。
○池西構成員 保健師ワーキングにお願いしたいのですが、保健師に求められる実践能力を今御討議いただいていると理解しているのですが、この中身について、皆さん御承知だと思いますが、免許取得前というところをぜひこだわっていただきながら、特に養成所の場合は保健師養成所よりも統合カリキュラムで行っている保健師教育が多いという実情もあります。ですので、保健師のレベルを下げるということではないのですが、基礎教育というあたりをしっかりと踏まえていただけるとありがたいというお願いをさせてください。
○遠藤座長 よろしくお願いいたします。
ほかにございますか。前田構成員どうぞ。
○前田構成員 ワーキングのお話を伺っていますと、非常に高い技術や高い到達目標を目指す、あるいは求められているところを目指していくという中で、非常に多くの項目が出てくると思います。余り多過ぎると今、看護の方々は卒業して地元に就職している方がものすごく多くて、地元で活動いただくとか、地元を愛していただくというところは、今、到達目標の中には入っていないと思いますけれども、教育を通じてしっかり学んでいただいていると思いますし、それは多分患者さんとのコミュニケーションにすごく大事な要素だと思います。ぜひ到達目標に書いてほしいですけれども、それは技術としてはかなり難しいと思いますので、しっかり満たしていただくような形で議論を進めていただければと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
村嶋構成員どうぞ。
○村嶋構成員 それに関連してですけれども、そういう意味では看護師の「A.対象理解」の3番「対象者を身体的・心理的・社会的・文化的側面から総合的に理解する」という中に、対象者が暮らしている地域も理解する、地域の中で暮らしている対象者として理解するというようなことを入れていただくと、その人が暮らしている地域、かつ自分が実習させてもらっている地域、かつ自分の学校をつくってくれている地域に対する愛着も出てくるのではないかと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
ほかにございますか。池西構成員どうぞ。
○池西構成員 今おっしゃってくださったことについては、養成所は特に大事にしなければいけないところだと思っています。規模の小さい養成所ですが、地域に生まれ育った子どもたちを地域医療に貢献する、という視点で教育をしていくことについて、今お話を聞いていて大事なところだなと思ったので、ワーキングのメンバーとして、ぜひ検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
○遠藤座長 よろしくお願いいたします。ほかにはよろしゅうございますか。どうもありがとうございます。
それでは、事務局から連絡事項等があればお願いいたします。
○関根教育体制推進官 第7回検討会については、構成員の皆様方には改めて御案内させていただきます。航空券、宿泊の領収書など対象となる方々におかれましては、お早めに事務局までお送りください。
以上でございます。
○遠藤座長 それでは、構成員の皆様、本日は積極的な御議論ありがとうございました。これにて終了させていただきます。どうもありがとうございました。

 

(了)

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