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2018年9月20日 第5回 看護基礎教育検討会 議事録

医政局看護課

○日時

平成30年9月20日(木)13:00~15:00

 

○場所

厚生労働省専用第22会議室(18階)
東京都千代田区霞が関1-2-2

○出席者

井伊久美子 (公益社団法人日本看護協会副会長)

池西静江 (一般社団法人日本看護学校協議会会長)

井村真澄 (公益社団法人全国助産師教育協議会会長)

江崎喜江 (※崎はたつさき 以下略) (大阪府病院協会看護専門学校副学校長)

太田秀樹 (一般社団法人全国在宅療養支援診療所連絡会事務局長)

釜萢敏   (公益社団法人日本医師会常任理事)

木村元   (一橋大学大学院社会学研究科教授)

中島由美子 (医療法人恒貴会訪問看護ステーション愛美園所長)

中西亜紀 (高槻市医師会看護専門学校教務部長)

額賀修一 (全国看護高等学校長協会副理事長)

馬場武彦 (一般社団法人日本医療法人協会副会長)

春山早苗 (自治医科大学看護学部学部長教授

菱沼典子 (一般社団法人日本看護系大学協議会理事)
福島富士子(東邦大学看護学部学部長/教授)

藤田京子 (蕨戸田市医師会看護専門学校副校長)

村嶋幸代 (一般社団法人全国保健師教育機関協議会監事)

山口育子 (認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML理事長)

山田雅子 (聖路加国際大学大学院看護学研究科教授)

小倉憲一※参考人(富山県厚生部 参事 医師・看護職員確保対策班長)

○議題

 (1)准看護師ワーキンググループにおける検討事項について
   (2)教育体制・教育環境について
   (3)その他

○議事

 

○関根教育体制推進官 それでは、定刻より若干早いのですけれども、皆様おそろいになりましたので、ただいまより第5回「看護基礎教育検討会」を開催いたします。
 構成員の皆様におかれましては、本日はお忙しい中、本検討会に御出席を賜り、まことにありがとうございます。
 本日は安藝構成員、木澤構成員、酒井構成員、前田構成員の4名が御欠席となります。
 議事に入ります前に、人事異動がございましたので御紹介させていただきます。
 医政局長の吉田でございます。
○吉田医政局長 改めまして、お世話になっております。医政局長の吉田でございます。
 7月31日付けで着任いたしましたので、前回のこの会議で御挨拶すべきところ、公務によって参れませんでしたので、今日になりますことをお許しいただきたいと思います。
 まず、先生方におかれましては、お忙しい中、こういう形でお集まりいただき、これまでも熱心に看護教育、保健師教育、助産師教育について御議論をいただいておりますこと、改めて御礼申し上げたいと思います。
 この会そのものは今日で5回ということですので、これまで順次、看護師、あるいは保健師、助産師と看護教育の基礎教育における内容あるいは方法について御検討いただいて、既に看護師と助産師のワーキングは動いておりますし、保健師のワーキングも近日いよいよ発足する。そして、今日は次なる准看護師の方々に対しての、いわば検討事項を踏まえたワーキングへの送り状を御議論いただくと承知しております。
 これから人材は、世の中全体として量的にも非常に厳しくなりますけれども、医療の分野において求められる、また、専門職能についてもいろいろな御議論があると受けとめております。専門職能の立場として、また、患者さんという形でサービスの受け手の側から御議論いただいて、私どもはそれを受けとめたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
○関根教育体制推進官 それでは、遠藤座長に議事進行をお願いしたいと思います。
○遠藤座長 皆様、よろしくお願いいたします。
 初めに、欠席の前田構成員の代理としまして、小倉参考人の御出席をお認めいただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
(「異議なし」と声あり)
○遠藤座長 ありがとうございます。
 それでは、議事に入ります前に、まず事務局より資料の確認をお願いしたいと思います。
○関根教育体制推進官 事務局でございます。
 本日の資料を議事次第に沿って確認させていただきます。
 資料1 准看護師ワーキンググループにおける検討事項(案)
 資料2 教育体制・教育環境についてご議論いただきたい点
 資料3 教育体制・教育環境について
 参考資料1 保健師ワーキンググループにおける検討事項
 参考資料2 助産師ワーキンググループにおける検討事項
 参考資料3 准看護師の業務の流れ(イメージ)
 参考資料4 看護教員及び実習得指導者に係る調査結果
以上でございます。
 また、構成員のお手元に御用意しましたファイルには、第1回から4回までの検討会の資料と、関係法令や検討会報告書をファイリングしておりますので、適宜御参照ください。
 資料の落丁、不足等がございましたら、事務局にお申しつけください。
○遠藤座長 よろしいですか。
 それでは、議事に入りたいと思います。
 本日は、前回の検討会からの議論の続きとしまして、まず准看護師ワーキンググループでの検討事項について議論いただきたいと思います。
 初めに、事務局から資料1について説明をお願いします。
○関根教育体制推進官 資料1をご覧ください。
 「准看護師ワーキンググループにおける検討事項(案)」としまして、まとめさせていただきましたが、前回いただきました御意見をもとに修正等を行っております。その部分につきましては、今回下線を引かせていただいております。
 まず、1ページ目でございますけれども、上からの3つ目の「・」の「准看護師としての役割をさらに発揮できるよう以下の能力を強化する」といたしまして、eの部分を「対象者の状態を観察し、安全に看護技術を提供し、適切に報告を行う能力」と修正しております。
 「f.多職種と連携するための基本的な実践能力」を追記させていただいております。 
 「g.看護の質の改善のために、新たな知識を活用し、自己研鑽し続ける能力」と修正させていただいております。
 あと、最後の上から4つ目の「・」で「多様な場で多様な対象者への看護を提供できるよう以下の能力を強化する」のjの部分ですけれども、冒頭に「病院及び診療所に限らず、介護施設等の」という文言を追記させていただいております。
 2ページ目、3ページ目は変更ございません。
 4ページ目をご覧ください。
 こちらは教育内容の部分になりますけれども、【専門科目】の「a.介護施設等の様々な場における対象者の療養生活を支える看護実践力を強化するために必要な教育内容の検討」ということで、下線の部分を追記しております。
 さらに、「c.対象者及びその家族の意思決定支援の重要性について理解できる教育内容の充実」を追記させていただいております。
 最後の5ページ目をご覧ください。
 「(5)その他」といたしまして、「介護福祉士養成課程における既習科目の認定について検討する」と文言を修正させていただいております。
 以上が御説明でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 前回の御議論を反映して一部修正された資料になっておりますけれども、これにつきまして何か御意見はございますか。特段区分を分けることなく、全体でどこでも結構でございますので、御意見、御質問があれば承りたいと思います。
 井伊構成員、どうぞ。
○井伊構成員 全体として異論はありませんが表現のことで1点意見があります。
 資料1の1ページの「准看護師としての役割をさらに発揮できるよう以下の能力を強化する」のg「看護の質の改善のために」という表現は看護師と同じです。看護師は看護集団や看護単位などの全体の質を向上する役割を担っておりますが、准看護師が全く同じ役割を担うかと言うと、恐らくそうはいかないのではないかと思います。そのため、准看護師自身が個人として研鑽し、能力をつけるような項目になるよう「新たな知識を学び、自身の実践に生かすなど、自己研鑽し続ける能力」としてはいかがかと思います。
 もう一点ですけれども、5ページの「(5)その他」の介護福祉士養成課程における既習科目の認定について、これは「検討する」と修正をされておりますので、よろしいかと思います。加えて意見ですけれども、准看護師と介護福祉士の養成のカリキュラムに共通した教育内容は極めて少なく、前回、釜萢構成員からもそうした御発言がありました。
 厚労科研「医療関係職種の養成課程内容共通度の調査研究」の報告書を改めて確認しましたが、准看護師と介護福祉士に重複した教育内容があるという結果は出ておりませんでしたので、認定する仕組みをつくるというところまでは必要ないと考えております。意見として申し上げたいと思います。
○遠藤座長 御意見として承りました。
 ほかに何かございますか。
 藤田構成員、どうぞ。
○藤田構成員 ありがとうございます。
 准看護師教育だけではなくて、看護師教育においてもなのですけれども、例えば、どんな看護師、准看護師を育てたいのかというのは、教育内容を考えていくときに柱になってくるかと思います。今の社会で起こっている生命軽視の傾向とか、これからますますAIの導入がなされていく状況を考えると、看護はこれまで生命尊厳というものを掲げて教育してきましたけれども、学生間とか学生と教員間、それから、学生、教員、臨床も加えての視点から、生命尊厳を守って、育み合う慈しみの態度を養う必要がさらに必要になってきたかと思います。
 現在、入学してくる学生の動機が、親に勧められてとか、経済的理由でといった人が非常に多くなってきていることからも、看護者としての核になる部分というものを育成していく必要がますます重要になってきたように考えますので、教育の基本的な考え方の中に文言として入れ込み、それが各教育内容の科目等に浸透していくような形を、ワーキンググループで検討していただきたいと思います。
 意見として言わせてもらいました。
○遠藤座長 ワーキングでの議論についての御意見ということで、受けとめさせていただきます。ありがとうございます。
 ほかにございますか。よろしゅうございますか。
 それでは、ただいま御意見を承りましたので、これをこの資料の中にどういうふうに反映させるかということについては、事務局と相談させていただきたいと思いますが、最終的に資料に反映したものはまた皆様に御確認をいただきまして、それをワーキンググループのほうに提出したいと思います。そういう段取りでよろしゅうございますか。
(「はい」と声あり)
○遠藤座長 ありがとうございます。では、そのように対応させていただきます。
 次に、教育体制・教育環境の議論に移りたいと思います。資料2及び3につきまして、事務局から提出されておりますので、事務局の報告をお願いします。
○関根教育体制推進官 事務局でございます。
 お手元にお配りしている資料2をごらんください。
 今回、こちらについて議論いただくのは初めてということになります。
 「教育体制・教育環境についてご議論いただきたい点」としまして、事務局の方で1、2のように整理をさせていただいております。
 まず「1教育体制について」でございますが、こちらは3点考えてございまして、「a.看護教員の要件」「b.看護教員の配置」「c.実習指導体制(実施指導者の要件、実習施設の要件等)」。そして、「2教育環境について」につきましては、「a.看護師等養成所の施設設備」を検討していただければと思っております。
 続いて、資料3をご覧ください。
 2ページに、看護師等養成所の教員の要件について記載させていただいております。向かって右側にガイドラインの抜粋を記載しておりまして、左側に見やすくボックスでそれを表現させていただいておりますが、下に書かれているものが専任教員になるときの入り口の要件でございまして、業務経験ですとか、大学や大学院において教育に関する科目を履修していただくこと、あるいは、業務経験に加えて、専任教員養成講習会で研修を受けていただくといったことが規定されているところでございます。
 そして、その上の教務主任がございますけれども、こちらは各養成所に1人置いていただくこととされておりますが、要件につきましては、ここに記載のある4つのボックスに書かれているようなところをお示ししているところでございます。
 3ページ目は、専任教員になっていただく際に受講いただく養成講習会の中身、教育内容と目標を御紹介しております。
 4ページ目は、教務主任養成講習会の教育内容と目標について記載させていただいているところでございます。
 5ページ目は、「看護教員の向上すべき資質と求められる能力」としまして、平成22年の検討会報告書から抜粋したものの御紹介となっております。こちらにありますような資質や、1~5に書かれているような赤字の部分の能力について、今、御紹介した3ページ目や4ページ目にあるような講習会にも反映させていただいているところでございます。
 6ページ目は、それぞれの養成講習会の実施状況の推移をお示ししております。上段に「専任教員養成講習会の開催箇所数(定員数)」をお示ししておりますが、都道府県と準ずる団体で、合わせて年間600~700名程度の定員で運用いただいているということです。
 その下、教務主任養成講習会につきましては、都道府県と準ずる団体で大体毎年2~3カ所で開催していただいておりまして、30~60名ほどの定員で養成いただいているところです。
 7ページ目には、今年度、平成30年度の看護教員養成講習会の開催一覧を参考までにお示ししております。
 8ページ目には「看護師等養成所の教員の配置について」の記載を抜粋させていただいております。
 上段が、保健師助産師看護師学校養成所指定規則に規定されている、それぞれの職種の看護教員の数と資格について○と△で記載させていただいているところでして、別表□に掲げるという文言の記載がございますけれども、それぞれ○と△のところにはこの数字とそれぞれ文言が入るということになります。その下に、ガイドラインのことを記載させていただいておりますが、こちらには「学生定員が○人を超える場合には、学生が△人増すごとに1人増員することが望ましい」ということで、それぞれ○と△に当てはまる数字を記載させていただいているところでございます。
 9ページ目は、「看護教員に関する現状1」として、専任教員を多く配置している課程の状況についてお示ししております。全課程数の数をご覧いただきまして、右側に指定規則上の数より多く専任教員を配置している課程の数と、全体に占める割合を記載しております。さらにその右横には、ガイドライン上専任教員の増員が望ましいとされている定員を持つ課程の課程数と、全課程数に占める割合を記載させていただいております。
 10ページ目には、専任教員数の分布をお示ししております。
 0のところが指定規則上で規定された人数の配置がちょうどあるところでございまして、こちらが大体3割、そして、望ましいとされる教員数より少ないとされるのが左側、望ましいとされる教員数より多いとされるのが右側となっており、割合につきましては括弧の数字に示されているところです。
 11ページ目には、左側の赤いボックスのところに「専任教員」、右側の青いところに「教務主任」と書かせていただいていますが、専任教員にどの要件でなっていただいたかというところになりますが、講習会を受講して専任教員になっていただいた方がかなり多いということがお分かりいただけるかと思います。
 その右側、大学院や大学での教育に関する科目の履修という方も一定程度おり、あるいはその右側、「どちらも無し」という方々については比較的少ないというところで数値、パーセントもお示しさせていただいております。
 さらに、その右側の教務主任のところでは、講習会の受講が要件として必須にはなっていないところではあるのですけれども、受講状況を見ていただきますと、かなり受講率が低いという現状が見て取れるかと思います。
 12ページ目は、実習指導者について記載しておりまして、通知のガイドラインに記載している箇所がございまして、「第8 実習施設等に関する事項」のところに実習指導者の定義をさせていただいております。さらに、その下のところを見ていただきますと、実習指導者になるために受けていただく講習会の実施要項をお示ししており、白い○の上の方を見ていただきますと、期間は8週間(240時間)で設定されておりまして、その一部はeラーニングでの受講が可能となっております。
 それ以外に特定分野における実習指導者講習会、特定の分野についてより少ない時間で実習指導者に必要な講習を受けていただけるように、39時間以上の設定の講習会も可能となるようにしているところでございます。
 13ページ目には、標準である240時間の実習指導者講習会の科目と目標を御紹介させていただいております。
 14ページ目には、実習指導者講習会の実施状況の推移をお示ししておりまして、上段に240時間の実習指導者講習会の開催箇所数と定員数をお示ししております。都道府県と準ずる団体で、大体毎年4,000人強を養成いただいているような状況でございます。その下、特定分野につきましては、数は少し少なくなるのですけれども、都道府県と準ずる団体で大体30カ所ぐらいで、定員数が800名前後で推移している実情がございます。
 15ページ目に、この実習指導者講習会の平成30年度の開催一覧をそれぞれお示しさせていただいております。
 16ページ目からは、実習指導体制についてのガイドラインの抜粋になっております。
 「第5 教員に関する事項」といたしまして、養成所に「3 実習調整者」や、「4 実習指導教員」を置いていただくこと、あるいは置いていただくことが望ましいといったことを規定させていただいております。
 17ページ目には、「実習施設の要件について」を御紹介しております。ガイドラインの「第8 実習施設等に関する事項」の「2 実習施設」のところで、(1)~(4)にありますような実習施設に、例えば更衣室や休憩室、あるいは討議室が設けられていることが望ましいといったこと等を記載させていただいております。
 18ページ目とその次の19ページ目に、保健師、助産師、看護師、准看護師、それぞれの養成所における実習施設の要件について記載させていただいているところでございます。こちらにつきましても、御検討いただく際に参考にしながら御意見をいただければと思っております。
 最後の20ページ目ですけれども、こちらに「看護師等養成所の施設設備について」を記載させていただいております。
 ガイドラインの抜粋で「第7 施設設備に関する事項」という記載がございまして、そちらに「2 教室等」について記載がありましたり、あとは図書室の面積であったり、必要な演習室や教室、研究室等の設置のことを記載させていただいております。
 また、それ以外に「5 看護師養成所」を見ていただきますと、実習室についても広さや具備すべきものについて記載しています。
 さらに、「7 機械器具等」につきましても、お手元のファイリング資料のウの37ページ以降に記載がありますが、そういったような機械器具、模型とか図書を置くことをお示ししているところでございます。
 説明は以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、早速議論に移りたいと思いますけれども、資料2で御議論いただきたい点をまとめられておりますので、この資料2の分類に沿って御議論いただきたいと思います。御議論いただく際に、いわゆる保健師、助産師、看護師、准看護師全てに共通する内容をお話しされているのか、あるいは特定の職種に特化した議論をされているのか、その辺をわかりやすくお話しいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、最初に「1教育体制について」の「a.看護教員の要件」について、御質問、御意見を承れればと思いますが、いかがでございましょうか。
 池西構成員、どうぞ。
○池西構成員 ありがとうございます。
 教育体制について、aとbも絡んでくる話ですが、看護教員の問題が人の確保です。人の確保がとても難しいという現状があって、質の確保をするためにも量の確保はとても大事なのですが、とても困難な状況です。なぜ人が集まらないのか教員になっていただけないのかと考えたときに、看護教員の要件に絡むところで見直しも必要ではないかと思っています。
 具体的には、先ほど御説明があった資料3の2ページを見ていただくと、教務主任は専任教員の経験が3年以上、を含めて要件がいずれかということになっています。専任教員のほうは、業務経験5年以上と専任教員養成講習の修了もしくは大学において、というような資格要件がございます。先ほどの御説明にもありましたように、専任教員は大学において単位を修得した方が最近ふえている現状があるのですが、そういう中で、大学において単位を修得していても、看護の教育課程とか看護師の教育について学んだわけではないので、看護教育をすることが難しいという現実もあります。でも、その方々も引き受けないと、を専任教員の要件を満たす方が少ないという現状です。
 これから看護教員を確保するためにはシステムを見直して受講生が受講したいそれによって学べるというシステムづくりが必要ではないかと思っています。専任教員の講習会の内容、教務主任の講習会の内容を資料の中でお示しいただいていますが、実習指導者講習会も含めて、積み上げていけるような教育システムにして、実習指導者講習会が終わった方の数は多いですから、入り口を広げておくと看護教員にもなりやすいと思います。そのようなシステムの構築が必要と思います。
 今、実習指導者講習会のほうは単位制になっていないのですが、これを単位制にして、そこで修得した単位は専任教員養成講習ではそれを積み上げる、さらに教務主任養成講習で積み上げると受講しやすいのではないかと思うのです。
 量を確保するために、いろいろな機会でもって受講ができるということを大事にしたいのと、受けやすいという体制もとても大事ではないかと思いますので、単位制にして積み上げるようなシステムがどうかということと、eラーニングにつきましては、教務主任養成のほうは認められていないのですが、受講しやすいということを大切にするとそれも必要だと思います。できるだけ多くの方が受講できるような体制を考えていくと、教員確保にもつながると思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 ただいまのお話に関連してでも結構ですし、違う話でも結構です。
 山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 私は養成所については、例えば講義に伺ったり、講演に招かれたり、それから、模擬患者の活動をしておりますので、模擬患者を派遣することもございます。その中で感じているのが、教員の方のばらつきが結構あるのではないかということで、質とかレベルにばらつきがあることにちょっと問題を感じているところもございます。
 例えば、この資料3の5ページを見ていますと、「看護教員の向上すべき資質と求められる能力」ということで、これを全部見ていくと、どうやってこれができている人だとはかるのだろうという、基準というものが非常に難しいのではないかということを感じていまして、こういったことについて、実際に教員になった方がどこかで評価を受けたり、あるいは振り返りをする機会があるのかどうかということを、まず質問としてお聞きしたいと思っています。
 いろいろと、bにも関係してくると思いますが、11ページを見てみますと、先ほど御説明があったように、例えば教務主任になると、講習会を受講している方のほうが少ないぐらいで、多くても23.5%と書いてございます。どうやらこれを見ていると、ガイドラインに定まっていることが、通知レベルだからということでなし崩しの状態になっているのではないかと。もしそうだとしたら、もう少し強制力のある内容にしないと、教員のレベルアップにつながっていかないということは、学生の教育の質も上がらないということにつながってくるのではないかと思いますので、このあたりのところはもう少し強力な形が必要ではないかと思っています。
 実際に、参考資料のファイルの中のウを見ていますと、看護師等養成所の運営に関する指導ガイドラインというようなことでガイドラインがまとまっているわけですけれども、果たしてこのガイドラインの各項目がどれぐらい守られているのかということを調査されたことがあるのかということも、もしこれがガイドラインにとどまっていることできちんとした形になっていないのであれば、もう少し見直しをしていく必要があるのではないかと思いました。
 2つほど質問をお願いしたいと思います。
○遠藤座長 それでは、質問がありましたので、事務局、質問の意図はよろしいでしょうか。
○関根教育体制推進官 まず、1点目の教員の評価というところなのですけれども、ガイドラインで「第9 管理及び維持経営に関する事項」という記載がございまして、そちらを皆様のファイリングしている資料のウの18ページ目でお示ししております。5のところをご覧いただきますと、「養成所は、教育活動その他の養成所運営の状況について、自ら評価を行い、その結果を公表すること」ということで、その評価については、ここにあります報告書等を参照するということで、今、いただいたようなところをお示ししていて、その中に教員のことの内容も含まれてきているというところです。
 ただ、今回の見直しに当たりまして、教員評価の実態の調査というもの自体は実施しておりませんので、今、明確な実施状況について、数としてお示しすることが難しいということでございます。
○山口構成員 ガイドラインの遵守状況は調べられているのでしょうか。
○関根教育体制推進官 ガイドラインの遵守状況ですけれども、こちらは毎年報告をすることを規定しておりますので、教員数や教育の中身等といったところにつきましては、毎年都道府県を経由して報告をいただいております。上がってきた内容については、都道府県において違反がないか等を確認していただいているので、基本的には守られているものと認識しております。
○山口構成員 受講もしなければいけないとガイドラインに書いてあって、現状がこうなっているということからしますと、教育をする人は常にブラッシュアップすることが大事だと思いますので、そういったことができる仕組みづくりというものが必要とされているのではないかと。多分、時間的にも余裕がないといったことがあるのだと思いますので、こういうところで、なぜこうなっているのかということの原因をしっかりと究明した上で、本当に教員の質を上げるとしたら何が必要なのかということを考えていくことが大事かと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 村嶋構成員、井伊構成員の順番でお願いします。
○村嶋構成員 それに関して、14条報告の結果があるということであれば、ぜひそのデータを次回見せていただきたいと思います。
 あと、各都道府県の看護教育の担当者は、ガイドラインだから自分たちが言っても結局は無視されると嘆いていますので、少なくとも教員の質や人数に関しては何らかの強制力を働かせて、かつ、守っていなければそれが世の中に分かるような透明性を確保していただきたいと思います。教員の質や人数、受講状況に関しては、ガイドラインレベルでなく、ぜひ強制力の働くものにしていただきたいと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 事務局への質問がありましたか。事務局ではないですか。
○村嶋構成員 14条の結果がどんなふうに公表されているかということをお伺いしたいと思います。
○遠藤座長 事務局、お願いします。
○関根教育体制推進官 今回の議論の参考になるデータとしましては、資料3の9枚目、10枚目、11枚目等にデータを一部14条報告のデータを引いている部分がございます。これ以上のもっと細かいものという御要望になりますでしょうか。
○村嶋構成員 9ページのところですが、イメージが湧かないですよね。例えば保健師に関して言いますと、まず全課程数の7に関しては、1年課程なのか4年課程なのかということがわかりませんし、必ずしも全数ではないように思うのですが、これは全数なのですか。
 それから「専任教員の増員が望ましいとされる定員をもつ課程」と書かれますと、先ほどの20プラス20を超えると1名動員しないといけないということですので、20から39人の学生がいるにもかかわらず、保健師の教員は2名しかいないと解釈されますが、そういう実態が見えるきちんとしたデータを出していただきたいと思います。
○遠藤座長 事務局、何かコメントをお願いします。
○関根教育体制推進官 いただいた御要望を踏まえて、どこまで細かく出させていただくかということは検討させていただきたいと思います。
○遠藤座長 よろしくお願いします。
 それでは、井伊構成員、お待たせしました。
○井伊構成員 先ほどの山口構成員の御発言と同じなのですが、今回の資料では、例えば専任教員養成講習会の定員は出されていますが、実際に定員を超えた応募があったのか、割っていたのかということが分かりません。専任教員養成講習会や教務主任養成講習会などの応募者数や受講者数が実際にどうなのかというデータをぜひ出していただきたいと思います。
 受講したくても枠がなく、実習指導者講習会を受講できないという現場の声もあります。それから、本会では看護教員の方々に緊急にウェブ調査を実施していますが、看護教員養成講習会の受講希望者が受講できない理由として、45%が「組織からの派遣の順番待ち」を挙げています。そのため、応募数や実際の受講者数、受講していない人たちがなぜ受けられていないのかという実態を踏まえ、どうすればいいのかという議論をしないといけないと思います。資料の提示をお願いしたいと思います。
○遠藤座長 それでは、事務局に対する御要望なので、コメントをお願いします。
○関根教育体制推進官 充足率は今回数値でお示ししておりません。と申しますのが、実施している団体等によってかなり充足率に差があるという実情がございまして、大体平均でいきますと、例えば都道府県で実施していただいている専任教員養成講習会につきましては、83.2%ぐらいになっております。
 一番低いところですと57.5%ということで、半分ぐらい定員が割れているような状況であったり、あるいは最大になりますと116.7%ということで、定員を超えていたりするという実情があり、こちらは年度によっても、実施している都道府県等によってもかなり充足率が異なっているところでございます。
 教務主任養成講習会も実施している団体によって充足率が異なっておりまして、団体によっては応募しても実際に受講されるのが半分で、受講者が定員の半分しか満たさないという一方、池西構成員が所属されている日本看護学校協議会で実施していただいたものですと、充足率は大体9割ぐらいということで数としては言えます。
 先ほど出ました実習指導者養成講習会については、おおむね80後半から100%で、中には低いところは50~60%という都道府県あるいは団体があるところですが、応募者数自体は実施主体の団体等に聞いてみなければ、今すぐにはわからないという状況です。
 実習指導者養成講習会の中に特定分野もありますけれども、特定分野につきましても、分野が特化しているということもございますので、こちらもかなり幅がございまして、都道府県で実施しているもので大体40~100%で、充足率にかなりの差がある、そして、準ずる団体でやっていただいているものについては、現時点では全国助産師教育協議会1カ所のみなのですが、そこはいつも100%を超える充足率というところでございます。
 以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 井伊構成員、どうでしょうか。
○井伊構成員 データが資料にないので口頭で説明されてもよくわかりませんけれども、少ないところもあれば多いところもある。また、応募者数が定員を若干超えているところもあり、そこでは受講できない人もいるということなのだと思います。そのことに対して、要件を見直す前にどういう工夫ができるのかということは、一つ検討課題になるのではないかと思いました。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 ほかに何かございますか。
 村嶋構成員、その次に釜萢構成員、どうぞ。
○村嶋構成員 今のは受講の状況ですよね。大事なのは分母、専任教員の中でどれだけ受講しているかという割合だと思いますので、少なくとも専任教員の中で全部受講している学校と、ほとんど受講していない学校とがあると思いますので、その分布をぜひ出していただきたいと思います。先ほど平均で83.2%とおっしゃいました。83.2%だと、100%のところもあるし50%に満たないところもあるのだろうと。これは教育の質の問題ですので、一定水準以上を保つことが大事で、一定水準ないところ、充足率が非常に低いところをきちんと出していくという、データを通して実態が見えるようなデータの出し方をぜひ看護課にお願いしたいと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 事務局、何かコメントはありますか。看護課への要望ということでありました。
○関根教育体制推進官 検討させていただきます。
○遠藤座長 それでは、釜萢構成員、お待たせしました。
○釜萢構成員 幾つか申し上げますが、ガイドラインの話が出ましたが、看護学校、養成所に携わった経験を踏まえますと、ガイドラインは非常にしっかり重視していて、決して軽視しているとは認識していません。今、都道府県からの指導もありますが、それらも踏まえて、ガイドラインはガイドラインで、私の認識としては非常にそれぞれの現場で決して無視できない大事なものという認識であろうと思っております。
 それから、池西構成員からありました御指摘は私も大賛成でありまして、専任教員の養成講習会はぜひ養成所としては職員を出したいのだけれども、なかなか代替の、かわりの人数がそんなにいるわけではないので、ことしはあなた、次はあなたというように計画をして出すわけですが、なかなか難しいので、少し積み上げて実習指導の経験がまたそれにカウントされるということは非常にいいと思いますし、今、大体8カ月以上講習会に出すわけですから、それを例えばもう少し分割できるようにすると、もうちょっと受講しやすくなるかと感じます。
 きょうの資料の7ページに出ております一覧ですが、都道府県で12カ所で408名定員をつくっていただいている。また、準ずる団体もあるわけですが、なかなか遠いところには出しにくいので、できれば各都道府県で受講できる機会をぜひつくっていただきたい。毎年でなくても隔年でもありがたいわけでありまして、そういうような体制をぜひとれるように、また厚労省から指導していただきたいと思います。
 定員ももともとはもっと多かったのですけれども、群馬は20名ですが、20名でも大丈夫ということになって20名で群馬は始めたのです。20名でも毎年やっておるとそれなりに受講者もいますし、少しずつ改善をしているかなと感じます。実習指導者のほうの講習については、各医療機関からもぜひ行ってほしいわけでありまして、医療機関にとっては実習指導者がいないと学生の受け入れができませんので、そういう意味では実習指導者をしっかり養成していくことは大事なのですが、一方で、病院のメリットとして実習指導者の養成を一生懸命やっていくことの、病院にとってのインセンティブが必ずしも十分ではないような気もするのです。これは病院として皆さんしっかり努力してやっていただいているわけですが、実習指導者をふやしていくことが、これからの看護職の資質を向上する上では非常に大事ですので、実習指導者がふえるようにぜひ検討が進むことを期待いたします。
 以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 井村構成員、どうぞ。
○井村構成員 私は助産師の立場からの発言致します。
 全助協といたしましても、教員養成の研修を厚労省様からの委託も受けまして行っております。私たちはファーストステージ研修と呼んでいるのですが、現任の教員の教育としての研修及び、特定分野として助産で実習指導者講習会等も行わせていただいております。
 先ほど、定員と受講者の数ということが出ました。確かに応募者も多いところもあるのですけれども、実情としましては、現教員がなかなか現場の教育の業務から離れられなくて、出てきたいが出てこられないという現状は非常に多く語られているところでございます。全助協といたしましても、非常に磨きをかけた教育を準備いたしておりますので、たくさんの教員に参加してほしいのですけれども、なかなか受講者を定員を満たすほどフルに集めるのが難しいというような現状も実はあります。
 その幾つかの理由としてさまざまなことが考えられるのですけれども、少し御紹介いたします。これはこれから後で述べたい教員の定数のこととも関連いたします。ちょっと読ませていただきます。
 「助産実習において、現在全て教員が昼夜を問わず付き添わなければなりません。各施設2、3名の受け入れで、昼夜を問わず実習する場合、教員が足りません。予算のない中、夜間を担当してくれる非常勤実習助手もいないため、結局のところ、専任教員の負担が大きく、このまま続けて働こうと思う教員はいない」と書いてあるのですが、そんなような状況があるので、なかなか出づらい状況がある。
 また、「教員数が少ない中で、通年ほとんど実習に出ているため」という理由等が報告されています。 これは全助協の研修センターが研修の参加者をふやすことであるとか、研修内容を改善するために行った調査報告の一部でございます。
このようなことがありますので、教員が研修に出られる環境、教員の労働環境をつくるということが一つ大きいと思います。また、先ほど池西構成員が御発言になった、とりやすくするためのシステムづくりということで、積上方式であるとか、単位化するであるとか、あとは希望として多く出されているのはeラーニングということで、同一集合研修という形から少し脱却していくということも希望として出されております。
 続いて、定員のことも大きく関与するという認識がございますので、発言させていただきます。今、専任教員が、助産、保健師の場合は3名以上となっております。要望といたしましては、最低でも4名以上の増員はしていただきたいと考えます。
 平成21年、2009年の指定規則改正で教育年限が6カ月から1年になったこと。そして、助産師の場合は23から28単位になったことは皆様御存じのことと思います。単位数がふえるということは教育時間がふえるということを意味しますが、その時点で専任教員数は従来の3名のまま今日に至っております。
 この間、何とか効率的な教育の工夫はしてきていますけれども、恐らくさまざまな面で、この定員の設定は限界域を超えているという強い認識を持っています。医療者を育てるには、やはり教員の数は必要だと思います
 今、述べさせていただきましたように、昼夜を問わない出産に対応する実習であるとか、単位数だけでは見えないさまざまな教員の負担がございます。本学の例で恐縮ですけれども、実習2単位と言っていても、結局のところ、分娩介助例数をきちんと獲得するには、学生にとっては2~3週間の実習でも、教員にとっては7週間ぐらい実習をし続けるというようなことはごく普通にあるわけなのでございます。ですので、ぜひ教員数の増を、前向きに具体的に検討していただけると大変ありがたいと考えます。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 福島構成員、どうぞ。
○福島構成員 先ほど井村構成員からもeラーニングのお話が出てまいりましたけれども、ここの専任教員の養成会の中に、準ずる団体、環太平洋大学はこれはeラーニングか、このシステムについて教えていただきたいということと、準ずる団体等が教務主任のほうにもございますが、教育の方法がそれぞれ違うのではないかと思うのですけれども、その辺につきまして教えていただければと思いますが、いかがでしょうか。
○遠藤座長 それでは、事務局、コメントをお願いします。
○関根教育体制推進官 今、ご質問の大学でやっていただいている場合には、例えば環太平洋ですと通信も取り入れていたりしますので、その実態として、どのようにプログラムとして提供しているかは、切り出してみないとわからない部分がありますが、実際に我々が示している内容は含んでやっていただいてはおります。
○福島構成員 今のことにプラスして、勤務しながら受講できる体制をもう少し広げていくということが大事なのかと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 池西構成員、どうぞ。
○池西構成員 今のお答えのような形になるのですが、環太平洋大学の教員養成講習は、日本看護学校協議会と提携して運営しています。そういう意味で内容がよくわかるのですが、基本は通信教育、あとはスクーリング、対面した教育になっていますので、eラーニングとは少し性質が違いますが、演習はしっかりと対面してやっております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 それでは、釜萢構成員、どうぞ。
○釜萢構成員 先ほどの井村構成員からの定員のお話について、所見を述べさせていただきます。
 助産師の課程については、確かに私自身、地元の医師会長のときに20名の助産師養成コースを新たに設立しましたけれども、助産師さんの教員になってくださる方の確保が非常に難しくて苦労いたしましたが、幸い何とか同意をしていただいて、教員が確保できたのですが、3名では定員20名の学生を指導するのはとても無理だったなと思います。
 幸いにいろいろ関係の方の御協力をいただいて、5名の助産師の教員の方を得られましたけれども、特に実習施設が1カ所ではなく、どうしても分娩の施設があちこちになりますので、それにつききりで対応するということになると、どうしても人数が多いほうがいいという気はいたします。
 一方で、教員を確保することは容易ではないので、余りハードルが上がると、また養成所のほうは大変苦労されるのではないかということも懸念しながら発言をさせていただきました。
 以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 まだ御意見があるかと思いますけれども、既に配置の問題も少し話に入っておりますので、ここらで看護教員の配置について、御意見、御質問をいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 井伊構成員、どうぞ。
○井伊構成員 基礎教育のことを話題にしますと、教員の確保が困難だという話が必ず出てまいります。その結果、教員の負担が増加して、さらに確保が困難になるという状況があるのではないかと考えまして、本会では「看護師養成所の教員の勤務実態等に関する会員調査」を実施したところです。2,033名の看護師養成所の教員の方から回答を得ておりまして、そのうちの3年課程の教員1,481名の結果から申し上げますと、教員の負担について時間外業務のほかに、自宅等に業務を「持ち帰っている」という人が83.7%、持ち帰っている業務の内容は「自分が担当している科目の講義、演習の準備」が7割で一番多いという状況がありました。
 そういった状況の中で、今後、そのまま養成所の教員として働くかどうかという意向について聞きましたところ、「今の養成所で教員として働き続けたい」と答えた人は45%、「養成所以外の場で看護職として働きたい」という人が25%という状況でございました。この結果からも確保の問題と、業務量やオーバーワークという問題があることをぜひお伝えしたいと思います。
 業務負担の軽減策としては「専任教員の増員」や「実習指導教員の増員」などを求める回答が多く、先ほどの井村構成員の実習のお話と一致しておりました。また、「事務職員の増員」を求める意見も多くいただいているところです。実際に養成所の職員構成については、教員の縛りはありますけれども、それ以外はないというところもありますので、こういったことも教育体制の課題として挙げておくべきだろうと思います。
 9月19日が本会会員調査の締め切りですので、次回は持ち帰り勤務の時間数など、少し具体的な御報告もさせていただきたいと思っているところです。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 ほかに何かございますでしょうか。
 中西構成員、お願いします。
○中西構成員 ありがとうございます。
 今のお話にリンクして、指定規則で決められている人数を超えると設置主体、運営する側は指摘してくるので、実際の教員の仕事量や状況は後回しになってしまいます。人件費を言われてしまうことが多いのですけれども、最低限の人数の中でやらざるを得ない厳しさといった声を本校だけではなくほかの学校からも聞くことが多いです。
 決められたこの最低人数の中で、ファイルの参考資料のウの7ページにある単位制の考え方、教員が負担する授業や、実習の時間数、そこに準備の時間数といったことが(10)のところに挙げられていますが、これをやろうとすると完全にオーバーワークになってしまう。
 その中で、教員の養成講習が終わった後の継続的な教育がない現状では、自分の教育を自分だけで計画をしてやっていかざるを得ないので手探です。また、最小限の人数の中でやっている業務の中で、研修に行きたいとか、継続的にやりたい、あるいは私自身も教務主任の養成講習会は出ておりませんけれども、その中で養成所の長の補佐という形で位置づけられた場合、仕事に必要な知識としてどのようなものをふやしていくのかが任されてしまい個人差が出てきたりして、教育の質の差につながっていくと思います。
 先ほどから何度もお話が出ていますけれども、一定量の時間を仕事場から抜け出して研修を受けるということは不可能に近い現状にあり積み上げ式とか、あるいは1年だけとかではなくて2年間かけてとか、いろいろな方法で教員もキャリアアップをする何かを保証しないと、看護教育に魅力を感じなくなってしまう現状かと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでございましょうか。
 江﨑構成員、どうぞ。
○江﨑構成員 ありがとうございます。
 8ページの教員の配置について、8名となっています。「その専任教員のうち1人は教務に関する主任者であること」と謳われ学科を統率する教務主任がこの人数の中に含まれているということになります。教務主任については、教務主任に特化した業務の遂行が求められるのではないかと思います。
 ただ、教務主任が実習に出たり、ほかに教員の人数が少ないことから教員の役割を担うことも求められているのが現状となっております。しかし教務主任は教務主任の役割が果たせるよう、専任教員の人数に含むことがないよう、この専任教員のうち1人は教務に関する主任者であることというところは外していただきたいと思います。
 そして、教員の数ですが、教員の役割(業務)において講義と実習指導の占める役割が大きく、特に実習指導では、臨床から学生1グループに対して1人の教員を求められるという現状もあります。
 教員の確保がされないのであれば実習は受けることができないとまで言われる中で、実習指導、授業、そして、学生の生活面等も含めた支援という業務を考えますと、先ほど井伊構成員からの調査結果にもありましたが、時間外、持ち帰りは当然のような状況となっています。教員の人数に関して、増員ということは強く希望したいと思っております。
 しかし、ただ、増員することは学校の首を絞めると申しますか、本当に人が集まらない状況ですので、教員養成にむけた積み上げということも含めて、資格のある教員の確保ができるような体制づくりを求めたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 中島構成員、どうぞ。
○中島構成員 ありがとうございます。
 私は学校内のことはよくわからないのですが、現場で見ていて思うことを2点お話します。
 まず一つは、2カ所の看護学校に講義に行っていますが、教務主任がかわると職員室の様子が変わると感じています。そして、実習でそこの先生方とお付き合いしていると、教員の考え方も変わってくるような気がしています。つまり、教務主任の思想や気分などの影響が大きいのかと考えています。
 ですので、資料の11ページの3年課程のところなのですが、教務主任の受講なしの率が76.5%というのは、驚きであり、できるだけ受講できるような状況が必要ではないかと考えました。
 2点目なのですが、実際に実習や授業の調整とかをしていますと、先生方がつかまるのが夕方の7時とか8時なのです。残業されているのかすごくお忙しそうで、実際に実習を受けているほうとしては話が進まなくて困ってしまう状況もあります。教員の忙しさ大変さを感じています。
 以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 池西構成員、どうぞ。
○池西構成員 教員の定数の問題です。現場は本当にさまざまな業務が重なりとても忙しい状況ですので、定員増というのは本当に必要なのですが、ただ、先ほどからお話していますように、指定規則に定められている定員を確保するだけでもなかなか困難な状況があるのが現実です。
 指定規則あるいは指導ガイドラインで定められるのは最低ラインです。それが変わらないと、教員の数を増やせないという現実もあるのですが、一方ではそれを増やせば、さらに定員確保すらできなくなるという実情もあるのです。
 そこで専任教員の数を増加する前に、ほかの、先ほど井伊構成員がおっしゃったような、例えば教務事務のように、業務の中での整理も含めながら、教員の数に戻っていただけるとありがたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 菱沼構成員、お願いします。
○菱沼構成員 ありがとうございます。
 先ほどから出ていることに賛成なのですけれども、教育というものは教員だけでやるものではないので、教員ではなく、教務の事務職員をきちんと配置するということをどこかに書き込んでいただいて、例えば、今、学生の実習ですと実習所に出すいろいろな誓約書とかいろいろなことが全部かかってくる。それを教員が全部やっており、事務負担、事務量が、非常に大きいと思うのです。教員でなくてもできる仕事の部分を整理するということはやはり必要ではないかということが1点です。
 もう一点、実習指導に関してなのですが、看護の場合ですと、8名という人数は実習指導をカウントしたものではないと思います。講義、演習をして学校にいる人数が8名という人数であって、これでは実習に出ていき、こちらに戻ってきて講義をし、また実習に出ていきということが起こる人数です。実習指導をカウントした人数ではないと思うのです。
 では、実習指導をどうやっていくかという課題です。もちろん単位を出す責任は学校の教員にありますけれども、実習指導講習会で、実習指導者を各病院の病棟に配置するようになっていった場合に、実習指導は病院のほうで引き受けるという、教員と現場の両方が看護職員の教育をしていくという風土をもう一度つくり直していく必要があるのではないかと思い、実習指導体制についての検討をぜひしていただきたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 井村構成員にお聞きしたいのですけれども、先ほどの夜間の分娩のときの実習ということが、お話を伺っていて非常に深刻な問題ではないかと。教育をする人が常についていないといけないことを考えると、医療機関の中で夜間まで必ずしも医療機関の実習指導者がいないから、恐らく学校の教員の方が常にいないといけないということになっているのかなと思いながら伺っていたのですが、それでやっていくと本当に潰れてしまいかねない方も多々出てくるのではないかということは想像にかたくないのですけれども、例えば現場の中で、こういうことがあれば教員の負担がもう少し軽くなるとか、もっと教員になる人がふえるのにというような具体的な声はあるのでしょうか。この定員を考えるに当たって、そのあたりの現場の感覚を教えていただければと思いました。
○井村構成員 御質問ありがとうございます。
 まず、全ての夜間実習に全て教員がつくという実態ではないということを御報告します。夜間の実習は臨床のほうで請け負いますよという臨床施設もあります。その一方で、教員がついてこないのであれば、実習自体も受け入れられないし、夜間実習は決して受け入れないという施設も多くあります。
 その違いは何かと言いますと、やはり臨床の場に指導者がきちんといるかどうか、指導できるスタッフがいるかということと、あと、これは病院の経営のことになってきてしまうかもしれませんけれども、夜勤帯に何人の職員、助産師が置けるか。その分娩施設における分娩数と分娩にかかわる助産職員の数ということもベースにはあることなのです。
 つまり、進行中の産婦さんが複数いたり、お産が進んでしまうと、学生さんたちには悪いけれども自分たち(スタッフ)はお産のほうに集中してかかわるから、学生さんがいたら困る、いること自体が負担とか、全く面倒を見てあげられなくて申しわけない、または、教員も誰もかつかないのだったら、産婦さんへの責任もとれないし学生への責任もとれないのでお断りですというような現状がございます。
 ですので、一つの解決策は、皆様の御議論にも出ているように、臨床における学生の指導ができる力のある人たちを多く育てる、レベルアップするということと、菱沼構成員からも御発言があった、かつてはそうであったと思いますけれども、学校側の教員と臨床側のスタッフとが協働しながら質のいい専門家、後輩を育てていく体制の構築ということは非常に重要になってくると思います。
○山口構成員 ありがとうございました。
 ということは、今、臨床現場の方たちの判断に委ねられていて、特に決まったものではないということですか。そこの医療機関の考え方によって、受け入れもできればそうでない場合もあるということなのですか。
○井村構成員 そうです。
○山口構成員 そのあたりを考えていく必要があるのではないかと思いました。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 ほかに何かございますか。
 それでは、また次回も議論することになると思いますので、少し先に進ませていただこうと思います。1の「c.実習指導体制(実習指導者の要件、実習施設の要件等)」ということで、既に言及されている先生がいらっしゃいましたけれども、これについて何かございますか。
 馬場構成員、お願いいたします。
○馬場構成員 それでは、病院の立場から実習指導者の要件と実習施設の要件についての意見を述べさせていただきます。
 まず、実習指導者の要件についてなのですけれども、病院の立場からいたしますと、現場のナースにこの実習指導者講習会を受講していただくということは、それなりの負担がございます。その間の給与の保証、あるいはマンパワーの補充といったことが必要になりますので、できましたらさらなるeラーニングの活用等を通じて、できるだけ現場の負担が少なくなるように御検討いただければと思います。
 それから、実習施設の要件についてなのですけれども、こちらのほうにつきましても、人的要件につきましては、これ以上厳しくというのはやはり現場としては困るのですけれども、それ以外の要件を見ますと、比較的古典的というか、看護部の中だけの要件が中心になっていますので、少なくとも医療安全体制であるとか、チーム医療の推進状況といったところについての言及は必要なのではないかと思っております。
 以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
 ほかはいかがでございましょうか。
 池西構成員、どうぞ。
○池西構成員 資料3の18ページのところに、実習施設の要件が整理されています。看護師のほうですが、幾つかの学校から情報を得たところによりますと、主たる実習施設のアに、入院患者3人に対し1人以上の看護職員の配置というところがあります。この要件が主たる実習施設確保を難しくしているところがあります。主たる実習病院は急性期に特化したところが多いのですが、そうなると一人の患者さんを受け持ってじっくり考えさせるという基礎教育で大事にしたい学習がなかなかしがたい。
 新しく開拓しようと思うと、入院患者3人に一人という条件が厳しいので、主たる実習病院の条件緩和を期待したいということと、あわせて今後、継続的に看護をしていくようなときには、受け持った方が在宅に戻られると、そこでの実習も継続してできるとよいのですが、実習施設の条件が、例えば実習指導者が2名ということになると、訪問看護ステーションを含めて、小さな組織になると難しいところがあります。
 そうなると、継続して実習させるということが難しくなりますので、主たる実習病院の条件緩和や継続看護的な実習のときに実習施設要件の見直しが必要ということが意見として出ておりました。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 井伊構成員、どうぞ。
○井伊構成員 実習先の確保困難がたびたび課題として上げられますが、要件緩和の必要があるかないかという議論の前に、現在どのくらいの病院が実習を受け入れていて、一病棟に何人ぐらいの学生が配置されているのかなどの実態がわかったほうがいいと思います。そういった資料は御提示いただけないかということがまず1点です。
 もう一つは、神奈川県では「看護実践教育アドバイザー事業」をやっていますが、これは今まで学生の実習の受け入れ経験がない施設がいきなり受け入れることは難しいため、アドバイザーを各病院に配置する事業で、2004年度から実施されています。その結果、実習施設の開拓に大変有用だと聞いておりますので、そういった実習施設の開拓がどのように進められているのかということも把握していれば教えていただきたいと思います。
○遠藤座長 事務局、今のような質問が出ましたけれども、コメントをお願いしたいと思います。
○関根教育体制推進官 前半にいただいた御質問というところでは、実際に実習施設である医療機関等で具体的な体制というところの御意見だったかと思うのですが、今、実際に研究で実施している中で、医療機関側に質問を予定している調査はあるのですが、一病棟あたりといったそこまでの細かい区分までは項目としては聞いていないところでありますので、そこまでの実態をお示しするのは、手元にあるデータとしては難しいかと思っております。既存の調査結果で何か示せるものがあれば、次回に向けて追加等検討させていただければと思います。
 2つ目の質問ですが、実習施設のマッチングのところは、県によっては困難な、養成所に対して個別的にどうしても探せないといったときには、医療機関の受け入れ状況を調査した上で、マッチングをしているところはあると聞いております。
○井伊構成員 ありがとうございます。
 私どもの手元に具体的なデータがあるわけではないのですが、本会の看護師職能委員会等にヒアリングをすると、「まだ学生を受け入れることができる」や「実習のキャパシティーはある」という現場の意見があります。それを踏まえると、まずは実態を把握してから、要件等の緩和を検討する方が良いのではないかと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 福島構成員、どうぞ。
○福島構成員 これは開業助産師さんの実習場所の件なのですけれども、神奈川県は県の助産師会が実習の学校とのマッチングを実際にやっていただいて、1年間スケジュールをその中に入れ込んでいただいているという実態がございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 釜萢構成員、どうぞ。
○釜萢構成員 井伊構成員から御発言がありましたけれども、養成所の立場からしますと、病院には断られるばかりで、とてもそんな余力があるとは夢にも思わないのですが、いかがでしょうか。
○井伊構成員 そこのマッチングに関して、県の仕組みがあるのかないのか、調整力というものがどう働いているのかということが、都道府県によって違うのだと思います。ただ、本会が都道府県の職能委員会という組織にヒアリングをいたしますと、まだキャパシティーはあると答えが返ってくる場合が多くありますので、マッチングの工夫かなと思います。
○釜萢構成員 言わせていただきますと、病院の立場、実習生を受け入れる立場からしますと、余り学生がたくさんいて、大挙してぞろぞろ歩いているような様子は、患者さんにとっては非常に不快だろうということがあって、1病棟に10名という基準がありますが、これが妥当なのかどうかというところは、もっとふやせる場面もあるだろうとは思うのですけれども、一方、10名もぎりぎりいっぱいではないかということはあるわけなので、現場を見ている印象としては、さらに受け入れるところがかなり厳しくなっているなということは、私は確かだろうと思います。
 看護師の養成に関して言いますと、大学の養成がかなりふえてきていることは確かなので、それ以外の部分がはじかれているという現実は確かにあって、なかなかそれを挽回できないという現実だろうと認識をしておりますので、発言をさせていただきました。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
 ほかに。
 菱沼構成員、お願いします。
○菱沼構成員 ありがとうございます。
 今、病棟に対して10人というガイドラインなのですけれども、病棟を50人単位でやっている場合、25人単位でやっている場合、その患者さんの数、病床数によってそこは考えようが大いにあるところなので、1病棟に対して10人というような区切りの仕方は余り好ましくないのかなということがございます。
  それから、実習施設の条件を緩和するというよりは、今、病床の状況が変わってきています。御承知のように、慢性病棟とか療養病棟、地域包括ケア病棟というものができている中で、看護職の割合も変わってきているので、これからの看護師たちが働く場所が実習場になれるような実習場の開放をお考えいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 山田構成員、どうぞ。
○山田構成員 ウの資料の16ページにあります看護師養成所の実習施設の要件なのですが、(2)にある主たる実習施設、先ほど池西構成員からコメントがあったところですが、主たる実習施設は基礎看護学と成人看護学の実習施設なのですが、これを読むと完全に病院のイメージですよね。病院ではないと基礎看護学の実習ができないかと言うと、決してそうではないので、この主たる実習施設のあり方については、これは議論をして、何かしらの改変をする必要があると考えます。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 菱沼構成員、どうぞ。
○菱沼構成員 もう一つ言い忘れました。
 看護職の配置は、患者数に対しての診療報酬として算定されていますので、看護師の教育に向ける看護師数は、それぞれの病院の経営努力みたいな話になっているのが現状で、そこを今後どういうふうに考えていくのかということは、ここで論議はできないかもしれないのですが、ぜひお考えいただきたいです。
 学生の実習を受け入れていますというようなことを、病院の患者さんへの説明のところによく皆さん書いておられるのですけれども、それを実際にやるためには、国全体としてどういう報酬体系が必要かということは一考すべきではないかと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 ほかに、いかがでございましょうか。
 中島構成員、お願いします。
○中島構成員 ありがとうございます。
 学生さんを受けている訪問看護ステーションのほうから報告させていただきます。
 茨城の現状しかわからないのですけれども、茨城県では訪問看護ステーションのほうで学生さんをお断りしているステーションは多くあります。断られたということでうちに来て、結局現在は2カ所の養成所と大学、あと、2年課程は2カ所、合わせて5カ所受けているような感じになっています。そうすると、5月から12月までずっと学生さんがいる状況で、看護職員が10名で、そのうち指導者講習会に行ってもらったスタッフは6名いますので何とかなっているのですけれども、やはり学生が多いと看護師も疲れるのです。何となく落ち着かない状況で、12月が終わってお正月が来ると学生さんがいない、楽だなというような感じになってしまうのです。
 いつも現場で思うのは、ステーション等福祉系のところでは看護職員が少ないので、教員の力がすごく必要だということと、そのためには、教員の教育課程の中で、福祉や在宅系の実習も入れて学習していただく必要があるのかと考えています
 以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 大体よろしゅうございますか。
 ありがとうございます。
 それでは、次の課題です。「2教育環境について」ということで、看護師等養成所の施設設備ということですが、何かございますか。
 山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 資料3の20ページのところに「看護師等養成所の施設設備について」というのが、平成27年の医政局長通知とございますけれども、これを見ていると、せっかく今回議題になるので、見直しをされてはどうなのかと思うような項目があって、例えば第7の(7)を見ていますと、視聴覚教室とか演習室、情報処理室というものはもちろん必要なのだと思いますけれども、学校長室はわざわざ書く必要があるのかなというようなところとか、印刷室とか倉庫とか、こんなことまで書かないといけないのかなと、読んでいて疑問を覚えました。
 せっかく今回議題として出されているので、一度中身を整理していく中で、本当に必要なものだけ残すような形に、整理されてはどうなのかなということを意見として述べたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでございましょうか。
 釜萢構成員、どうぞ。
○釜萢構成員 何度も発言させていただいて済みませんが、この「第7 施設設備に関する事項」に「(1)同時に授業を行う学生の数は原則として40人以下とすること」ということでただし書きがあって、例外規定が設けられているわけですが、40名に対しては余り音響設備などを使わなくても十分声が通って話ができるという、一つの教室の単位として40というのが出てきていると思うのですが、いろいろ授業のやり方も変わってきていることと、それから、複数のクラスを持っているところで、大変教育の能力のある教師にやってもらうのに、何度も講義をしてもらうということもなかなか難しかったりすることがあるので、ここの40名以下というところについては、今回の改正に当たってちょっと検討が必要だろうと思いますので、指摘をしておきます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 池西構成員、どうぞ。
○池西構成員 日本看護学校協議会の会員からも、今、釜萢構成員がおっしゃった点については、指摘があります。いろいろな形で授業が進んでいくとよいと思いますので、原則として40名以下ということについて検討をしてほしいという声があります。そのときに看護師養成所においては基礎分野だけが40名を超えても条件が揃えばよいことになっているのですが、専門基礎分野についても、40名以下という枠を外すことを考えていただきたいというものです。
○遠藤座長 ありがとうございます。御意見として承りました。
 ほかにいかがでしょうか。
 それでは、これまでを通して何か言い残したところとか、言い忘れたところがあればお聞きしたいと思いますが、全体を通して何かございますか。
 それでは、中西構成員、お願いいたします。
○中西構成員 教員の質の確保というか向上の点で教員になってからの年数が長くなると、実践力が下がってしまい潜在看護師みたいなような形になってしまうことが多いかと思います。
 病院附属の看護学校とかですと、現場と教員との行き来があるようですけれども、そうでない場合、やはり現場を離れて10年とか15年、実習指導に行っていてもやはり現場の状況というものははっきりとわからないようなところも生じてしまいますので、そういった研修制度みたいなものを、現場と学校の中でつくっていけるように希望します。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 村嶋構成員、どうぞ。
○村嶋構成員 ありがとうございます。
 まず、お願いとしまして、10ページの看護教員に関する現状のグラフですが、看護師3年課程がとても大きいので、そのデータに左右されることが多いので、保健師、助産師、そして、看護師は3年課程はまとめてもいいかもしれないのですが、ある程度それぞれの課程によってこれをぜひ書いていただきたいということが、次に向けての要望でございます。
 それから、実習の臨床指導者の講習会ですが、今のは50日ぐらいかかるのですよね。かなり長いので出せないということがあります。50日を一貫してやるということも大事なのだと思うのですが、単位制にして、ある程度分割するということも必要かと思います。
 私の大学では、実習の主となる病院がなかなか実習指導者講習会に出せないという現状がありましたので、こちらから押しかけていって、4日間ぐらいで講習会をやったのですが、そうすると、少なくとも中の病院の看護師さんたちの関心が実習指導に向くので、そういう意味では、短期でも一般の看護師さん方にそういう関心を持っていただくということは非常によかったと思っております。
 それから、18ページの実習施設の要件ですが、先ほどから幾つか出ておりますが、特に老年看護学の実習はかなり老人保健施設等が多いかと思います。私どもは予防的家庭訪問実習と言って、一般の高齢者の生活を見るということを実習に入れております。普通の御家庭に行くのです。そういうときの実習施設の概念、文科省から毎年実習施設についての調査が来ていますが、それに書くときに予防的家庭訪問実習について書く欄がないのです。これからは、そういうタイプの実習もあるので、質の保証はしないといけないのですが、実習のあり方や実習施設の要件は御検討いただければと思います。
 以上です。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 木村構成員、どうぞ。
○木村構成員 きょうは体制とか教育環境についての議論でしたが、その困難な点がよく分かりました。そのことからはちょっと外れるのですけれども、資料3の3ページとか4ページに教務主任の養成講習会の中身、あるいは専任教員に関する内容が書かれております。こうした中身において重要なカリキュラム開発の問題とか、内容が保障されているということはシステムの事項としてはわかるのですけれども、これがどういうふうにして受講者の中で意味あるものとして捉えられているのかということは、体制や環境の問題と別の問題ではなくて、それとかかわっている問題にもなるかと思いました。
 そういう内容についてのフィードバックということは、何かデータによって裏付けられるということはあるのでしょうか。そういうデータがあったらお伺いしたいと思いました。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 では、事務局、コメントをお願いします。
○関根教育体制推進官 今、木村構成員からいただいたご質問については、受講されてどうだったかといった受講者の声としまして、例えば、参考資料4の3ページ目に「専任教員養成講習会の各教育内容がどの程度有益であったか」、その次のページにも、「その後どういう知識、技術が身についたか」などをお聞きしたものはございまして、それと同様に、5ページ目にも、同様の内容について教務主任養成講習会の評価というような形も、こちらに掲載しているところでございます。
○木村構成員 ありがとうございました。
 これに加えて、恐らく1番目とは関係があるかと思うのですけれども、何が必要なのかという視点があるといいなと思いました。
○関根教育体制推進官 事務局でございます。
 そういった意味では、その回答になるかはわからないのですけれども、同じく参考資料4の4ページ目で、さらに今ある講習内容以外に、追加してほしい内容があるかといったところを聞いておりますので、このあたりが今後もし見直しが必要ということで御意見をいただきましたら、ワーキング等でもどういうことを追加するといいのかということを検討いただく際の参考としていただければと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 池西構成員、どうぞ。
○池西構成員 今のお話で、同じ資料ですが、教育課程の見直しが必要と思っているのは、例えば専任教員養成講習会の授業評価では学校管理が実感がなくてわかりにくいようです。一方、教務主任養成講習会ではカリキュラム開発とか学校管理の理解が深まっているという現状があります。そういう意味で、専任教員養成講習で何を、教務主任養成講習で何をというカリキュラムの精選は可能だと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 春山構成員、お願いします。
○春山構成員 今までたくさん御意見が出ていましたが、私もまず実習指導者や教員養成の研修を受けやすくするということは非常に重要だと思うのですけれども、池西構成員等からもお話が出ていましたが、やはり積み重ねられるようにというところで、そういうような形態が必要だと思いますし、あと、村嶋構成員から出ていましたけれども、実際には、現場ではこの実習指導者等の講習会を受けていない指導者の方々に指導を受けることもたくさんあります。
 その方たちも本当にすばらしい実習指導をしてくださっていて、その努力として、病院側もキャリアラダーなどにも組み込んで努力していたり、それから、お願いする大学のほうもショートバージョンの講習会みたいなものを開いていたりします。
 また、大学は科目等履修等もありますので、そういったことが体系的に一定の条件を満たせば認められていくというようなことで受講しやすさを増していったらいいのではないかと思います。
 村嶋構成員から出ていましたけれども、やはり実習場所の概念についても、これまでもやはり地域包括ケアシステムの中で活躍できる看護職ということがたびたび出てきておりましたが、そういったときに私どもも自治体とか老人会と協力して実習するとか、これからは多分NPO法人などと協力して実習するというようなこともむしろ必要になってきたりすると思います。もちろん教育の質を担保することは大事だと思いますけれども、そういった条件はつけつつ、実習施設の概念を変えていく必要があるのではないかと思います。
 あと、実習指導者講習会にかかわっているのですけれども、平成27年とかに少し見直しされたのかもしれませんが、カリキュラムはほぼ変わっていないような印象を受けています。先ほど御意見が出ていましたけれども、カリキュラムについても現状に合った見直しが必要であると思いました。
 以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
 山田構成員、どうぞ。
○山田構成員 お話を伺っていると、教員と実習指導者の2種類の講習会に出づらいので、出やすいようにしましょうというのはかなり重要だと思われますが、今回のこの検討会とワーキングで、どこまでの内容について検討し、公にしていくのか、御意見をいただいておきたいと思います。
○遠藤座長 事務局、いかがでしょうか。
○島田看護課長 実習指導者講習会、専任教員講習会、教務主任講習会は保助看准どの養成課程にもかかわるお話ではあるのですけれども、メーンは養成所の数も多いですので、看護師のワーキンググループで教員養成、実習指導者養成のあり方についてまず御検討いただきたいと考えております。その後、個々の職種別に特化した内容について、各ワーキンググループでさらに御議論いただくといった段取りを考えております。
 内容的には、今、御指摘がありましたように、実習指導者、教員、その他の研修ももっと有効に活用をというようなお話もございましたので、そういったことも含めて、講習会の内容ですとか受講の方法といったところを見直していくことができればと思っております。
 一方で、急に変えるとまたそれはそれで影響もございますし、トライアルとかそういったものも含めて全て材料がそろって見直しを終了できるかというと、必ずしもそうでないところもあるかもわかりませんけれども、少なくともこういった方向で見直しをするとか、ある程度のそういった研修見直し後の枠組みといったものは、検討会の中で方向性を出していただければと考えております。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 山田構成員、よろしいですか。
 ほかに何かございますか。
 それでは、江﨑構成員、井伊構成員の順でどうぞ。
○井村構成員 済みません。確認させていただいてよろしいですか。
 今の御発言で質問なのですけれども、この親会議の検討、看護教育そのものではなくて、教員養成と教員の現任教育に関するカリキュラムのつくり込みであるとか、その発信方法、受講方法等をこれから検討していくという御発言だったと思います。
 その方向性は親会議のほうで検討し、かつワーキングでどこまでどういうふうにしたらよろしいのかというのが、山田構成員からの先ほどの問いだったと思うのですが、この教員に対する教育に関しては、この場で全ての研修に関して各論的内容まで全てとり行うという認識でよろしいのか、それとも、方向性や道筋はつけるが、別途会議体を持つとか、厚労省の中で御検討なさるとか、ワーキングを持つという形のつくり込みになるのかというところが、具体的なにイメージできませんでしたので、お教えいただけるとありがたいです。
 他の会もそうですが、全助協といたしましても、委託事業としてさせていただいておりますし、さまざま工夫しながら展開したいとも思っておりますので、ぜひ厚労省としての方向性であるとか、具体的な改定方法のイメージとか道筋をもう少し教えていただけるとありがたいです。
○遠藤座長 事務局、お願いします。
○島田看護課長 説明が不十分で申しわけございませんでした。
 一応この検討会、それからワーキングで御検討いただきたいと、今の時点で考えております。ただ、今、お手元の材料、あるいはさまざまなところで御検討いただいている中ではみ出すと言いますか、検討し切れないということがもしあれば、また別の場を設けていうことも方向としてはあるかもわからないのですけれども、今の時点ではこの検討会、それからワーキングで御検討いただいてと考えております。
○遠藤座長 井村構成員、よろしいですか。
 では、先ほどお手を挙げになられていた、井伊構成員、江﨑構成員の順でお願いします。
○井伊構成員 実習生と実習施設のマッチングについて、私は余裕があるのですと申し上げ、釜萢構成員はそんなことはないだろうというご意見でした。確かに、都道府県によって、この10年ぐらいで大学が大きく増えている県と、そうではない県があり、県ごとの看護職の養成数は随分差があるところだと思います。そのため、ある程度、調整が可能な状況と、そうはいかなくなっている状況があるのだろうなと思いました。
 先ほど申し上げた神奈川県の看護実践教育アドバイザー事業など、県行政が調整に乗り出しているというのは、サービスで行っているのでしょうか。教育に必要な実施施設はそれぞれの教育機関が自分で探さなければいけないため、都道府県として看護職員を養成するという観点で実習施設の調整をするということは、どこにも定められていないのでしょうか。また、都道府県によってこういった取り組みを積極的に行っている県の例などをお示ししていただくことは可能かどうかを事務局に確認したいです。
○遠藤座長 事務局、いかがでしょうか。
○島田看護課長 都道府県は地域医療計画の中で、看護職員も含めたそういった人材確保をしっかりしていくということを計画的にということは定められておりますので、それぞれ実習施設のマッチングをやっていらっしゃる県が主催して、そういった会議をやっていらっしゃるところもあれば、やっていらっしゃらないところもあるかと思うのですけれども、そういった趣旨で、サービスと言うよりも、そういった地域での看護職員を含めた医療人材をしっかり確保していく、養成していくといった役割を持っているという観点で個々取り組んでいらっしゃるものと承知しております。
 実施状況につきましては、ただいま御説明いたします。
○関根教育体制推進官 先ほどのマッチングのことなのですけれども、都道府県によってということを申し上げたのですけれども、基本的にそれをきちんとスタンダードな日常の仕組みとしてやっているところは少ないかとは思います。そういった自治体の事例があること自体は、我々は教育の担当者会議もやっている中で把握はしているのですけれども、それを例としてお出ししていいかどうかは、検討させていただければと思います。
○遠藤座長 よろしくお願いします。
 関連ということでよろしいですか。春山構成員、どうぞ。
○春山構成員 全ての都道府県ではないかもしれませんけれども、保健師の実習につきましては、かなり都道府県が関与しているところが多いと思います。少なくとも栃木県は全て調整いただいています。それは私たちも当然とは思っていませんけれども、やはり現場も結局きちんと調整しないと困るということもあり、あと、養成も促進するという趣旨であるかなと思っています。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 それでは、お待たせいたしましたが、江﨑構成員、どうぞ。
○江﨑構成員 ありがとうございます。
 また実習施設の要件のところに返ってしまいますが、資料の19ページの単位数というところで、病院以外の実習単位数を1割から3割程度の間で定めることと書かれています。これからの教育を考えたときに、暮らしを支えることができる看護師を育成していくためには、多方面にわたる継続的な実習も考えていかないといけないかと思います。そうなると、この1割から3割でよいのか、程度とはついていますが、この程度の範疇というものが指導官によっても随分受けとめ方も違いますので、この辺をこれから検討していくことも必要になるかと思います。
 以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
 非常に活発な御意見をいただきました。予定していた時間にそろそろなるものですから、
それでは最後に、井村成員、手短にお願いします。
○井村構成員 本論から少し外れますが、先ほども菱沼構成員からも御発言がありましたけれども、いい教育をしていくためには、それなりの人材が必要であること、人材を確保するためにはお金が必要であることというところはやはりどうしても外せないことなのだろうと思います。
 その観点から少し的は外れますけれども、ぜひ都道府県の教育担当者会議等で、今、地方自治体におりている基金のところから、教育人材、学校の教員もそうですし、臨床の指導者等に対しても基金を運用していただきたいということを、厚労省からもぜひ発出していただきたいと考えています。
 今は、臨床にお願いするにしても施設の負担が非常に大きくて、各施設の個々の経営体力や善意に頼っている現状がございます。国を支える医療専門家の育成が、個々の施設の力量に頼り切っていてよろしいかというところは大いに検討されなければならないと思います。
 もちろん厚労省様とされても、さまざまな補助をしてくださっていることは重々承知しておりますけれども、やはり現状としては、施設、臨床の経営体力と善意に相当寄りかかっている部分はあろうかと思いますので、いい教育をする、いい人材を育てるというところからは、国からの大きなサポートはぜひとも必要だと考えましたので、貴重な残り時間に、発言させていただきました。
○遠藤座長 ありがとうございました。
 それでは、大変重要な御意見がたくさん出ましたので、事務局におかれましては、これを整理していただきまして、それを次回の検討会で示していただければと思いますので、整理のほど、よろしくお願いします。
 それでは、最後に事務局から何か連絡事項があれば教えてください。
○関根教育体制推進官 第6回の検討会につきましては、構成員の皆様方に改めて御案内させていただきます。
 航空券や宿泊の領収書など、対象となる先生におかれましては、お早めに事務局までお送りください。
 以上でございます。
○遠藤座長 それでは、長時間活発な御議論、どうもありがとうございました。
 これで本日は終了いたします。ありがとうございました。

 

(了)

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