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2018年8月30日 第4回 看護基礎教育検討会 議事録

医政局看護課

○日時

平成30年8月30日(木)14:00~16:00

 

○場所

TKP新橋カンファレンスセンター ホール2A
東京都港区西新橋1丁目15-1 大手町建物田村町ビル

○出席者

井伊久美子 (公益社団法人日本看護協会副会長)

池西静江 (一般社団法人日本看護学校協議会会長)

井村真澄 (公益社団法人全国助産師教育協議会会長)

江崎喜江(※崎はたつさき 以下略) (大阪府病院協会看護専門学校副学校長)

遠藤久夫 (国立社会保障・人口問題研究所所長)

太田秀樹 (一般社団法人全国在宅療養支援診療所連絡会事務局長)

釜萢敏 (公益社団法人日本医師会常任理事)

木澤晃代 (日本大学病院看護部長)

酒井郁子 (千葉大学大学院看護学研究科附属専門職連携教育研究センター長)

中西亜紀 (高槻市医師会看護専門学校教務部長)

中島由美子 (医療法人恒貴会訪問看護ステーション愛美園所長)

額賀修一 (全国看護高等学校長協会副理事長)

馬場武彦 (一般社団法人日本医療法人協会副会長)

春山早苗 (自治医科大学看護学部学部長/教授

菱沼典子 (一般社団法人日本看護系大学協議会理事)

藤田京子 (蕨戸田市医師会看護専門学校副校長)

前田彰久 (富山県厚生部長)

村嶋幸代 (一般社団法人全国保健師教育機関協議会監事)

山口育子 (ささえあい医療人権センターCOML理事長)

山田雅子 (聖路加国際大学大学院看護学研究科教授)

○議題

 (1)助産師ワーキンググループにおける検討事項について
   (2)保健師ワーキンググループにおける検討事項について
   (3)准看護師ワーキンググループにおける検討事項について
   (4)その他

○議事

 

○関根教育体制推進官 それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第4回「看護基礎教育検討会」を開催いたします。
構成員の皆様におかれましては、本日はお忙しい中、本検討会に御出席を賜り、まことにありがとうございます。
本日は、安藝構成員、木村構成員、福島構成員の3名が御欠席となります。
議事に入ります前に、人事異動がございましたので御紹介させていただきます。
文部科学省初等中等教育局田村主任視学官でございます。なお、本日は別の公務でおくれて出席の予定です。
それでは、遠藤座長に議事進行をお願いしたいと思います。
○遠藤座長 皆さんこんにちは。本日もよろしくお願いいたします。
それでは、議事に入る前に、まず資料について確認したいと思います。事務局、お願いします。
○関根教育体制推進官 本日の資料を議事次第に沿って確認させていただきます。
資料1 助産師ワーキンググループにおける検討事項(案)
資料2 保健師ワーキンググループにおける検討事項(案)
資料3 准看護師ワーキンググループにおける検討事項(たたき台)
資料4 准看護師養成所における教育内容と方法に係る調査結果
参考資料 准看護師の基礎教育を取り巻く現状等の参考資料
を机上に配付しております。
また、お手元に御用意しましたファイルには、第1回から3回の資料と関係法令や検討会の報告書をファイリングしておりますので、適宜御参照ください。
資料の落丁、不足等がございましたら、事務局にお申しつけください。
以上でございます。
○遠藤座長 よろしゅうございますか。
それでは、議題に入らせていただきます。
本日は、前回の検討会からの議論の続きといたしまして、まず助産師のワーキンググループでの検討事項、これについて御議論いただきたいと思います。
まず初めに、事務局から資料1の説明をお願いします。
○関根教育体制推進官 資料1「助産師ワーキンググループにおける検討事項(案)」をごらんください。
こちらは、前回いただいた御意見をもとに修正いたしました。また、本日御欠席の福島構成員には事前に御意見をいただきまして、それも反映させて資料を修正しております。
まず1ページ目になります。
※将来を担う助産師に求められる能力として、以下の能力を強化することを前提として検討する。
下線のところにつきましては、新しく追加したり、前回から修正をしたりしている文言となっております。1つ目の見出し、「・」のところですが、
・マタニティケア及びウィメンズヘルスケアに関する以下の能力を強化する
a.女性、母親・子ども・父親、家族(以下、対象とする)のライフサイクル全てにおいて、生涯にわたる健康増進・予防・課題解決のために適切かつ継続的に支援する能力
b.様々なハイリスク要因を抱える対象に対応する能力
c.対象の社会的背景や生活に即したニーズを統合的に捉える能力
d.家族の形成や子どもの成長発達を継続的に支援する能力
e.地域における子育て世代を包括的に支援する能力
2つ目の見出しとしまして、
・助産師としての役割をさらに発揮できるよう以下の能力を強化する
f.正常からの逸脱を判断し、異常を予測する臨床推論能力
g.緊急時や異常時に臨機応変に早期対応する実践能力
h.対象や他職種との信頼関係を築き、協働するための高いコミュニケーション能力
i.エビデンスをもとに実践し、助産師として専門的に自立/自律する能力
おめくりいただきまして、2ページ目には「検討事項」の柱をお示ししております。
そして3ページ目に移ります。「2.検討上の留意事項」です。
見直しの方向性につきましては、前回と同様、
基本的には、保健師助産師看護師学校養成所指定規則上の教育内容の枠組み(“○○学”等)を維持して見直しを行っていく。
としております。
そして、その下、(2)の「教育内容について」、主に追記等を行ったところを御紹介いたします。
1充実すべき教育内容及び留意すべき点
【基礎助産学】については、
b.家族に対して支援する能力の充実
c.マタニティケア能力の充実
d.ウィメンズヘルスケア能力の充実
を追記しております。
【助産診断・技術学】については、
a.ライフサイクル各期における女性、母親・子ども・父親、家族に対する相談及び支援能力の充実
b.ハイリスク要因をもつ女性、母親・子ども・父親、家族に対するケア能力の充実
c.性の多様性及び不妊を含む健康課題に対するケア能力の充実
d.妊娠・分べん・産じょく・新生児期におけるアセスメント能力と自立/自律的に対応する能力の充実
e.分べん進行に伴う異常発生を予測し、予防的に行動する能力の充実
f.出生直後からの愛着形成を支援する能力の充実
を追記しております。
【地域母子保健】につきましても2点追記しております。
a.地域における子育て世代を包括的かつ継続的に支援する内容の充実
b.地域の自主活動グループや関係機関、多職種との連携に関する内容の充実
おめくりいただきまして、4ページ目、(3)の「教育方法について」の「1講義・演習において工夫すべき点」、aを追記しておりまして、
a.対象の力を引き出すコミュニケーション能力を身につける演習の充実
b.実習場面を想定した場やシミュレーション教育等の工夫及び活用
c.アクティブラーニング等の教育方法の工夫及び活用
以下は同じでございます。
2の「実習において留意すべき点」は2点追記しております。
a.分べん第一期からの分べんの進行状態を観察・アセスメントし、変化に対応する能力の充実
b.地域における子育て世代を包括的かつ継続的に支援する能力の充実
を追記しております。
以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは早速、ただいま説明のありました助産師ワーキンググループにおける検討事項、これについて御意見をいただきたいと思います。前回一度議論しておりますので、もう項目に分けずに、どの項目でも結構でございますので、御発言いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
井村構成員、どうぞ。
○井村構成員 ありがとうございます。
まず、3ページ目でございますけれども、卒業時の到達目標も検討すると理解しております。看護師は、1人で実施できるという到達目標がファイナルのものでございますが、助産師、保健師も、「少しの助言で」という曖昧な表現がついておりますので、ぜひ「1人で実施できる」という明確な到達目標のレベル設定を御検討いただきたいと考えますので、この件に関してよろしくお願いいたします。
○遠藤座長 よろしいですか。どうぞ。
○井村構成員 あと、【助産診断・技術学】のfで「出生直後からの愛着形成」ということがございます。これはもう既に書いてくださっているので十分とも言えますけれども、一方で、現場では分娩後に母子を引き離すというところからそもそものかけ違いが起こっておりますので、直後からの愛着形成の具体的なことといたしまして、早期母子接触、早期授乳、そして、母子同室、終日の母子同室が推奨されていますけれども、そこでの母乳育児支援が基本的にある形の中で母子の愛着形成がスタートする、そこをまずきっちりと教育の中でさらに充実させていくということがこの根本になることを強調させていただきます。
もう一点目は、実習において留意すべきところでございます。今回、ハイリスクであるとか、基本的な助産のマタニティケアのコアになる能力からウィメンズケア能力も強化するということで進んでおります。それは非常に重要なことなのでそのとおりでございますが、そもそものマタニティケア能力のコアとなるこの分娩一期からのケアをきっちりと充実させること、しつこいようですが、妊娠期から分べん、そして産後の継続というところはしっかりと教育の中に入れ込むということをさらに発言いたします。
そして、資料各所で産後の継続、継続と書いてございます。「実習において留意すべき点」にも地域における子育て、包括的、継続的とございますので、今、1カ月までというところでフォローを切っておりますけれども、これだけ継続的というところを強調しようと書かれておりますので、ぜひ産後、生後1カ月以降の実習ということをしっかりと盛り込んでいただきたいと思います。できましたら6カ月ということはございますけれども、最低限でも、母親役割意識が確立と理論的にもされています3~4カ月ぐらい、もしくは子供がしっかりと首が座って成長する、家族としても成長しつつあるというあたりの3~4カ月というところは目指して検討していただきたいと考えております。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。ほかにいかがでございましょう。
井伊構成員、どうぞ。
○井伊構成員 ただいまの井村構成員と同じ意見です。特に実習期間に関わることですけれども、産後ケアの教育拡充をお願いしたいということを発言したいと思います。
産後の育児支援や社会資源の活用などが十分ではなく、孤立や虐待、産婦さんの自殺などの課題もあると聞いております。そういったことからいたしますと、今の井村構成員の御意見と同様ですけれども、産後1カ月以上の母子を対象とした実習ができるようにする必要があるという意見が現場から出されていますので、ぜひ拡充をしていただきたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。ほかに何かございますか。
よろしゅうございますか。
それでは、本日御意見幾つかございましたので、これを事務局には整理していただきまして、それを資料に反映させて、それを構成員の皆様にごらんになっていただいた後に、助産師のワーキンググループに示したいと思います。このような段取りにしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
それでは、井村構成員、どうぞ。
○井村構成員 済みません。助産師の教育内容、目標、方法に関してはそのとおりでございますが、あえてこの場で、これは厚労省の会議ですので適切性を欠くかもしれませんけれども発言させていただきます。ちょうど今、教育課程を見直しているところで、これから教育内容、そして教育単位数も検討されると思います。そのときに、看護師教育の単位数と助産師教育、保健師教育の単位数がそれぞれ設定されます。それを、文科省管轄の教育機関においてではありますけれども、複数の教育課程を行っている一教育機関において、単位とか時間数の科目の読みかえのが現在行われております。それはきっちりした査定を経て承認されて各教育機関が行っているものであろうと理解いたしておりますが、できましたら読みかえですとか対比表の中での複数科目のダブルカウントということがないほうが望ましいと考えております。なされるにしても、ある一定ラインというのが必要ではないかと考えます。
これは厚労省会議の場での発言として適切かどうかわかりませんけれども、漏れ聞くところによりますと、幾ら単位数がふえたり教育の充実を図ったとしても、読みかえができるからいいわというような巷での発言を複数聞くことがございます。どの程度どのようにされているかはわかりませんが、結局ここでいろいろ検討しても、穴のあいたザルでの検討かみたいなふうになっては元も子もないと強く思っておりますので、これは厚労省の会議であって、文科省の会議ではございませんけれども、指定規則の改正は合同省令ということで出されると思いますので、ぜひこれは検討していただきたいとあえて発言させていただきます。ありがとうございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。御意見として承りましたが、何か事務局にコメントは求めますか。よろしゅうございますか。
○井村構成員 もし御発言いただけるのでしたらば、ですけれども。
○遠藤座長 読みかえについてのあれですね。
○島田看護課長 事務局でございます。
井村構成員がまさにおっしゃられましたように、大学での課題ということで御指摘いただきました。私どものこの場での検討範囲からは外れますけれども、しっかり、そういった問題意識をお持ちということにつきましては文部科学省のほうにも情報提供していきたいと思っております。
以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございました。では、よろしゅうございますか。
ありがとうございます。
それでは、続きまして2つ目の議題ですね。保健師ワーキンググループでの検討事項についての議題に移りたいと思います。事務局から資料が出されております。資料2でございますが、資料2について説明をお願いします。
○関根教育体制推進官 事務局でございます。
資料2「保健師ワーキンググループにおける検討事項(案)」をごらんください。前回の検討会での意見を反映し、資料の修正を行っております。
1ページ目、
将来を担う保健師に求められる能力として、以下の能力を強化することを前提として検討する。
・対象者の理解をさらに深めることができるよう以下の能力を強化する
a.幅広い視野で対象者や集団のニーズを捉えるためのコミュニケーション能力
b.個別の状況も踏まえ、対象集団の顕在的・潜在的問題を把握する能力
c.対象集団の生活や健康等に関する情報を多角的・継続的に捉えて分析し、施策化していく能力
・保健師としての役割をさらに発揮できるよう以下の能力を強化する
dはそのままでございます。
e.「不足する資源を創出し」の後に「関係機関の調整」を追記しております。及び対象者の組織化を図り、それらを育成する能力
f.少子高齢化を踏まえ、新たな健康課題に取り組み、解決に向けて対応策を「企画し」という文言を追加しております。講じる能力
g.今後の医療提供体制を踏まえた地域包括ケアシステム等の構築のためのシステム化・施策化を推進するためのプレゼンテーション能力
h.大規模災害等の健康危機への予防策を講じ、発生時及び発生後に適切に対応する健康危機管理能力
ページをおめくりいただきまして、2ページ目は「検討事項」の柱を書かせていただいております。構成はほかと同じでございますので、3ページ目に移ります。
「2.検討上の留意事項」
※見直しの方向性は、以下のとおりとする。
基本的には、保健師助産師看護師学校養成所指定規則上の教育内容の枠組み(“○○学”等)を維持して見直しを行っていく。
少し飛びまして、
(2)教育内容について
1充実すべき教育内容及び留意すべき点
【公衆衛生看護学】としましてaからcまで追記しております。
a.健康危機管理能力を強化する必要性
b.働く人々や児童生徒等の健康を守るための実践力を強化する必要性
c.データ等のエビデンスに基づき、施策化に向けた能力を強化する必要性
【疫学・保健統計学】
a.対象集団の生活や健康等に関する情報を多角的・継続的に捉えて分析する能力を強化する必要性
を追加しております。
ページをおめくりいただきまして、4ページ目でございます。
(3)教育方法について
1「講義・演習において工夫すべき点」、この部分におきまして、dからfを追記しております。
d.対象者の多様性や健康課題の複雑性に対応できるような講義と演習の連動
e.疫学・保健統計学で学んだ知識と統合させた教授方法の検討
f.実習を踏まえて、地域の健康課題の把握から実践の展開及び施策化という一連が理解できるような演習の検討
「2実習において留意すべき点」としまして、a、最後の部分の文言、「演習と実習の連動」と修正しております。そして、bは、冒頭に「訪問も含めた」という文言を追加しております。
c.住民の主体的な活動等の様々な場面を活用した実習の展開
d.学生が主体的に保健活動に参加できる実習の検討
を追記しております。
以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、いかがでございましょうか。これも前回に引き続いての議論でございますけれども、全体を通して、どこでも結構でございますので、御意見いただければと思います。
村嶋構成員、どうぞ。
○村嶋構成員 最初の1ページ目のgのところでございます。「今後の医療提供体制を踏まえたシステム化・施策化を推進するためのプレゼンテーション能力」になっておりますが、ここはプレゼンテーションと限局するのではなく、「政策形成力及び遂行能力」としていただきたいと思います。プレゼンテーションはそのうちの一つでございます。また、小さな目標や最初の一言でもいいですので、ぜひここで保健師の教育課程の中で遂行していくという態度を養うことが必要だと思います。
それから、3ページでございます。公衆衛生看護学と疫学・保健統計学は入ったのですが、保健医療福祉行政論がここでは挙げられておりません。今回の検討会が地域包括ケアシステムの必要な時代に応じた看護教育を行うということが趣旨でございますので、この保健医療福祉行政論にぜひ強化していただきたいこととして、「地域包括ケアシステムを構築できるために、政策論、医療経済学など施策化に必要な基盤を強化する必要性」、それを加えていただければと思います。
もう一つ言ってもよろしいですか。
4ページ目でございます。「講義・演習において工夫すべき点」がaからfまでございます。cが「シミュレーション教育の活用」になっておりますが、その下の「実習において留意すべき点」のaが「健康危機管理等、学ぶ内容の特性上、見学実習とならざるを得ない点も勘案し」となっています。見学実習だったら、それはシミュレーション教育がふさわしい事柄だと思いますので、cのシミュレーション教育の前に、それを統合して、健康危機管理・虐待等を学ぶ内容の特性上、シミュレーション教育がふさわしい事柄におけるシミュレーション教育の活用ですね。実習で見学実習になるのでしたら、それはシミュレーションに持っていくということをぜひしていただきたいと思います。
以上が講義・演習でございます。
実習に関してでございますが、実習に関して学生が主体的に保健活動に参加できるというのがdの一番最後にございます。ですが、前回、全国保健師協議会の報告で申し上げましたように、なかなか学生が主体的に実習に参加できていないという実態がございました。これは保健衛生ニュースの8月20日号にも報告されておりますが、ぜひここの1番に、aとして、「学生が主体的に保健活動に参加し、保健師としての実践力が身につくような実習の展開」というように、まずは保健師としての実践力が身につく、主体的に参加ということをあわせていただければと思います。
それから、bは「訪問も含めた」というのを入れてくださいました。ありがとうございます。「訪問も」ですが、「訪問を」にしていただきたいと思います。継続的な保健指導の中で訪問を含めることは非常に重要でございますので、「訪問を含めた」にしていただければと思います。
cはそのままでございます。
dですが、そもそも今回の教育の能力の中で、1ページ目のaに「対象者個別の問題を地域社会の課題として捉え直し」というのがございますので、新しく、例として、「地域の特定の健康課題に関する個人・家族等の事例と、地区の量的データの分析に基づく地域診断を踏まえた施策化及び遂行することを目指した実習の検討」としていただければと思います。
また、今回の科目の中に、教育内容の中のb、c、学校の話、健康集団の話がありましたので、ぜひ実習の中に「働く人々や児童生徒等の健康を守る実践力を強化するための実習を含む」というのを入れていただければと思います。
以上、ちょっと多いですが、希望を言わせていただきました。
また、先ほど井村委員がおっしゃったような読みかえの問題は保健師も共通にございまして、ぜひ安易に読みかえをすることなく、きちんと保健師としての教育をしていくということを強調していただきたいと思います。上乗せ教育と、4年間での保健師・看護師の統合化教育とでは随分主体性も違うし実習の経験内容も違うというのが既に出ておりますので、ここは厚労省の場ではございますが、保健師の大部分は大学で教育されておりますので、ぜひそのことを強調してお願いしたいと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。御意見として承りました。ほかに何かございますか。
それでは、山口構成員、先にお願いします。
○山口構成員 山口でございます。
3ページの(2)の「教育内容について」の1のところで、私が公衆衛生看護学を理解していないからだと思いますが、ちょっと教えていただきたいのが、このbのところに「働く人々」と「児童生徒等」というのが並べてあります。この2つを並べている意味がちょっとよくわからなくて、幅広いようで非常に限定的な気がいたしまして、「働く人々」と「児童生徒等」が並んでいる意味を教えてください。それから、「児童生徒等」というのが例えば小中高ぐらいなのかという範囲も含めて、これは改めて読むと意味がわからないように思いましたので、そこを教えていただきたいと思います。
○遠藤座長 それでは、事務局、お願いいたします。
○関根教育体制推進官 前回の検討会において、村嶋構成員から、産業保健と学校保健の学習をより強化していただきたいという御意見をいただきましたので、その対象者を言葉で表現したものになっております。「働く人々」というのが産業保健の対象者に該当いたしまして、「児童生徒等」というのが学校保健の対象者に該当するということになっております。
○遠藤座長 山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 わかりました。産業保健という言葉を伺うと理解できました。そのあたりがちょっと一般的には読んでわかりにくいのかなという気がしました。
○遠藤座長 よろしいですか。
それでは、お待たせいたしました。春山構成員、どうぞ。
○春山構成員 今のことにつきまして意見を述べさせていただいてよろしいでしょうか。
多分、生活集団を対象としているのが保健師の活動ですので、職業生活集団と学校生活集団を対象とした活動のことをここでは述べているので、もしかしたらそういう表現のほうが御理解いただきやすいのかもしれません。確かに、これですとすごく限局的な対象に見えると思います。
私の意見を述べさせていただきますが、内容に異存ないのですけれども、健康危機管理能力の強化があちこちで言われておりますけれども、現在、到達目標として、健康危機管理というのはいろいろあるのですが、感染症、虐待、DV、自殺、災害等というものが例として挙げられております。そしてまた、保健師教育の基本的考え方、留意点のところには、施策化のところには少し、方法ですとか内容について触れているのですけれども、健康危機管理については、「健康危機管理を学ぶ内容とする」というようなことしか書かれておらず、健康危機管理というのは非常に多岐にわたっておりますし、放射線災害等の問題もございますので、今回の検討では少し、教育内容とか、それから教育方法について具体化していくことが必要ではないかと思います。
あともう一点の意見ですけれども、先ほど村嶋構成員のほうから御意見ございました中で、表現を変えていくというところは、それはそれでそのような御意見もあるのかなと思うのですけれども、この4ページの(3)の2のa、「演習と実習の連動」というのは、見学実習だから云々という話ではなく、演習と実習をきちんと連動させて効果的な教育をしていくということは重要であると思いますので、やはりここのところはきちんと残していただきたいなと思いました。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。ほかに。
では、村嶋構成員、どうぞ。
○村嶋構成員 演習と実習の連動が重要なことは私も異論がございません。ここのaの部分では、「健康危機管理等、見学実習とならざるを得ない点も」ということがありますので、見学実習だったらそれはむしろ演習のほうに移動して、シミュレーション等できちっとやれるようにして、実習はやはり自分で体験できる。家庭訪問をしたり住民さんに会ったり、そのようなことを実習としてやっていただきたいと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。補足の説明でしたね。
前田構成員、どうぞ。
○前田構成員 また卒後の話を少しだけ申し上げますと、キャリアパスのあり方は平成28年3月におまとめをいただいておりますし、各都道府県、それに即してキャリアパス研を考えていますし、本県でもおおむね、例えば統括保健師みたいなものを全ての市町村に、類するようなものも含めて置かせていただいたりとかそういうこともありますので、そことの連続性をしっかりとった上で、教育目標とか達成ぐあいとか規定していただければありがたいと思います。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
井伊構成員、どうぞ。
○井伊構成員 先ほど村嶋構成員がおっしゃった1ページの求められる能力において、地域包括ケアシステム等の構築のための能力につきましては、私もプレゼンテーション能力だけに限定したことではないと考えますので、村嶋構成員の修正案に賛成したいと思います。
それから、保健医療福祉行政論は、一昔前の地域保健計画を想定して学習内容が定められているように見える部分もあります。現在、地域医療構想や、データヘルス、医療経済等、保健師が関連する保健医療福祉行政というのは非常に幅が広がっておりますので、こういったことについては内容が追加されるべきだと思います。
3ページの「働く人々や児童生徒等の健康」に関連する御意見が出ていますが、この働く人の健康、産業保健については、これは前回改訂のときにもワーキングで強化する議論があり、強化されたことになっております。しかしながら、前回検討会で村嶋構成員から御報告いただいた資料からすると、必ずしも全ての教育機関で産業保健について教育されているとは言えないという状況でございました。
産業保健に関しては、事業所で働く保健師ということになりますので、新人看護職員研修制度の範疇外になります。人確法で定められた新人看護職員研修をやらなければいけない医療機関等の「等」の中には、事業所が入っておりません。今、働き方改革等いろいろなことが言われている状況の中で保健師はしっかりと産業保健を学習しておく必要があると思いますので、指定規則の備考に記載するなど、必修にする方向で御検討いただきたいと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
池西構成員、どうぞ。
○池西構成員 池西です。
私はワーキングにお願いという趣旨なのですが、今度のワーキングメンバーに、専門学校の統合カリキュラムで保健師教育を行っている課程の者が入っていないのです。したがって、その実情が反映しにくいかと思いますので、今おっしゃっていただいた内容とその方向性については理解できるのですが、免許取得前に習得すべきというこの点と、それから、前回、村嶋先生からご報告いただいた実態調査の中で臨地実習の困難さが前面に出ていたように記憶しておりますので、その内容を踏まえていただき、実現性を考慮しながら御検討いただくことをお願いしたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。ほかに何かございますか。
菱沼構成員、どうぞ。
○菱沼構成員 菱沼でございます。
今、池西構成員から御発言があったので、同じような意見ですが、3つのワーキング全部に御検討のときにお願いしたいということでもよろしゅうございましょうか。
基礎教育が終わった看護職というのは、どんな職業でもそうであるように、新人であって一人前ではないと私は思っております。ですので、何を育てればオンザジョブトレーニングに入っていけるのかという点と、もう一点は、長く看護職を続ける動機をきちんと基礎教育の中でつかむのには何が必要かというその2点についてもぜひ御検討のときに考慮していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○遠藤座長 ありがとうございました。
太田構成員、どうぞ。
○太田構成員 太田です。
1ページですね。文言ですけれども、保健師としての職能を発揮できる重要なフィールドに地域包括支援センターがあるわけですので、「地域包括ケアシステム等の構築」という、これは非常に重要な文言だとは思います。それで、その前に「医療提供体制を踏まえた」という表現があるわけですけれども、これが地域医療構想等をイメージされているのかということです。地域包括ケアシステムというのは、御承知のように、5つの領域から成り立っているわけです。ですから、それは保健医療福祉というところに分類できるわけですけれども、独立した重要な領域に介護があると思うのですね。それで、医療と介護の連携というのが非常に強く望まれているわけでして、どういう意味で医療提供体制ということをお書きになっているかちょっとわかりませんが、もし提供体制ということであれば、介護保険も含めた医療と介護の提供体制を踏まえるべきだとは思います。またこれがもし地域医療構想ということであれば、別に介護保険制度も含めた介護領域への理解というのが非常に重要になってくると私は思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。これは御意見でよろしいですね。それとも、ここの趣旨を少し事務局に確認しますか。
○太田構成員 介護の領域について触れるべきであると、加えるべきであるという意見です。
○遠藤座長 そういう御意見でよろしゅうございますね。
もっともな話だと思います。ほかに何かございますか。
ありがとうございました。それでは、こちらにつきましても、ただいまいろいろと御意見ございましたので、それを反映させる形で事務局に整理した資料をつくっていただきまして、皆さんに御確認していただいた上で、保健師ワーキンググループに示したいと考えますので、よろしゅうございますか。
(「はい」と声あり)
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは次に、准看護師ワーキンググループでの検討事項の議論、これは初めてになりますけれども、これについてお願いしたいと思います。事務局から資料3と4が出ておりますので、説明をお願いします。
○関根教育体制推進官 事務局でございます。
まず資料3「准看護師ワーキンググループにおける検討事項(たたき台)」をごらんください。こちらは既に作成しております「看護師ワーキンググループにおける検討事項」をもとに事務局で作成いたしましたたたき台でございます。こちらをたたき台として皆様方から御意見いただいたことを反映させていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
まず冒頭、
※将来を担う准看護師に求められる能力として、以下の能力を強化することを前提として検討する。
見出しは看護師と同じでございます。
・対象者の理解をさらに深めることができるよう以下の能力を強化する
a.コミュニケーション能力
b.対象者の社会的背景や生活を理解する能力
c.対象者の症状や兆候を的確に観察する能力
・対象者の立場に立った看護を提供できるよう以下の能力を強化する
d.対象者の価値観や主体性を尊重・擁護する能力
・准看護師としての役割をさらに発揮できるよう以下の能力を強化する
e.対象者の状態に合わせて適切に看護技術を提供する能力
f.多様な場で役割を発揮する能力
g.看護の質の改善のために、最新の知識を活用する能力
h.専門職として倫理的に行動する能力
・多様な場で多様な対象者への看護を提供できるよう以下の能力を強化する
i.対象者の状態の変化に気付く能力
j.多様な場における対象者の療養生活を支える能力
おめくりいただきまして2ページ目は、他の職種と同様、「検討事項」の柱を記載しております。
さらにページ進んでいただきまして、3ページ目をごらんください。
2.検討上の留意事項
まず、見直しの方向性を書かせていただいております。
・保健師助産師看護師法で規定されている准看護師の定義及び看護師等養成所の運営に関する指導ガイドラインに示されている准看護師教育の基本的考え方を踏まえた卒業時の到達目標を策定する。
・今後の准看護師に求められる能力を培うために必要な教育内容・方法について検討を行う。
「(1)卒業時の到達目標について」、こちらは今まで准看護師教育における卒業時到達目標がございませんでしたので、※の1つ目といたしまして、「准看護師教育における卒業時の到達目標を策定する」と書かせていただいております。
そしてその次、「(2)教育内容について」、こちらにつきましては、看護師と共通する部分については同じような内容で記載しており、それ以外の部分は能力のところから引っ張ってきている内容となっております。
1充実すべき教育内容及び留意すべき点
【基礎科目】
a.ICTリテラシーを高める必要性
【専門基礎科目】
a.対象者の状態に合わせて適切に看護技術を実施できるよう、対象者の状態を的確に観察するための教育内容の充実
b.看護倫理(倫理的に考える力、患者の権利、患者安全、記録の管理等)の強化
【専門科目】
a.介護施設など様々な療養の場における看護実践力を強化するために必要な教育内容の検討
b.終末期にある対象者及び家族等への看護についての教育内容の充実
(3)教育方法について
「1講義・演習において工夫すべき点」というのは、aからcまで、看護師と同じ表現ぶりとなっておりまして、
a.アクティブラーニング等の教育方法の活用
b.ICTの活用
c.シミュレーション教育の活用
2実習において留意すべき点
a.実習における教育目標や対象者の検討
b.介護施設など様々な療養の場における実習の充実
c.様々な場における実習の展開(実習体制・環境の条件とあわせて検討)
d.患者安全を確保した上での効果的・効率的な実習方法の検討
そして、ページを最後おめくりいただきまして、「(5)その他」としまして、一億総活躍プランにも書かれておりますが、「介護福祉士養成課程における既習科目の認定について、留意点を検討する」ということを加えさせていただいております。
あと、資料4についても引き続き説明させていただきます。資料4をお開きください。こちらは、平成28年度に調査を行いました准看護師養成所における教育に関する調査結果でございます。
准看護師養成所の教務主任、またはそれに準ずる教員の方に質問肢の調査を行ったものでございます。調査内容につきましては、さまざまある中で、今回、1から4について、議論の参考として御紹介しております。
ページをおめくりください。2ページ目、1として「准看護師養成所における臨時実習の課題」を記載しております。こちらにつきましては、実習施設の確保について、何らかの課題があると答えた養成課程が72.8%でございました。
一方、実習指導体制についても何らかの課題があると回答していただいた課程は133課程で、90%を超えているという実情でございました。
おめくりいただきまして3ページ目でございます。2としまして「准看護師養成所における臨地実習の学習の質向上のための取組み」を紹介しております。左側に臨地実習における質向上のために講じている工夫を記載しております。いずれの課程においても何らか工夫していただいているところではあるのですが、その中でも多いのが、実習施設との実習に関する打ち合わせや、専任教員の指導力向上のための研修参加の奨励などでございました。
そして右側の、それらの質向上のために必要な事項につきましては、実習施設の准看護師養成所に対する理解を深めるや、実習施設の実習指導者講習会の受講率を上げるといった御意見以外に、経済的支援や実習指導者配置に対する支援というところが書かれております。
ページをおめくりいただきまして、4ページ目、3として「准看護師養成所におけるシミュレーション教育の実施状況」を紹介しております。38課程(25.9%)がシミュレーション教育を実施しておりまして、右側のシミュレーター訓練、技術訓練を目的に行っている訓練の方では、かなりの課程、74.2%において実施いただいているところですが、それよりも、より実習の環境に近い形で、演習等でシミュレーション教育をやっていただくには、左側のグラフからもう一押しというところがおわかりいただけるかと思います。
その最終ページ、5ページ目をご覧ください。こちらは、「准看護師教育において到達すべき目標・これからの教育について」自由記載で回答いただいたものの御紹介でございます。
ボックスが2つ並んでおりますが、緑色の上の段、「准看護師教育において到達すべき水準についてどう考えるか」といったところでは、上から3つ目にありますような「到達すべき水準を、国としてしっかり出してほしい」等といった御意見をいただいております。
また、その下の青色の段、「これからの准看護師養成所における教育はどうあるべきか」という点につきましては、上から2つ目にありますように、時間数が少ない割に身につけなければならない知識・技術が多いため、基礎科目にかける時間を減らし、専門基礎科目や専門科目の時間を増やしたほうがよい」といった御意見や、下から2つ目、「在宅、施設、訪問などの看護を学ぶカリキュラムが必要である」、あるいは最後、「慢性期や終末期における看護の考え方や、生活支援技術を重視したカリキュラムが必要である」といった御意見をいただいているところでございまして、こうした調査結果も御参考に御意見いただければと思います。
以上でございます。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは早速、准看護師のワーキンググループにおける検討事項、議論していただきたいと思いますけれども、ほかにも参考資料というものもございますので、これらを参考にしながら御意見を賜りたいと思います。初めてでございますので、パートに分けて議論したほうがよろしいかと思います。
まず最初は、1ページ目の将来を担う准看護師に求められる能力について、これについて何か御意見ございますか。
酒井構成員、お願いいたします。
○酒井構成員 先ほどの事務局からの説明で、これからの准看護師養成所における教育はどうあるべきと考えるかというところにも出ているのですけれども、病院から施設、地域へと准看護師さんたちの働く場が多様になってきているので、多職種との連携実践能力はやはりこれから准看護師さんには必要になってくるといいますか、基本的な専門職連携実践能力というのも、この准看護師としての役割をさらに発揮できるような能力の中に入れておかないと、チームを構成するメンバーの一人として准看護師が入った場合に、准看護師だけがその専門職連携実践能力がちょっと低いということになりますとチームパフォーマンスが落ちるということもありますので、ぜひ御検討いただければと思います。
意見です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。それでは、先ほどお手を挙げておられた方。中西構成員、お願いいたします。
○中西構成員 今、御意見いただいたことも含めてですけれども、准看護師の役割とか責務といったところが現場において混乱していると思っています。その中で、幾ら今後必要な能力だったり必要な教育の内容はどうかと検討しても、それぞれの立場で必要なことが乱舞するような形になるのではと思うので、1回目の検討会のときから意見が出ておりますけれども、到達目標、それから、准看護師が担う役割とは何なのか、こういったことは基本的に最初につくり上げないといけないのではないかと思っております。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
池西構成員、どうぞ。
○池西構成員 今、中西構成員がおっしゃったことについてはそのとおりだと思います。具体的にお示しいただいたたたき台で、1ページの「准看護師としての役割をさらに発揮できるよう以下の能力を強化する」のeの部分ですが、「対象者の状態に合わせて適切に看護技術を提供する能力」、これは今の准看護師の状況から考えたら曖昧な表現になっている気がします。対象者の状況に合わせて適切に看護技術ということになると、一定の判断が求められます。現状は、看護師が立てた計画をしっかりと理解して、実施するときに患者さんの状態を見ながら実施する、継続していいかどうかの判断をしながら実施するというニュアンスではないかと思いますので、このeの表現が「適切に」とか「状態に合わせて」というと曖昧になるような印象が1点。
それから、hのところが専門職として倫理的に、と。准看護師の方にも倫理は求められていると思うので、dはとても大事だと思います。hも、「倫理的に行動する能力」というのは准看護師として求められていると思うのですが、専門職という表現が妥当か、悩むところです。
○遠藤座長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょう。
太田構成員、どうぞ。
○太田構成員 太田です。
そもそも論になってしまうのですけれども、担う役割は何かという問題以前に、准看護師の専門性の議論というのが必要なのではないかと思うのですね。専門職としていかがなものかという意見も今聞かれましたけれども、准看護師の専門性をどこに求めるかということになると、このjに書かれているように、「療養生活を支える力」という、ここが非常に僕は大きいと思っています。病気だとか命だとか、急性期医療の現場で力を出すというよりは、療養生活を支える力を期待されている。つまり、慢性期医療の現場でその力が発揮されているとすれば、それを准看護師の専門性であるという位置づけを明確にしない限り、誇りを持って仕事していくことは難しいと思うのですね。
看護師の専門性に近いのが准看護師の専門性だということになると、専門職としてのというその文言の中に、看護師に近い倫理性を持つという、そういうことになっていってしまうわけです。ですから、准看護師の課題というのはずうっと長く聞かれていますが、かまびすしい時代もあったわけですけれども、養成を続ける以上、改めて准看護師の専門性は何かということを明確化して、その先に担う役割が決まり、そして教育の到達水準が求められるのではないかなというのが私の意見です。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。ほかに何かございますか。
山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 ありがとうございます。
患者から見ると、例えば保健師、助産師、看護師の違いということはわかりますけれども、この人が看護師で、この人が准看護師という違いはやはりわからないわけです。そうすると、同じレベルのことを求めてしまうことになるのではないかと思います。准看は医師や看護師の指示を受けて業務を行うと規定されていますけれども、診療所、介護施設で働いている方が多いといえども、やはり病院もまだ4割近くあるということから考えますと、その質といいますか、ここに水準を明確にするということが言われていますが、そこのところをどれだけ明確にしていくことができるかということが私は大事かなと思います。
先ほどから出ていますように、この1ページのたたき台の3つ目のポツのところですね。「准看護師としての役割をさらに発揮できるよう以下の能力を強化する」。私も、このeとfと、gもやや、「最新の知識を活用する能力」ということの「最新」というのがどこまでの最新なのかということになると、指示を受けて仕事をするという人にここまで求められるのかなということを考えますと、やはり倫理的に行動する能力は必然だと思いますが、あとのe、f、gについてはもう少し具体化するというか、限定的にしないと、単に高い目標だけを掲げてしまう結果になるのではないかなあと思いました。
ですので、今、多様なところで働くというお話がございましたけれども、そもそも准看護師の役割というところが、一般的にもわかっていませんし、これも看護師の中の一部をここに残しておいたというような印象になっていますので、そこはもう少しやはり整理して議論することが大事かなと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。
お待たせしました。井伊構成員、どうぞ。
○井伊構成員 第1回検討会でも申し上げたことですけれども、「准看護師は、医師、歯科医師又は看護師の指示のもとで療養上の世話や診療の補助を実施する」と法律上規定されていますので、専門性や役割という議論と同時に、「指示を受けて療養上の世話や診療の補助をする」という、規定が前提だと思います。
この親検討会においてその規定を改めて確認して、強化する能力や卒業時の到達目標の議論をすることが必要だと考えます。指示のもとに行うことをこの検討会の共通認識とするためには、准看護師が医師、歯科医師又は看護師の指示のもとで療養上の世話や診療の補助を実施するという一連の流れがどのように整理できるのかということを、事務局から、お示しいただきたい。
一連の流れを共通認識し、議論をすることが必要でないかと思いますので、お願いしたいと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。事務局に要請がありましたので、何かコメントございますか。
○関根教育体制推進官 今、井伊構成員からいただきました御要望につきましては、次回、その一連の流れといったところをお示しできるように、事務局の方で資料を準備したいと思います。
○遠藤座長 よろしくお願いします。ほかに何かございますか。
井伊構成員、どうぞ。
○井伊構成員 それともう一つ、1ページですが、済みません、言い忘れました。将来を担う准看護師に求められる能力といたしまして、指示を受けて業務を実施する場合であっても、的確に対象者を観察できることですとか、適切に報告ができるといった能力は必要だと思いますので、そこはしっかりと役割発揮できるための能力として記載していただきたいと思います。
それから、先ほど山口構成員からも御発言がありましたが、私も、「最新の知識を活用する」というのはどういう意味合いなのかということは疑問でございました。
○遠藤座長 ありがとうございます。
釜萢構成員、どうぞ。
○釜萢構成員 今いろいろ御意見が出ましたけれども、そもそも准看護師の業務の範囲というのがどうなのかということについては、保助看法に規定されている今の「医師、歯科医師又は看護師の指示のもとに療養上の世話や診療の補助を行う」ということに尽きるのですが、では実際に、山口構成員も言われましたが、看護師と准看護師の仕事はどこがどう違うのかというところについては、なかなかしっかりと峻別することは難しいのが現実ですね。
しかし、時代がいろいろ変わりますので、当初は看護師がほとんどいない中で、准看護師ばかりだった時代もあるし、その後大分様子が変わってきて、そして、現代においては、先ほど太田構成員も言われたように、慢性期の療養を担う方が、かなり准看護師の役目として必要だという御意見が出てきています。ですから、時代の要請に応じてどのように考えたらよいかというのをワーキングで議論することは非常に意義があると思うのですが、看護師と准看護師の業務の範囲をどう決めるかということになると、限られた時間の中でそこまではっきりと結論を出すのは難しいのではないかなと思います。ですから、あくまでも保助看法に示されている内容を共通理解の基礎として、その中で現在の社会の要請を踏まえて、現実的にどのように整理するかということをできる範囲でやらないとなかなか難しいかなと思います。
それから、養成の現実とすると、准看護師は2年間の養成期間で養成しますし、看護師は3年以上の期間が与えられるわけでありまして、それでも短いという御意見もあるわけですから、同等の能力を卒業時点で求めるというのはとても無理ですね。そのことも踏まえて、准看護師の資格をとった人がその後どのようにまたさらに役割を広げていくことができるかという、その将来の伸びしろを踏まえた検討がぜひ私は求められていると思います。
ですから、限られた時間の中で、現在求められている准看護師、准看護師の養成については今後も国は養成を続けるという方針をしっかり打ち出していますし、今後必要な看護職の中で准看護師抜きには必要な看護職を確保できないだろうと思いますので、そのあたりも踏まえて、実際に養成可能なスケジュールという、先々、今後は実際のカリキュラムにかかわるような検討も進められるわけですから、そこが現実的に行われるような形をぜひ打ち出していただきたいと思います。
あともう一つつけ加えますと、平成11年の准看護師の養成課程の変更で、現場は非常に苦労しました。限られた時間の中でどのように教えるかということで、現場の苦労は本当に大変なものであります。ですから、今回の変更によってまた現場がやりにくくならないようにはぜひしていただかないといけないなあと強く感じておりまして、そのことも踏まえて発言をいたします。
以上でございます。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
それでは、中島構成員、お願いいたします。
○中島構成員 ありがとうございます。
私のほうからは、実際に現場で障害者施設や介護福祉施設で准看の看護師さんと働いている上で思っていることをお話ししたいと思います。
どちらの施設においても、介護士さんたちが、今、医療行為ができるようになりつつあって、痰の吸引とか胃ろうからの栄養の注入等を行っているのですけれども、そういうタスクシェアの場面において実際にその人たちを指導するのは正看護師に限ると現在はなっていますので、施設の中では、「看護師さん、これどうやるの」と聞かれていても、その介護士さんたちに実際に指導しているのは准看護師さんですけれども、実際に介護士さんたちがどんなことまで医療行為できるのかというのをきちんと学んでいないで指導しているような現状にあります。私としましては、専門職として准看護師は施設内でもリーダーシップがとれるような教育を受けられたらいいのかと思っています。
また、病院での療養が困難な発達障害等で病棟内を走り回ってしまうようなお子さん方は、危機の回避のために早期の退院が考えられますが、そのような方々は、自宅で介護が困難で施設に入っていらっしゃる方が多く、病院から施設に戻ることになります。そして、完治しない疾患の場合は、障害者施設で勤務する准看護師が、例えば、がんの方とか、難病の方とか、非常に重症な方を見ている状況があるというのは情報として皆さんにお伝えしたいと思って発言しました。 以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。
ほかにも御意見あるかと思いますけれども、この議論はまた次回も引き続き行いますので、このテーマにつきましては、本日はこのぐらいにさせていただきたいと思います。
それでは続きまして、3ページになりますか、見直しの方向性でございますけれども、これについて何かございますか。
池西構成員、どうぞ。
○池西構成員 ありがとうございます。
准看護師の見直しの方向性というのが3ページにございますが、今まで保助看に書かれていた保健師助産師看護師学校養成所指定規則上の教育内容の枠組みを維持して見直しをというこの文言が入っていませんので、准看護師につきましては、今のカリキュラムは幾つかの問題点があるように思いますので、枠組みから見直すという理解をしてよろしいですか。
○遠藤座長 事務局、何かコメントありますか。
○島田看護課長 事務局でございます。
准看護師のカリキュラムが見直されたのが、先ほど構成員からの御発言の中にもありましたが、平成11年でございまして、そこから約20年近くたっている中で、介護保険制度も創設前に設定されていたり、その後さまざまな関連する制度が変わっているというような中でございますので、保健師、助産師、看護師とはそのあたりの状況がちょっと異なっているのかなということもございますので、その教育内容の枠組みを維持というよりも、そのところも含めて必要な見直しを検討していただくことが必要かなと思っておりまして、こういった記述にしております。
○遠藤座長 ありがとうございます。よろしゅうございますね。
ほかに何かございますか。
山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 「到達目標を策定する」と書いてありますけれども、これはこれまで全くなかったということでしょうか。何もないところから今回新たにつくられるということでしょうか。
○遠藤座長 では、事務局お願いします。
○島田看護課長 もしかしますと、各学校さんによってはそれぞれお示しになられていたり、団体様で何かお示しということもあるのかもわからないですけれども、保健師、助産師、看護師につきましては国が通知という形でお示しをしている中で、准看護師に関しては国のほうでお示ししておりませんでしたので、そこをつくっていただくということでいかがかということを記載しております。
○遠藤座長 山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 まさしくそこが一番大事なところかなと思いますので、たたき台のところに能力とあるのですけれども、能力というのもどこまであれば能力なのかというのが、この到達目標や水準というところに全てかかってくるかなと思いますので、ここをより明確にすることで、先ほどから出ているいろんな問題がある程度、解決まではいかないかもしれませんけれども、見えてくるのではないかなと思いました。
○遠藤座長 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
それでは、中西構成員、お願いします。
○中西構成員 この枠組みを維持する方向性と必ずしも考えていないという説明を受けましたが、今回、法律をさわらないと考えた場合、現在、准看護師養成所入学要件は中学校卒業ですが、ほかの医療職だったり、今回の資料にございますように、最後の介護福祉士養成課程の既習科目の設定とかいったところで、改めて介護福祉士養成課程のカリキュラムとの互換性等を考えると、准看護師の最終学歴が中学校卒業のままとした場合、そのバランスは壁とならないのかと疑問に思います。入学要件が中学校卒業か高校卒業かによって、その教育やカリキュラムを考えていくときに、基礎科目の設定や求められる能力、到達度をどこまで求めるのかといったところに微妙に影響してくるのではないかと思います。中学校卒業が准看護師養成所入学要件といったところは変わらないのかということをお聞きしたいのです。
○遠藤座長 事務局、コメントをお願いいたします。
○島田看護課長 そういった課題があるというような、見直しをしたほうがよいのではないかといった御意見があるということは承知しているところですが、このたびのこの場の検討では、今の制度を前提として教育内容や方法についての見直しを行っていただくということでスタートさせていただいておりまして、その入学要件ですとかそういったところの検討をいたしますと、供給量という観点からも検討が必要になってまいりますので、慎重な検討が必要ではないかと事務局としては考えております。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。
釜萢構成員、どうぞ。
○釜萢構成員 今の御指摘の点ですが、参考資料をごらんいただきますと、参考資料の7のスライドですね。「准看護師養成所の入学者の一般教育学歴の推移」ということで、御指摘のように、中学卒業となっておりますけれども、実際に中卒で来る方は極めて少なく、実際に養成所を運営して入学試験などのことを考えてみると、中学卒業の学力で入学してくるというのは極めて困難でありまして、実際には中卒、中卒既卒者ですね。高校中退で中学卒業という学歴で入ってくる人はたまにありますけれども、全体の数は非常に少ないので、今の御指摘の議論がよく出ますけれども、実際にはそれほど大きな問題ではないと。私どもは高校卒業をぜひ入学の条件としてよいとは考えておりますけれども、あとは高校で資格をとれるコースがありますので、それらとの関係ということも検討が必要ですし、中学卒業の人を今回外さなければいけないという必要性が現時点においてそんなに強くはないのではないかなと思っておりますことをちょっと申し述べます。
○遠藤座長 ありがとうございました。大体よろしゅうございますか。
それでは、藤田構成員、お願いします。
○藤田構成員 ありがとうございます。
かつて准看護師養成を当校でもやっていたのですけれども、中学新卒者というのは本当にごくわずかで、せいぜい入ってきても70名中1人2人という状況なのですね。ただ、高校を中退してという方がたまにいらっしゃいますのでそのような数になるということで、現実的には、中学新卒で入ってきて学習をしていくときに、学習内容についていけなくて、授業中に泣いている学生がいたというのをかつて経験しております。ですから、今の准看護師教育の内容を見たときに、それは時代として合っていないなあという感じも得ています。
ですから、法律的にもゆくゆくはそこのところを変更していく必要があるのではないかなと感じておりますことと、現実に准看護師養成にかかわったときに一番感じましたのは、基礎分野、それから専門基礎分野で非常に時間数が足らないというのを感じております。検討事項のたたき台のこの内容を見ましても、その教育内容が十分なものにはならないだろうなと感じております。ただ、2年間で養成していくという形を変えないのであれば、これはそんなに多くの時間数を増加させることは現実的には難しいだろと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。
それでは、いかがでしょうか。次の議題ですね。同じく3ページですけれども、(1)の到達目標でございますけれども、到達目標について具体的に書かれておりますけれども、これについてコメントいただければと思います。いかがでしょうか。
井伊構成員、どうぞ。
○井伊構成員 井伊構成員 准看護師の到達目標について議論するのは多分初めてのことです。第1回検討会で申し上げましたが、本来ならば、この到達目標について、この検討会でまず大きい議論をして、そして具体的な到達目標をワーキングで設定していくというのが、保健師、助産師、看護師の並びからいくと踏むべき道筋ではないかと思います。しかし、いきなりこの場で、この多様なメンバーで准看護師の到達目標を議論するというのもナンセンスだなと思います。そのため、ワーキングで准看護師の到達目標の議論をし、それを早い段階でこの検討会に戻していただいて、私どもも必要な議論に加われるような進め方をしていただきたいと、要望します。
看護師のワーキングと検討会もキャッチボールをしながら進めるというのが当初のお話でございましたが、看護師ワーキングが進んでいるものの、まだキャッチボールをしていませんので、いつするのかなと思っています。准看護師の到達目標については特に、早い段階でのキャッチボールお願いしたいと思います。
○遠藤座長 進め方について御要望を承りました。ほかに何かございますか。
それでは、次の課題であります、同じく3ページの「(2)教育内容について」、何かございますか。
太田構成員、どうぞ。
○太田構成員 4ページになりますけれども、専門科目のbに「終末期にある対象者及び家族等への看護についての」と。終末期医療、これは絶対時代のニーズというか、ますます重要性を増してくるわけです。それで、今、ACPが話題になっていますけれども、准看であっても、介護職であっても、そのACPに参加するということはすごく重要なのですね。ACPというのはなじみがないかもしれませんけれども、日本語になっていないものだからやたら難しいことをと受けとめられがちですけれども、このACPに参加するというのは、結局、デシジョンメイキングに参加するということであって、医学的妥当性とか医療の専門性だけが情報として与えられるものではないのですね。生活背景とか人生観とか価値観とかそういったことは、患者に一番身近な存在である人たちからの情報提供が極めて重要になります。ですから、看護についてのというだけでなくて、ここは意思決定支援にもかかわるというような、ACPをイメージしたような内容を盛り込むべきではないかなと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。ほかに何か。
井伊構成員、どうぞ。
○井伊構成員 4ページの専門科目のところですけれども、「介護施設など様々な療養の場における看護実践力を強化するために必要な教育内容の検討」とあります。これ自体を否定しているわけではないのですが、これは看護師の教育内容と全く同じ文言です。1ページの能力にある「多様な場における対象者の療養生活を支える能力」と強化される教育内容の文言をそろえ、「多様な場において対象者の療養生活を支える能力を強化するために必要な教育内容の検討」としていただいたほうがよろしいのではないかと思います。意見です。
○遠藤座長 ありがとうございました。
中西構成員、どうぞ。
○中西構成員 ありがとうございます。
3ページのICTリテラシーに関してですが、現カリキュラムでは、准看護師の教育内容には触れられていません。実際現場に出ましたら、電子カルテを、扱っていかないといけないと言って、卒業生は混乱しています。これは、教育内容として挙げるべきものと考えております。
そして、先ほど言っていただきましたように、介護施設などさまざまな療養の場における看護実践力といったところに関しまして、これから准看護師が活躍する場はこういったところが中心となってくると考え、どういう実践能力を求めるのかを検討する必要があると思います。また、終末期の対象に出会う機会もふえてくると考えると、このあたりの教育内容も今は薄いですので、もっと考えていかないといけない内容になってくるのではと思っています。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。いかがでしょうか、ほかに。
山口構成員、どうぞ。
○山口構成員 私も、今、中西構成員と同じところを見ていて、年齢構成からしても、養成所の30歳以上の方が多いということからしましても、ICTリテラシーというのは大事だと思います。この3ページの項目の書き方ですけれども、ほかの科目については、例えば「充実」で終わっていたり「強化」で終わっていたりするのですけれども、ここだけ、ICTリテラシーを高める「必要性」となっていて、何か科目として必要性というのはちょっと変ではないかなと思いました。例えば「ICTリテラシー能力の充実」とか、「能力の強化」とか、何かそういった項目にならないと科目にならないのではないかと思いましたので、ちょっと工夫していただければと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。ほかに何かございますか。
それでは、池西構成員、どうぞ。
○池西構成員 たびたび済みません。
4ページに専門基礎科目があるのですが、このaの対象者の状態に合わせて適切に看護技術を実施とbの看護倫理ですが、これが専門基礎科目に入っているのが違和感あるので、そこの中身の見直しも含めてもよろしいですか。
○遠藤座長 事務局、コメントございますか。
○関根教育体制推進官 今いただいた部分の見直しにつきましては、本検討会というよりワーキンググループの方で御検討いただきたいと思っております。
○遠藤座長 ありがとうございます。大体よろしゅうございますか。
それでは、次の課題でございます教育方法、4ページの(3)ですね。これについて何か御意見いただきたいと思います。
釜萢構成員、どうぞ。
○釜萢構成員 先ほども申しましたので、ちょっとその点は繰り返しになりますけれども、2年間の教育課程で教えられる内容はかなり限られておりますので、いろいろいただいている御議論も踏まえて、卒業後にいかに准看護師の人が幅広い場面において活躍できる能力を伸ばしていくためのいろいろな種を植えつけるということで考えていただきたい。入れることはたくさん入れたいのですけれども、もう限られている2年の中でどうするかという話なので、先々伸びるために必要な種を植えるという視点でぜひ御検討いただきたいと思います。
この教育方法についての中では、やはり実習が現場としては大変苦労しています。しっかり実習をさせて卒業させたいという思いが大変強い中で、なかなか実習場の確保ということも難しい現実がありますし、先ほどちょっと触れられた井部先生の研究においても、母子の実習について果たして、准看護師がその母子の場面に、実際に資格をとってすぐそういうところで働くだろうかというような指摘もありましたが、実習について、せっかくの検討の機会ですから、現実の実習状況も踏まえて、なるべくその能力を高めるための必要なものに限って実習を組むという視点で検討していただきたいという要望を申し上げます。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございました。ほかに何かございますか。
池西構成員、どうぞ。
○池西構成員 これはここでの話かどうかわからないのですが、「実習において留意すべき点」の中に、「介護施設など様々な療養の場における実習の充実」というのがありますが、実は指導ガイドラインの中に准看護師養成の主たる実習施設、基礎と成人ですが、その実習施設が入院患者3人に対して1人という規定があるのです。そうなりますと、なかなか実習施設に困る現状があると思うのです。
先ほどから話題になっているように、准看護師がこれから介護施設や慢性的な経過の対象を見ていくことが多いとすれば、指導ガイドラインの実習要件の見直しの必要性が、これは看護師もですけれども、あるのではないかと思います。ここで言っていいかどうかは、わかりません。
○遠藤座長 御意見として承りました。ありがとうございます。
井伊構成員、どうぞ。
○井伊構成員 ワーキングでは幅広に色々な議論をしていただいたら良いと思います。今の准看護師の働く場が介護施設等の、慢性期にある高齢者が多い場であるという実態はありますが、今回の検討会は准看護師を、そういうところに限定して働く看護職とする制度変更という話ではないはずです。現状を勘案するにしても、今回は准看護師制度の範疇で御検討いただくことだと思います。
○遠藤座長 ありがとうございます。ほかに何かございますか。
それでは、藤田構成員、どうぞ。
○藤田構成員 ありがとうございます。
最近、病院サイドの方で非常に言われているのが、介護福祉士さんの募集をかけてもなかなか来ないという看護部長さんのお話をよく伺うことがあります。ということは、看護職の仕事の範囲内の中にも介護福祉士さんが入り込んできているのではないか、職務範囲の中に、業務範囲の中に入り込んできている部分があるのではないかと私は最近ちょっと、お話を伺って思うのですね。そのときに非常に難しくなるのが、業務範囲を設定していくときに、准看護師さんの業務範囲をどのようにするかということが非常に問題になってくる部分ではないかと思うのです。
そうしたときに、この到達目標をどのように策定するかというときの話し合いの中に、介護福祉士さんとの差別化というか、そこら辺も余り差別化することは難しいのかもしれませんけれども、業務範囲をきちんとしておくということも非常に重要なのかなと考えますので、そこら辺も考慮しての内容を検討していただきたいなと思います。
○遠藤座長 ありがとうございました。ほかに何かございますか。
それでは、酒井構成員。
○酒井構成員 今の藤田構成員の御意見に賛成ですけれども、例えば回復期リハビリテーション病棟だと、看護師と介護福祉士が協働して患者さんの生活を支えるということをやっておりますし、特養や老健とかでもそういう介護士と看護師の連携ということがかなり今推進というか、かなり充実してきている中で、准看護師が、先ほどからの議論もあるように、療養上の世話に軸足を余り置き過ぎてしまうと、診療の補助業務という独占業務といいますか、看護職の重要な専門的な業務がちょっと薄くなって、そうすると介護福祉士と役割がオーバーラップして、非常に厳しい対立状況とかも起こす可能性もあるので、そのようなことも勘案して、長期ケアであるとか慢性期ケアでの活躍の場がもちろん広がっていることは事実ですけれども、だからといってそのようにするというのではなくて、今後あと10年、20年のことも考えていかなければいけないのかなと思いました。
以上です。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。大体方法論についてはよろしゅうございますか。
また次回も議論する場がございますので、そのときに御議論いただくということで、ちょうど介護福祉士との話が出ましたので、次は(5)の「その他」について御意見いただければと思います。いかがでございましょう。
釜萢構成員、どうぞ。
○釜萢構成員 国のいろいろな検討会でも、この介護福祉士と看護職、特に准看護師の共通科目というような話が出ますが、具体的に介護福祉士の養成カリキュラムも見て、また看護師、あるいは准看護師のカリキュラムを見て、共通になる部分というのはもう極めて少ないですよね。そんなに共通の部分というのはないだろうと思うのです。准看護師の課程をもし共通科目ということにすると、単位制にして互換できるということが必要になるだろうと思うのですけれども、介護福祉士と両方共通でできると大変よい方向だと考えておられる方もおありになるのですが、実際にはやはりかなり別のものだろうなと思っておりまして、この既習科目の認定を検討するというのが国の方針になっているので、今回も検討することにはなるのだろうと思いますが、詳しく見てみると、そんなに簡単にはいかないなあと思っております。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございます。ワーキングではその辺のところもまた議論していきたいと思いますが。ほかに何かございますでしょうか。
井伊構成員、どうぞ。
○井伊構成員 進め方のところですけれども、保健師、助産師、看護師に関しては、このワーキンググループにおける検討事項の「(3)教育方法」まで御議論いただき「(4)教育体制・教育環境」は教育内容の方向がほぼ見えた後に、改めて検討会で議論するとされていたと思います。准看護師については、(5)まで全部、初めからワーキングで検討していただくという提案がなされているのでしょうか。
○遠藤座長 事務局、お願いします。
○関根教育体制推進官 事務局でございます。
資料3の2ページ目をご覧いただきますとお分かりいただけますように、今、井伊構成員から御質問いただいた、(4)のところについてですが、これは他の職種も同様でして、教育体制・教育環境については共通する部分も多くございますので、次回以降の検討会で、准看護師の検討状況も見ながら検討していけたらと思っています。検討会で検討していただいた後に、准看護師ワーキンググループでも検討していただくことになります。(5)については、すでにお示ししておりますので、次回もう一回御議論いただいた後に、了承が得られれば、准看護師ワーキンググループにおろして留意点を検討していただきたいと考えております。
○島田看護課長 よろしいでしょうか。ちょっと補足をいたしますと、ただ、ワーキンググループで(5)をいきなり初めから議論できるかといいますと、多分そこは順番に議論していただくということになると思うので、順序としては(5)の単位の認定についての御議論はもうちょっと先になるかもわからないですけれども、少なくともこの検討会からワーキングに検討すべき事項としては、現時点でもお認めいただければ、この形で(5)についてもワーキングにお示ししたいという趣旨でございまして、直ちに(5)がワーキングで議論がスタートするというような状況ではないのではないと認識しております。
○遠藤座長 井伊構成員、どうぞ。
○井伊構成員 御説明ありがとうございます。保健師、助産師、看護師は、教育の大項目科目は維持し、教育内容について議論するという前提でしたけれども、准看護師については大項目からワーキングで議論するということでしたので、またこの検討会にも御報告いただいたり、私どもも、御意見を申し上げ、教育内容が確定した後に介護福祉士養成課程における既習得科目の認定を検討するという段取りだということでよろしいでしょうか。
○関根教育体制推進官 そのとおりでございます。順番としてはそのようになります。
○遠藤座長 ほかに何かございますか。
それでは、大体御意見承ったと思いますので、これらにつきましては、さまざまな御意見が出ましたので、事務局で整理していただきまして、それをもとに資料を作成していただいて、次回の検討会で新たにまた御議論いただくという形にさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
若干時間がございますので、全体を通して何か御発言したいという方、いらっしゃいますか。
菱沼構成員、どうぞ。
○菱沼構成員 ありがとうございます。
今までの議論の中で、将来的に役割を担っていく人材という将来像については、非常にクリエイティブな目標ということに関しては大方皆さんの了解が得られているのではないかと思うのですが、今、その出口のほうの論議をかなりしてまいりましたけれども、実際に入ってくる学生たち、看護職を目指して学校に入ってくる学生たちの状況がどうなっているのかということについては、教育方法とかそういうものをお考えいただくとき、あるいは目標をどこに置くかというのをお考えいただくときに、やはり少し私たちも考えなければいけないのではないかなと思っております。
今、高校からストレートで入学してくる学生、あるいは社会人経験があって、セカンドキャリアとして看護職を選んでくる学生、そういう人たちが混在してきている現状でございますけれども、いずれにしましても、マニュアル化、電動化、効率化を求める社会の中で、そういう価値観の中で育ってきている人たちです。看護というのは、皆様御承知のように、その対極にあるといいますか、対人関係を築いて、自分で気がついて、そして自分を道具にして手を出すという、マニュアル化や効率化とは非常に対極的なところにあります。そういうものに高校生たちが入ってきてなじんでいくというところに非常に基礎教育では時間をかけている現実があると思いますので、その辺も含めて、教育方法をワーキングでお考えいただくときにぜひ考えていただけたらうれしいなと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○遠藤座長 どうもありがとうございます。ほかに何かございますか。
村嶋構成員、どうぞ。
○村嶋構成員 先ほど保健師のところでちょっと申し上げたのですが、そこに戻るのですが、実習のときに「見学実習にならざるを得ない」というような文言はぜひ入れないでいただきたい。実習はやはり、自分をそれこそ道具にして何かやって、そのことの評価するのが実習ですので、ぜひその文言は外していただきたいと思います。
以上です。
○遠藤座長 ありがとうございました。大体よろしゅうございますか。
ありがとうございます。
それでは、本日の検討会はこれにて終了させていただきたいと思います。どうも長時間ありがとうございました。
事務局から、次回について何かコメントございますか。
○関根教育体制推進官 第5回検討会については、構成員の皆様方に改めて御案内させていただきます。航空券や宿泊の領収書など、対象となる先生方におかれましては、お早目に事務局までお送りください。
以上でございます。
○遠藤座長 それでは、本日はこれにて終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。
 

 

(了)

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